JP2007237580A - 表面保護フィルム、その製造法およびそれを有する積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電防止性、透明性に優れる表面保護フィルムおよび該表面保護フィルムを電子部品あるいは偏光板や位相差板のような光学部品に貼着した積層体を提供する。
【解決手段】 基材フィルム(イ)に導電性層(ロ)が積層された表面保護フィルムにおいて、前記導電性層(ロ)が、導電性ポリマー(a)とカーボンナノチューブ(c)を含有する層であることを特徴とする表面保護フィルムと電子部品または光学部品の少なくとも一面に、表面保護フィルムが貼着された構造を有する積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面保護フィルムおよびその製造法、並びに表面保護フィルムを有する積層体に関する。
従来から、ICやLSIを用いた電子部品や液晶ディスプレイ等の構成材料である偏光板や位相差板等の光学部品は、保管、搬送、装着に際して表面に保護フィルムが貼着されている。しかし、この表面保護フィルムが絶縁物である場合、帯電によってこれら部品の機能破壊が生じたり、ゴミの付着による部品の機能低下などが生じることが問題となっている。また、検査、製造・組み立てを実施するためこの表面保護フィルムを剥離する場合にも、更に剥離帯電が生じて同様な現象が起こり、部品の機能破壊・低下が生じる問題がある。
そこで、部品を保管、搬送、装着中等に帯電が起こらず、また表面保護フィルムを貼ったまま検査が可能で、しかも製造・組み立て時に表面保護フィルム剥離しても剥離帯電が生じない表面保護フィルムが求められている。
そのため、表面保護フィルムの表面抵抗値及び帯電量を低くするため表面保護フィルムに導電性層を付与する試みがなされている。この導電性層としては各種界面活性剤、カーボン、金属、導電性ポリマー等の使用が提案されている。しかしながら、界面活性剤では導電性に湿度依存性があり、低湿度条件では十分な効果が発現しない。また、通常の導電性カーボン等の材料では十分な導電性を得られるが、フィルムの透明性が損なわれて外観による部品の判別や部品の検査時に表面保護フィルムを貼ったまま実施することが出来ない。
導電性ポリマーを用いる試みも成されており、例えばポリアニリンやポリチオフェン等の材料が提案されている(特許文献1、特許文献2)。これらの先行技術ではπ―共役系の導電性ポリマーを用いているため、湿度依存性がなく高い導電性が発現しているが、導電性ポリマーの共役系構造から由来する着色が問題となり、外観不良や部品の検査が表面保護フィルムを貼ったまま実施することが出来ないという課題がある。
ところで、導電性に優れた材料としては、カーボンナノチューブが知られている。カーボンナノチューブが1991年に飯島等によってはじめて発見されて以来(非特許文献1)、その物性評価、機能解明が行われており、その応用に関する研究開発も盛んに実施されている。しかしながら、カーボンナノチューブは、絡まった状態で製造されるため、取り扱いが非常に煩雑になるという問題がある。樹脂や溶液に混合した場合は、カーボンナノチューブはさらに凝集し、カーボンナノチューブ本来の特性が発揮できないという問題もある。
この為、カーボンナノチューブを物理的に処理したり、化学的に修飾したりして、溶媒や樹脂に均一に分散又は溶解する試みがなされている。
例えば、単層カーボンナノチューブを強酸中で超音波処理することにより単層カーボンナノチューブを短く切断して分散する方法が提案されている(非特許文献2)。しかしながら、強酸中で処理を実施するため、操作が煩雑となり、工業的には適した方法ではなく、その分散化の効果も十分とはいえない。
また、上記提案のように切断された単層カーボンナノチューブは、その両末端が開いており、カルボキシル基等の含酸素官能基で終端されていることに着目し、カルボキシル基を酸塩化物にした後、アミン化合物と反応させ長鎖アルキル基を導入し、溶媒に可溶化する方法が提案されている(非特許文献3)。しかしながら、本方法では単層カーボンナノチューブに共有結合によって長鎖アルキル基を導入しているため、カーボンナノチューブのグラフェンシート構造の損傷やカーボンナノチューブ自体の特性に影響を与えるなどの問題点が残されている。
他の試みとしては、ピレン分子が強い相互作用によってカーボンナノチューブ表面上に吸着することを利用して、ピレン分子にアンモニウムイオンを含有する置換基を導入し、これを単層カーボンナノチューブとともに水中で超音波処理し、単層カーボンナノチューブに吸着させることにより水溶性の単層カーボンナノチューブを製造する方法が報告されている(非特許文献4)。この方法によれば、非共有結合型の化学修飾のためグラフェンシートの損傷などは抑制されるが、非導電性のピレン化合物が存在するため、カーボンナノチューブの導電性能を低下させるという課題がある。
汎用の界面活性剤やポリマー系分散剤を使用して、カーボンナノチューブ自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブを水、有機溶剤等の各種溶剤に分散化あるいは可溶化して分散液を得る方法が提案されている(特許文献3、特許文献4)。該分散液は溶液状態ではカーボンナノチューブが安定に分散しているとの記載があるが、該分散液から形成される塗膜や複合体中でのカーボンナノチューブの分散状態やその導電性に関しては未だ不十分である。
特開2004−338379号公報 特開2004−223923号公報 WO2002/016257号 特開2005−35810 S.Iijima,Nature,354,56(1991) R.E.Smalley等,Science,280,1253(1998) J.Chen等,Science,282,95(1998) Nakajima等,Chem.Lett.,638(2002)
本発明の目的は、帯電防止性、透明性の両方に優れる表面保護フィルム、および該表面保護フィルムを電子部品あるいは光学部品に貼着した積層体を提供することにある。
本発明者は、これらの課題を解決するため鋭意研究をした結果、導電性ポリマー、溶媒およびカーボンナノチューブを含む組成物を塗工して形成された導電性層を有する表面保護フィルム、および該表面保護フィルムを電子部品あるいは光学部品に貼着した積層体がこの目的に適することを見出して、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一は、基材フィルム(イ)に導電性層(ロ)が積層された表面保護フィルムにおいて、前記導電性層(ロ)が、導電性ポリマー(a)とカーボンナノチューブ(c)を含有することを特徴とする表面保護フィルムに関する。導電性層(ロ)が、さらに高分子化合物(d)を含有することもできる。
本発明の第2は、基材フィルム(イ)に、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を塗工する請求項1記載の表面保護フィルムの製造法に関する。カーボンナノチューブ含有組成物が、さらに高分子化合物(d)を含有することもできる。
本発明の第3は、電子部品または光学部品の少なくとも一面に、前記本発明の第1に記載の表面保護フィルムが貼着された構造を有する積層体に間する。
本発明の表面保護フィルムは、帯電防止性に優れ、低湿度下でも導電性が低下せず、しかも透明性に優れる。
また、本発明の積層体は、帯電防止性に優れ、低湿度下でも導電性が低下せず、しかも透明性に優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<表面保護フィルム>
本発明の表面保護フィルムは導電性層(ロ)が積層されたていれば特に限定されるものではないが、具体的な構造例としては以下の通り例示される。ここで導電性層(ロ)は剥離層(ハ)の性能を兼ね備えた導電性剥離層(ホ)として用いることもできる。
構造A:剥離層(ハ)/基材フィルム(イ)/導電性層(ロ)/粘着剤層(ニ)
構造B:剥離層(ハ)/導電性層(ロ)/基材フィルム(イ)/粘着剤層(ニ)
構造C:剥離層(ハ)/導電性層(ロ)/基材フィルム(イ)/導電性層(ロ)/
粘着剤層(ニ)
構造D:導電性剥離層(ホ)/基材フィルム(イ)/粘着剤層(ニ)
構造E:導電性剥離層(ホ)/基材フィルム(イ)/導電性層(ロ)/粘着剤層(ニ)
構造F:導電性剥離層(ホ)/導電性層(ロ)/基材フィルム(イ)/粘着剤層(ニ)
構造G:導電性剥離層(ホ)/導電性層(ロ)/基材フィルム(イ)/導電性層(ロ)/
粘着剤層(ニ)
また、更に粘着剤層(ニ)上に剥離フィルム(へ)を被覆した構造でも構わない。これら具体例の中でも性能、コストの点からは構造A、構造B、構造Cまたは構造Dなどが好ましく用いられる。これらの表面保護フィルムは、基材フィルム上に順次積層することによって製造することができる。
<基材フィルム(イ)>
基材フィルム(イ)としては、適当な強度や光学特性をもつフィルムが用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン等のフィルムがある。この中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類が好ましく用いられる。
基材フィルム(イ)は、無延伸フィルム、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルム等が用いられる。基材フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが10〜200μm 程度、好ましくは10〜100μm程度、更に好ましくは20〜50μm程度である。基材フィルムには、密着性を向上させる目的で必要に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理やアンカーコート処理等を施してもよい。
<導電性層(ロ)>
本発明における導電性層(ロ)は、導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)を含有する層である。
ここで、本発明における導電性層(ロ)は、基材上に、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を塗工して形成された層であることが、導電性の点で好ましい。
(導電性ポリマー(a))
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物では導電性ポリマーを含有することにより、カーボンナノチューブの溶解性・分散性が向上し、安定な組成物が得られ、その結果、塗膜の強度、硬度等の物性、導電性や透明性などを更に向上させることが出来る。本発明で使用される導電性ポリマー(a)は、フェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン、カルバゾリレン等を繰り返し単位として含むπ共役系高分子である。この中でも特にチエニレン、ピロリレン、イミノフェニレン、フェニレンビニレン、カルバゾリレン、イソチアナフテンを含む骨格を有する導電性ポリマーが好ましく用いられる。
導電性ポリマー(a)の中でも、溶解性、導電性、製膜性などの観点からスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するπ共役系の水溶性導電性ポリマーあるいはその塩が好ましく用いられ、特に、スルホン酸基のアンモニウム塩(−SO3 -+ )及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩(−COO-+ )を有するπ共役系高分子が好適に用いられる。ここで、スルホン酸基(のアンモニウム塩)及び/またはカルボキシル基(のアンモニウム塩)を有する導電性ポリマーとは、π共役系高分子の骨格または該高分子中の窒素原子上に、スルホン酸基(のアンモニウム塩)及び/またはカルボキシル基(のアンモニウム塩)、あるいはスルホン酸基(のアンモニウム塩)及び/またはカルボキシル基(のアンモニウム塩)で置換されたアルキル基またはエーテル結合を含むアルキル基を有している導電性ポリマーが挙げられる。ここで、前記アンモニウム塩のアンモニウムイオン(M+ )は、下記一般式(2)で示されるものである。
Figure 2007237580
(式(2)中、R48〜R51は各々独立に水素、炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基、R35OH、CONHまたはNHであり、R48〜R51うのうち少なくとも一つが炭素数5以上の基である。なお、R35は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとしては、例えば、特開昭61−197633号公報、特開昭63−39916号公報、特開平01−301714号公報、特開平05−504153号公報、特開平05−503953号公報、特開平04−32848号公報、特開平04−328181号公報、特開平06−145386号公報、特開平06−56987号公報、特開平05−226238号公報、特開平05−178989号公報、特開平06−293828号公報、特開平07−118524号公報、特開平06−32845号公報、特開平06−87949号公報、特開平06−256516号公報、特開平07−41756号公報、特開平07−48436号公報、特開平04−268331号公報、特開平09−59376号公報、特開2000−172384号公報、特開平06−49183号公報、特開平10−60108号公報に示された水溶性導電性ポリマーが好ましく用いられる。
また、スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーは、アンモニウム塩類及び/またはアミン類と反応させることにより、本発明に用いられるスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーを合成する際の原料としても用いることができる。
好ましいスルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーあるいはスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーは、下記一般式(3)〜(11)から選ばれた少なくとも一種以上の繰り返し単位を、ポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含有する導電性ポリマーである。
Figure 2007237580
(式(3)中、R1 、R2 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR1 、R2 のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2007237580
(式(4)中、R3 、R4 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR3 、R4 のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2007237580
(式(5)中、R5 〜R8 は各々独立にH、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR5 〜R8 のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2007237580
(式(6)中、R9 〜R13は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR9 〜R13のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2007237580
(式(7)中、R14は、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R83SO3 -+ 、−COO-+ 及び−R83COO-+ からなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R83は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
Figure 2007237580
(式(8)中、R52〜R57は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR52〜R57のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基であり、Htは、NR82、S、O、Se及びTeよりなる群から選ばれたヘテロ原子基であり、R82は水素及び炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、もしくは置換、非置換のアリール基を表し、R52〜R57の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と共に少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよく、このように形成される環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意の位置に含んでもよく、nはヘテロ環と置換基R53〜R56を有するベンゼン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2007237580
(式(9)中、R58〜R66は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR58〜R66のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基であり、nは置換基R58及びR59を有するベンゼン環と置換基R61〜R64を有するベンゼン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2007237580
(式(10)中、R67〜R76は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR67〜R76のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基であり、nは置換基R67〜R69を有するベンゼン環とベンゾキノン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2007237580
(式(11)中、R77〜R81は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR77〜R81のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基であり、Xa-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンであり、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整数であり、pはドープ率であり、その値は0.001〜1である。)
その他の好ましいスルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとして、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフェートも用いられる。この水溶性導電性ポリマーは、導電性ポリマーの骨格にはスルホン酸基は導入されていないが、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸が付与している構造を有している。
また、好ましいスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーとして、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸アンモニウムまたは置換アンモニウム塩も用いられる。この導電性ポリマーは、導電性ポリマーの骨格にはスルホン酸アンモニウム塩基は導入されていないが、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩が付加している構造を有している。これらのポリマーは、3,4−エチレンジオキシチオフェン(バイエル社製 Baytron M)をトルエンスルホン酸鉄(バイエル社製 Baytron C)などの酸化剤で重合することにより製造されるポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の付加体或いはこの付加体をアミン類またはアンモニアと反応させることにより製造することが可能である。また、このポリマーは、バイエル社製 Baytron PまたはBaytron Pとアミン類及び/またはアンモニウム類とを反応させることにより製造することも可能である。
以上のスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーのうち、下記一般式(12)で表される繰り返し単位を、ポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含む導電性ポリマーが更に好ましく用いられる。
Figure 2007237580
(式(12)中、yは0<y<1の任意の数を示し、R15〜R32は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R15〜R32のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基である。)
ここで、ポリマーの繰り返し単位の総数に対するスルホン酸基及び/またはカルボキシル基あるいはスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する繰り返し単位の含有量が50%以上の導電性ポリマーは、有機溶媒、含水有機溶媒等の溶媒への溶解性が非常に良好なため、好ましく用いられる。スルホン酸基及び/またはカルボキシル基あるいはスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する繰り返し単位の含有量は、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。
また、芳香環に付加する置換基は、導電性及び溶解性の面からアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等が好ましく、特にアルコキシ基を有する導電性ポリマーが最も好ましい。これらの組み合わせの中で最も好ましい水溶性導電性ポリマーを下記一般式(13)に示す。
Figure 2007237580
(式(13)中、R33は、スルホン酸基、カルボキシル基、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの基であり、そのうち少なくとも一つがスルホン酸基、カルボキシル基、及びスルホン酸基のアンモニウム塩、カルボキシル基のアンモニウム塩からなる群より選ばれた基であり、R34は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基、フルオロ基、クロロ基及びブロモ基からなる群より選ばれた1つの基を示し、Xは0<X<1の任意の数を示し、nは重合度を示し3以上である。)
本発明における導電性ポリマーとしては、化学重合または電解重合などの各種合成法によって得られるポリマーを用いることができる。例えば、本発明者らが提案した特開平7−196791号公報、特開平7−324132号公報に記載の合成方法が適用される。すなわち、下記一般式(14)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの化合物を、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた導電性ポリマーである。
Figure 2007237580
(式(14)中、R36〜R41は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−COO-+ 、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+ 、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R36〜R41のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH、−R35COOH、及び−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+ 、−R35COO-+ からなる群より選ばれた基である。)
特に好ましい導電性ポリマーとしては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩を、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた導電性ポリマーが用いられる。
また、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーから、スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する水溶性導電性ポリマーの合成方法としては、下記一般式(15)で示されるアンモニウム塩類及び/または下記一般式(16)で示されるアミン類とスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとを、溶液中で反応させることにより目的とする導電性ポリマーが容易に得られる。
Figure 2007237580
(式(15)中、R148〜R151は各々独立に水素、R35OH、炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはCONHまたはNHであり、かつR148〜R151のうち少なくとも一つが炭素数5以上の基であり、R35は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、X Z- は水酸化物イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アミド硫酸イオン、亜硫酸イオン、ホスフィン酸イオン、リン酸イオン、ピロリン酸イオン、トリポリリン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、吉草酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン、酪酸イオン、蟻酸イオン、トリメチル酢酸イオン、ブロモ酢酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、フマル酸イオン、マレイン酸イオン、マロン酸イオン、アスコルビン酸イオン、アニス酸イオン、アントラニル酸イオン、安息香酸イオン、ケイ皮酸イオン、フェニル酢酸イオン、フタル酸イオン、アニリンスルホン酸イオン、チオカルボン酸イオン、メチルスルフィン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンを示す。また、ZはXのイオン価数であり、1〜3の整数を示し、jは1〜3の整数を示す。)
Figure 2007237580
(式(16)中、R145〜R147は各々独立に水素、炭素数1〜24(C〜C24)のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいは、R35OH、CONHまたはNHであり、かつR145〜R147のうち少なくとも一つが炭素数5以上の基である。なお、R35は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
好ましいアンモニウム塩類としては塩化ベンザルコニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム等のハロゲン化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルジエチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム等のハロゲン化アルキルジエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム等のハロゲン化テトラアルキルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどが用いられる。
また、好ましいアミン類としては、ベンジルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、アニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジ−n−プロピルアニリン、ジ−iso−プロピルアニリン等のアニリン類などが用いられる。
本発明における導電性ポリマーとしては、その質量平均分子量が、GPCのポリエチレングリコール換算で、2000以上、300万以下のものが導電性、成膜性及び膜強度に優れており好ましく用いられ、質量平均分子量3000以上、100万以下のものがより好ましく、5000以上、50万以下のものが最も好ましい。
導電性ポリマー(a)はそのままでも使用できるが、公知の方法によって酸によるドーピング処理方法を実施して、外部ドーパントを付与したものを用いることができる。例えば、酸性溶液中に、導電性ポリマー(a)を含む導電体を浸漬させるなどの処理をすることによりドーピング処理を行うことができる。ドーピング処理に用いる酸性溶液は、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、安息香酸及びこれらの骨格を有する誘導体などの有機酸;ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸、ポリビニル硫酸及びこれらの骨格を有する誘導体などの高分子酸を含む水溶液、あるいは、水−有機溶媒の混合溶液である。これらの無機酸、有機酸、高分子酸はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
(カーボンナノチューブ(c))
本発明のカーボンナノチューブ含有硬化性組成物の必須構成成分であるカーボンナノチューブ(c)は、特に限定されるものではなく、通常のカーボンナノチューブ、すなわち、単層カーボンナノチューブ、何層かが同心円状に重なった多層カーボンナノチューブ、これらがコイル状になったもの等を用いることができる。
カーボンナノチューブ(c)について更に詳しく説明すると、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が、単層あるいは複数個入れ子構造になったものであり、nmオーダーの外径の極めて微小な物質が例示される。また、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーンやその頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン物質なども用いることができる。
また、カーボンナノチューブ(c)の類縁体であるフラーレン、金属内包フラーレン、玉葱状フラーレン、カーボンナノファイバー、気相成長カーボン(VGCF)、ピーポッド、カーボンナノ粒子なども用いることができる。
本発明におけるカーボンナノチューブ(c)の製造方法は、特に限定されるものではない。具体的には、二酸化炭素の接触水素還元、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法、気相成長法、気相流動法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法等が挙げられる。
これらの製造方法によって得られるカーボンナノチューブ(c)としては、好ましくは単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブであり、更に洗浄法、遠心分離法、ろ過法、酸化法、クロマトグラフ法等の種々の精製法によって、より高純度化されたカーボンナノチューブの方が、各種機能を十分に発現することから、好ましく用いられる。
また、カーボンナノチューブ(c)としては、ボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミルなどのボール型混練装置等を用いて粉砕しているものや、化学的、物理的処理によって短く切断されているものも用いることができる。
(溶媒(b))
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物の構成成分である溶媒(b)は、カーボンナノチューブ(c)を溶解または分散するものであれば特に限定されないが、導電性ポリマー(a)、高分子化合物(d)を溶解または分散するものであれば更に好ましい。
本発明で使用される溶媒(b)としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、 N−エチルピロリドン等のピロリドン類;ジメチルスルオキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類;アニリン、N−メチルアニリン等のアニリン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、m−クレゾール、アセトニトリル、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノールなどが好ましく用いられる。また、これらの溶媒は二種以上を任意の割合に混合して用いても良い。
導電性ポリマー(a)としてスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーを用いる場合の好ましい溶媒(b)としては、導電性ポリマー(a)の溶解性、カーボンナノチューブ(c)の分散性の点で、有機溶媒または含水有機溶剤が好ましく用いられる。
また、導電性ポリマー(a)としてスルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーを用いる場合の好ましい溶媒(b)としては、導電性ポリマー(a)の溶解性、カーボンナノチューブ(c)の分散性の点で、溶媒(b)としては、水または含水有機溶剤が好ましく用いられる。
(高分子化合物(d))
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物において、高分子化合物(d)を添加することにより塗膜の基材密着性、強度は更に向上する。本発明に用いることができる高分子化合物(d)としては、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物に溶解または分散可能であれば特に限定されるものではなく、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール類;ポリアクリルアマイド、ポリ(N−t−ブチルアクリルアマイド)、ポリアクリルアマイドメチルプロパンスルホン酸などのポリアクリルアマイド類;ポリビニルピロリドン類、ポリスチレンスルホン酸及びそのソーダ塩類、セルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂及びこれらの共重合体などが用いられる。また、これらの高分子化合物(d)は2種以上を任意の割合で混合したものであってもよい。
これら高分子化合物(d)の中でも、導電性ポリマー(a)としてスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボキシル基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーを用いる場合は、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂が溶媒への溶解性、組成物の安定性、導電性の点で、好ましく用いられ、その中でも特に好ましくはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂のうちの1種または2種以上を混合して使用することが 溶媒への溶解性、組成物の安定性、導電性の点で、好ましい。
これら高分子化合物(d)の中でも、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーを用いる場合は、水溶性高分子化合物または水系でエマルジョンを形成する高分子化合物が溶媒への溶解性、組成物の安定性、導電性の点で、好ましく用いられ、特に好ましくはアニオン基を有する高分子化合物が用いられる。また、その中でも、水系アクリル樹脂、水系ポリエステル樹脂、水系ウレタン樹脂および水系塩素化ポリオレフィン樹脂のうちの1種または2種以上を混合して使用することが好ましい。
(塩基性化合物(e))
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物に塩基性化合物(e)を添加することにより構成成分である導電性ポリマー(a)を脱ドープし、組成物中への溶解をより向上させる効果がある。また、遊離のスルホン酸基及びカルボキシル基と塩を形成することにより組成物への溶解が特段に向上するとともに、カーボンナノチューブ(c)の組成物への可溶化あるいは分散化が促進される。
塩基性化合物(e)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類やアンモニウム塩類、無機塩基などが好ましく用いられる。
塩基性化合物(e)として用いられるアミン類の構造式を下記一般式(17)に示す。
Figure 2007237580
(式(17)中、R245〜R247は各々互いに独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、CH2OH 、CH2CH2OH、CONH2 またはNH2 を表す。)
塩基性化合物(e)として用いられるアンモニウム塩類の構造式を下記式(18)に示す。
Figure 2007237580
(式(18)中、R248〜R251は各々互いに独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、CH2OH 、CH2CH2OH、CONH2 またはNH2 を表し、X- はOH- 、1/2・SO4 2-、NO3 -、1/2CO3 2-、HCO3 -、1/2・(COO)2 2-、またはR’COO- を表し、R’は炭素数1〜3のアルキル基である。)
環式飽和アミン類としては、ピペリジン、ピロリジン、モリホリン、ピペラジン及びこれらの骨格を有する誘導体及びこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが好ましく用いられる。
環式不飽和アミン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピロリン及びこれらの骨格を有する誘導体及びこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが好ましく用いられる。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物塩が好ましく用いられる。
塩基性化合物(e)は2種以上を混合して用いても良い。例えば、アミン類とアンモニウム塩類を混合して用いることにより更に導電性を向上させることができる。具体的には、NH3 /(NH42CO3 、NH3 /(NH4)HCO3、NH3 /CH3COONH4 、NH3 /(NH42SO4 、N(CH33/CH3COONH4、N(CH33/(NH42SO4 などが挙げられる。またこれらの混合比は任意の割合で用いることができるが、アミン類/アンモニウム塩類=1/10〜10/0が好ましい。
(界面活性剤(f))
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、界面活性剤(f)を加えると更に可溶化あるは分散化が促進するとともに、平坦性、塗布性及び導電性などが向上する。
界面活性剤(f)の具体例としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、α−スルホン化脂肪酸、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸、アルキル硫酸、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびこれらの塩などのアニオン系界面活性剤;第一〜第三脂肪アミン、四級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウムアルキルピリジニウム、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム、N,N−ジアルキルモルホリニウム、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の第四級アンモニウムおよびこれらの塩などのカチオン系界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのベタイン類、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などのアミノカルボン酸類などの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイドなどの非イオン系界面活性剤;およびフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤が用いられる。ここで、アルキル基は炭素数1〜24が好ましく、炭素数3〜18がより好ましい。なお、界面活性剤は二種以上用いても何らさしつかえない。
(シランカップリング剤(g))
本発明においては、カーボンナノチューブ含有組成物に、シランカップリング剤(g)を併用することができる。シランカップリング剤(g)を併用したカーボンナノチューブ含有組成物から得られる塗膜の耐水性は著しく向上する。シランカップリング剤(g)としては、下記一般式(1)で示されるものが好ましく用いられる。
Figure 2007237580
(式(1)中、R42、R43、R44は各々独立に、水素、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、アセチル基、フェニル基、ハロゲン基よりなる群から選ばれた基であり、Xは、
Figure 2007237580
を示し、l及びmは0〜6までの数であり、Yは、水酸基、チオール基、アミノ基、エポキシ基及びエポキシシクロヘキシル基よりなる群から選ばれた基である。)
具体的に、エポキシ基を持つものとしては、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基を持つものとしては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−アミノエチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロポキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チオール基を持つものとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
水酸基を持つものとしてはβ−ヒドロキシエトキシエチルトリエトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシシクロヘキシル基を持つものとしては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(コロイダルシリカ(h))
本発明においては、カーボンナノチューブ含有組成物に、更にコロイダルシリカ(h)を併用することができる。コロイダルシリカ(h)を併用したカーボンナノチューブ含有組成物から得られる塗膜は、表面硬度や耐候性が著しく向上する。
本発明で使用されるコロイダルシリカ(h)は、特に限定されないが、水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合溶媒に分散されているものが好ましく用いられる。有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類等が好ましく用いられる。
また、コロイダルシリカ(h)としては、粒子径が1nm〜300nmのものが用いられ、好ましくは1nm〜150nm、更に好ましくは1nm〜50nmの範囲のものが用いられる。ここで粒子径が大きすぎると硬度が不足し、またコロイダルシリカ自体の溶液安定性も低下してしまう。
<カーボンナノチューブ含有組成物>
前記導電性ポリマー(a)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して導電性ポリマー(a)が0.001〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜30質量部である。導電性ポリマー(a)が0.001質量部未満では、導電性が劣ったり、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化の効率が低くなったりする。一方、50質量部を超えると導電性はピークに達して大きく増加しないし、高粘度化して、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化の効率が低くなったりする。
前記カーボンナノチューブ(c)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対してカーボンナノチューブ(c)が0.0001〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量部である。カーボンナノチューブ(c)が0.0001質量部未満では、導電性等のカーボンナノチューブ(c)による性能が低下する。一方、20質量部を超えると、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化の効率が低下する。
前記高分子化合物(d)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して高分子化合物(d)が0.1〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜300質量部である。高分子化合物(d)が0.1質量部以上であれば成膜性、成形性、強度がより向上し、一方、400質量部以下の時、水溶性導電性ポリマー(a)やカーボンナノチューブ(c)の溶解性の低下が少なく、高い導電性が維持される。
前記塩基性化合物(e)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して塩基性化合物(e)が0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。塩基性化合物(e)がこの範囲にあるとき、水溶性導電性ポリマーの溶解性が良くなり、カーボンナノチューブ(c)の溶媒(b)への可溶化あるいは分散化が促進され、導電性が向上する。
前記界面活性剤(f)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して界面活性剤(f)が0.0001〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部である。界面活性剤(f)が10質量部を超えると、塗布性は向上するが、導電性が劣るなどの現象が生じるとともに、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるいは分散化の効率が低下する。
前記シランカップリング剤(g)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対してシランカップリング剤(g)が0.001〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜15質量部である。シランカップリング剤(g)0.001質量部未満では、耐水性及び/または耐溶剤性の向上幅が比較的小さく、一方、20質量部を超えると溶解性、平坦性、透明性、及び導電性が悪化することがある。
前記コロイダルシリカ(h)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対してコロイダルシリカ(h)が0.001〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜50質量部である。コロイダルシリカ(h)が0.001質量部以上であれば、耐水性、耐侯性及び硬度の向上幅が大きくなる。一方、100質量部を超えると溶解性、平坦性、透明性、及び導電性が悪化することがある。
更に本発明のカーボンナノチューブ含有組成物には、必要に応じて、可塑剤、分散剤、塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、保存安定剤、接着助剤、増粘剤、前記導電性ポリマー(a)以外の熱可塑性ポリマー、スリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、帯電防止剤、染料、顔料、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等の公知の各種物質を添加して用いることができる。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物には、その導電性を更に向上させるために導電性物質を含有させることができる。導電性物質としては、炭素繊維、導電性カーボンブラック、黒鉛等の炭素系物質、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、銀、ニッケル、銅等の金属が挙げられる
<カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法>
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物の必須成分である導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、カーボンナノチューブ(c)、高分子化合物(d)、及び必要によりその他の構成成分を混合する際、超音波、ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリットミキサーなどの撹拌又は混練装置が用いられる。特に、分散性と塗布性の良いカーボンナノチューブ含有組成物を得て、高性能な導電性層(ロ)を得ようとした場合、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、カーボンナノチューブ(c)、あるいは更に他の成分を混合し、これに超音波を照射することが好ましく、この際、超音波照射とホモジナイザーを併用(超音波ホモジナイザー)して処理をすることが特に好ましい。
超音波照射処理の条件は、特に限定されるものではないが、カーボンナノチューブ(c)を溶媒(b)中に均一に分散あるいは溶解させるだけの十分な超音波の強度と処理時間があればよい。例えば、超音波発振機における定格出力は、超音波発振機の単位底面積当たり0.1〜2.0ワット/cm2 が好ましく 、より好ましくは0.3〜1.5ワット/cm2 の範囲であり、発振周波数は、10〜200KHzが好ましく、より好ましくは20〜100KHzの範囲である。また、超音波照射処理の時間は、1分〜48時間が好ましく、より好ましくは5分から48時間である。この後、更にボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミルなどのボール型混練装置を用いて分散あるいは溶解を徹底化することが望ましい。
所定の構成成分を混合する際には、すべての成分を一括添加してもよいし、例えば使用する溶媒(b)のうち、その少量を用いて、濃厚なカーボンナノチューブ含有組成物を調製した後、所定の濃度に希釈しても良い。また、溶媒(b)を2種類以上混合して用いる場合には、使用する溶媒(b)のうち1成分以上を用いて、濃厚なカーボンナノチューブ含有組成物を調製し、その後、その他の溶媒(b)成分で希釈しても良い。
また、超音波照射処理を行う際のカーボンナノチューブ含有組成物の温度は、分散性向上の点から、60℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。また、操作性などの点から0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物より得られる塗膜は、一般の塗工に用いられる方法によって基材の表面に形成される。例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布方法、エアスプレー、エアレススプレー等のスプレーコーティング等の噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等が用いられる。
<導電性層の製造方法>
基材の表面にカーボンナノチューブ含有組成物を塗工した後は、常温で放置することもできるが、導電性層を加熱処理することもできる。加熱処理によりカーボンナノチューブ(c)、高分子化合物(d)、塩基性化合物(e)と、導電性ポリマー(a)との架橋反応が更に促進して、耐水性をより短時間で付与でき、また残留する溶媒(b)の量をより低下することができ、導電性がさらに向上するため好ましい。加熱処理温度は、20℃以上、250℃以下が好ましく、特に40℃〜200℃の加熱が好ましい。250℃より高いと導電性ポリマー(a)自体が分解してしまい導電性が著しく低下することがある。
塗膜の膜厚は、特に限定はされないが0.01〜100μm程度であり、好ましくは0.01〜50μm程度、更に好ましくは0.01〜10μm程度の範囲である。
本発明における導電性層は、このままでも優れた導電性を有するものであるが、基材の表面に、カーボンナノチューブ含有組成物を塗工して導電性層を形成した後に、酸によりドーピング処理を行い、次いで常温で放置あるいは加熱処理をすることにより、さらに導電性を向上させることができる。
酸によるドーピング処理方法は、特に限定されるものではなく公知の方法を用いることができる。例えば、酸性溶液中に導電性層を形成した基板フィルムを浸漬させるなどの処理をすることによりドーピング処理を行うことができる。酸性溶液は、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸や、p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、安息香酸及びこれらの骨格を有する誘導体などの有機酸や、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸、ポリビニル硫酸及びこれらの骨格を有する誘導体などの高分子酸を含む水溶液、あるいは、水−有機溶媒の混合溶液である。なお、これらの無機酸、有機酸、高分子酸はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
以上説明した本発明のカーボンナノチューブ含有組成物にあっては、カーボンナノチューブ(c)自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブ(c)が溶媒(b)に分散化あるいは可溶化することが可能であり、長期保存においても分離、凝集しない。この理由ははっきりわかっていないが、導電性ポリマー(a)がカーボンナノチューブ(c)に吸着もしくはらせん状にラッピングすることにより、カーボンナノチューブ(c)が導電性ポリマー(a)とともに分散化あるいは可溶化しているものと推測される。また、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物にあっては、導電性ポリマー(a)とカーボンナノチューブ(c)とが併用して分散あるいは溶解しているため、導電性、成膜性、成形性に優れ、しかもそのカーボンナノチューブ含有組成物から形成される導電性層が耐水性、耐候性、機械強度及び硬度に優れている。
<剥離層(ハ)>
剥離層(ハ)を形成のための剥離剤としては、非常に良好な剥離特性を有していることが好ましい。具体的な剥離剤としては、付加反応型シリコーン系等のシリコーン系剥離剤類、長鎖アルキルカーバメート含有重合体、長鎖アルキルビニルエステルの共重合体、長鎖アルキルビニルエーテルの共重合体、長鎖アルキルアクリルアミドの共重合体、長鎖アルキルアリルエステルの共重合体等の長鎖アルキル基を有する化合物類、パーフルオロアルキルカーバメート含有重合体、パーフルオロアクリレート含有重合体等のフルオロアルキル基を有する化合物類などが挙げられる。その中でも、好ましくはシリコーン系剥離剤が用いられ、更に好ましくは付加反応型シリコーン系剥離剤が用いられる。
剥離層(ハ)の形成は、たとえば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、エアまたはドクター等のナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布による方法、エアスプレー、エアレススプレー等のスプレーコーティング等の噴霧による方法、ディップ等の浸漬による方法等により剥離剤を基材フィルム(イ) などの下層に塗工した後、常温または加熱処理、紫外線照射などの方法により乾燥、硬化させることによって形成することができる。
剥離剤の塗工量は、特に制限はないものの、剥離性能を考慮すると、0.003〜5g/m程度であり、、好ましくは0.01〜0.5g/m程度である。塗工量が少な過ぎると剥離性能が不足し、一方、塗工量が多すぎると表面保護フィルムをロール状に巻いたときに剥離剤塗工面と塗工背面とがブロッキングを起こす可能性がある。
<粘着剤層(ニ)>
粘着剤層(ニ)としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤を用いて形成することができる。この粘着剤層(ニ)は、ガラス基板上へ貼着したときの剥離強度で、0.05〜0.3 N/25mm程度の軽度の粘着性を有することが望ましい。
粘着剤層(ニ)の膜厚は、特に限定されないが、5〜50μm程度、好ましくは10〜30μm程度で用いられる。
<導電性剥離層(ホ)>
導電性剥離層(ホ)は、導電性層(ロ)を形成する際に用いたカーボンナノチューブ含有組成物と剥離層(ハ)を形成する剥離剤とを含有する組成物を適当に混合、調製して、導電性層(ロ)を形成する場合と同様に層を形成して用いることができる。
<剥離フィルム(へ)>
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層(ニ)上に必要に応じて、剥離フィルム(へ)を被覆することができる。剥離フィルム(ニ)の具体例としては、ポリエステル等のフィルムの表面にシリコーン系剥離剤などの剥離剤を用いて剥離処理を施したものなどを用いることができる。
<積層体>
本発明の積層体は、本発明の表面保護フィルムを、その構成層である粘着剤層(ニ)を用いて電子部品または光学部品の少なくとも一面に貼着した構成を有する。電子部品の具体例としては、IC、LSI、VLSI等の半導体デバイス、ハードディスク、磁気デバイス、光デバイス、光磁気デバイス及びこれらを形成する電子部品等が挙げられる。また、光学部品としては、偏光板、偏光フィルム、位相差板、位相差フィルム、位相差板兼用の偏光板、位相差フィルム兼用の偏光フィルム、導光板、プリズムシート等およびこれらを組み合わせた部材、液晶等のフラットパネルディスプレイ等の光学部品が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、原料のカーボンナノチューブは、ILJIN社製、CVD法により製造された多層カーボンナノチューブを使用した(以下、カーボンナノチューブをCNTと略記することもある。)。
<導電性ポリマーの製造>
(製造例1、水溶性導電性ポリマー(A−1))
ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)の合成:
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを25℃で4mol/Lのトリエチルアミン水溶液に攪拌溶解し、これにペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、ポリマー粉末15gを得た。この導電性ポリマー(A−1)の体積抵抗値は9.0Ω・cmであった。
(製造例2、水溶性導電性ポリマー(A−1)と塩化ベンザルコニウムとの反応によって得られる導電性ポリマー(A−2))
水溶性導電性ポリマー(A−1)5gを水95gに攪拌溶解し、水溶性導電性ポリマー水溶液を調製した。得られた水溶性導電性ポリマー水溶液に塩化ベンザルコニウム 10gを水95に攪拌溶解した塩化ベンザルコニウム水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で1時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、スルホン酸アンモニウム塩基を有する導電性ポリマー(A−2)10gを得た。
<カーボンナノチューブ含有組成物>
カーボンナノチューブ含有組成物1:
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)0.25質量部、カーボンナノチューブ0.1質量部を水100質量部に室温にて混合し、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物1を調製した。
カーボンナノチューブ含有組成物2:
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)0.25質量部、カーボンナノチューブ0.25質量部、水系エマルジョンであるアクリル樹脂「ダイヤナールMX−1845」(三菱レイヨン社製、樹脂分40質量%)5.625質量部を水100質量部に室温にて混合し、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物2を調製した。
カーボンナノチューブ含有組成物3:
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)0.25質量部、カーボンナノチューブ0.25質量部、水系エマルジョンであるポリエステル樹脂「バイロナールMD−1200」(東洋紡績社製、樹脂分30質量%)7.5質量部を水100質量部に室温にて混合し、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物3を調製した。
カーボンナノチューブ含有組成物4:
上記製造例1の導電性ポリマー(A−2)1.0質量部、カーボンナノチューブ0.1質量部をジメチルアセトアミド100質量部に室温にて混合し、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物4を調製した。
カーボンナノチューブ含有組成物5:
カーボンナノチューブ0.1質量部を水100質量部に室温にて混合し、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物5を調製した。
<導電性組成物>
導電性組成物1:
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)0.25質量部、水系エマルジョンであるアクリル樹脂「ダイヤナールMX−1845」(三菱レイヨン社製、樹脂分40質量%)6.25質量部を水100質量部に室温にて混合し、導電性組成物1を調製した。
導電性組成物2:
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)1.0質量部、水系エマルジョンであるアクリル樹脂「ダイヤナールMX−1845」(三菱レイヨン社製、樹脂分40質量%)22.5質量部を水100質量部に室温にて混合し、導電性組成物2を調製した。
<表面保護フィルム> (実施例1〜4、比較例1〜3)
本発明の表面保護フィルムにおいて構造Bについて実施例を示す。
構造B:剥離層(ハ)/導電性層(ロ)/基材フィルム(イ)/粘着剤層(ニ)
(基材フィルム(イ))
ポリエステルフィルム(東洋紡社製 E5107、膜厚25μm)を使用した。
(導電性層(ロ))
基材フィルム(イ)の片面に、上記カーボンナノチューブ含有組成物1〜4(実施例1〜4)、カーボンナノチューブ含有組成物5(比較例1)、導電性組成物1、2(比較例2、3)をバーコーティング法(バーコーター♯5)にて塗布し、乾燥機で100℃、約5分間乾燥した。
(剥離層(ハ))
次いで、導電性層(ロ)の上に、剥離処理剤「ピーロイル1010」(一方社油脂工業社製)をバーコーティング法(バーコーター♯5)にて塗布し、乾燥機で100℃、約5分間乾燥した。
(粘着剤層(ニ))
一方、基材フィルム(イ)の他面に、アクリル系粘着剤「SG−800」(帝国化学産業社製)100質量部にイソシアネート硬化液「コロネートHL」(日本ポリウレタン社製)20部(固形分質量部換算)を混合して得られた塗工液をバーコーティング法(バーコーター♯5)にて塗布し、乾燥機で100℃、約2分間乾燥した。
<積層体>
実施例1〜3にて製造した表面保護フィルムを光学部品(偏光フィルム)の表面に貼着し、積層体を製造した。
<評価方法>
(溶液状態)
実施例及び比較例で用いたカーボンナノチューブ含有組成物及び導電性組成物の溶液状態を分散処理直後、及び1日静置後に目視でで観察した。
○:溶液状態で目視上均一な組成物。
×:溶液状態で目視上不均一な組成物。
(表面抵抗値)
基材フィルムに導電性層を形成した時点での導電性層に関して表面抵抗値を測定した。23±2℃、50±5%RHの条件下で表面抵抗値の測定には、表面抵抗値が10Ω以上の場合は二探針法(電極間距離:20mm)を用い、表面抵抗値が10Ω以下の場合は四探針法(各電極間距離:5mm)を用いた。
(帯電量)
基材フィルムに導電性層を形成した時点での導電性層に関して帯電量を測定した。帯電量(mV)は、シシド静電気社製STATIC HONESTMETERにより印加時の帯電量を測定した。
印加電圧:10KV、印加時間:30秒
(塗膜面外観)
基材フィルムに導電性層を形成した時点で、目視により導電性層の状態を観察した。
○:均一な塗膜が形成された。
×:カーボンナノチューブが不均一に存在する塗膜が観察された。
(色調)
目視により表面保護フィルムの色調を観察した。
Figure 2007237580
本発明の表面保護フィルムは、帯電防止性に優れ、低湿度下でも導電性が低下せず、しかも透明性に優れ、IC、LSI、VLSI等の半導体デバイス、ハードディスク、磁気デバイス、光デバイス、光磁気デバイス及びこれらを形成する電子部品及び偏光板、偏光フィルム、位相差板、位相差フィルム、位相差板兼用の偏光板、位相差フィルム兼用の偏光フィルム、導光板、プリズムシート等およびこれらを組み合わせた部材、液晶等のフラットパネルディスプレイパネル等の光学部品の表面保護フィルム用途に適用可能である。
また、本発明の積層体は表面保護フィルムを貼着した電子部品または光学部品であり、帯電防止性に優れ、低湿度下でも導電性が低下せず、しかも透明性に優れる。

Claims (5)

  1. 基材フィルム(イ)に導電性層(ロ)が積層された表面保護フィルムにおいて、
    前記導電性層(ロ)が、導電性ポリマー(a)とカーボンナノチューブ(c)を含有することを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 導電性層(ロ)が、さらに高分子化合物(d)を含有することを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 基材フィルム(イ)に、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を塗工する請求項1記載の表面保護フィルムの製造法。
  4. カーボンナノチューブ含有組成物が、さらに高分子化合物(d)を含有することを特徴とする請求項3記載の表面保護フィルムの製造法。
  5. 電子部品または光学部品の少なくとも一面に、請求項1または2記載の表面保護フィルムが貼着された構造を有する積層体。
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