JP2007231527A - 坑内走行車両の逸走防止装置 - Google Patents

坑内走行車両の逸走防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トンネル掘削機による掘削作業に支障を及ぼすことなく、いつでも坑内走行車両の逸走を防止することが可能な坑内走行車両の逸走防止装置の提供を目的とする。
【解決手段】シールド掘進機により掘削しているトンネル内を走行する坑内走行車両の逸走防止装置であって、掘進するシールド掘進機に追随して移動する逸走防止用台車4と、逸走防止用台車に、坑内走行車両が走行する第2走行経路に向けて突出可能に格納されたストッパ体6とを備えた。逸走防止用台車はシールド掘進機に連結されている。ストッパ体は、第2走行経路に向けて傾動可能に、逸走防止用台車に回転自在に支持される。
【選択図】図3

Description

本発明は、トンネル掘削機による掘削作業に支障を及ぼすことなく、いつでも坑内走行車両の逸走を防止することが可能な坑内走行車両の逸走防止装置に関する。
トンネル掘削機により掘削しているトンネル内を走行する坑内軌道車両の逸走防止装置として、例えば特許文献1が知られている。この特許文献1では、坑内に敷設された軌条間に適所にストッパー部材を上下方向に出没自在に配設するとともに該ストッパー部材の手前側における車両走行径路沿いにストッパー部材を軌条下に没入させ且つ一定時間経過後に突出させるストッパー部材作動機構の操作用押しボタンを配設して構成されている。そして、坑内軌道車両がトンネル掘削機に向かって逸走する際、ストッパー部材を突出させ、これにより坑内軌道車両を制止させて、事故を未然に防止するようになっている。
実開昭63−9075号公報
ところで、トンネル掘削機は掘進していくため、坑内軌道車両が走行する軌条は順次、トンネル奥深くへと延長されていく。他方、従来のストッパー部材は軌条間に設置されるため、軌条の延長に応じてその位置を移動させるために移設する必要があった。移設しない場合には、軌条の延長に応じた数多くのストッパー部材を準備して設置しなければならず、合理性に欠ける。このように従来にあっては、ストッパー部材を、トンネル掘削機の掘進に追随させて移設する必要があって、この移設作業の間は作業待機時間となってトンネル掘削を先に進めることができず、そのためにトンネル掘削作業全体としての作業効率が低下してしまうという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、トンネル掘削機による掘削作業に支障を及ぼすことなく、いつでも坑内走行車両の逸走を防止することが可能な坑内走行車両の逸走防止装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる坑内走行車両の逸走防止装置は、トンネル掘削機により掘削しているトンネル内を走行する坑内走行車両の逸走防止装置であって、掘進する上記トンネル掘削機に追随して移動する逸走防止用台車と、該逸走防止用台車に、上記坑内走行車両が走行する走行経路に向けて突出可能に格納されたストッパ体とを備えたことを特徴とする。
前記逸走防止用台車が前記トンネル掘削機に連結されていることを特徴とする。
前記ストッパ体は、前記走行経路に向けて傾動可能に、前記逸走防止用台車に回転自在に支持されることを特徴とする。
前記ストッパ体と前記逸走防止用台車との間には、該ストッパ体を前記走行経路に向けて突出させる突出手段が設けられることを特徴とする。
前記ストッパ体には、前記逸走防止用台車の回動作用を制動するために、トンネル内壁へ向かって出没自在に突出される回動制動部材が設けられることを特徴とする。
前記回動制動部材は、前記ストッパ体に対し、トンネル内壁へ向かって旋回されて突出される棒状材で構成されることを特徴とする。
前記回動制動部材は、トンネル内壁の凹部に係合可能にトンネル内壁へ向かって伸縮自在に伸張されることを特徴とする。
前記逸走防止用台車には、これをトンネル内壁に当接させてその回動作用を制止するために、該逸走防止用台車とトンネル内壁との間の隙間寸法を狭める台車拡幅部が形成されることを特徴とする。
本発明にかかる坑内走行車両の逸走防止装置にあっては、トンネル掘削機による掘削作業に支障を及ぼすことなく、いつでも坑内走行車両の逸走を防止することができる。
以下に、本発明にかかる坑内走行車両の逸走防止装置の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる坑内走行車両の逸走防止装置は基本的には、図1から図5に示すように、例えばシールド掘進機1などのトンネル掘削機により掘削しているトンネル2内を走行する坑内走行車両3の逸走防止装置であって、掘進するシールド掘進機1に追随して移動する逸走防止用台車4と、逸走防止用台車4に、坑内走行車両3が走行する走行経路5に向けて突出可能に格納されたストッパ体6とを備えて構成される。
図1には、トンネル掘削機でトンネル掘削を行う際の基本的な装置構成が示されている。本実施形態にあってはトンネル掘削機として、シールド掘進機1が例示されている。シールド掘進機1はよく知られているように、中空筒体状の外殻体7に取り付けた推進ジャッキ8の推進反力を、掘進方向後方に設置されてトンネル2の内壁2bを形成するセグメント9にとって前進しつつ、外殻体7前端部の隔壁10前方にトンネル切羽に面して設けたカッタ面板11を隔壁10後面に配置したカッタ面板回転駆動モータ12で回転駆動して切羽を掘削し、掘削されたズリを、外殻体7内に設けられてモータ13により駆動されるスクリューコンベア14で外殻体7後方へ排出するようになっている。
トンネル覆工体であるセグメント9は、トンネル掘削面2aとの間に裏込注入材15が注入されつつ、シールド掘進機1の掘進方向およびトンネル2の周方向に順次接合されて円形断面のトンネル内壁2bを構成する。セグメント9には、鋼製セグメントの場合には凸条の補強リブが設けられているとともに、鉄筋コンクリート製セグメントの場合にはセグメント9同士をボルト接合するための箱抜き形態のボルトボックス9aが形成されている。
トンネル2内には、シールド掘進機1の掘進に追随して順次延長される第1および第2の二つの走行経路16,5が互いに隣接させて並行に設けられる。これら走行経路16,5はいずれも、枕木17上に敷設される一対一組のレール18,19で構成される。一方の第1走行経路16のレール18は、シールド掘進機1の付帯設備を搭載し、当該シールド掘進機1によって牽引される後続台車20を走行移動させる後続台車移動用とされる。後続台車20としては例えば、掘削機操作台車20a、油圧ユニット台車20b、制御盤台車20c、逸走防止用台車4、裏込注入台車20d、トランス台車20e、ケーブル台車20f、バキューム台車20gが備えられる。これら後続台車20は連結杆21を介して順次連結されるとともに、最前方の掘削機操作台車20aが連結杆21を介して、シールド掘進機1のスクリューコンベア14に取り付けられたブラケット22に連結され、これによりシールド掘進機1の掘進に従って第1走行経路16のレール18上を前方に移動される。
他方の第2走行経路5のレール19は、シールド掘進機1とは独立して走行される坑内走行車両3を走行移動させる坑内走行車両移動用とされる。本実施形態にあっては、坑内走行車両3として、連結杆21を介して順次連結された資材搬送台車が例示されている。坑内走行車両3である資材搬送台車としては例えば、セグメント9を搬送するセグメント台車3a、ズリを搬出するズリトロ台車3b、バッテリーロコ3cなどが備えられる。そして坑内走行車両3は、バッテリーロコ3cにより自走して第2走行経路5のレール19上を移動する。従って、坑内走行車両3はトンネル2内で資材搬送手順に従って適宜に、第1走行経路16上に並ぶ後続台車20の側方をすり抜けて、シールド掘進機1の近傍位置まで自走走行するようになっている。
本実施形態にあっては、掘進するシールド掘進機1に連結されて、第2走行経路5に隣接する第1走行経路16を牽引される後続台車20中に、図2〜図5に示す逸走防止用台車4が備えられる。逸走防止用台車4は、第1走行経路16のレール18上を転動する車輪23で支持される底盤24上に、前後左右の4つの柱材25a〜25dおよびこれら柱材25a〜25dの上端を接合する4つの梁材26によって直方体形状に組まれた鉄骨製のフレーム構造27を備えて構成される。
ストッパ体6は、前後一対の脚部6aと、これら脚部6aの一端部間を連結する横架部6bとから、フレーム構造27内に格納可能な外形寸法の門形状の鋼製フレームとして構成される。脚部6aの他端部にはそれぞれ取付孔部28が形成される。ストッパ体6の取付孔部28はそれぞれ、これらに挿入される水平回動軸29を介して、底盤24上に第2経路5側に寄せて配設された前後一対の軸受ブラケット30に回動自在に取り付けられる。これによりストッパ体6は、第2走行経路5に面する側に寄せて、フレーム構造27内方から当該第2走行経路5に向けて傾動可能に、逸走防止用台車4に回転自在に支持される。そしてストッパ体6は、逸走防止用台車4に第2走行経路5に向かって傾動可能に取り付けられることで、その傾動作用により第2走行経路5へ向けて突出可能とされ、突出された際には、逸走防止用台車4の底盤24に連結された状態で第2走行経路5のレール19上に設置される。
ストッパ体6と逸走防止用台車4との間には、ストッパ体6を第2走行経路5に向けて突出させる突出手段として、伸縮作動される油圧シリンダ31が設けられる。この油圧シリンダ31は、フレーム構造27を構成する4つの柱材25a〜25dのうち、第2走行経路5側とは反対側に位置する一対の外側柱材25b,25c間に架設した支持ビーム32に一端が回動自在に連結されるとともに、他端がストッパ体6の前後一対の脚部6a間に架設した取付ビーム33に回動自在に連結される。そして油圧シリンダ31が伸張動作されることで、ストッパ体6は逸走防止用台車4外方へ倒れるように突出される。また、収縮動作されることでストッパ体6は起こされて、逸走防止用台車4に格納される。逸走防止用台車4の底盤24上には、第2走行経路5側に寄せて設置されたストッパ体6とは反対側に寄せて、一対の外側柱材25b,25c間に位置させて、ストッパ体6の傾動作用によって逸走防止用台車4が転倒することを防止するバランスウエイト34が搭載される。
ストッパ体6には、第2走行経路5のレール19上に設置された当該ストッパ体6に坑内走行車両3が衝突した際にその衝撃力で逸走防止用台車4に発生する回動作用を制動するために、第2走行経路5に面するトンネル内壁2bに当接可能に当該トンネル内壁2bへ向かって出没自在に突出される回動制動部材35が設けられる。回動制動部材35の構造・形態は問わないが、本実施形態にあっては、回動制動部材35は、ストッパ体6に対し、トンネル内壁2bへ向かって旋回されて突出される棒状材35aで構成される。
この棒状材35aは、鋼鉄製で形成され、ストッパ体6に収納可能に当該ストッパ体6の横架部6bに沿ってこれに重ねて設けられ、その旋回基端部35bが垂直回動軸36を介して横架部6bに回動自在に連結される。これにより棒状材35aは、旋回基端部35b周りに横架部6b、そしてまたストッパ体6からその外方へ向かって旋回可能とされ、これによりストッパ体6が第2走行経路5のレール19上に設置された状態で、トンネル内壁2bへ向かって旋回されて突出され、棒状材35aの先端35cがトンネル内壁2bに当接可能とされる。
棒状体35aとストッパ体6との間には、ストッパ体6に支持させて、棒状体35aを旋回動作させる作動手段としての油圧ジャッキ37が設けられる。ストッパ体6には、一方の脚部6aと横架部6bとの間に掛け渡して、ジャッキ支持用ブラケット38が設けられる。油圧ジャッキ37は、ストッパ体6に重ね合わせて配置され、そのシリンダ中央部が回動ピン39を介してジャッキ支持用ブラケット38に回動自在に支持される。また油圧ジャッキ37の作動ロッド37aが棒状材35aの側面に設けた軸受ブラケット40に回動自在に連結される。これにより油圧ジャッキ37は、その伸縮動作に際し、それ自身回動ピン39周りに揺動しつつ、棒状材35aをその旋回基端部35b周りに横架部6b側とトンネル内壁2b側との間で旋回動作させ、棒状材35aの先端35cをトンネル内壁2bに近接あるいは当接可能とする。
そして、棒状材35aがトンネル内壁2bに当接されることで、坑内走行車両3の衝突による衝撃で逸走防止用台車4が回転するのを抑制し、これにより坑内走行車両3の制動作用を高く確保する。本実施形態にあっては、旋回動作により棒状材35aを突出させるようにしたが、これに限らず、伸縮動作などで突出させるようにしてもよい。
さらに、回動制動部材35は、トンネル内壁2bの凹部、例えば箱抜き形態のボルトボックス9aや凸条の補強リブ間に形成される溝に係合可能にトンネル内壁2bへ向かって伸縮自在に伸張されるように構成される。本実施形態にあっては、棒状体35aが中空筒体状に形成され、その内部にスライド自在に鋼製の突起部材41が設けられる。この突起部材41は、棒状体35aの先端35cから外方へ出没自在に突出される。そしてこの突起部材41は、棒状体35aがトンネル内壁2bに向かって当接可能に旋回移動される際、トンネル内壁2bの凹部位置に合致することで、当該凹部に進入して係合される。突起部材41がトンネル内壁2bの凹部に係合することで、棒状材35a、ひいてはストッパ体6を強固に位置固定することが可能で、逸走防止用台車4の回転作用をさらに確実に抑制して、ストッパ体6による坑内走行車両3の制動作用を高く確保する。突起部材41を出没させる装置構成は特に限定されるものではないが、例えば棒状体35a内に設けたバネなどの弾性変形可能な弾性部材によって付勢するように構成してもよいし、あるいはジャッキなどを用いるようにしてもよい。
他方、逸走防止用台車4には、これを第2走行経路5側とは反対側のトンネル内壁2bに当接させてその回動作用を制止するために、逸走防止用台車4とトンネル内壁2bとの間の隙間寸法Sを狭める台車拡幅部42が形成される。この台車拡幅部42は、真直部43aの両側に折り曲げ部43bを介して前後一対の接合部43cを形成した鉄骨製のU字状フレーム43を、逸走防止用台車4のフレーム構造27に取り付けることで構成される。フレーム構造27の一対の前方柱材25a,25b間および一対の後方柱材25c,25d間それぞれには、U字状フレーム43の取付高さ位置に合わせて、補強用の桁材44が掛け渡され、これら桁材44に重ね合わせて前方および後方の柱材25a〜25d間に、台車拡幅部42を構成するU字状フレーム43の一対の接合部43cがそれぞれ接合される。
U字状フレーム43が、第2走行経路5とは反対側位置に、逸走防止用台車4からトンネル内壁2bへ向かって張り出されることにより、台車拡幅部42が形成され、この台車拡幅部42によりトンネル内壁2bと逸走防止用台車4との間の隙間寸法Sが狭められるようになっている。坑内走行車両3がストッパ体6に衝突した際にその衝撃力で逸走防止用台車4が回動すると、僅かな回動量でU字状フレーム43がトンネル内壁2bに当接し、これにより逸走防止用台車4のそれ以上の回動が制止される。このU字状フレーム43を取り付けて構成される台車拡幅部42は、逸走防止用台車4前後に隣接する他の後続台車20c,20dにも取り付けるようにしてもよく、このようにすれば、逸走防止用台車4だけで衝撃力の反力をトンネル内壁2bにとる場合に比べて、衝撃力を分散させることができて、衝突エネルギの吸収能力を向上でき、安全性を高く確保しつつ、さらに確実に坑内走行車両3が制動される。
逸走防止用台車4には、図示しないけれども、油圧シリンダ31および油圧ジャッキ37を作動させる制御盤が設けられるとともに、後続台車20の最後尾のバキューム台車20gには、制御盤に接続され、油圧シリンダ31および油圧ジャッキ37を作動操作するための操作スイッチ45が設けられる。
本実施形態にかかる坑内走行車両の逸走防止装置の作用について説明する。操作スイッチ45を操作すると、操作信号が制御盤に入力され、制御盤は作動信号を油圧シリンダ31および油圧ジャッキ37に出力する。作動信号が入力された油圧シリンダ31は伸張動作し、逸走防止用台車4上のストッパ体6を第2走行経路5に向かって傾動させることになり、ストッパ体6は逸走防止用台車4から突出されて第2走行経路5のレール19上に設置される。また、作動信号が入力された油圧ジャッキ37は設定された作動シーケンシャルに従って、ストッパ体6の傾動動作と同時に、あるいはストッパ体6の傾動動作完了後、伸張動作し、ストッパ体6に組み込んだ回動制動部材35である棒状材35aを旋回動作させて、第2走行経路5に面するトンネル内壁2bに向かって突出させて、棒状材35aの先端35cを当該トンネル内壁2bに当接させる。この際、トンネル内壁2bの凹部に棒状材35aの先端35cが合致した場合には、棒状材35aに設けた突起部材41が当該凹部に進入して係合する。
突起部材41が凹部に係合した場合には、当該係合作用によって棒状材35aはトンネル内壁2bに対し、固定される。他方、突起部材41が凹部と係合されない場合には、突起部材41はトンネル内壁2bに押されて弾性部材に抗して棒状材35aに収納され、棒状材35aの先端35cがトンネル内壁2bに当接する作用で、棒状材35aはトンネル内壁2bに対し、固定される。このようにしてストッパ体6および回動制動部材35が配置された第2走行経路5上をシールド掘進機1へと向かって逸走する坑内走行台車3は、逸走防止用台車4が待機している位置で、ストッパ体6に衝突する。坑内走行車両3が衝突した際、逸走防止用台車4は、その車輪23が載っている第1走行経路16のレール18上で、ストッパ体6によりその衝突作用を受け止めて、坑内走行車両3の逸走を制動することができる。
具体的には、第1に、逸走防止用台車4およびストッパ体6そのものの重量・剛性により衝突作用に抵抗することができる。第2に、トンネル内壁2bに当接する回動制動部材35が、衝突作用で回動しようとするストッパ体6、ひいては逸走防止用台車4を制動し、これによっても坑内走行車両3の逸走を防止することができる。第3に、突起部材41がトンネル内壁2bの凹部に係合していれば、それによってさらに確実な制動作用を確保することができる。第4に、台車拡幅部42が、トンネル内壁2bに反力をとって逸走防止用台車4の回動作用を制止し、これによっても坑内走行車両3の逸走を防止することができる。台車拡幅部42を逸走防止用台車4の前後の台車20c,20dにも設けた場合には、さらに確実に坑内走行車両3の逸走を制止することができる。
以上説明した本実施形態にかかる坑内走行車両の逸走防止装置にあっては、掘進するシールド掘進機1に連結されて移動する逸走防止用台車4にストッパ体6を設けたので、トンネル掘削作業の進捗に追随させて逸走防止用のストッパ体6を順次適宜位置に前進させることができ、背景技術のようにストッパー部材をいちいち移設する作業を不要にすることができて、それに伴う作業待機時間をなくすことができ、シールド掘進機1による掘削作業に支障を及ぼすことなく、いつでも坑内走行車両3の逸走を防止することができる。これにより、トンネル掘削作業全体としての作業効率を大幅に向上させることができる。
また、逸走防止用台車4をシールド掘進機1に連結して、既設の第1走行経路16を利用して移動させるようにしたので、逸走防止用台車用の移動経路を別途設置するなどの設備の増設が不要で、合理的に配備することができる。また、ストッパ体6を逸走防止用台車4に突出可能に格納したので、隣接する第2走行経路5を移動する坑内走行車両3を何ら支障なく運行させることができる。ストッパ体6を逸走防止用台車4に、傾動可能に回転自在に支持したので、大重量で剛強に構成され得るストッパ体6を円滑に突出移動させることができる。ストッパ体6を突出させる油圧シリンダ31を設けたので、油圧シリンダ31で制御してストッパ体6の急激な傾動動作を抑制することができ、逸走防止用台車4が転倒するなどの事態を確実に防止することができる。
また、トンネル内壁2bに当接可能な回動制動部材35を設け、トンネル内壁2bに反力をとってストッパ体6および逸走防止用台車4の回動作用を制動するようにしたので、さらに確実に坑内走行車両3の逸走を止めることができる。また、回動制動部材35を、旋回される棒状材35aで構成するようにすれば、簡単かつコンパクトに装置構成することができる。さらに、出没自在な突起部材41を設けて、回動制動部材35をトンネル内壁2bの凹部に係合させるようにしたので、回動制動部材35による制動作用をさらに確実化することができる。また、トンネル内壁2bと逸走防止用台車4との隙間寸法Sを狭める台車拡幅部42を形成して、台車拡幅部42が当接するトンネル内壁2bに支持反力をとって逸走防止用台車4の回動作用を制止するようにしたので、簡単な構成でありながら、確実かつ高い信頼性で坑内走行車両3の逸走を止めることができる。
上記実施形態にあっては、シールド掘進機1に逸走防止用台車4を連結する場合を例示して説明したが、シールド掘進機1の掘進に追随して移動させるようにすれば、逸走防止用台車4は別駆動で移動させるようにしてもよい。ストッパ体6を傾動させて第2走行経路5に突出させるようにしたが、どのような形式で突出させるようにしてもよい。また、逸走防止用台車4の連結位置は、上記実施形態の配置例に限らず、適宜に設定すればよい。
油圧シリンダ31を用いてストッパ体6を傾動させるようにしたが、これに限らず、例えば弾性体で弾性付勢したり、重量バランスを設定することによって、ストッパ体6に傾動習性を与えておく一方で、フレーム構造体27に、ストッパ体6に係脱自在に係合する係合片を設けておき、係合片をストッパ体6から離脱させることで、傾動習性によってストッパ体6を第2走行経路5へ向かって倒すようにしてもよい。また、回動制動部材35は、旋回動作させる場合に限らず、伸縮動作で突出させるようにしてもよい。
本発明にかかる坑内走行車両の逸走防止装置の好適な一実施形態を説明するための、トンネル掘削機の基本的な構成を示す概略平面図である。 本発明にかかる坑内走行車両の逸走防止装置の好適な一実施形態を示す正面図である。 図2に示した坑内走行車両の逸走防止装置の平面断面図である。 図2に示した坑内走行車両の逸走防止装置の側面図である。 図2に示した坑内走行車両の逸走防止装置およびこれに隣接する前後の台車の回動制止作用を説明するための説明図である。
符号の説明
1 シールド掘進機
2 トンネル
2b トンネル内壁
3 坑内走行車両
4 逸走防止用台車
5 第2走行経路
6 ストッパ体
9a ボルトボックス
31 油圧シリンダ
35 回動制動部材
35a 棒状材
42 台車拡幅部
S 逸走防止用台車とトンネル内壁との間の隙間寸法

Claims (8)

  1. トンネル掘削機により掘削しているトンネル内を走行する坑内走行車両の逸走防止装置であって、
    掘進する上記トンネル掘削機に追随して移動する逸走防止用台車と、該逸走防止用台車に、上記坑内走行車両が走行する走行経路に向けて突出可能に格納されたストッパ体とを備えたことを特徴とする坑内走行車両の逸走防止装置。
  2. 前記逸走防止用台車が前記トンネル掘削機に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
  3. 前記ストッパ体は、前記走行経路に向けて傾動可能に、前記逸走防止用台車に回転自在に支持されることを特徴とする請求項1または2に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
  4. 前記ストッパ体と前記逸走防止用台車との間には、該ストッパ体を前記走行経路に向けて突出させる突出手段が設けられることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
  5. 前記ストッパ体には、前記逸走防止用台車の回動作用を制動するために、トンネル内壁へ向かって出没自在に突出される回動制動部材が設けられることを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
  6. 前記回動制動部材は、前記ストッパ体に対し、トンネル内壁へ向かって旋回されて突出される棒状材で構成されることを特徴とする請求項5に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
  7. 前記回動制動部材は、トンネル内壁の凹部に係合可能にトンネル内壁へ向かって伸縮自在に伸張されることを特徴とする請求項5または6に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
  8. 前記逸走防止用台車には、これをトンネル内壁に当接させてその回動作用を制止するために、該逸走防止用台車とトンネル内壁との間の隙間寸法を狭める台車拡幅部が形成されることを特徴とする請求項1〜7いずれかの項に記載の坑内走行車両の逸走防止装置。
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