JP2007233995A - 麺類の自動調理方法及び装置 - Google Patents

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    • A47JKITCHEN EQUIPMENT; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; APPARATUS FOR MAKING BEVERAGES
    • A47J27/00Cooking-vessels
    • A47J2027/006Cooking-vessels especially adapted for preparing pasta

Abstract

【課題】販売時の加熱調理を省略し販売時間を短縮し、今までの自販機にない良好な食味の麺類を提供する。
【解決手段】機内の調理保温装置4に多数の「茹で麺」を一括して密閉容器6aに入れて収納し、販売準備中に、調理保温装置により麺の温度を88〜100℃にして1〜15分間持続するよう加熱し、引き続いて、調理保温温度を40〜70℃に下げて保存しすることにより麺の無菌状態と澱粉のα化された状態を維持し、さらに調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を確実に防止することからなる麺類の自動調理方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍または冷蔵された日本そば、うどん、中華そば等の「茹で麺」を対象に調理を行い、調理完成品を販売に供する、麺類の自動調理方法及び装置に関する。
技術背景
自動販売機に関連する調理方法の先行技術として、次のようなものが既に公知である。
(特許文献1)食品自動販売機(特開平8−221653)
食器に冷凍または冷蔵された「茹で麺」を盛り付けて自販機内の保冷庫に保管し、販売の都度、保冷庫から取り出して、電子レンジで加熱し、これに給湯して販売する自動調理方法。
(特許文献2)茹で麺の自動調理法(特開昭50−160448)
食器に入れた「茹で麺」を自販機内の冷蔵庫に保管し、販売の都度、食器内に熱湯を満たした後、湯切りして「湯洗」を行い、これに濃縮スープと熱湯を注入する調理行程を自動化した麺類の自動調理方法。
(特許文献3)麺類の簡易調理装置(実開52−89496)
「生麺」を予め熱湯処理した後、1食分ずつ網籠に入れて、蒸気発生器により70℃に加熱保温されている簡易調理装置内の棚に保管し、麺の茹で上がりの味を保存しておくことによって、配食時の作業を簡素化し、集団給食などで調理に時間のかかる「生麺」を使用した麺類を供食出来るようにした調理補助装置。
(特許文献4)茹で麺を調理する保温庫内臓の麺類自動販売機(特開2005−327222)
「茹で麺」を40〜70℃の任意の温度に設定できる保温庫内に保管しておき、販売の都度、麺を食器に入れて出し汁をかける調理工程を自動化した自動調理方法。
公知の「茹で麺」を使用する調理方法には次のような問題点があり、一般に流通する冷凍及び冷蔵の「茹で麺」を使用し、食味が良く、かつ、食品衛生上安全な調理済みの麺類を短時間(20秒前後)に提供することは出来ない。
(1)特許文献1(食品自動販売機)
冷凍又は冷蔵された「茹で麺」を電子レンジによって、販売の都度、加熱調理する調理方法が取られているため、1分以上の調理以上の加熱調理時間を必要とし、自動販売機としては商品が出来るまでの販売待時間が長くなる問題点がある。
ちなみに、「茹で麺」の加熱調理の目的は流通あるいは保存間に老化(β化)が進む麺の澱粉を加熱によって再度α化して食味をよくすると共に殺菌を行うことにあるが、十分な調理を行うには「茹で麺」の温度を88℃以上に上昇させて、この温度を麺の老化(β化)の進捗度に応じて1〜15間分保つことを必要とする。 「茹で麺」の澱粉をα化するための加熱調理時間はどのような調理方法を採用しても変えることは出来ないので、食味の良い調理済みの麺類を提供するには長時間を必要とし、また、調理時間を過度に短縮しようとすれば食味は悪くなる関係にある。
では、自動販売機の販売待時間を短縮する方法として、事前に加熱調理を済ませ、加熱調理後の食味をそのまま保存できれば、販売時の加熱調理を省略して時間短縮が図れることは、誰しも考えるところであるが、自販機内の小スペースで多数の「茹で麺」を一括して調理する調理方法及び調理後の「茹で麺」の食味を長期にわたり保存する技術は未開発となっている。
(2)特許文献2(麺類の自動調理法)
この自動販売機の「茹で麺」の加熱は食器に入った冷蔵「茹で麺」に熱湯を満たすだけなので、熱量が不足し麺の温度を88℃以上に上昇させることは出来ない。従って、この方法では麺の老化(β化)した澱粉をα化することが出来ないので、食味が悪い問題点がある。
(3)特許文献3(麺食の簡易調理方法)
この装置は熱湯処理直後の「生麺」を使用する(澱粉に老化(β化)の起きていない「茹で麺」を使用する意)ことを前提とした食味の保存装置であり、従って、この装置には麺の澱粉をα化するための加熱調理機能はなく、 また、麺の食味の保存においても、熱湯処理後の「生麺」を蒸気発生器により70℃に加熱保温するため、麺を飽和水蒸気中に置くことになり、麺は飽和水蒸気から過剰な水分を吸収して短時間(実験結果4時間以内と推定)に「こし」がなくなり食味を失う等の問題点がある。自動販売機では保存期間が長期(数日〜1週間)になるので、この保存方法を用いて食味を保存することは出来ない。
実験:熱湯処理後の「生麺」を蒸気発生器により70℃で4時間加熱したところ、 麺は「こし」を失い、食味は極めて悪くなった。
(4)特許文献4(茹でた麺を調理する保温庫内蔵の麺類の自動販売機)
この自動販売機の加熱調理法、食味の保存方法及び自動調理装置には次のような問題点があり実用には供し得ない。
a、 この自動販売機では「茹で麺」を40〜70℃に保温するのみで、麺を88℃以上の高温にする加熱調理機能がないため、麺の老化(β化)した澱粉をα化できず食味が悪い。
b、 この自動販売機では「茹で麺」や具を40〜70℃の保温庫内で保存しているが、保存にあたり高温加熱などの殺菌工程が組まれていないため、特に保冷されていた麺や具を40℃近辺で保温する場合は,細菌の増殖しやすい35℃前後の温度領域を通過する時間が長くなるので、食品衛生上危険であり、また、水分蒸発の防止処置が講じられていないので、「茹で麺」は乾燥により硬化し、食味を長期に保存出来ない。
c、 この自動販売機に使用される食品供給装置には、内部に「茹で麺」と具が同じ容器内で保管されるため,具から麺への移り香、香りの重合など麺の食味保存に悪影響を持つ要因を含むと共に、加熱により汁液や油脂分の流出する食品(揚げの煮付やチャーシュー等)は流出した汁液などにより麺の食味を変化させる等、食味の良好な保存は出来ない。また、この食品供給装置には水分を吸収して形崩れして回りに付着する食品(各種天ぷら等)には食品供給機能がない。
本発明は上記の問題点に鑑み成されたものであり、多数の麺を自動販売機内の小スペースで一括して加熱調理し、加熱調理後の麺の食味を長期間(約1週間)にわたり食品衛生上安全な状態で保存する自動調理方法を開発し、自動販売機が販売態勢に入る前の販売準備間に十分な調理を行い、調理後の食味をそのまま保存することによって、販売時の加熱調理を省略し、販売時間を著しく短縮(約20秒)し、かつ、今までの自動販売機では出来なかった食味良好な麺類を調理する自動調理装置を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決するために、冷凍または冷蔵した「茹で麺」を使用し、これを調理加工する麺類の自動販売機において、機内の調理保温装置に多数の「茹で麺」を密閉容器に入れて収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を88〜100℃に上昇させて、この温度を1〜15分間持続するよう加熱して、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱調理し、「茹で麺」の老化(β化)している澱粉を完全にα化すると同時に、麺の殺菌を行う段階と、加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温温度を40〜70℃に下げて保存し無菌状態を維持すると共に、麺澱粉のα化された状態を維持し、麺を前記高温(88〜100℃)で保存することによる「こし」の喪失や麺を密閉容器中に置くことにより水分の蒸発を防止して、調理直後の食味を保存する段階と、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にして、麺からの水分の蒸発を完全に防止する段階とからなる麺類の自動調理方法を構成するものである。
また、冷凍または冷蔵した「茹で麺」を使用し、これを調理加工する麺類の自動販売機において、多数の「茹で麺」を収納できる密閉容器を備え、麺の温度を88〜100℃に上昇させて、この温度を1〜15分間持続して加熱した後、調理保温温度を40〜70℃に下げて保存する調理保温装置と調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にする湿度調整機を調理保温装置内に設置した麺類の自動調理装置を課題解決の手段とするものである。
1, 多数の「茹で麺」を密閉容器に入れて調理保温装置内に収納して加熱するため、自動販売機内の小スペースでも、多数の麺を一括して加熱調理することが可能となった。
2, 販売準備間に加熱調理を行うため、調理に十分な時間をかけることが出来るようになり、老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を回復すると共に、麺の完全殺菌が出来るようになった。
3, 「茹で麺」の加熱調理(88〜100℃)に引き続いて、調理保温温度を40〜70℃に下げて保温することにより、「茹で麺」の澱粉はα化された状態と無菌状態を維持すると共に、高温(88〜100℃)による麺の「こし」の喪失や、密閉容器内にあるため水分の蒸発を防止して、「茹で麺」の食味を長期(約1週間)に保存することが出来るようになった。
4, 2項の販売準備間における澱粉の完全α化と3項の食味の長期保存が可能となったため、販売時の加熱調理が省略されて、販売時間を著しく短縮(約20秒)することが出来るようになった。
5, 調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以内にしたため、密閉容器内での「茹で麺」の乾燥を長期にわたり防止して、食味を良好な状態で保存出来るようになった。
本発明の実施例は冷凍又は冷蔵されている「茹で麺」を密閉容器に入れて、機内の調理保温装置に収納した後、自動販売機が販売態勢にはいる前の販売準備間に、調理保温装置の温度を上げて、内部の麺を一括して88〜100℃の温度範囲で1〜15分間加熱調理し、事後調理済みの麺を40〜70℃で保温しておき、客の販売指令に基づいて、食器に保温された麺と冷蔵庫の具を充填し、これに給スープ装置内で保温されているスープを注入する一連の工程を自動的に行い、客に調理済みの麺類を提供する自動販売機である。
(1)自動販売機内の各装置の配置
本発明の自動販売機はキャビネット内に食器供給装置と食器搬送装置と調理保温装置と冷蔵庫と給スープ装置を設置し、調理保温装置の内部には食品供給装置と落下誘導具と湿度調整機を収設し、また、冷蔵庫の内部には食品供給装置と落下誘導具を収設する。
各装置は食器供給装置から切り出された食器が食器搬送装置によって、食器搬送装置の下から調理保温装置の下、冷蔵庫の下へと順次運ばれ、食器内に調理保温装置の落下口から落下してくる麺や冷蔵庫の落下口から落下してくる具や給スープ装置から注入されるスープを受け入れるよう配置する。
(2)各装置の構成
a、キャビネット
キャビネットは正面にキャビネット扉を備え、キャビネット扉の中央には客が商品を取り出すための商品取出口が設けられ、また、商品取出口には客によって開かれ,手を放すとバネの反力で閉まる透明な商品取出扉を設ける。
b、食器供給装置
食器供給装置は食器収納筒と食器切出機を備え、食器収納筒に収められた多数の食器の中から食器1個を食器切出機によって切り出し、食器供給装置の真下に落下させるよう構成する。
また、食器の切り出しは、食器を食器収納筒に収めた直後、及び、客が商品の取り出しを行った後、食器搬送装置の食器搬送ボックスが食器供給装置の真下に帰って移動を完了した直後に行うよう構成する。
c、食器搬送装置
食器搬送装置は上面に食器受入口と正面に商品取出口を老化(β化)設けた食器搬送ボックスとその移動装置を備え、食器搬送ボックスは食品供給装置から落下してくる食器を上面の食器受入口から食器搬送ボックス内に取り込んだ後、移動装置によって食器搬送ボックスを調理保温装置の落下口の真下、冷蔵庫の落下口の真下へと順次移動停止させながら繰り返し食器の搬送を行うよう構成する。
食器搬送ボックスの定位置は食器供給装置の真下とし、移動装置による移動は次の工程で行うよう構成する。
(a)食器供給装置の真下から調理保温装置の落下口の真下までの移動
食品供給装置から落下してくる食器を食器搬送ボックス内に取り込むと、食器搬送ボックスは移動を開始し、調理保温装置の落下口の真下まで食器を搬送して停止して待機するよう構成し、また、自動販売機は調理保温装置の落下口の真下まで食器が搬送されるまでの間は客の販売指令に応じないよう構成する。
(b)調理保温装置の落下口の真下から冷蔵庫の落下口の真下までの移動
客が自動販売機に所定の金銭を投入して販売指令を与えると、調理保温装置の落下口から麺が落下し、下で待機中の食器搬送ボックス内の食器に入ると、食器搬送ボックスは再び移動を開始して、冷蔵庫の落下口の真下まで移動停止して待機するよう構成する。また、冷蔵庫下での停止は冷蔵庫から落下してくる具と給スープ装置内のスープを食器内に受け入れて商品を完成し、客が商品を取り出すまでの間、継続するよう構成する。
さらに、食器搬送ボックスの冷蔵庫下での停止位置は、客がキャビネットの商品取出口を通して食器を取り出せる位置とするよう構成する。
(c)冷蔵庫の落下口の真下から食器供給装置の真下までの移動
客が自動販売機から完成した商品を取り出すと、食器搬送ボックスは再び移動を開始し、食器供給装置の真下まで移動し、食器を食器搬送ボックス内に取り込むまでの間待機するよう構成する。
d、調理保温装置
調理保温装置は全体が断熱構造となったボックスで、正面に麺を収納する際に開閉する断熱内扉と底部に落下口と落下口を塞ぐ自動扉と加熱装置と調理時間設定器と保温温度設定器とを備え、内部には麺を収納するための食品供給装置と落下誘導具と湿度調整機を収設するよう構成し、 底部に設けられた落下口は食器上面と同じ円形となし、内部に収設されている食品供給装置の落下口の真下になるよう配置する。そして、自動扉は客が販売指令を与えると開き、内部の麺が調理保温装置の落下口を通して装置外に落下した直後に閉じるよう構成する。
また、加熱装置は麺を調理保温装置内に収めると作動し、当初、麺の温度を88〜100℃に上昇させた後、この温度を1〜15分間のうち調理時間設定器により指定した時間のあいだ加熱して、収納された多数の麺を一括して加熱調理し、加熱調理後は温度を下げて40〜70℃のうち保温温度設定器により指定した温度に切り下げて保温するよう構成し、していした保温温度に達するまでは自動販売機は客の販売指令に応じないよう構成する。
上記において加熱調理温度を88〜100℃の温度範囲に設定しているのは、小麦粉を使用する「茹で麺」の澱粉を急速にα化するためには88℃以上の加熱を必要とし、また、「茹で麺」からの水分の蒸発防止を容易にするためには、100℃以下の温度とすることが好ましいためである。
また、上記40〜70℃の保温温度の下限(40℃)は、一旦殺菌された麺が無菌状態を維持し、同時に澱粉のα化された状態が維持される最低温度として設定し、上限(70℃)は麺が時間の経過と共に「こし」(弾力性)を失う最低温度(75℃)から安全率をみて5℃を減じて設定したものである。
ちなみに、澱粉のα化された状態は35℃以上で維持され、40℃以上ではカビ・細菌の増殖は出来ない。また、75℃以上では、麺は時間の経過と共に糊化して「こし」を失い、食味を著しく低下させる。
さらに、上記1〜15分の時間範囲は、加熱温度別、「茹で麺」の種類別、保存温度別、保存期間別に麺澱粉の完全α化に必要な加熱調理時間を測定し、下表の測定結果を得て、最短(1分間)となる加熱調理時間と最長となる加熱調理時間(15分間)を選び設定したものである。
Figure 2007233995
なお、上記調理保温装置の調理時間設定器及び保温温度設定器による加熱調理時間の設定及び保温温度の設定は次による
(a)加熱調理時間の設定
加熱調理時間の設定は上表の測定結果を参考として、「茹で麺」の澱粉の老化(β化)の状態を加熱前の「茹で麺」の食味や保存日数などから類推し、加熱調理に必要とする時間を経験値に基づき設定する。
(b)保温温度の設定
保管温度は、客の商品温度に対する好みが季節によって変化することを考慮し、冬季は70℃、春・秋季は60℃、夏季は50℃を基準に設定する。
e、冷蔵庫
冷蔵庫は正面に具を収納する際に開閉する断熱内扉と底部に落下口と落下口を塞く自動扉を備え、内部には具を収納する食品供給装置と落下誘導具を収設する。
底部の落下口は食器上面と同じ円形となし、内部に収設されている食品供給装置の落下口の真下に配置する。
また、自動扉は食器搬送ボックスが食器を運び冷蔵庫の落下口の真下で停止すると同時に開き、内部の具が落下口を通して庫外に落下した直後に閉じるよう構成する。
さらに、冷蔵庫は自動販売機の電源が入力されているときは常時作動するよう構成する。
f、食品供給装置
食品供給装置は底部に落下口を持つ複数個の密閉容器と密閉容器内に収められた回転翼とこれを回転するための回転装置を備え、食品供給装置への食品の収納は事前に20食前後の食品を入れた密閉容器を複数個積み重ねた状態で回転装置上にセットすることによって行い、また、食品の供給は回転装置により回転翼を回転することによって、内部に収められた多数の食品を1食づつ最下段の密閉容器の落下口から容器外に落下させて行うよう構成する。
なお、調理保温装置と冷蔵庫に収設される食品供給装置は、構造は同じであるが1食分あたりの収容容積が異なる。
以下食品供給装置に使用される各部材、装置等の詳細について説明する。
(a)密閉容器
密閉容器は円筒形の容器であって、底部に回転防止突起と落下口と回転翼の軸受け口を、また、上部に回転防止溝を備え、内部には回転翼を収める。密閉容器の内部は回転翼に放射状に取り付けられている多数の羽根によって、20室前後の扇形をした食品収納室と1個の食品通路に区画され、一つの食品収納室には1食分の麺又は具が収納できるよう構成する。
回転防止突起と回転防止溝は、密閉容器を積み重ねて回転装置上にセットする際、上下段相互に勘合し、また、最下段の密閉容器の回転防止突起は回転装置に設けられた回転防止溝と勘合して密閉容器を回転装置上に固定し、内部の回転翼が回転しても密閉容器が回転することのないよう構成する。
また、落下口は密閉容器内の食品の取り出し口であり、食品収納室と同形の扇形をなし、その位置は密閉容器を積み重ねた時の上下段それぞれ固有の位置に配置する。すなわち、下から1段目密閉容器の落下口は調理保温装置の底部に設けられた落下口又は冷蔵庫の底部に設けられた落下口の真上に配置し、以降、1段上がるごとに下段の落下口の位置より回転翼の回転方向に1食品収納室分だけ、ずれた位置に配置する。落下口をこのように配置して、内部の回転翼を上下段一斉に回転すると、各段の密閉容器に収められた食品は、1食分づつ落下口より落下し、最下段の密閉容器の落下口からは容器外に食品を落下させて供給するよう構成し、また、落下により空白となった密閉容器には逐次上段の密閉容器から落下してくる食品が補充されるよう構成する。
(b)回転翼
回転翼は回転軸の回りに等角度間隔で20個前後の羽根を放射状に固定したもので、全ての羽根の下端には、落下口と同じ扇形の底板が蝶番により取り付けられており、底板が水平位置にあるときは、密閉容器内を2枚の隣接する羽根によって区画した部分に1個の食品収納室を形成して一食分の麺又は具が収納できるよう構成し、底板が落下口と重なる位置にあるときは、底板は自重により下方に開いて食品通路となるよう構成する。
また、回転軸は密閉容器の軸受け口にはまって回転し、回転軸の下部には角形の連結口を、上部には角柱形の回転突起を設け、密閉容器を積み重ねて回転装置上にセットすると、下から1段目の密閉容器内に収められた回転翼の連結口には回転装置の回転突起が挿入され、2段目より上の連結口には下の段の回転突起が挿入されて、各段の回転翼は回転装置の回転にあわせ上下一斉に回転するよう構成する。
食品収納室に収められた食品は底板の上部に乗って密閉容器内を回転移動し、回転の終期において底板が落下口と重なる位置に来ると、底板は自重により下方に開いて食品収納室は食品通路に変わり、底板上部に乗せていた食品を落下口から下方に落下させ、また、落下口の位置にあった底板は、回転の初期において、落下口の縁に押し上げられて水平位置に復帰し食品収納室を形成する。上段の密閉容器から回転の終期において落下してくる食品は下段の密閉容器内で回転の初期において形成された食品収納室に取り込まれる。このようにして、最下段の密閉容器からは食品を容器外に落下させて供給し、供給した食品は順次上段の密閉容器から補充されるよう構成する。
さらに、羽根の上下及び先端部は密閉容器内部の上下側面に摺動回転させ、各食品収納室の機密を維持するよう構成する。
(c)回転装置
回転装置は上部に回転防止溝と回転突起を備え、回転防止溝は下から1段目の密閉容器の回転防止突起に勘合して密閉容器を回転装置上に固定し、回転突起は回転翼の回転突起挿入口に挿入されて回転装置の回転を最下段の密閉容器の回転翼に伝えるよう構成し、また、回転装置の回転は、調理保温装置内に設置された食品供給装置にあっては客が金銭を投入した都度、冷蔵庫内に設置された食品供給装置にあっては冷蔵庫の落下口の真下に食器搬送ボックスが移動停止した都度、回転翼を1個食品収納室分の分割角度だけ回転するよう構成する。
また、調理保温装置や冷蔵庫内にある回転装置は、それぞれに設けられた自動扉が開くと同時に回転を始め、自動扉が閉じる前に回転を終えるよう構成する。
g、落下誘導具
落下誘導具は上端が密閉容器の落下口と同じ扇形となし、下端は調理保温装置や冷蔵庫の落下口と同じ円形となす筒状物体で、調理保温装置内と冷蔵庫内に各一個を設置する。
落下誘導具の上端は食品供給装置の落下口に接し,また、下端は調理保温装置や冷蔵庫の落下口に接するよう配置して、食品供給装置から落下してくる麺や具が調理保温装置や冷蔵庫の内部に散乱することなく、それぞれの落下口に誘導されるよう構成する。
なお、落下誘導具の内面は、食品が通過する都度、食品に触れるので、清掃のため脱着を簡単にしておくことが好ましい。
h、湿度調整機
湿度調整機は湿度測定器と加湿器を備え、調理保温装置内に収設するよう構成し、湿度測定器は密閉容器内と調理保温装置内の相対湿度差を測定し、加湿器により調理保温装置内の湿度を調整して、両者の相対湿度差を3%以下にして、密閉容器内の麺からの水分の蒸発を防止するよう構成する。
i、給スープ装置
給スープ装置はスープ・タンクと定量バルブとスープ・ノズルと加熱装置と保温温度設定器を備え、スープ・タンク内にスープが注入されると、加熱装置が作動してスープの温度を一旦75℃以上にして2分間加熱殺菌した後、スープの温度を40〜100℃の温度範囲の内、保温温度設定器によって指定した温度で保温するよう構成し、指定した保温温度になるまでは自動販売機は客の販売指令に対応しないよう構成する。
また、スープが指定温度になった後、客が自動販売機に所定の金銭を投入して販売指令を与えると、既に、麺と具が盛り付けられた食器に、定量バルブを通して一定量のスープがスープ・ノズルより注入されるよう構成する。
なお、保温温度設定器による保温温度は、客の商品温度に対する好みが季節によって変化することを考慮し、冬季70℃,春秋季60℃,夏季50℃を基準として指定する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜3に自動販売機全体の構成を示す。各図において、1は自動販売機のキャビネットであり、キャビネット扉1aの中央に商品取出口101と、客の手によって開き手を放すとバネ(図示省略)の反力によって閉じる透明な商品取出扉102を備える。
2は食器供給装置であり、食器収納筒2aと食器切出機2bを備え、食器収納筒2aに収められた多数の食器10の中から、食器切出機2bによって食器一個を切りだし、食器供給装置2の真下に落下させる。
また、食器10の切り出しは、食器収納筒2aに食器10を収めた直後、及び、客が商品の取り出しを行った後、食器搬送ボックス3aが食器供給装置2の真下に帰って移動を停止した直後に行う。
3は食器搬送装置であり、上面に食器受入口301と正面に商品取出口302を設けた食器搬送ボックス3aと移動装置3bを備え、食器搬送ボックス3aは食器供給装置2から落下してくる食器10を上面の食器受入口301から食器搬送ボックス3a内に取り込んだ後、移動装置3bによって食器搬送ボックス3aを食器供給装置2の真下から調理保温装置4の落下口4bの真下、冷蔵庫5の落下口5bの真下へと順次移動停止しながら繰り返し食器の搬送を行う。
食器搬送ボックス3aの定位置は食器供給装置2の真下とし、移動装置による移動は次の工程で行う。
(a)食器供給装置2の真下から調理保温装置4の落下口4bの真下までの移動
食器供給装置2から落下してくる食器10を食器搬送ボックス3a内に取り込むと、食器搬送ボックス3aは移動を開始し、調理保温装置4の落下口4bの真下まで食器10を搬送して停止して待機する。また、自動販売機は調理保温装置4の落下口4bの真下まで食器10が搬送されるまでの間は客の販売指令に応じることは出来ない。
(b)調理保温装置4の落下口4bの真下から冷蔵庫5の落下口5bの真下までの移動
客が自動販売機に所定の金銭を投入して販売指令を与えると、調理保温装置4の落下口4bから麺11が落下し、下で待機中の食器搬送ボックス3a内の食器10に入ると、食器搬送ボックス3aは再び移動を開始して、冷蔵庫5の落下口5bの真下まで移動後停止して待機する。
また、冷蔵庫5下での停止は冷蔵庫5から落下してくる具12と給スープ装置8内のスープ13を食器10内に受け入れて商品を完成し、客が商品を取り出すまでの間、継続する。
さらに、食器搬送ボックス3aの冷蔵庫下5での停止位置は、客がキャビネットの商品取出口101を通して食器を取り出せる位置とする。
(c)冷蔵庫5の落下口5bの真下から食器供給装置2の真下までの移動
客が自動販売機から完成した商品を取り出すと、食器搬送ボックス3aは再び移動を開始し、食器供給装置2の真下まで移動し後停止して、食器10を食器搬送ボックス3a内に取り込むまでの間、停止を継続する。
4は調理保温装置であり、調理保温装置4は正面に、麺を収納するときに開閉する断熱内扉4aと底部に落下口4bと落下口4bを塞ぐ自動扉401と加熱装置(図示省略)と調理時間設定器(図示省略)と保温温度設定器(図示省略)を備え、内部には麺を収納するための食品供給装置6と落下誘導具7と湿度調整機(図示省略)を収設する。
底部に設けられた落下口4bは食器10上面と同じ円形となし、内部に収設されている食品供給装置6の落下口604(6図参照)の真下になるよう配置し、自動扉401は真下に食器搬送ボックス3aが停止している状態で、客が販売指令を与えると開き、内部の麺が調理保温装置4の落下口4bを通して装置外に落下した直後に閉じる。
また、加熱装置(図示省略)は麺を調理保温装置4内に収めると作動し、当初、麺の温度を88〜100℃に上昇させた後、この温度を1〜15分間のうち調理時間設定器(図示省略)により指定した時間あいだ加熱して、収納された多数の麺を一括して加熱調理し、加熱調理後は温度を切り下げて40〜70℃のうち、保温温度設定器(図示省略)により指定した温度で保温する。
なお、指定した保温温度に達するまでは自動販売機は客の販売指令に応じないよう構成する。
「茹で麺」は当初の加熱調理(88〜100℃)によって老化(β化)している澱粉が完全にα化され、また、同時に殺菌される。また、内部の温度を40〜70℃に下げて保温することによって、麺澱粉のα化された状態、及び、麺の無菌状態が維持され、また、麺の「こし」の喪失、水分の蒸発等が防止されて、麺の食味は長期に保存される。
5は冷蔵庫であり、冷蔵庫5は正面に具12を収納する際に開閉する断熱内扉5aと底部に落下口5bと落下口5bを塞ぐ自動扉501を備え、内部に具12を収納する食品供給装置6と落下誘導具7を収設する。
底部に設けられた落下口5bは食器上面と同じ円形となし、内部に収設された食品供給装置6の落下口604(6図参照)の真下に配置する。
また、自動扉501は食器搬送ボックス3aが落下口5bの真下に停止すると同時に開き、庫内の具12が落下日5bを通して庫外に落下した直後に閉じる。
さらに、冷蔵庫5は自動販売機の電源が入っている間は常時作動する。
6は食品供給装置であり、食品供給装置6は密閉容器6aと回転翼6b(5図参照)と回転装置(図示省略)を備え、調理保温装置4内に収設された食品供給装置6には麺を、冷蔵庫5内に収設された食品供給装置6には具を収納する。
7は落下誘導具であり、落下誘導具7は上端は密閉容器6aの落下口604(6図参照)と同じ扇形となし、下端は調理保温装置4の落下口4bや冷蔵庫5の落下口5bと同じ筒状物体で、上端は食品供給装置6の最下段の密閉容器6aに設けられている落下口604(6図参照)に接し、下端は調理保温装置4の落下口4bや冷蔵庫5の落下口5bに接するよう配置して、食品供給装置6から落下してくる麺や具を装置内に散乱することなく落下口4b・5bを通して、外部に誘導する。
8は給スープ装置であり、給スープ装置8はスープ・タンク8aと定量バルブ8bとスープ・ノズル8cと加熱装置(図示省略)と保温温度設定器(図示省略)を備え、スープ・タンク8a内にスープを注入すると、加熱装置(図示省略)が作動してスープ・タンク8a内を加熱し、スープ13の温度を一旦75℃以上にして2分間加熱殺菌した後、40〜100℃の温度範囲のうち保温温度設定器(図示省略)に設定した温度で保温する。
また、保温されているスープは定量バルブ8bを通して一定量が、冷蔵庫5の下で具の充填を終えた直後の食器10内にスープ・ノズル8cから注入して、自動販売機は一切の調理工程を終了する。
なお、スープ13の温度が保温温度設定器(図示省略)に設定した保温温度になるまでは客の販売指令に対応出来ないよう構成する。
9は最上段の密閉容器6aにする蓋を、10は食器収納筒に収められた食器を、11は調理保温装置6内の密閉容器6aに収納された麺を、12は冷蔵庫5の密閉容器6aに収納された具を、13はスープ・タンク8a内のスープを示す。
次に各部材の詳細構造について説明する。
4図は食器搬送ボックス3aの斜視図であって、食器搬送ボックス3aは上面に食器受入口301を、正面に客が調理完了後に食器を取り出すための商品取出口302を、内部に2個の板バネよりなる食器ホルダー(図示省略)を備えている。
食器ホルダー(図示省略)は食器搬送ボックス3a内に取り付けられ、食器供給装置2から落下してくる食器を、2個の板バネの間に挟む形で受け、食器搬送ボックス3a内での食器の位置を固定する。
なお、このバネは正面方向に解放された状態で取り付けられており、客が商品を取り出すときの妨げとはならない。
5図は密閉容器6aを二段に積み重ね、密閉容器6aの内部に回転翼6bを収めたときの縦断正面図であって、602は回転防止突起、606は上段に積み重ねられた密閉容器6aの鍋底である。
以下、密閉容器6a及び回転翼6bの詳細構造を示す。
6図は密閉容器6aの平面図であって、601は取手、603は回転防止溝、604は落下口、605は軸受口、606は鍋底である。
密閉容器6aを積み重ねて回転装置(図示省略)上にセットすると、下から1段目の密閉容器6aの回転防止突起602(5図参照)は回転装置(図示省略)上に設けられた回転防止溝(図示省略)と勘合して回転装置(図示省略)上に固定され、また、2段目より上の段の回転防止突起602(5図参照)は全て下の段の密閉容器6aの回転防止溝603と勘合して、下の段の密閉容器6aに固定される。このような状態で、内部の回転翼6bが上下一斉に回転しても、これに連動して密閉容器6aが回転することはない。
また、密閉容器6aを回転装置(図示省略)上に積み重ねた場合、密閉容器6aの落下口604の位置は上下段それぞれ固有の位置に配置する。すなわち、最下段の密閉容器6aの落下口604は調理保温装置4の落下口4bや冷蔵庫5の落下口5bの真上にあたる位置に配置し、以下、密閉容器6aが1段上がるごとに落下口604の位置は下の段の落下口604の位置より、回転翼6bの回転方向に1食品収納室分だけ、ずれた位置に配置(位置関係の図示省略)する。この位置関係は調理保温装置4内の食品供給装置6と冷蔵庫5内の食品供給装置6についても同じである。
7図は回転翼6bの一つの底板611が下方に開き、他の底板611が水平位置にあるときの縦断正面図であって、607は回転軸、608は回転突起、609は連結口、610は羽根、611は底板、612は蝶番である。
底板611は羽根610の底部に蝶番612により取り付けられており、常時は密閉容器6aの鍋底606に支えられて水平位置にあるが、回転の終期において落下口604と重なる位置に来ると、自重によって垂れ下がり、上に載せた食品を容器外に落下させる。
また、落下口604の位置にあった底板611は落下口604の縁に押し上げられて、回転の初期において水平位置に戻って食品収納室(図示省略)を形成し、上段の密閉容器6aの落下口604から回転の終期において落下してくる食品(麺や具)を底板611の上に受ける。
さらに、底板611は上に食品を載せて密閉容器6a内を回転するので、密閉容器6aの鍋底と食品の間に起きる摩擦を防止する役割も果たす。
8図は回転翼6bの全ての底板が水平位置にあるときの平面図であって、607は回転軸、608は回転突起、610は羽根、611は底板である。
底板611が水平位置にあるとき、2枚の隣接する羽根610と、底板611の上部と、密閉容器6aの内部側壁と、上段の密閉容器4の鍋底606に囲まれた部分に、1個の食品収納室(図示省略)を形成し、食品収納室(図示省略)が落下口604と重なる位置に来ると、底板611は自重により下方に開き食品通路(図示省略)に変わる、このとき室内にあった食品は落下口604より容器外に放出される。
9図は落下誘導具7の斜視図であって、上端は密閉容器6aの落下口604と同じ扇形の形状となし、下端は調理保温装置4や冷蔵庫5の落下口4b・5bと同じ円形となす。
また、落下誘導具7は調理保温装置4内と冷蔵庫5内に各1個を設置し、上端は食品供給装置6の落下口604に接し、下端は調理保温装置4の落下口4bや冷蔵庫5の落下口5bに接するよう配置して、食品供給装置から落下してくる麺や具を内部に散乱させることなく、それぞれの落下口4b・5bに誘導する。
湿度調整機(図示省略)は湿度測定器(図示省略)と加湿器(図示省略)を備え、調理保温装置4内に設置する。湿度測定器(図示省略)は密閉容器6a内と調理保温装置4内の相対湿度差を測定し、加湿器(図示省略)により調理保温装置4内の湿度を調整して、両者の相対湿度差を3%以下とするよう構成する。
(3)自動販売機の作動手順
a、販売準備間の作動
食器供給装置2に食器10を、調理保温装置4内の食品供給装置6に「茹で麺」11を、冷蔵庫5の食品供給装置6に具12を、給スープ装置8にスープ13をそれぞれ収納すると、自動販売機の上記各装置は販売準備を開始し、食器供給装置2は食器1個を切り出して食器供給装置2の真下に落下させ、食器搬送装置3は切り出された食器10を食器搬送ボックス3a内に取り込み、食器供給装置2の真下から調理保温装置4の底部に設けられた落下口4bの真下まで搬送して待機する。また、調理保温装置4は内部に収められた多数の麺11を88〜100℃に上昇させて、1〜15分間のうち時間設定器(図示省略)により指定した時間の間、一括して加熱調理した後、内部の温度を下げて40〜70℃のうち保温温度設定器(図示省略)により指定した温度で保温する。
さらに、給スープ装置8はスープ・タンク8a内のスープ13を一旦75℃以上で2分間加熱殺菌した後、40〜100℃の温度範囲のうち温度設定器(図示省略)により指定した温度で保温する。
この際、各装置が販売準備を行っている間は、自動販売機は客の販売指令に応じることは出来ない。
b、販売待機態勢への切り替え
各装置が販売準備を完了した後、自動販売機は販売待機態勢に切り替わり、初めて客の販売指令に応じて販売を開始することが出来る。
c、販売実施時の作動
客が自動販売機に所定の金銭を投入して販売指令を与えると、調理保温装置4の自動扉401が開き、続いて内部の食品供給装置6から麺11が落下し、調理保温装置4の底部に設けられた落下口4bを通して、下で待機中の食器搬送ボックス3a内の食器10の中に取り込まれる。食器10に麺11が取り込まれると、食器搬送ボックス3aは移動を開始し、冷蔵庫5の落下口5aの真下で停止する。この停止間に冷蔵庫5から落下する具が食器内に取り込まれ、次いで、給スープ装置8から定量のスープ13がスープ・ノズル8cより食器10内に注入されて一連の調理工程を完了し、客が商品を取り出すまでの間、冷蔵庫5の落下口5a真下での停止を継続する。
なお、調理保温装置4の自動扉401と冷蔵庫5の自動扉501は各落下口4b・5bの真下に食器搬送ボックス3aが停止すると開き、食品が落下口4b・5bを通過した直後に閉鎖する。
d、販売待機態勢への復帰
客がキャビネット1に設けられた商品取出扉102を開いて商品を取り出すと、食器搬送ボックス3aは冷蔵庫5の真下から食器供給装置2の真下へ移動して停止し、食器切出機2bから切り出される食器1個を内部に取り込むと、調理保温装置4の落下口4bの真下へと再び移動して待機し、自動販売機は再び販売待機態勢へ復帰する。
(1)製造直後、2℃の冷蔵庫で1日間保管した「茹で中華麺」100食を密閉容器に入れて機内の調理保温装置に収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を88℃に上昇させて1分間加熱し、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱する調理方法を採用し、「茹で麺」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を改善すると共に、同時に、麺の殺菌を行うよう図った。
(2)「茹で中華麺」に(1)の加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温装置の温度を50℃に下げて、「茹で中華麺」を密閉容器中に7日間保存し、この保存間に、麺の温度を35℃以上に維持することによって麺澱粉の再度の老化(β化)を防止し、また、麺の温度を75℃以下に下げることによって麺の「こし」の喪失を防止し、さらに、麺を密閉容器中に保管することによって水分蒸発による麺の硬化を防止すると共に、無菌状態を維持して、「茹で中華屠」の調理直後の食味を長期(1週間)にわたり保存するよう図った。
なお、麺を保存している間は、自動販売機の稼働時と同じ状況とするため、調理保温装置の自動扉は1日1時間ごと10回の割で20秒間開放した。
(3)調理保温装置内に温度の変化に対応して湿度を変化させる湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を防止する補助手段を講じた。
実験結果
(1)本発明による自動調理方法により冷蔵の「茹で中華麺」を調理し、試食試験を行い次の結果を得た。
a、試験内容:次の二つの資料を作り20名に試食させ、食味の優劣を「著しく良好」、「良好」、「変化なし」の三段階に分けて評価させ00た。
資料1:製造直後に2℃の冷蔵庫で1日間保存した「茹で中華麺」を食器に入れ、95℃の熱湯を満たし20秒後に湯切りして、95℃の出し汁をかけたラーメン。
(調理工程は特許文献1と同一の構造を持つ市販自動販売機の調理方法と同じ)
資料2:製造直後に2℃の冷蔵庫で1日間保存した「茹で中華麺」を密閉容器に入れ、88℃で1分間加熱した後、保温温度を50℃とし、調理保温装置の自動扉を1日1時間ごと10回の割で15秒間開閉しながら7日間保温し、これに50℃の出し汁をかけたラーメン。
b、試験結果:20名全員が資料2を選び、17名が「著しく良好」、3名が「良好」と評価し、「変化なし」と評価したものは0名であった。
c、考察:資料1の調理方法では、95℃の出し汁をかけた直後の麺の温度が65℃に止まり、麺の老化(β化)した澱粉をα化出来なかったのが食味の悪い原因となったが、本発明による資料2の調理方法では、調理後における食味の改善及び保存間における食味の保存状態も良好であであることが確認された。
(2)多数の「茹で中華麺」を密閉容器に入れて調理保温装置内に収納して加熱するため、自動販売機内の小スペースでも、多数の「茹で中華麺」(100食)を一括して加熱調理すること出来るようになって、販売準備間に十分な時間をかけて加熱調理を行えるようになり、「茹で中華麺」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を回復すると共に、麺の殺菌も十分行えるようになった。
(3)「茹で中華麺」は当初の加熱調理(88℃)に引き続いて、密閉容器内で調理保温温度を50℃に下げて保温することにより、次の条件が整い食味を長期(約1週間)に保存することが出来るようになった。
a、「茹で中華麺」の澱粉はα化された後、 88℃以上で加熱を続けると麺の「こし」が失われ、やがては、麺は糊状となる特性を持つが、75℃以下に温度を下げることによって麺の「こし」の喪失や糊状となる変質を防止できる。
b、麺の保温温度が35℃以上に保たれているため、「茹で中華麺」の澱粉は殆ど老化(β化)しなくなり、α化された状態を保つ。
c、麺の保温温度が40℃以上であるため、カビや細菌は増殖できないので、当初の加熱調理による殺菌と相まって、麺は無菌状態を維持し、衛生上の安全が確保される。
d、「茹で中華麺」は密閉容器中にあるため水分の蒸発が防止され、当初の水分を維持する。
(4)(2)項の販売準備間における澱粉の完全α化と(3)項の食味の長期保存が可能となったため、販売時の加熱調理が省略出来るようになり、販売時間を20秒に短縮することが出来た。
(5)調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にしたため、密閉容器には内部の麺の水分蒸発を防止するための高い機密度を必要としなくなり、簡単な密閉容器で水分の蒸発防止を長期に行えるようになった。
比較例ー1
(1)製造直後、2℃の冷蔵庫で1日間保管した「茹で中華麺」100食を密閉容器に入れて機内の調理保温装置に収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を70℃に上昇させて1分間加熱し、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱する調理方法を採用し、「茹で中華麺」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を改善すると共に、同時に、麺の殺菌を行うよう図った。
(2)「茹で中華麺」に(1)の加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温装置の温度を30℃に下げて、「茹で中華麺」を密閉容器中に7日間保存し、「茹で中華麺」の調理直後の食味を長期(1週間)にわたり保存するよう図った。
なお、麺を保存している間は、自動販売機の稼働時と同じ状況とするため、調理保温装置の自動扉は1日1時間ごと10回の割で20秒間開放した。
(3)調理保温装置内に温度の変化に対応して湿度を変化させる湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を18%にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を防止する補助手段を講じた。
実施結果
(1)「茹で中華麺」は加熱温度が88℃に達しないため、老化(β化)している澱粉がα化されず、加熱調理直後においては食味を回復することが出来なっかた。
(2)「茹で中華麺」は密閉容器中に30℃で保管したが、40℃以下のため一部に腐敗したものが認められ、また、他の腐敗のない麺では澱粉の老化(β化)と乾燥による硬化が進んで食味を長期(1週間)に保存することは出来なかった。
なお、腐敗の原因は調理保温装置の自動扉の開閉に伴い、密閉容器中に外部がら雑菌が進入増殖したものと推察される。
(3)1項の販売準備間の調理で食味の改善が出来ず、また、2項の食味の長期保存が出来なかったため、販売時の工程から麺の加熱調理工程を除いて、販売時間を短縮しようとする試みは実現できなかった。
(4)調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を18%にしたため、密閉容器は内部の麺の水分蒸発を防止することが出来なかった。
(1)製造直後、2℃の冷蔵庫で3日間保管した「茹でうどん」100食を密閉容器に入れて機内の調理保温装置に収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を88℃に上昇させて5分間加熱し、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱する調理方法を採用し、「茹でうどん」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を改善すると共に、同時に、麺の殺菌を行うよう図った。
(2)「茹でうどん」に(1)の加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温装置の温度を60℃に下げて、「茹でうどん」を密閉容器中に7日間保存し、この保存間に、麺の温度を35℃以上に維持することによって麺澱粉の再度の老化(β化)を防止し、また、麺の温度を75℃以下に下げることによって麺の「こし」の喪失を防止し、さらに、麺を密閉容器中に保管することによって水分蒸発による麺の硬化を防止すると共に、無菌状態を維持して、「茹でうどん」の調理直後の食味を長期(1週間)にわたり保存するよう図った。
なお、麺を保存している間は、自動販売機の稼働時と同じ状況とするため、調理保温装置の自動扉は1日1時間ごと10回の割で20秒間開放した。
(3)調理保温装置内に温度の変化に対応して湿度を変化させる湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を防止する補助手段を講じた。
実験結果
(1)本発明による自動調理方法により冷蔵の「茹でうどん」を調理し、試食試験を行い次の結果を得た。
a、試験内容:次の二つの資料を作り20名に試食させ、食味の優劣を「著しく良好」、「良好」、「変化なし」の三段階に分けて評価させた。
資料1:製造直後に2℃の冷蔵庫で3日間保存した「茹でうどん」を食器に入れ、95℃の熱湯を満たし20秒後に湯切りして、95℃の出し汁をかけた素うどん。
(調理工程は特許文献1と同一の構造を持つ市販自動販売機の調理方法と同じ)
資料2:製造直後に2℃の冷蔵庫で3日間保存した「茹でうどん」を密閉容器に入れ、88℃で5分間加熱した後、保温温度を60℃とし、調理保温装置の自動扉を1日1時間ごと10回の割で15秒間開閉しながら7日間保温し、これに60℃の出し汁をかけた素うどん。
b、試験結果:20名全員が資料2を選び「著しく良好」と評価した。
c、考察:資料1の調理方法では、95℃の出し汁をかけた直後の麺の温度が65℃に止まり、麺の老化(β化)した澱粉をα化出来なかったのが食味の悪い原因となったが、本発明による資料2の調理方法では、調理後における食味の改善及び保存間における食味の保存状態も良好であであることが確認された。
(2)多数の「茹でうどん」を密閉容器に入れて調理保温装置内に収納して加熱するため、自動販売機内の小スペースでも、多数の「茹でうどん」(100食)を一括して加熱調理すること出来るようになって、販売準備間に十分な時間をかけて加熱調理を行えるようになり、「茹でうどん」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を回復すると共に、麺の殺菌も十分行えるようになった。
(3)「茹でうどん」は当初の加熱調理(88℃)に引き続いて、密閉容器内で調理保温温度を60℃に下げて保温することにより、次の条件が整い食味を長期(約1週間)に保存することが出来るようになった。
a、「茹でうどん」の澱粉はα化された後、88℃以上で加熱を続けると麺の「こし」が失われ、やがては、麺は糊状となる特性を持つが、75℃以下に温度を下げることによって麺の「こし」の喪失や糊状となる変質を防止できる。
b、麺の保温温度が35℃以上に保たれているため、「茹でうどん」の澱粉は殆ど老化(β化)しなくなり、α化された状態を保つ。
c、麺の保温温度が40℃以上であるため、カビや細菌は増殖できないので、当初の加熱調理による殺菌と相まって、麺は無菌状態を維持し、衛生上の安全が確保される。
d、「茹でうどん」は密閉容器中にあるため水分の蒸発が防止され、当初の水分を維持する。
(4)(2)項の販売準備間における澱粉の完全α化と(3)項の食味の長期保存が可能となったため、販売時の加熱調理が省略出来るようになり、販売時間を20秒に短縮することが出来た。
(5)調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にしたため、密閉容器には内部の麺の水分蒸発を防止するための高い機密度を必要としなくなり、簡単な密閉容器で水分の蒸発防止を長期に行えるようになった。
比較例ー2
(1)製造直後、2℃の冷蔵庫で3日間保管した「茹でうどん」100食を密閉容器に入れて機内の調理保温装置に収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を75℃に上昇させて5分間加熱し、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱する調理方法を採用し、「茹でうどん」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を改善すると共に、同時に、麺の殺菌を行うよう図った。
(2)「茹でうどん」に(1)の加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温装置の温度を35℃に下げて、「茹でうどん」を密閉容器中に7日間保存し、「茹でうどん」の調理直後の食味を長期(1週間)にわたり保存するよう図った。
なお、麺を保存している間は、自動販売機の稼働時と同じ状況とするため、調理保温装置の自動扉は1日1時間ごと10回の割で20秒間開放した。
(3)調理保温装置内に温度の変化に対応して湿度を変化させる湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を13%にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を防止する補助手段を講じた。
実施結果
(1)「茹でうどん」は加熱温度が88℃に達しないため、老化(β化)している澱粉のα化速度が遅く、5分間の加熱ではα化不十分で、加熱調理直後の食味を十分回復することが出来なっかた。
(2)「茹でうどん」は密閉容器中に35℃で7日間保管したが、40℃以下のため一部に腐敗したものが認められ、また、他の腐敗しない麺では乾燥による硬化が進んで食味を長期(1週間)に保存することは出来なかった。
なお、腐敗の原因は調理保温装置の自動扉の開閉に伴い、密閉容器中に外部から雑菌が進入増殖したものと推察される。
(3)1項の販売準備間の加熱調理で食味の改善が出来ず、また、2項の食味の長期保存が出来なかったため、販売時の工程から麺の加熱調理工程を除いて、販売時間を短縮しようとする試みは実現できなかった。
(4)調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を13%以上にしたため、密閉容器は内部の麺の水分蒸発を防止することが出来ながった。
(1)製造直後、ー10℃で一ヶ月間冷凍保存した「茹でうどん」100食を密閉容器に入れて機内の調理保温装置に収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を88℃に上昇させて15分間加熱し、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱する調理方法を採用し、「茹でうどん」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を改善すると共に、同時に、麺の殺菌を行うよう図った。
(2)「茹でうどん」に(1)の加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温装置の温度を70℃に下げて、「茹でうどん」を密閉容器中に7日間保存し、この保存間に、麺の温度を35℃以上に維持することによって麺澱粉の再度の老化(β化)を防止し、また、麺の温度を75℃以下に下げることによって麺の「こし」の喪失を防止し、さらに、麺を密閉容器中に保管することによって水分蒸発による麺の硬化を防止すると共に、無菌状態を維持して、「茹でうどん」の調理直後の食味を長期(1週間)にわたり保存するよう図った。
なお、麺を保存している間は、自動販売機の稼働時と同じ状況とするため、調理保温装置の自動扉は1日1時間ごと10回の割で20秒間開放した。
(3)調理保温装置内に温度の変化に対応して湿度を変化させる湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を防止する補助手段を講じた。
実験結果
(1)本発明による自動調理方法により冷凍の「茹でうどん」を調理し、試食試験を行い次の結果を得た。
a、試験内容:次の二つの資料を作り20名に試食させ、食味の優劣を「著しく良好」、「良好」、「変化なし」の二段階に分けて評価させた。
資料1:製造直後にー10℃で1ヶ月間冷凍保存した「茹でうどん」を食器に入れ、95℃の熱湯を満たし20秒後に湯切りして、95℃の出し汁をかけた素うどん。
(調理工程は特許文献1と同一の構造を持つ市販自動販売機の調理方法と同じ)
資料2:製造直後にー10℃で1ヶ月間冷凍保存した「茹でうどん」を密閉容器に入れ、88℃で15分間加熱した後、保温温度を70℃とし、調理保温装置の自動扉を1日1時間ごと10回の割で15秒間開閉しながら7日間保温し、これに70℃の出し汁をかけた素うどん。
b、試験結果:20名全員が資料2を選び「著しく良好」と評価した。
c、考察: 資料1の調理方法では、95℃の出し汁をかけた直後の麺の温度が65℃に止まり、麺の老化(β化)した澱粉をα化出来なかったのが食味の悪い原因となったが、本発明による資料2の調理方法では、調理後における食味の改善及び保存間における食味の保存状態も良好であであることが確認された。
(2)多数の「茹でうどん」を密閉容器に入れて調理保温装置内に収納して加熱するため、自動販売機内の小スペースでも、多数の「茹でうどん」(100食)を一括して加熱調理すること出来るようになって、販売準備間に十分な時間をかけて加熱調理を行えるようになり、「茹でうどん」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を回復すると共に、麺の殺菌も十分行えるようになった。
(3)「茹でうどん」は当初の加熱調理(88℃)に引き続いて、密閉容器内で調理保温温度を70℃に下げて保温することにより、次の条件が整い食味を長期(約1週間)に保存することが出来るようになった。
a、「茹でうどん」の澱粉はα化された後、88℃以上で加熱を続けると麺の「こし」が失われ、やがては、麺は糊状となる特性を持つが、75以下℃に温度を下げることによって麺の「こし」の喪失や糊状となる変質を防止できる。
b、麺の保温温度が35℃以上に保たれているため、「茹でうどん」の澱粉は殆ど老化(β化)しなくなり、α化された状態を保つ。
c、麺の保温温度が40℃以上であるため、カビや細菌は増殖できないので、当初の加熱調理による殺菌と相まって、麺は無菌状態を維持し、衛生上の安全が確保される。
d、「茹でうどん」は密閉容器中にあるため水分の蒸発が防止され、当初の水分を維持する。
(4)(2)項の販売準備間における澱粉の完全α化と(3)項の食味の長期保存が可能となったため、販売時の加熱調理が省略出来るようになり、販売時間を20秒に短縮することが出来た。
(5)調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にしたため、密閉容器には内部の麺の水分蒸発を防止するための高い機密度を必要としなくなり、簡単な密閉容器で水分の蒸発防止を長期に行えるようになった。
比較例ー3
(1)製造直後、ー10℃で一ヶ月間冷凍保存した「茹でうどん」100食を密閉容器に入れて機内の調理保温装置に収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を80℃に上昇させて15分間加熱し、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱する調理方法を採用し、「茹でうどん」の老化(β化)している澱粉を完全にα化して食味を改善すると共に、同時に、麺の殺菌を行うよう図った。
(2)「茹でうどん」に(1)の加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温装置の温度を80℃のままにして、「茹でうどん」を密閉容器中に7日間保存し、「茹でうどん」の調理直後の食味を長期(1週間)にわたり保存するよう図った。
なお、麺を保存している間は、自動販売機の稼働時と同じ状況とするため、調理保温装置の自動扉は1日1時間ごと10回の割で20秒間開放した。
(3)調理保温装置内に温度の変化に対応して湿度を変化させる湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を8%にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を防止する補助手段を講じた。
実施結果
(1)「茹でうどん」は加熱温度が88℃に達しないため、老化(β化)している澱粉のα化速度が遅く、15分間の加熱ではα化不十分で、加熱調理直後の食味を十分回復することが出来なっかた。
(2)「茹でうどん」は密閉容器中に80℃で保管したが、一日後には麺の「こし」がなくなり、また、一週間後には麺の乾燥硬化が進んで食味を長期に保存することが出来なかった。
(3)1項の販売準備間の調理で食味の改善が出来ず、また、2項の食味の長期保存が出来なかったため、販売時の工程から麺の加熱調理工程を除いて、販売時間を短縮しようとする試みは実現できなかった。
(4)調理保温装置内に湿度調整機を設置して、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を8%以上にしたため、密閉容器は内部の麺の水分蒸発を防止することが出来なかった。
本発明による自動販売機のキャビネット扉1aを開放した状態を示す正面図 図1における食器供給装置2,食器搬送装置3,調理保温装置4,冷蔵庫5,食品供給装置6,給スープ装置8の配列を示す縦断平面図 図1における各装置の機内構成を示す縦断正面図 図1における食品搬送ボックス3aの斜視図 図1における密閉容器6aを二段に重ね、密閉容器6aの内部に回転翼6bを収めたときの縦断正面図 密閉容器6aの平面図 図5における回転翼6bの一つの底板611が下方に開き、他の全て底板611が水平位置にあるときの縦断正面図 回転翼6bの全て底板611が水平位置にあるときの平面図 図1における落下誘導具7の斜視図
符号の説明
1 キャビネット
1a キャビネット扉
101 商品取出口
102 商品取出扉
2 食器供給装置
2a 食器収納筒
2b 食器切出機
3 食器搬送装置
3a 食器搬送ボックス
3b 移動装置
301 食器受入口
302 商品取出口
4 調理保温装置
4a 断熱内扉
4b 落下口
401 自動扉
5 冷蔵庫
5a 断熱内扉
5b 落下口
501 自動扉
6 食品供給装置
6a 密閉容器
6b 回転翼
601 取手
602 回転防止突起
603 回転防止溝
604 落下口
605 軸受口
606 鍋底
607 回転軸
608 回転突起
609 連結口
610 羽根
611 底板
612 蝶番
7 落下誘導具
8 給スープ装置
8a スープ・タンク
8b 定量バルブ
8c スープ・ノズル
9 蓋
10 食器
11 麺
12 具
13 スープ

Claims (4)

  1. 冷凍または冷蔵した「茹で麺」を使用し、これを調理加工販売する、麺類の自動調理方法において、機内の調理保温装置に多数の「茹で麺」を密閉容器に入れて収納し、販売準備間に、調理保温装置により麺の温度を88〜100℃にして1〜15分間持続するよう加熱して、多数の麺を一括して密閉容器中で加熱調理し、「茹で麺」の老化(β)している澱粉を完全にα化すると同時に、麺の殺菌を行う段階と、加熱調理を行った後、引き続いて、調理保温温度を40〜70℃に下げて保存し無菌状態を維持するとともに、麺の澱粉のα化された状態を維持し、麺を前記高温(88〜100℃)で保存することによる「こし」の喪失や麺を密閉容器中に置くことにより水分の蒸発を防止して、調理直後の食味を保存する段階と、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にして、密閉容器中の麺から水分の蒸発を確実に防止する段階とからなることを特徴とする麺類の自動調理方法。
  2. 冷凍または冷蔵した「茹で麺」を使用し、これを調理加工販売する、麺類の自動調理装置において、多数の「茹で麺」を一括して収納できる密閉容器を備え、麺の温度を88〜100℃にして1〜15分間加熱調理した後、調理保温温度を40〜70℃に下げて保存する調理保温装置と、調理保温装置内と密閉容器内との相対湿度差を3%以下にする湿度調整機を調理保温装置内に設置したことを特徴とする麺類の自動調理装置。
  3. 麺類の自動調理装置はキャビネット内に食器供給装置と調理保温装置と冷蔵庫と給スープ装置を設置し、調理保温装置の内部には「茹で麺」の食品供給装置と落下誘導具と湿度調整機を設置し、また、冷蔵庫の内部には具の食品供給装置と落下誘導具を設置した請求項2記載の麺類の自動調理装置。
  4. 前記調理保温装置は全体が断熱構造となったボックスで、前面に麺を収納する際に開く断熱内扉と底部に落下口と落下口を塞ぐ自動扉と加熱装置と調理時間設定器と保温温度設定器を備え、内部には麺を収納する食品供給装置と落下誘導具と湿度調整期を収設するよう構成し、底部に設けられた落下口は食器上面と同じ円形となし、内部に収設されている食品供給装置の落下口から落下してくる麺をそのまま装置外に落下させる位置に配置し、自動扉は客が自動販売機に所定の金銭を投入して販売指令を与えると開き、内部の麺が調理保温装置の落下口を通して装置外に放出された直後に閉じるよう構成し、また、加熱装置は麺を調理保温装置内の食品供給装置に収納すると作動し、内部の麺の温度を88〜100℃に上昇させた後、この温度を1〜15分のうち調理時間設定器により指定した時間のあいだ加熱して、収納された多数の麺を一括して加熱調理し、加熱調理後は温度を下げて40〜70℃のうち保温温度設定器により指定した温度で保温するよう構成された請求項3記載の麺類の自動調理装置。
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