JP2007234658A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽電池モジュールを実際に住宅の屋根やビルの屋上などの屋外に取り付けた場合、太陽光によりその温度は上昇する。太陽電池モジュールの温度が上がると太陽電池素子の特性上その出力電圧が低下し、発電効率は悪化する。
【解決手段】 太陽電池モジュールの冷却のために、第二の透光性基板11と裏面材15の間に充填材12、14により封止した太陽電池素子13を配置した太陽電池モジュールにおいて、前記第二の透光性基板11上に第一の透光性基板17を間隙を設けて配置すると共に前記間隙に冷却液を流すことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 太陽電池モジュールの冷却のために、第二の透光性基板11と裏面材15の間に充填材12、14により封止した太陽電池素子13を配置した太陽電池モジュールにおいて、前記第二の透光性基板11上に第一の透光性基板17を間隙を設けて配置すると共に前記間隙に冷却液を流すことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
太陽電池素子は、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多い。このため太陽電池素子は物理的衝撃に弱く、また野外に太陽電池を取り付けた場合、雨などからこれを保護する必要がある。また太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要があるため複数の太陽電池素子を接続し、太陽電池モジュールを作成することが通常行われている。
図5は従来の太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。図5において、6は太陽電池パネル部、7はモジュール枠を示す。
従来の太陽電池モジュールにおいては、上述のような太陽電池パネル部の外周部にモジュール枠7をはめ込み、さらにモジュール枠7の端部をビスなどで固定していた。
図6は、この従来の太陽電池モジュールの太陽電池パネル部の断面構造の一例を示す図である。図6において、1は透光性基板、2は受光面側充填材、3は太陽電池素子、4は裏面側充填材、5は裏面材である。
図6に示すように、従来の太陽電池モジュールでは透光性基板1と裏面材5の間に充填材2、4で挟持した太陽電池素子3を配置し、これらを減圧下で加熱加圧し、充填材を溶融し、これらを一体化して太陽電池パネル部を作製している。
このような太陽電池モジュールを実際に住宅の屋根やビルの屋上などの屋外に取り付けた場合、太陽光によりその温度は上昇する。太陽電池モジュールの温度が上がると太陽電池素子の特性上その出力電圧が低下し、発電効率は悪化する。
特に真夏の昼間では太陽電池モジュールの温度は80℃近傍にもなり、その場合の電気出力は常温時に比べ20%以上低下する。
このため本出願人により、内部に水などの流体を充填したタンクの外面に太陽電池モジュールを実装し、タンク内部の流体により太陽電池モジュールを冷却することが提案されている。(特許文献1参照)
特開2005−217181号公報
しかしながら、上記の内部に水などの流体を充填したタンクの外面に太陽電池モジュールを実装し、タンク内部の流体により太陽電池モジュールを冷却する方法においては、設置する発電システムの太陽電池モジュールの枚数に応じてタンクを用意する必要があるため、コストが上昇し、さらに発電システムの重量が大幅に重くなり、架台の強度や一般住宅の屋根に設置する場合では住宅の強度などで制約が出る場合が考えられる。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は単純、安価な太陽電池モジュールの冷却構造を提案することにより、夏季でも発電効率の良い太陽電池モジュールを提供することである。
上記問題に鑑み本発明の太陽電池モジュールは、第一の透光性基板と第二の透光性基板と受光面側充填材と太陽電池素子と裏面側充填材と裏面シートとを順に重ねて積層体とし、該積層体の縁部に枠体を嵌合してなる太陽電池モジュールであって、前記第一の透光性基板と第二の透光性基板との間に間隙を設けるとともに、前記間隙に冷却材を配してなることを特徴とする。
また、本発明の他の太陽電池モジュールは、前記冷却材が前記第一の透光性基板と第二の透光性基板とに接していることを特徴とする。
また、本発明の他の太陽電池モジュールは、前記第二の透光性基板の前記間隙側に位置する主面の少なくとも一部に凹凸を付したことを特徴とする。
また、本発明の他の太陽電池モジュールは、前記第二の透光性基板の前記太陽電池素子側に位置する主面の少なくとも一部に凹凸を付したことを特徴とする。
さらに、本発明の他の太陽電池モジュールは、前記枠体は、該枠体の内部に前記冷却材を収容する中空部と、該中空部に接続され且つ該中空部へ冷却材を供給するための供給口と、前記中空部に接続され且つ該中空部から冷却材を排出するための排出口と、を有し、前記枠体の前記中空部と前記積層体の前記間隙との間で前記冷却材の出入がなされることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールによれば、タンクなどを必要とせずに単純安価な方法で効率的に太陽電池素子を冷却することができ、夏季においても発電効率の低下を抑えることができる。
また、冷却材の表面張力により少量の冷却材で太陽電池モジュール面の全面に冷却材をいきわたらせることができ、上記の太陽電池素子の冷却の効果を確実なものにすることができる。
また、前記第二の透光性基板の前記間隙側に位置する主面の少なくとも一部に凹凸を付したことにより、第二の透光性基板と水との接触面積が増え、熱交換が起こりやすくなり、上記の太陽電池素子の冷却の効果をより確実なものにすることができる。
また、前記第二の透光性基板の前記太陽電池素子側に位置する主面の少なくとも一部に凹凸を付したことにより、第二の透光性基板と充填材との接触面積が増え、熱交換が起こりやすくなり、上記の太陽電池素子の冷却の効果をより確実なものにすることができる。
また、前記第二の透光性基板と受光面側充填材との密着性を高めることができる。
さらに、前記枠体は、該枠体の内部に前記冷却材を収容する中空部と、該中空部に接続され且つ該中空部へ冷却材を供給するための供給口と、前記中空部に接続され且つ該中空部から冷却材を排出するための排出口と、を有し、前記枠体の前記中空部と前記積層体の前記間隙との間で前記冷却材の出入がなされることにより、本発明にかかる太陽電池モジュールを小型化することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図を用い説明する。
図1は、本発明に係る太陽電池モジュールの太陽電池パネル部の構造を示す図である。
図1において、11は第二の透光性基板、12は受光面側充填材、13は太陽電池素子、14は裏面側充填材、15は裏面材、17は第一の透光性基板、18はスペーサーを示す。
第二の透光性基板11と第一の透光性基板17としては、ガラスやポリカーボネート樹脂などからなる基板が用いられる。ガラス基板ついては、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、好適には厚さ1mm〜5mm程度の白板強化ガラスが使用される。他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基板を用いた場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
さらに本発明に係る前記第二の透光性基板の片主面又は両主面に、エンボス加工のような高さ0.1〜2mm程度の凹凸構造を設けることにより、第二の透光性基板と冷却材(例えば、水、エチレングリコール、フッ素系不活性液体など)や充填材との接触面積が増え、熱交換が起こりやすくなるため望ましい。
太陽電池素子13は、例えば厚み0.3〜0.4mm程度、大きさ150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコンで作られている。太陽電池素子13の内部にはボロンなどのP型不純物を多く含んだP層とリンなどのN型不純物を多く含んだN層が接しているPN接合(不図示)が形成されている。また太陽電池素子13の表面および裏面には電極が銀ペーストなどをスクリーンプリントすることなどにより形成され、又電極の表面はその保護と太陽電池素子同士の接続を行いやすくするために、そのほぼ全面にわたりハンダコートされることがある。
受光面側充填材12及び裏面側充填材14は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAと略す)やポリビニルブチラール(以下PVBと略す)から成り、Tダイと押し出し機により厚さ0.2〜1mm程度のシート状に成形されたものが用いられる。これらはラミネート装置により減圧下にて加熱加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化する。
EVAやPVBは、酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させることがあるが、本発明に係る太陽電池モジュールにおける受光面側充填材12においては、着色させると太陽電池素子13に入射する光量が減少し、発電効率が低下するため透明とする。
また、裏面側充填材14に用いるEVAやPVBは透明でも構わないし、太陽電池モジュールの設置される周囲の設置環境に合わせ酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させても構わない。
裏面材15は、水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられる。
スペーサー18は、第二の透光性基板11と第一の透光性基板17の間に間隙を設けるものである。図2は第一の透光性基板17とスペーサー18の状態を示す斜視図である。スペーサー18は、第一の透光性基板17の外周部と中央部に配置し、さらに給水口19と排水口20の部分にはスペーサー18は除くようにしておく。このようなスペーサー18は、接着性と密着性の優れた上述のEVAやPVBのシートを所定の形状に切り出すことで好適に応用できる。
次に太陽電池パネル部の作製方法について述べる。
太陽電池パネル部を作製するにあたっては、第一の透光性基板17上にスペーサー18を置き、さらに第二の透光性基板11を置いて、その上に受光面側充填材16を置き、さらにその上に太陽電池素子13を置き、その上に裏面側充填材14、裏面材15を順次積層する。このような状態にして、ラミネーターにセットし、減圧下にて加圧しながら100〜200℃で例えば15分〜1時間加熱することにより、これらが一体化し太陽電池パネル部が出来上がる。
さらにこの太陽電池パネル部の外周部にモジュール枠をはめ込む。
本発明においては、上記の太陽電池パネル部への例えば冷却材である水の導入及び排出は、このモジュール枠を介して行うのが、太陽電池モジュールの小型化につながるため望ましい。
図3は本発明に係るモジュール枠に太陽電池パネル部をはめ込んだ状態の断面を示すものであり、図4はその端部の拡大図である。図3及び図4において、21は太陽電池パネル部、22aは給水側モジュール枠、22bは排水側モジュール枠、25は太陽電池パネル部の第二の透光性基板17と間隙を除いた他の部分、26は太陽電池パネル部の間隙、27は給水口、28は排水口を示す。
これにおいて、図3に示すようにモジュール枠22aには、太陽電池パネル部21をはめ込むために断面がコの字状の嵌合部があり、また少なくともこの断面がコの字状嵌合部の部分は中空に作製されると共に、モジュール枠22aのコの字状嵌合部の反対面側には給水口27が設けられている。さらにモジュール枠22aの太陽電池パネル部21の端部が当接する部分には、水を太陽電池パネル部へ給水するための開口部が設けられている。
同じようにモジュール枠22bにも、太陽電池パネル部をはめ込むためのコの字状の嵌合部があり、また少なくともこのコの字状嵌合部の部分は中空に作製されると共に、モジュール枠22bのコの字状嵌合部の反対面側には排水口28が設けられている。さらにモジュール枠22bの太陽電池パネル部21の端部が当接する部分には、水を太陽電池パネル部外へ排水するための開口部が設けられている。このようなモジュール枠22a、22bはステンレスやアルミニウムなどの金属を溶接加工することにより作製できる。
このようにすることにより、図4に示すように第二の透光性基板等25と第一の透光性基板17と間隙26にはモジュール枠22aを通じ給水され、この水は太陽電池パネル部の間隙26を通って、反対側のモジュール枠22bの排水溝28から排水される。
このように前記第二の透光性基板上に第一の透光性基板を間隙を設けて配置すると共に前記間隙に水を流すことにより、タンクなどを必要とせずに単純安価な方法で効率的に太陽電池素子を冷却することができ、夏季においても発電効率の低下を抑えることができる。
さらにこの間隙26の寸法が1mm以上、10mm以下とすることにより、水の表面張力により少量の水で太陽電池モジュール面の全面に水をいきわたらせることができ、上記の太陽電池素子の冷却の効果を確実なものにすることができる。すなわち間隙26の寸法が1mm未満では、水の表面張力により少量の水で太陽電池モジュール面の全面に水をいきわたらせることができるが、間隙26を流れる水の量が少なく十分に太陽電池モジュールを冷却することができず、また10ミリを超えると水の表面張力の働きが小さくなり、少量の水で太陽電池モジュール面の全面に水をいきわたらせることができなくなるため好ましくない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加えることができる。例えば太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでも非受光面に放熱板を備えた太陽電池モジュールであれば適用される。
1;透光性基板
2;受光面側充填材
3;太陽電池素子
4;裏面側充填材
5;裏面材
6;太陽電池パネル部
7;モジュール枠
11;第二の透光性基板
12;受光面側充填材
13;太陽電池素子
14;裏面側充填材
15;裏面材
17;第一の透光性基板
18;スペーサー
21;太陽電池パネル部
22a;給水側モジュール枠
22b;排水側モジュール枠
25;太陽電池パネル部の第一の透光性基板と間隙を除いた他の部分
26;太陽電池パネル部の間隙
27;給水口
28;排水口
2;受光面側充填材
3;太陽電池素子
4;裏面側充填材
5;裏面材
6;太陽電池パネル部
7;モジュール枠
11;第二の透光性基板
12;受光面側充填材
13;太陽電池素子
14;裏面側充填材
15;裏面材
17;第一の透光性基板
18;スペーサー
21;太陽電池パネル部
22a;給水側モジュール枠
22b;排水側モジュール枠
25;太陽電池パネル部の第一の透光性基板と間隙を除いた他の部分
26;太陽電池パネル部の間隙
27;給水口
28;排水口
Claims (5)
- 第一の透光性基板と第二の透光性基板と受光面側充填材と太陽電池素子と裏面側充填材と裏面シートとを順に重ねて積層体とし、該積層体の縁部に枠体を嵌合してなる太陽電池モジュールであって、
前記第一の透光性基板と第二の透光性基板との間に間隙を設けるとともに、前記間隙に冷却材を配してなることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記冷却材が前記第一の透光性基板と第二の透光性基板とに接していることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記第二の透光性基板の前記間隙側に位置する主面の少なくとも一部に凹凸を付したことを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
- 前記第二の透光性基板の前記太陽電池素子側に位置する主面の少なくとも一部に凹凸を付したことを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
- 前記枠体は、該枠体の内部に前記冷却材を収容する中空部と、該中空部に接続され且つ該中空部へ冷却材を供給するための供給口と、前記中空部に接続され且つ該中空部から冷却材を排出するための排出口と、を有し、
前記枠体の前記中空部と前記積層体の前記間隙との間で前記冷却材の出入がなされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006050970A JP2007234658A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 太陽電池モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006050970A JP2007234658A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 太陽電池モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007234658A true JP2007234658A (ja) | 2007-09-13 |
Family
ID=38554980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006050970A Pending JP2007234658A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 太陽電池モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007234658A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011091450A (ja) * | 2011-02-07 | 2011-05-06 | Nikkeikin Aluminium Core Technology Co Ltd | 太陽電池パネル |
CN112688197A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-04-20 | 河南省同信电力工程有限公司 | 一种新能源电力工程配电箱 |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006050970A patent/JP2007234658A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011091450A (ja) * | 2011-02-07 | 2011-05-06 | Nikkeikin Aluminium Core Technology Co Ltd | 太陽電池パネル |
CN112688197A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-04-20 | 河南省同信电力工程有限公司 | 一种新能源电力工程配电箱 |
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