JP2012078861A - 光走査装置 - Google Patents

Abstract

【課題】樹脂ハウジングの熱変形を抑えて該樹脂ハウジング上に配置された光学部品の相対位置のずれを防ぐことによって高精度な露光走査を実現することができる光走査装置を提供すること。
【解決手段】各種光学部品を配置した樹脂ハウジング２外にポリゴンミラー３とこれを回転駆動するポリゴンモータ４を収納して成る光走査装置において、前記ポリゴンモータ４を前記樹脂ハウジング２とは別体で該樹脂ハウジング２よりも熱伝導率の高いモータベース８上に配置するとともに、前記樹脂ハウジング２とは別体で前記モータベース８よりも熱伝導率の低いモータカバー９で覆い、該モータカバー９を前記樹脂ハウジング２と前記モータベース８の間に設け、前記モータベース９を前記樹脂ハウジング２に締結する。
【選択図】図６

Description

本発明は、各種光学部品を配置した樹脂ハウジング内にポリゴンミラーとこれを回転駆動するポリゴンモータを収納して成る光走査装置に関するものである。

電子写真方式によって画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置にはレーザスキャナユニット（ＬＳＵ）等の光走査装置が備えられており、該光走査装置によって感光ドラム等の像担持体上にレーザ光等が走査されることによって像担持体上に静電潜像が形成される。尚、像担持体上に形成された静電潜像は、現像装置によって現像剤であるトナーを用いて現像されてトナー像として顕像化され、このトナー像は転写装置によって用紙等の記録材上に転写される。

ところで、光走査装置は、各種光学部品を配置した樹脂ハウジング内に偏向手段であるポリゴンミラーとこれを回転駆動するポリゴンモータを収納して構成されるが、発熱源であるポリゴンモータからの熱によって樹脂ハウジングが熱変形すると、該樹脂ハウジング上に配置された光学部品間の相対位置にずれが発生し、このずれのために像担持体上での露光走査が高精度になされないという問題が発生する。特に、４つの光ビームを走査させてフルカラーの画像を形成する４連タンデム型のカラーレーザプリンタ等のカラー画像形成装置には高精度な露光走査が要求される。

そこで、特許文献１には、光走査装置のカバーの上部に貫通孔を設けてポリゴンモータからの熱を外部に排出し、これによってカバー内部の温度上昇を抑える提案がなされている。

又、特許文献２には、光学箱本体（筐体）を熱伝導率の異なる２つの部分、つまり、熱伝導率の高い金属部と熱伝導率の低い樹脂部とで構成し、発熱源である回転駆動部を金属部に固定することによって、回転駆動部において発生する熱を金属部を介して外部に排出する構成が提案されている。

特開平５−００５８５１号公報 特許第３０７５４９７号公報

しかしながら、光走査装置においては、樹脂ハウジングの熱変形には、該樹脂ハウジング自身への熱伝導によりも、ポリゴンナモータの回転によって発生した対流熱が大きく寄与することが分かった。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、樹脂ハウジングの熱変形を抑えて該樹脂ハウジング上に配置された光学部品の相対位置のずれを防ぐことによって高精度な露光走査を実現することができる光走査装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、請求項１記載の発明は、各種光学部品を配置した樹脂ハウジング外にポリゴンミラーとこれを回転駆動するポリゴンモータを収納して成る光走査装置において、前記ポリゴンモータを前記樹脂ハウジングとは別体で該樹脂ハウジングよりも熱伝導率の高いモータベース上に配置するとともに、前記樹脂ハウジングとは別体で前記モータベースよりも熱伝導率の低いモータカバーで覆い、該モータカバーを前記樹脂ハウジングと前記モータベースの間に設け、前記モータベースを前記樹脂ハウジングに締結したことを特徴とする。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明において、前記モータベースを熱伝導率７０〜２６０ｗ／ｍ・ｋの高熱伝導部材で構成し、前記モータカバーを熱伝導率０．０２〜０．２ｗ／ｍ・ｋの低熱伝導部材で構成したことを特徴とする。

請求項３記載の発明は、請求項１又は２記載の発明において、前記モータカバーを前記モータベース上に設置したことを特徴とする。

請求項４記載の発明は、請求項１〜３の何れかに記載の発明において、前記モータベースを断熱部材を介して前記樹脂ハウジングに締結したことを特徴とする。

請求項５記載の発明は、請求項１〜３の何れかに記載の発明において、前記モータベースを前記モータカバーを介して前記樹脂ハウジングに締結したことを特徴とする。

請求項１及び２記載の発明によれば、ポリゴンモータを樹脂ハウジングとは別体でモータベースよりも熱伝導率の低いモータカバーで覆ったため、ポリゴンモータの回転によって発生した対流熱の樹脂ハウジングへの伝達がモータカバーによって遮断され、樹脂ハウジングの熱変形が抑えられて該樹脂ハウジング上に配置された光学部品の相対位置のずれが防がれ、像担持体上への高精度な露光走査が可能となる。

又、モータカバーと樹脂ハウジングとの間に断熱層が形成され、この断熱層による断熱効果によって樹脂ハウジングへの熱伝達が効果的に遮断されるため、樹脂ハウジングの熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

請求項３記載の発明によれば、モータカバーを熱伝導率の高いモータベース上に設置したため、モータカバーに伝達された熱はモータベースを介して外部へと効率良く排出され、樹脂ハウジングへの熱伝達が抑制されてその熱変形が防がれ、高精度な露光走査がなされる。

請求項４記載の発明によれば、樹脂ハウジングを断熱部材を介して樹脂ハウジングに締結したため、モータベースから樹脂ハウジングへの熱伝導が断熱部材によって遮断され、樹脂ハウジングの熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

請求項５記載の発明によれば、モータベースを熱伝導率の低いモータカバーを介して樹脂ハウジングに締結したため、モータベースから樹脂ハウジングへの熱伝導がモータカバーによって遮断され、樹脂ハウジングの熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

本発明の参考例１に係る光走査装置の内部構造を示す平面図である。 図１のＡ−Ａ線断面図である。 図１のＢ−Ｂ線断面図である。 本発明の参考例１に係る光走査装置の偏向走査部の模式的断面図である。 本発明の参考例２に係る光走査装置の偏向走査部の模式的断面図である。 本発明の実施の形態１に係る光走査装置の偏向走査部の模式的断面図である。 本発明の実施の形態２に係る光走査装置の偏向走査部の模式的断面図である。 本発明の実施の形態３に係る光走査装置の偏向走査部の模式的断面図である。

先ず、本発明の参考例について説明する。

＜参考例１＞
図１は本発明の参考例１に係る光走査装置の内部構造を示す平面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は図１のＢ−Ｂ線断面図、図４は同光学走査装置の偏向走査部の模式的断面図である。

図１〜図３に示す光走査装置１は、矩形ボックス状の樹脂ハウジング２内に、偏向走査部を構成するポリゴンミラー３とこれを回転駆動するポリゴンモータ４、走査レンズ５、折り返しミラー６等の各種光学部品を収納して構成されており、走査レンズ５、折り返しミラー６等の各種光学部品は樹脂ハウジング２上に配置されている。

而して、上記構成を有する光走査装置１においては、レーザダイオード等の光源７から出射した光ビームは、不図示のシリンドリカルレンズによって線状の光束に集光された後、ポリゴンモータ４によって回転駆動されるポリゴンミラー３によって所定の走査方向に偏光走査される。そして、ポリゴンミラー３によって偏向走査された光ビームは、走査レンズ５と折り返しミラー６を経て不図示の像担持体上に結像され、結像された光束は、ポリゴンミラー３の回転によって像担持体上を主走査方向に走査し、像担持体の回転によって副走査方向に走査して像担持体上に静電潜像を形成する。

ところで、本参考例に係る光走査装置１においては、ポリゴンモータ４は、樹脂ハウジング２とは別体で該樹脂ハウジング２よりも熱伝導率の高いモータベース８上に配置されるとともに、樹脂ハウジング２とは別体で前記モータベース８よりも熱伝導率の低いモータカバー９で覆われている。尚、本参考例では、モータベース８は熱伝導率７０〜２６０ｗ／ｍ・ｋの高熱伝導部材で構成され、モータカバー９は熱伝導率０．０２〜０．２ｗ／ｍ・ｋの低熱伝導部材で構成されている。

而して、本参考例に係る光走査装置１によれば、ポリゴンモータ４を樹脂ハウジング２とは別体でモータベース８よりも熱伝導率の低いモータカバー９で覆ったため、ポリゴンモータ４の回転によって発生した対流熱の樹脂ハウジング２への伝達がモータカバー９によって遮断され、樹脂ハウジング２の熱変形が抑えられて該樹脂ハウジング２上に配置された走査レンズ５や折り返しミラー６等の光学部品の相対位置のずれが防がれ、像担持体上への高精度な露光走査が可能となる。

又、ポリゴンモータ４を樹脂ハウジング２よりも熱伝導率の高いモータベース８上に配置したため、該ポリゴンモータ４からの熱がモータベース８を経て外部に効率良く放出され、樹脂ハウジング２の熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

＜参考例２＞
次に、本発明の参考例２を図５に基づいて説明する。

図５は本発明の参考例２に係る光学走査装置の偏向走査部の模式的断面図であり、本図においては図４に示したものと同一要素には同一符号を付している。

本参考例は、モータカバー９をモータベース８上に設置したことを特徴としており、このように構成することによって、モータカバー９に伝達された熱は熱伝導率の高いモータベース８を介して外部へと効率良く排出されるため、樹脂ハウジング２への熱伝達が抑制されてその熱変形が防がれ、高精度な露光走査がなされる。

次に、本発明の実施の形態について説明する。

＜実施の形態１＞
図６は本発明の実施の形態１に係る光学走査装置の偏向走査部の模式的断面図であり、本図においては図５に示したものと同一要素には同一符号を付している。尚、以下に説明する本実施の形態１〜３に係る光走査装置は、樹脂ハウジング２外にポリゴンミラー３とこれを回転駆動するポリゴンモータ４を収容した点以外は図１〜図３に示した参考例１，２に係る光走査装置１と同じ構成を有している。

本実施の形態は、モータカバー９を樹脂ハウジング２で覆うとともに、該樹脂ハウジング２をモータベース８にボルト１０によって締結したことを特徴としており、このように構成することによって、モータカバー９と樹脂ハウジング２との間に断熱層１１が形成され、この断熱層１１による断熱効果によって樹脂ハウジング２への熱伝達が効果的に遮断されるため、該樹脂ハウジング２の熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

＜実施の形態２＞
次に、本発明の実施の形態２を図７に基づいて説明する。

図７は本発明の実施の形態２に係る光学走査装置の偏向走査部の模式的断面図であり、本図においては図６に示したものと同一要素には同一符号を付している。

本実施の形態は、前記実施の形態１において樹脂ハウジング２を断熱部材である断熱パッキン１２を介してモータベース８にボルト１０によって締結したことを特徴としており、このように構成することによって、モータベース８から樹脂ハウジング２への熱伝導が断熱パッキン１２によって遮断され、樹脂ハウジング２の熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

＜実施の形態３＞
次に、本発明の実施の形態３を図８に基づいて説明する。

図８は本発明の実施の形態３に係る光学走査装置の偏向走査部の模式的断面図であり、本図においては図７に示したものと同一要素には同一符号を付している。

本実施の形態は、前記実施の形態２において、樹脂ハウジング２を熱伝導率の低いモータカバー９を介してモータベース８にボルト１０によって締結したことを特徴としており、このように構成することによって、モータベース８から樹脂ハウジング２への熱伝導がモータカバー９によって遮断され、樹脂ハウジング２の熱変形が一層抑えられてより高精度な露光走査が可能となる。

１ 光走査装置
２ 樹脂ハウジング
３ ポリゴンミラー
４ ポリゴンモータ
５ 走査レンズ（光学部品）
６ 折り返しミラー（光学部品）
７ 光源
８ モータベース
９ モータカバー
１０ ボルト
１１ 断熱層
１２ 断熱パッキン(断熱部材)

Claims (5)

1. 各種光学部品を配置した樹脂ハウジング外にポリゴンミラーとこれを回転駆動するポリゴンモータを収納して成る光走査装置において、
   前記ポリゴンモータを前記樹脂ハウジングとは別体で該樹脂ハウジングよりも熱伝導率の高いモータベース上に配置するとともに、前記樹脂ハウジングとは別体で前記モータベースよりも熱伝導率の低いモータカバーで覆い、該モータカバーを前記樹脂ハウジングと前記モータベースの間に設け、前記モータベースを前記樹脂ハウジングに締結したことを特徴とする光走査装置。
2. 前記モータベースを熱伝導率７０〜２６０ｗ／ｍ・ｋの高熱伝導部材で構成し、前記モータカバーを熱伝導率０．０２〜０．２ｗ／ｍ・ｋの低熱伝導部材で構成したことを特徴とする請求項１記載の光走査装置。
3. 前記モータカバーを前記モータベース上に設置したことを特徴とする請求項１又は２記載の光走査装置。
4. 前記モータベースを断熱部材を介して前記樹脂ハウジングに締結したことを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の光走査装置。
5. 前記モータベースを前記モータカバーを介して前記樹脂ハウジングに締結したことを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の光走査装置。
   

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