JP2007234134A - 光ディスク用原盤の製造方法、光ディスクの製造方法、及び光ディスク - Google Patents

光ディスク用原盤の製造方法、光ディスクの製造方法、及び光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】テストカッティング盤16上の凹凸パターン32aを直接再生装置で再生することにより得られる再生信号を基に、カッティングに用いられるレーザー照射装置の出力設定値を決定することで、本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値の決定を正確かつ効率良く行える光ディスク用原盤の製造方法、光ディスクの製造方法、及び光ディスクを提供する。
【解決手段】テストカッティング盤16上の凹凸パターン32aを直接再生装置で再生することにより得られる再生信号を基に、カッティングに用いられるレーザー照射装置の出力設定値を決定することで、本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を従来手法よりも正確に決定することができ、光ディスクの歩留まりの向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は光ディスク用原盤の製造方法、光ディスクの製造方法、及び光ディスクに関わり、特に、光ディスク用スタンパの基となる光ディスク用原盤の製造方法、この光ディスク用原盤の製造方法により製造された光ディスク用原盤を用いて光ディスクを成形する光ディスクの製造方法、及びこの光ディスクの製造方法により製造された光ディスクに関する。
光ディスクは記録容量が大きく、非接触で記録、再生が可能なことから、CD、LD、DVD−video等のROM型ディスク、または、CD−R、DVD−R等の追記型ディスク、更に、CD−RW、DVD−RAM、DVD−RW等の書き換え型ディスク等に幅広く利用されている。
また、近年の情報通信及び画像処理技術の急速な発展に伴い、光ディスクにおいても更なる記録容量の増加が要求されており、光ディスクの記録容量増加の手法としては、記録層を複数積層させるものの他に、光ディスクのトラックピッチや光ディスク表面上に形成されるピット等を小さくすることで、光ディスク表面上により多くのピット形成を可能とし記録容量の増加を図るというものがある。例えば、ブルーレイディスクの場合、25GBの記録容量を得るためには、最短ピット長を0.149μm、トラックピッチを0.32μm程度まで微細化する必要がある。
ここで、従来の光ディスク作製工程の概略を説明する。図7は従来の光ディスク作製工程の概略を示すフローチャートである。光ディスクの作製工程には大きく分けて3つの工程があり、光ディスク用原盤を作製するA工程と、A工程で作製された光ディスク用原盤からスタンパ(金属原盤)を作製するB工程と、B工程で作製されたスタンパから最終形態である光ディスクを作製するC工程からなっている。更にA工程には実際に光ディスク用原盤を作製するA2工程と、A2工程の前段に位置しA2工程で光ディスク用原盤を作製する際のカッティングに使用するレーザー照射装置の出力設定値を決定するテストカッティング工程(A1工程)とに大別される。尚、前記レーザー照射装置は同一の出力設定値でレーザーを照射しても、前記レーザー照射装置の状態によって実際に照射されるレーザーのパワーに若干の変動が生じてしまう。テストカッティング工程(A1工程)はこの変動を調べ、常に最適なパワーの照射レーザーで光ディスク用原盤の作製を行うために、前記レーザー照射装置の出力設定値を調整するためのものであり、原則として前記レーザー照射装置を起動した際には、必ず一回は行うものである。
図7のA工程を図8において更に詳しく説明する。図8(a)〜(f)は従来の光ディスク用原盤の製造方法の概略を示す工程図である。尚、図8(a)〜(c)が図7のA1工程に、図8(d)〜(f)が図7のA2工程に相当する。
先ず図8(a)に示すように、表面を研磨洗浄したガラス製のテスト基板18上にスピンコート法等によりフォトレジスト層22を形成する。次に、図8(b)に示すように、カッティングに用いるレーザー照射装置(図示せず)によりAr、Kr、He−Cd等のレーザービーム26を対物レンズ28によって集光、照射しピット及びグルーブの潜像をフォトレジスト層22に形成するテストカッティングを行う。この時テスト基板18を回転させ、かつ、レーザービーム26及び対物レンズ28を所定の速度でテスト基板18の半径方向に移動させながら、レーザービーム26の照射を所定の情報信号によりON、OFFすることにより、形成される潜像はテスト基板18表面上に螺旋状に配列されることとなる。また、この時前記レーザー照射装置の出力設定値を変え、レーザービーム26の照射パワーを数段階に変化させる。これにより、前記潜像は照射レーザーのパワーによって幅の異なる潜像30a〜30dとなり、複数の同一幅の潜像で構成されるバンド15a〜15dが形成されることとなる。尚、レーザービーム26のパワーが大きいと潜像の幅は太く、パワーが小さいと潜像の幅は細く形成される。
次に、フォトレジスト層22に潜像30a〜30dが形成されたテスト基板18に、アルカリ溶液等による現像処理を施す。これにより潜像30a〜30dが除去され、テスト基板18上に図8(c)に示す、幅の異なったバンド15a〜15dを有する、凹凸パターン32aが形成されたテストカッティング盤16が作製される。
次に、図示しないが、テストカッティング盤16上の凹凸パターン32aの主に最短ピットの幅、長さ、及び幅と長さのバランス等の測定を行う。測定の手段としては光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、AFM(原子間力顕微鏡)、SEM(走査型電子顕微鏡)等による観察が一般的に用いられる。尚、凹凸パターンの幅、長さ、及び幅と長さのバランス等の最適値は予め得られており、テストカッティング盤16上の凹凸パターン32aの測定結果が、前記最適値と合致するような出力設定値が前記レーザー照射装置の出力設定値として選択決定される。
次に光ディスク用原盤34を作製する。光ディスク用原盤34の作製は、先ず図8(d)に示すように、表面を研磨洗浄したガラス製の基板20上にフォトレジスト層22を形成する。次に、前記レーザー照射装置の出力設定値を、前述の手段にて決定された出力設定値に設定した後、所定の情報信号によりON、OFFを行いつつレーザービーム26を対物レンズ28によって集光、照射することで、図8(e)に示すように、フォトレジスト層22に所定の情報信号に従ったピット及びグルーブの潜像30を形成する本カッティングを行う。尚、この時も基板20を回転させ、かつ、レーザービーム26及び対物レンズ28を所定の速度で基板20の半径方向に移動させながら、レーザービーム26を照射することにより、形成される潜像30は基板20表面上に螺旋状に配列されることとなる。次に、ピット及びグルーブの潜像30が形成された基板20にアルカリ溶液等による現像処理を施す。これにより潜像30が除去され、基板20上に図8(f)に示す凹凸パターン32bが形成された光ディスク用原盤34が作製される。
次に図7のB工程、C工程を図9で更に詳しく説明する。図9(a)〜(f)は従来の光ディスク用原盤から光ディスクを作製する製造方法の概略を示す工程図である。尚、図9(a)〜(c)が図7のB工程に、図9(d)〜(f)が図7のC工程に相当する。
まず図9(a)に示すように、作製された光ディスク用原盤34の表面にスパッタ、あるいは無電解メッキ等の方法により凹凸パターン32bに沿った導電性膜36を成膜する。次に、この導電性膜36を陰極とし、陽極に金属ニッケルを配置してスルファミン酸ニッケル溶液中で通電させる電解メッキ法により、図9(b)に示すように、光ディスク用原盤34の導電成膜36上に凹凸パターン32bを転写するように金属ニッケルを析出させ、スタンパ40となるニッケル層を形成する。次に、図9(c)に示すように、前記ニッケル層を光ディスク用原盤34から剥離することにより、前記ニッケル層が情報信号パターンの形成された金属原盤、即ちスタンパ40となる。
作製されたスタンパ40は、内外径加工あるいは裏面研磨等の後処理が施された後、光ディスク成形機の成形金型に組み込まれる。前記光ディスク成形機において、図9(d)に示すような、スタンパ40の凹凸が転写され所定の厚みのモールド基板48が量産されることとなる。尚、モールド基板48の厚みはCD、CD−R、CD−RW等の場合は約1.2mm、DVD−video、DVD−R、DVD−RW等の場合は約0.6mm、ブルーレイディスクの場合は約1.1mmとなる。モールド基板48の成形法としてはコンプレッション(圧縮成形)法、インジェクション(射出成形)法、あるいはフォトポリマー法等があり、モールド基板48の材料としては光透過性を有するアクリル、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂が多く用いられる。
作製されたモールド基板48の凹凸面には、図9(e)に示すように、作製する光ディスクによって異なる複数の層から構成される情報記録層52が蒸着法やスパッタリング法等により形成される。最後に図9(f)に示す保護部50が情報記録層52上に形成され光ディスク53が完成する。ただし、図9(f)に示す工程は作製する光ディスクによって異なり、ブルーレイディスクの場合には透明なプラスチックシートもしくは紫外線硬化樹脂の硬化によって得られる光透過膜が厚み約0.1mmの保護部50となる。また、DVD−video、DVD−R、DVD−RW等の場合には、保護部50を形成する代わりに情報記録層52が形成されたモールド基板48を2枚、情報記録層52が向かい合うように接着することでDVD用光ディスクが完成する。
上記のような手順による光ディスクの作製工程は一般的に用いられており、[特許文献1]には図9(c)で得られるスタンパ40を再生装置で再生して記録信号の検査を行う発明が開示されている。また、[特許文献2]には図8(f)で得られる光ディスク用原盤34(特許文献2におけるマスタ原盤)及び、図9(c)で得られるスタンパ40を再生装置で再生して記録信号の検査を行う発明が開示されている。また更に、[特許文献3]には図8(f)で得られる光ディスク用原盤34(特許文献3におけるスタンパ)を再生装置で再生して記録信号の検査を行う発明が開示されている。
特開平9−180269号公報
特開平10−27388号公報 特開2004−152397号公報
前述したように光ディスクのトラックピッチや光ディスク表面上に形成されるピット等は微細化する傾向にあり、このような微細パターンを形成するカッティング時に照射するレーザーのパワーの最適範囲は極めて狭い。このため、カッティングに用いられるレーザー照射装置の状態差による照射レーザーのパワー変動を調整すること、つまりテストカッティング工程(A1工程)において前記レーザー照射装置の出力設定値を正確に決定し、ばらつきを抑制して実行することが今まで以上に重要となる。
本カッティング時の前記レーザー照射装置の出力設定値の決定は、テストカッティング盤16上の凹凸パターン32aの測定により行われてきたが、従来のテストカッティング盤16上の凹凸パターン32aの測定手段である、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡を用いた測定では、顕微鏡観察時の明るさやコントラストが変化すると微細パターンの大きさが異なって見えてしまうので微細パターンを形成するための正確な測定を行うことが困難になってきている。また、従来の測定手段であるAFM(原子間力顕微鏡)を用いた測定では、AFMで使用するプローブの状態によって測定値にばらつきが生じ信頼性の高い測定値を得ることが困難になってきている。また更に従来の測定手段であるSEM(走査型電子顕微鏡)を用いた測定では、精度の高い測定結果が得られるものの測定の準備等に時間を要し作業効率が悪いため、その改善が望まれている。
以上のことから、微細パターン形成にはカッティングに用いられるレーザー照射装置の出力設定値の正確な決定が極めて重要となるにもかかわらず、従来の測定手段では微細パターンを精度良く測定することが難しいため、前記レーザー照射装置の出力設定値の正確な決定を行うことが困難になってきている。このため、従来の測定手段でレーザー照射装置の出力設定値を決定し、作られた光ディスク用原盤を用いて作製された光ディスクは所望の規格値、記録特性が得られないことによる歩留低下が懸念される。また、従来の測定手段で微細パターンを精度良く測定するためには、測定準備等に時間を要し作業効率が悪いため、その改善が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値の決定を正確かつ効率良く行える光ディスク用原盤の製造方法、光ディスクの製造方法、及び光ディスクを提供することを目的とする。
本発明は、レーザー照射装置の出力設定値を変化させてレーザー照射を行いテスト基板18上に潜像を形成する工程と、前記テスト基板18上の潜像を除去することで得られる前記テスト基板18上の凹凸パターン32aから前記レーザー照射装置の出力設定値を決定する出力設定工程と、前記出力設定工程により決定された出力設定値でレーザーを照射し基板20上に潜像30を形成する工程と、前記基板20上の潜像30を除去し凹凸パターン32bを形成する工程と、を有する光ディスク用原盤の製造方法であって、前記出力設定工程において前記テスト基板18上の凹凸パターン32aを再生装置で再生することにより得られる再生信号を基にして、前記レーザー照射装置の出力設定値を決定することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
また、上記の光ディスク用原盤の製造方法により製造された光ディスク用原盤34を用いて光ディスクを成形する光ディスクの製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
また、上記の光ディスクの製造方法によって製造された光ディスクを提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係る光ディスク用原盤の製造方法は、上記のような構成のため、微細パターンを有する高容量光ディスクの作製に際しても、カッティングに用いるレーザー照射装置の出力設定値を正確かつ効率良く決定できるため、良好な光ディスク用原盤が作製可能である。また、この光ディスク用原盤を用いて光ディスクを形成する本発明に係る光ディスクの製造方法によれば、作製される光ディスクの歩留まりの向上が可能となる。更にまた、本発明に係る光ディスクの製造方法により作製された光ディスクは所望の規格値、記録特性を得ることができる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、従来技術と同様の部材に関しては同符号にて示す。
図1は本発明における光ディスク用原盤の製造方法の概略を示す工程図である。図2はテストカッティング盤用再生装置の概略図である。図3はテストカッティング盤の再生系を示す模式的な部分拡大図である。図4はレーザー照射装置の出力設定値とそれに対応する再生信号のアシンメトリとの相関図である。図5はテストカッティング盤の再生信号から得られたアシンメトリと最終形態の光ディスクの再生信号から得られたアシンメトリとの相関図である。図6はテストカッティング盤の再生信号から得られたアシンメトリと最終形態の光ディスクの再生信号のから得られたジッタとの相関図である。
図1(a)〜(g)は本発明における光ディスク用原盤の製造方法の概略を示す工程図である。尚、ここではブルーレイディスクを例に挙げて説明を行う。
まず、精密に研磨、洗浄されたガラス製の直径120mm、厚さ1.2mmのテスト基板18をヘキサメチルジシラザンの蒸気中に3分間保持し、テスト基板18表面上にヘキサメチルジシラザン膜を形成することで密着性を付与した。次にこのテスト基板18上に所望の膜厚となるように希釈したノボラック型レジストを滴下し、スピンナーを用いて回転数1000rpmで40秒間スピンコートを行った。次に、80℃のオーブン中で前記ノボラック型レジストを45分間ベーキングすることにより、図1(a)に示されるように、膜厚90nmのフォトレジスト層22をテスト基板18上に形成した。
次に、カッティングに用いるレーザー照射装置(図示せず)により波長266nmの遠紫外レーザービーム26を対物レンズ28によって集光しフォトレジスト層22に照射することで、トラックピッチ0.32μm、最短ピット長0.149μmの潜像を形成するテストカッティングを行った。この時テスト基板18を回転させ、かつ、レーザービーム26及び対物レンズ28を所定の速度でテスト基板18の半径方向に移動させながら、レーザービーム26の照射を所定の情報信号によりON、OFFすることにより、形成される潜像はテスト基板18表面上に螺旋状に配列されることとなる。またこの際、前記レーザー照射装置における出力設定値を36mW〜50mWの間で8段階に変えることで、レーザービーム26のパワーを変化させた。これにより、テスト基板18上には小さいレーザーパワーから順に、図1(b)に示すような、異なる幅を有する潜像30a〜30dが形成されると同時に、同一幅の潜像で構成されるバンド15a〜15dが形成される。尚、図1においては異なる幅を有する潜像は4種類であるが、照射パワーを8段階に変更しているため実際は異なる幅を有する潜像は8種類となる。尚、より正確に本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を決定したい場合には、更に細かく出力設定値を変えてレーザービーム26の照射を行えば良い。
各パワーで照射されるレーザービーム26の照射時間を、ディスクの回転速度、ディスクのトラックピッチ等によって適宜設定し、また、後述するテストカッティング盤用再生装置54でテストカッティング盤16を再生する際に、各パワーで形成されたバンド15a〜15dの各々の再生信号を十分に得ることができるように、バンド15a〜15dの1つの幅が0.1mm以上になるように設定することが望ましい。
次に、潜像30a〜30dが形成されたテスト基板18を0.3NのOFPRデベロッパーNo.3(東京応化工業(株)社製)を用いて現像時間60秒、水によるリンス時間2分の条件で現像を行った。これにより、潜像30a〜30dは除去され、図1(c)に示すように、バンド15a〜15dで構成される凹凸パターン32aを有するテストカッティング盤16が作製される。
次に、テストカッティング盤16を後述するテストカッティング盤用再生装置54に設置し、図1(d)に示すように、再生レーザー光42を照射することでテストカッティング盤16に記録された情報信号の再生を行い、得られた再生信号を基に本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を決定する。この出力設定値を決定する方法については、後述することとする。
次に、光ディスク用原盤34の作製を行う。精密に研磨、洗浄されたガラス製の直径200mm、厚さ10mmの基板20を、ヘキサメチルジシラザンの蒸気中に3分間保持し、基板20表面上にヘキサメチルジシラザン膜を形成することで密着性を付与した。次にこの基板20上に所望の膜厚となるように希釈したノボラック型レジストを滴下し、スピンナーを用いて回転数1000rpmで40秒間スピンコートを行った。次に、80℃のオーブン中で前記ノボラック型レジストを45分間ベーキングすることにより、図1(e)に示されるように、膜厚90nmのフォトレジスト層22を基板20上に形成した。尚、基板20とテスト基板18とは厚み、大きさが異なるが、テストカッティング盤用再生装置54への設置及び再生が可能であれば、テスト基板18は基板20と同一のものを用いても構わない。
次に、図1(d)の工程において決定された前記レーザー照射装置の出力設定値で波長266nmの遠紫外レーザービーム26を対物レンズ28によって集光しフォトレジスト層22に照射することで、図1(f)に示すように、トラックピッチ0.32μm、最短ピット長0.149μmの潜像30を形成した。尚、この時も基板20を回転させ、かつ、レーザービーム26及び対物レンズ28を所定の速度で基板20の半径方向に移動させると共に、レーザービーム26の照射を所定の情報信号によりON、OFFすることにより、潜像30は基板20上に螺旋状に配列される。
次に、図1(c)と同様の条件で現像を行うことで潜像30を除去し、図1(g)に示すように、基板20上に凹凸パターン32bを有する光ディスク用原盤34を作製した。
ここで、テストカッティング盤16の再生信号から本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を決定する手順を詳細に説明する。
先ず、図2にテストカッティング盤用再生装置の概略図を示す。テストカッティング盤用再生装置54はテストカッティング盤16を設置可能なターンテーブル60と、ターンテーブル60を回転させるモータ58と、レーザーピックアップ56とを有している。レーザーピックアップ56は波長405nmの青色の再生レーザー42をテストカッティング盤16の表面を走査するように照射すると共に、テストカッティング盤16により反射された反射光を受光することができる。テストカッティング盤用再生装置54はレーザーピックアップ56で受光したテストカッティング盤16からの反射光の光量差を判別することで、テストカッティング盤16に記録された情報信号を再生し、再生信号を得ることができる。
図3にテストカッティング盤の再生系を示す模式的な部分拡大図を示す。テストカッティング盤16に形成された凹凸パターン32aはランド部46(フォトレジスト部)とピット部44(ガラス面)とから構成されており、テストカッティング盤用再生装置54はテストカッティング盤16のピット部44からの再生レーザー42の反射光44aとランド部46からの再生レーザー42の反射光46aとの光量差を判別して記録された情報信号から再生信号を得ている。従って反射光44aと反射光46aとには光量の差を生じさせる必要があるが、本発明でランド部46の形成に用いられているノボラック型のフォトレジストには、感光剤として波長400nm付近の光に強い吸収効果を有するナフトキノンジアジドが含まれており、ランド部46に照射された再生レーザー42はランド部46に含まれるナフトキノンジアジドによってある程度吸収されることとなる。これにより、ランド部46からの反射光46aはピット部44からの反射光44aと比較して光量に低下が生じ、テストカッティング盤用再生装置54はピット部44の反射光44aとランド部46の反射光46aとの光量差を判別することが可能となる。
テストカッティング盤用再生装置54によって、テストカッティング盤16上の異なった照射レーザーパワーで形成されたバンド15a〜15dが再生され、レーザー照射装置の出力設定値と対応するバンド毎に異なった再生信号が得られる。図4はレーザー照射装置の出力設定値とそれに対応する再生信号のアシンメトリとの相関図である。また、アシンメトリとは最短ピットと最長ピットの大きさのバランスを表す指標で、再生信号を評価することで容易に得ることができる。更に、アシンメトリは各光ディスクによって規格値が設定されており、例えばブルーレイディスクのアシンメトリの規格値は−0.1〜+0.15である。
ただし、テストカッティング盤用再生装置54によってテストカッティング盤16から得られる再生信号は、保護層50等を介して反射光を読み取る最終形態の光ディスクから得られる再生信号とは異なるため、図4の相関図から直接本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を決定することはできない。そこで、テストカッティング盤16の再生信号と最終形態での光ディスクの再生信号との相関関係を表す相関図を予め作成しておく必要がある。テストカッティング盤16の再生信号と最終形態での光ディスクの再生信号との相関図を作成するには、先ず照射パワーを変更したテストカッティング盤16から光ディスク用原盤34を作製する。次に、テストカッティング盤16から作製された光ディスク用原盤34から従来の工程により最終形態の光ディスクを作製する。この光ディスクを実際の再生機器で再生し得られる再生信号と、基となったテストカッティング盤16をテストカッティング盤用再生装置54により再生し得られる再生信号とを比較することで、上記相関図を作成する。このテストカッティング盤16の再生信号と最終形態での光ディスクの再生信号との相関図を作成する作業は、テストカッティング盤16の作製時毎に行う必要は無く、1回行えば後は得られた相関図を基に本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を決定することが可能となる。
図5にテストカッティング盤16の再生信号から得られたアシンメトリと最終形態の光ディスクの再生信号から得られたアシンメトリとの相関図を示す。図5から、最終形態のブルーレイディスク(光ディスク)のアシンメトリを規格値である−0.1〜+0.15にするためには、テストカッティング盤16のアシンメトリが−0.22〜+0.04の範囲をとるようなレーザー照射装置の出力設定値で本カッティングを行えば良い。
テストカッティング盤16のアシンメトリが−0.22〜+0.04の範囲をとるようなレーザー照射装置の出力設定値は、図4から36mW〜45mWの範囲であり、レーザー照射装置の出力設定値を36mW〜45mWの範囲内に設定して本カッティングを行えば、最終形態のブルーレイディスクのアシンメトリは規格値である−0.1〜+0.15を満たすこととなる。
また、アシンメトリの他に再生信号の特性の品質を表す代表的な規格値としてはジッタがある。図6にテストカッティング盤の再生信号から得られたアシンメトリと最終形態の光ディスクの再生信号から得られたジッタとの相関図を示す。
図6より、最終形態のブルーレイディスク(光ディスク)のジッタを6%以下にするためには、テストカッティング盤16のアシンメトリが−0.10〜+0.02の範囲をとるようなレーザー照射装置の出力設定値で本カッティングを行えば良い。テストカッティング盤16のアシンメトリが−0.10〜+0.02の範囲をとるようなレーザー照射装置の出力設定値は、図4から40mW〜44mWの範囲であり、レーザー照射装置の出力設定値を40mW〜44mWの範囲内に設定して本カッティングを行えば、最終形態のブルーレイディスクのジッタは6%以下となる。
上記のようにして、最終形態の光ディスクが必要とする規格値及び、記録特性を満たすように本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を決定する。本例においては、最終形態のブルーレイディスクのジッタを5.6%に、またアシンメトリを+0.1とするために、テストカッティング盤16のアシンメトリが−0.02をとっている出力設定値である43mWをレーザー照射装置の出力設定値とし、本カッティングを行った。尚、本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値は、最終形態の光ディスクが必要とする全ての規格値及び、記録特性を満たすように決定される。
上記の方法により本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値が決定され、図1(e)〜(g)に示される工程により作製された光ディスク用原盤34を用いて、図9に示される従来の方法と同様の方法によりブルーレイディスクを作製した。尚、光ディスク用原盤34の作製はテストカッティング、本カッティング、光ディスク用原盤作製までを1プロセスとして、期間を空けて10回繰り返し行った。期間を空けることでレーザー照射装置の状態は若干変化し、これに伴い本カッティング時の出力値も変化するが、本カッティングは常にテストカッティング盤16のアシンメトリが相関図により−0.02をとるようなレーザー照射装置の出力設定値で行っているため、レーザー照射装置の出力値を略一定とすることができるので作製される光ディスク用原盤34のアシンメトリは常に−0.02をとることとなる。光ディスク用原盤34のアシンメトリが常に−0.02であれば、この光ディスク用原盤34を用いて作製された最終形態のブルーレイディスクのアシンメトリは+0.1前後の値を、またジッタは約5.6%前後の値をとることとなる。
ここで、得られたブルーレイディスクのジッタ及びアシンメトリを波長405nm、NA(開口率)0.8のレーザーピックアップを用いて測定し、得られた結果を表1に示す。また、表2に、比較としてレーザー照射装置の出力設定値の決定を従来の手法であるDeep UVレーザー顕微鏡を用いて同様に行い、同様に測定した結果を示す。尚、表1、表2中の判定の項は作製されたブルーレイディスクのジッタ及びアシンメトリが、ブルーレイディスクの規格値であるジッタ6.5%以下、アシンメトリ−0.10〜+0.15を双方とも満たしているか否かを表しており、○印は双方とも満たし、×印はいずれかを満たしていないことを表している。
Figure 2007234134
Figure 2007234134
表2より、本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を従来の手法により決定して光ディスク用原盤34を作製し、この光ディスク用原盤34を用いて作製されたブルーレイディスクは、10回作製を行ったうち規格外品が4回作製されており、歩留まりが悪いことが判る。これに対し、表1に示す本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を本発明の製造方法により決定して光ディスク用原盤34を作製し、この光ディスク用原盤34を用いて作製されたブルーレイディスクは、10回製造を行っても規格外品は1度も製造されず、歩留まりの向上が認められる。
以上のことから、本発明によれば、テストカッティング盤16上の凹凸パターン32aを直接再生装置で再生することにより得られる再生信号を基に、カッティングに用いられるレーザー照射装置の出力設定値を決定することで、光ディスク用原盤34作製に使用する本カッティング時のレーザー照射装置の出力設定値を従来手法よりも正確に決定することができるので、これにより作製された光ディスク用原盤34を用いて光ディスクを作製すれば、微細パターンを有する高容量光ディスクの作製に際しても、所望の規格値及び記録特性を有する光ディスクを安定的に作製することが可能となり、光ディスクの歩留まりの向上を図ることができる。
尚、本例ではブルーレイディスクの作製を例に用いたが、CD、CD-R、CD-RW、LD、DVD−video、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW等の光ディスクの作製にも応用が可能である他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
例えば、図4に示すレーザー出力設定値と再生信号のアシンメトリとの相関図、及び、図5に示す再生信号のアシンメトリの相関図は一例であり、例えば定期的に適宜、相関図を作成することにより、レーザー出力をより一定に管理することができる。
本発明における光ディスク用原盤の製造方法の概略を示す工程図である。 テストカッティング盤用再生装置の概略図である。 テストカッティング盤の再生系を示す模式的な部分拡大図である。 レーザー照射装置の出力設定値とそれに対応する再生信号のアシンメトリとの相関図である。 テストカッティング盤の再生信号から得られたアシンメトリと最終形態の光ディスクの再生信号から得られたアシンメトリとの相関図である。 テストカッティング盤の再生信号から得られたアシンメトリと最終形態の光ディスクの再生信号のから得られたジッタとの相関図である。 従来の光ディスク作製工程の概略を示すフローチャートである。 従来の光ディスク用原盤の製造方法の概略を示す工程図である。 従来の光ディスク用原盤から光ディスクを作製する製造方法の概略を示す工程図である。
符号の説明
15a〜15d バンド
16 テストカッティング盤
18 テスト基板
20 ガラス基板
22 フォトレジスト層
30・30a〜30d 潜像
32a・32b 凹凸パターン
34 光ディスク用原盤
42 再生レーザー光
44 ビット部
46 ランド部
44a ピット部からの反射光
46a ランド部からの反射光
54 テストカッティング盤用再生装置

Claims (3)

  1. レーザー照射装置の出力設定値を変化させてレーザー照射を行いテスト基板上に潜像を形成する工程と、前記テスト基板上の潜像を除去することで得られる前記テスト基板上の凹凸パターンから前記レーザー照射装置の出力設定値を決定する出力設定工程と、前記出力設定工程により決定された出力設定値でレーザーを照射し基板上に潜像を形成する工程と、前記基板上の潜像を除去し凹凸パターンを形成する工程と、を有する光ディスク用原盤の製造方法であって、前記出力設定工程において前記テスト基板上の凹凸パターンを再生装置で再生することにより得られる再生信号を基にして、前記レーザー照射装置の出力設定値を決定することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光ディスク用原盤の製造方法により製造された光ディスク用原盤を用いて光ディスクを成形する光ディスクの製造方法。
  3. 請求項2に記載の光ディスクの製造方法によって製造された光ディスク。
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