JP2007237517A - 平版印刷版原版および平版印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親水性支持体上に、下塗り層およびレーザー光感受性の重合層を有する、アルカリ現像せずに画像形成可能な平版印刷版原版であって、該下塗り層に、少なくとも(a1)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(a2)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(a3)親水性グラフト鎖を少なくとも1つ有する繰り返し単位とを有するグラフトポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
【選択図】なし
Description
また、エチレン性二重結合を有するシランカップリング剤を加水分解および脱水縮合させた化合物と、一分子中にアルキレンオキサイド鎖およびアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する化合物を含有する層を感光層と支持体の間に設けることも知られている(特許文献5参照)。
本発明の目的は、これに応えるものであり、レーザーによる画像様の露光後、アルカリ現像せずに画像形成可能であり、細線再現性、耐刷性、および機上現像性のいずれもが良好な平版印刷版原版および平版印刷方法を提供することである。
2.該重合層が赤外線吸収剤を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
3.該重合層がマイクロカプセルを含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
4.前記1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、印刷機に装着し、画像様にレーザー露光した後、または、レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該平版印刷版原版に、印刷インキと湿し水を供給して、該重合層のレーザー未露光部分を除去し、印刷する平版印刷方法。
本発明の下塗り層は、少なくとも(a1)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(a2)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(a3)親水性グラフト鎖を少なくとも1つ有する繰り返し単位とを有するグラフトポリマー(以下「特定グラフトポリマー」ともいう。)を含むことを特徴とする。
グラフト重合体の合成方法としては、基本的に1.幹高分子から枝モノマーを重合させる、2.幹高分子に枝高分子を結合させる、3.幹高分子に枝高分子を共重合させる(マクロマー法)という3つの方法に分けられる。これらの3つの方法のうち、いずれも使用して本発明の親水性グラフトポリマーを作製することができるが、特に製造適性、膜構造の制御という観点からは「3.マクロマー法」が優れている。
マクロモノマーを使用したグラフトポリマーの合成は前記の“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載されている。また山下雄他著“マクロモノマーの化学と工業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されている。
L1:−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L2:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L3:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L4:−二価の脂肪族基−O−CO−
L5:−CO−NH−二価の芳香族基−O−CO−
L6:−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L7:−二価の芳香族基−O−CO−
L8:−CO−二価の脂肪族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L9:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L10:−CO−二価の芳香族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L11:−CO−二価の芳香族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L12:−CO−二価の脂肪族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L13:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L14:−CO−二価の芳香族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L15:−CO−二価の芳香族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L16:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L17:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
二価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、さらに分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。 二価の脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至12であることがさらに好ましく、1乃至10であることがさらにまた好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
二価の芳香族基の置換基の例としては、上記二価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
前記L1〜L17の中では、L1、L3、L5、L7、およびL17が好ましい。
特定官能基としては、例えば、陽極酸化処理または親水化処理を施した支持体上に存在する金属、金属酸化物、水酸基などと共有結合、イオン結合、水素結合、極性相互作用、ファンデルワールス相互作用などの相互作用が可能な基が挙げられる。
特定官能基の具体例を以下に挙げる。
これらのなかでも特定官能基としては、アンモニウム基、ピリジニウム基等のオニウム塩基、リン酸エステル基、ホスホン酸基、ホウ酸基、アセチルアセトン基などのβ−ジケトン基などが好適である。
組合せからなるLの具体例としては、前記(A1)におけるLの具体例に加えて以下のものを挙げることができる。なお、下記例において左側が主鎖に結合する。
L19: −CO−NH−
L20: −CO−O−
L21: −二価の芳香族基−
本発明で使用される親水性マクロモノマーのうち特に有用なものは、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロモノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスチレンスルホン酸、およびその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸系マクロモノマー、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系マクロモノマー、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどのN−ビニルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロモノマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロモノマー、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどのアルコキシ基もしくはエチレンオキシド基含有モノマーから誘導されるマクロモノマーである。またポリエチレングリコール鎖もしくはポリプロピレングリコール鎖を有するモノマーも本発明のマクロモノマーとして有用に使用することができる。これらのマクロモノマーのうち有用な高分子の質量平均分子量(以下、単に分子量と称する)は400〜10万の範囲であり、好ましい範囲は1000〜5万、特に好ましい範囲は1500〜2万である。分子量が400以下では有効な親水性を得がたく、また10万以上では主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が低くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキレート等のアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等のメタクリレート。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
特定共重合体を用いる下塗り層の形成は、通常、特定共重合体を溶剤に溶かして塗布液を調製し、支持体に塗布して行う。溶媒としては、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が挙げられ、特にアルコール類が好ましい。これらの有機溶媒は混合して用いることもできる。
本発明の重合層は、レーザー光感受性であり、(A)活性光線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)バインダーポリマーを主成分として含有することができる。また、重合層は、必要に応じてこれら以外の公知の添加物を含有することができる。以下、重合層の成分について説明する。
活性光線吸収剤は、露光に用いるレーザーの波長に対応した吸収波長を有する色素であり、レーザー光を効率よく吸収して平版印刷版原版の感度を向上させるために用いられる。なかでも、好ましい活性光線吸収剤としては、平版印刷版原版を白灯または黄色灯下で取り扱うことを可能にする点で、赤外線吸収剤および360nm〜450nmの光を吸収する増感色素を挙げられる。
本発明の平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザーを光源により画像形成する場合には、通常、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述する重合開始剤(ラジカル発生剤)に電子移動/エネルギー移動する機能を有する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素を挙げることができる。
重合層の吸光度は、重合層に添加する赤外線吸収剤の量と重合層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの重合層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
本発明に用いられる増感色素としては、350〜850nmに吸収ピークを有するものが好ましい。このような増感色素としては、分光増感色素、光源の光を吸収して光重合開始剤と相互作用する以下に示す染料あるいは顔料が挙げられる。なかでも、白灯または黄色灯下での作業を可能にする360nm〜450nmの光を吸収するものが好ましい。
本発明の重合層に用いられる重合開始剤としては、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、または2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
本発明の特に好ましい開始剤は、反応性、安定性のハ゛ランスから電子供与性基を有するヨードニウム塩、または電子吸引性基を有するスルホニウム塩であり、中でも、カチオン部を有する骨格にアルコキシ基などを2つ以上有するヨードニウム塩、更に好ましくはアルコキシ基を3つ以上有するヨードニウム塩が最も好ましい。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、重合層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
エステル残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 CH2 O−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−CH2 CH=CH−C6 H5 、−CH2 CH2 OCOCH=CH−C6 H5、−CH2 CH2 −NHCOO−CH2 CH=CH2 および−CH2 CH2 O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
具体的には、上記エーテル基を側鎖に有するアクリレートもしくはメタクリレートの単独重合体または共重合体が挙げられる。共重合するモノマーとしては、上記架橋性基を有するモノマーおよび特定共重合体の説明中のその他のモノマーが挙げられる。
このエーテル基の親水性は、良好な機上現像性を得るのに有効である。
また、重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
本発明においては、上記の重合層構成成分(A)〜(D)および後述のその他構成成分を重合層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型重合層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて重合層に含有させるマイクロカプセル型重合層である。さらに、マイクロカプセル型重合層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型重合層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。更に他の態様として、重合層に架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中および/または表面に該構成成分(A)〜(D)の一部を含有することが出来る。特に(C)重合性化合物をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
より良好な機上現像性を得るためには、重合層は、マイクロカプセル型もしくはミクロゲル型重合層であることが好ましい。
例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明において、重合層には、印刷開始時の現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の含有量は、重合層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜10質量%であるのがより好ましい。
本発明では、更に必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合が好ましい。
本発明の重合層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
本発明の重合層には、重合層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、重合層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
本発明の重合層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で重合層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、重合層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
本発明の重合層は、現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、重合層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の重合層は、画像部の硬化皮膜強度向上および非画像部の現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5μm〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、重合層中に安定に分散して、重合層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、重合層の全固形分に対して、40質量%以下であるのが好ましく、30質量%以下であるのがより好ましい。
本発明の重合層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
本発明の重合層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。本発明の重合層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
支持体に表面処理を施した後または下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4 、Si(OC3H7)4 、Si
(OC4H9)4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明の平版印刷版原版には、酸素遮断性付与、重合層での傷等の発生防止、高照度レーザー露光時に生じるアブレーション防止等のために、必要に応じて重合層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることができる。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる重合層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が重合層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、重合層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特公昭55−49729号公報に記載されている。
A(B,C)2-5 D4 O10(OH,F,O)2
〔ただし、AはK,Na,Caの何れか、BおよびCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSiまたはAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
層状化合物の粒子径は、その平均径が1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。粒子径が1μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止しうるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
たとえば封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔でも可能である。
本発明に用いられる封孔処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、中でも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組合せは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回または複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧または常圧の水蒸気を連続的にまたは非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×105 〜1.043×105Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸漬させる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)または有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明の平版印刷版原版を露光する光源としては、公知のものを制限なく用いることができる。望ましい光源の波長は300nmから1200nmであり、具体的には、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノランプ、メタルハイラドランプ、ストロボ、紫外線、赤外線、レーザー光線などが挙げられる。特にレーザーが好ましく、760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザー、360nm〜450nmの光を放射する紫外線半導体レーザー、可視光を放射するアルゴンイオンレーザー、FD−YAGレーザーなどが挙げられる。なかでも、製版の簡易化の点からは、白灯または黄色灯下で作業を行うことができる赤外線または紫外線を放射するレーザーが特に好ましい。
赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。1画素あたりの露光時間は、20μs以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2 であるのが好ましい。
紫外線レーザーとしては、具体的にはInGaN系半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよいが、総出力20mW以上となる様な、マルチビームの露光装置が好ましい。
好ましい具体的な方法として、平版印刷版原版をレーザーで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上においてレーザーで露光し、現像処理工程を経ることなく印刷する方法等が挙げられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形で用いることもできる。現像液中の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%である。
これらノニオン性界面活系剤は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。本発明においては、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。
さらに、現像液中に含有するノニオン性界面活性剤の比率は、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
またアセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
本発明の現像液に使用する界面活性剤としては、抑泡性の観点から、ノニオン性界面活性剤が特に好適である。
、G"(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエ
ン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、下記の極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)、が挙げられる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
上記現像液の温度は、任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃である。
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
(スルホン酸型マクロマーの合成)
コンデンサー、攪拌機を取り付けた300ml三口フラスコにアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸30g、3-メルカプトプロピオン酸3.8gを1−メチル−2−ピロリドン70gに溶解後、窒素雰囲気下60℃に昇温し、熱重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)0.17gを加えて6時間反応し、末端カルボン酸プレポリマーを得た(酸価1.05meq/g、分子量1.29×103)。さらにα−ブロモメチルメタクリレート9.5g、トリエチルアミン3.5g、p−メトキシフェノール10mgを入れて、60℃で6時間反応し、反応後、酢酸エチルで再沈、メタノールで十分洗浄してマクロマーを得た(質量平均分子量1.35×103)。
コンデンサー、攪拌機を取り付けた1L三口フラスコに1-メチル-2-ピロリドン、60gを入れ、窒素気流下75℃まで加熱した。ホスマ−PE(ユニケミカル(株)製)33g、前記スルホン酸型マクロマー65g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6g、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)0.65g、1-メチル−2−ピロリドン120gの溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌した。窒素を止め、室温まで反応溶液を冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート25g、ベンゾキノン0.3g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製)0.6gを入れ、60℃で加熱攪拌を行った。6時間後、メタノール50gを投入し、未反応の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを失活させて室温まで反応溶液を冷却した。
高分子反応により二重結合が側鎖に導入されたことは1H-NMRスペクトルにより確認された。ポリアクリル酸を標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により質量平均分子量を測定した結果、9万であった。
(スルホン酸型マクロマーの合成)
コンデンサー、攪拌機を取り付けた300ml三口フラスコにアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸30g、メルカプトエタノール2.8gを1−メチル−2−ピロリドン70gに溶解後、窒素雰囲気下60℃に昇温し、熱重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)0.17gを加えて6時間反応し、末端アルコールプレポリマーを得た(分子量1.33×103)。さらに2−メタクリロイルオキシエチルメタクリレート6.7g、ベンゾキノン10mg、ネオスタンU−600(日東化成(株)製)0.3gを入れて、60℃で6h反応し、反応後、酢酸エチルで再沈、メタノールで十分洗浄してマクロマーを得た(質量平均分子量1.40×103)。
コンデンサー、攪拌機を取り付けた1L三口フラスコに1-メチル-2-ピロリドン、60
gを入れ、窒素気流下75℃まで加熱した。ホスマ−PE(ユニケミカル(株)製)33g、前記スルホン酸型マクロマー65g、アリルメタクリレート5g、V−601(和光純薬工業(株)製)0.65g、1-メチル−2−ピロリドン120gの溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌して特定グラフトポリマー(22)を得た。ポリアクリル酸を標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により質量平均分子量を測定した結果、8万であった。
(i)下塗り層の形成
上記で作製した支持体上に下記下塗り液(1)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2の下塗り層を形成した。
・特定グラフトポリマー(1)(質量平均分子量9万) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記下塗り層が形成された支持体上に、下記組成の重合層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の重合層を形成して平版印刷版原版を得た。引き続き、下記組成の保護層塗布液(1)を前記重合層上にバー塗布し、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2の保護層を形成することで平版印刷版原版を得た。
・バインダーポリマー(1) 0.162g
・重合開始剤(1) 0.100g
・赤外吸収剤(1) 0.020g
・重合性化合物、アロニックスM−215(東亜合成(株)製) 0.385g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
マイクロカプセル液(1)
・下記の通り合成したマイクロカプセル(1) 2.640g
・水 2.425g
・下記無機粒子分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコールPVA105 0.06g
((株)クラレ製、ケンカ度98.5モル%、重合度500)
・ポリビニルピロリドンK30 0.01g
(東京化成工業(株)製、分子量Mw=4万)
・ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体 0.01g
LUVITEC VA64W
(ISP社製、共重合比=6/4)
・ノニオン系界面活性剤エマレックス710 0.01g
(日本エマルジョン(株)製)
・イオン交換水 6.0g
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10g、アロニックスM−215(東亞合成(株)製)6.00g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製) 0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散無機粒子のアスペクト比は100以上であった。
下塗り液(1)の特定共重合体を表1記載の特定共重合体に代えた以外は実施例1と同様の方法で下塗り層を形成し、さらにその上に実施例1と同様の重合層および保護層を形成することで平版印刷版原版を得た。
特定グラフトポリマーの代わりに下記比較ポリマー(1)(質量平均分子量5万)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で平版印刷版原版を作製し、比較例1とした。
下塗り層の形成
上記で作製した支持体上に下記下塗り液(2)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2の下塗り層を形成した。
・特定グラフトポリマー(7)(質量平均分子量10万) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記下塗り層が形成された支持体上に、下記組成の重合層塗布液(2)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の重合層を形成
し、さらに実施例1と同様の保護層を設けて平版印刷版原版を得た。
・赤外線吸収剤(2) 0.05g
・重合開始剤(1) 0.20g
・バインダーポリマー(2)(平均分子量8万) 0.50g
・重合性化合物、アロニックスM−215(東亜合成(株)製) 1.00g
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.02g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.10g
・メチルエチルケトン 18.0g
下塗り液(2)の特定共重合体を表2記載の特定共重合体に変えた以外は実施例1と同様の方法で下塗り層を形成し、さらにその上に実施例1と同様の重合層および保護層を形成することで平版印刷版原版を得た。
特定グラフトポリマーの代わりに下記比較ポリマー(2)(質量平均分子量5万)を用いたこと以外は、実施例6と同様の方法で平版印刷版原版を作製し、比較例2とした。
上記実施例および比較例で得られた各平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には細線チャートを含むようにした。得られた露光済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、湿し水とインキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
重合層の未露光部の印刷機上での機上現像が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測したところ、いずれの平版印刷版原版を用いた場合も、100枚以内で非画像部の汚れのない印刷物が得られた。
上記で得られた平版印刷版の汚れ防止性、放置汚れ防止性、細線再現性および耐刷性を以下の方法で評価した。結果は表3に示す。
1万枚印刷した後におけるブランケットの汚れを目視で評価した。汚れ防止性をブランケットの汚れの程度により10段階評価した。数字が大きいほど汚れ防止性に優れることを示す。
上記汚れ防止性の評価において、1万枚印刷した後、版を1時間放置し、その後、再度印刷を開始して、非画像部のブランケットの汚れを目視で評価した。放置汚れ防止性をブランケットの汚れの程度が少ない方から、10段階評価した。
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100および200μmの細線を露光したチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなくインキで再現された細線幅により、細線再現性を評価した。
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、更に印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。
下塗り層の形成
上記のように作製した支持体上に下記下塗り液(3)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2の下塗り層を形成した。
・特定共重合体(表4記載) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記の下塗り層上に、下記組成の重合層塗布液(3)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の重合層を形成し、この上に下記組成よりなる保護層塗布液(2)を乾燥塗布量が0.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して平版印刷版原版を得た。
・下記の重合開始剤(2) 0.2g
・下記の増感色素(1) 0.5g
・バインダーポリマー(1) 6.0g
・重合性化合物、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート 12.0g
(東亜合成(株)製M−315)
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合禁止剤、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.1g
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.1g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・メチルエチルケトン 70.0g
・ポリビニルアルコール(ケン化度95モル%、重合度800) 40g
・ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5g
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 5g
・水 950g
特定グラフトポリマーの代わりに比較ポリマー(1)(質量平均分子量5万)を用いたこと以外は、実施例11と同様の方法で平版印刷版原版を作製し、比較例3とした。
下塗り層の形成
上記のように作製した支持体上に下記下塗り液(4)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が10mg/m2の下塗り層を形成した。
・特定共重合体(表5記載) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記重合層塗布液(3)を下記組成の重合層塗布液(4)に変更した以外は、平版印刷版原版11〜15の作製と同様にして、平版印刷版原版を得た。
・下記の重合開始剤(3) 0.2g
・バインダーポリマー(2) 3.0g
・重合性化合物、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート 6.2g
(東亜合成(株)製M−315)
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合開始剤、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.1g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・マイクロカプセル(1)(固形分換算で) 10.0g
・メチルエチルケトン 35.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 35.0g
・水 10.0g
特定グラフトポリマーの代わりに比較ポリマー(2)(質量平均分子量5万)を用いたこと以外は、実施例16と同様の方法で平版印刷版原版を作製し、比較例4とした。
平版印刷版原版を375nmまたは405nm半導体レーザーにて、出力2mW、周長900mmの外面ドラム、ドラム回転数800rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。1画素描画時間は表7に示したとおりである。
汚れ防止性、放置汚れ防止性、細線再現性、耐刷性については、実施例1〜10と同様の方法で評価を行った。感度および白灯安全性は、下記のようにして評価した。 評価結果は表6に示す。
100枚印刷を行って、非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物において、画像部のインキ濃度にムラがない露光量を感度として計測した。
露光されていない平版印刷版原版を、白色蛍光灯下に置き、平版印刷版原版の表面で400luxの光量になる条件下に設置し、曝光を行った。これら白灯下に曝した平版印刷版原版を、現像処理が必要なものは現像処理を行った後、上記同様、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付け、100枚の印刷を行った後、インキ汚れが生じない白色蛍光灯下での曝光時間を計測した。この時間が長いほど、白灯安全性が良好であるといえる。
Claims (4)
- 親水性支持体上に、下塗り層およびレーザー光感受性の重合層を有する、アルカリ現像せずに画像形成可能な平版印刷版原版であって、該下塗り層に、少なくとも(a1)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(a2)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(a3)親水性グラフト鎖を少なくとも1つ有する繰り返し単位とを有するグラフトポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
- 該重合層が赤外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 該重合層がマイクロカプセルを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、印刷機に装着し、画像様にレーザー露光した後、または、レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該平版印刷版原版に、印刷インキと湿し水を供給して、該重合層のレーザー未露光部分を除去し、印刷する平版印刷方法。
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