JP2007235859A - 自己消弧型半導体素子の駆動装置 - Google Patents

自己消弧型半導体素子の駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電源利用率を向上させることができ、出力段の電界効果トランジスタにおける短絡電流を防止し、かつ駆動する自己消弧型半導体素子のスイッチング速度を向上させることができる自己消弧型半導体素子の駆動装置を提供する。
【解決手段】 フォトカプラ絶縁回路2の出力信号を、第1の相補型エミッタフォロワ回路21によって電流増幅し、相補型ベース接地回路22に与える。相補型ベース接地回路22の第2のPNP型および第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3,Q4のコレクタC3,C4にそれぞれ接続される正極側および負極側コレクタ負荷抵抗器R5,R6から信号は、第3および第4の相補型エミッタフォロワ回路31,32によって電流増幅されて、各ドレインD1,D2が接続されるPチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2にそれぞれ与える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表されるMOS(Metal Oxide Semiconductor)ゲート自己消弧型半導体素子などの自己消弧型半導体素子の駆動装置に関する。
IGBTに代表されるMOSゲート自己消弧型半導体素子のゲートを駆動する場合、ゲート電荷を短時間に充放電させてMOSゲート自己消弧型半導体素子のスイッチングを高速化するためには、ゲートを駆動するゲート駆動回路の出力電流、すなわちゲート駆動回路が前記ゲートに与える電流が充分に大きい必要がある。
このためゲート駆動回路の出力段には、バイポーラトランジスタを用いる場合では、出力インピーダンスの低い相補型エミッタフォロワ回路が使用され、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:略称FET)を用いる場合には、相補型ソースフォロワ回路が使用されている(たとえば非特許文献1参照)。
在田保信,森敏,由宇義珍共著「改訂電力制御回路設計ノウハウ」CQ出版社、1997年6月1日、pp.84−85
ゲート駆動回路の出力段に補型エミッタフォロワ回路または相補型ソースフォロワ回路を用いると、電源利用率が低下するという問題がある。
電源電圧の利用効率を向上させるには、NチャネルのFETのドレインとPチャネルのFETとドレインとを接続して、ゲート駆動回路の出力段を構成することが考えられるが、NチャネルのFETのドレインとPチャネルのFETとドレインとを接続すると、スイッチングの過渡時に2つのFETを通る短絡電流が流れやすいという問題がある。2つのFETのゲート駆動回路に、ゲートに流入する電流を制限する抵抗器を接続することによってスイッチングの過渡時に2つのFETを通る短絡電流の発生を防止することができるが、前記抵抗器を接続することによってゲート駆動回路によるFETのスイッチング速度が低下してしまうという問題がある。またNチャネルのFETとPチャネルのFETとを駆動するためには、直流電圧の平均レベルの異なる2つの同相信号を供給するレベル変換回路が必要である。このようなレベル変換回路は、たとえばエミッタ接地回路によって実現することができるが、レベル変換回路をエミッタ接地回路によって実現すると、信号の遅れ時間が大きく、この遅れ時間によって2つのFETの駆動タイミングが揃いにくく、前記短絡電流を助長してしまうという問題がある。この結果、さらに前記抵抗器の抵抗を大きくする必要があり、さらにスイッチング速度を低下させるという問題がある。
本発明の目的は、電源利用率を向上させることができ、出力段の電界効果トランジスタにおける短絡電流を防止し、かつ駆動する自己消弧型半導体素子のスイッチング速度を向上させることができる自己消弧型半導体素子の駆動装置を提供することである。
本発明は、駆動信号を入力する信号入力部と、
第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタを有し、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続され、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各ゲートが前記信号入力部と接続され、第1のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタが正極側電圧源に接続され、第1のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタが負極側電圧源に接続される第1の相補型エミッタフォロワ回路と、
第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタ、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタと第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタとを接続するエミッタ負荷抵抗器、第2のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタと正極側電圧源とを接続する正極側コレクタ負荷抵抗器、ならびに第2のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタと負極側電圧源とを接続する負極側コレクタ負荷抵抗器を有し、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続される相補型ベース接地回路と、
第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタを有し、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続され、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタのゲートが正極側コレクタ負荷抵抗器を介して正極側電圧源に接続され、第3のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタが正極側電圧源に接続され、第3のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタがグランドに接続される第2の相補型エミッタフォロワ回路と、
第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタを有し、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続され、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタの各ゲートが負極側コレクタ負荷抵抗器を介して負極側電圧源に接続され、第4のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタがグランドに接続され、第4のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタが負極側電圧源に接続される第3の相補型エミッタフォロワ回路と、
PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタを有し、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの各ドレインが接続され、Pチャネルの電界効果トランジスタのゲートが第3のNPN型バイポーラトランジスタのエミッタと接続され、Nチャネルの電界効果トランジスタのゲートが第4のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタと接続され、Pチャネルの電界効果トランジスタのソースが正極側電圧源に接続され、Nチャネルの電界効果トランジスタのソースが負極側電圧源に接続され、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの各ドレインに自己消弧型半導体素子の制御端子が接続される相補型電界効果トランジスタ回路とを含むことを特徴とする自己消弧型半導体素子の駆動装置である。
本発明に従えば、信号入力部から入力される駆動信号は、第1の相補型エミッタフォロワを構成する第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各ゲートに与えられる。第1の相補型エミッタフォロワおよび第1の相補型エミッタフォロワの出力信号が入力される相補型ベース接地回路では、第1のNPN型バイポーラトランジスタが動作する、すなわち第1のNPN型バイポーラトランジスタがオン(ON)状態となり、第1のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタおよびエミッタ間に電流が流れるとき、第2のPNP型バイポーラトランジスタが動作し、すなわち第2のNPN型バイポーラトランジスタがON状態となり、第2のPNP型バイポーラトランジスタコレクタおよびエミッタ間に電流が流れる。また第1のPNP型バイポーラトランジスタが動作する、すなわち第1のPNP型バイポーラトランジスタがON状態となり、第1のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタおよびエミッタ間に電流が流れるとき、第2のNPN型バイポーラトランジスタが動作し、すなわち第2のNPN型バイポーラトランジスタがON状態となり、第2のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタおよびエミッタ間に電流が流れる。すなわち、第1のPNP型および第1のNPN型バイポーラトランジスタは、一方がON状態のときは他方はオフ(OFF)状態となり、第2のPNP型および第2のNPN型バイポーラトランジスタは、一方がON状態のときは他方はOFF状態となる。また第1のPNP型および第2のPNP型バイポーラトランジスタは、一方がON状態のときは他方はOFF状態となり、第1のNPN型および第2のNPN型バイポーラトランジスタは、一方がON状態のときは他方はOFF状態となる。
第1のPNP型バイポーラトランジスタと、第2のNPN型バイポーラトランジスタとがON状態になると、正極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れるので、正極側コレクタ負荷抵抗器の電圧効果によって、第2の相補型エミッタフォロワ回路を構成する第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタの各ベース電位が、正極側電源の電位から低下する。これによって第3のPNP型バイポーラトランジスタが動作し、すなわち第3のPNP型バイポーラトランジスタがON状態となる。これによって、抵抗器を介してPNP型バイポーラトランジスタのエミッタと接続されるPチャネルの電界効果トランジスタのゲートの電位が低下する。Pチャネルの電界効果トランジスタのゲートの電位が低下すると、Pチャネルの電界効果トランジスタのゲートとソース間に所定の電位差が生じて、Pチャネルの電界効果トランジスタがON状態となり、Pチャネルの電界効果トランジスタのソースとドレインとに電流が流れ、ドレインに接続される自己消弧型半導体素子の制御端子に、正極側電圧源の電位を与えることができる。
また第1のNPN型バイポーラトランジスタと、第2のPNP型バイポーラトランジスタとがOFF状態であるとき、負極側コレクタ負荷抵抗器には、電流が流れないので、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタの各ベースの電位は、負極側電圧源の電位とほぼ等しくなる。このとき第4のNPN型バイポーラトランジスタはOFF状態であり、Nチャネルの電界効果トランジスタのゲートの電位は、負極側電源Vssの電位(V−)となり、したがってNチャネルの電界効果トランジスタのゲートとソース間の電位差が、ほぼ0Vとなることによって、Nチャネルの電界効果トランジスタのオン電圧よりも小さくなるので、Nチャネルの電界効果トランジスタがOFF状態となっている。
第1のNPN型バイポーラトランジスタと、第2のPNP型バイポーラトランジスタとがON状態になると、負極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れるので、負極側コレクタ負荷抵抗器の電圧効果によって、第2の相補型エミッタフォロワ回路を構成する第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタの各ベース電位が、負極側電源の電位から上昇する。これによって第4のNPN型バイポーラトランジスタのベースとエミッタ間に電圧が印加され、第4のNPN型バイポーラトランジスタが動作し、すなわち第4のNPN型バイポーラトランジスタがON状態となる。第4のNPN型バイポーラトランジスタがON状態になるのにともなって、抵抗器を介して第4のNPN型バイポーラトランジスタのエミッタと接続されるNチャネルの電界効果トランジスタのゲートの電位が上昇する。Nチャネルの電界効果トランジスタのゲートの電位が上昇すると、Nチャネルの電界効果トランジスタのゲートとソース間に所定の電位差が生じて、Nチャネルの電界効果トランジスタがON状態となり、Nチャネルの電界効果トランジスタのソースとドレインとに電流が流れ、ドレインに接続される自己消弧型半導体素子の制御端子に、負極側電圧源の電位を与えることができる。
また第1のNPN型バイポーラトランジスタと、第2のPNP型バイポーラトランジスタとがON状態であるとき、正極側コレクタ負荷抵抗器には、電流が流れないので、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタの各ベースの電位は、正極側電圧源の電位とほぼ等しくなる。このとき第3のPNP型バイポーラトランジスタはOFF状態であり、Pチャネルの電界効果トランジスタのゲートの電位は、正極側電源Vccの電位(V+)となり、したがってPチャネルの電界効果トランジスタのゲートとソース間の電位差が、ほぼ0Vとなることによって、Pチャネルの電界効果トランジスタのオン電圧よりも小さくなるので、Nチャネルの電界効果トランジスタがOFF状態となっている。
Pチャネルの電界効果トランジスタは、第3のPNP型および第3のNPN型バイポーラトランジスタのベースの電位が低下する過程でOFF状態からON状態に遷移し、第3のPNP型および第3のNPN型バイポーラトランジスタのベースの電位が上昇する過程でON状態からOFF状態に遷移する。すなわち第1のPNP型および第2のNPN型バイポーラトランジスタがON状態になることによって、正極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れ出し、正極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が大きくなる過程で、Pチャネルの電界効果トランジスタは、OFF状態からON状態に遷移し、正極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が小さくなる過程で、Pチャネルの電界効果トランジスタは、ON状態からOFF状態に遷移する。したがって、Pチャネルの電界効果トランジスタは、正極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れ、正極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となる。
Nチャネルの電界効果トランジスタは、第4のPNP型および第4のNPN型バイポーラトランジスタのベースの電位が上昇する過程でOFF状態からON状態に遷移し、第4のPNP型および第4のNPN型バイポーラトランジスタのベースの電位が低下する過程でON状態からOFF状態に遷移する。すなわち第1のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタがON状態になることによって、負極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れ出し、負極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が大きくなる過程で、Nチャネルの電界効果トランジスタは、OFF状態からON状態に遷移し、負極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が小さくなる過程で、Nチャネルの電界効果トランジスタは、ON状態からOFF状態に遷移する。したがって、Nチャネルの電界効果トランジスタは、負極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れ、負極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となる。
Pチャネルの電界効果トランジスタは、正極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れ、正極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となり、またNチャネルの電界効果トランジスタは、負極側コレクタ負荷抵抗器に電流が流れ、負極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となり、また第1の相補型エミッタフォロワ回路と相補型ベース接地回路とを前述のように接続することによって、正極側コレクタ負荷抵抗器および正極側コレクタ負荷抵抗器のいずれか一方に、選択的に電流を流すことができるので、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタのうちいずれか一方を選択的にON状態として、他方をOFF状態とすることができる。
またPチャネルの電界効果トランジスタがON状態となると、自己消弧型半導体素子の制御端子に、Pチャネルの電界効果トランジスタのソースに接続される正極側電圧源の電位まで与えることができ、Nチャネルの電界効果トランジスタがON状態となると、自己消弧型半導体素子の制御端子に、Nチャネルの電界効果トランジスタのソースに接続される負極側電圧源の電位まで与えることができる。
また前述したように第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタおよび第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタを接続することによって、第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタおよび第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタは、全て非飽和領域で動作し、すなわちコレクタおよびエミッタ間の電圧が0Vにならない。
また本発明は、信号入力部は、フォトカプラを含み、このフォトカプラを介して駆動信号を第1のPNP型および第1のNPN型バイポーラトランジスタの各ベースに与えることを特徴とする。
本発明に従えば、信号入力部がフォトカプラを介して駆動信号を第1のPNP型および第1のNPN型バイポーラトランジスタの各ベースに与えるので、駆動信号が入力される入力側と、自己消弧型半導体素子に接続される出力側との間で、信号ラインを電気的に絶縁することができる。
また本発明は、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタの間、ならびに第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタの間の少なくともいずれか一方に接続される電流制限用の抵抗器を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタの間に電流制限の抵抗器R7が接続されることによって、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタがON状態とOFF状態との過渡状態のときに流れる短絡電流を小さくすることができる。また抵抗器R7によって、Pチャネルの電界効果トランジスタのゲートの放電電流の大きさを調整できるので、Pチャネルの電界効果トランジスタがOFF状態からON状態へするときの応答速度を調整できる。電流制限用の抵抗器の抵抗値が大きくなるほど、Pチャネルの電界効果トランジスタのターンオン時間を大きくすることができる。また前記第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタの間に電流制限の抵抗器R8が接続されることによって、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタがON状態とOFF状態との過渡状態のときに流れる短絡電流を小さくすることができる。また抵抗器R8によって、Nチャネルの電界効果トランジスタのゲートの放電電流の大きさを調整できるので、Nチャネルの電界効果トランジスタがOFF状態からON状態へするときの応答速度を調整できる。電流制限の抵抗器の抵抗値が大きくなるほど、Nチャネルの電界効果トランジスタのターンオン時間を大きくすることができる。
本発明によれば、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの各ドレインを接続して、駆動装置の出力段を構成することによって、NチャネルおよびPチャネルの電界効果トランジスタがレール・ツー・レールで動作する、すなわち自己消弧型半導体素子の制御端子に、正極側電圧源の電位から負極側電圧源の電位まで与えることができ、電源電圧の利用効率を向上させることができる。
またPチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタのうちいずれか一方を選択的にON状態として、他方をOFF状態とすることができるので、PチャネルおよびNチャネル電界効果トランジスタのスイッチング動作が過渡状態にあるときに、PチャネルおよびNチャネル電界効果トランジスタの両者がON状態になってしまうことが防止され、正極側電圧源と負極側電圧源との短絡を防止して、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの破壊を防止することができる。
また第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタおよび第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタは、全て非飽和領域で動作する、すなわち活性領域で動作するので、各バイポーラトランジスタにおける少数キャリアの蓄積効果による遅延時間を短くして各バイポーラトランジスタの動作速度を向上させることができる。これによって入力される駆動信号に基づく信号を自己消弧型半導体素子の制御端子に高速に与えて、自己消弧型半導体素子のスイッチング動作を高速化することができる。
また前述したようにPチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの両者が同時にON状態となってしまうことがないので、自己消弧型半導体素子の制御端子に与える電流を制限するための電流制限用の抵抗器を設ける場合であっても、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの両者が同時にON状態にならないことを目的として電流制限用の抵抗器の抵抗値を大きくする必要がないので、自己消弧型半導体素子のスイッチング速度を低下させてしまうことがない。
また本発明によれば、駆動信号が入力される入力側と、自己消弧型半導体素子に接続される出力側との間で、信号ラインを絶縁することができるので、入力側と出力側とで信号の電圧が異なる場合であっても、高電圧側の回路の影響を低電圧側の回路が受けにくく、低電圧側の回路を保護することができ、駆動装置の信頼性を向上させることができる。したがって、たとえばマイクロコンピュータなどから出力される信号を信号入力部から入力して、インバータ装置およびチョッパ装置などに用いられる大電流が流れ、高電圧が印加される自己消弧型半導体素子を安定して駆動することができる。
また本発明によれば、電流制限用の抵抗器が接続されることによって、Pチャネルの電界効果トランジスタおよびPチャネルの電界効果トランジスタの少なくともいずれか一方のターンオン時間を調整することができるので、駆動する自己消弧型半導体素子の特性に応じて、電流制限用の抵抗器の抵抗値を選ぶことによって、設計の自由度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の一形態の自己消弧型半導体素子の駆動装置1を示す回路図である。図1には、自己消弧型半導体素子も示している。以後、自己消弧型半導体素子の駆動装置1を、単に駆動装置1と記載する。自己消弧型半導体素子は、IGBT、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)およびパワーMOSFETなどのMOS(Metal Oxide Semiconductor)ゲート自己消弧型半導体素子によって実現される。本実施の形態の駆動装置1は、後述するインバータ装置40を構成するIGBT素子10を駆動する。駆動装置1は、インバータ装置40を構成するIGBT素子10を駆動するための駆動信号であるPWM(Pulse Width Modulation)信号を入力し、この駆動信号に基づいて自己消弧型半導体素子であるIGBT素子10を駆動する。
駆動装置1は、信号入力部であるフォトカプラ絶縁回路2と、フォトカプラ絶縁回路2からの出力電圧を電流に変換する電圧/電流変換回路3と、電圧/電流変換回路3からの出力電流に基づいてIGBTを駆動する信号出力部であるFET(Field Effect
Transistor)駆動回路4と、正極側電圧源Vccと接続される正極側導電路5と、負極側電圧源Vssと接続される負極側導電路6と、およびグランド(GND)と接続されるグランド導電路7とを含む。正極側電圧源Vccおよび負極側電圧源Vssは、直流電圧を出力する直流電圧源である。正極側電圧源Vccは、正極側導電路5にグランド電位よりも高い電位を与え、本実施の形態では、正の電位を与える。負極側電圧源Vssは、負極側導電路6にグランド電位よりも低い電位を与え、本実施の形態では、負の電位を与える。正極側電圧源Vccが正極側導電路5に与える正の電位をV+とし、負極側電圧源Vssが負極側導電路6に与える負の電位をV−とする。ここではグランド(GND)と接続されるグランド導電路7の電位は、たとえば零(0)ボルト(V)に選ばれ、前記V+は、たとえば15Vに選ばれ、V−は、たとえば−7.5Vに選ばれているとする。
正極側導電路5と、グランド導電路7とは、正電源側デカップリングコンデンサC1,Cp1を介して接続される。正電源側デカップリングコンデンサC1,Cp1は、容量の異なる2つのコンデンサを含んで構成される。正電源側デカップリングコンデンサC1,Cp1のうち、容量の大きな第1の正電源側デカップリングコンデンサC1は、たとえば電解コンデンサによって実現され、第1の正電源側デカップリングコンデンサC1よりも容量の小さな第2の正電源側デカップリングコンデンサCp1は、たとえばフィルムコンデンサによって実現される。正電源側デカップリングコンデンサC1,Cp1は、並列に接続される。正電源側デカップリングコンデンサC1,Cp1によって、正極側導電路5と、グランド導電路7との間の電圧の変動を抑制することができ、また広い周波数にわたって、正極側電圧源Vccのグランドに対するインピーダンスを低下させることができるので、駆動装置1を安定して動作させることができる。第1の正電源側デカップリングコンデンサC1の容量は、たとえば220μFに選ばれ、第2の正電源側デカップリングコンデンサCp1は、たとえば0.1μFに選ばれる。
負電位導電路6と、グランド導電路7とは、正電源側デカップリングコンデンサC2,Cp2とを介して接続される。負電源側デカップリングコンデンサC2,Cp2は、容量の異なる2つのコンデンサを含んで構成される。負電源側デカップリングコンデンサC2,Cp2のうち、容量の大きな第1の負電源側デカップリングコンデンサC2は、たとえば電界コンデンサによって実現され、容量の大きな第1の負電源側デカップリングコンデンサC2よりも容量の小さな第2の負電源側デカップリングコンデンサCp2は、たとえばフィルムコンデンサによって実現される。負電源側デカップリングコンデンサC2,Cp2は、並列に接続される。負電源側デカップリングコンデンサC2,Cp2によって、負電位導電路6と、グランド導電路7との間の電圧の変動を抑制することができ、また広い周波数にわたって、負極側電圧源Vssのグランドに対するインピーダンスを低下させることができるので、駆動装置1を安定して動作させることができる。第1の負電源側デカップリングコンデンサC2の容量は、たとえば220μFに選ばれ、第2の負電源側デカップリングコンデンサCp2は、たとえば0.1μFに選ばれる。
フォトカプラ絶縁回路2は、フォトカプラPC1と、第1抵抗器R1と、絶縁回路コンデンサCp3とを含んで構成される。フォトカプラPC1は、ダイオード11と、フォトダイオード12と、増幅器13と、絶縁回路バイポーラトランジスタ14とを含んで構成される。ダイオード11のアノードは、第1抵抗器R1を介してフォトカプラ絶縁回路電圧源Pccに接続される。ダイオード11のカソードには、信号入力端子15が接続され、この信号入力端子15にインバータ装置40の制御部からPWM信号が与えられる。ダイオード11は、PWM信号に基づいて発光し、ダイオード11の光はフォトダイオード12によって受光される。フォトダイオード12は、受光量に応じて電流を出力する。フォトダイオード12には、増幅器13が接続され、増幅器13はフォトダイオード12から出力される電流を増幅して絶縁回路バイポーラトランジスタ14のベースに与える。増幅器13は、正極側導電路5とグランド導電路7とに接続され、電力が供給されて動作する。絶縁回路コンデンサCp3は、増幅器13と並列接続されて、正極側導電路5とグランド導電路7とに接続される。絶縁回路コンデンサCp3によって、増幅器13に与えられる直流電圧の電圧変動を抑制することができ増幅器13を安定して動作させることができる。絶縁回路バイポーラトランジスタ14は、NPN型であり、エミッタがグランド導電路7に接続される。フォトカプラ絶縁回路2は、駆動信号を電圧信号として出力する。すなわち駆動信号に基づいて、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のエミッタの電位が変動する。
電圧/電流変換回路3は、第1の相補型エミッタフォロワ回路21と、相補型ベース接地回路22と、第2抵抗器R2と、第1ダイオードD1と、第1および第2ツェナダイオードZD1,ZD2と、第1および第2コンデンサCp4,Cp5とを含んで構成される。
第1の相補型エミッタフォロワ回路21は、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2を有する。第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2は、コンプリメンタリである。第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のエミッタE1と、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2の各エミッタE2とは、接続される。第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のゲートG1と、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2のゲートG2とは、接続される。第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各ゲートG1,G2は、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタと接続される。第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のコレクタC1は、正極側電圧源Vccに接続され、すなわちコレクタC1は、正極側導電路5に接続される。第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2のコレクタC2が負極側電圧源Vssに接続され、すなわちコレクタC2は、負極側導電路6に接続される。第1の相補型エミッタフォロワ回路21は、いわゆるプッシュプル型エミッタフォロワ回路である。
正極側導電路5と、グランド導電路7との間には、正極側導電路5およびグランド導電路7に、第2抵抗器R2、第1ツェナダイオードZD1および第2ツェナダイオードZD2が直列に接続される。第2抵抗器R2は、正極側導電路5と第1ツェナダイオードZD1とを接続する。第1ツェナダイオードZD1のカソードが第2抵抗器R2に接続され、第1ツェナダイオードZD1のアノードが、第2ツェナダイオードZD2のカソードに接続される。第2ツェナダイオードZD2のアノードは、グランド導電路7に接続される。第1ツェナダイオードZD1と第2ツェナダイオードZD2とは、同じ特性を有し、その降伏電圧VZDは、グランド電位と正極側電圧源Vccの電位V+との電位差の1/3に選ばれる。第2抵抗器R2は、第1および第2ツェナダイオードZD1,ZD2に過剰な電圧が印加されてしまうことを防止する。
第1ツェナダイオードZD1には、第1コンデンサCp4が並列に接続され、第2ツェナダイオードZD2には第2コンデンサCp5が並列に接続される。第1および第2コンデンサCp4,Cp5は、第2抵抗器R2とグランド導電路7との間で、直列に接続される。第1コンデンサCp4によって第1ツェナダイオードZD1のアノードおよびカソード間の電圧の変動を防止し、第2コンデンサCp5によって第2ツェナダイオードZD2のアノードおよびカソード間の急激な電圧の変動を防止することができる。
第1ツェナダイオードZD1のカソードと第2抵抗器R2との接続部位には、第1ダイオードD1のカソードが接続される。第1ダイオードD1のアノードは、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタと、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各ゲートG1,G2とに接続される。第1ダイオードD1と、第1および第2ツェナダイオードZD1,ZD2とによって、絶縁回路バイポーラトランジスタ14がオフ(OFF)状態のとき、すなわちコレクタおよびエミッタ間に電流が流れていないときの第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各ゲートG1,G2の電位V1が決定される。前記電位V1は、グランド電位から、第1および第2ツェナダイオードZD1,ZD2の降伏電圧VZDと、第1ダイオードD1の順方向降下電圧VD1とを加算した電圧分だけ高い電位である。
第3抵抗器R3は、正極側導電路5と、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタならびに第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各ゲートG1,G2とを接続する。第3抵抗器R3は、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1をONさせるためのベース電流を供給するためのものである。
相補型ベース接地回路22は、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4と、エミッタ負荷抵抗器R4と、正極側コレクタ負荷抵抗器R5と、負極側コレクタ負荷抵抗器R6とを有する。第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4は、コンプリメンタリである。第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4は、接続される。エミッタ負荷抵抗器R4は、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2と第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4とを接続する。すなわち第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4が、エミッタ負荷抵抗器R4の一端に接続され、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2がエミッタ負荷抵抗器R4の他端に接続される。正極側コレクタ負荷抵抗器R5は、第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3のコレクタC3および正極側電圧源Vccを接続する、すなわちコレクタC3および正極側導電路5を接続する。負極側コレクタ負荷抵抗器R6は、第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4のコレクタC4および負極側電圧源Vssを接続する、すなわちコレクタC4および負極側導電路7を接続する。
エミッタ負荷抵抗器R4の抵抗値は、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2とのコレクタ電流、および第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4とのコレクタ電流と同程度の大きさの電流が、エミッタ負荷抵抗器R4に流れるように選ばれる。
第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各ベースB3,B4は、第1ツェナダイオードZD1および第2ツェナダイオードZD2の接続部位と、コンデンサCp4およびコンデンサCp5の接続部位とに接続される。したがって、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各ベースB3,B4の電位V2は、グランドの電位から、第2ツェナダイオードZD2の降伏電圧VZD分だけ高い電位となる。
第3ツェナダイオードDZ3は、正極側コレクタ負荷抵抗器R5に並列に接続される。第3ツェナダイオードDZ3のカソードは、正極側導電路5に接続され、アノードは、第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3のコレクタC3に接続される。第4ツェナダイオードDZ4は、負極側コレクタ負荷抵抗器R6に並列に接続される。第4ツェナダイオードDZ4のカソードは、第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4のコレクタC3に接続され、アノードは、負極側導電路6に接続される。第3および第4ツェナダイオードDZ3,DZ4は、同じ特性を有する。本実施の形態では、第3および第4ツェナーダイオードDZ3、DZ4の降伏電圧は、Pチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がONするときのゲートソース間電圧になるよう選ばれる。
FET駆動回路4は、第2の相補型エミッタフォロワ回路31と、第3の相補型エミッタフォロワ回路32と、相補型電界効果トランジスタ回路33と、正極側電流制限用抵抗器R7と、負極側電流制限用抵抗器R8と、IGBT素子10の制御端子に接続される信号出力端子34と、第1および第2出力抵抗器RG1,RG2とを含んで構成される。
第2の相補型エミッタフォロワ回路31は、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ5,Q6を有する。第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ5,Q6は、コンプリメンタリである。第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5と、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のエミッタE6とは、電気的に接続される。第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ5,Q6の各ゲートG5,G6は、正極側コレクタ負荷抵抗器R5を介して正極側電圧源Vccに接続され、すなわち各ゲートG5,G6は、第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3のコレクタC3に接続される。
正極側電流制限用抵抗器R7は、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5と、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のエミッタE6と間に設けられ、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5と、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のエミッタE6とを接続する。第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のコレクタC5は、正極側電圧源Vccに接続され、すなわちコレクタC5は正極側導電路5に接続される。第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のコレクタC6は、グランドに接続され、すなわちコレクタC6はグランド導電路7に接続される。第2の相補型エミッタフォロワ回路31は、入力インピーダンスが大きく、出力インピーダンスが小さいという特性を有する。
第3の相補型エミッタフォロワ回路32は、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタQ7,Q8を有する。第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタQ7,Q8は、コンプリメンタリである。第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のエミッタE7と、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタE8とは、電気的に接続される。第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタQ7,Q8の各ゲートG7,G8は、負極側コレクタ負荷抵抗器R6を介して負極側電圧源に接続され、すなわち各ゲートG7,G8は、第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4のコレクタC4に接続される。
負極側電流制限用抵抗器R8は、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のエミッタE7と、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタQ8との間に設けられ、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のエミッタE7と、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタQ8とを接続する。
第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のコレクタC7は、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のコレクタC6と接続されて、グランドに接続され、すなわちコレクタC7は、グランド導電路7に接続される。第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のコレクタC8は、負極側電圧源Vssに接続され、すなわちコレクタC8は、負極側導電路6に接続される。第3の相補型エミッタフォロワ回路32は、入力インピーダンスが大きく、出力インピーダンスが小さいという特性を有する。
相補型電界効果トランジスタ回路33は、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2を有する。PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2は、コンプリメンタリである。また本実施の形態では、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2は、エンハンスメント型である。Pチャネルの電界効果トランジスタM1のドレインD1と、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のドレインD2とは、接続される。Pチャネルの電界効果トランジスタM1のゲートG1が、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5と正極側電流制限用抵抗器R7との接続部位、すなわち第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5と接続される。Nチャネルの電界効果トランジスタM2のゲートG2が、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタE8と負極側電流制限用抵抗器R8との接続部位、すなわち第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタE8と接続される。Pチャネルの電界効果トランジスタM1のソースS1は、正極側電圧源Vccに接続され、すなわちソースS1が正極側導電路5に接続される。Nチャネルの電界効果トランジスタM2のソースS2は、負極側電圧源Vssに接続され、すなわちソースS2が負極側導電路7に接続される。
PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2の各ドレインD1,D2に、IGBT素子10の制御端子であるIGBT素子ゲートG0が電気的に接続される。具体的にはPチャネルの電界効果トランジスタM1のドレインD1が、第1出力抵抗器RG1を介して信号出力端子34に接続され、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のドレインD2が、第2出力抵抗器RG2を介して信号出力端子34に接続される。PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2の各ドレインD1,D2間に、第1および第2出力抵抗器RG1,RG2は、直列に接続される。信号出力端子34は、IGBT素子ゲートGに接続される。第1および第2出力抵抗器RG1,RG2の抵抗値は小さく、1Ω程度に選ばれる。第1および第2出力抵抗器RG1,RG2は、IGBT素子10のゲート電流を制限するためのものであり、またPチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がON状態とOFF状態との過渡状態のときに流れる短絡電流を小さくするためのものである。第1および第2出力抵抗器RG1,RG2は、予め定める抵抗値を有し、その予め定める抵抗値は、Pチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がON状態の時のドレイン電流がこれらPチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2の最大許容電流よりも小さくなり、なおかつIGBT素子10のON/OFFの応答速度が遅くならないようにするように選ばれる。
IGBT素子10には、IGBT素子10のコレクタC0およびエミッタE0に並列に整流ダイオードD0が接続される。整流ダイオードD0のカソードとIGBT素子10のコレクタC0が接続され、整流ダイオードD0のアノードとIGBT素子10のエミッタE0とが接続される。IGBT素子10のエミッタE0は、グランド導電路7に接続される。IGBT素子10のコレクタC0およびエミッタE0間には、たとえば1000V程度の予め定める高電圧が印加される。
IGBT素子10は駆動装置1から見ると、容量性の負荷とみなすことができ、すなわちIGBT素子10のゲートG0とエミッタE0間にコンデンサが形成されていると見なすことができる。駆動装置1は、IGBT素子10をオン(ON)状態にする、すなわちIGBT素子10のコレクタC0およびエミッタE0間に所定の電流を流すためには、IGBT素子10のゲートG0とエミッタE0間に電荷を蓄積する、つまり充電する。駆動装置1は、IGBT素子10をOFF状態にする、IGBT素子10のコレクタC0およびエミッタE0間に電流を流さないようにするには、IGBT素子10のゲートG0およびエミッタE0間の電荷を放出する、つまり放電する。
駆動装置1では、PWM信号に基づいて、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2が選択的にON状態となり、すなわちPチャネルの電界効果トランジスタM1のソースS1およびドレインD1間に電流が流れるか、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のソースS2およびドレインD2間に電流が流れる。Pチャネルの電界効果トランジスタM1がON状態となると、Pチャネルの電界効果トランジスタM1から第1出力抵抗器RG1に電流が流れる。第1出力抵抗器RG1に流れる電流の大きさをIpとする。Nチャネルの電界効果トランジスタM2がON状態となると、第2出力抵抗器RG2からNチャネルの電界効果トランジスタM2に電流が流れる。第2出力抵抗器RG2に流れる電流の大きさをInとする。信号出力端子34からは、IGBT素子10のゲートG0に駆動電流が与えられ、この駆動電流の大きさをIgとすると、Ig=Ipまたは−Inとなる。
第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタQ1,Q3,Q5,Q7は、同じ特性を有し、第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタQ2,Q4,Q6,Q8は、同じ特性を有する。第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタおよび第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタQ1〜Q8は、本実施の形態では、シリコン(Si)によって形成される。
図2(1)〜(9)は、駆動装置1を動作させたときの、駆動装置1の各部の電位を表す波形図である。図2(1)〜(9)において、横軸は時刻を表し、縦軸は電位を表す。
図2(1)は、フォトカプラPC1のダイオード11のカソードと信号入力端子15との接続部位(図1のA点)における電位を表す。以後、フォトカプラPC1のダイオード11のカソードと信号入力端子15との接続部位をA点と記載する。
図2(2)は、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタと、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各ゲートG1,G2との接続部位(図1のB点)における電位を表す。以後、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタと、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各ゲートG1,G2との接続部位を、B点と記載する。
図2(3)は、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2と、エミッタ負荷抵抗器R4との接続部位(図1のC点)における電位を表す。以後、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2と、エミッタ負荷抵抗器R4との接続部位を、C点と記載する。
図2(4)は、エミッタ負荷抵抗器R4と、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4との接続部位(図1のD点)における電位を表す。以後、エミッタ負荷抵抗器R4と、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4との接続部位を、D点と記載する。
図2(5)は、正極側コレクタ負荷抵抗器R5と、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ5,Q6の各ゲートG5,G6との接続部位(図1のE点)における電位を表す。以後、正極側コレクタ負荷抵抗器R5と、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ5,Q6の各ゲートG5,G6との接続部位を、E点と記載する。
図2(6)は、負極側コレクタ負荷抵抗器R6と、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタQ7,Q8の各ゲートG7,G8との接続部位(図1のF点)における電位を表す。以後、負極側コレクタ負荷抵抗器R6と、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタQ7,Q8の各ゲートG7,G8との接続部位を、F点と記載する。
図2(7)は、Pチャネルの電界効果トランジスタM1のゲートG1と、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5との接続部位(図1のG点)における電位を表す。以後、Pチャネルの電界効果トランジスタM1のゲートG1と、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5のエミッタE5との接続部位を、G点と記載する。
図2(8)は、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のゲートG2と、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタE8との接続部位(図1のH点)における電位を表す。以後、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のゲートG2と、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のエミッタE8との接続部位を、H点と記載する。
図2(9)は、信号出力端子34の電位、すなわち第1および第2出力抵抗器RG1,RG2と、IGBT素子ゲートGとの接続部位(図1のI点)における電位を表す。以後、第1および第2出力抵抗器RG1,RG2と、IGBT素子ゲートGとの接続部位を、I点と記載する。
まずIGBT素子10を、OFF状態からON状態に遷移させるときの駆動装置1の動作について説明する。時刻t0では、IGBT素子10がOFF状態であり、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4と第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7とがON状態であり、Nチャネルの電界効果トランジスタM2がON状態であり、IGBT素子10のIGBT素子ゲートGが、負極側電源Vssの電位V−によって逆バイアスされている。このとき、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3と第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6とは、OFF状態になっており、Pチャネルの電界効果トランジスタM1は、OFF状態となっている。時刻t0では、IGBT素子10をOFF状態にするゲートOFF指令を表すPWM信号が、信号入力端子15に与えられている。
信号入力端子15に、IGBT素子10をOFF状態にするゲートOFF指令を表すPWM信号が与えられると、A点の電位は、フォトカプラ絶縁回路電圧源Pccの電位Vpとなり、信号入力端子15に、IGBT素子10をON状態にするゲートON指令を表すPWM信号が与えられると、A点の電位は、グランド電位、ここでは0Vとなる。
時刻t0におけるA点の電位は、フォトカプラ絶縁回路電圧源Pccの電位Vpである。時刻t0におけるB点の電位は、グランド導電路7の電位、言い換えるとグランド電位から、第1ツェナダイオードZD1および第2ツェナダイオードZD2の降伏電圧VZD、ならびに第1ダイオードD1の順方向降下電圧VD1を加算した電圧分だけ高い電位(V1)である。時刻t0におけるC点の電位は、正極性電圧源Vccの電位(V+)から、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のコレクタC1およびエミッタE1間の電圧分だけ低い電圧(V3)である。
時刻t0におけるD点の電位は、グランド電位から、第2ツェナダイオードZD2の降伏電圧に、第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4のベースB4およびエミッタE4間の電圧を加算した電圧分だけ高い電位(V4)である。時刻t0におけるE点の電位は、正極側電圧源Vccの電位(V+)である。時刻t0におけるF点の電位は、負極側電圧源Vssの電位に、第4ツェナダイオードZD4の降伏電圧を加算した電位(V5)である。時刻t0におけるG点の電位は、正極性電圧源Vccの電位(V+)である。時刻t0におけるH点の電位は、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のベースB8の電位から、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のベースB7およびエミッタE7間の電圧と、負極側電流制限用抵抗R8による降下電圧とを加算した電圧分だけ低い電位(V7)である。また時刻t0におけるI点の電位は、ほぼ負極側電圧源Vssの電位(V−)である。
時刻t0では、エミッタ負荷抵抗器R4において、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2から、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4に向かって、矢符X1で表す方向に、電流が流れている。
時刻t0が経過した後、時刻t1において、IGBT素子10をON状態にするゲートON指令を表すPWM信号が、信号入力端子15に与えられると、A点の電位は、グランド電位まで低下する。
時刻t1においてA点の電位が低下すると、フォトカプラPC1の絶縁回路バイポーラトランジスタ14のベースに電流が流れて、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタおよびエミッタ間の電圧が低下して、時刻t1からB点の電位が徐々に低下し始める。B点の電位が低下すると、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースB1の電位が低下するので、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のエミッタE1の電位を表すC点の電位も時刻t1から低下し始める。またB点の電位が低下すると、C点の電位が低下することによって、C点とエミッタ負荷抵抗器R4を介して接続されているD点の電位も時刻t1から低下し始める。またB点の電位が低下すると、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4を介して流れる電流が小さくなるので、負極側コレクタ負荷抵抗器R6による降下電圧が小さくなり、F点の電位も時刻t0から降下し始める。またF点の電位が低下すると、これにともなって第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のベースB7の電位が低下するので、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のエミッタE7に接続されるH点の電位も時刻t1から低下し始める。
C点、D点、F点およびH点の電位は、時刻t1からB点の電位に比例して低下する。また時刻t1では、E点の電位およびG点の電位は、変化しない。また時刻t1において、I点の電位は、ほぼ負極側電圧源Vssの電位(V−)である。したがって時刻t1では、Pチャネルの電界効果トランジスタM1がOFF状態であり、Nチャネルの電界効果トランジスタM2がON状態となっている。
時刻t1が経過して、F点の電位が徐々に低下すると、H点の電位も徐々に低下する。F点の電位が徐々に低下して、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7がOFF状態となり、H点の電位と負極側電圧源Vssの電位V−との電位差が、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のオン電圧を下回ると、時刻t2において、Nチャネルの電界効果トランジスタM2がOFF状態となる。これによって時刻t1が経過した後、時刻t2において、Pチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2の両者がOFF状態となる。Nチャネルの電界効果トランジスタM2のオン電圧は、4V程度である。時刻t2において、Nチャネルの電界効果トランジスタM2がOFF状態になると、I点の電位が上昇して、GND電位のVmとなる。また時刻t2においても、E点の電位およびG点の電位は、変化しない。
時刻t2が経過し、D点の電位が、V2まで低下した時刻t3で、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4との両者がON状態からOFF状態に遷移する。D点の電位がV2以下になると、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2のベースB2およびエミッタE2間、および第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3のベースE3およびエミッタE2間にそれぞれ電圧が印加され、これによって、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3との両者がOFF状態からON状態に遷移する。時刻t3で、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3とがON状態になると、エミッタ負荷抵抗器R4に流れる電流の向きが反転し、すなわち第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4の各エミッタE3,E4から第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2に向かって、矢符X2で表す方向に、電流が流れる。第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4との両者がON状態からOFF状態に遷移してから、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3との両者がOFF状態からON状態に遷移するまでの間には、実際にはわずかな時間があるが、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4とのON状態からOFF状態への遷移と、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3とのOFF状態からON状態への遷移とは、ほぼ同時に起こっているとみなせる。
時刻t3で、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3とがON状態になることによって、正極側コレクタ負荷抵抗器R5に電流が流れ始める。時刻t3が経過し正極側コレクタ負荷抵抗器R5に電流が流れ始めると、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による電圧降下によって、E点の電位が徐々に低下する。またE点の電位が徐々に低下すると、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のベースB6の電位が低下するので、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6がOFF状態からON状態に移行しはじめ、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のエミッタE6の電位が低下し始める。第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタQ5,Q6のベースB5,B6の電位が低下して、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6がON状態になると、G点の電位は、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のエミッタE6の電位から正極側電流制限用抵抗器R7の両端間の電圧分だけ高い電位となる。また時刻t3で、H点の電位は、第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のベースB8の電位から第4のPNP型バイポーラトランジスタQ8のベースB8およびエミッタE8間の電圧分だけ高い電位(V8)となる。
時刻t3が経過してG点の電位が低下し、G点の電位と正極側電圧源Vccの電位V+との電位差、すなわちPチャネルの電界効果トランジスタM1のゲートG1およびソースS1間の電圧が、Pチャネルの電界効果トランジスタM1のオン電圧を上回ると、時刻t4でPチャネルの電界効果トランジスタM1がOFF状態からON状態に遷移する。Pチャネルの電界効果トランジスタM1のオン電圧は、4V程度である。
時刻t2から時刻t4までの期間T1は、Pチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がともにOFF状態となるので、スイッチングの過渡時にPチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がともにON状態となってしまい、正極側電圧源Vccと負極側電圧源Vssとが短絡することがない。したがって、前記短絡によるPチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2の破壊を防止することができる。前記期間T1は、たとえば200ナノ秒程度に選ばれる。
B点、C点、D点、E点およびG点の電位は、時刻t5まで低下しつづける。時刻t5において、B点の電位は、グランド導電路7の電位になり、C点の電位は、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2のベースB2の電位から、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2のベースB2およびエミッタE2間の電圧分だけ高い電位(V9)になり、D点の電位は、第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3のベースB3の電位よりも第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3のベースB3およびエミッタE3間の電圧分だけ低い電位(V10)になる。時刻t5において、E点は、正極側電圧源Vccの電位V+から、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による降下電圧、すなわち第3ツェナダイオードZD3の降伏電圧分だけ低い電位(V11)となる。また時刻t5において、G点の電位は、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のベースB6の電位から、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のベースB6およびエミッタE6間の電圧および正極側電流制限用抵抗器R7による降下電圧を加算した電圧分だけ高い電位(V12)である。I点の電位は、時刻t4以降、ほぼ正極側電圧源Vccの電位V+となり、時刻t5においてもその電位が維持される。
以上のような動作によって、駆動装置1は、IGBT素子10がOFF状態からON状態に遷移させることができる。
次に、IGBT素子10をON状態からOFF状態に遷移させるときの駆動装置1の動作について説明する。時刻t5において、IGBT素子10がON状態のとき、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3と第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7とがON状態であり、Pチャネルの電界効果トランジスタM1がON状態であり、IGBT素子10のIGBT素子ゲートGが、正極側電源Vccの電位V+によってバイアスされている。
時刻t5から時刻t6までの間は、信号入力端子15に、IGBT素子10をON状態にするゲートON指令を表すPWM信号が与えられており、B点はグランド電位となり、C点の電位はV9となり、D点の電位はV10となり、E点の電位はV11となり、F点の電位はV−となり、G点の電位はV12となり、H点の電位はV8となり、I点の電位はV+となっている。
時刻t6において、IGBT素子10をOFF状態するゲートOFF指令を表すPWM信号が、信号入力端子15に与えられると、A点の電位は、グランド電位から上昇して、フォトカプラ絶縁回路電圧源Pccの電位Vpとなる。
時刻t6において、A点の電位が低下すると、フォトカプラPC1の絶縁回路バイポーラトランジスタ14のベースに電流が減少し、絶縁回路バイポーラトランジスタ14のコレクタおよびエミッタ間の電圧が上昇して、時刻t1からB点の電位が徐々に上昇し始める。B点の電位が上昇すると、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースB1の電位が上昇するので、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2のエミッタE2の電位を表すC点の電位も時刻t6から上昇し始める。またC点の電位が上昇することによって、C点とエミッタ負荷抵抗器R4を介して接続されているD点の電位も時刻t6から上昇し始める。またB点の電位が上昇すると、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2および第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3を介して流れる電流が小さくなるので、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による降下電圧が小さくなり、E点の電位も時刻t6から上昇し始める。さらにE点の電位が上昇すると、第3のPNP型バイポーラトランジスタQ6のベースB6の電位が上昇するので、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ6のエミッタE6に接続されるG点の電位も時刻t6から上昇し始める。時刻t6では、Pチャネルの電界効果トランジスタM1がON状態となっており、Nチャネルの電界効果トランジスタM2がOFF状態となっている。
C点、D点、E点およびG点の電位は、時刻t1からB点の電位に比例して上昇する。また時刻t6では、F点の電位およびH点の電位は、変化しない。また時刻t6において、I点の電位は、ほぼ正極側電圧源Vccの電位V+である。
時刻t6が経過して、E点の電位が徐々に上昇すると、G点の電位も徐々に上昇する。E点の電位が徐々に上昇して、第3のNPN型バイポーラトランジスタQ6がOFF状態となり、G点の電位と正極側電圧源Vccの電位V+との電位差が、Nチャネルの電界効果トランジスタM1のオン電圧を下回ると、時刻t6において、Pチャネルの電界効果トランジスタM1がOFF状態となる。これによって時刻t7において、Pチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2の両者がOFF状態となる。時刻t7において、Pチャネルの電界効果トランジスタM1がOFF状態になると、I点の電位が低下して、GND電位のVmとなる。
時刻t6が経過し、D点の電位が、V2まで上昇した時刻t8で、第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3との両者がON状態からOFF状態に遷移する。D点の電位がV2以上になると、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースB1およびエミッタE1間、および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4のベースE4およびエミッタE4間にそれぞれ電圧が印加され、これによって、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4との両者がOFF状態からON状態に遷移する。時刻t8で、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4とがON状態になると、エミッタ負荷抵抗器R4に流れる電流の向きが反転し、すなわち第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2の各エミッタE1,E2から第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ3,Q4のエミッタE3,E4に向かって、矢符X1で表す方向に、電流が流れる。第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3との両者がON状態からOFF状態に遷移してから、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ4との両者がOFF状態からON状態に遷移するまでの間には、実際にはわずかな時間があるが、同時に第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2と第2のNPN型バイポーラトランジスタQ3とのON状態からOFF状態への遷移と、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4とのOFF状態からON状態への遷移とは、同時に起こっているとみなせる。
時刻t8で、第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1と第2のPNP型バイポーラトランジスタQ4とがON状態になることによって、時刻t8から負極側コレクタ負荷抵抗器R6に電流が流れ始める。時刻t3が経過し負極側コレクタ負荷抵抗器R6に電流が流れ始めると、負極側コレクタ負荷抵抗器R6による電圧降下によって、F点の電位が徐々に上昇する。またF点の電位が徐々に上昇すると、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ8のベースB8の電位が上昇するので、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ8のエミッタE8の電位を表すH点の電位が上昇する。F点の電位が上昇して、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7がON状態になると、H点の電位は、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のエミッタE7の電位から負電位電流制限用抵抗器R8の両端間の電圧分だけ低い電位となる。また時刻t8で、E点の電位は、正極側電圧源Vccの電位V+となり、G点の電位は、正極側電源Vccの電位V+となる。
時刻t8が経過してH点の電位が上昇し、H点の電位と負極側電圧源Vssの電位V−との電位差、すなわちNチャネルの電界効果トランジスタM2のゲートG2およびソースS2間の電圧が、Nチャネルの電界効果トランジスタM2のオン電圧を上回ると、時刻t9でNチャネルの電界効果トランジスタM2がOFF状態からON状態に遷移する。
時刻t7から時刻t8までの期間T2は、Pチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がともにOFF状態となるので、スイッチングの過渡時にPチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2がともにON状態となってしまい、正極側電圧源Vccと負極側電圧源Vssとの短絡することがない。したがって、前記短絡によるPチャネルの電界効果トランジスタM1およびNチャネルの電界効果トランジスタM2の破壊を防止することができる。前記期間T2は、たとえば200ナノ秒程度に選ばれる。
B点、C点、D点、F点およびH点の電位は、時刻t10まで上昇し続ける。時刻t10において、B点の電位はV1となり、C点の電位はV3となり、D点の電位はV4となる。時刻t10において、F点は、負極側電圧源Vssの電位V−から、負極側コレクタ負荷抵抗器R6による降下電圧分、すなわち第4ツェナダイオードZD4の降伏電圧分だけ高い電位(V5)となる。また時刻t10において、H点の電位は、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のベースB7の電位から、第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7のベースB7およびエミッタE7間の電圧および負極側電流制限用抵抗器R8による降下電圧を加算した電圧分だけ低い電位(V7)である。I点の電位は、時刻t9以降、ほぼ負極側電圧源Vssの電位V−となり、時刻t10においてもその電位が維持される。
以上のような動作によって、駆動装置1は、IGBT素子10をON状態からOFF状態に遷移させることができる。
図3は、IGBT素子10をOFF状態からON状態に遷移させる、つまりターンオンさせるときの、駆動装置1のA点、G点、I点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図であり、図4はIGBT素子10をターンオンさせるときの、駆動装置1のE点、G点、F点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図である。図3および図4において、横軸は時刻を表し、縦軸は電位を表す。なおここでは、駆動装置1の第1〜第4ツェナダイオードZD1〜ZD4の降伏電圧VZDを5Vとし、エミッタ負荷抵抗器R4の抵抗値を560Ωとし、正極側コレクタ負荷抵抗器R5の抵抗値を1.2kΩとし、負極側電流制限用抵抗器R8の抵抗値を10Ωとし、第1および第2出力抵抗器RG1,RG2の抵抗値をそれぞれ1.1Ωとし、負極側コレクタ負荷抵抗器R6および正極側電流制限用抵抗器R7を短絡させたものについて測定している。
また図3の横軸において1マス分の時間は、250ナノ秒(nsec)であり、図4の横軸において1マス分の時間は、100ナノ秒(nsec)である。図3において、A点の波形は、他のG点、I点およびH点の波形と異なるチャンネルで測定しているので、電位の基準値が異なる。また図3において、A点、G点およびH点では、波形を5V/divで表しているが、I点では、波形を10V/divで表している。また図4において、E点、G点、F点およびH点における波形を5V/divで表している。
図3および図4の波形図では、時刻t1でA点の電位がVpからグランド電位に変化する。時刻t1が経過した時刻t2において、I点の電位の波形が立ち上がる、すなわちI点の電位が上昇し始める。時刻t1から時刻t2までの時間は、500ナノ秒(nsec)程度となり、信号入力端子15に駆動信号を与えてから、信号出力端子34からIGBT素子10のIGBT素子ゲートG0に駆動信号が与えられるまでの時間を高速化することができた。
図5は、IGBT素子10をON状態からOFF状態に遷移させる、つまりターンオフさせるときの、駆動装置1のA点、G点、I点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図であり、図6はIGBT素子10をターンオンさせるときの、駆動装置1のE点、G点、F点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図である。図5および図6において、横軸は時刻を表し、縦軸は電位を表す。なお図5および図6では、駆動装置1の測定条件は、前述した図3および図4に示す波形図を得たものと同様とした。
また図5の横軸において1マス分の時間は、250ナノ秒(nsec)であり、図6の横軸において1マス分の時間は、100ナノ秒(nsec)である。図5において、A点の波形は、他のG点、I点およびH点の波形と異なるチャンネルで測定しているので、電位の基準値が異なる。また図5において、A点、G点およびH点では、波形を5V/divで表しているが、I点では、波形を10V/divで表している。また図6において、E点、G点、F点およびH点における波形を5V/divで表している。
図5および図6の波形図では、時刻t6でA点の電位がグランド電位からVpに変化する。
時刻t1が経過した時刻t7において、I点の電位の波形が立ち上がる、すなわちI点の電位が上昇し始める。時刻t1から時刻t2までの時間は、500ナノ秒(nsec)程度となり、信号入力端子15に駆動信号を与えてから、信号出力端子34からIGBT素子10のIGBT素子ゲートG0に駆動信号が与えられるまでの時間を高速化することができた。
以上のように本発明の駆動装置1によれば、前述したように、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2の各ドレインD1,D2を接続して、駆動装置1の出力段を構成することによって、NチャネルおよびPチャネルの電界効果トランジスタM1,M2がレール・ツー・レールで動作する、すなわち信号出力端子34に、ほぼ正極側電圧源Vccの電位V+から負極側電圧源Vssの電位V−までの電位を与えることができ、電源電圧の利用効率を向上させることができる。
Pチャネルの電界効果トランジスタM1は、第3のPNP型および第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5,Q6のゲートG5,G6の電位が低下する過程でOFF状態からON状態に遷移し、第3のPNP型および第3のNPN型バイポーラトランジスタQ5,Q6のゲートG5,G6の電位が上昇する過程でON状態からOFF状態に遷移する。すなわち第1のPNP型および第2のNPN型バイポーラトランジスタがON状態となることによって、正極側コレクタ負荷抵抗器R5に電流が流れ出し、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による降下電圧が大きくなる過程で、Pチャネルの電界効果トランジスタM1は、OFF状態からON状態に遷移し、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による降下電圧が小さくなる過程で、Pチャネルの電界効果トランジスタM1は、ON状態からOFF状態に遷移する。したがって、Pチャネルの電界効果トランジスタM1は、正極側コレクタ負荷抵抗器R5に電流が流れ、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となる。
Nチャネルの電界効果トランジスタM2は、第4のPNP型および第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7,Q8のゲートG7,G8の電位が上昇する過程でOFF状態からON状態に遷移し、第4のPNP型および第4のNPN型バイポーラトランジスタQ7,Q8のゲートG7,G8の電位が低下する過程でON状態からOFF状態に遷移する。すなわち第1のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q4がON状態となることによって、負極側コレクタ負荷抵抗器R6に電流が流れ出し、負極側コレクタ負荷抵抗器R6による降下電圧が大きくなる過程で、Nチャネルの電界効果トランジスタM2は、OFF状態からON状態に遷移し、負極側コレクタ負荷抵抗器R6による降下電圧が小さくなる過程で、Nチャネルの電界効果トランジスタM2は、ON状態からOFF状態に遷移する。したがって、Nチャネルの電界効果トランジスタM2は、負極側コレクタ負荷抵抗器R6に電流が流れ、負極側コレクタ負荷抵抗器による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となる。
Pチャネルの電界効果トランジスタM1は、正極側コレクタ負荷抵抗器R5に電流が流れ、正極側コレクタ負荷抵抗器R5による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となり、またNチャネルの電界効果トランジスタM2は、負極側コレクタ負荷抵抗器R6に電流が流れ、負極側コレクタ負荷抵抗器R6による降下電圧が所定の電圧以上のときにだけ、ON状態となり、また第1の相補型エミッタフォロワ回路21と相補型ベース接地回路22とを前述のように接続することによって、正極側コレクタ負荷抵抗器R5および正極側コレクタ負荷抵抗器R6のいずれか一方に、選択的に電流を流すことができるので、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタのうちいずれか一方を選択的にON状態として、他方をOFF状態とすることができる。したがって、PチャネルおよびNチャネル電界効果トランジスタM1,M2のスイッチング動作が過渡状態にあるときに、PチャネルおよびNチャネル電界効果トランジスタM1,M2の両者がON状態になってしまうことが防止され、正極側電圧源Vccと負極側電圧源Vssとの短絡を防止して、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタM1,M2の破壊を防止することができる。
また電圧/電流変換回路22では、電圧信号を電流信号に変換しているので、正極側および負極側電圧源Vcc,Vssの電位V+,V−の変動の影響を受けにくく、電圧/電流変換回路22を構成する第1および第2のNPN型バイポーラトランジスタQ1,Q3ならびに第1および第2のNPN型バイポーラトランジスタQ2,Q4への過大な電圧の印加を抑制することができ、駆動装置1の信頼性を向上させることができる。
また前述したように第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタQ1,Q3,Q5,Q7および第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタQ2,Q4,Q5,Q8を接続することによって、第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタおよび第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタQ1〜Q8は、全て非飽和領域で動作し、すなわちコレクタC1〜C8およびエミッタE1〜E8間の電圧が0Vにならない。第1〜第4NPN型バイポーラトランジスタおよび第1〜第4PNP型バイポーラトランジスタQ1〜Q8は、全て非飽和領域で動作するので、各バイポーラトランジスタQ1〜Q8における少数キャリアの蓄積効果による遅延時間を短くして、すなわち各バイポーラトランジスタQ1〜Q8がOFFになったときの遅延時間を短くして、各バイポーラトランジスタQ1〜Q8のスイッチング速度を向上させることができ、これによって駆動信号をIGBT素子10のIGBT素子ゲートG0に高速に与えて、IGBT素子10のスイッチング動作を高速化することができる。
また駆動装置1では、駆動信号が入力される信号入力端子15と、IGBT素子10に接続される信号出力端子34との間で、フォトカプラPC1によって信号ラインを電気的に絶縁することができるので、入力側と出力側とで信号の電圧が異なる場合であっても、高電圧側の回路の影響を低電圧側の回路が受けにくく、低電圧側の回路を保護することができ、駆動装置1の信頼性を向上させることができる。したがって、たとえばマイクロコンピュータなどから出力される信号を信号入力端子15から入力して、インバータ装置40に用いられる大電流が流れ、高電圧が印加されるIGBT素子10を安定して駆動することができる。
また駆動装置10では、正極側電流調整用抵抗器R7が接続されることによって、Pチャネルの電界効果トランジスタM1がOFF状態からON状態へするときの応答速度を調整でき、負極側電流調整用抵抗器R8が接続されることによって、Nチャネルの電界効果トランジスタM2がOFF状態からON状態へするときの応答速度を調整できるので、駆動するIGBT素子10の特性に応じて、正極側電流調整用抵抗器R7および負極側電流調整用抵抗器R8の抵抗値を調整することによって、設計の自由度を向上させることができる。
駆動装置10は、電圧/電流駆動回路3およびFET駆動回路4を構成するために、アンプおよびバッファなどの集積回路を用いる必要がなく、電圧/電流駆動回路3およびFET駆動回路4は、ディスクリート素子であるバイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、抵抗器、コンデンサおよびツェナダイオードのみを用いて構成することができる。したがって、構成が簡単であり、かつ故障の少ない信頼性の高い駆動装置を実現することができる。
図7は、駆動装置1を含んで構成されるインバータ装置40の構成を示す模式的に示す図である。インバータ装置40は、直流電圧を3相交流電圧に変換する。図3には、インバータ装置40から出力される3相交流電圧が与えられる負荷41も示している。負荷41は、3相誘導電動機によって実現される。
インバータ装置40は、第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fと、各IGBT素子10A〜10Fをそれぞれ駆動する第1〜第6の駆動装置1A〜1Fと、制御部42とを含んで構成される。第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fは、IGBT素子10と同様であり、第1〜第6の駆動装置1A〜1Fは、前述した駆動装置1である。第1のIGBT素子10Aのエミッタと、第2のIGBT素子10Bのコレクタとが接続され、第3のIGBT素子10Cのエミッタと、第4のIGBT素子10Dのコレクタとが接続され、第5のIGBT素子10Eのエミッタと、第6のIGBT素子10Fのコレクタとが接続される。第1,第3および第5のIGBT素子10A,10C,10Eは、直流電圧源43の正極に接続され、第2,第4および第5のIGBT素子10B,10D,10Fは、直流電圧源43の負極に接続される。第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fには、それぞれ整流ダイオードが並列に接続される。第1および第2のIGBT素子10A,10Bの接続部位が第1出力端子44に接続され、第3および第4のIGBT素子10C,10Dの接続部位が第2出力端子45に接続され、第5および第6のIGBT素子10D,10Fの接続部位が第3出力端子45に接続される。第1〜第3出力端子43,44,45には、負荷10の入力端子がそれぞれ接続される。
第1〜第6の駆動装置1A〜1Fの各信号出力端子34は、第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fの各ゲートG0と個別に接続される。第1〜第6の駆動装置1A〜1Fの各グランド導電路7は、駆動すべき第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fの各エミッタE0とそれぞれ接続される。第1〜第6の駆動装置1A〜1Fの各信号入力部15には、制御部42からPWM信号が与えられる。これによって第1〜第6の駆動装置1A〜1Fが、PWM信号に基づいて第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fを駆動して、第1〜第3出力端子44,45,46から3相交流電圧が出力される。
インバータ装置40では、第1〜第6の駆動装置1A〜1Fとして前述した駆動装置1を用いるので、PWM信号に基づいて、第1〜第6のIGBT素子10A〜10Fを高速でスイッチングさせることができ、歪の少ない3相交流電圧を生成することができる。
本実施の形態では、駆動装置1は、インバータ装置40を構成するIGBT素子10を駆動しているが、駆動装置1は、チョッパ装置に用いられる自己消弧型半導体素子を駆動してもよい。チョッパ装置にいられる自己消弧型半導体素子を駆動装置1によって駆動することによって、自己消弧型半導体素子のスイッチング動作を高速化することができるので、チョッパ装置からの出力電圧を調整しやすくなる。
本発明の実施の形態では、フォトカプラ絶縁回路2を有するが、入力側と出力側とを絶縁する必要がないときには、本発明の他の実施の形態において、前記実施の形態の駆動装置1からフォトカプラ絶縁回路2を除いた構成としてもよい。このような構成の駆動装置では、駆動信号は、第1の相補型エミッタフォロワ回路21の第1のNPN型バイポーラトランジスタQ1および第1のPNP型バイポーラトランジスタQ2の各ベースB1,B2に直接与えられる。このような構成の駆動装置においても、前述した駆動装置1と同様の効果を達成することができる。
本発明のさらに他の実施の形態では、前記実施の形態の駆動装置1から正極側電流制限用抵抗器R7および負極側電流制限用抵抗器R8を除いた構成としてもよく、このような構成とすると、駆動装置を構成する部品の点数が少なくなり、装置の接続をより簡単にすることができる。このような構成であっても、前述した駆動装置1と同様の効果を達成することができる。
本発明の実施の一形態の自己消弧型半導体素子の駆動装置1を示す回路図である。 駆動装置1を動作させたときの、駆動装置1の各部の電位を表す波形図である。 IGBT素子10をOFF状態からON状態に遷移させる、つまりターンオンさせるときの、駆動装置1のA点、G点、I点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図である。 IGBT素子10をターンオンさせるときの、駆動装置1のE点、G点、F点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図である。 IGBT素子10をON状態からOFF状態に遷移させる、つまりターンオフさせるときの、駆動装置1のA点、G点、I点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図である。 IGBT素子10をターンオンさせるときの、駆動装置1のE点、G点、F点およびH点の電位をオシロスコープによって測定した波形図である。 駆動装置1を含んで構成されるインバータ装置40の構成を示す模式的に示す図である。
符号の説明
1 駆動装置
2 フォトカプラ絶縁回路
3 電圧/電流変換回路
4 EFT駆動回路
21 第1の相補型エミッタフォロワ回路
22 相補型ベース接地回路
31 第2の相補型エミッタフォロワ回路
32 第3の相補型エミッタフォロワ回路
33 相補型電界効果トランジスタ回路
Q1 第1のPNP型バイポーラトランジスタ
Q2 第1のNPN型バイポーラトランジスタ
Q3 第2のPNP型バイポーラトランジスタ
Q4 第2のNPN型バイポーラトランジスタ
Q5 第3のPNP型バイポーラトランジスタ
Q6 第3のNPN型バイポーラトランジスタ
Q7 第4のPNP型バイポーラトランジスタ
Q8 第4のNPN型バイポーラトランジスタ
M1 Pチャネルの電界効果トランジスタ
M2 Nチャネルの電界効果トランジスタ
Vcc 正極側電圧源
Vss 負極側電圧源
R4 エミッタ負荷抵抗器
R5 正極側コレクタ負荷抵抗器
R6 負極側コレクタ負荷抵抗器
R7 正極側電流制限用抵抗器
R8 負極側電流制限用抵抗器

Claims (3)

  1. 駆動信号を入力する信号入力部と、
    第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタを有し、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続され、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各ゲートが前記信号入力部と接続され、第1のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタが正極側電圧源に接続され、第1のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタが負極側電圧源に接続される第1の相補型エミッタフォロワ回路と、
    第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタ、第1のNPN型および第1のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタと第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタとを接続するエミッタ負荷抵抗器、第2のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタと正極側電圧源とを接続する正極側コレクタ負荷抵抗器、ならびに第2のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタと負極側電圧源とを接続する負極側コレクタ負荷抵抗器を有し、第2のNPN型および第2のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続される相補型ベース接地回路と、
    第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタを有し、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続され、第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタのゲートが正極側コレクタ負荷抵抗器を介して正極側電圧源に接続され、第3のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタが正極側電圧源に接続され、第3のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタがグランドに接続される第2の相補型エミッタフォロワ回路と、
    第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタを有し、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタの各エミッタが接続され、第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタの各ゲートが負極側コレクタ負荷抵抗器を介して負極側電圧源に接続され、第4のNPN型バイポーラトランジスタのコレクタがグランドに接続され、第4のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタが負極側電圧源に接続される第3の相補型エミッタフォロワ回路と、
    PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタを有し、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの各ドレインが接続され、Pチャネルの電界効果トランジスタのゲートが第3のNPN型バイポーラトランジスタのエミッタと接続され、Nチャネルの電界効果トランジスタのゲートが第4のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタと接続され、Pチャネルの電界効果トランジスタのソースが正極側電圧源に接続され、Nチャネルの電界効果トランジスタのソースが負極側電圧源に接続され、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタの各ドレインに自己消弧型半導体素子の制御端子が接続される相補型電界効果トランジスタ回路とを含むことを特徴とする自己消弧型半導体素子の駆動装置。
  2. 信号入力部は、フォトカプラを含み、このフォトカプラを介して駆動信号を第1のPNP型および第1のNPN型バイポーラトランジスタの各ベースに与えることを特徴とする請求項1記載の自己消弧型半導体素子の駆動装置。
  3. 第3のNPN型および第3のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタの間、ならびに第4のNPN型および第4のPNP型バイポーラトランジスタのエミッタの間の少なくともいずれか一方に接続される電流制限用の抵抗器を含むことを特徴とする請求項1または2記載の自己消弧型半導体素子の駆動装置。
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