JP2007231409A - 熱延コイル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
Cは、後述するNb及びTiと結合して炭化物を形成し、高強度化を達成するために極めて有効な元素であり、本発明の熱延鋼板において最も重要な元素の1つである。しかしながら、C含有量が0.3%を超えると、バーリング割れの起点となる炭化物が増加し、穴拡げ値が劣化するだけでなく、強度が高くなりすぎて加工性が劣化する。一方、C含有量が0.01未満の場合、目的とする強度が得られない。よって、C含有量は0.01〜0.3%とする。なお、延性を考慮すると、C含有量は0.2%以下とすることが望ましい。更に、ウロコ状スケール欠陥抑制の観点からは、C含有量は0.1%以下とすることが望ましい。
Siは、冷却中にバーリング割れの起点となる鉄炭化物の析出を抑制する効果があるが、Si含有量が0.003%未満の場合、その効果が得られない。一方、Si含有量が3%を超えると、炭化物析出抑制効果は飽和する。即ち、3%を超えてSiを添加してもそれ以上の効果は見込めない。よって、Si含有量は0.003〜3%とする。なお、ウロコ状スケール欠陥抑制の観点からは、Si含有量は0.01%以上とすることが望ましい。また、Si含有量が1%を超えると、タイガーストライプ状のスケール模様が発生して表面の美観が損なわれると共に、化成処理性が劣化する虞があるため、Si含有量の上限値は1%とすることが望ましい。
Mnは、オーステナイト域温度を低温側に拡大させ、仕上圧延後の冷却中に、本発明の熱延コイルにおけるミクロ組織の構成要件の1つである連続冷却変態組織を生成しやすくする効果がある。しかしながら、Mn含有量が0.1%未満の場合、その効果が得られない。一方、Mn含有量が3%を超えると、前述した効果は飽和する。よって、Mn含有量は0.1〜3%とする。また、MnはSに起因する熱間割れの発生を抑制する効果もあるが、Mn以外にこの効果を有する元素が十分に添加されない場合は、Mn含有量(%)[Mn]とS含有量(%)[S]との比([Mn]/[S])が20以上となるように、即ち、S含有量の20倍以上の量のMnを添加することが望ましい。
Pは、不純物であり、その含有量は低いほど望ましい。特に、P含有量が0.1%を超えると、加工性及び溶接性が劣化する。よって、P含有量は0.1%以下に規制する。なお、穴拡げ性及び溶接性を考慮すると、P含有量は0.02%以下とすることが望ましい。
Sは、熱間圧延時に割れを引き起こすばかりでなく、多量に含有していると穴拡げ性を劣化させるA系介在物が生成するため、極力低減させるべきである。具体的には、S含有量は0.03%を超えると、割れ及び穴拡げ性への影響が許容できる範囲を超えてしまう。よって、S含有量は0.03%以下に規制する。なお、ある程度の穴拡げ性を必要とする場合は、S含有量を0.01%以下に規制することが望ましく、更に高い穴拡げが要求される場合は、S含有量を0.003%以下に規制することが望ましい。
Alは、溶鋼を脱酸する効果がある元素である。しかしながら、Al含有量が0.001%未満の場合、十分な脱酸効果が得られない。一方、Al含有量が3%を超えると、コストの上昇を招く。よって、Al含有量は0.001〜3%とする。なお、Alを多量に添加すると、非金属介在物が増加し、熱延コイルの伸びが劣化することがあるため、Al含有量は0.06%以下とすることが望ましい。
Nは、Ti及びNb等と結合して窒化物を形成する元素である。これらの窒化物は比較的高温で析出するため、粗大化してバーリング割れの起点となる虞がある。また、後述するようにNb及びTiを有効活用するためには、N含有量は少ない方が好ましい。具体的には、N含有量が0.01%を超えると窒化物の生成量が増加し、割れの発生、並びにNb及びTiの添加効果の低下が生じる。よって、N含有量は0.01%以下に規制する。なお、本発明の熱延コイルを時効劣化が問題となる部品に適用する場合、0.006%を超えてNを添加すると時効劣化が激しくなる。従って、このような用途に使用する場合には、N含有量を0.006%以下にすることが望ましい。また、製造後2週間以上室温で放置した後、加工に供すること前提とする場合は、耐時効性の観点から、N含有量を0.005%以下にすることが望ましい。更に、夏季の高温での放置及び船舶での輸送時に赤道を越えるような輸出を考慮すると、N含有量を0.003%未満にすることが望ましい。
Nbは、微細な炭化物を形成して熱延コイルの強度上昇に寄与するだけでなく、γ/α変態においてフェライトの核生成を抑制し、連続冷却変態組織の生成を促進する効果があり、本発明の熱延コイルにおいて最も重要な元素の1つである。しかしながら、Nb含有量が0.001%未満の場合、これらの効果が得られない。一方、Nb含有量が0.1%を超えると、強度上昇及び連続冷却変態組織生成促進の効果はいずれも飽和する。よって、Nb含有量は0.001%〜0.1%とする。なお、Nb含有量は0.01%以上であることが望ましく、これにより、制御圧延効果によって結晶粒が微細化するため、靭性を向上させることができる。
Tiは、Nbと同様に、微細な炭化物を形成して熱延コイルの強度上昇に寄与するだけでなく、γ/α変態においてフェライトの核生成を抑制し、連続冷却変態組織の生成を促進する効果があり、本発明の熱延コイルにおいて最も重要な元素の1つである。しかしながら、Ti含有量が0.001%未満の場合、これらの効果が得られない。一方、Tiを有効活用するためには、熱延工程でのスラブ加熱において鋳造時に形成された炭窒化物を溶解させる必要があるが、Ti含有量が0.2%を超えると、その温度が高温化して事実上操業範囲を逸脱する。よって、Ti含有量は0.001〜0.2%とする。なお、Ti含有量は0.005%以上とすることが望ましく、これにより、AlN及びNbNのγ粒界析出を抑制することができるため、連続鋳造における曲げ割れを防止する効果が得られる。
Claims (11)
- 質量%で、
C:0.01〜0.3%、
Si:0.003〜3%、
Mn:0.1〜3%、
P:0%を超え0.1%以下、
S:0%を超え0.03%以下、
Al:0.001〜3%、
N:0%を超え0.01%以下、
Nb:0.001〜0.1%及び
Ti:0.001〜0.2%を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
下記数式(A)により表されるPCMと下記数式(B)により表されるTieff.との比(PCM/Tieff.)が1.2〜3である組成を有し、
ミクロ組織がNb炭窒化物及びTi炭窒化物を含有するフェライト組織、連続冷却変態組織又はこれらの混合組織であり、
かつ引張強度の標準偏差σTSが12MPa以下であることを特徴とする熱延コイル。 - 更に、質量%で、B:0.0002〜0.01%を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱延コイル。
- 更に、質量%で、Cu:0.02〜1.2%、Ni:0.01〜1%、Mo:0.01〜1%、V:0.02〜0.2%及びCr:0.01〜1%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱延コイル。
- 更に、質量%で、Ca:0.0005〜0.01%及びREM:0.0005〜0.02%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱延コイル。
- 表面に亜鉛めっきが施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱延コイル。
- 質量%で、C:0.01〜0.3%、Si:0.003〜3%、Mn:0.1〜3%、P:0%を超え0.1%以下、S:0%を超え0.03%以下、Al:0.001〜3%、N:0%を超え0.01%以下、Nb:0.001〜0.1%及びTi:0.001〜0.2%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、下記数式(A)により表されるPCMと下記数式(B)により表されるTieff.との比(PCM/Tieff.)が1.2〜3である組成の鋼片を、NbCの溶体化温度以上にして、粗圧延して粗圧延バーを得る工程と、
前記粗圧延バーを、仕上圧延完了温度の目標値αFTを下記数式(C)に示す範囲とし、更に仕上圧延完了温度の標準偏差σFTが15℃以下となる条件で仕上圧延した後、20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、巻取温度を400〜600℃の範囲にして巻き取る工程と
を有することを特徴とする熱延コイルの製造方法。 - 前記鋼片は、更に、質量%で、B:0.0002〜0.01%を含有することを特徴とする請求項6に記載の熱延コイルの製造方法。
- 前記鋼片は、更に、質量%で、Cu:0.02〜1.2%、Ni:0.1〜1%、Mo:0.01〜1%、V:0.02〜0.2%及びCr:0.01〜1%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の熱延コイルの製造方法。
- 前記鋼片は、更に、質量%で、Ca:0.0005〜0.01%及びREM:0.0005〜0.02%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の熱延コイルの製造方法。
- 更に、表面に亜鉛めっきを施す工程を有することを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の熱延コイルの製造方法。
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