図1は、この発明にかかる実施例1の車両走行用支援システムを備える車両の概略構成例を示す図である。図2は、実施例1にかかる構造物形状推定装置および障害物検出装置を備える車両走行用支援システムの構成例を示す図である。図1および図2に示すように、この実施例1の車両走行用支援システム1−1は、自車両100に搭載されるものであり、制御装置2と、第1物体検出手段である前方ミリ波レーダ3と、第2物体検出手段である画像識別装置4と、エアバック装置5と、シートベルト装置6と、ステアリング装置7と、ブレーキ装置8などとにより構成されている。なお、この制御装置2には、ヨーレートセンサ91、Gセンサ92、車速センサ93、ブレーキセンサ94などの各種センサが接続されており、エンジン制御装置95が接続されている。この車両走行用支援システム1−1は、構造物形状推定装置、障害物検出装置を備えるものである。また、上記各種装置は、例えば自車両100から所定方向、この実施例1では自車両100の進行方向に存在する構造物から推定される推定道路形状、先行車両の有無、障害物の有無に応じて自車両100の走行を制御する自動走行制御、すなわちアダプティブクルーズコントロール(ACC)制御や、自車両100と障害物との接触、衝突時における衝撃軽減制御、すなわちプリクラッシュセーフティー(PCS)制御を行うのに必要な装置である。
制御装置2は、車両走行用支援システム1−1全体の制御を行うものである。この制御装置2は、少なくとも近傍領域設定部21と、構造物形状推定手段である構造物形状推定部22と、検出範囲設定部23と、障害物判定部24とを備える。近傍領域設定部21は、近傍領域設定手段であり、構造物形状推定装置の一部を構成するものである。この近傍領域設定部21は、前方ミリ波レーダ3により検出された物体の位置に基づいて、この実施例では、前方ミリ波レーダ3により検出された基準検出物体に基づいて算出された基準近似線に基づいて近似領域を設定するものである。構造物形状推定部22は、構造物形状推定手段であり、構造物形状推定装置の一部を構成するものである。この構造物形状推定部22は、前方ミリ波レーダ3により検出された物体の位置および近傍領域設定部21により設定された近似領域内の画像検出装置4により検出された物体の位置に基づいて構造物の形状を推定するものである。この実施例1では、前方ミリ波レーダ3により検出された基準検出物体および設定された近似領域内の画像検出装置4により検出された近傍検出静止物体に基づいて路側静止構造物の形状を推定し、この推定された路側静止物体の形状から道路形状を推定するものである。
また、検出範囲設定部23は、検出範囲設定手段であり、障害物検出装置の一部を構成するものである。この検出範囲設定部23は、障害物を検出する検出範囲を設定するものである。障害物判定部24は、障害物判定手段であり、障害物検出装置の一部を構成するものである。この障害物判定部24は、物体検出手段である少なくとも前方ミリ波レーダ3により検出された物体のうち、検出範囲設定部23により設定された検出範囲内で検出された物体を障害物として判定するものである。
この制御装置2には、各種データが入力される。例えば、前方ミリ波レーダ3が検出した物体の位置、画像検出装置が検出した物体の位置、ヨーレートセンサ91が検出した自車両100の自転速度、Gセンサ92が検出した自車両100の加速度、車速センサ93が検出した自車両の車速、ブレーキセンサ94が検出した自車両100を運転する図示しない運転者による制動意志などが入力される。一方、制御装置2は、上記入力された各種データや、図示しない記憶部に記憶されているマップなどに基づいて、上記各種装置に制御信号を出力する。例えば、エアバック装置5がエアバック52を作動させるエアバック制御信号、シートベルト装置6がシートベルト62を巻き取るシートベルト制御信号、ステアリング装置7がステアリング73を操作し、自車両100を操舵するステアリング制御信号、ブレーキ装置8がブレーキ83を動作させるブレーキ制御信号などがそれぞれ出力される。
ここで、制御装置2は、図示しない入出力ポート(I/O)と、処理部と、記憶部とにより構成されている。図示しない入出力ポートは、上記各種センサおよび上記各種装置と接続されており、各種センサから出力されたデータを制御装置2に入力し、この制御装置2から各種装置に制御信号をそれぞれ出力する物である。図示しない処理部は、RAM(Random Access Memory)およびCPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。この処理部は、自車両100から所定方向に存在する構造物の形状を推定する構造物形状推定方法、この実施例1では、自車両100の進行方向における路側静止構造物の形状を推定し、この推定された路側静止構造物の形状から道路形状を推定する方法や、自車両100の進行方向における障害物を検出する障害物検出方法、PCS、ACCなどに基づくプログラムを例えばRAMにロードして実行することにより、実現させるものである。また、図示しない記憶部は、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM、あるいはこれらの組み合わせなどにより構成されている。この実施例では、構造物形状推定方法および障害物検出方法を制御装置2により実現させるが、これに限定されるものではなく、この制御装置2とは個別に形成された制御装置により実現しても良い。
前方ミリ波レーダ3は、第1物体検出手段であり、構造物形状推定装置および障害物検出装置の一部を構成するものである。この前方ミリ波レーダ3は、自車両100から所定方向、この実施例では進行方向に存在する物体の位置を検出するものである。この前方ミリ波レーダ3は、ミリ波を用いた検出方法により物体の位置を検出し、この検出された物体の位置が制御装置2に出力される。前方ミリ波レーダ3は、自車両100の前面部の中央部、例えばフロントグリル内に取り付けられている。この前方ミリ波レーダ3は、例えば遠距離狭角DBF方式に近距離降格モノパルス方式を追加した狭角広角切り替え型ミリ波レーザである。ここで、前方ミリ波レーダ3は、ミリ波を利用して物体の位置を検出するレーダである。前方ミリ波レーダ3は、ミリ波を出射、この実施例1では自車両100の前面から進行方向のM1の範囲で出射し、自車両100の進行方向に存在する物体により反射したミリ波を受信するものである。そして、前方ミリ波レーダ3は、出射から受信までの時間を計測することによって、前方ミリ波レーダから物体までの距離、この実施例1では自車両100から進行方向に存在する物体までの距離を算出する。また、前方ミリ波レーダ3は、ドップラー効果を用いることで物体との相対速度を算出することができる。また、前方ミリ波レーダ3は、受信したミリ波のうち最も強く反射して受信されたミリ波の方向を検出し、その方向から自車両100の進行方向と物体の方向とのなす角度を算出する。従って、前方ミリ波レーダ3により物体の位置が検出された場合には、制御装置2には、その物体までの距離、相対速度、角度が検出された物体の位置データとして入力されることとなる。なお、前方ミリ波レーダ3により、物体に反射したミリ波を受信できた場合に、物体の位置を検出したことになるので、物体に反射したミリ波を受信するごとに1個の物体の位置が得られることとなる。また、この実施例における前方ミリ波レーダ3では、ミリ波を出射、受信、物体までの距離、相対速度、角度を算出する構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、前方ミリ波レーダ3では、ミリ波の出射、受信のみを行い、この受信したミリ波に基づく検出値を制御装置2に出力し、この制御装置2において物体までの距離、相対速度、角度を算出しても良い。
画像検出装置4は、第2物体検出手段であり、構造物形状推定装置の一部を構成するものである。なお、障害物検出装置の一部を構成しても良い。この画像検出装置4は、上記第1物体検出手段であり前方ミリ波レーダ3とは異なる検出方法、すなわちミリ波とは異なる検出方法により、自車両100から所定方向、この実施例では進行方向に存在する物体の位置を検出するものである。また、画像検出装置4は、前方ミリ波レーダ3と比較して検出精度が低い、すなわち検出された物体の位置の精度が低いものである。ここで、画像検出装置4は、画像データを利用して物体の位置を検出するものである。画像検出装置4は、ステレオカメラ41と、画像処理装置42とにより構成されている。
ステレオカメラ41は、図示しない2台のCCDカメラから構成されている。この2台のCCDカメラは、水平方向に十数cm程度の離間している。このステレオカメラ41は、自車両100の前面部の中央部、例えば車室のフロントガラス近傍に取り付けられている。ステレオカメラ41は、この実施例1では自車両100の前面から進行方向のM2の範囲を撮像し、各画像データを生成し、画像処理装置42に出力する。
画像処理装置42は、上記ステレオカメラ41から出力された各画像データから構造物における物体を特定し、物体の位置を算出するものである。この画像処理装置42は、2つの画像データにおける物体の位置のずれを用いて三角測量に準じた方法により、ステレオカメラ41から物体までの距離、この実施例1では自車両100から進行方向に存在する物体まで距離を算出する。また、画像処理装置42は、上記算出された距離の時間変化から物体との相対速度を算出することができる。また、画像処理装置42では、特定した物体の両端部を検出し、自車両100の進行方向とこの両端部の方向とのなす角度を算出し、自車両100の進行方向と物体の方向とのなす角度を算出する。従って、画像検出装置4により物体の位置が検出された場合は、制御装置2には、その物体までの距離、相対速度、角度が検出された物体の位置データとして入力されることとなる。なお、画像検出装置4により、2つの画像データから物体を特定できた場合には、物体を検出したことになるので、物体を特定するごとに1個の物体の位置が得られることとなる。なお、画像処理装置42は、ステレオカメラ41に一体に設けられていても良いし、制御装置2の機能としてこの制御装置2内に構成されていても良い。
エアバック装置5は、自車両100と障害物との衝突時に、運転者を含む搭乗者の衝撃を軽減するものである。このエアバック装置5は、エアバック制御装置51と、エアバック52とにより構成されている。エアバック制御装置51は、このエアバック制御装置51に接続されたエアバック52の作動を制御するものである。このエアバック制御装置51は、制御装置2からのエアバック制御信号によって、エアバック52を作動させる。エアバック52は、搭乗者と車室内の物、この実施例1ではステアリング73および図示しないダッシュボードとの間に配置されるものである。このエアバック52は、エアバック制御装置51により作動すると、瞬時に膨張し、搭乗者が車室内の物と衝突することを抑制し、衝撃を軽減するものである。
シートベルト装置6は、自車両100と障害物との衝突時に、運転者を含む搭乗者を座席に拘束し、搭乗者の衝撃を軽減するものである。このシートベルト装置6は、シートベルト制御装置61と、シートベルト巻取モータ62と、シートベルト63とにより構成されている。シートベルト制御装置61は、このシートベルト制御装置61に接続されたシートベルト巻取モータ62の作動を制御するものである。このシートベルト制御装置61は、制御装置2からのシートベルト制御信号によって、シートベルト巻取モータ62を作動させる。シートベルト巻取モータ62は、図示しないバックルに係止されたシートベルト63を巻き取るものである。シートベルト63は、搭乗者を座席に保持するものであり、各座席と対になるように配置されている。この実施例では、シートベルト巻取モータ62により巻き取られることができるのは、運転席および助手席に配置されたシーベルト63である。このシートベルト63は、シートベルト制御装置61によりシートベルト巻取モータ62が作動すると、巻き取りが開始され、このシートベルト63により搭乗者が座席に拘束され、この搭乗者が車室内の物と衝突することを抑制し、衝撃を軽減するものである。
ステアリング装置7は、自車両100の操舵を行うものである。このステアリング装置7は、ステアリング制御装置71と、アシストモータ72と、ステアリング73とにより構成されている。ステアリング制御装置71は、操舵系の作動を制御、例えばステアリング制御装置71に接続されたアシストモータ72の作動を制御するものである。また、このステアリング制御装置71は、運転者によるステアリング73の操作に基づいてこのアシストモータ72を作動させるものである。また、ステアリング制御装置71は、制御装置2からのステアリング制御信号によっても、アシストモータ72を作動させることができる。アシストモータ72は、ステアリング73を回転させることで、操舵力を操舵系に付与するものである。ステアリング73は、図示しない運転席の前方に回転自在に支持されており、運転者により回転され、操舵系に操舵力が付与されるものである。ここで、ステアリング装置7は、運転者がステアリング73を操作すると、アシストモータ72がステアリング制御装置71により作動され、操舵系に操舵力が付与され、運転者による自車両100の操舵の補助を行う。また、ステアリング装置7は、運転者がステアリング73を操作しなくても、制御装置2からのステアリング制御信号によって、アシストモータ72がステアリング制御装置71により作動され、操舵系に操舵力が付与され、自車両100の自動操舵を行うことができる。
ブレーキ装置8は、自車両100の制動を行うものである。このブレーキ装置8は、ブレーキ制御装置81と、ブレーキアクチュエータ82と、ブレーキ83とにより構成されている。ブレーキ制御装置81は、制動系の作動を制御、例えばブレーキ制御装置81に接続されたブレーキアクチュエータ82の作動を制御するものである。また、このブレーキ制御装置81は、運転者による図示しないブレーキペダルの踏み込み量と自車両100の走行状態に基づいてブレーキアクチュエータ82を作動させるものである。また、ブレーキ制御装置81は、制御装置2からのブレーキ制御信号によっても、ブレーキアクチュエータ82を作動させることができる。ブレーキアクチュエータ82は、油圧で作動するブレーキ83への油の供給を制御するものである。ブレーキ83は、ブレーキアクチュエータ82によって制御された油圧に基づいて、自車両100に制動力を付与するものである。図示しない自車両100の各車輪と対になるように配置されている。このブレーキ83は、例えばディスクブレーキあるいはドラムブレーキなどの油圧によって作動する油圧ブレーキである。ここで、ブレーキ装置8は、運転者がブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキアクチュエータ82がブレーキ制御装置81により作動され、ブレーキ83に油圧が付与され、運転者による自車両100の制動の補助を行う。また、ブレーキ装置8は、運転者がブレーキペダルを踏み込まなくても、制御装置2からのブレーキ制御信号によって、ブレーキアクチュエータ82がブレーキ制御装置81により作動され、ブレーキ83に油圧が付与され、自車両100の制動を行うことができる。
なお、画像処理装置42,エアバック制御装置51、シートベルト制御装置61、ステアリング制御装置71、ブレーキ制御装置81は、上記制御装置2と同様に、図示しない入出力ポート、処理部、記憶部などにより構成されている。
また、ヨーレートセンサ91は、自車両100の自転速度を検出するものである。Gセンサ92は、自車両100の加速度を検出するものである。車速センサ93は、車速検出手段であり、構造物形状推定装置の一部を構成するものである。この車速センサ93は、自車両100の車速を検出するものである。ブレーキセンサ94は、図示しない運転者により図示しないブレーキペダルが踏み込まれたか、すなわち運転者に制動意志があるか否かを検出するものである。エンジン制御装置95は、図示しないエンジンの運転制御や変速機97の変速制御を行うものである。スロットル96は、エンジンに吸気される吸入空気量を制御するものである。変速機97は、エンジンの出力を図示しない各車輪に伝達するものである。この変速機97は、エンジンと、各車輪との変速比を変更することができる。
次に、実施例1にかかる構造物形状推定装置を用いた構造物形状推定方法について説明する。図3および図4は、実施例1にかかる構造物形状推定装置の動作フロー図である。図5は、構造物形状推定方法の説明図である。図6は、算出された基準近似線BCを示す図である。図7は、実施例1にかかる構造物形状推定装置の動作フロー図である。図8は、近傍範囲IXと自車両から基準検出静止物体までの距離との関係を示す図である。図9は、拡大係数γと基準検出静止物体どうしの距離との関係を示す図である。図10は、設定された近傍領域Pを示す図である。図11および図12は、構造物形状推定方法の説明図である。図13は、算出された近似線Cを示す図である。ここで、自車両100は、図5および図11に示すように、直線路SLの後カーブ路CLとなる道路Lの直線路SLを走行しているものとする。また、この自車両100の進行方向には、例えば先行車両200などの移動構造物や、左側ガードレール300および右側ガードレール400など路側静止構造物が存在するものとする。この左側ガードレール300は、直線路SLにおける直線路左側ガードレール310とカーブ路CLにおけるカーブ路左側ガードレール320とにより構成される。また、この右側ガードレール400は、直線路SLにおける直線路右側ガードレール410とカーブ路CLにおけるカーブ路右側ガードレール420とにより構成される。
まず、図3に示すように、制御装置2の構造物形状推定部22は、前方ミリ波レーダ3により検出された検出静止物体に基づいて基準近似線BCを算出する(ステップST1)。ここでは、図4に示すように、まず、構造物形状推定部22は、物体が検出されたか否かを判定する(ステップST101)。ここでは、構造物形状推定部22は、前方ミリ波レーダ3により自車両100の進行方向に存在する物体の位置が検出された否かを判定する。前方ミリ波レーダ3からミリ波が出射され、この出射されたミリ波は、このミリ波照射範囲M1内に位置する移動構造物や路側静止構造物などの複数の構造物によって反射される。このとき、反射したミリ波を前方ミリ波レーダ3が受信することで、物体、すなわち自車両100の進行方向に存在する複数の構造物においてミリ波を反射した部分を検出する。つまり、前方ミリ波レーダ3により物体が検出された場合、制御装置2に検出された物体の位置データが出力されるので、構造物形状推定部22は、この制御装置2に入力された物体の位置データを取得できたか否か判定すれば良い。図5における状況では、ミリ波照射範囲M1内に位置する路側静止構造物である両側ガードレール300,400の反射板などや、移動構造物である先行車両200のテール部がこの検出された物体(同図に示す白い丸部分)となる。ここでは、直線路左側ガードレール310においてミリ波を反射した部分を検出静止物体311FLとし、カーブ路左側ガードレール320においてミリ波を反射した部分を検出静止物体321FLとし、直線路右側ガードレール410においてミリ波を反射した部分を検出静止物体411FLとし、カーブ路右側ガードレール420においてミリ波を反射した部分を検出静止物体421FLとする。また、先行車両200においてミリ波を反射した部分を検出移動物体201とする。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図4に示すように、物体が検出されたと判定すると、この検出された物体のうち検出静止物体があるか否かを判定する(ステップST102)。ここでは、構造物形状推定部22は、例えば、検出された物体の位置データの相対速度と、自車両100の車速とから、検出された物体が静止している物体であるか否かを判定すれば良い。図5における状況では、検出静止物体311FL,321FL,411FL,421FLがあるので、検出静止物体があると判定される。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図4に示すように、検出された物体の中から検出静止物体があると判定すると、検出静止物体のうち、隣り合う検出静止物体において、自車両100の進行方向における距離差DTHZが所定値DTHZ1以下で、かつ自車両100の進行方向と直交する方向、すなわち幅方向における距離差DTHXが所定値DTHX1以下の検出静止物体を選択する(ステップST103)。ここで、この所定進行方向距離差DTHZ1は、両側ガードレール300,400にほぼ等間隔に設置される反射板どうしの自車両100の進行方向における間隔程度にすることが好ましい。また、所定幅方向距離差DTHX1は、両側ガードレール300,400にほぼ等間隔に設置される反射板どうしの自車両100の幅方向における間隔程度にすることが好ましい。図5における状況では、検出静止物体311FL,321FLが一つの集合として選択され、検出静止物体411FL,421FLが1つの集合として選択される。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図4に示すように、選択された検出静止物体数が所定個数N以上であるか否かを判定する(ステップST104)。ここで、所定個数Nとは、少なくとも3以上であることが好ましい。図5における状況では、1つの集合である検出静止物体311FL,321FLの総数および一つの集合である411FL,421FLの総数がそれぞれ所定個数N以上であるか否かを判定する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図4に示すように、選択された検出静止物体数が所定個数N以上であると判定すると、この選択された検出静止物体を接続する(ステップST105)。ここでは、選択された検出静止物体数が所定個数N以上である集合における検出静止物体を互いに接続、すなわちグループ化を行い、グループ化された検出静止物体を路側静止構造物を構成する静止物体に対応するものとする。図5における状況では、検出静止物体311FL,321FLを基準第1検出静止物体群330としてグループ化し、および検出静止物体411FL,421FLを基準第2検出静止物体群430としてグループ化する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、上記接続した検出静止物体から基準近似線BCを算出する(ステップST106)。例えば、図5に示す状況において基準第1検出静止物体群330から基準近似線BCを算出する場合は、図6に示すように、基準第1検出静止物体群330の検出静止物体321FL,311FLから基準近似線BCを算出する。また、基準第2検出静止物体群430から近似線Cを算出する場合は、この基準第2検出静止物体群430の検出静止物体411FL,421FLから基準近似線BCを算出する。なお、基準近似線BCの算出方法は、公知の算出方法であるので、ここでは説明を省略する。
次に、制御装置2の近傍領域設定部21は、図3に示すように、第1物体検出手段である前方ミリ波レーダ3により検出された物体の位置、この実施例1では、上記算出された基準近似線BCに基づいて近傍領域Pを設定する(ステップST2)。ここでは、図7に示すように、まず、近似領域設定部21は、上記構造物形状推定部22で算出された基準近似線BCを取得する(ステップST201)。
次に、制御装置2の近傍領域設定部21は、自車両100から基準近似線BCを算出するのに用いた各検出静止物体(以下、単に「基準検出静止物体」と称する)までの距離〔m〕から近似範囲Ix〔m〕を決定する(ステップST202)。ここでは、近傍領域設定部23は、自車両100から基準検出静止物体までの距離〔m〕と、図示しない記憶部に記憶されている自車両100から基準検出静止物体までの距離と近似範囲Ixとに基づく近似範囲マップとによって、近似範囲Ixを決定する。この近似範囲マップでは、図8に示すように、自車両100から基準検出静止物体が離れるほど近似範囲Ixが広くなるように設定されている。つまり、自車両100から基準検出静止物体が離れるほど後述する設定される近似領域Pが広くなる。
次に、制御装置2の近傍領域設定部21は、図7に示すように、第1物体検出手段である前方ミリ波レーダ3により検出された物体、この実施例1では基準検出静止物体どうしの距離〔m〕から拡大係数γを決定する(ステップST203)。ここでは、近傍領域設定部23は、基準検出静止物体どうしの距離〔m〕と、図示しない記憶部に記憶されている基準検出静止物体どうしの距離と拡大係数γとに基づく拡大係数マップとによって、拡大係数γを決定する。この拡大係数マップでは、図9に示すように、基準検出静止物体どうしの距離が短いほど拡大係数γが大きくなるように設定されている。つまり、基準検出静止物体どうしの間隔が狭いほど後述する設定される近似領域Pが狭くなる。
次に、制御装置2の近傍領域設定部21は、図7に示すように、上記決定された各近似範囲Ixと各拡大係数γとから、近似探索範囲IMGx〔m〕を算出する(ステップST204)。この近似探索範囲IMGx〔m〕は、基準近似線BCからの探索距離である。この探索距離は、自車両100の進行方向と直交する幅方向における距離であっても良いし、基準近似線BCを構成する曲線の各任意の点における法線方向における距離であっても良い。各近似探索範囲IMGxは、各近似範囲Ixに、この各近似範囲Ixを決定する基準検出静止物体各拡大係数γをかけることで算出される。従って、各近似探索範囲IMGxは、自車両100から離れるほど広くなり、基準検出静止物体どうしの距離が狭くなるほど狭くなる。
次に、制御装置2の近傍領域設定部21は、上記算出された各近似探索範囲IMGxから近傍領域Pを設定する(ステップST205)。これにより、図10に示すように、算出された基準近似線BCに基づいた、すなわち前方ミリ波レーダ3により検出された物体の位置に基づいた近似領域Pが設定される。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図3に示すように、上記設定された近傍領域P内に、画像検出装置4により検出された検出静止物体があるか否かを判定する(ステップST3)。画像検出装置4も、前方ミリ波レーダ3と同様に、自車両100の進行方向に存在する構造物における物体の位置を検出する。従って、構造物形状推定部22は、まず、この画像検出装置4により検出された物体のうち検出静止物体があるか否かを判定する。ここでは、構造物形状推定部22は、例えば、検出された物体の位置データの相対速度と、自車両100の車速とから、検出された物体が静止している物体であるか否かを判定すれば良い。図11に示す状況では、直線路左側ガードレール310における物体である検出静止物体311SC、カーブ路左側ガードレール320における物体である検出静止物体321SC、カーブ路右側ガードレール420における物体である検出静止物体421SCがあるので、検出静止物体があると判定される。そして、構造物形状推定部22は、画像検出装置4により検出された検出静止物体のうち、近傍領域P内にあるものがあるか否かを判定する。図11に示す状況では、図12に示すように、検出静止物体311SC,321SCが近傍領域P内にあるか否かを判定する。ここで、前方ミリ波レーダ3と画像検出装置4とが自車両100の異なる位置に取り付けられているため、検出された物体の位置データはそれぞれ取り付けられている位置に基づいたデータとなる。そこで、制御装置2は、前方ミリ波レーダ3および画像検出装置4が検出した物体の位置データを自車両100の任意の基準点からの位置データに補正して、融合する。例えば、自車両100の前方ミリ波レーダ3が取り付けられている位置を基準点とした場合は、画像検出装置4が検出した物体の位置データをこの基準点からの位置データに補正した上で、設定された近傍領域P内に、この画像検出装置4により検出された検出静止物体があるか否かを判定する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図3に示すように、上記設定された近傍領域P内に検出静止物体があると判定すると、基準検出静止物体と近傍検出静止物体とを接続する(ステップST4)。ここでは、基準検出静止物体と、近傍検出静止物体、すなわち図12に示すように、近傍領域P内の画像検出装置4により検出された検出静止物体とのグループ化を行い、グループ化された基準検出静止物体および近傍検出静止物体を路側静止構造物における静止物体に対応するものとする。図12に示すように、基準第1検出静止物体群330としてグループ化した検出静止物体311FL,321FLと、近傍領域P内の検出静止物体311SC,321SCをグループ化し、図示しない第1静止物体群とする。また、基準第2検出静止物体群430としてグループ化した検出静止物体411FL,421FLと、近傍領域P内の検出静止物体421SCをグループ化し、図示しない第2静止物体群とする。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図3に示すように、上記接続した検出静止物体、すなわち基準検出静止物体と近傍検出静止物体とから近似線Cを算出することで、構造物の形状、この実施例1では、路側静止構造物の形状を推定する(ステップST5)。例えば、図12に示すように、上記図示しない第1検出静止物体群から近似線Cを算出する場合は、基準第1検出静止物体群330としてグループ化した検出静止物体311FL,321FLと、近傍領域P内の検出静止物体311SC,321SCから近似線Cを算出し、路側静止構造物である左側ガードレール300の形状を推定する。また、図示しない第2検出静止物体群から近似線Cを算出する場合は、基準第2検出静止物体群430としてグループ化した検出静止物体411FL,421FLと、近傍領域P内の検出静止物体421SCからの近似線Cを算出し、路側静止構造物である右側ガードレール400の形状を推定する。なお、近似線Cの算出方法は、公知の算出方法であるので、ここでは説明を省略する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図3に示すように、上記推定された構造物の形状、すなわち算出された近似線Cからさらに道路形状である道路の推定Rを推定する(ステップST6)。つまり、推定道路形状である推定Rは、前方ミリ波レーダ3により検出された物体(基準検出静止物体)の位置および設定された近似領域P内の画像検出装置4により検出された物体(近傍検出静止物体)の位置に基づいて推定される。例えば、図5および図11に示す状況では、推定Rは、図示しない第1検出静止物体群から算出された近似線Cあるいは図示しない第2検出静止物体群から算出された近似線Cの少なくともいずれか一方に基づいて算出される。なお、算出された近似線Cから推定Rを算出する算出方法は、公知の算出方法であるので、ここでは説明を省略する。
なお、制御装置2の構造物形状推定部22は、図3に示すように、上記設定された近傍領域P内に検出静止物体がないと判定すると、算出された基準近似線BCからさらに道路形状である道路の推定Rを推定する(ステップST7)。つまり、推定道路形状である推定Rは、近似領域P内に画像検出装置4により検出された物体がない場合は、前方ミリ波レーダ3により検出された物体(基準検出静止物体)の位置のみに基づいて推定される。
以上のように、車両走行用支援システム1−1における構造物形状推定装置では、前方ミリ波レーダ3により検出された物体である基準検出物体の位置と、画像検出装置4により検出された物体のうち、この基準検出物体の位置に基づいて算出された基準近似線BCに基づいて設定された近似領域P内にある近傍検出静止物体の位置とに基づいて構造物の形状である路側静止構造物が推定され、道路形状(推定R)が推定される。つまり、検出方法の異なる前方ミリ波レーダ3と画像検出装置4とにより検出された物体の位置から側静止構造物を推定し、道路形状を推定する。従って、画像検出装置4は、画像データを用いた検出方法であり、前方ミリ波レーダ3のミリ波を用いた検出方法と異なるため、前方ミリ波レーダ3よっては構造物の物性(例えばミリ波を反射し難いなど)や、自車両と構造物との間の自然環境により検出することができない構造物における物体を検出することができ、構造物の形状を精度良く推定することができる。つまり、図13に示すように、基準検出静止物体から算出された基準近似線BCと比較して、基準検出静止物体と近傍検出静止物体とから算出された近似線Cを構造物の形状、この図では路側静止構造物である左側ガードレール300の形状に近似させることができ、この路側静止構造物の形状を精度良く推定することができる。
しかし、上述のように、前方ミリ波レーダ3よりも、画像検出装置4による物体の検出精度が低いため、この画像検出装置4により検出されたすべての物体の位置を用いて構造物の形状である路側静止構造物の形状の推定を行うと、前方ミリ波レーダ3により検出された物体のみに基づいて路側静止構造物の形状を推定する場合と比較して、推定された路側静止構造物の形状の精度が低下する虞がある。しかしながら、車両走行用支援システム1における構造物形状推定装置では、路側静止構造物の形状を推定するために、画像検出装置4により検出されたすべての物体は用いず、画像検出装置4によりも物体の位置の検出精度が高い前方ミリ波レーダ3により検出された物体に基づいて設定された近傍領域P内にある物体のみを用いる。従って、推定された路側静止構造物の精度が低下することを抑制することができ、この推定された路側静止構造物から推定される道路形状の精度が低下することを抑制することができる。
また、この構造物形状推定装置では、設定される近傍領域Pは、自車両100から離れるほど広くなる。つまり、前方ミリ波レーダ3により物体が検出し難くなる自車両100からより遠方ほど、構造物の形状である路側静止構造物の形状の推定に画像検出装置4により検出された物体の位置を積極的に用いる。従って、自車両100からより遠方において路側静止構造物の形状の推定に用いられる物体の数を増加することができる。これにより、構造物の形状をさらに精度良く推定することができる。
また、この構造物形状推定装置では、設定される近傍領域Pは、前記第1物体検出手段により検出された物体どうし、この実施例1では隣り合う基準検出物体どうしの距離が狭くなるほど狭くなる。つまり、隣り合う基準検出物体どうしの間隔が狭い、すなわち構造物の形状である路側静止構造物の形状を推定する際に十分な数の物体の位置が検出されている範囲には、この路側静止構造物の形状の推定に画像検出装置4により検出された物体の位置を積極的に用いない。従って、前方ミリ波レーダ3よりも物体の位置の検出精度が低い画像検出装置4により検出された物体の位置を用いることを抑制することができる。これにより、推定された路側静止構造物の形状の精度が低下することをさらに抑制することができ、この推定された路側静止構造物から推定される道路形状の精度が低下することをさらに抑制することができる。
次に、この発明にかかる障害物検出装置を用いた障害物検出方法について説明する。図14は、この発明にかかる障害物検出装置の動作フロー図である。まず、制御装置2の障害物判定部24は、物体が検出されたか否かを判定する(ステップST11)。ここでは、この障害物判定部24は、前方ミリ波レーダ3により自車両100の進行方向に存在する物体の位置が検出された否かを判定する。前方ミリ波レーダ3により物体の位置が検出された場合、制御装置2に検出された物体の位置データが出力されるので、障害物判定部24は、この制御装置2に入力された物体の位置データを取得できたか否か判定すれば良い。
次に、制御装置2の検出範囲設定部23は、構造物形状推定装置により推定された道路形状である推定Rを取得する(ステップST12)。
次に、制御装置2の検出範囲設定部23は、上記取得された推定Rに基づいて障害物を検出する検出範囲を設定する(ステップST13)。ここでは、検出範囲設定部23は、上記取得された推定R、すなわち構造物形状推定装置により推定された道路形状に基づいて検出範囲を設定する。ここで、検出範囲は、通常自車両100が現在の走行状態で、予め設定された衝突予測時間後に位置する範囲を基準に設定される。この発明では、この衝突予測時間に基づいた検出範囲をさらにこの道路形状である推定Rに基づいて、自車両100の進行方向に存在する路側静止構造物が検出範囲から排除されるように縮小する。図5に示す状況では、特にカーブ路左側ガードレール320が検出範囲から排除されるように検出範囲を設定する。
次に、制御装置2の障害物判定部24は、図14に示すように、上記検出範囲設定部23により設定された検出範囲内に前方ミリ波レーダ3により検出された物体があるいか否かを判定する(ステップST14)。つまり、障害物判定部24は、自車両100の進行方向に存在する路側静止構造物を除いて、前方ミリ波レーダ3により検出された物体があるか否かを判定する。図5に示す状況では、先行車両200を構成する検出移動物体201などが検出される。なお、例えばカーブ路CL上に落下物が存在する場合、この落下物を構成する検出静止物体なども検出される。
次に、制御装置2の障害物判定部24は、上記検出された物体があると判定すると、この検出された物体を障害物と判定し、障害物を検出する(ステップST15)。
次に、制御装置2の障害物判定部24は、障害物が検出されたことに基づいて上記各種装置を制御する(ステップST16)。以下に、障害物が検出された際の各種装置の制御について説明する。
車両走行用支援システム1は、ACC制御によって、例えば先行車両に対する追従走行を行っている場合は、上記障害物検出装置により検出された障害物の位置(距離、相対速度、角度)データからこの検出された障害物から先行車両を判定する。そして、制御装置2は、この先行車両の位置データと、別途検出され、この制御装置2に入力された道路Lの車線情報とに基づいて、先行車両との車間距離を一定距離に維持しながら、先行車両に対して追従走行を行うように、エンジン制御装置95を介して、スロットル96や変速機97を作動させる。つまり、制御装置2は、エンジン制御装置95を介して、エンジンに吸気される吸入空気量や図示しないエンジンと各車輪との変速比を制御する。
車両走行用支援システム1は、上記ACC制御を実行している際に、障害物検出装置により検出された障害物の位置(距離、相対速度、角度)データと自車両100の走行状態から予想される自車両100の予想進路とから、自車両100と障害物が接触、衝突する虞がある否かを判定する。制御装置2は、自車両100と障害物が接触、衝突する虞があると判定すると、図示しない車室内に取り付けられた表示装置やスピーカーなどを用いて、映像や音声などにより運転者に障害物との接触、衝突を回避する回避行動をするように事前警報を発する。なお、自車両100の予想進路は、ヨーレートセンサ91、Gセンサ92、車速センサ93から検出された自車両100の自転速度、加速度、車速や、上記構造物形状推定装置により推定された道路形状である推定Rなどから予測される。
次に、制御装置2は、事前警報を発した後に、運転者による回避行動が行われないと、運転者に障害物があることを体感させる体感警報を発し、回避行動をするようにさらに促す。例えば、シートベルト装置6による運転者へのシートベルト63による締め付け、あるいはブレーキ装置8による自車両100の制動により、運転者に障害物があることを体感させる。運転者へのシートベルト63の締め付けを行う場合は、制御装置2からシートベルト装置6にシートベルト制御信号を出力し、運転者側のシートベルト63を巻き取るシートベルト巻取モータ62を作動させ、運転者側のシートベルト63を巻き取り、運転者を運転者側のシートベルト63により締め付ける。この締め付けは、運転者を座席に拘束することを目的としたものではなく、運転者が運転者側のシートベルト63により締め付けられていることを体感できる程度の締め付けである。また、自車両100に制動力を付与する場合は、制御装置2からブレーキ装置8にブレーキ制御信号を出力し、ブレーキアクチュエータ82を作動させ、ブレーキ83の油圧を制御し、自車両100に制動力を付与する。この自車両100に付与される制動力は、自車両100の停止を目的としたものではなく、運転者が自車両100の減速を体感できる程度の制動力である。
次に、車両走行用支援システム1は、上記動作を行った後、運転者による回避行動を行っても、障害物と接触、衝突することを回避できないと判定した場合は、衝撃軽減制御、すなわちプリクラッシュセーフティー(PCS)制御を行う。ここでは、制御装置2は、自車両100と障害物との距離をその障害物と自車両100との相対速度で除した値である衝突予測時間が、運転者による回避行動をとるのに必要な時間未満となったか否かで判定する。
車両走行用支援システム1は、PCS制御を行うと、まず、自車両100が障害物に接触、衝突する前に、自車両100を停止させるためブレーキ装置8により自車両100に制動力を付与する。自車両100に制動力を付与する場合は、制御装置2からブレーキ制御装置81にブレーキ制御信号を出力し、ブレーキアクチュエータ82を作動させ、ブレーキ83の油圧を制御し、自車両100に制動力を付与する。これにより、ブレーキ装置8により介入ブレーキ制御が行われ、衝突時の衝撃が軽減される。この自車両100に付与される制動力は、上述のように、自車両100の停止を目的とする制動力である。なお、制御装置2にブレーキセンサ94により、運転者による制動意志などが入力された場合、制御装置2は、ブレーキ装置8にブレーキ制御信号を出力し、運転者によりブレーキアクチュエータ82を介してブレーキ83に付与される油圧よりも大きい油圧がブレーキ83に付与されるように、ブレーキアクチュエータ82を制御する。つまり、運転者による制動意志がある場合は、運転者による制動をアシストする。これにより、ブレーキ装置8によりプリクラッシュブレーキアシスト(PBA)制御が行われ、衝突時の衝撃が軽減される。
車両走行用支援システム1は、PCS制御を行うことにより、シートベルト装置6が自車両100が障害物に接触、衝突前に、搭乗者の座席への拘束を行う。搭乗者を座席に拘束する場合は、制御装置2からシートベルト制御装置61にシートベルト制御信号を出力し、シートベルト巻取モータ62を作動させ、シートベルト63の巻き取りを行い、搭乗者を座席に拘束する。これにより、シートベルト装置6により、プリクラッシュシートベルト(PSB)制御が行われ、衝突時に搭乗者が車室内の物と衝突することを抑制することができ、搭乗者の衝撃が軽減される。また、搭乗者は、シートベルト装置6により、座席に拘束されため、自分に危険が迫っていると認識することができ、自車両100と障害物との接触、衝突に備えることができる。なお、このプリクラッシュシートベルト制御は、搭乗者の不意をついて介入ブレーキ制御が行われることを回避するために、この介入ブレーキ制御が行われる前に行われることとなる。
車両走行用支援システム1は、PCS制御を行うことにより、ステアリング装置7が自車両100の自動操舵を行う。自車両100の自動操舵は、自車両100を操舵することによって、衝突回避あるいは衝突時の衝撃軽減を行えると判定した場合にのみ行われる。自車両100を自動操舵する場合は、制御装置2からステアリング装置7にステアリング制御信号を出力し、アシストモータ72を作動させ、操舵系に操舵力を付与し、自車両100の自動操舵を行う。これにより、ステアリング装置7により自車両100の自動操舵が行われ、衝突回避あるいは衝突時の衝撃を軽減することができる。
車両走行用支援システム1は、PCS制御を行うことにより、エアバック装置5が自車両100の障害物に対する衝突方向、衝突時期に基づいて、適切な時期や状態でエアバック52を作動させる。エアバック52を作動させる場合は、制御装置2からエアバック制御装置51にエアバック制御信号を出力し、エアバック52を作動させる。これにより、エアバック装置5により、エアバック52が作動し、衝突時に搭乗者が車室内の物と衝突することを抑制することができ、搭乗者の衝撃が軽減される。
以上のように、車両走行用支援システム1が行うACC制御やPCS制御では、障害物検出装置により自車両100の進行方向に障害物が検出されたことにより、各種装置の制御が行われる。従って、検出範囲から自車両100の進行方向に存在する路側静止構造物、図5に示す状況では、特にカーブ路左側ガードレール320を除くことができれば、障害物検出装置がこの路側静止構造物を障害物として判定し、検出することを回避することができる。従って、上記各装置がこの障害物検出装置により検出された路側静止構造物(図5では、特にカーブ路左側ガードレール320)に基づいて制御されることを回避することができる。これにより、上記警報や事前警報が頻繁に発せられることが抑制され、運転者の煩わしさを抑制することができる。
次に、この発明にかかる実施例2の車両走行用支援システムについて説明する。図15は、この発明にかかる実施例2の車両走行用支援システムを備える車両の概略構成例を示す図である。図16は、実施例2にかかる構造物形状推定装置および障害物検出装置を備える車両走行用支援システムの構成例を示す図である。この実施例2にかかる車両走行用支援システム1−2が実施例1にかかる車両走行用支援システム1−1と異なる点は、第1物体検出手段を複数備える、この実施例2では前方ミリ波レーダ3のみならず前側方ミリ波レーダ10,10を設けた点と、構造物の形状を推定する推定範囲Eを設定した点である。
第1物体検出手段を複数備えるのは、自車両100と、この自車両100の所定方向、この実施例2では自車両100の進行方向に存在する路側静止構造物との間に、先行車両200が存在する場合は、通常自車両100の前面部の中央部に取り付けられている前方ミリ波レーダ3がこの先行車両200におけるテール部などを検出移動物体として検出してしまい、路側静止構造物における反射板などを検出静止物体として検出することができなくなってしまうからである。例えば、図5に示すような道路Lにおいて、先行車両200が自車両100と同一車線を走行している場合、前方ミリ波レーダ3は、この先行車両200におけるテール部などを検出移動物体として検出するが、自車両100の進行方向においてこの先行車両200より遠方に存在することとなるカーブ路左側ガードレール320における反射板などの検出静止物体を検出することができなくなる。つまり、ミリ波を用いた検出方法で良好な検出精度を確保することができる状況の場合に、前構造物の形状の推定に用いられる物体の数が少なくなり、構造物の形状を構精度良く推定できなくなるからである。
図15および図16に示すように、この車両走行用支援システム1−2では、前方ミリ波レーダ3とともに、一対の前側方ミリ波レーダ10,10をさらに備える。この前側方ミリ波レーダ10は、自車両100の幅方向の両側面からこの自車両100の進行方向にM3の範囲でミリ波を出射し、自車両100の進行方向に存在する物体の位置をそれぞれ検出するものである。前側方ミリ波レーダ10は、自車両100の前面部の幅方向における両側面にそれぞれ取り付けられている。前側方ミリ波レーダ10は、近距離専用広角ミリ波レーダである。この一対の前側方ミリ波レーダ10の動作は、上記前方ミリ波レーダ3と同様であるのでその説明は省略するが、一対の前側方ミリ波レーダ10により検出された物体の位置データは、制御装置2に出力される。
また、この車両走行用支援システム1−2では、運転状態検出手段として、顔向き検出装置11を備える。この顔向き検出装置11は、構造物形状推定装置の一部を構成するものである。この顔向き検出装置11は、自車両100の運転者の運転状態、この実施例では顔向きを検出するものである。この顔向き検出装置11は、顔向きカメラ111と、顔向き判定装置112とにより構成されている。顔向きカメラ111は、自車両100を運転する運転者の顔を撮像するものである。この顔向きカメラ111は、自車両100の図示しない車室内の計器パネル内や、ステアリングコラムカバー上に取り付けられている。この顔向きカメラ111で撮像された運転者の顔の顔画像データは、顔向き判定装置112に出力される。顔向き判定装置112は、上記顔画像データに基づいて、運転者の顔向き、例えば自車両100の進行方向に対して正面か非正面かを判定するものである。顔向き判定装置112が判定した運転者の顔向きは、検出された顔向きとして、制御装置2に出力される。なお、顔向きカメラ111は、近赤外線のストロボ光を運転者に照射してその反射光画像を顔画像データとして顔向き判定装置112に出力するものであることが好ましい。これにより、顔向き判定装置112は、図示しない車室内の明るさなどの環境条件に影響を受けずに、撮像された顔画像データから顔向きを判定することができる。
次に、実施例2にかかる構造物形状推定装置を用いた構造物形状推定方法について説明する。図17は、実施例2にかかる構造物形状推定装置の動作フロー図である。図18は、顔向きに基づく係数Kと進行方向距離閾値THZとの関係を示す図である。図19は、算出された基準近似線BCを示す図である。実施例2にかかる構造物形状推定装置を用いた構造物形状推定方法は、図3、図4および図7に示す実施例1にかかる構造物形状推定装置を用いた構造物形状推定方法とほぼ同一であるため、簡略化して説明する。ここで、自車両100は、実施例1と同様に、図5および図11に示すように、直線路SLの後カーブ路CLとなる道路Lの直線路SLを走行しているものとする。なお、図19において311FLは直線路左側ガードレール310においてミリ波を反射した部分を前方ミリ波レーダ3が検出した検出静止物体とし、311FSLは直線路左側ガードレール310においてミリ波を反射した部分をいずれかの前側方ミリ波レーダ10が検出した検出静止物体とし、321FLはカーブ路左側ガードレール320においてミリ波を反射した部分を前方ミリ波レーダ3が検出した検出静止物体とし、321FSLはカーブ路左側ガードレール320においてミリ波を反射した部分をいずれかの前側方ミリ波レーダ10が検出した検出静止物体とする。
まず、図3に示すように、制御装置2の構造物推定部22は、前方ミリ波レーダ3により検出された検出静止物体に基づいて基準近似線BCを算出する(ステップST1)。ここでは、図17に示すように、まず、構造物形状推定部22は、前方ミリ波レーダ3あるいは前側方ミリ波レーダ10の少なくともいずれか一方により自車両100の進行方向に存在する物体の位置が検出されたか否かを判定する(ステップST101)。つまり、前方ミリ波レーダ3のミリ波照射範囲M1あるいは前側方ミリ波レーダ10のミリ波照射範囲M3の少なくともいずれかに一方に位置する移動構造物や路側静止構造物などの複数の構造物によってミリ波が反射され、受信されたか否かを判定する。次に、構造物形状推定部22は、この検出された物体のうち検出静止物体があるか否かを判定する(ステップST102)。ここで、前方ミリ波レーダ3と前側方ミリ波レーダ10と、自車両100の異なる位置に取り付けられているため、検出された物体の位置データはそれぞれ取り付けられている位置に基づいたデータとなる。そこで、制御装置2は、前方ミリ波レーダ3および前側方ミリ波レーダ10が検出した物体の位置データを自車両100の任意の基準点からの位置データに補正して、融合する。例えば、自車両100の前方ミリ波レーダ3が取り付けられている位置を基準点とした場合は、前側方ミリ波レーダ10が検出した物体の位置データをこの基準点からの位置データに補正し、融合する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、検出静止物体のうち、隣り合う検出静止物体において、自車両100の進行方向における距離差DTHZが所定値DTHZ1以下で、かつ自車両100の進行方向と直交する方向、すなわち幅方向における距離差DTHXが所定値DTHX1以下の検出静止物体を選択する(ステップST103)。次に、構造物形状推定部22は、選択された検出静止物体数が所定個数N以上であるか否かを判定する(ステップST104)。次に、構造物形状推定部22は、選択された検出静止物体数が所定個数N以上であると判定すると、この選択された検出静止物体を接続する(ステップST105)。これにより、選択された検出静止物体を検出静止物体群としてグループ化する。例えば、図19に示すように、検出静止物体311FL,311FSL,321FL,321FSLが1つの集合として選択された場合は、この検出静止物体311FL,311SFL,321FL,321SFLからなる1つの集合を検出静止物体群330’として、グループ化する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図17に示すように、自車両100の車速S〔m/s〕および運転者の顔向きを取得する(ステップST107)。ここでは、構造物形状推定部22は、車速センサ93により検出され、制御装置2に出力された自車両100の車速Sと、顔向き検出装置11により検出され、制御装置2に出力された運転者の顔向き、すなわち運転者の顔向きが正面あるいは非正面のいずれかであるかを取得する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、取得した運転者の顔向きに基づいて係数Kを決定する(ステップST108)。ここでは、近傍領域設定部21は、取得した運転者の顔向きと、図示しない記憶部に記憶されている運転者の顔向きと係数Kとに基づく係数マップとによって、係数Kを決定する。この係数マップでは、図18に示すように、運転者の顔向きが正面の場合の係数K1よりも、運転者の顔向きが非正面の場合の係数K2が、運転者の顔向きが非正面の場合に進行方向距離閾値THZが増加するように大きく設定されている。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図17に示すように、取得した車速Sと決定した係数Kとから、進行方向距離閾値THZを算出する(ステップST109)。この進行方向距離閾値THZは、自車両100と自車両100の進行方向における障害物との衝突予測時間に起因する物理量によって決定される。ここでは、進行方向距離閾値THZは、取得した車速Sに決定した係数Kをかけることで算出される。従って、進行方向距離閾値THZは、取得した車速Sの増加に伴い増加する。また、進行方向距離閾値THZは、運転者の顔向きが非正面の場合に正面の場合と比較して増加する(K2>K1)。つまり、進行方向距離閾値THZは、運転者の運転状況が悪化に伴い増加する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、算出された進行方向距離閾値THZに基づいて推定範囲Eを設定する(ステップST110)。ここでは、自車両100から進行方向において算出された進行方向距離閾値THZ以上離れた範囲を推定範囲として設定する。つまり、近傍領域設定部21は、自車両100の進行方向においてこの自車両100の近傍を除く範囲、すなわち自車両100が障害物と衝突する虞がある範囲を推定範囲Mに設定する。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、上記接続した検出静止物体のうち推定範囲E内の検出静止物体から基準近似線BCを算出する(ステップST111)。例えば、図19に示すように、検出静止物体群330’から基準近似線BCを算出する場合は、この検出静止物体群330’の検出静止物体311FL,311FSL,321FL,321FSLのうち、推定範囲E内の検出静止物体311FL,311FSL,321FL,321FSLから基準近似線BCを算出する。
次に、制御装置2の近傍領域設定部21は、図3に示すように、第1物体検出手段である前方ミリ波レーダ3および前側方ミリ波レーダ10,10の少なくともいずれか一方により検出された物体の位置、この実施例2では、上記算出された基準近似線BCに基づいて近傍領域Pを設定する(ステップST2)。ここでは、図7に示すように、まず、近似領域設定部21は、上記構造物形状推定部22で算出された基準近似線BCを取得する(ステップST201)。次に、近傍領域設定部21は、基準検出静止物体までの距離〔m〕から近似範囲Ix〔m〕を決定する(ステップST202)。次に、近傍領域設定部21は、上記基準検出静止物体どうしの距離〔m〕から拡大係数γを決定する(ステップST203)。次に、近傍領域設定部21は、上記決定された各近似範囲Ixと各拡大係数γとから、近似探索範囲IMGx〔m〕を算出する(ステップST204)。次に、近傍領域設定部21は、上記算出された各近似探索範囲IMGxから近傍領域Pを設定する(ステップST205)。
次に、制御装置2の構造物形状推定部22は、図3に示すように、上記設定された近傍領域P内に、画像検出装置4により検出された検出静止物体があるか否かを判定する(ステップST3)。次に、構造物形状推定部22は、上記設定された近傍領域P内に検出静止物体があると判定すると、基準検出静止物体と近傍検出静止物体とを接続する(ステップST4)。次に、構造物形状推定部22は、上記接続した検出静止物体、すなわち基準検出静止物体と近傍検出静止物体とから近似線Cを算出することで、構造物の形状、この実施例2では、路側静止構造物の形状を推定する(ステップST5)。次に、構造物形状推定部22は、上記推定された構造物の形状、すなわち算出された近似線Cからさらに道路形状である道路の推定Rを推定する(ステップST6)。
以上のように、車両走行用支援システム1−2における構造物形状推定装置では、自車両100と、この自車両100の進行方向に存在する路側静止構造物との間に、先行車両200が存在する場合において、前方ミリ波レーダ3および前側方ミリ波レーダ10により検出された物体である基準検出静止物体の数を増やすことができる。これにより、前方ミリ波レーダ3のみにより検出された物体である基準検出静止物体と、この基準検出静止物体から算出された基準近似線に基づいて設定された近似領域P内の近傍検出静止物体と、に基づいて算出された近似線と比較して、前方ミリ波レーダ3および前側方ミリ波レーダ10,10により検出された物体である基準検出静止物体と、この基準検出静止物体から算出された基準近似線に基づいて設定された近似領域P内の近傍検出静止物体と、に基づいて算出された近似線を実際の路側静止構造物である左側ガードレール300の形状に近似させることができる。つまり、路側静止構造物の形状をさらに精度良く推定することができ、この構造物の形状から推定される道路形状をさらに精度良く推定することができる。
以上のように、車両走行用支援システム1−2における構造物形状推定装置では、前方ミリ波レーダ3あるいは前側方ミリ波レーダ10,10の少なくともいずれか一方により検出された検出された物体のうち、設定された推定範囲E内の検出された物体である基準検出物体の位置と、この基準検出物体の位置に基づいて算出された基準近似線BCに基づいて設定された近似領域P内にある近傍検出静止物体の位置と、に基づいて構造物の形状である路側静止構造物が推定され、道路形状(推定R)が推定される。従って、図5および図11に示す状況のように、自車両100が直線路SLを走行中である場合は、この推定範囲E内に含まれる直線路の物体、すなわち自車両100から進行方向距離閾値THZの範囲内の検出静止物体311FL,311FSL,411FL,411FSLの数を減らすことができる。これにより、図19に示すように、推定範囲E内のみならず自車両100から進行方向距離閾値THZの範囲内の検出静止物体311FL,311FSL,321FL,321FSLから基準近似線BC1を算出した場合と比較して、推定範囲E内の検出静止物体311FL,311FSL,321FL,321FSLから基準近似線CBを算出した場合は、算出される近似線Cを自車両100が今後走行するカーブ路CLにおける路側静止構造物、この実施例では、カーブ路左側ガードレール320に近似させることができる。つまり、カーブ路CLにおける構造物の形状を適切に推定することができ、この構造物の形状から推定されるカーブ路の道路形状を適切に推定することができる。これにより、自車両100が今後走行する道路形状を適切に推定することができる。
また、この構造物形状推定装置では、推定範囲Eは、自車両100の車速Sが増加することで進行方向距離閾値THZが増加する場合に、自車両100の進行方向のより遠方から設定する。つまり、自車両100とこの自車両100の進行方向における障害物との衝突予測時間が短くなってしまう場合に、この推定範囲Nを自車両100の進行方向のより遠方から設定する。従って、構造物形状推定装置では、車速Sに拘わらず、自車両100が衝突予測時間後に障害物と衝突する虞のある範囲のカーブ路における構造物の形状を適切に推定することができ、カーブ路の道路形状を適切に推定することができる。
また、この構造物形状推定装置では、推定範囲Eは、運転者の運転状態が悪化する、ここでは顔向きが非正面であることで進行方向距離閾値THZが増加する場合に、自車両100の進行方向のより遠方から設定する。つまり、例えば脇見運転状態や居眠り運転状態であるなど運転者が自車両進行方向を注視していない場合に、推定範囲Pを自車両100の進行方向のより遠方から設定する。従って、構造物形状推定装置では、運転者による障害物の認識が通常よりも遅れる状態の場合に、自車両100が障害物と衝突する虞のある範囲のカーブ路における構造物の形状を適切に推定することができ、カーブ路の道路形状を適切に推定することができる。