JP2007234394A - 発光装置の製造方法及び発光装置並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】陽極層6を形成する陽極層形成工程と、陽極層6上に正孔注入輸送層7及び発光層8を有する発光機能層3を形成する発光機能層形成工程と、発光機能層3上に陰極層5を形成する陰極層形成工程とを備え、発光機能層形成工程で、発光層材料を有機溶媒に溶解させると共に該有機溶媒に含まれる低蒸気圧溶媒含有率が0.1体積%未満である液状体を用いて発光層8を形成する。
【選択図】図1
Description
この有機EL素子を実用化するためには、長期間の駆動に伴う有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制して実用的に耐え得るものとする必要がある。ここで、一般に有機EL素子の構成材料に用いる各有機化合物の純度が、有機EL素子の発光効率や発光輝度の減衰に強く影響を及ぼすことが知られている。
そこで、有機EL素子における少なくとも1つの有機層をハロゲン含有化合物からなる不純物濃度が1000ppm未満である有機層材料で構成することにより、発光輝度の向上や長寿命化を図ることが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、液状体を塗布して有機層を形成すると、蒸発しやすい高蒸気圧溶媒が蒸発し、低蒸気圧溶媒が有機層中に残存する。ここで、有機層を加熱することで残存する低蒸気圧溶媒を蒸発させることができるが、加熱に伴って有機層材料が劣化することがある。しかし、低蒸気圧溶媒の含有率を0.1体積%未満とすることで、乾燥に伴う有機層材料の劣化を抑制し、発光装置のさらなる長寿命化や電流効率の向上が図れる。
なお、本発明において、低蒸気圧溶媒とは、室温で蒸気圧が4mmHg(533.29Pa)以下である有機溶媒を示している。
この発明では、発光層を構成する発光層材料の劣化を抑制することで、発光装置の長寿命化や電流効率の向上がより効果的に行われる。
この発明では、上述した発光装置の製造方法で製造することで、一の有機層の劣化が抑制されるので、発光装置の長寿命化や電流効率の向上が図れる。
この発明では、一の有機層の劣化が抑制された上述した発光装置を備えているので、発光装置の長寿命化や電流効率の向上が図れる。
本実施形態における発光装置は、有機EL素子1であって、図1に示すように、基板2と、基板2の上面に基板2側から順に積層された発光機能層3及び陰極層(第2電極層)4とを有する。また、有機EL素子1は、発光機能層(有機機能層)3で発光した光を基板2側から射出するボトムエミッション方式となっている。
正孔注入輸送層7は、陽極層6が形成された基板2上の全面に形成されており、陽極層6から注入した正孔を発光層8に輸送する構成となっている。ここで、正孔注入輸送層7を構成する正孔注入輸送層材料としては、アリールアミン誘導体やフタロシアニン誘導体、ポリアニリン誘導体+有機酸、ポリチオフェン誘導体+ポリマー酸PEDOT+ポリマー酸(PSS、ナフィオン(デュポン社登録商標)など)などを用いることができる。
また、発光層8としては、上記高分子有機材料に、ペニレン系色素やクマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子有機材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどの低分子有機材料をドープしたものを用いてもよい。
まず、従来と同様の手法により、基板2を形成する。これは、最初に基板本体5上に、上記TFT素子や信号線及び走査線などを形成する。そして、これらTFT素子や信号線及び走査線上に上記層間絶縁膜や平坦化膜を形成する。
次に、陽極層形成工程(第1電極層形成工程)を行う。これは、蒸着法などによってITOを成膜し、パターニングすることで陽極層6を形成する(図2(a))。ここで、陽極層6が形成された基板2の洗浄後、大気圧において酸素プラズマ処理を行い、基板2の表面を親水性に改質する。これにより、陽極層6の仕事関数を増大することができる。
まず、正孔注入輸送層形成工程を行う。これは、最初に正孔注入輸送層材料を溶媒または分散液に溶解または分散させた液状体をスピンコーティング法を用いて所定の層厚となるように、プレ正孔注入輸送層7aを形成する(図2(b))。
このプレ正孔注入輸送層7aのうち不溶化されるのは上記ホットプレート側の一部であって、ホットプレートとは反対側の不溶化層7b上には、図2(c)に示すように、プレ正孔注入輸送層7aの一部が残存する。ここで、プレ正孔注入輸送層7aは、有機溶媒(特定溶媒)に対して溶解性(易溶性)を示すものを用いている。
さらに、不溶化処理としては、以下の方法を用いてもよい。この方法は、プレ正孔注入輸送層7aを構成する材料として、その分子中に特定溶媒に対して難溶性を示すユニット(難溶性ユニット)と特定溶媒に対して易溶性を示すユニット(易溶性ユニット)とを結合した構成を有するものを用いる。そして、プレ正孔注入輸送層7aを構成する材料の分子内の各ユニットの結合を切断させる処理を施す。これにより、難溶性ユニットからなる分子と、易溶性ユニットからなる分子とが分解生成され、結果的に難溶性ユニットにより不溶化層7bが構成される。
そして、残存させた不溶化層7bに対して高蒸気圧溶媒をスピンコータなどで再びリンス処理し、上記リンス処理で残存している低蒸気圧溶媒を除去する。これにより、発光層8を形成するときに残存した低蒸気圧溶媒が混入することを防止できる。ここで、再リンス処理で用いられる高蒸気圧溶媒としては、上述した発光層材料を溶解させる有機溶媒に使用されるものを用いることができる。
この有機EL装置10は、基板2の中央部分に、上記有機EL素子1をマトリックス状に配置することで形成された実表示領域11a(図3中の二点差線で囲まれた領域)と、実表示領域11aの周囲に形成されたダミー領域11b(図3中の一点鎖線で囲まれた領域と二点差線で囲まれた領域との間)とで構成された画素部11(図3中の一点鎖線で囲まれた領域)を備えている。
走査線駆動回路12は、実表示領域11aの外側であって図3に示す+X方向と−X方向とにそれぞれ設けられており、上記走査線に接続されている。そして、走査線駆動回路12は、走査線を介して上記駆動素子に走査信号を供給する構成となっている。
信号線駆動回路は、上記信号線に接続されており、この信号線を介して上記駆動素子に画像信号を供給する構成となっている。
検査回路13は、実表示領域11aの外側であって図3に示す+Y方向に設けられており、製造途中や出荷時における有機EL装置10の品質や欠陥の検査を行うことが可能な構成となっている。
陰極用配線14は、基板2上に形成されており、後述する駆動IC17と陰極層4とを接続する構成となっている。
また、有機EL素子1は、例えば図4(b)に示すような携帯電話機60の表示部61として適用することもできる。この携帯電話機60は、複数の操作ボタン62、受話口63、送話口64及び上記表示部61を有する本体部65を備えている。
まず、陽極層が形成された基板2上に層厚50nm〜60nmのプレ正孔注入輸送層を形成し、150℃で加熱する焼成処理を施した。ここで、正孔注入輸送層材料として、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を用いた。
そして、正孔注入輸送層上にスピンコーティング法を用いて層厚60nm〜80nmの層を形成した後、これを窒素雰囲気下において130℃、30分の焼成処理を施し、発光層8を形成した。このとき、正孔注入輸送層は、上述した不溶化処理によって発光層材料を溶解させた有機溶媒に溶解されなかった。
ここで、発光層材料を溶解させる有機溶媒は、後述するように高蒸気圧溶媒に低蒸気圧溶媒を適宜の含有率で混入させたものである。本実施例では、高蒸気圧溶媒をキシレン(蒸気圧6mmHg(20℃)、オルトキシレン、パラキシレン及びメタキシレンが混合したもの)とし、低蒸気圧溶媒をトリメチルベンゼン(蒸気圧1.5mmHg(20℃))としている。
その後、真空度が10−6Torr(1.33×10−4Pa)の真空下において、真空蒸着法により層厚4nmのLiF層、層厚10nmのCa層及び層厚200nmのAl層を積層して陰極層を形成した。
また、表1には、比較例4における駆動電流から導出される電流効率と輝度が半減するまでの時間である半減寿命とをそれぞれ1と規格化したときの実施例及び各比較例の電流効率及び半減寿命を示している。
例えば、上記実施形態では、ボトムエミッション方式の有機EL素子としているが、トップエミッション方式の有機EL素子としてもよい。
また、発光層の形成時に低蒸気圧溶媒の含有率が0.1体積%未満である有機溶媒に発光層材料を溶解させて塗布しているが、発光層の形成時に限らず、正孔注入輸送層の形成時に本発明を適用し、上記有機溶媒に正孔注入輸送層材料を溶解あるいは分散させた液状体を塗布してもよい。
また、スピンコート法を用いて発光層を形成しているが、液状体を用いて発光層を形成すれば、インクジェット法など他の湿式法を用いて形成してもよい。
また、発光機能層が正孔注入輸送層を有しているが、正孔注入輸送層に代えて正孔注入層または正孔輸送層を有する構成としてもよい。
ここで、上述と同様に、電子注入層や電子輸送層などの形成時に本発明を適用し、上記有機溶媒に有機材料を溶解あるいは分散させた液状体を塗布してもよい。
また、発光装置を備える電子機器としては、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末機)やパーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、カーナビゲーション装置、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ページャ、電子手帳、電卓、電子ブックやプロジェクタ、ワードプロセッサ、テレビ電話機、POS端末、タッチパネルを備える機器、照明装置、プリンタの露光ヘッドなどのような他の電子機器であってもよい。
Claims (4)
- 第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
前記第1電極層上に少なくとも1層の有機層を有する有機機能層を形成する有機機能層形成工程と、
前記有機機能層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを備え、
前記有機機能層形成工程で、有機層材料を有機溶媒に溶解または分散させると共に該有機溶媒に含まれる低蒸気圧溶媒の含有率が0.1体積%未満である液状体を用いて前記一の有機層を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。 - 前記一の有機層が、発光層であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
- 請求項1または2に記載の発光装置の製造方法で製造されていることを特徴とする発光装置。
- 請求項3に記載の発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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JP2001155861A (ja) * | 1999-11-24 | 2001-06-08 | Sharp Corp | 有機el用塗液及び有機el素子並びにその製造方法。 |
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