JP2007235564A - デュアルグリッドアンテナ装置及びアンテナ鏡軸調整方法 - Google Patents

デュアルグリッドアンテナ装置及びアンテナ鏡軸調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インターコスタルを用いることなく、インターコスタルによるブロッキングや損失をなくすことの可能なデュアルグリッドアンテナを得ることを目的とする。
【解決手段】 前面反射鏡を回動自在に支持し、前面反射鏡の角度を検出するとともに鏡軸方向を角度調整する第1の駆動装置と、後面反射鏡を回動自在に支持し、前面反射鏡の角度を検出するとともに鏡軸方向を角度調整する第2の駆動装置と、第1、第2の駆動装置を制御する制御部を備え、前面反射鏡の鏡軸と後面反射鏡の鏡軸とが合致するように、前面反射鏡及び後面反射鏡の角度を制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、人工衛星に搭載される、デュアルグリッドアンテナ装置及びアンテナ鏡軸(アンテナビーム軸)の調整方法に関するものである。
近年、通信容量の拡大にともない、直交する2つの直線偏波を共用したアンテナが主流になってきている。このため、衛星搭載用アンテナとしては、低交差偏波のアンテナが必要となる。そのアンテナの一つとして、デュアルグリッドアンテナがある(例えば非特許文献1、2参照)。
宮原他、"鏡面修整デュアルグリッドアンテナ"、信学技報、A-P96-1(1996-4) 牧野他、"二重グリッド反射鏡アンテナの放射特性"、AP研、A・P88-70
デュアルグリッドアンテナは、直交する2つの直線偏波を共用し、周波数の有効利用が可能なアンテナである。デュアルグリッドアンテナは、グリッドパターンを設けた前面反射鏡と、グリッドの無い導体面である後面反射鏡の2枚からなり、前後2枚の反射鏡はリング状のインターコスタルにより接続されている。そのため、交差偏波成分を十分に小さくできる。
しかし、インターコスタルのような衝立を用いて前後反射鏡を接続すると、打ち上げ後の熱歪の影響により鏡面が変形し、前後の反射鏡のアンテナビーム軸にずれが生じる可能性がある。また後面反射鏡の主偏波パターンが、インターコスタルによるブロッキングや損失の影響を受ける。そのため所望の電気的特性を満足することができないという問題があった。
この発明は、係る課題を解決することを目的としたものであり、アンテナビーム軸のずれを軽減するとともに、インターコスタルによるブロッキングや損失をなくすことの可能なデュアルグリッドアンテナを得ることを目的とする。
この発明に係わるデュアルグリッドアンテナは、グリットの形成された前面反射鏡と、上記前面反射鏡に対しオフセット角を有し、かつ鏡面が平行移動した位置に配置される後面反射鏡と、上記前面反射鏡及び後面反射鏡に直交した異なる偏波を給電し、異なる焦点にそれぞれ配置された2つの給電ホーンと、上記前面反射鏡を回動自在に支持し、前面反射鏡の角度を検出するとともに鏡軸方向を角度調整する第1の駆動装置と、上記後面反射鏡を回動自在に支持し、前面反射鏡の角度を検出するとともに鏡軸方向を角度調整する第2の駆動装置と、上記第1、第2の駆動装置を制御する制御部と、上記第1、第2の駆動装置を支持し、衛星構体に固定される支持部と、を備え、
上記制御部は、上記第1、第2の駆動装置により検出される角度が、上記前面反射鏡の鏡軸と後面反射鏡の鏡軸とが合致する基準角度に一致するように、第1、第2の駆動装置による上記前面反射鏡及び後面反射鏡の角度調整量を制御するようにしたものである。
また、地上局との通信により、上記前面反射鏡から第1の偏波を送信しながら上記前面反射鏡を回動させ、第1の偏波の送信時刻と上記前面反射鏡の回転角度とその回転角度に対応した時刻情報とを、地上局に送信する第1のステップ、上記前面反射鏡から送信され上記地上局で受信した受信電力が最大となるときに、上記地上局で受信した上記第1の偏波の送信時刻と時刻の対応する上記前面反射鏡の回転角度で、上記前面反射鏡を固定する第2のステップ、上記後面反射鏡から上記第1の偏波と直交する第2の偏波を送信しながら上記後面反射鏡を回動させ、第2の偏波の送信時刻と上記後面反射鏡の回転角度とその回転角度に対応した時刻情報とを、地上局に送信する第3のステップ、上記後面反射鏡から送信され上記地上局で受信した受信電力が最大となるときに、上記地上局で受信した上記第2の偏波の送信時刻と時刻の対応する上記後面反射鏡の回転角度で、上記後面反射鏡を固定する第4のステップ、の順序で前面反射鏡と後面反射鏡のアンテナ鏡軸の方向を角度調整しても良い。
この発明によれば、前面反射鏡と後面反射鏡をインターコスタルで接続することなく、衛星軌道上で前面反射鏡と後面反射鏡のアンテナビーム軸を正確に位置合わせすることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示す図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は前面反射鏡を鏡軸方向(z軸方向)から見た図である。
図において、デュアルグリッドアンテナ装置(以下、DGS)100は、前面反射鏡2と後面反射鏡3と支持構造部5と制御部30を備えて構成される。DGS100は人工衛星の衛星構体110の外部パネル面111に固定される。なお、図中、衛星構体110は一部分のみ記載している。
前面反射鏡2と後面反射鏡3は、鏡軸方向(z軸方向)から見て円形開口で重なっている。それぞれの焦点はオフセット面内に配置され、前面反射鏡2と後面反射鏡3を異なるオフセット角にし、z軸方向に相対的に平行移動することにより、焦点を分離している。これによって、構造がオフセット面に対して左右対称であり、熱による変形に対しバランスをとりやすい特長がある。
図1(b)において左半分の半円は前面反射鏡2を図示し、右半分の半円は後面反射鏡3を図示している。前面反射鏡2にはグリッドパターン8が鏡面上に設けられており、グリッドに直交する偏波成分のみを反射する。前面反射鏡2の鏡面はアラミド繊維強化複合材料(プラスチック)により成形される。グリッドパターン8は前面反射鏡2の成形鏡面に、所定の間隔で配列された導体スリットを設けることによって構成される。後面反射鏡3は、CFRPにより成形されたグリッドパターンの無い鏡面であり、前面反射鏡2の透過成分を反射する。すなわち、前面反射鏡2と後面反射鏡3とで、互いに直交する2つの直線偏波を反射し、偏波共用アンテナとして機能する。前面反射鏡2と後面反射鏡3は、それぞれ(第1の)駆動装置1a、(第2の)駆動装置1bにより角度調整可能に支持されて、支持構造部5に設置されている。
前面反射鏡2の焦点位置には(第1の)給電ホーン4aが設置され、後面反射鏡3の焦点位置には(第2の)給電ホーン4bが設置される。前面反射鏡2及び後面反射鏡3は、各給電ホーン4a、4bの励振分布に基づいて所望のビーム成形がなされるように、放物面に対し鏡面修正を行って反射鏡面を最適化している。給電ホーン4a、4bは、前面反射鏡2及び後面反射鏡3を介して電波を送信もしくは受信する。この際、給電ホーン4aは水平偏波、給電ホーン4bは垂直偏波を給電する。
支持構造部5はトラス構造体や構造用パネル部材等を立体的に組み合わせ結合して構成され、構造部材として作用する。支持構造部5は、駆動装置1a、1bを取付面に据え付けする基部101と、各給電ホーン4a、4bが取り付けされる突設部102と、背面部103とを備えている。基部101は外部パネル面111上に取付される。基部101の一端側に突設部102が設置され、基部101の他端側に背面部103が設置される。基部101と突設部102は、各給電ホーン4a、4bと各鏡面との間に所望の焦点距離を与えるように所定距離離れて設置され、突設部102と背面部103は基部101の取付面からそれぞれ突き出すように接続されている。この際、突設部102と背面部103の間に駆動装置1a、1bが配置され、駆動装置1a、1bがDGS100の重心付近に配置されるように構成されている。すなわち、背面部103はバランス部材として機能する。駆動装置1aは、基部101と突設部102の間に配置されており、前面反射鏡2の前面を支える。駆動装置1bは、基部101と背面部103の“くの字型”に屈曲した接続部分に配置されており、後面反射鏡3の背面を支える。給電ホーン4aは給電ホーン4bに対し、突設部102の先端側(図の1上側)に配置される。駆動装置1a、1bは、前面反射鏡2、後面反射鏡3を、それぞれ2軸方向に回動自在に支持している。製造段階で、前面反射鏡2、後面反射鏡3を駆動装置1a、1bに取り付ける際に適宜角度調整が行われ、前面反射鏡2、後面反射鏡3の各焦点は各給電ホーン4a、4bの放射口の開口中心に一致するように予め位置調整が行われている。また、このときの駆動装置1aによる前面反射鏡2の仰角(ピッチ角)及び旋回角(ヨー角)と、駆動装置1bによる前面反射鏡2の仰角及び旋回角は、組立て調整時に、予め基準初期角度として計測される。
制御部30は、人工衛星9の衛星構体110内に収納され、電気ケーブルを介して駆動装置1a、1bにそれぞれ電気的に接続されている。制御部30は、各種データ処理や制御電圧の生成を行うコントロールユニットや、各種データが読み込み及び書き込み可能な記憶ユニットから構成される。
また、制御部30は衛星構体内に収納された衛星搭載通信機31に電気的に接続されている。衛星搭載通信機31はオムニアンテナ32を有しており、オムニアンテナ32を通じて地上との交信を行う。
図2は、前面反射鏡2、後面反射鏡3を駆動する駆動装置1a、1bの構成を示す図であり、図2(a)は前面反射鏡2及び駆動装置1aの側面図、図2(b)は前面反射鏡2を鏡軸方向(z軸方向)から見た図、図2(c)は後面反射鏡3及び駆動装置1bの側面図、図2(d)は後面反射鏡3を鏡軸方向(z軸方向)から見た図である。図において、x軸は前面反射鏡2及び後面反射鏡3のオフセット面内でz軸に直交しかつ基部101の底面から突き出る方向、y軸はz軸及びx軸に直交する方向である。図1では、x軸が基部101に対して傾斜するように設置した例を示したが、x軸が基部101、すなわち外部パネル面111に対して直交するように配置しても良い。
駆動装置1aは、ロータ14と、ターンテーブル15と、固定部19とを備えて構成される。ロータ14は、前面反射鏡2を仰角方向(y軸周り)に回動させ、前面反射鏡2を上下動作させる。固定部19は支持部材5に支持固定される。ターンテーブル15は、前面反射鏡2を固定部19に対し旋回方向(x軸周り)に回動させ、前面反射鏡2を旋回動作させる。また、ロータ14、ターンテーブル15は、各々アクチュエータと角度検出器を備えており、角度検出器により検出された角度信号は制御部30に出力される。アクチュエータは、モータ出力軸に減速機やプーリやリンク機構が接続されたモータ、ダイレクトドライブモータ等を用いて構成され、ロータ14、ターンテーブル15をそれぞれ駆動する。角度検出器はレゾルバや各種エンコーダを用いて構成され、ロータ14、ターンテーブル15における所定の基準角度に対する相対的な回転角を計測する。ターンテーブル15は、被回転側に接続部17が取付されている。接続部17は、ターンテーブル15に取付される底面と、底面に対して立設した取付面を備えており、この取付面に前面反射鏡2が取付される。接続部17は、前面反射鏡2を確実に保持し、機械的な構造強度を得るための構造リブとして作用する。前面反射鏡2を取付ける接続部17は、前面反射鏡2の反射鏡面下端部を保持する。
同様にして、駆動装置1bは、ロータ14と、ターンテーブル15と、固定部19とを備えて構成される。ロータ14は、後面反射鏡3を仰角方向(y軸周り)に回動させ、後面反射鏡3を上下動作させる。固定部19は支持部材5に支持固定される。ターンテーブル15は、後面反射鏡3を固定部19に対し旋回方向(x軸周り)に回動させ、後面反射鏡3を旋回動作させる。また、ロータ14、ターンテーブル15は、各々アクチュエータと角度検出器を備えており、角度検出器により検出された角度信号は制御部30に出力される。アクチュエータは、モータ出力軸に減速機やプーリやリンク機構が接続されたモータ、ダイレクトドライブモータ等を用いて構成され、ロータ14、ターンテーブル15をそれぞれ駆動する。角度検出器はレゾルバや各種エンコーダを用いて構成され、ロータ14、ターンテーブル15における所定の基準角度に対する相対的な回転角を計測する。ターンテーブル15は、被回転側に接続部17が取付されている。接続部18は、ターンテーブル15に取付される底面と、底面に対して立設した取付面を備えており、この取付面に後面反射鏡3が取付される。接続部18は、後面反射鏡3を確実に保持し、機械的な構造強度を得るための構造リブとして作用する。また、後面反射鏡3を取付ける接続部18は、後面反射鏡3の反射鏡背面下端部を保持する。
なお、宇宙空間では、前面反射鏡2及び後面反射鏡3に対し地球の重力はほぼ作用しないので、駆動装置1a、1bとの接続部分には大きな荷重が作用しない。しかし、人工衛星9の挙動変化や周回軌道300上の移動に伴って、前面反射鏡2と後面反射鏡3に微小な慣性トルクや外乱トルクが作用する。このため、駆動装置1a、2bの各アクチュエータの動作停止時に、前面反射鏡2と後面反射鏡3の角度が停止位置からずれないように、アクチュエータに電磁ブレーキ等の回転留めを設けておく。
制御部30から出力される制御電圧は駆動装置1a、1bの各アクチュエータに入力される。制御部30により駆動装置1a、1bを制御して、前面反射鏡2と後面反射鏡3の仰角及び旋回角を調整することにより、前面反射鏡2と後面反射鏡3の各焦点が、それぞれ空間内で位置調整される。通信制御部40は、給電ホーン4a、4bに電気的に接続される。
通信制御部40は、制御部30から送信信号が入力され、給電ホーン4a、4bに対して送信信号を同時に給電する。これによって、前面反射鏡2と後面反射鏡3から同時に直交偏波を有した送信電波が送出される。測位装置50は、GPS衛星やGaleleo、GLONASS等の航法測位衛星から送信される搬送波(C/Aコード、Pコード等を含む測位信号)を受信し、受信信号に基づいて衛星測位航法(単独測位)により、地球固定座標系での人工衛星9の自己位置を測位する。測位装置50で測位した衛星位置は制御部30に送信される。姿勢検出装置60は、地球センサ、太陽センサ、もしくはスターセンサ等を用いて、地球固定座標系で表現された衛星基準方向の姿勢角度(オイラー角)を検出する。衛星基準方向は、人工衛星9の製造段階で、衛星構体110の外部パネル面111にDGS100を設置し、DGS100の鏡軸方向(z軸方向)を調整した際に設定される。この場合、衛星基準方向をDGS100の理想的な鏡軸方向(z軸方向)に設定しておく。姿勢制御装置70は、モーメンタムホイールやスラスターを駆動して、人工衛星9の姿勢を制御する。
図3は、前面反射鏡2と後面反射鏡3の角度調整の概念を示す図である。
図において、給電ホーン4aから放射された電波は、前面反射鏡2の反射鏡面によって図の符号7aの矢視に示す反射方向(前面反射鏡2による電波の反射方向)に反射される。また、給電ホーン4bから放射された電波は、後面反射鏡3の反射鏡面によって図の符号7bの矢視に示す反射方向(後面反射鏡3による電波の反射方向)に反射される。
ここで、前面反射鏡2による電波の反射方向7aと後面反射鏡3による電波の反射方向7bは、駆動装置1a、1bによって前面反射鏡2と後面反射鏡3とが適切な仰角及び旋回角に調整されることにより、鏡軸方向6に合致する。このときの前面反射鏡2及び後面反射鏡3の各仰角及び旋回角は、基準角度(基準仰角及び基準旋回角)として、制御部30の記憶ユニットに格納さる。なお、製造段階においては、上掲した組立て調整時に設定される基準初期角度も予め記憶ユニットに格納されている。
この実施の形態は以上のように構成され、次のように動作する。
図4は、人工衛星9が周回軌道300上を移動する際の、地上局80による前面反射鏡2と後面反射鏡3の角度調整の方法を示す概念図である。
図において、地上局80はアンテナや送受信装置やデータ記録装置や計算機等を備え、管制局200との間でデータの授受を行う。地上局80は人工衛星9の衛星搭載通信機31及びDGS100とそれぞれ通信を行うための各種アンテナを備えており、人工衛星9は地上局80との間で交信を行う。この交信によって、人工衛星9の衛星搭載通信機31は、地上局80に対してテレメトリ情報を送信し、地上局80は人工衛星9に対してコマンド情報10を送信する。地上局80は受信したテレメトリ情報を管制局200に送信する。管制局200ではテレメトリ情報の解析を行い、解析結果に基づいてコマンド情報を生成し、生成したコマンド情報を地上局80に送出する。地上局80はコマンド情報を人工衛星9の衛星搭載通信機31に送信する。また、人工衛星9のDGS100は、地上局80に対して通信用電波を送信する。DGS100の前面反射鏡2及び後面反射鏡3から同時に送信される電波は、水平面偏波及び垂直面偏波を有している。
人工衛星9は、ロケットにより地上から打ち上げされ、軌道上に投入される。打ち上げから軌道投入までの間、DGS100を折り畳んだ状態で衛星構体の側面に保持し、軌道投入後に折り畳んだDGS100の保持を解放して、DGS100を所定の角度まで展開する。展開とともに、DGS100の前面反射鏡2及び後面反射鏡3の仰角及び旋回角度が、制御部30によって基準初期角度に調整される。
なお、DGS100は、支持構造部5を展開させる展開機構を設けてもいいし、駆動装置1a、1bを用いて前面反射鏡2及び後面反射鏡3を展開しても良い。DGS100の展開機構や保持解放機構については、ここでは詳細な説明を割愛する。
打ち上げが完了し、人工衛星9が軌道投入され、DGS100が展開した後、軌道上で運用開始される前に、DGS100の軌道上試験が行われる。
軌道上試験では、人工衛星9のDGS100から地上局80に対して送信電波を送出する。その際、前面反射鏡2と後面反射鏡3のアンテナビーム軸がずれていれば、地上局80で受信する受信電波は、2つの直交偏波の電気的損失がそれぞれ劣化するので、その電力レベルの低下や交差偏波の増加を検出することができる。管制局200では地上局80の受信電波を解析し、その電力レベルの低下や交差偏波の増加を検出すると、管制局200の情報記憶装置に格納された基準データとの比較により、前面反射鏡2と後面反射鏡3のアンテナビーム軸がずれていると判断した場合に、地球局80から人工衛星9にコマンド情報10を送り、アンテナビーム軸のずれ分を調整するように、制御部30が各駆動装置1a、2bを稼動させる。
また、制御部30によるそのときの実際の調整量(前面反射鏡2及び後面反射鏡3の仰角及び旋回角)は、人工衛星9から地球局80にテレメトリ情報として送信され、地球局80では人工衛星9からのテレメトリ情報を取得する。取得したテレメトリ情報は、地球局80での衛星運用における基準データとして、地球局80の情報記憶装置に順次格納される。地球局80では、衛星運用を続けるに当たり、周回軌道上40において鏡面変形以外の不具合が生じたときも、そのテレメトリ情報を基準データと比較するなどの解析を行って、不具合事象の分析を行うことが可能となる。その際、駆動装置1a、1bで前面反射鏡2と後面反射鏡3の角度を微調整することにより、両者のアンテナビームの軸調整が可能となる。
軌道上試験時において、アンテナビーム軸のずれは、以下のように検出され、調整がなされる。
まず、ステップS1において、管制局200は姿勢制御のコマンド情報を生成し、地上局80に送出する。地上局80は、生成した姿勢制御のコマンド情報を人工衛星9の制御部30に対して送信する。人工衛星9の制御部30は、姿勢制御のコマンド情報を受けて、姿勢制御を開始する。
この際、人工衛星9の制御部30は、測位装置50が測位した人工衛星9の位置X1と、地球固定座標系で表現された地上局80の位置X2とから、地球固定座標系での人工衛星9に対する地上局80の相対方向p=X2−X1を求める。ここで、地上局80の位置X2は予め既知の値として、制御部30の記憶ユニットに格納されている。また、姿勢検出装置60を用いて、地球固定座標系での衛星基準方向の姿勢角度e(オイラー角φ、θ、ψ)を検出する。得られた相対方向p及び姿勢角度eに基づいて、衛星基準方向が人工衛星9に対する地上局80の相対方向dに一致するように、姿勢制御装置70を制御する。これによって、衛星基準方向、すなわちDGS100の理想的な鏡軸方向(z軸方向)が地上局80を指向する。
なお、軌道計算により人工衛星9の位置X1が予め正確に判明している場合は、軌道計算の結果を用いて、地球固定座標系での人工衛星9に対する地上局80の相対方向p=X2−X1を求めても良い。
次にこの状態で、ステップS2において、管制局200は、給電ホーン4aの送信制御のコマンド情報を生成し、地上局80に送出する。地上局80は、生成された給電ホーン4aの送信制御のコマンド情報を、人工衛星9の制御部30に対して送信する。人工衛星9の制御部30は、送信制御のコマンド情報を受けて、DGS100の送信制御を開始する。
この際、制御部30は通信制御部40を制御し、給電ホーン4aから水平偏波(第1の偏波)の電波放射を開始させる。給電ホーン4aから放射された送信電波は、前面反射鏡2で反射され、地上局80において受信される。通信制御部40は、給電ホーン4aから送出する電波に対し送信時刻の情報を乗せる。この送信時刻は、測位装置50が受信したGPS衛星からの測位信号に基づいて、GPS時刻に同期した時刻として与えられる。地上局80は受信電波を検波し、受信電波の電力と、受信電波に含まれるDGS100の送信時刻情報を、管制局200に送信する。管制局200は、受信電波の電力と送信時刻をペアにして、情報記憶装置に格納する。
次に、ステップS3において、管制局200は前面反射鏡2の駆動制御のコマンド情報を生成し、地上局80に送出する。地上局80は、生成された前面反射鏡2の駆動制御のコマンド情報を、人工衛星9の制御部30に対して送信する。人工衛星9の制御部30は、駆動制御のコマンド情報を受けて、DGS100の駆動制御を開始する。
この際、制御部30は駆動装置1aを制御し、前面反射鏡2の可動角範囲内(例えば基準初期角度を中心とする±10度以内の範囲)において、所定時間間隔で前面反射鏡2を上下方向及び旋回方向にゆっくり回動させる。なお、後面反射鏡3が前面反射鏡2に衝突しないように、駆動装置1bを同時に制御して、後面反射鏡3が前面反射鏡2と同じ角度だけ動くようにしても良い。
駆動装置1aによって駆動された前面反射鏡2の仰角及び旋回角は、テレメトリ情報として、衛星搭載通信機31から地上局80に送信される。このテレメトリ情報には、駆動装置1aが仰角及び旋回角を計測した計測時間が同時に付与される。この計測時間は、測位装置50が受信したGPS衛星からの測位信号に基づいて、GPS時刻に同期した時刻として与えられる。地上局80では、このテレメトリ情報を受信し、管制局200は受信したテレメトリ情報から前面反射鏡2の仰角及び旋回角を抽出し、情報記憶装置に格納する。
次いで、ステップS4において、管制局200は、地上局80で受信され情報記憶装置に格納された受信電波の電力変化を解析する。この解析結果に基づいて受信電波の受信電力が最大となるときの前面反射鏡2の角度を求める。例えば、仰角及び旋回角のテレメトリ情報に含まれる時刻情報に基づいて、受信電力最大時のDGS100の送信時刻と一致する時刻における、前面反射鏡2の仰角及び旋回角を求める。この解析は、受信電力最大時の前面反射鏡2の角度(仰角及び旋回角)を複数回計測し、各種統計処理を行うことによって行われる。例えば、受信電力最大時の角度の平均値や中央値等を求めることによって、統計処理された受信電力最大時の前面反射鏡2の仰角及び旋回角を求めても良い。統計処理された受信電力最大時の前面反射鏡2の仰角及び旋回角は、前面反射鏡2の基準角度として設定され、管制局200の情報記憶装置に基準データとして格納される。
次に、ステップS5において、前面反射鏡2の基準角度が設定された後、管制局200は、人工衛星9に対して駆動装置1aによる駆動を停止させる停止のコマンド情報と前面反射鏡2の基準角度を送信する。人工衛星9の制御部30は、停止のコマンド情報と前面反射鏡2の基準角度を受けると、内蔵する記憶ユニットに前面反射鏡2の基準角度を格納する。また、制御部30は駆動装置1a、2bを角度制御して、前面反射鏡2の角度(仰角及び旋回角)が基準角度に一致するように調整した後、回転留めによってこの基準角度を保持する。この制御部30による角度制御の詳細については後述する。
続いてこの状態で、ステップS6において、管制局200は給電ホーン4bの送信制御のコマンド情報を生成し、地上局80に送出する。地上局80は、生成された給電ホーン4bの送信制御のコマンド情報を、人工衛星9の制御部30に対して送信する。人工衛星9の制御部30は、送信制御のコマンド情報を受けて、DGS100の送信制御を開始する。
この際、制御部30は通信制御部40を制御し、給電ホーン4bから垂直偏波(第2の偏波)の電波放射を開始させる。給電ホーン4bから放射された送信電波は、後面反射鏡3で反射され、地上局80において受信される。通信制御部40は、給電ホーン4bから送出する電波に対し送信時刻の情報を乗せる。この送信時刻は、測位装置50が受信したGPS衛星からの測位信号に基づいて、GPS時刻に同期した時刻として与えられる。地上局80は受信電波を検波し、受信電波の電力と、受信電波に含まれるDGS100の送信時刻情報を、管制局200に送信する。管制局200は、受信電波の電力と送信時刻をペアにして、情報記憶装置に格納する。
次に、ステップS7において、地上局80は、管制局200で生成される後面反射鏡3の駆動制御のコマンド情報を、人工衛星9の制御部30に対して送信する。人工衛星9の制御部30は、駆動制御のコマンド情報を受けて、DGS100の駆動制御を開始する。
この際、制御部30の記憶ユニットに格納された前面反射鏡2の基準初期角度と基準角度との角度差が求められ、この角度差を後面反射鏡3の基準初期角度に加算して、後面反射鏡3の基準初期角度が補正される。制御部30は駆動装置1bを制御し、後面反射鏡3の可動角範囲内において、所定時間間隔で前面反射鏡2を上下方向及び旋回方向にゆっくり回動させる。後面反射鏡3は、補正された基準初期角度を中心とする範囲(例えば±1度以内の範囲)を可動角範囲として、駆動制御される。この場合、後面反射鏡3が停止している前面反射鏡2に衝突しないように、可動角範囲を設定する。
駆動装置1bによって駆動された後面反射鏡3の仰角及び旋回角は、テレメトリ情報として、衛星搭載通信機31から地上局80に送信される。このテレメトリ情報には、駆動装置1bが仰角及び旋回角を計測した計測時間が同時に付与される。この計測時間は、測位装置50が受信したGPS衛星からの測位信号に基づいて、GPS時刻に同期した時刻として与えられる。地上局80では、このテレメトリ情報を受信し、管制局200は受信したテレメトリ情報から後面反射鏡3の仰角及び旋回角を抽出し、情報記憶装置に格納する。
次いで、管制局200は、ステップS8において、地上局80で受信され情報記憶装置に格納された受信電波の電力変化を解析する。この解析結果に基づいて受信電波の受信電力が最大となるときの後面反射鏡3の角度を求める。例えば、仰角及び旋回角のテレメトリ情報に含まれる時刻情報に基づいて、受信電力最大時にDGS100の送信時刻と一致する時刻における、後面反射鏡3の仰角及び旋回角を求める。この解析は、受信電力最大時の後面反射鏡3の角度を複数回計測し、各種統計処理を行うことによって行われる。例えば、受信電力最大時の角度の平均値や中央値等を求めることによって、統計処理された受信電力最大時の後面反射鏡3の仰角及び旋回角を求めても良い。統計処理された受信電力最大時の後面反射鏡3の仰角及び旋回角は、後面反射鏡3の基準角度として設定され、管制局200の情報記憶装置に基準データとして格納される。
最後に、ステップS9において、後面反射鏡3の基準角度が設定された後、管制局200は、人工衛星9に対して駆動装置1bによる駆動を停止させる停止のコマンド情報と後面反射鏡3の基準角度を送信する。人工衛星9の制御部30は、停止のコマンド情報と後面反射鏡3の基準角度を受けると、内蔵する記憶ユニットに後面反射鏡3の基準角度を格納する。また、制御部30は駆動装置2bを角度制御して、後面反射鏡3の角度(仰角及び旋回角)が基準角度に一致するように調整した後、回転留めによってこのを基準角度に保持する。この制御部30による角度制御の詳細については後述する。
以上のようにして、軌道上試験で行われる前面反射鏡2及び後面反射鏡3の調整角度や最大受信電力や調整経過は、時刻情報とともに管制局200の情報記憶装置に基準データとして格納される。
次に、人工衛星9の周回軌道上でDGS100を通常利用する際に行われる、アンテナビームの軸ずれ検出及び調整動作について説明する。
まず、通常使用時に人工衛星上でオンボードで実行される、軸ずれ検出及び調整動作について説明する。
この調整動作では、前面反射鏡2と後面反射鏡3の仰角及び旋回角が基準角度に対してずれているか否かを検出し、角度調整を行う。なお、この角度調整動作は、DGS100の展開後や軌道試験時に、前面反射鏡2及び後面反射鏡3の角度を基準初期角度や基準角度に設定する場合においても、同様にして行われる。
この調整動作において、DGS100は、駆動装置1a、2bの各角度検出器を用いて、前面反射鏡2と後面反射鏡3の仰角及び旋回角をそれぞれ検出する。制御部30は、検出した各仰角及び旋回角が記憶ユニットに格納された基準角度に一致するか否かを判定する。
判定の結果、不一致であった場合は、基準角と検出した仰角及び旋回角との差分を演算し、差分にゲイン係数を乗じた値を制御電圧として駆動装置1a、2bの各アクチュエータに印加する(フィードバックする)。駆動装置1a、2bの各アクチュエータは、印加された制御電圧に基づいて、ターンテーブル15及びロータ14を回転させ、前面反射鏡2と後面反射鏡3がそれぞれ基準角度に一致するように制御する。
また、判定の結果、一致した場合は、制御電圧の印加を停止し、各アクチュエータの動作を停止させて、前面反射鏡2と後面反射鏡3をそれぞれの基準角度で停止させる。
この角度調整動作は、時間経過や周回軌道上での移動に伴って、前面反射鏡2と後面反射鏡3のアンテナビームが軸ずれを生じた場合において、前面反射鏡2と後面反射鏡3がそれぞれ基準角度に一致するように実施される。これによって、前後反射鏡面間でアンテナビーム軸を常に正確に一致させることができる。
次に、長期使用時に、DGS100のアンテナビーム軸が次第に基準角度からずれ、軸ずれを生じた場合の軸ずれ検出動作について説明する。
この調整動作において、管制局200は、地上局80を通じて、DGS100の制御部30に対して、軸ずれ検出動作を指示するためのコマンド情報を、DGS100の制御部30に送信して行われる。この場合、管制局200は、軌道上試験で実施した、上掲のステップ2〜ステップ8と同様の方法によって、DGS100を制御して、軸ずれ検出し、軸ずれを調整することができる。
なお、人工衛星9の通常使用時において、人工衛星9のDGS100から定期的に試験用の送信信号を送り、地上局80がDGS100から受信した受信電波を基に、常時管制局200で受信電波のモニタを行っても良い。この際、地上局80が受信した水平及び垂直偏波の各受信電力を、軌道上試験時に計測した基準データと比較解析し、得られた解析結果を元に水平もしくは垂直偏波の受信電力の変化を検出しても良い。また、検出結果に基づいて上掲のステップ2〜ステップ8に記載したような手法によって、基準角度を求めても良い。また、求めた基準角度をコマンド情報として人工衛星9の制御部30に送信することにより、記憶ユニットに格納された基準角度を更新しても良い。
以上のように構成されたDGS100では、前後反射鏡2、3は駆動装置1a、1bによりアンテナ軸を所望の角度に調整できるため、図2に示すように、鏡面変形によるずれたアンテナ軸7a、7bを所望のアンテナ軸6に合致するように、調整することが可能となる。これにより、後面反射鏡3から反射され前面反射鏡2を透過する際の直線偏波の電気的損失や、多重反射による電界の乱れや、交差偏波を低減することができる。また、前後反射鏡2、3のアンテナビーム軸を精度良く整合させた直交偏波共用アンテナを得ることができるので、直交偏波共用アンテナとしての通信品質が格段に向上し、周波数の有効利用を図ることができる。
なお、前記非特許文献1に記載された従来のデュアルグリッドアンテナにおけるインターコスタルは、サンドイッチ構造の誘電体により構成された誘電体リングを、前面反射鏡と後面反射鏡の間の、中央部周辺と外周部周辺に2重に配置していた。このインターコスタルにおける内側と外側の直径と厚みは、インターコスタルによる電気損失と、人工衛星に搭載することを想定した機械性能(熱環境における熱変形、及び剛性)が考慮されて設計される。例えば、宇宙空間での温度環境変化に伴い前面反射鏡と後面反射鏡の間で発生する熱変形により、前後反射鏡面間でアンテナビーム軸がずれないように、インターコスタルによって前後反射鏡面間を高剛性に支持していた。
しかし、後面反射鏡の主偏波パターンは、インターコスタルによるブロッキングや電気損失の影響を受けることが避けられず、そのため所望の電気的特性を満足することができない場合がある。
例えば、広い周波数帯域を得るため、口径3m以上の大きさを有し狭ビームを出力することのできるDGS100を構成する場合、熱変形によって反射鏡の鏡軸がずれないように、インターコスタルによる支持構造を強化する必要がある。この場合、中央部から外周部に掛けて同心状に、径の異なる3つの誘電体リングを3重に配置する必要が生じて、インターコスタルによるブロッキングや損失の影響が無視し得なくなる。
これに対し、この実施の形態によれば、インターコスタルを使用せずに、人工衛星9の周回軌道上で、駆動装置1によって前面反射鏡2と後面反射鏡3を各々独立に駆動して、その焦点が給電ホーン4a、4bに正確に一致するように、アンテナビーム軸の調整を行う。これによって、インターコスタルの干渉によるブロッキングや損失増加の影響が無くなり、口径3m以上の大口径デュアルグリットアンテナを得ることができるようになる。また、宇宙空間での温度環境変化に伴い前後面反射鏡がそれぞれ熱変形を生じても、前後反射鏡面間でアンテナビーム軸のずれを打ち消すようにアンテナビーム軸を調整できるので、前後反射鏡面間でアンテナビーム軸を常に正確に一致させることができる。
さらに、この実施の形態によれば、周回軌道上でDGS100のビーム軸を修正できるので、高利得のペンシルビームを送信する場合や、高い周波数を用いる場合であっても、DGS100の前面反射鏡2と後面反射鏡3の軸ずれを修正し、交差偏波や損失が少なく、利得の高い直交偏波ビームを生成することが可能となる。
実施の形態1のデュアルグリッドアンテナ装置の構成を示す図である。 駆動装置の構成を示す図である。 前面反射鏡と後面反射鏡による各アンテナビームの軸ずれを示す図である。 軌道上での各アンテナビームの軸ずれ調整を示す概念図である。 実施の形態1のデュアルグリッドアンテナ装置の軸ずれ調整方法を示す流れ図である。
符号の説明
1a (第1の)駆動装置、1b (第2の)駆動装置、2 前面反射鏡、3 後面反射鏡、4a (第1の)給電ホーン、4b (第2の)給電ホーン、5 支持部、6 ビーム軸、7a (前面反射鏡2による)電波の反射方向、7b (後面反射鏡3による)電波の反射方向、8 地球局、9 人工衛星、10 コマンド情報、11 テレメトリ情報、30 制御部、31 衛星搭載通信機、40 通信制御部、50 測位装置、60 姿勢検出装置、70 姿勢制御装置、80 地上局、110 衛星構体、100 デュアルグリッドアンテナ(DGS)、111 外部パネル面、200 管制局。

Claims (2)

  1. グリットの形成された前面反射鏡と、
    上記前面反射鏡に対しオフセット角を有し、かつ鏡面が平行移動した位置に配置される後面反射鏡と、
    上記前面反射鏡及び後面反射鏡に直交した異なる偏波を給電し、異なる焦点にそれぞれ配置された2つの給電ホーンと、
    上記前面反射鏡を回動自在に支持し、前面反射鏡の角度を検出するとともに鏡軸方向を角度調整する第1の駆動装置と、
    上記後面反射鏡を回動自在に支持し、前面反射鏡の角度を検出するとともに鏡軸方向を角度調整する第2の駆動装置と、
    上記第1、第2の駆動装置を制御する制御部と、
    上記第1、第2の駆動装置を支持し、衛星構体に固定される支持部と、
    を備え、
    上記制御部は、上記第1、第2の駆動装置により検出される角度が、上記前面反射鏡の鏡軸と後面反射鏡の鏡軸とが合致する基準角度に一致するように、第1、第2の駆動装置による上記前面反射鏡及び後面反射鏡の角度調整量を制御することを特徴としたデュアルグリッドアンテナ装置。
  2. 請求項1記載のデュアルグリッドアンテナ装置と、地上局との通信により、アンテナ鏡軸の角度調整を行うデュアルグリッドアンテナ装置のアンテナ調整方法において、
    上記前面反射鏡から第1の偏波を送信しながら上記前面反射鏡を回動させ、第1の偏波の送信時刻と上記前面反射鏡の回転角度とその回転角度に対応した時刻情報とを、地上局に送信する第1のステップ、
    上記前面反射鏡から送信され上記地上局で受信した受信電力が最大となるときに、上記地上局で受信した上記第1の偏波の送信時刻と時刻の対応する上記前面反射鏡の回転角度で、上記前面反射鏡を固定する第2のステップ、
    上記後面反射鏡から上記第1の偏波と直交する第2の偏波を送信しながら上記後面反射鏡を回動させ、第2の偏波の送信時刻と上記後面反射鏡の回転角度とその回転角度に対応した時刻情報とを、地上局に送信する第3のステップ、
    上記後面反射鏡から送信され上記地上局で受信した受信電力が最大となるときに、上記地上局で受信した上記第2の偏波の送信時刻と時刻の対応する上記後面反射鏡の回転角度で、上記後面反射鏡を固定する第4のステップ、
    の順序でアンテナ鏡軸の角度調整を行うアンテナ鏡軸調整方法。
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