JP2007232380A - 周波数計測方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周期性をもつアナログ信号の周波数を高い精度で計測する。
【解決手段】周期性をもつアナログ信号を一定の周期でサンプリングして振幅値を得、該振幅値の極性が反転するゼロクロス点の前後の振幅値により前記サンプリングの周期を按分して前記ゼロクロス点の時刻を得、該ゼロクロス点の時刻に基づき前記アナログ信号の1周期分の時間を測定し、得られた周期の逆数により前記アナログ信号の周波数を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、様々な雑音を含む周期性信号からその雑音を除去して周波数を検出する周波数検出方法および装置に関するものである。
本明細書で説明する周期性信号は、その振幅が、ゼロを周期的に通過する条件を十分に満たしているものとする。すなわち、その0Hzの振幅成分(直流成分)が限りなくゼロであり、かつその周期が時間的に変動しない性質をもつ。例えば、このような信号は数学的に、
Y(t)=sin(2πt)
と抽象化することが出来る。
この周期性信号がゼロを通過する点(座標)をゼロクロス点という。たとえば、
Y(t)=sin(2πt) (t>0)
で表される信号Y(t)のゼロクロス点、すなわち、Y(t)がゼロになるtの値は、0.5、 1.0、 1.5、・・・である。この例のように、信号が一定の周期性を持つことが自明であれば、ゼロクロス点から信号の周期を求め、その周期の逆数から周波数を求めることができる。
ところが、上記周期性信号(アナログ信号)は、音波(縦波)や電磁波(横波)に代表されるように、信号の変化は時間的に連続しているため、信号の周期および周波数は、オシロスコープ等を用いて、信号の物理エネルギーを蛍光板に表示する手段をもって光エネルギーに変換し、人間の視覚に頼った計測によって求められる。しかし、人間の視覚に頼った計測は、生理学的、心理学的など様々な要因による誤差が混入するため、現在においてこのような原始的でヒューリスティックな計測手段が用いられることが殆ど無いのは周知のとおりである。
このようなことから、一般的にはA/D変換器等の装置を用いて、連続信号をサンプリングし、このサンプリングして得た振幅信号を量子化して、その振幅および時間を数値で表現できる形式に変換する。これにより、演算装置等を用いて、信号の振幅および時間を引数とする物理特性を計算することができる。例えば、FFT(Fast fourie Transform)はその代表例である。
算出可能な物理特性のうち、信号がゼロを通過する時刻を検出し、この時刻から信号の周期や周波数を求める方式をゼロクロス方式という。ゼロクロス方式は、信号の周期を求める代表的な方法の1つであり、次に示す手順により信号の周期や周波数を求める。
例えば、図9に示すように、周期性をもつアナログ信号は、増幅器1によりその振幅が増幅されて周波数計測装置2AのA/D変換器21に入力する。A/D変換器21では、周波数計測システムの仕様に基づき、一定の周期でそのアナログ信号をサンプリングし、得られたサンプリング信号を一定のビット数に量子化することでデジタル信号に変換する。このデジタル信号は、サンプリング周期単位で、デジタル信号処理装置(DSP)22Aに取り込まれる。このDSP22Aは、記憶装置、演算装置、制御装置を中心とする装置構成(図示せず)であり、上記デジタル信号をはじめ、制御システム3から取り込まれる制御信号を、記憶装置に格納されたプログラムに従って処理していく。
DSP22Aによる周波数計測の処理は、DSP22Aの記憶装置に格納された一連のまとまったプログラムにより実行される。すなわち、周波数計測処理は、極性反転検出手段221、ゼロクロス点検出手段222A、周期計算手段223、周波数計算手段225を中心としたサブシステムにより実施される。
従来技術による周波数計測の方法を、図10のフローチャートを用いて説明する。図10に示すY(n)は、離散信号のn番目のサンプリングの振幅を表し、1サンプリング単位で記憶装置に格納されているものとする。ステップS1で信号Y(n)の読み出しサンプリングの開始位置を保持する変数nを1に初期化し、ステップS2でゼロクロス検出座標を保持する第1番目の変数Zsを0に初期化し、ステップS3でゼロクロス検出座標を保持する第2番目の変数Zeを0に初期化する。
ステップS4で記憶装置からY(n)を読み出して、変数n1に格納する。ステップS5で記憶装置から次のサンプリング目のY(n+1)を読み出して、変数n2に格納し、ステップS6で変数nを1増分する。ステップS7で、「n1×n2」がゼロ以下、つまり負なら振幅の極性が反転してゼロクロスしたと判定してステップS8に進み、ゼロ超ならゼロクロスしないと判定してステップS4に戻る。そして、ステップS8では、Y(n)とY(n+1)の絶対値が小さい方のnかn+1をZsに格納する。つまり、ゼロクロスに近いほうの時刻データをゼロクロス座標とみなし、これをZsに格納する。
ステップS9〜S12において、ステップS4〜S7と同様な処理により次の半周期を超えるまで時間データを更新する(変数nを増分する)。ステップS13〜S16においても同様な処理を行い、ゼロクロスしたときはステップS17において、2番目に検出されたゼロクロス座標をZeに格納する。ステップS18で、ZeからZsまでのサンプリング数(Ze−Zs)にサンプリング周期Tsを乗算して周期Tを求め、ステップS19でその周期Tの逆数から周波数Fを求める。
ただし、上記Y(n)は以下3点の前提条件を全て満たすものとする。(1).Y(n)に含まれる周波数は、DSP22Aが処理可能な周波数の最大値を超えていないこと、すなわち、Y(n)は、ナイキスト周波数以下に帯域制限されていること。(2).ゼロクロス検出中に周期の変動がないこと。(3).1周期を計算するためのサンプリング数が記憶装置に格納されていること。
図11は図10のフローチャートの手法で行ったときの説明用の波形図である。ここでは、サンプリング周期が0.1ミリ秒(10kHz)、周期が1kHzの正弦波の入力信号の場合についての例を示す。ZsおよびZeは、それぞれ5サンプル目、15サンプル目となる。ゆえに、周期Tと周波数Fは、
T=0.1×(15−5)=1.0 ミリ秒
F=1/T=1000 Hz
となる。以上のような処理手法は、特許文献1に記載がある。
特開平11−118846号公報
図10および図11で説明した内容は、離散化された信号の周期がサンプリング周期の整数倍であるため、如何なるタイミングで連続信号をサンプリングしても、そこから計算される周期は常に安定に保たれる(離散化の過程で周期が変化しない)。
しかしながら、信号の周期や周波数が未知だからこそ、それらの物理量を計測する意味があるのであり、この前提に立つと、信号の周期がサンプリング周期の整数倍となることは、確率的に発生する場合を除いて殆どありえない。そして、このような場合、サンプリングするタイミングによって従来技術で算出される周期、周波数が変動する問題が発生する。
この問題を示唆する例として図12に示すように、
Y(t)=1.0×sin[2π×(2300×t+30/360)]
をサンプリング周期Tsで離散化して
Y(n)=1.0×sin[2π×(2300×Ts×n+30/360)]
とし、これに対して、ゼロクロス方式を用いて周期、周波数を求める。サンプリング周期を0.1ミリ秒とすると、図10の処理により算出される周期、周波数は、第1番目の周期T1と周波数F1については、Z1sが3サンプル目、Z1e=Z2sが7サンプル目、Z2eが12サンプル目とであるので、
T1=0.1×(7−3)=0.4 ミリ秒
F1=2500 Hz
となる。第2番目の周期T2と周波数F2については
T2=0.1×(12−7)=0.5 ミリ秒
F2=2000 Hz
となる。
すなわち、原信号の周波数2300Hzに対して、周期T1,T2の相対誤差E1,E2が、それぞれ
E1=(|2300−2500|/2300)=8.7 %
E2=(|2300−2000|/2300)=13 %
となる。このように、原信号の周期が時間的に安定しているにも関わらず、周期T1,T2が一致しないことから、サンプリングのタイミング如何によって、算出される周期に差が発生することがわかる。特に、信号の周期がサンプリング周期に近づくほど、サンプリングのタイミングによる算出周期の誤差の変動範囲(標準偏差)は大きくなる。
相対誤差を減らすためには、サンプリング周期の長さに対して、ゼロクロス検出区間を長くすれば良い。すなわち、周期を2連続以上合算して、その算術平均を求めることによって相対誤差を減らすことはできる。しかし、この方法でも2つの問題点が新たに発生する。
第1の問題点は、周期の検出中に信号の周期が何らかの原因によって変動すると、検出区間中で得られるゼロクロス点から周期および周波数を計算する際に誤差が発生することである。特に、計測対象以外の周波数成分(雑音)が多く含まれやすい自然環境で計測した周期性信号は、その雑音により殆どの確率で検出中に周期が変動する。従って、高い演算精度が要求される計測の分野において、第1の問題点は、このゼロクロス方式を応用した技術や製品の品質を損なう結果となる。
第2の問題点は、信号の周期が長くなるほど、必要な個数の周期信号を検出するまでの時間が長くなることである。通信分野のパケット伝送のように、処理上の遅延が発生することを前提とし、かつ、それが許される待機系システムのような場合においては問題ないものの、デジタル信号処理装置を用いたシステムのように処理時間の性能が要求される場合において、第2の問題点は、第1の問題点と同様に、このゼロクロス方式を応用した技術や製品の品質を損なう結果となる。
本発明は、上記2つの問題点を解消し、周期検出精度を高め、検出期間中に発生する周期変動の影響を低減し、さらに周期検出処理時間を低減できるようにした周波数計測方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の周波数計測方法は、周期性をもつアナログ信号を一定の周期でサンプリングして振幅値を得、該振幅値の極性が反転するゼロクロス点の前後の振幅値により前記サンプリングの周期を按分して前記ゼロクロス点の時刻を求め、該ゼロクロス点の時刻に基づき前記アナログ信号の1周期分の時間を測定し、得られた周期の逆数から前記アナログ信号の周波数を得ることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の周波数計測方法において、前記ゼロクロス点の時刻は、前記ゼロクロス点の直前の振幅値と直後の振幅値により前記サンプリング周期を比例配分した時間を、前記直前のサンプリング点の時刻に加算して求めることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の周波数計測方法において、前記ゼロクロス点の時刻を前記アナログ信号の2つの周期分のそれぞれの始点と終点について求めて、各周期分の時間を測定し、該各周期分の時間の誤差分が所定値を越えないとき、前記各周期分の時間の平均値を前記1周期分の時間とすることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1又は2に記載の周波数計測方法において、前記ゼロクロス点の時刻を前記アナログ信号の連続するN周期分の最初の周期の始点と最後の周期の終点について求めて、前記最初の周期の始点の時刻と前記最後の周期の終点の時刻との差分を1/N倍して前記1周期分の時間を求めることを特徴とする。
請求項5にかかる発明の周波数計測装置は、周期性をもつアナログ信号を一定の周期でサンプリングして振幅値を得るA/D変換手段と、該A/D変換手段で得られた前記振幅値についてその極性反転を検出する極性反転検出手段と、前記極性反転の前後の振幅値により前記サンプリング周期を按分してゼロクロス点の時刻を得るゼロクロス点検出手段と、該ゼロクロス点検出手段で得られた前記ゼロクロス点の時刻に基づき前記アナログ信号の1周期分の時間を測定する周期計算手段と、該周期計算手段により得られた1周期分の時間の逆数から前記アナログ信号の周波数を計測する周波数計算手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の周波数計測装置において、前記ゼロクロス点検出手段は、前記ゼロクロス点の直前の振幅値と直後の振幅値により前記サンプリング周期を比例配分した時間を、前記直前のサンプリング点の時刻に加算して得る手段であることを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項5又は6に記載の周波数計測装置において、前記ゼロクロス点検出手段により得られたアナログ信号の2つの周期分の時間の誤差分が所定値を越えないときに、前記各周期分の時間の平均値を前記1周期分の時間として求める周期誤差低減手段を備えたことを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項5又は6に記載の周波数計測装置において、前記周期計算手段が、前記ゼロクロス点検出手段により得られた前記アナログ信号の連続するN周期分の内の最初の周期の始点の第1の時刻と最後の周期の終点の第2の時刻の差分を1/N倍して前記1周期分の時間を得ることを特徴とする。
請求項1、2、5、6にかかる発明によれば、ゼロクロス点の前後の振幅値によりサンプリング周期を按分補間してそのゼロクロス点の時刻を得るので、そのゼロクロス点の検出精度は振幅値を量子化したとき、「サンプリング周期/量子化ビット数」となる。これにより、1ビットを「サンプリング周期/量子化ビット数」とみなすことにより、デジタル信号処理装置の演算装置が表現できる数値の範囲を超えない条件で、従来技術と比べて高い精度で周期および周波数を求めることができる。これにより、従来技術の問題点であった、サンプリングのタイミングに起因する標準偏差を低減し、高い計測精度を実現することができる。
また、請求項3,7にかかる発明のように、2つの周期分の平均値を求め、その誤差分が所定値を超えないときにその2つの周期の平均値を求めることにより、周期変動やノイズ混入による誤差を低減した周期および周波数を得ることができる。
さらに、請求項4,8にかかる発明のように、周期をN周期の最初の周期の始点と最後の周期の終点についてのゼロクロス点の時刻を得て周期を得ることにより、周期演算用の処理速度を速めるだけでなく、補間処理で補間しきれないことに起因して発生する誤差を低減し、結果として計測された周期に含まれる誤差を低減することができる。
本発明の周波数計測装置では、図1に示すように、DSP22によって、サンプリングにより得られた振幅値の極性が反転したか否かを検出する極性反転検出手段221と、極性が反転した前後の振幅値によりサンプリング周期を按分してゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段222と、得られたゼロクロス点から1周期を計算する周期計算手段223と、得られた2つの周期から精度の高い周期を計算する周期誤差低減手段224と、得られた周期の逆数から周波数を計算する周波数計算手段225を実現する。
図2は、直線補間の理論を応用した場合の周期計算の説明図である。Tは算出周期、Tsはサンプリング周期、A,B,C,Dはゼロクロス直近の振幅値、Na,Nb,Nc,Ndは振幅値A,B,C,Dが得られたサンプリング番号、Zsは振幅値A,Bの直線補間よって算出されるゼロクロス点(時刻)、Zeは振幅値C,Dの直線補間よって算出されるゼロクロス点(時刻)、ΔT1は振幅値A,Bの直線補間よって算出される時間、ΔT2は振幅値C,Dの直線補間よって算出される時間である。
図2(a)〜(c)により、算出周期Tは、Ze−Zsとなる。ここで、
Zs=Na×Ts+ΔT1
Ze=Nc×Ts+ΔT2
である。
図2(b)において、ΔT1は、サンプリング周期Tsを、振幅値AとBのそれぞれの絶対値の和に対するAの按分値となり、以下の式で表される。
ΔT1=Ts×A/(A+B)
AとBを斜辺とする直角三角形とすれば、△ABOと△AZsNaは相似の関係になるため、線分ABと線分AZsの比は、TsとΔT1の比に等しくなる性質を利用している。なお、△ABOの「O」は、点Aの垂直線と、点Bの水平線が交わる点である。図1(c)において、同様にして、ΔT2は
ΔT2=Ts×C/(C+D)
で表される。なお、Aがゼロクロス点上にあるときはΔT1は0であり、Bがゼロクロス点上にあるときはΔT1はTsとなる。また、Cがゼロクロス点上にあるときはΔT2は0であり、Dがゼロクロス点上にあるときはΔT2はTsとなる。
したがって、求める周期Tは以下のようになる。
T=Ze−Zs
=(Nc×Ts+ΔT2)−(Na×Ts+ΔT1)
=ΔT2−ΔT1+Ts×(Nc−Na)
図3は、直線補間の理論を応用して、DSP22の記憶装置に格納された離散信号から、その周期を求める手続きを表すフローチャートである。なお、変数nは、記憶装置の番地(サンプリング番号)を示す。ステップS20〜S23は、直線補間を行うための極性反転を検出する。ステップS24は極性反転の直前のサンプリング番号をNaに代入する。ステップS25は直線補間によりΔT1を求める。ステップS26〜S29は、半周期に相当する極性反転を検出するまで、記憶装置の番地を増分する。ステップS30〜S33は、直線補間を行うための極性反転を検出する。ステップS34は、極性反転の直前のサンプリング番号をNcに代入する。ステップS35は直線補間によりΔT2を求める。ステップS36は1周期をTに求める。
図4は、時間的な周期変動により発生する検出周期誤差の低減を行うためのフローチャート、図5は対象とする信号波形図であり、変数Tに周期を求め、変数Fに周波数を求める。ステップS37は、図3のフローチャートにより周期を求め、これを変数T1に代入する。ステップ38は、図3のフローチャートにより周期を求め、これを変数T2に代入する。ステップS39は、T1とT2の相対誤差を変数Eに代入する。ステップS40は、変数Eが閾値α未満である場合、ステップS42を処理する。変数Eが閾値αを以上の場合、T1とT2に周期の変動があったとみなし、ステップS41により、T2をT1に代入し、ステップS38に戻る。ステップ42は、T1とT2の間に周期の変動は無いとみなし、T1とT2の算術平均を求め、これを変数Tに代入する。ステップS43は、ステップS42で求めたTの逆数を求め、これを変数Fに代入する。
なお、ステップS42では、変動誤差を低減する手段として2周期分の算術平均を用いているが、この部分をサブルーチン化し、これを再帰的に呼び出すことにより、周期変動誤差の低減効果を高めることができる。本発明は、処理速度が高い水準で要求されるデジタル信号処理システムでの実現を想定しているため、このシステムの特性を最大限に活かすべく、2周期分の算術平均による方法を用いた。
図5によって周期誤差低減の具体例を説明する。ここでは、
Y(t)=1.0×sin[2π(2300×t+30/360)]
をTsでサンプリングして離散化して
Y(n)=1.0×sin[2π(2300×Ts×n+30/360)]
とし、これに対して、ゼロクロス方式を用いて周期および周波数を求める。
Ts=0.1ミリ秒とすると、
A点ではt=0.1、Y=0.92186315、Na=1
B点ではt=0.2、Y=−0.2689198、Nb=2
C点ではt=0.6、Y=0.22835087、Nc=6
D点ではt=0.7、Y=−0.937282、 Nd=7
E点ではt=1.0、Y=0.66913061、Ne=10
F点ではt=1.1、Y=−0.6534206、Nf=11
である。
よって、ゼロクロス点Z1s、Z1e、Z2s、Z2eは
Z1s=0.17741655(=0.1+ΔT1)
Z1e=0.61959029(=0.6+ΔT2)
Z2s=0.61959029(=0.6+ΔT1)
Z1e=1.05059392(=1.0+ΔT2)
となる。
よって、T1、T2、F1、F2は、
T1=Z1e−Z1s=0.44217374 ミリ秒
T2=Z2e−Z2s=0.43100363 ミリ秒
F1=2262 Hz
F2=2320 Hz
となる。
すなわち、原信号の周波数2300Hzに対して、相対誤差がT1,T2それぞれ1.7%、0.9%となり、従来技術の、8.7%、13%と比べて改善されていること、つまり、原信号の周波数を高い精度で検出していることがわかる。また、サンプリングのタイミングによる変動誤差の低減の効果を見ると、T1とT2の相対誤差は、1.3%となり、従来技術の25%比べて約20倍の改善されていることがわかる。さらに、本実施例の誤差低減処理(算術平均)を施すことにより、誤差は1.3/2=0.65%に大幅に低減する。
図6に示すように、サンプリング周期Tsを0.01ミリ秒と0.1ミリ秒とした場合において、サンプリング点を直線補間すると、サンプリング周期Tsが大きいほど正弦波としての性質が損なわれる度合いの差が顕著に現れる。これは、サンプリング時間以外のの時間情報が全て失われる為である。
そこで、実施例2では、複数周期の最初の周期の始点と最後の周期の終点について直線補間によりゼロクロス点を見つけ、両ゼロクロス点の時間幅を周期数で除算して周期を計算する。図7はその処理のフローチャートである。変数「TNUM」は連続して検出する周期数である。例えば、図8のように、4周期を連続して検出する場合、「TNUM」の値は4になる。変数「TBUF」は繰り返し処理の解除条件を示す変数である。そのほかの変数は、図2、図3に記載した内容と同じである。
ステップS44〜S47は、直線補間を行うための極性反転を検出する。ステップS48は極性反転しない周期区間の最初のサンプリング番号をNaに代入する。ステップS49は直線補間によりΔT1を求める。ステップS50は直線補間を行う極性反転を除いた極性反転の検出個数を変数TBUFに代入する。ステップS51〜S54は極性反転を検出する。ステップS55は変数「TBUF」を1減じる。ステップS56は変数「TBUF」が−1以下ならステップS57を処理し、それ以外の場合はステップS51に戻る。ステップS57は極性反転しない周期区間の最後のサンプリング番号をNcに代入する。ステップS58は直線補間によりΔT2を求める。ステップS59は周期を計算し変数Tに代入する。
図8によって本実施例の周期計算の具体例を説明する。ここでは、
Y(t)=1.0×sin[2π×(4000×t+30/360)]
をTs(0.1ミリ秒)でサンプリングして離散化して
Y(n)=1.0×sin[2π×(4000×Ts×n+30/360)]
とし、これに対して、ゼロクロス方式を用いて周期および周波数を求める。サンプリング周期Ts=0.1ミリ秒とする。図8を見るとわかるように、信号の周期がサンプリング周期Tsと比べて2.5倍程度であるため、各々のサンプリング点を直線で補間すると、元の信号の正弦波としての性質が損なわれていることがわかる。そこで、本実施例の周期計算処理(図7)を行う。
A点ではt=0.1、Y=0.10452846、 Na=1
B点ではt=0.2、Y=−0.66913060、 Nb=2
C点ではt=1.1、Y=0.10452846、 Nc=11
D点ではt=1.2、Y=−0.66913060、 Nd=12
であるので、ΔT1、ΔT2は、
ΔT1=ΔT2=0.01351092 ミリ秒
であり、ゼロクロス点Zs、Zeは
Zs=0.11351092(=0.1+ΔT1)
Ze=1.11351092(=1.1+ΔT2)
となる。
T、Fは、
T=(1/4)×[ΔT2−ΔT1+(Nc−Na)×Ts]
=0.25 ミリ秒
F=4000 Hz(E=0 %)
となる。なお、周期T1,T2,T3、T4と、それに対応する周波数F1,F2,F3、F4は、
T1=0.23819660 ミリ秒
T2=0.26180339 ミリ秒
T3=0.23819660 ミリ秒
T4=0.26180339 ミリ秒
F1=4198 Hz(E=5.0 %)
F2=3819 Hz(E=4.5 %)
F3=4198 Hz(E=5.0 %)
F4=3819Hz(E=4.5 %)
である。
1周期単位の計測においては、T1,T2,T3,T4の結果のとおり、入力信号の周期に対する相対誤差が5.0%あるいは4.5%となるが、本実施例に示した方法を用いることにより相対誤差が0%に低減する。一般的に、確率統計の理論に従えば、検出周期の数を増やすほど、各々の周期(本実施例ではT1,T2,T3,T4に相当)がもつ相対誤差の標準偏差が、検出周期の数で割った値に減少する。また、検出区間中に発生するゼロクロス点Z1〜Z7は、ゼロクロスが発生した事象をカウントするだけなので、リアルタイム性が特に要求されるデジタル信号処理装置への応用が容易となる。
本発明の周波数計測装置の原理構成を示すブロック図である。 実施例1のゼロクロス点検出処理の説明用の波形図である。 実施例1の周期計算処理のフローチャートである。 実施例1の周期誤差低減処理のフローチャートである。 実施例1の周期誤差低減処理の説明用の波形図である。 周期変動により直線補間により得るゼロクロス点が異なることの説明用の波形図である。 実施例2の周期計算処理のフローチャートである。 実施例2の周期計算処理の説明用の波形図である。 従来の周波数計測装置の原理構成を示すブロック図である。 従来の周波数計算処理のフローチャートである。 従来の周波数計算処理の説明用の波形図である。 従来の周期誤差発生の説明用の波形図である。
符号の説明
1:増幅器
2,2A:周波数計測装置、21:A/D変換器、22、22A:DSP、221:極性反転検出手段、222,222A:ゼロクロス点検出手段、223:周期計算手段、224:周期誤差低減手段、225:周波数計算手段
3:制御システム

Claims (8)

  1. 周期性をもつアナログ信号を一定の周期でサンプリングして振幅値を得、該振幅値の極性が反転するゼロクロス点の前後の振幅値により前記サンプリングの周期を按分して前記ゼロクロス点の時刻を求め、該ゼロクロス点の時刻に基づき前記アナログ信号の1周期分の時間を測定し、得られた周期の逆数から前記アナログ信号の周波数を得ることを特徴とする周波数計測方法。
  2. 請求項1に記載の周波数計測方法において、
    前記ゼロクロス点の時刻は、前記ゼロクロス点の直前の振幅値と直後の振幅値により前記サンプリング周期を比例配分した時間を、前記直前のサンプリング点の時刻に加算して求めることを特徴とする周波数計測方法。
  3. 請求項1又は2に記載の周波数計測方法において、
    前記ゼロクロス点の時刻を前記アナログ信号の2つの周期分のそれぞれの始点と終点について求めて、各周期分の時間を測定し、該各周期分の時間の誤差分が所定値を越えないとき、前記各周期分の時間の平均値を前記1周期分の時間とすることを特徴とする周波数計測方法。
  4. 請求項1又は2に記載の周波数計測方法において、
    前記ゼロクロス点の時刻を前記アナログ信号の連続するN周期分の最初の周期の始点と最後の周期の終点について求めて、前記最初の周期の始点の時刻と前記最後の周期の終点の時刻との差分を1/N倍して前記1周期分の時間を求めることを特徴とする周波数計測方法。
  5. 周期性をもつアナログ信号を一定の周期でサンプリングして振幅値を得るA/D変換手段と、該A/D変換手段で得られた前記振幅値についてその極性反転を検出する極性反転検出手段と、前記極性反転の前後の振幅値により前記サンプリング周期を按分してゼロクロス点の時刻を得るゼロクロス点検出手段と、該ゼロクロス点検出手段で得られた前記ゼロクロス点の時刻に基づき前記アナログ信号の1周期分の時間を測定する周期計算手段と、該周期計算手段により得られた1周期分の時間の逆数から前記アナログ信号の周波数を計測する周波数計算手段とを備えたことを特徴とする周波数計測装置。
  6. 請求項5に記載の周波数計測装置において、
    前記ゼロクロス点検出手段は、前記ゼロクロス点の直前の振幅値と直後の振幅値により前記サンプリング周期を比例配分した時間を、前記直前のサンプリング点の時刻に加算して得る手段であることを特徴とする周波数計測装置。
  7. 請求項5又は6に記載の周波数計測装置において、
    前記ゼロクロス点検出手段により得られたアナログ信号の2つの周期分の時間の誤差分が所定値を越えないときに、前記各周期分の時間の平均値を前記1周期分の時間として求める周期誤差低減手段を備えたことを特徴とする周波数計測装置。
  8. 請求項5又は6に記載の周波数計測装置において、前記周期計算手段は、
    前記ゼロクロス点検出手段により得られた前記アナログ信号の連続するN周期分の内の最初の周期の始点の第1の時刻と最後の周期の終点の第2の時刻の差分を1/N倍して前記1周期分の時間を得ることを特徴とする周波数計測装置。
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