JP2007240940A - 光走査装置、画像形成装置、光走査装置用密閉器 - Google Patents

光走査装置、画像形成装置、光走査装置用密閉器 Download PDF

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Abstract

【課題】密閉されたポリゴン室のカバーからの放熱を促進し、密閉されたポリゴン室を発熱源とする上記の画質劣化等を回避できる小型かつ高性能で安価な光走査装置等を提供する。
【解決手段】光源と、光源から出射されたレーザ光を偏向する回転多面鏡111、回転多面鏡111を駆動するモータ4、モータ4の制御を行う駆動制御回路基板3を密閉し、側部である側壁21に回転多面鏡111が反射するレーザ光を透過する透過型光学素子22を備えたポリゴン室100と、光源、ポリゴン室100を支持し、開口領域を有する光学ハウジング1を有する光走査装置において、ポリゴン室100の上部である板状カバー23を、側壁21と直交する水平面に対して所定の角度θをなした面として形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、放熱機能を有する光走査装置等に関するものである。
カールソンプロセスといわれる電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、像担持体としての例えば感光体ドラムの回転に従って、感光体ドラム表面への均一な帯電、露光による潜像形成、現像、転写、定着、というようなプロセスが順に実行されて画像が形成される。感光体に潜像を形成させるために光走査装置が用いられるが、図1、図2を用いてそれを説明する。
図1は光走査装置の平面図である。半導体レーザ101から出射したレーザ光はカップリングレンズ105によりカップリングされ、図示しないレーザ光を整形するためのアパーチャを通過し、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ109に入射する。シリンドリカルレンズ109を出射したレーザ光は回転多面鏡111面近傍で主走査方向に長い線像として結像し、ポリゴンスキャナにより主走査方向にレーザ光が偏向走査される。偏向走査されたレーザ光は第1走査レンズ113、第2走査レンズ121を介して集光され、図示しない像担持体(感光体)面上を略等速に走査する。
図2はポリゴンスキャナ周辺の断面図である。ポリゴンスキャナは、回転多面鏡111と、回転多面鏡111を回転させるモータ4と、駆動制御回路基板3とから構成されている。モータ4はモータ軸受部5において支持され、モータ軸受部5を収納する軸受収納部2が駆動制御回路基板3にカシメなどで一体的に締結されている。回転多面鏡111は固定ばね7により回転軸6に固定され、回転軸6の駆動によって回転多面鏡111は回転する。駆動制御回路基板3には集積回路12が設置されている。このようなポリゴンスキャナは、光学ハウジング1にビス8によって固定位置決めされている。光学ハウジング1は通常は樹脂で構成されている。光学ハウジング1は薄い板金や合成樹脂板等で造られた蓋13により覆われ、光学ハウジング1と蓋13との間には、光学ハウジング1の内部を密封するための図示しないガスケットが挟み込まれている場合もある。
ところで、近年の画像に対する高密度化や高速プリント化の要求から回転多面鏡111の回転速度が高速になってきている。回転多面鏡111を高速回転させると、風切り音による騒音が大きくなるため、回転多面鏡111を密閉することで、運転中の騒音を低減するように工夫されている。すなわち、図3に示すように、該光学ハウジング1に立設された側壁21と、該側壁21の一部を構成し回転多面鏡111にて偏向されたレーザ光を側壁外部に透過させる透過型光学素子22と、側壁21の上端縁に固定されることにより側壁21内の空間を閉止する板状カバー23とを備え、該ポリゴンスキャナを包囲すること、すなわち、密閉されたポリゴン室100を構成することで、騒音を低減している。
回転多面鏡111の回転速度を高速にした場合には、ポリゴンスキャナの駆動回路制御基板3上の集積回路12に流れる電流が大きくなり集積回路12の発熱量が増加すること、また回転駆動部からの発熱量が増加して、密閉されたポリゴン室100の内部の温度が著しく上昇する。密閉されたポリゴン室100の内部の温度が上昇すると、集積回路12やモータ軸受部5(回転駆動部)の寿命が短くなったり、回転多面鏡111の反射面の蒸着膜を酸化させたり、剥離を起こす等のトラブルを生じる。また、ポリゴン室100内のハウジング底面が変形して、回転多面鏡111の回転軸6が倒れ(軸倒れ)レーザ光の反射方向が異なることによる感光体面の結像位置ずれによる画像異常が生じるなどの問題が生じていた。
また、ポリゴン室100の発熱がポリゴン室外に伝わり光走査装置内の各種の部品を位置決め・固定する光学ハウジング1の変形を生じさせたり、熱が光学ハウジング1内にこもり温度勾配を持った場合には、例えば結像光学手段(走査レンズ)がプラスチックの場合には、その膨張が一様ではなくなり、感光体上のビームスポット径の異常や、ビームスポットの位置の変動が経時的に起こり、カラー画像においては最終プリントでの所謂「色ずれ」がおこったり、モノクロ画像においては画像の濃度ムラなどといった画像の異常問題も有していた。
このような昇温による問題を解決するために、例えば特許文献1では放熱部材を取り付けたり、特許文献2では冷却手段を設けたりしている。また、特許文献3では密閉されたポリゴン室内の空気圧を減圧したり、特許文献4では発熱部と蓋をヒートパイプで連結して放熱するなど、密閉されたポリゴン室内の温度を下げるための発明が開示されている。しかし、これらの発明は光学ハウジングを大型化させたり、光走査装置を複雑にしたりし、それによって画像形成装置全体の大型化、またコストアップにつながり、商品性を著しく損なうおそれがある。
また、特許文献5では、ポリゴンスキャナの上方に空間部を形成した光走査装置の蓋部材の一部が張出す形状となっており、これによって放熱を図っている。しかし、この発明は、図3のようにポリゴン室100が密閉された構造とは異なるものである。
特開平10−123447号公報 特開2002−214552号公報 特開平10−221633号公報 実開昭62−104218号公報 特開平10−003054号公報
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、密閉されたポリゴン室のカバーからの放熱を促進し、密閉されたポリゴン室を発熱源とする上記の画質劣化等を回避できる小型かつ高性能で安価な光走査装置等を提供することを目的とする。
ポリゴン室が密閉された構造となっている光走査装置におけるもので、密閉されたポリゴン室が熱源となる。その熱がポリゴン室の外側に伝わって放熱がされるが、その放熱はポリゴン室の周りの空気が熱源によって暖められ、それによって暖められたことによって比重が軽くなった空気が重力方向と逆の上方に向かって流れる、いわゆる空気の自然対流が生じるといった物理現象に基づいて本発明がなされたものである。従って、背景技術で述べたような、ポリゴン室カバーの表面積を大きくして放熱性を上げるといった発明とは異なる。
具体的には、上記目的を達成する本発明の態様は、光源と、前記光源から出射されたレーザ光を偏向する回転多面鏡、当該回転多面鏡を駆動する駆動手段、当該駆動手段の制御を行う駆動制御手段を密閉する密閉し、側部に前記回転多面鏡が反射するレーザ光を透過する透過手段を備えた密閉手段と、前記光源、前記密閉手段を支持し、開口領域を有する支持手段を有する光走査装置において、前記密閉手段の上部を、当該密閉手段の側部と直交する水平面に対して所定の角度をなした面として形成することを特徴とする光走査装置に関するものである。前記密閉手段の上部を形成する面の一部が当該密閉手段の側部と直交する水平面と所定の角度をなしても良い。そして、前記所定の角度を0°よりも大きく、かつ、90°よりも小さい範囲内にすることを特徴とする。すなわち、密閉手段の上部(板状カバー23)が水平面に対して張り出した形状となっているが、その張り出し方がつぼまった形状となっていることが特徴である。
ここで、前記密閉手段の上部において、当該密閉手段の他の部分及び前記支持手段よりも熱伝導率が高い材質を用いることを特徴とする。その材質が金属であっても良い。
また、前記密閉手段の上部は、前記支持手段の開口領域を被覆する被覆手段と非接触となるように形成されていることを特徴とする。
また、前記密閉手段の上部は、当該上部の一部が前記支持手段の開口領域を被覆する被覆手段の一部と接触するように形成されていることを特徴とする。そして、前記密閉手段と前記被覆手段との間に弾性部材を有し、前記弾性部材が前記密閉手段の一部及び前記被覆手段の一部と接触するように形成されていることを特徴とする。この弾性部材において、当該密閉手段の他の部分及び前記支持手段よりも熱伝導率が高い材質を用いると良い。
また、前記支持手段の開口領域を被覆する被覆手段に開口領域を設けたことを特徴とする。そして、前記密閉手段の上部は、当該上部が前記被覆手段の開口領域を通じて前記光走査装置の外側に突出するように形成され、前記密閉手段と前記被覆手段との間に弾性部材を有し、前記弾性部材が前記密閉手段の一部及び前記被覆手段の開口領域の周辺と接触するように形成されていることを特徴とする。
本発明の他の態様は、光走査装置を使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
また、本発明の他の態様は、光源から出射されたレーザ光を偏向する回転多面鏡、当該回転多面鏡を駆動する駆動手段、当該駆動手段の制御を行う駆動制御手段を密閉する光走査装置用密閉器において、前記光走査装置用密閉器の上部を、当該光走査装置用密閉器の側部と直交する水平面に対して所定の角度をなした面として形成することを特徴とする光走査装置用密閉器に関するものである。
本発明の光走査装置は、密閉されたポリゴン室の上部からの放熱を促進し、密閉されたポリゴン室を発熱源とする画質劣化等を回避できるので、小型かつ高性能で安価なものに設計することができる。
以下、本発明の光走査装置を実施するための最良の形態について説明する。説明する際には、本明細書と同時に提出する図面を適宜参照することにする。
図4は、本形態の光走査装置の第1の形態の構造を図示したものである。図4(a)は、光走査装置の中の密閉されたポリゴン室100を示す斜視図、図4(b)は、密閉されたポリゴン室100を構成するための板状カバー23を示す斜視図である。
密閉されたポリゴン室100は光学ハウジング1に立設された側壁21と、該側壁の一部を構成し、回転多面鏡111にて偏向されたレーザ光を側壁外部に透過させる透過型光学素子22と、側壁21の上端縁に固定されることにより側壁内の空間を閉止する板状カバー23とを備え、ポリゴンスキャナを包囲すること、すなわち密閉されたポリゴン室100を構成する。ポリゴンスキャナは、回転多面鏡111と、回転多面鏡111を回転させるモータ4と、駆動制御回路基板3とから構成され、駆動制御回路基板3には集積回路12が設置されている。
板状カバー23は、9の位置で光学ハウジング1に立設された側壁21にビスなどで締結されている。板状カバー23の形状は、ポリゴンスキャナと対向する面が重力鉛直方向と直交する水平面に対して傾きを持っている。また、板状カバー23は板厚が略同一である(例えば金属で板状カバー23を作る場合に、板厚が一定の平板をプレス成形などで加工するが、そうすると部分的に伸び量が異なるために、正確には加工後の板厚は一定とはならないので、略同一という表現とし、そのような場合も含んでいる)。
次に図5を用いて、板状カバー23の形状がポリゴンスキャナと対向する面が重力鉛直方向と直交する水平面に対して傾きを持っていることについて詳しく説明する。図5は、図4に示した板状カバー23によって密閉されたポリゴン室100が構成された光走査装置の断面図であり、図中の番号の意味は図3で示したものと同一である。図中に密閉されたポリゴン室100空間の重力鉛直方向と直交する水平面を1点鎖線で描き、それとポリゴンスキャナと対向する板状カバー23がなす角度をθとした。図5に示した例では、0°<θ<90°であり、図に示すように上方に向かってつぼまっていくような形状となっている。また、板状カバー23の熱伝導率は、側壁21や光学ハウジング1よりも高く、板状カバー23は金属、側壁21、光学ハウジング1はガラス繊維入り樹脂である。
この形態の動作について、図4、5を用いて以下に説明する。プリントをする指令(光走査装置の処理動作を中央処理制御するCPU(Central Processing Unit)が記録媒体としてのROM(Read Only Memory)に記録されているプログラムを読み出すことによりプリントの処理動作を実行するときの指令をいう。)によってポリゴンスキャナの回転多面鏡111が高速で回転を開始する。ポリゴンスキャナの駆動回路制御基板3上の集積回路12に流れる電流により集積回路12が発熱し、また回転駆動部からの発熱量が増加して、密閉されたポリゴン室100の内部の温度が上昇する。これらの熱エネルギーは、光学ハウジング1、それに立設された側壁21、板状カバー23に伝わり、熱エネルギーがこれらの固体に蓄積される結果それらの(固体の)温度が上昇する。蓄積された熱エネルギーは密閉されたポリゴン室100の外側の空気や光学ハウジング1のポリゴン室を構成している部分の外側の固体に伝わる。そして、密閉されたポリゴン室100の外側の空気に伝わった熱エネルギーによってポリゴン室の外側の空気が暖められる。空気は暖められると体積が膨張し、比重が軽くなり、その結果、重力方向に対して逆の上方へ空気が上昇する(図4(a)中の太い矢印付破線参照)。本形態では板状カバー23が上方に向かってつぼまっていくような形状となっているので、その斜面上において熱エネルギーが常にポリゴン室の外側に供給され、下側(例えば図4(a)中の太い矢印付破線の始点(側壁21)付近)から上昇してきた空気は冷却されずに比重が軽いままさらに重力方向に対して逆の上方に上昇を続けることができる。このように上昇を続けた空気は、図5に示すように、光学ハウジング1の開口部を閉止する薄い板金や合成樹脂板等で造られた蓋13に到達し、その蓋に当たった暖かい空気の熱エネルギーの一部は蓋13に吸収されることで熱エネルギーを下げ、空気の温度が下がって、重力方向に対して下方に下がる流れとなる。この場合、蓋13の材質は熱伝導性のよいほうがより熱エネルギーを吸収しやすくなり、放熱性が増す。蓋13に吸収された熱エネルギーは光走査装置の外へと放出される。なお、本形態では板状カバー23と蓋13は図5に示すように非接触である。
以上のように、本形態の板状カバー23は上方に向かってつぼまった形状となっていることが特徴で、そのことによって密閉されたポリゴン室100内の冷却が効率的に行なわれることになる。
もし、例えば図3に示したように、板状カバー23が上方に向かってつぼまっていくような形状でなく平板であった場合には、密閉されたポリゴン室のごく周辺の空気は暖められ、それが上昇気流となっていくが、すぐに周りの冷たい空気と混ざり合い、上昇のスピードが低下することになり、密閉されたポリゴン室100内の冷却が効率的には行なわれない。
本形態では、板状カバー23の熱伝導率は、側壁21や光学ハウジング1よりも高く、板状カバー23は金属、側壁21、光学ハウジング1はガラス繊維入り樹脂であることで説明してきたが、これに限定されることは必要ではないが、これらの組合せ、特に板状カバー23の熱伝導率が側壁21や光学ハウジング1よりも高いほうがより効率的に密閉されたポリゴン室100内の冷却が行なえる。つまり、第1の形態では、板状カバー23の上方へ上昇気流を促すことができて、密閉されたポリゴン室100の冷却効果が従来に比べて高めることができる。
図6は、本形態の光走査装置の第2の形態の構造を図示したものである。図6(a)は、光走査装置の中の密閉されたポリゴン室100を示す斜視図、図6(b)は、密閉されたポリゴン室100を構成するための板状カバー23を示す斜視図であり、図中の番号などは第1の形態と同じである。
第2の形態では板状カバー23のポリゴンスキャナと対向する面の一部が重力鉛直方向と直交する水平面に対して傾きを持っていることを特徴としており、頂点に当たる部分や側壁21と板状カバーが締結される部分の面はθ=0°(θの定義は第1の形態と同様であり、図5参照のこと)となっている。このような形状にしても、第1の形態と同様の冷却が行なえる。つまり、第2の形態では、板状カバー23の上方へ上昇気流を促すことができて、密閉されたポリゴン室100の冷却効果が従来に比べて高めることができる。
図7、8を用いて本形態の光走査装置の第3の形態について説明する。第3の形態は、板状カバー23が蓋13と弾性部材201を介して接触している場合であり、図7はその3体の位置関係を斜視図として図示したものであり、図8は組みあがった状態を断面図で図示したものである。密閉されたポリゴン室100からの放熱の仕組みは第1の形態で説明したとおりであるが、板状カバー23が蓋13と弾性部材201を介して接触している点が異なる。
板状カバー23が蓋13と弾性部材201を介して接触していることで、第1、第2の形態に加えて以下の冷却効果を奏する。
(1)第1の形態で説明した上昇気流のスピードが蓋13まで遅くなることがないので、より大きな冷却効果を奏する。
(2)板状カバー23が蓋13と弾性部材201を介して接触しているので、(1)の効果を蓋13まで継続させること、及び、蓋13との接触による蓋13からの熱伝導も行なわれ、さらなる冷却効果を奏する。
なお、板状カバー23と蓋13の接触には必ずしも弾性部材201を介する必要はないが、板状カバー23と蓋13の接触をより確実に行なわせることで固体の接触による熱伝導が行われるので、部品の加工精度や組立精度を考慮したときには弾性部材201を介したほうがよく、組立の際には、弾性部材201を厚み方向に板状カバー23と蓋13でつぶすような隙間の設計を行い、弾性部材201は弾性的に変形をすることで固体の接触による熱伝導を確実に行なわせる。また、弾性部材201は光学ハウジング1や側壁21よりも熱伝導率の高い材質を選択することで、冷却効果を高めることができる。
図9、10を用いて本形態の光走査装置の第4の形態について説明する。第4の形態は、板状カバー23の一部が蓋13の上方、すなわち光走査装置外側に板状カバー23が突出しているものである。すなわち、図9に示すように、蓋13はその一部に開口部を有しており、図10に示すようにその開口部を通して板状カバー23の一部が光走査装置外側に突出しているものである。その際に、板状カバー23と蓋の一部の開口部は弾性シール部材202を介して接触している。この弾性シール部材202の役割は第3の形態で述べた弾性部材201と同じで、また板状カバー23と蓋の一部の開口部を確実に接触させるための設計上の隙間の設計を行う。
第4の形態は、第3の形態に対して光走査装置外側に板状カバー23の一部が突出していることが特徴である。このことによって、第3の形態で述べた冷却効果(1)、(2)に加えて、突出した部分からの放熱が行われることになり、冷却効果をさらに高めることができる。
次に、上記第1〜第4の形態の光走査装置を用いた画像形成装置について説明する。図11は、上記第1〜第4の形態の光走査装置を用いたタンデム方式の画像形成装置の構成を図示したものである。図11において、符号50は、これまで説明してきた冷却効果を高めた光走査装置である。この光走査装置50は画像形成装置に対して着脱可能となっている。ここで示すように、本発明は従来のモノクロ用の光走査装置のみならず、カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に用いる光走査装置にも適用できる。
図11において、光走査装置50は画像形成装置本体900内に傾斜して配置され、4つの感光体ドラム910、920、930、940が光走査装置50の斜め下方に光走査装置50と平行をなすように配列されている。感光体ドラム910、920、930、940はそれぞれイエロー(Y)、シアン(S)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の画像を形成するもので、光走査装置50から出射されかつそれぞれの色に対応した画像信号で変調されたレーザ光で走査されることにより、各感光体ドラム表面に各色に対応する静電潜像が形成される。各感光体ドラムの周辺には、電子写真プロセスを実行するための、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置が配置され、また、転写紙に形成されたトナー像を定着する定着装置が配置されている。上記光走査装置50は、均一に帯電された各感光体ドラム表面を光走査することによって上記露光装置として機能し、各感光体ドラムの表面に各色に対応した潜像を形成する。これらの潜像は、現像装置により対応した色のトナーで現像される。画像形成装置本体900の下部には転写紙を重ねて収納するカセット950が装填可能となっていて、カセット950から1枚ずつ引き出された転写紙が、各感光体ドラム表面に形成されたトナー像と位置合わせされて搬送されることにより、各色のトナー像が転写装置により転写紙に重ねて転写され、カラー画像が形成される。転写紙上のカラー画像は定着装置960で定着され、排紙コロによって排紙トレイ上に排出されるようになっている。
図11に示すカラー画像形成装置の光走査装置として、上記各形態にかかる光走査装置を採用することにより、画像形成装置の稼動時のポリゴンスキャナからの発熱によって光走査装置のハウジングが稼動初期時に比べて高温になってもハウジングにひずみが生じず、画像上の色ずれの要因となるビームスポット位置ずれを少なくすることや、画像上の筋などの要因となるビームスポット径の太りを抑えること経時においても安定的に維持できる。
以上の説明から、本形態の光走査装置を実施することにより以下の効果を奏する。即ち、密閉されたポリゴン室100が熱源となり、その熱がポリゴン室の外側に伝わって放熱がされるが、その放熱はポリゴン室100の周りの空気が熱源によって暖められ、それによって暖められたことによって比重が軽くなった空気が重力方向と逆の上方に向かって流れる、いわゆる空気の自然対流が生じるといった物理現象に基づいて板状カバー23より放熱が効率よく行われる。即ち、ポリゴン室100の板状カバー23のポリゴンスキャナと対向する面が重力鉛直方向と直交する水平面に対して傾きを持って、水平面に対して張り出した形状となっているので、ポリゴン室100の外側での自然対流が生じやすくなる。それによって、板状カバー23からの放熱が促進され、密閉されたポリゴン室100の内部の温度上昇による、ポリゴンスキャナの集積回路やモータ軸受部(回転駆動部)の寿命が短くなったり、回転多面鏡111の反射面の蒸着膜を酸化させたり、剥離を起こす等のトラブルを少なくしたり防いだりすることができる。このことは、ポリゴンスキャナの劣化によるポリゴンスキャナや光走査装置の交換の必要性を減らし、省資源化に寄与する。
また、ポリゴン室100内のハウジング底面が変形して、回転多面鏡111の回転軸が倒れ(軸倒れ)レーザ光の反射方向が異なることによる感光体面の結像位置ずれによる画像異常が生じることがなくなり、画像品質が向上する。
また、ポリゴン室100の発熱がポリゴン室100外に伝わり光走査装置内の各種の部品を位置決め・固定する光学ハウジング1の変形を生じさせたり、又は、熱が光学ハウジング1内にこもり温度勾配を有し、例えば、結像光学手段(走査レンズ)がプラスチックの場合にはその膨張が一様ではなくなってしまうといった事態も解消される。それゆえ、感光体上のビームスポット径の異常や、ビームスポットの位置の経時的な変動に由来するカラー画像における最終プリントでの所謂「色ずれ」や、モノクロ画像での画像の濃度ムラなどといった画像の異常問題も解消することができる。
なお、上述した形態は本発明の光走査装置を実施するための最良のものであるが、かかる実施形式に限定されるものではない。従って、本発明の要旨を変更しない範囲においてその実施形式を種々変形することが可能である。
光走査装置の平面図である。 ポリゴンスキャナ周辺の断面図である。 平板である板状カバーで包囲されたポリゴンスキャナ周辺の断面図である。 本形態の光走査装置の第1の形態の構造を図示したものである。 図4に示した板状カバー23によって密閉されたポリゴン室100が構成された光走査装置の断面図である。 本形態の光走査装置の第2の形態の構造を図示したものである。 本形態の光走査装置の第3の形態の構造を図示したものである。 図7に示した板状カバー23及び弾性部材201によって密閉されたポリゴン室100が構成された光走査装置の断面図である。 本形態の光走査装置の第4の形態の構造を図示したものである。 図9に示した板状カバー23及び弾性シール部材202によって密閉されたポリゴン室100が構成された光走査装置の断面図である。 第1〜第4の形態の光走査装置を用いたタンデム方式の画像形成装置の構成を図示したものである。
符号の説明
1 光学ハウジング
2 軸受収納部
3 駆動制御回路基板
4 モータ
5 モータ軸受部
6 回転軸
7 固定ばね
8 ビス
12 集積回路
13 蓋
21 側壁
22 透過型光学素子
23 板状カバー
100 ポリゴン室
101 半導体レーザ
105 カップリングレンズ
109 シリンドリカルレンズ
111 回転多面鏡
113 第1走査レンズ
121 第2走査レンズ

Claims (13)

  1. 光源と、
    前記光源から出射されたレーザ光を偏向する回転多面鏡、当該回転多面鏡を駆動する駆動手段、当該駆動手段の制御を行う駆動制御手段を密閉する密閉し、側部に前記回転多面鏡が反射するレーザ光を透過する透過手段を備えた密閉手段と、
    前記光源、前記密閉手段を支持し、開口領域を有する支持手段を有する光走査装置において、
    前記密閉手段の上部を、当該密閉手段の側部と直交する水平面に対して所定の角度をなした面として形成することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記密閉手段の上部を形成する面の一部が当該密閉手段の側部と直交する水平面と所定の角度をなしていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記所定の角度を0°よりも大きく、かつ、90°よりも小さい範囲内にすることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 前記密閉手段の上部において、当該密閉手段の他の部分及び前記支持手段よりも熱伝導率が高い材質を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  5. 前記密閉手段の上部の材質が金属であることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記密閉手段の上部は、前記支持手段の開口領域を被覆する被覆手段と非接触となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  7. 前記密閉手段の上部は、当該上部の一部が前記支持手段の開口領域を被覆する被覆手段の一部と接触するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  8. 前記密閉手段と前記被覆手段との間に弾性部材を有し、
    前記弾性部材が前記密閉手段の一部及び前記被覆手段の一部と接触するように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
  9. 前記弾性部材において、当該密閉手段の他の部分及び前記支持手段よりも熱伝導率が高い材質を用いることを特徴とする請求項8に記載の光走査装置。
  10. 前記支持手段の開口領域を被覆する被覆手段に開口領域を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  11. 前記密閉手段の上部は、当該上部が前記被覆手段の開口領域を通じて前記光走査装置の外側に突出するように形成され、
    前記密閉手段と前記被覆手段との間に弾性部材を有し、
    前記弾性部材が前記密閉手段の一部及び前記被覆手段の開口領域の周辺と接触するように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の光走査装置。
  12. 請求項1から11の何れかの光走査装置を使用することを特徴とする画像形成装置。
  13. 光源から出射されたレーザ光を偏向する回転多面鏡、当該回転多面鏡を駆動する駆動手段、当該駆動手段の制御を行う駆動制御手段を密閉する光走査装置用密閉器において、
    前記光走査装置用密閉器の上部を、当該光走査装置用密閉器の側部と直交する水平面に対して所定の角度をなした面として形成することを特徴とする光走査装置用密閉器。
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