JP2007234101A - エネルギー線硬化性樹脂組成物及び該エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた光学記録媒体 - Google Patents

エネルギー線硬化性樹脂組成物及び該エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた光学記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化物表面の水接触角が高い光硬化性樹脂組成物を用い、安価で耐久性の高い短波長記録光用の光学記録媒体を得る。
【解決手段】 ラジカル重合性樹脂(イ)、エネルギー線感受性重合開始剤(ロ)及び必要に応じてノニオン系界面活性剤(ハ)を含有し、その硬化物表面の25℃での水接触角が60度以上であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物、及び該光硬化性樹脂組成物からなるスペーサー層を介して、複数の光学記録層を積層させることを特徴とする光学記録媒体。

Description

本発明は、エネルギー線硬化性樹脂組成物、及び該エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるスペーサー層を用いた光学記録媒体に関し、詳しくは、スペーサー層を介して複数の記録層を積層させて得られる光学記録媒体に関する。
光学記録媒体は、一般に、記録容量が大きく、記録又は再生が非接触で行なわれること等の優れた特徴を有することから、広く普及している。WORM、CD−R、DVD±R等の追記型の光ディスクでは、記録層の微小面積にレーザーを集光させ、光学記録層の性状を変えて記録し、記録部分と未記録部分との反射光量の違いによって再生を行なっている。
近年、光学記録媒体には高記録密度化が求められており、情報の記録に用いるレーザーの波長を短波長化させる、光学ピックアップの再生光を照射するための対物レンズの開口数を大きくして再生光のスポット径を小さくする、あるいは複数の光学記録層を積層させる等の種々な記録方式が提案されている。
複数の光学記録層を有する構造をとる高密度記録用の光学記録媒体として、例えば特許文献1には、2枚のディスクをラジカル重合性光硬化性樹脂組成物を用いて硬化接着させることにより情報記録担体を製造する方法が開示されており、特許文献2には、情報記録層を形成した樹脂基板同士を光透過層(スペーサー層)を介して貼り合せた構造を有する光ディスクが開示されている。しかし、これらの光学記録媒体は、設備投資等の製造コストが高かったり、あるいは光硬化性樹脂組成物を含有する接着層又は光透過層と接触する光学記録層から、接着層又は光透過層に色素が浸透して色素の安定性が悪化するという問題点があった。
特開2000−113530号公報 特開2002−109785号公報
従って、本発明の目的は、硬化物表面の接触角が高いエネルギー線硬化性樹脂組成物及び安価で耐久性の高い短波長記録光用の光学記録媒体を提供することにある。
本発明者等は、検討を重ねた結果、硬化物表面の接触角が高いエネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて光学記録媒体を製造することにより上記課題を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、ラジカル重合性樹脂(イ)、エネルギー線感受性重合開始剤(ロ)及び必要に応じてノニオン系界面活性剤(ハ)を含有するエネルギー線硬化性樹脂組成物、及び該エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるスペーサー層を介して、複数の光学記録層を積層させることを特徴とする光学記録媒体を提供するものである。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を使用することにより、スペーサー層を介して複数の光学記録層を積層させる方法により光学記録媒体を製造することができるため、従来のスピンコート法等の簡便な方法を採ることにより製造コストが抑えられる。また、スペーサー層と接触する光学記録層中の、スペーサー層への色素の浸透をブロックして色素の劣化を防止することができ、耐久性の高い光学記録媒体が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
先ず、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性樹脂(イ)、エネルギー線感受性重合開始剤(ロ)を必須成分とし、その硬化物表面の25℃における水接触角が60度以上である。
上記水接触角は、更に75度以上であるのが、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるスペーサー層に隣接する光学記録層からの色素の浸透を防ぐことができるので好ましい。
上記ラジカル重合性樹脂(イ)は、ラジカル重合性有機物質を単独で又は複数種用い、均一に混合したものをいう。
上記ラジカル重合性有機物質は、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の存在下、エネルギー線照射により高分子化または架橋反応する化合物で、好ましくは1分子中に少なくとも1個以上の不飽和二重結合を有する化合物が用いられ、例えばアクリレート化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタン化合物、不飽和ポリエステル化合物、スチレン系化合物、ラジカル重合性基変性シリコーンオイル等が挙げられる。
上記ラジカル重合性有機物質の中でも(メタ)アクリル基を有する化合物は、合成、入手が容易であり、取り扱いが容易であり好ましい。例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
ここで、エポキシ(メタ)アクリレートとは、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるアクリレートである。これらのエポキシ(メタ)アクリレートのうち、特に好ましいものは、芳香族エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートであり、少なくとも1個の芳香核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレートである。例えば、ビスフェノールA、またはそのアルキレンオキサイド付加体をエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとして好ましいものは、1種または2種以上の水酸基含有ポリエステル、水酸基含有ポリエーテルあるいは水酸基含有ブタジエンオリゴマーやその水添物に水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレート等である。
ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の脂肪族多価アルコールと、1種または2種以上の多塩基酸との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸のうち、脂肪族二価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは特に好ましく、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
イソシアネート類としては、分子中に1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
ポリエステル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の脂肪族多価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸、及びフェノール類とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。1塩基酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ブチルカルボン酸、安息香酸等が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。フェノール類としては、例えば、フェノール、p−ノニルフェノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(アクリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、及びそのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、これらの(メタ)アクリレートのうち、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類が、得られるエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物表面の水接触角が高くなるので特に好ましい。
また、上記(メタ)アクリル基を有する化合物としては、ジエン系ポリマー、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等の疎水性樹脂を末端アクリル変性したウレタンアクリレートを用いてエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物表面の水接触角を高くすることもできる。
上記ラジカル重合性有機物質の市販品としては、単官能の例として、アロニックスM−101、M−102、M−111、M−113、M−117、M−152、TO−1210(以上、東亜合成社製)、KAYARAD TC−110S、R−564、R−128H(以上、日本化薬社製)、ビスコート192、ビスコート220、ビスコート2311HP、ビスコート2000、ビスコート2100、ビスコート2150、ビスコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学工業社製)等を挙げることができる。
また、多官能の例として、SA1002(以上、三菱化学社製)、ビスコート195、ビスコート230、ビスコート260、ビスコート215、ビスコート310、ビスコート214HP、ビスコート295、ビスコート300、ビスコート360、ビスコートGPT、ビスコート400、ビスコート700、ビスコート540、ビスコート3000、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業社製)、カヤラッドR−526、HDDA、NPGDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、THE−330、DPHA、DPHA−2H、DPHA−2C、DPHA−2I、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、EB−645、EB−648、EB−3700(ダイセル・ユーシービー社製)T−1420、T−2020、T−2040、TPA−320、TPA−330、RP−1040、RP−2040、R−011、R−300、R−205(以上、日本化薬社製)、アロニックスM−210、M−220、M−233、M−240、M−215、M−305、M−309、M−310、M−315、M−325、M−400、M−408、M−450、M−6200、M−6400(以上、東亜合成社製)、ライトアクリレートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A(以上、共栄社化学社製)、ニューフロンティアASF−400(以上、新日鉄化学社製)、リポキシSP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060(以上、昭和高分子社製)、NKエステルA−BPE−4(以上、新中村化学工業社製)、TEA−1000、TE−2000、TEAI−1000(以上、日本曹達社製)等を挙げることができる。
上記ラジカル重合性有機物質としては、下記化合物No.1あるいはNo.2を用いることもできる。
Figure 2007234101
(式中、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、pは0〜10の数を表す。)
Figure 2007234101
(式中、R及びRは、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。)
これらのラジカル重合性有機物質は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて、配合して使用することができる。なお、ラジカル重合性有機物質のうち50質量%以上が、分子中に(メタ)アクリル基を有する化合物であることが好ましい。また、本発明におけるラジカル重合性有機物質の配合は、エネルギー線硬化性樹脂組成物中10〜99質量%、特に50〜95質量%であることが好ましい。
上記エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(ロ)は、エネルギー線照射を受けることによってラジカル重合を開始させることが可能となる化合物であればよく、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、チオキサントン系化合物等のケトン系化合物を好ましいものとして例示することができる。
アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
その他のエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフェインオキサイド、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)〕チタニウム等が挙げられる。
これらのエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
以上のようなエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(ロ)は、ラジカル重合性樹脂(イ)に対して化学量論的必要量を使用すればよいが、好ましくはラジカル重合性樹脂(イ)100質量部に対して0.05〜20質量部、更に好ましくは0.1〜10質量部配合するのがよい。この範囲を上回ると十分な強度を有する硬化物が得られない場合があり、下回ると樹脂が十分硬化しない場合がある。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物には、さらにノニオン系界面活性剤(ハ)を加えてその硬化物表面の水接触角を高くすることもできる。該ノニオン系界面活性剤(ハ)としては、特に制限されず公知の種々のノニオン系界面活性剤を適宜使用することができ、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ブチレンジオール誘導体、アクリル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、脂肪酸変性ポリエステル類蔗糖脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1),ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:2),ラウリン酸ジエタノールアミド,ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド,ミリスチン酸ジエタノールアミド,オレイン酸ジエタノールアミド,パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類;アルキルグルコシド類、3級アミン変性ポリウレタン類等が挙げられる。中でも、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が、接触角を高める効果が大きいので好ましい。(メタ)アクリル基を有するノニオン系界面活性剤は、界面活性剤がスペーサー層の表面に固定されて、スペーサー層中に、隣接する光学記録層から色素が浸透するのを阻害するのに効果的であるのでさらに好ましい。これらは1種又は2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。
上記フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖、側鎖の少なくともいずれかにフッ素化アルキル基又はフッ素化アルキレン基を有する化合物を用いることができ、例えば、下記一般式(I)〜(IV)で表される構造が挙げられる。
Figure 2007234101
(式中、Rf及びRfはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のフッ素化アルキル基であり、Xは炭素原子数1〜4のアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、Aはカチオン性基とアニオン性基を共に有する両性基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜50のアルキル基を表し、mは0又は1であり、nは1〜3の整数であり、qは0〜2の整数であり、n+a=3である。)
上記フッ素系界面活性剤の市販品としては、メガファックF−443、F−444、F−445、F−446、F−470、471、F−472SF、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF,F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−172D、F−178K、F−178RM、ESM−1、MCF−350SF、R−30、R−61、R−90、BL−20(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードL−15658B、FC−4430(以上、3M社製)、サーフロンS−131、S−132(以上、旭硝子社製)、ZONYLFSK(デュポン社製)、ユニダインTG−470、TG−472、TG−571、TG−573、TG−656、TG−992(以上、ダイキン工業社製)、フタージェント250、251、222F、FTX−218(以上、ネオス社製)、エフトップEF−351、EF−352、EF−801(以上、ジェムコ社製)等が挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、ケイ素原子を含有し界面活性能を有する任意の化合物を用いることができ、例えば、下記一般式(V)〜(VII)で表されるポリ(アルキレンオキシ)シロキサン、アルコキシポリ(アルキレンオキシ)シロキサン等が挙げられる。
Figure 2007234101
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、a、b、f及びgはそれぞれ独立に、1〜30の整数である。)
上記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、SILWET L−77、L−720、L−7001、L−7002、L−7604、Y−7006、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2113、FZ−2120、FZ−2122、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2236、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2165、FZ−2166、FZ−2191、SS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804、FZ−2203、FZ−2207、FZ−2222、ST80PA,ST97PA、ST86PA(以下、東レ・ダウコーニング社製)、BYK−300、BYK−302、BYK−206、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−340、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、シリコーンX−20−250、X−20−307、X−20−308、X−20−352、X−22−351、X−22−944、X−22−945、F−239、F−260(以上、信越化学工業社製)、TSF4440、TEA4300(以上、ジーイー東芝シリコーン社製)、PS071、PS072、PS073、PS074(チッソ社製)等が挙げられる。
上記ブチレンジオール誘導体としては、例えば、下記一般式(VIII)で表される構造が挙げられる。
Figure 2007234101
(式中、R、R、R'及びR'はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、r、s、r'及びs'はそれぞれ独立に0〜25の数を表し、r+s、r'+s'はそれぞれ独立に0〜40の数を表す。)で表されるアセチレングリコール誘導体である請求項1記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
上記一般式(VIII)中、r、s、r'及びs'が同時に0であるとき、上記一般式(VIII)で表される化合物はブチレンジオール又はその置換体であり、r及びr'が0でなくかつs及びs'が同時に0であるとき、上記一般式(VIII)で表される化合物はブチレンジオールのエチレンオキシド付加物であり、r及びr'が同時に0でありかつs及びs'が0でないとき、上記一般式(VIII)で表される化合物はブチレンジオールのプロピレンオキシド付加物である。
上記ブチレンジオール誘導体としては、市販のブチレンジオール誘導体であるノニオン系界面活性剤を用いることもできる。該ノニオン系界面活性剤としては、サーフィノール104シリーズ、サーフィノール400シリーズ、サーフィノールSE、サーフィノール504、サーフィノール61、サーフィノールDF37、サーフィノールCT111、サーフィノールCT121、サーフィノールCT131、サーフィノールCT136、サーフィノールTG、サーフィノールGA、オルフィンSTG、オルフィンSPC、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンAK−02(エアープロダクツ社製)等を挙げることができる。
上記アクリル系界面活性剤としては、例えば、下記一般式(IX)で表される化合物のうち少なくとも一種を重合して得られる(共)重合物が挙げられる。
Figure 2007234101
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R10は炭素原子数1〜300のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基又は炭素原子数6〜30のアリールアルキル基を表し、上記炭素原子数1〜300のアルキル基中のメチレン基は、−O−、−COO−又は−NH−で中断されていてもよく、炭素原子数1〜300のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基又は炭素原子数6〜30のアリールアルキル基は、いずれも置換基を有していてもよい。)
上記一般式(IX)中、R10で表される炭素原子数1〜300のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル等の他、下記式(10)で表されるポリエーテル及びポリエステルが挙げられる。
(DO)X (10)
(式中、DOは炭素原子数2〜3のオキシアルキレン基、kは1〜300の数、X=H、R、OCOH、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
上記一般式(IX)で表される化合物としては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリオキシエチレンノニルフェノール(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート;エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキレン(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記一般式(II)で表される化合物のうち少なくとも一種を重合して得られる(共)重合物は、数平均分子量が1000〜100000、好ましくは6000〜60000である。
重合度は40〜800が好ましく、反応するモノマーは同じであってもよく、一部同じであってもよく、またすべて異なっていてもよい。また、該(共)重合物は、グラフト共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体又は交互共重合体のいずれでもよい。
上記アクリル系界面活性剤としては市販のものを用いることもでき、例えば、ポリフローNo.57、No.95(共栄社化学社製)、ポリティA−530、A−540、A−550、PS−1900(ライオン社製)、EFKA−4550、EFKA−4560、EFKA−4570、EFKA−4580(エフカアディティブ社製)、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−357、BYK−358、BYK−359、BYK−360、BYK−361、BYK−364、BYK−366、BYK−380、BYK−381、BYK−390、BYK−392(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤(ハ)は、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物中に0.01〜10質量%含有されるのが好ましく、より好ましくは0.03〜1.0質量%である。0.01質量%未満だと効果が不十分であり、10質量部より大きいと、揮発成分が増加し、耐衝撃性、耐候性等の低下を招く恐れがある。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、通常そのまま使用されるが、必要に応じて有機溶媒に溶解又は分散させて使用してもよい。該有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等が挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブテン、ニトロセルロース、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物等の熱可塑性高分子化合物;無機フィラー、有機フィラー、顔料等の充填剤;結合剤;消泡剤;増粘剤;難燃剤;光安定剤;熱安定剤;保存安定剤;酸化防止剤;老化防止剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;重合禁止剤;表面改質剤;帯電防止剤;可塑剤;滑剤等の各種添加剤等を添加することができるが、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物の総量に対して200質量%以下とすることが好ましい。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、CD、DVD、MO、PD、UMD、Blue−Ray Disc、HD DVD等の各種光学記録媒体のスペーサー層の他、複層ガラスのスペーサー、エネルギー線硬化性塗料、エネルギー線硬化性接着剤、粘着剤、各種保護コート剤、眼鏡レンズ、窓等の他、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の画像表示装置用途、分析装置用途、半導体装置用途、天文観測用途、光通信用途等の各種用途におけるフィルム、接着剤、レンズ等に用いることができる。
次に、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた光学記録媒体について説明する。
本発明の光学記録媒体の代表的な構成としては、基板上に、複数の光学記録層、スペーサー層、及び必要に応じて下地層、金属反射膜、カバー層、ハードコート層、バリア層等の各層を設けたものが挙げられる。
本発明の光学記録媒体は、以下の方法により製造することができる。
すなわち、ピットやグルーブ等の凹凸パターンが形成された基板上に第一の光学記録層及び金属反射膜を順次積層した後、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布してスタンパ(母型)の凹凸面を裁置し、活性エネルギー線の照射により硬化させて、ピットやグルーブ等の凹凸パターンが形成されたスペーサー層を得る。続いてスタンパーを除去し、得られたスペーサー層の上に、更に同様の手法により第二の光学記録層、金属反射膜及び基板を積層することにより本発明の光学記録媒体を得る。
また、第二の光学記録層を積層した後、同様の手法によりスペーサー層及び光学記録層を積層することを繰り返すことにより、光学記録層を三層以上形成することもできる。
あるいは、スタンパー上にエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化させてスペーサー層を作成し、該スペーサー層を、基板上に光学記録層、金属反射膜及び必要に応じてカバー層を順次積層した積層体の上に、接着剤を用いて貼り合せる方法によって本発明の光学記録媒体を得ることもできる。
本発明の光学記録媒体の製造に用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等を挙げることができ、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
本発明の光学記録媒体に用いられる基板の材質は、書き込み(記録)光および読み出し(再生)光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、トリアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、エポキシ樹脂等の樹脂、ガラス、セラミック、金属等あるいはこれらの樹脂あるいはガラス等にスパッタ膜を形成したものが用いられる。また、その形状は、用途に応じ、フィルム、テープ、ドラム、ベルト、カード、ディスク等の任意の形状のものを使用できる。該基板の厚さは、0.1〜2.0mm、好ましくは0.8〜1.3mmの範囲である。
本発明の光学記録媒体に用いられる光学記録層は、情報信号をレーザ等による情報パターンとして記録することにより情報の記録又は書き換えができる機能を有する層であり、有機色素記録材料、相変化記録材料、光磁気記録材料を適宜選択して用いることができる。該光学記録層の厚さは、0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmの範囲である。
上記有機記録材料としては、例えば、シアニン系化合物、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、オキソノール系化合物、スクアリリウム系化合物、インドール化合物、スチリル系化合物、ポルフィン系化合物、アズレニウム系化合物、クロコニックメチン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、テトラヒドロコリン系化合物、インドフェノール系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ローダミン系化合物等の色素化合物及びその金属錯体を用いることができる。
上記相変化記録材料としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、錫、砒素等の合金(を用いることができる。
上記光磁気記録材料としては、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫等の合金を用いることができる。
上記光学記録層には、その他、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂類;芳香族ニトロソ化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、ビスイミニウム化合物、遷移金属キレート化合物等のクエンチャー;帯電防止剤;滑剤;難燃剤;ヒンダードアミン等のラジカル捕捉剤;フェロセン誘導体等のピット形成促進剤;分散剤;酸化防止剤;結合剤;架橋剤;耐光性付与剤;紫外線吸収剤;可塑剤等を含有してもよい。
本発明の光学記録媒体に用いられる金属反射膜は、金、銀、アルミニウム、ニッケル、銅、あるいはそれら金属の合金、銀化合物等を用いて蒸着法あるいはスパッタリング法によりを形成することができ、必要に応じてアクリル樹脂、エネルギー線硬化性樹脂等によりカバー層を形成することもできる。該金属反射膜層の厚さは、0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmの範囲であり、該カバー層の厚さは、2〜400μm、好ましくは1.0〜200μmの範囲である。
本発明の光学記録媒体に用いられるスペーサー層は、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて薄膜として形成され、その厚さは、2〜400μm、好ましくは1.0〜200μmの範囲である。
本発明の光学記録媒体の製造において、必要に応じて用いられる接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、アミド系、メラミン系、アルキッド系、ホットメルト系等の熱硬化型又はエネルギー線硬化型の接着剤が挙げられる。
また、上記の光学記録層、金属反射膜、スペーサー層等は、一般的な塗布方法により形成することができる。塗布方法としては、スピンコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、フローコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、ミヤバーコート法、ナイフコート法、スクリーン印刷法、コンマコート法、シルクスクリーン法、T−ダイコート法、リップダイコート法、スライドコート法、スリットリバース法、グラビアコート法、ホッパーを使用するエクストルージョンコート法(米国特許第2681294号明細書記載)等が挙げられる。二以上の層を同時塗布により形成してもよい。同時塗布法については、米国特許第2761791号、米国特許第2941898号、米国特許第3508947号、米国特許第3526528号の各明細書及び原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。
以下、実施例、比較例、評価例及び比較評価例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
下記実施例1〜4はエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4の調製を示し、下記実施例5〜8は実施例1〜4で得られたエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4を用いた光学記録媒体No.1〜No.4の製造例を示し、下記比較例1及び2は比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5及びNo.6の調製を示す。また、下記評価例1−1〜1−4並びに比較評価例1−1及び1−2では、実施例及び比較例で得られたエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4並びに比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5及びNo.6について、その硬化物表面の水接触角の測定により評価を行い、下記評価例2−1〜2−6並びに比較評価例2−1〜2−4では、実施例1〜4並びに比較例1及び2で得られたエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4並びに比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5及び6について、その硬化膜と光学記録層を接触させた構造を有する試験片について、耐湿熱性評価を行った。
〔実施例1〜4並びに比較例1及び2〕エネルギー線硬化性樹脂組成物及び比較エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製
下記の表1に示す配合で樹脂を十分に混合し、エネルギー線硬化性樹脂組成物及び比較エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。尚、表中の配合量は質量部を示す。
ラジカル重合性有機物質(イ)としては下記の化合物(1)−1〜(1)−4を用いた。
化合物(1)−1: トリメチロールプロパントリアクリレート
化合物(1)−2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
化合物(1)−3:TPA−300(プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、日本化薬社製)
化合物(1)−4:KHP−17(ポリエステル系ウレタンアクリレート、根上工業社製)
エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(ロ)としては下記の化合物(2)−1又は(2)−2を用いた。
化合物(2)−1:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
化合物(2)−2:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
ノニオン系界面活性剤(ハ)としては、下記の化合物(3)−1又は(3)−2を用いた。
化合物(3)−1:BYK−UV3500(アクリル基含有シリコーン系界面活性剤、ビックケミー社製)
化合物(3)−2:フロラードL−15658B(フッ素系界面活性剤、3M社製)
Figure 2007234101
〔実施例5〜8〕光学記録媒体の製造
下記化合物No.3を濃度1.0質量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液に溶解して、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として光学記録材料を調製した。チタンキレート化合物(T−50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、上記の光学記録材料をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成した。続いて、上記の実施例1〜4で得たエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4をそれぞれスピンコーティング法により塗布し、高圧水銀灯にて紫外線1000mJ/cmを照射して、硬化膜厚約5μmのスペーサー層を得た。得られたスペーサー層上に、上記の光学記録材料をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成した。さらに、SD−6881(紫外線硬化型接着剤、大日本インキ化学工業社製)を用いて直径12cmのポリカーボネートディスク基板を貼り合せ、高圧水銀灯にて紫外線1000mJ/cmを照射してそれぞれ光学記録媒体No.1〜No.4を得た。
Figure 2007234101
〔評価例1−1〜1−4並びに比較評価例1−1及び1−2〕
10cm×10cmの0.9mm厚アルカリガラス板に、実施例1〜4で得られたエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4並びに比較例1及び2で得られた比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5及びNo.6をバーコート法にて塗布し、高圧水銀灯にて紫外線1000mJ/cmを照射して膜厚約50μmの硬化膜を形成し、試験片を得た。得られた試験片それぞれについて、JIS−R3257記載の静滴法に従い、エネルギー線硬化性組成物の硬化物の表面に水滴をたらし、固液界面の水平線と水滴端での接線との接線との2つの線のなす角を接触角測定器(協和界面科学社製、CA−VP)を用いて水接触角を測定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2007234101
表2の結果から明らかなように、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4より得られた硬化膜の水接触角は75度以上であり、光学記録媒体におけるスペーサー層に好適であることが確認できた。一方、比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5及びNo.6より得られた硬化膜の水接触角は60度未満であり、光学記録媒体におけるスペーサー層において使用できる十分な性能を示さなかった。
〔評価例2−1〜2−6並びに比較評価例2−1〜2−4〕
3cm×3cmの0.9mm厚アルカリガラス板に、実施例1〜4で得られたエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4並びに比較例1及び2で得られた比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5及びNo.6をスピンコーティング法にて塗布し、高圧水銀灯にて紫外線500mJ/cm又は1000mJ/cmを照射して、膜厚約5μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜上に、上記化合物No.3の1.0質量%2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの薄膜を形成し、試験片を得た。
得られた試験片それぞれについて、入射角5°の反射光UVスペクトルを測定し、次いで、60℃/90%RHの恒温恒湿環境下に調整した恒温恒湿槽に50時間放置した後、再度入射角5°の反射光UVスペクトルを測定し、放置前の入射角5°の反射光UVスペクトルを100としたときの放置後の入射角5°の反射光UVスペクトルの割合を求めて耐湿熱性評価とした。評価結果を表3に示す。
Figure 2007234101
*:エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いず、ガラス板に直接色素の薄膜を形成した。
表3の結果から明らかなように、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物No.1〜No.4より得られた硬化膜においては、硬化膜を持たない比較評価例2−4と同等の耐湿熱性を有していることから、隣接する光学記録層からの色素の浸透はほとんどおこっていないと考察できる(評価例2−1〜2−6)。
一方、比較エネルギー線硬化性樹脂組成物No.5又はNo.6より得られた硬化膜においては、耐湿熱性の低下が見られ、隣接する光学記録層から色素の浸透がおこっていると考察できる(比較評価例2−1及び2−2)。また、紫外線積算光量を少なくしてエネルギー線硬化の度合いを下げた場合においては、さらに色素の耐湿熱性が低下した(比較評価例2−3)。

Claims (3)

  1. ラジカル重合性樹脂(イ)及びエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(ロ)を必須成分とする光硬化性樹脂組成物で、その硬化物表面の25℃における水接触角が60度以上であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. ラジカル重合性樹脂(イ)、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(ロ)及びノニオン系界面活性剤(ハ)を必須成分とする光硬化性樹脂組成物で、その硬化物表面の25℃における水接触角が60度以上であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の光硬化性樹脂組成物からなるスペーサー層を介して、複数の光学記録層を積層させることを特徴とする光学記録媒体。

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