JP2007231300A - ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド膜の形成方法、電子部品および液晶素子 - Google Patents

ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド膜の形成方法、電子部品および液晶素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温での加熱硬化処理でポリイミド膜を形成できるポリイミド前駆体組成物を提供し、誘電率特性、耐湿性、耐環境安定性に優れたポリイミド膜を有し、高速動作及び省電力が可能で信頼性の高い電子部品や液晶素子を実現する。
【解決手段】 ポリアミド酸の合成に用いられる有機極性溶媒と、下記一般式(PA)で表わされる繰り返し単位を有するポリアミド酸と、前記ポリアミド酸の繰り返し単位1モル当量に対して0.5〜2.5モル当量で配合され、前記ポリアミド酸の硬化を促進する硬化促進剤とのみからなり、前記硬化促進剤は、特定の芳香環化合物を少なくとも2個以上のヒドロキシ基で置換した化合物(AC3)からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【化1】
Figure 2007231300

【選択図】 なし

Description

本発明は、各種の絶縁部材の形成に好適に用いられるポリイミド前駆体組成物、このポリイミド前駆体組成物を用いたポリイミド膜の形成方法、ポリイミド硬化物を絶縁膜または保護膜として具備した電子部品およびポリイミド硬化物を液晶配向膜として具備した液晶素子に関する。
液晶素子においては、液晶を良好に配向させることが必要であり、以前よりこの目的を達成するために、透明な基板上に形成されたITO透明電極などの表面にポリアミド酸のワニスを塗布した後、イミド化させてポリイミド膜を形成し、得られた膜をラビング処理する方法が最も一般的に採用されている。しかし、この方法ではポリアミド酸のイミド化の際に300℃以上の熱処理が必要となるため、カラー液晶表示装置に設けられるカラーフィルターが変色するなどの問題を有している。
この問題を解決するために、有機溶媒に可溶なポリイミド樹脂のワニスを直接基板表面に塗布してポリイミド膜を形成することも行われている。しかし、このようなポリイミド樹脂では、液晶表示装置の視野角を大きくする目的で、各々の画素内において異なる二方向へ液晶を配向させるデュアルドメイン技術を適用すると問題が生じる。すなわち、デュアルドメインを達成するためには、ポリイミド膜をまず一方向にラビング処理した後、各画素の半分を覆うようにフォトレジストを形成し、これをマスクとして他の方向に再度ラビング処理を施す。この場合、露光、現像により画素の半分を覆うフォトレジストパターンを形成する際に、有機溶媒に可溶なポリイミド樹脂が現像液に侵されるため、結果的に液晶表示装置の表示機能が低下する。
上述したように、液晶素子における液晶配向膜としてポリイミド膜を形成する場合、従来はポリアミド酸をイミド化させるために高温での熱処理が必要であるなどの問題があった。一方、近年半導体デバイスに代表される電子部品の高集積化が進み、配線パターンのライン・アンド・スペースの幅がクォータミクロンのレベルまで近づいている。これに伴い、SiO2 からなる層間絶縁膜の比誘電率が3.5以上と高いことに起因して、半導体デバイスなどの遅延時間の増大および使用電力量の増大が重大な問題となってきている。このような背景から、低い比誘電率を実現可能な有機高分子膜を層間絶縁膜に適用することが試みられており、こうした層間絶縁膜には400℃以上の耐熱性が要求されるため、最近ではここでも耐熱性に優れたポリイミドを使用することが試みられている。然るに、このような電子部品の層間絶縁膜や保護膜にポリイミド膜を適用する場合についても、ポリアミド酸をイミド化する際の高温での熱処理は、製造プロセス上熱応力を発生するなどの点でやはり問題となるものである。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、低温での熱処理でポリイミド膜を形成できるポリイミド前駆体組成物およびこれを用いたポリイミド膜の形成方法を提供することを目的とする。また、このポリイミド前駆体組成物を用い、シリコン基板やガラス基板などの表面上に誘電率特性、耐湿性、耐環境安定性に優れたポリイミド膜を絶縁膜、保護膜または液晶配向膜として具備し、高速動作および省電力を実現でき、しかも信頼性の高い電子部品や液晶素子を提供することを目的とする。
本発明によれば、ポリアミド酸の合成に用いられる有機極性溶媒と、
下記一般式(PA)で表わされる繰り返し単位を有するポリアミド酸と、
前記ポリアミド酸の繰り返し単位1モル当量に対して0.5〜2.5モル当量で配合され、前記ポリアミド酸の硬化を促進する硬化促進剤とのみからなり、前記硬化促進剤は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アントラキノン、フェナントレン、フェナントレンキノン、フルオレン、フルオレノン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、フラン、クマロン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ベンゾジオキサン、ビフェニル、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、ベンゾフェノン、安息香酸エステル、ベンゼンジカルボン酸ジエステル、ベンズアミド、ベンズニトリル、ベンズアルデヒド、アルコキシベンゼン、ベンジルアルコール、ニトロベンゼン、ベンゼンスルホン酸、アニリン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、ジフェニルプロパン、ジフェニルジフルオロメタン、ジフェニルテトラフルオロエタン、ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジフェニルアミン、ジフェニルメチルアミン、トリフェニルアミン、トリフェニルメタン、トリフェニルメタノール、およびフクソンからなる群から選択された芳香環化合物を少なくとも2個以上のヒドロキシ基で置換した化合物(AC3)からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とするポリイミド前駆体組成物が提供される。
Figure 2007231300
(ここで、φは4価の有機基、Ψは2価の有機基、Rは置換または非置換の炭化水素基、有機ケイ素基または水素原子を表わす。)
また本発明によれば、前述のポリイミド前駆体組成物を基板上に塗布した後、60〜400℃の温度範囲で加熱することにより、ポリイミド前駆体硬化させるポリイミド膜の形成方法が提供される。
さらに本発明によれば、前述のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜からなる絶縁体または保護膜を具備する電子部品が提供される。
またさらに本発明によれば、前述のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜からなる液晶配向膜を具備する液晶素子が提供される。
本発明のポリイミド前駆体組成物は100〜200℃という低温でイミド化することが可能であり、これを硬化することにより得られるポリイミド膜は誘電率および吸湿性が低く、かつ耐熱性および環境安定性(耐吸湿分解性)に優れている。さらに、本発明のポリイミド前駆体組成物を用いれば、誘電率特性、耐湿性、耐熱性、耐環境安定性に優れたポリイミドからなる絶縁膜、保護膜または液晶配向膜を有し、高速動作および省電力を実現でき、しかも信頼性の高い電子部品や液晶素子を提供できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において用いられる、水溶液中でのプロトン錯体の酸解離指数pKaが0〜8である置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物およびこれらの含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物(AC1)、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物(AC2)、または分子量が1000以下である少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物もしくは芳香族複素環化合物(AC3)から選ばれる有機化合物は、いずれも低温においてポリアミド酸の硬化反応を促進する作用を有する低温硬化促進剤である。
まず、本発明において硬化促進剤として用いられる、水溶液中でのプロトン錯体の酸解離指数pKaが0〜8である置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物(AC1)について説明する。ここで酸解離指数pKaとは、酸解離定数Kaの逆数の対数(−log Ka)である。本発明において低温硬化促進剤として用いられる含窒素複素環化合物は、水溶液中でのプロトン錯体の酸解離指数が0〜8、より好ましくは2.5〜7の範囲にあるものである。この理由は、含窒素複素環化合物のプロトン錯体の酸解離指数が小さすぎると、低温におけるポリアミド酸の硬化反応を十分に促進させることが難しく、逆に酸解離指数が大きすぎると、ポリアミド酸溶液のゲル化が進行しやすくポリイミド前駆体組成物の貯蔵安定性が低下する傾向があることによる。
(AC1)に含まれる非置換の含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ジピリジル、ジキノリル、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾシンノリン、ベンゾフタラジン、ベンゾキノキサリン、ベンゾキナゾリン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、ペリミジン、トリアジン、テトラジン、プテリジン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピロールジオン、イソインドールジオン、ピロリジンジオン、ベンゾイソキノリンジオン、トリエチレンジアミン、およびヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。これらの化合物は、N−オキシド化合物であってもよい。
これらの含窒素複素環化合物に導入され置換含窒素複素環化合物を構成する置換基としては、例えばジ置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブチルメチルアミノ基、ジアミルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基など)、モノ置換アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、アニリノ基、アニシジノ基、フェネチジノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、ピリジルアミノ基、チアゾリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ベンジリデンアミノ基など)、環状アミノ基(ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、1−ピロリル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、1−トリアゾリル基など)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、シンナモイルアミノ基、ピリジンカルボニルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基など)、スルホニルアミノ基(メシルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、ピリジルスルホニルアミノ基、トシルアミノ基、タウリルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、メチルスルファモイルアミノ基、スルファニルアミノ基、アセチルスルファニルアミノ基など)、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、ウレイド基、セミカルバジド基、カルバジド基、ジ置換ヒドラジノ基(ジメチルヒドラジノ基、ジフェニルヒドラジノ基、メチルフェニルヒドラジノ基など)、モノ置換ヒドラジノ基(メチルヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、ピリジルヒドラジノ基、ベンジリデンヒドラジノ基など)、ヒドラジノ基、アミジノ基、ヒドロキシル基、オキシム基(ヒドロキシイミノメチル基、メトキシイミノメチル基、エトキシイミノメチル基、ヒドロキシイミノエチル基、ヒドロキシイミノプロピル基など)、ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基など)、ヒドロキシアリール基(ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシフェニル基など)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基など)、シアノ基、シアナト基、チオシアナト基、ニトロ基、ニトロソ基、オキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、アセトキシ基など)、チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基など)、メルカプト基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル基およびその塩、オキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボニル基(カルバモイル基、メチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カルバゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スクシンアモイル基など)、チオカルボキシル基およびその塩、ジチオカルボキシル基およびその塩、チオカルボニル基(メトキシチオカルボニル基、メチルチオカルボニル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル基(ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリジンカルボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフルオロアセチル基など)、チオアシル基(チオホルミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基、ピリジンチオカルボニル基など)、スルフィン酸基およびその塩、スルホン酸基およびその塩、スルフィニル基(メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基など)、スルホニル基(メシル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、トシル基、タウリル基、トリフルオロメチルスルホニル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、スルファニリル基、アセチルスルファニリル基など)、オキシスルホニル基(メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、フェノキシスルホニル基、アセトアミノフェノキシスルホニル基、ピリジルオキシスルホニル基など)、チオスルホニル基(メチルチオスルホニル基、エチルチオスルホニル基、フェニルチオスルホニル基、アセトアミノフェニルチオスルホニル基、ピリジルチオスルホニル基など)、アミノスルホニル基(スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、アセトアミノフェニルスルファモイル基、ピリジルスルファモイル基など)、アンモニオ基(トリメチルアンモニオ基、エチルジメチルアンモニオ基、ジメチルフェニルアンモニオ基、ピリジニオ基、キノリニオ基など)、アゾ基(フェニルアゾ基、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基など)、アゾキシ基、ハロゲン化アルキル基(クロロメチル基、ブロモメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基など)、炭化水素基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基など)、複素環基、有機ケイ素基(シリル基、ジシラニル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など)などの特性基が挙げられる。なお、これらの中でも、ヒドロキシル基、オキシ基、オキシム基、カルボキシル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ジ置換アミノ基、モノ置換アミノ基、環状アミノ基、アシルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、ウレイド基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基、アシル基、スルホン酸基、アシルスルホニル基、アゾ基、チオ基が特に好ましい。
次に、本発明において硬化促進剤として用いられる置換もしくは非置換のアミノ酸化合物(AC2)について説明する。
(AC2)に含まれる非置換のアミノ酸化合物としては、例えばグリシン、サルコシン、ジメチルグリシン、ベタイン、アラニン、β−アラニン、α−アミノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−オキソ酪酸、バリン、β−アミノイソ吉草酸、γ−アミノイソ吉草酸、ノルバリン、β−アミノ吉草酸、γ−アミノ吉草酸、δ−アミノ吉草酸、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、セリン、α−メチルセリン、イソセリン、α−メチルイソセリン、シクロセリン、ホモセリン、トレオニン、o−メチルトレオニン、アロトレオニン、o−メチルアロトレオニン、ロセオニン、トランス−3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、シス−3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ε−アミンカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、β−ヒドロキシバリン、β−ヒドロキシイソロイシン、α−ヒドロキシ−β−アミノイソ吉草酸、ε−ジアゾ−δ−オキソノルロイシン、α−アミノ−ε−ヒドロキシアミノカプロン酸、システイン、シスチン、S−メチルシステイン、S−メチルシステイン−S−オキシド、システイン酸、ホモシステイン、ホモシスチン、メチオニン、ペニシラミン、タウリン、α,β−ジアミノプロピオン酸、オルニチン、リシン、アルギニン、カナリン、カナバニン、δ−ヒドロキシリシン、アスパラギン酸、アスパラギン、イソアスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、イソグルタミン、α−メチルグルタミン酸、β−ヒドロキシグルタミン酸、γ−ヒドロキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、シトルリン、ランチオニン、シスタチオニン、フェニルアラニン、α−メチルフェニルアラニン、o−クロロフェニルアラニン、m−クロロフェニルアラニン、p−クロロフェニルアラニン、o−フルオロフェニルアラニン、m−フルオロフェニルアラニン、p−フルオロフェニルアラニン、β−(2−ピリジル)アラニン、チロシン、チロニン、ジクロロチロシン、ジブロモチオシン、ジヨードチロシン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、α−メチル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、トリプトファン、アブリン、ヒスチジン、1−メチルヒスチジン、2−メルカプトヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アントラニル酸、パラミノールが挙げられる。これらのアミノ酸化合物に導入され、置換アミノ酸化合物を構成する置換基としては、上述した特性基が挙げられる。
上述したような置換もしくは非置換のアミノ酸化合物(AC2)からなる硬化促進剤としては、上記アミノ酸化合物のアミノ基をアシル基で置換したN−アシルアミノ酸化合物、および上記アミノ酸化合物のアミノ基を芳香族炭化水素基または芳香族複素環基で置換したN−アリール(またはヘテロアリール)アミノ酸化合物が特に好ましい。
N−アシルアミノ酸化合物に導入されるアシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シクロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ピコリノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、キノリンカルボニル基、ピリダジンカルボニル基、ピリミジンカルボニル基、ピラジンカルボニル基、イミダゾールカルボニル基、ベンゾイミダゾールカルボニル基、チアゾールカルボニル基、ベンゾチアゾールカルボニル基、オキサゾールカルボニル基、ベンゾオキサゾールカルボニル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、マレオイル基、フマロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、メソキサリル基、オキサルアセチル基、カンホロイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、オキサロ基、メトキサリル基、エトキサリル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサロ基、オキサルアセト基、システイニル基、ホモシステイニル基、トリプトフィル基、アラニル基、β−アラニル基、アルギニル基、シスタチオニル基、シスチル基、グリシル基、ヒスチジル基、ホモセリル基、イソロイシル基、ランチオニル基、ロイシル基、リシル基、メチオニル基、ノルロイシル基、ノルバリル基、オルニチル基、プロリル基、サルコシル基、セリル基、トレオニル基、チロニル基、チロシル基、バリル基が挙げられる。
N−アリール(またはヘテロアリール)アミノ酸化合物に導入される芳香族炭化水素基または芳香族複素環基としては、例えば、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、フェナントレン環基、テトラリン環基、アズレン環基、ビフェニレン環基、アセナフチレン環基、アセナフテン環基、フルオレン環基、トリフェニレン環基、ピレン環基、クリセン環基、ピセン環基、ペリレン環基、ベンゾピレン環基、ルビセン環基、コロネン環基、オバレン環基、インデン環基、ペンタレン環基、ヘプタレン環基、インダセン環基、フェナレン環基、フルオランテン環基、アセフェナントリレン環基、アセアントリレン環基、ナフタセン環基、プレイアデン環基、ペンタフェン環基、ペンタセン環基、テトラフェニレン環基、ヘキサフェン環基、ヘキサセン環基、トリナフチレン環基、ヘプタフェン環基、ヘプタセン環基、ピラントレン環基、ピロール環基、インドール環基、イソインドール環基、カルバゾール環基、カルボリン環基、フラン環基、クマロン環基、イソベンゾフラン環基、チオフェン環基、ベンゾチオフェン環基、ジベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、インダゾール環基、イミダゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンゾオキサゾリン環基、イソオキサゾール環基、ベンゾイソオキサゾール環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾチアゾリン環基、イソチアゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、トリアゾール環基、ベンゾトリアゾール環基、オキサジアゾール環基、チアジアゾール環基、ベンゾオキサジアゾール環基、ベンゾチアジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、アクリジン環基、フェナントリジン環基、ベンゾキノリン環基、ベンゾイソキノリン環基、ナフチリジン環基、フェナントロリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キノキサリン環基、キナゾリン環基、シンノリン環基、フェナジン環基、ペリミジン環基、トリアジン環基、テトラジン環基、プテリジン環基、ベンゾオキサジン環基、フェノキサジン環基、ベンゾチアジン環基、フェノチアジン環基、オキサジアジン環基、チアジアジン環基、ベンゾジオキソール環基、ベンゾジオキサン環基、ピラン環基、クロメン環基、キサンテン環基、クロマン環基、およびイソクロマン環基などの非置換芳香族炭化水素基および非置換複素環基が挙げられる。これらの非置換芳香族炭化水素基および非置換複素環基は、上述した各種特性基で置換されていてもよい。
続いて、本発明において硬化促進剤として用いられる、分子量が1000以下であり、少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環化合物(AC3)ついて説明する。
(AC3)に含有される化合物の分子量が過剰に大きすぎる場合には、気化点(沸点、昇華点または分解点)が高くなり、膜中に多量に残留するおそれがある。このため、(AC3)に含有される化合物の分子量を1000以下の範囲に規定した。また、良好な硬化特性を得るためには、(AC3)におけるヒドロキシル基は2個以上必要である。
(AC3)としては、例えば下記化学式(PHD)で表わされるポリヒドロキシ化合物が挙げられる。
Figure 2007231300
(ここで、一般式(PHD)におけるAr1 およびAr2 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を示し、X1 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、二価の有機基または単結合を示し、uは0または1を示し、vおよびwは、v+w≧2を満たす0〜5の整数である。)
前記一般式(PHD)において、Ar1 及びAr2 として導入される非置換の芳香属炭化水素基としては、例えばベンゼン環基、ナフタリン環基、アントラセン環基、フェナントレン環基、テトラリン環基、アズレン環基、ビフェニレン環基、アセナフチレン環基、アセナフテン環基、フルオレン環基、トリフェニレン環基、ピレン環基、クリセン環基、ピセン環基、ペリレン環基、ベンゾピレン環基、ルビセン環基、コロネン環基、オバレン環基、インデン環基、ペンタレン環基、ヘプタレン環基、インダセン環基、フェナレン環基、フルオランテン環基、アセフェナントリレン環基、アセアントリレン環基、ナフタセン環基、プレイアデン環基、ペンタフェン環基、ペンタセン環基、テトラフェニレン環基、ヘキサフェン環基、ヘキサセン環基、トリナフチレン環基、ヘプタフェン環基、ヘプタセン環、およびピラントレン環基などが挙げられる。
これらの非置換芳香族炭化水素基に導入され置換香族炭化水素基を構成する置換基としては、例えばシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、ニトロ基、ニトロソ基、オキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、アセトキシ基など)、チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基など)、メルカプト基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル基及びその塩、オキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボニル基(カルバモイル基、メチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カルバゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スクシンアモイル基など)、チオカルボキシル基及びその塩、ジチオカルボキシル基及びその塩、チオカルボニル基(メトキシチオカルボニル基、メチルチオカルボニル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル基(ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリジンカルボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフルオロアセチル基など)、チオアシル基(チオホルミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基、ピリジンチオカルボニル基など)、スルフィン酸基及びその塩、スルホン酸基及びその塩、スルフィニル基(メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基など)、スルホニル基(メシル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、トシル基、タウリル基、トリフルオロメチルスルホニル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、スルファニリル基、アセチルスルファニリル基など)、オキシスルホニル基(メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、フェノキシスルホニル基、アセトアミノフェノキシスルホニル基、ピリジルオキシスルホニル基など)、チオスルホニル基(メチルチオスルホニル基、エチルチオスルホニル基、フェニルチオスルホニル基、アセトアミノフェニルチオスルホニル基、ピリジルチオスルホニル基など)、アミノスルホニル基(スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、アセトアミノフェニルスルファモイル基、ピリジルスルファモイル基など)、アンモニオ基(トリメチルアンモニオ基、エチルジメチルアンモニオ基、ジメチルフェニルアンモニオ基、ピリジニオ基、キノリニオ基など)、アゾ基(フェニルアゾ基、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基など)、アゾキシ基、ハロゲン化アルキル基(クロロメチル基、ブロモメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基など)、炭化水素基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基など)、複素環基、有機ケイ素基(シリル基、ジシラニル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など)などが挙げられる。
また、前記一般式(PHD)において、Ar1 及びAr2 として導入される非置換の芳香族複素環基としては、例えばピロール環基、インドール環基、イソインドール環基、カルバゾール環基、フラン環基、クマロン環基、イソベンゾフラン環基、チオフェン環基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン環基、オキサジン環基、ベンゾオキサジン環基、フェノキサジン環基、チアジン環基、ベンゾチアジン環基、フェノチアジン環基、オキサジアジン環基、チアジアジン環基、ベンゾジオキソール環基、ベンゾジオキサン環基、ピラン環基、クロメン環基、キサンテン環基、クロマン環基、およびイソクロマン環基などが挙げられる。これらの複素環基は、前述の各種特性基で置換されていてもよい。
また、前記一般式(PHD)において、X1 として導入される二価の有機基としては、二価のオキシ基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基、パーアルキルポリシロキサンジイル基(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン−1,5−ジイル基、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−1,7−ジイル基など)、置換もしくは非置換のイミノ基(イミノ基、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、フェニルイミノ基など)、置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素基(メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、ペンチリデン基、ビニレン基、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチレン基、デカフルオロペンチレン基、テトラフルオロエチリデン基、ヘキサフルオロプロピリデン基、オクタフルオロブチリデン基、デカフルオロペンチリデン基など)、置換もしくは非置換のアルキレンジオキシ基(メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ブチレンジオキシ基、ペンチレンジオキシ基、エチリデンジオキシ基、プロピリデンジオキシ基、ブチリデンジオキシ基、ペンチリデンジオキシ基など)、アゾ基、アゾキシ基、およびアゾメチン基などが挙げられる。
上述したような分子量が1000以下である少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環化合物(AC3)からなる硬化促進剤としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アントラキノン、フェナントレン、フェナントレンキノン、フルオレン、フルオレノン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、フラン、クマロン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ベンゾジオキサン、ビフェニル、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、ベンゾフェノン、安息香酸エステル、ベンゼンジカルボン酸ジエステル、ベンズアミド、ベンズニトリル、ベンズアルデヒド、アルコキシベンゼン、ベンジルアルコール、ニトロベンゼン、ベンゼンスルホン酸、アニリン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、ジフェニルプロパン、ジフェニルジフルオロメタン、ジフェニルテトラフルオロエタン、ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジフェニルアミン、ジフェニルメチルアミン、トリフェニルアミン、トリフェニルメタン、トリフェニルメタノール、およびフクソンなどの芳香環化合物を少なくとも2個以上のヒドロキシル基で置換した化合物が特に好ましい。
以上のような(AC1)ないし(AC3)の低温硬化促進剤は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記の低温硬化促進剤に関しては、気化点(沸点、昇華点または分解点)が低く、硬化促進効果およびポリアミド酸溶液への溶解性が良好であることが好ましい。この観点から、特に好ましい低温硬化促進剤としては、イミダゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、フタラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾシンノリン、ベンゾフタラジン、ベンゾキナゾリン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、ペリミジン、2,2’−ジピリジル、2,4’−ジピリジル、4,4’−ジピリジル、2,2’−ジキノリル、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン、3−ヒドロキシキノリン、4−ヒドロキシキノリン、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、ピコリンアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、N,N−ジメチルニコチンアミド、N,N−ジエチルニコチンアミド、N,N−ジメチルイソニコチンアミド、N,N−ジエチルイソニコチンアミド、ヒドロキシニコチン酸、ピコリン酸エステル、ニコチン酸エステル、イソニコチン酸エステル、2−ピリジンスルホンアミド、3−ピリジンスルホンアミド、4−ピリジンスルホンアミド、ピコリンアルデヒド、ニコチンアルデヒド、イソニコチンアルデヒド、3−ニトロピリジン、3−アセトキシピリジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、ピコリンアルドキシム、ニコチンアルドキシム、イソニコチンアルドキシム、2−(ヒドロキシメチル)ピリジン、3−(ヒドロキシメチル)ピリジン、4−(ヒドロキシメチル)ピリジン、2−(ヒドロキシエチル)ピリジン、3−(ヒドロキシエチル)ピリジン、4−(ヒドロキシエチル)ピリジン、3−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、4−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、4−ヒドロキシキノリン−N−オキシド、N−ヒドロキシピロール−2,5−ジオン、N−ヒドロキシイソインドール−1,3−ジオン、N−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、N−ヒドロキシベンゾ[de]イソキノリン−1,3−ジオン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ヒダントイン、ヒスチジン、ウラシル、バルビツール酸、ジアルル酸、シトシン、アニリノ酢酸、2−(ピリジル)グリシン、トリプトファン、プロリン、N−アセチルグリシン、馬尿酸、N−ピコリノイルグリシン、N−ニコチノイルグリシン、N−イソニコチノイルグリシン、N−アセチルアラニン、N−ベンゾイルアラニン、N−ピコリノイルアラニン、N−ニコチノイルアラニン、N−イソニコチノイルアラニン、α−(アセチルアミノ)酪酸、α−(ベンゾイルアミノ)酪酸、α−(ピコリノイルアミノ)酪酸、α−(ニコチノイルアミノ)酪酸、α−(イソニコチノイルアミノ)酪酸、N−アセチルバリン、N−ベンゾイルバリン、N−ピコリノイルバリン、N−ニコチノイルバリン、N−イソニコチノイルバリン、ベンゼントリオール、ジヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシ安息香酸エステル、トリヒドロキシ安息香酸エステル、ジヒドロキシベンズアミド、トリヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンジルアルコール、トリヒドロキシベンジルアルコール、アルコキシベンゼンジオール、アルコキシベンゼントリオール、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、ニトロベンゼンジオール、ジヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、ジヒドロキシジフェニルアミン、トリヒドロキシジフェニルアミン、テトラヒドロキシジフェニルアミン、ジヒドロキシトリフェニルアミン、トリヒドロキシトリフェニルアミン、テトラヒドロキシトリフェニルアミン、ジヒドロキシビフェニル、トリヒドロキシビフェニル、テトラヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリヒドロキシジフェニルエーテル、テトラヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホン、トリヒドロキシジフェニルスルホン、テトラヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルメタン、トリヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルエタン、トリヒドロキシジフェニルエタン、テトラヒドロキシジフェニルエタン、ジヒドロキシジフェニルプロパン、トリヒドロキシジフェニルプロパン、テトラヒドロキシジフェニルプロパン、ジヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、トリヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、テトラヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、トリフェニルメタントリオール、ジヒドロキシフクソン、ナフタレンジオール、ナフタレントリオール、ナフタレンテトラオール、アントラセンジオール、アントラセントリオール、アントラセンテトラオール、フルオレンジオール、フルオレントリオール、フルオレンテトラオール、フルオレノンジオール、フルオレノントリオール、およびフルオレノンテトラオールなどが挙げられる。
これらの低温硬化促進剤は、ポリアミド酸の繰返し単位1モル当量に対して0.1モル当量以上、好ましくは0.2〜4.0モル当量、最も好ましくは0.5〜2.5モル当量の範囲で用いられる。この理由は、低温硬化促進剤の配合量が少なすぎる場合には低温の熱処理ではポリアミド酸のイミド化が不十分で良好なポリイミドが得られなくなり、低温硬化促進剤の配合量が多すぎる場合にはポリイミド前駆体組成物の貯蔵安定性が悪くなったり、加熱硬化後の低温硬化促進剤の残留量が多くなり諸特性に悪影響が出る可能性があるためである。
本発明において用いられるポリアミド酸は、下記一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物成分0.8〜1.2モル当量と、下記一般式(DA1)で表されるジアミン化合物成分0.8〜1.2モル当量とを重合させたものである。
Figure 2007231300
(ただし、一般式(DAH1)におけるφは4価の有機基、一般式(DA1)におけるΨは2価の有機基である。)
なお、本発明においてはポリアミド酸の分子量を調整するために、その合成に当り必要に応じてジカルボン酸無水物またはモノアミン化合物を添加してもよい。
ポリアミド酸は原理的にはテトラカルボン酸二無水物成分1モル当量とジアミン化合物成分1モル当量との重合により得られるものであるが、現実にはテトラカルボン酸二無水物成分1モル当量に対してジアミン化合物成分0.8〜1.2モル当量の配合比、またはジアミン化合物成分1モル当量に対してテトラカルボン酸二無水物成分0.8〜1.2モル当量の配合比の範囲であれば目的とするポリアミド酸を得ることができる。
一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物において、4価の有機基φは、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基、並びに脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基が直接または架橋基により相互に連結された多環式化合物基からなる群より選択される。
一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えばピロメリト酸二無水物、3−フルオロピロメリト酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリト酸二無水物、3−(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3''' ,4,4''' −クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'''',4,4''''−キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1−エチリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、ジフルオロメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス[2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン二無水物、1,4−ビス[2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン二無水物、ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1−エチリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物および3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物およびビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。テトラカルボン酸二無水物は、全酸無水物成分のうち0.8モル当量以上、好ましくは0.9モル当量以上用いられる。この理由は、テトラカルボン酸二無水物の配合量が少なすぎる場合には、得られるポリイミドの耐熱性が低下するためである。
一般式(DA1)で表されるジアミン化合物において、2価の有機基Ψは、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基、並びに脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基が直接または架橋基により相互に連結された多環式化合物基からなる群より選択される。
一般式(DA1)で表されるジアミン化合物の具体例としては、例えば1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3”−ジアミノテルフェニル、4,4”−ジアミノテルフェニル、3,3''' −ジアミノクァテルフェニル、4,4''' −ジアミノクァテルフェニル、オキシ−3,3’−ジアニリン、オキシ−4,4’−ジアニリン、チオ−3,3’−ジアニリン、チオ−4,4’−ジアニリン、スルホニル−3,3’−ジアニリン、スルホニル−4,4’−ジアニリン、メチレン−3,3’−ジアニリン、メチレン−4,4’−ジアニリン、1,2−エチレン−3,3’−ジアニリン、1,2−エチレン−4,4’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−4,4’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジアニリン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−プロピレン−3,3’−ジアニリン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−プロピレン−4,4’−ジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、5−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−フルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,4,5,6−ヘキサフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−ヘキサフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノ−5,5’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、オキシ−5,5’−ビス(3−フルオロアニリン)、オキシ−4,4’−ビス(2−フルオロアニリン)、オキシ−4,4’−ビス(3−フルオロアニリン)、スルホニル−5,5’−ビス(3−フルオロアニリン)、スルホニル−4,4’−ビス(2−フルオロアニリン)、スルホニル−4,4’−ビス(3−フルオロアニリン)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−フルオロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−フルオロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−フルオロフェノキシ)−5−フルオロベンゼン、5−(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレンジアミン、2−(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、オキシ−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、オキシ−4,4’−ビス[2−(トリフルオロメチル)アニリン]、オキシ−4,4’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−4,4’−ビス[2−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−4,4’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(3−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチレンジアミン、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(3−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,2−ビス(3−アミノシクロヘキシル)エタン、1,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(3−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−アミノシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノシクロヘキシル)エーテル、ビス(3−アミノシクロヘキシル)スルホン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノシクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン、1,8−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピラジンおよび2,4−ジアミノ−s−トリアジンが挙げられる。
これらのジアミン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。ジアミン化合物は、全アミン化合物成分のうち0.8モル当量以上、好ましくは0.9モル当量以上用いられる。この理由は、ジアミン化合物の配合量が少なすぎる場合には得られるポリイミドの耐熱性が低下するためである。
次に、上記一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物成分および上記一般式(DA1)で表されるジアミン化合物成分のうち、特に好ましいものについて説明する。
上記一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物成分のうち特に好ましいものとしては、下記一般式(DAH2)、(DAH3)または(DAH4)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2007231300
(ただし、
一般式(DAH2)におけるR1 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、フルオロ基、または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数であり、
一般式(DAH3)におけるXは2価のオキシ基、チオ基、スルホニル基、カルボニル基、パーアルキルポリシロキサニレン基、非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または単結合を示し、R2 およびR3 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、bおよびcは0〜3の整数であり、
一般式(DAH4)におけるR4 〜R7 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、dおよびeは0〜2の整数である。)
一般式(DAH2)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリト酸二無水物、3−フルオロピロメリト酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリト酸二無水物、3−(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物および3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物が挙げられる。
一般式(DAH3)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1−エチリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3”,4,4”−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3''' ,4,4''' −クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'''',4,4''''−キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、ジフルオロメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物および3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物が挙げられる。
一般式(DAH4)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。一般式(DAH2)〜(DAH4)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いた場合、得られるポリイミドはガラス転移点や分解温度が高くなり、したがって高耐熱性を示すので好ましい。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は、全酸無水物成分のうち好ましくは0.8モル当量以上、さらに好ましくは0.9当量以上用いられる。この理由は、こうした芳香族テトラカルボン酸二無水物の配合量が少なすぎる場合には得られるポリイミドの耐熱性が低下するおそれがあるためである。
さらに、耐熱性、環境安定性および低誘電率特性の面から、上記一般式(DAH2)〜(DAH4)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物のうち特に好ましいものとしては、ピロメリト酸二無水物、3−(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3''' ,4,4''' −クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、−2,2−スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物および9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
上記一般式(DA1)で表されるジアミン化合物成分のうち好ましいものとしては、下記一般式(DA2)で表される芳香族ジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2007231300
(ただし、一般式(DA2)におけるYは2価のオキシ基、チオ基、スルホニル基、カルボニル基、パーアルキルポリシロキサニレン基、非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基または単結合を示し、R8 およびR9 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪炭化水素基を示し、fおよびgは0〜4の整数、hは0〜6の整数である。)
一般式(DA2)で表される芳香族ジアミン化合物の具体例としては、例えば1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、1,3−フェニレン−3,3’−ジアニリン、1,3−フェニレン−4,4’−ジアニリン、1,4−フェニレン−3,3’−ジアニリン、1,4−フェニレン−4,4’−ジアニリン、オキシ−3,3’−ジアニリン、オキシ−4,4’−ジアニリン、チオ−3,3’−ジアニリン、チオ−4,4’−ジアニリン、スルホニル−3,3’−ジアニリン、スルホニル−4,4’−ジアニリン、メチレン−3,3’−ジアニリン、メチレン−4,4’−ジアニリン、1,2−エチレン−3,3’−ジアニリン、1,2−エチレン−4,4’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−4,4’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジアニリン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−プロピレン−3,3’−ジアニリン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−プロピレン−4,4’−ジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、5−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−フルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,4,5,6−ヘキサフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−ヘキサフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノ−5,5’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、オキシ−5,5’−ビス(3−フルオロアニリン)、オキシ−4,4’−ビス(2−フルオロアニリン)、オキシ−4,4’−ビス(3−フルオロアニリン)、スルホニル−5,5’−ビス(3−フルオロアニリン)、スルホニル−4,4’−ビス(2−フルオロアニリン)、スルホニル−4,4’−ビス(3−フルオロアニリン)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−フルオロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−フルオロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−フルオロフェノキシ)−5−フルオロベンゼン、5−(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレンジアミン、2−(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、オキシ−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、オキシ−4,4’−ビス[2−(トリフルオロメチル)アニリン]、オキシ−4,4’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−4,4’−ビス[2−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−4,4’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(3−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。
これらのジアミン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。一般式(DA2)で表される芳香族ジアミン化合物を用いた場合、得られるポリイミドはガラス転移点や分解温度が高くなり、したがって高耐熱性を示すので好ましい。これらの芳香族ジアミン化合物は、全アミン化合物成分のうち好ましくは0.8モル当量以上、さらに好ましくは0.9当量以上用いられる。この理由は、こうした芳香族ジアミン化合物の配合量が少なすぎる場合には得られるポリイミドの耐熱性が低下するおそれがあるためである。
また、耐熱性、環境安定性および低誘電率特性の面から、上記一般式(DA2)で表される芳香族ジアミン化合物のうち好ましいものとしては、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3”−ジアミノテルフェニル、4,4”−ジアミノテルフェニル、3,3''' −ジアミノクァテルフェニル、4,4'''−ジアミノクァテルフェニル、オキシ−3,3’−ジアニリン、オキシ−4,4’−ジアニリン、スルホニル−3,3’−ジアニリン、スルホニル−4,4’−ジアニリン、メチレン−3,3’−ジアニリン、メチレン−4,4’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−4,4’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、5−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−フルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,4,5,6−ヘキサフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−ヘキサフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノ−5,5’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、5−(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレンジアミン、2−(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、オキシ−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、オキシ−4,4’−ビス[2−(トリフルオロメチル)アニリン]、オキシ−4,4’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−4,4’−ビス[2−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−4,4’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニルが挙げられる。
さらに、上記一般式(DA2)で表されるジアミン化合物のうち特に好ましいものとして、下記一般式(DA3)で表される芳香族ジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2007231300
(ただし、一般式(DA3)におけるZは2価のオキシ基、チオ基、スルホニル基、カルボニル基、パーアルキルポリシロキサニレン基、非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基または単結合を示し、R10〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、iは1〜6の整数、jは0〜4の整数、kは0または1、l、mおよびnは0〜4の整数である。)
一般式(DA3)で表される芳香族ジアミン化合物は、(1)1つのベンゼン環を有し、2つのアミノ基がこのベンゼン環に、互いにメタ位において結合した構造を有する芳香族ジアミン化合物、および(2)2つ以上のベンゼン環を有し、2つのアミノ基がそれぞれ末端のベンゼン環に、その末端のベンゼン環の他のベンゼン環への結合部位から見てメタ位において結合した構造を有する芳香族ジアミン化合物を含む。
上記一般式(DA3)で表される、メタ位にアミノ基を有する芳香族ジアミン化合物の具体例としては、例えば1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノビフェニル、1,3−フェニレン−3,3’−ジアニリン、1,4−フェニレン−3,3’−ジアニリン、オキシ−3,3’−ジアニリン、チオ−3,3’−ジアニリン、スルホニル−3,3’−ジアニリン、メチレン−3,3’−ジアニリン、1,2−エチレン−3,3’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−プロピレン−3,3’−ジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、5−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,4,5,6−ヘキサフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノ−5,5’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、オキシ−5,5’−ビス(3−フルオロアニリン)、スルホニル−5,5’−ビス(3−フルオロアニリン)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−フルオロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−フルオロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−フルオロフェノキシ)−5−フルオロベンゼン、5−(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレンジアミン、オキシ−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(3−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。
これらのジアミン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。上記一般式(DA3)で表される、メタ位にアミノ基を有する芳香族ジアミン化合物を用いた場合、得られるポリイミドは大気中に放置しても吸湿分解し難く、特に環境安定性に優れている。これらのメタ位にアミノ基を有する芳香族ジアミン化合物は、全ジアミン化合物成分のうち好ましくは0.4モル当量以上、さらに好ましくは0.6モル当量以上用いられる。この理由は、これらのメタ位にアミノ基を有する芳香族ジアミン化合物の配合量が少なすぎる場合には、得られるポリイミドの環境安定性(耐吸湿分解性)が低下するおそれがあるためである。
さらに、耐熱性、環境安定性および低誘電率特性の面から、上記一般式(DA3)で表される、メタ位にアミノ基を有する芳香族ジアミン化合物のうち特に好ましいものとしては、例えば1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノビフェニル、1,3−フェニレン−3,3’−ジアニリン、1,4−フェニレン−3,3’−ジアニリン、オキシ−3,3’−ジアニリン、スルホニル−3,3’−ジアニリン、2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、5−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,4,5,6−ヘキサフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノ−5,5’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル、5−(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレンジアミン、オキシ−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、スルホニル−5,5’−ビス[3−(トリフルオロメチル)アニリン]、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン、1,3−ビス[3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニルが挙げられる。
また、本発明においては、上述したジアミン化合物とともに下記一般式(DA4)で表されるジアミン化合物、すなわちビス(アミノアルキル)パーアルキルポリシロキサン化合物を併用してもよい。
Figure 2007231300
(ただし、一般式(DA4)においてR13〜R16はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基を示し、qおよびrは1〜10の整数であり、pは正の整数である。)
上記一般式(DA4)で表されるビス(アミノアルキル)パーアルキルポリシロキサン化合物の具体例としては、例えば1,3−ビス(アミノメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(2−アミノエチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(5−アミノペンチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(6−アミノヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(7−アミノヘプチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(8−アミノオクチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(10−アミノデシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,5−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,7−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,11−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,15−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15−ヘキサデカメチルオクタシロキサン、1,19−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15,17,17,19,19−エイコサメチルデカシロキサンが挙げられる。
上記一般式(DA4)で表されるビス(アミノアルキル)パーアルキルポリシロキサン化合物は、例えばガラス基板やシリコンなどの半導体基板上に形成されるポリイミドの密着性および接着性を向上させる効果を有する。これらの化合物は、全ジアミン化合物成分のうち0.02〜0.1モル当量混合して使用することが好ましい。これは、このような化合物を配合することで得られるポリイミドの基板上への密着性および接着性が向上するものの、過度の配合はポリイミドの耐熱性低下を招くおそれがあるためである。
本発明において、ポリアミド酸の合成に当り必要に応じて添加されるジカルボン酸無水物は下記一般式(AH1)で表される。
Figure 2007231300
(ただし、一般式(AH1)においてαは2価の有機基を示す。)
一般式(AH1)で表されるジカルボン酸無水物を用いる場合、一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(1−m/2)モル当量、一般式(AH1)で表されるジカルボン酸無水物mモル当量(ただし、mは0〜0.4)および一般式(DA1)で表されるジアミン化合物成分0.97〜1.03モル当量の配合比で配合することが好ましい。
本発明において、ポリアミド酸の合成に当り必要に応じて添加されるモノアミン化合物は下記一般式(MA1)で表される。
β−NH2 (MA1)
(ただし、一般式(MA1)においてβは1価の有機基を示す。)
一般式(MA1)で表されるモノアミン化合物を用いる場合、一般式(DAH1)で表されるテトラカルボン酸二無水物0.97〜1.03モル当量、一般式(DA1)で表されるジアミン化合物成分(1−n/2)モル当量および一般式(MA1)で表されるモノアミン化合物nモル当量(ただし、nは0〜0.4)の配合比で配合することが好ましい。
本発明のポリアミド酸を合成する方法は特に限定されないが、不活性ガス雰囲気において有機極性溶媒中で無水の条件下に重合させる方法が好ましい。
この反応時に用いられる有機極性溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、1−アセトキシ−2−エトキシエタン、(2−アセトキシエチル)(2−メトキシエチル)エーテル、(2−アセトキシエチル)(2−エトキシエチル)エーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、フェノール、クレゾール、シクロヘキサノン、アセトニルアセトンが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてよい。
反応温度は通常−20〜100℃、好ましくは−5〜30℃である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間はテトラカルボン酸二無水物の種類、反応溶媒の種類により異なるが、通常4〜24時間で十分である。このとき得られるポリアミド酸は、30℃における0.5wt%−N−メチル−2−ピロリドン溶液のインヒーレント粘度(対数粘度数)が0.3(dL/g)以上、さらには0.3(dL/g)以上3(dL/g)以下であることが好ましい。この理由は、ポリアミド酸のインヒーレント粘度が低すぎる、すなわちポリアミド酸の重合度が低すぎる場合には、高耐熱性のポリイミドを得ることができなくなるおそれがあり、ポリアミド酸のインヒーレント粘度が高すぎる、すなわちポリアミド酸の重合度が高すぎる場合には、その取扱いが困難となるからである。
本発明においてポリイミド膜を形成するには、上述したポリイミド前駆体組成物の溶液を被覆するものの表面上に塗布した後、必要に応じて加熱等の方法で乾燥し、60〜400℃の温度範囲で加熱することによりポリイミド前駆体組成物を硬化させる。低温度でポリイミド膜を形成するには、上述したポリイミド前駆体組成物の溶液を基板表面に塗布した後、必要に応じて200℃以下の温度で乾燥し、大気中または不活性ガス雰囲気中において100〜300℃、好ましくは120〜300℃、より好ましくは150〜250℃の温度範囲で加熱する(直接加熱)か、または60〜250℃の温度範囲で加熱(プリベーク)した後60〜250℃、好ましくは100〜250℃で真空加熱することにより、ポリイミド前駆体組成物を硬化させる。加熱時間に関しては、使用するポリアミド酸や硬化促進剤の種類、加熱温度、膜厚などによって異なるが、5分〜3時間で十分である。この熱処理によって塗膜中に残存する溶媒成分が揮発し、またポリアミド酸のイミド化によるイミド構造への変化が起こり、さらに蒸発、昇華、分解などにより低温硬化促進剤が揮発して、ポリイミド膜が形成される。
従来のポリアミド酸溶液を用いた場合には300℃程度で加熱硬化を行っていたのと比較すると、本発明では多くの場合200℃以下という低温での加熱硬化により良好な物性を有するポリイミド膜を得ることができる。なお、加熱硬化温度はポリイミドの用途に応じて適宜設定することができる。例えば、硬化促進剤の残留が好ましくない用途では直接加熱温度または真空加熱温度を比較的高く設定するが、液晶配向膜のように硬化促進剤が残留してもそれほど影響のない用途では160℃以下の比較的低温で加熱硬化してもよい。
本発明のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜は、各種の電子部品、例えば半導体素子、高密度プリント配線基板、薄膜磁気ヘッド、磁気バブルメモリー、太陽電池、サーマルヘッドにおいて、導体または半導体間の層間絶縁膜、パッシベーション膜、高耐熱性コーティング膜などの保護膜などとして適用することができる。この場合、ポリイミド前駆体組成物の溶液を用いてポリイミド膜を形成することから電子部品の配線を形成した後に表面を平坦化することができる。また、加熱硬化温度が低温であることから電子部品に熱応力が発生するのを防止することができる。したがって、ポリイミド自体の耐熱性、低誘電率などの特徴に加えて、電子部品の信頼性を向上できる。
本発明のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜は、1対の透明基板表面にそれぞれ電極および液晶配向膜を形成し、液晶配向膜を内側にして互いに対向させ、これらの間隙に液晶を封入した液晶素子において、液晶配向膜として適用することができる。この場合にも、加熱硬化温度を従来より大幅に低温にすることができるので、表示特性の劣化を抑制することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ポリアミド酸の合成
表1に示す原料を所定の配合比(モル当量で表示)で用い、以下のようにしてポリアミド酸を合成した。まず、アルゴンガス雰囲気下、冷媒により−5℃〜5℃に冷却したセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアセトアミド50mLを入れ、所定量のテトラカルボン酸二無水物を加えて攪拌しながら溶解した。この溶液に、所定量のジアミン化合物をN,N−ジメチルアセトアミド50mLに溶解した溶液を、圧力平衡管付き滴下漏斗によりゆっくりと滴下し、さらに6時間攪拌し、ポリアミド酸PAA1〜PAA10を得た。
合成したそれぞれのポリアミド酸の0.5wt%N−メチル−2−ピロリドン溶液のインヒーレント粘度を30℃において測定した。これらの結果を表1に示す。
ここで、表1に表記したテトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および溶媒の略号は以下の化合物を示す。
(テトラカルボン酸二無水物)
PMA:ピロメリト酸二無水物
6FDPA:1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物
BPTA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
6FXTA:9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物
(ジアミン化合物)
ODA:オキシ−4,4’−ジアニリン
mPODA:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
m6FDA:1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−3,3’−ジアニリン
pTFBA:4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル
mTFBA:3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル
TSLDA:1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
(溶媒)
DMAC:N,N−ジメチルアセトアミド
Figure 2007231300
(2)ポリイミド前駆体組成物の調製
表2〜表11に示すように、合成したポリアミド酸溶液に、所定の配合比(ポリアミド酸の繰返し単位1モル当量に対するモル当量で表示)で硬化促進剤を加え、ポリイミド前駆体組成物溶液(ワニス)を調製した。また、比較のために表12および表13に示すように、硬化促進剤を添加していないポリアミド酸溶液(ワニス)を調製した。
ここで、表2〜表11に表記した硬化促進剤の略号は以下の化合物を示す。
BIM:ベンゾイミダゾール
IMD:イミダゾール
TRZ:1,2,4−トリアゾール
PRN:プリンQNL:キノリン
IQN:イソキノリン
PTL:フタラジン
PNT:フェナントロリン
DPY:4,4’−ジピリジル
HMP:4−ピリジルメタノール
3HP:3−ヒドロキシピリジン
4HP:4−ヒドロキシピリジン
NCA:ニコチンアミド[3−ピリジンカルボンアミド]
INA:イソニコチンアミド[4−ピリジンカルボンアミド]
HQN:8−ヒドロキシキノリン
INX:イソニコチンアルドキシム[4−ピリジンカルバルデヒド=オキシム]
BGL:馬尿酸[N−ベンゾイルグリシン]
AGL:N−アセチルグリシン
BVR:N−ベンゾイルバリン
ANA:アニリノ酢酸[N−フェニルグリシン]
PGN:フロログルシノール
PGL:ピロガロール
EGL:没食子酸エチル
DHA:3’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン
THA:2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン
THB:2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン
NRS:2−ニトロレゾルシノール
HPA:3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン
NDL:1,6−ジヒドロキシナフタレン
ATL:1,4,9,10−テトラヒドロキシアントラセン
ACD:アクリジン
PTD:フェナントリジン
BFQ:ベンゾ[f]キノリン
AIM:1−アセチルイミダゾール
4HQ:4−ヒドロキシキノリン
MTR:2−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
NMA:N,N−ジメチルニコチンアミド
PPX:フェニル−2−ピリジルケトオキシム
HPO:3−ヒドロキシピリジン−N−オキシド
HQO:4−ヒドロキシキノリン−N−オキシド
(3)ポリイミド膜の形成および物性の測定
以下のようにしてポリイミド膜を形成し、各種の物性(イミド化率、誘電率、分解開始点、吸湿分解ガス量、液晶配向性)を測定した結果を表2〜表13に示す。
まず、所定の基板上に上記で得られたポリイミド前駆体組成物溶液を塗布し、ホットプレート上において80℃で10分間加熱(プリベーク)した後、以下に示した(A)〜(D)のいずれかの方法で加熱硬化して各種測定用のポリイミド膜試料を作製した。
(A)ホットプレート上において120℃で1時間加熱した後、真空オーブン中において100℃で1時間加熱する。
(B)ホットプレート上において150℃で30分間加熱した後、真空オーブン中において100℃で1時間加熱する。
(C)ホットプレート上において160℃で30分間加熱する。
(D)窒素カバー付きホットプレート上において窒素雰囲気として、150℃で1時間、250℃で1時間、350℃で1時間加熱する。この際、各温度間の昇温時間は30分間とする。
このようにAの加熱硬化条件が最も低温であり、B、C、Dの順に加熱硬化条件が高温になっている。表2〜表13には上記の加熱硬化操作をA〜Dで示す。
また、ポリイミド膜の各種物性は具体的には以下のようにして測定した。
(a)IR分析(イミド化率の測定)
2cm角のシリコンウェハー上に、スピンコート法によりポリイミド前駆体組成物溶液を硬化後の膜厚が1〜5μmとなるように塗布した後、プリベークおよび加熱硬化を行った。得られた各ポリイミド膜についてIRスペクトルを測定した。例として、実施例41、実施例62および実施例89のポリイミド膜のIRスペクトルを図1〜図3に示す。また、各ポリイミド膜のうち同一のポリアミド酸を含むグループでIRスペクトルのイミド結合に帰属するピークを比較してイミド化率を求めた。表2〜表13には、硬化促進剤を添加していないポリアミド酸溶液を(D)プロセスで加熱硬化することにより得られたポリイミド膜のイミド化率を100%として、その他のポリイミド膜のイミド化率を相対比で示している。
(b)誘電率測定
1mm×100mm×100mmのアルミニウム板上に、バーコーターを用いてポリイミド前駆体組成物溶液を硬化後の膜厚が40〜60μmとなるように塗布した後、プリベークおよび加熱硬化を行った。得られた各ポリイミド膜について10kHzにおける誘電率を測定した。
(c)TG/DTA分析(分解開始点の測定)
6インチのシリコンウェハー上に、スピンコート法によりポリイミド前駆体組成物溶液を硬化後の膜厚が約10μmとなるように塗布した後、プリベークおよび加熱硬化を行った。得られた各ポリイミド膜について、窒素気流中でTG/DTA分析を行い、分解開始点(0.5wt%の重量減少が生じる温度)を測定した。
(d)パイロライザー−GC−MASS測定(吸湿分解ガス量の測定)
4インチのシリコンウェハー上に、スピンコート法によりポリイミド前駆体組成物溶液を硬化後の膜厚が0.4〜1μmとなるように塗布した後、プリベークおよび加熱硬化を行った。得られた各ポリイミド膜を、20℃において飽和水蒸気下で1週間放置した後、パイロホイルに導入し、キューリーポイントパイロライザーにより358℃で3秒間加熱し、発生したガス成分をGC−MASSにより分析した。そして、加水分解性ガスであるトルエンガスの発生量を、MASSのイオンクロマトのピーク強度をサンプル1mgあたりに換算した値で評価した。
(e)液晶配向性
酸化インジウム電極をスクリーン印刷したガラス基板上に、スピンコート法によりポリイミド前駆体組成物溶液を硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布した後、プリベークおよび加熱硬化を行った。得られたポリイミド膜に対し、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用い、ロールの回転数450rpm、ステージ移動速度1cm/secでラビング処理して配向処理を行った。次に、ラビング処理した液晶配向膜を有する一対の基板の周縁をガラスビーズ(スペーサー)を含有するエポキシ系接着剤を用いて150℃で加熱圧着して接着剤を硬化させ、セル厚15μmの液晶セルを作製した。次いで、液晶注入口よりネマチック型液晶(メルク社製ZLI−1565)を注入し、光硬化型エポキシ樹脂で注入口を封止した後、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせてテスト用液晶表示装置を製造した。各ポリイミド膜からなる液晶配向膜を有するテスト用液晶表示装置を用いて液晶の初期配向性を調べた。
Figure 2007231300
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表2〜表13において、加熱硬化条件を考慮して各種物性を比較すると、本発明のポリイミド前駆体組成物は、低温で十分に硬化させることができ、良好な物性を示すことがわかる。具体的な評価を以下に示す。
(a)イミド化率の評価
表2〜表13のイミド化率を比較すると以下のことがわかる。硬化促進剤を添加していない比較例のポリアミド酸溶液では、イミド化率はAプロセス(硬化温度120℃)ではほぼ0%(比較例1)、Bプロセス(硬化温度150℃)では8〜18%(比較例2〜19)、Cプロセス(硬化温度160℃)で24%(比較例20)である。これに対し、本発明のポリイミド前駆体組成物を用いた場合には、イミド化率はAプロセス(硬化温度120℃)でも88〜96%(実施例1〜20、および実施例91〜110)、Bプロセス(硬化温度150℃)およびCプロセス(硬化温度160℃)ではほとんど100%(実施例21〜80および実施例81〜90)である。このように本発明のポリイミド前駆体組成物溶液は低温硬化特性に優れている。
(b)誘電率の評価
表4〜8および表13の誘電率を比較すると以下のことがわかる。Bプロセス(硬化温度150℃)で硬化した実施例31〜80のポリイミド膜は、高温硬化条件であるDプロセスで硬化した比較例11〜19のポリイミド膜と同等の誘電率を示している。このように本発明のポリイミド前駆体組成物溶液は低温硬化しても低誘電率のポリイミド膜を得ることができる。
(c)分解開始点の評価
表4〜8および表13の分解開始点を比較すると以下のことがわかる。Bプロセス(硬化温度150℃)で硬化した実施例31〜80のポリイミド膜と、高温硬化条件であるDプロセスで硬化した比較例11〜19のポリイミド膜とでは、分解開始点にほとんど差がない。このように本発明のポリイミド前駆体組成物溶液は低温硬化しても良好な耐熱性を有するポリイミド膜を得ることができる。
(d)分解ガス量の評価
表4〜8および表13の分解ガス量(分解ガスのピーク強度)を比較すると以下のことがわかる。実施例31〜80のポリイミド膜はBプロセス(硬化温度150℃)で硬化しているにもかかわらずトルエンガスの発生量が非常に少ないものが多く、少なくとも同一のポリアミド酸を含むものどうしで比較すれば高温硬化条件であるDプロセスで硬化した比較例11〜19のポリイミド膜よりもトルエンガスの発生量が少ない。このように本発明のポリイミド前駆体組成物溶液を低温硬化したポリイミド膜は分解ガスの発生量が少なく、耐吸湿分解性(環境安定性)に優れている。
(e)液晶配向性の評価
表9および表13の液晶配向性を比較すると、比較例20では不良であるのに対し、実施例81〜90では良好である。液晶配向性の評価に用いられたテスト用液晶表示装置はいずれもCプロセスで硬化したポリイミド液晶配向膜を有するものであるため、液晶配向性の差はイミド化率の差に起因すると考えられる。
さらに、本発明のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜を用い、図4〜図8に示す各種の電子部品および液晶表示素子を試作した。
図4は本発明に係るポリイミド膜からなる層間絶縁膜を有する多層配線構造の半導体素子の断面図である。ここでは実施例46のポリイミド前駆体組成物を用いBプロセスで硬化させたポリイミド膜を層間絶縁膜として用いた。
図4において、素子部17が形成されたシリコン基板11表面には熱酸化膜12が形成されている。この熱酸化膜12の一部にコンタクトホールが開口され、その上に1層目のAl配線13が形成されている。このAl配線13上にポリイミド膜からなる層間絶縁層14が形成されている。この層間絶縁膜14の一部にコンタクトホールが開口され、その上に1層目のAl配線13と接続する2層目のAl配線15が形成されている。このAl配線15上にさらにポリイミド膜からなる層間絶縁膜16が形成されている。
上記の層間絶縁膜14はポリイミド前駆体組成物溶液をスピンコートした後に硬化して形成するので、表面の段差を緩和して平坦化した状態で多層のAl配線を形成することができ、高信頼性の配線構造を得ることができる。また、適当なモノマーを選択すれば、本発明のポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミド膜は低熱膨張性を示す。しかも、低温硬化プロセスで硬化させるので、熱膨張の小さい温度領域でポリイミド膜を形成することができる。したがって、半導体素子に加わる熱応力を小さくでき、ヒートサイクルを受けても素子のクラックの発生を抑制できる。
図5は本発明に係るポリイミド膜からなるパッシベーション膜を有する半導体素子の断面図である。ここでは実施例54のポリイミド前駆体組成物を用いBプロセスで硬化させたポリイミド膜をパッシベーション膜として用いた。
図5において、タブ23上に配置されたLSIチップ21の上には、ボンディングパッド22が設けられ、さらにパターニングされたポリイミド膜からなるパッシベーション膜25が形成されている。なお、LSIチップ21上のボンディングパッド22は、ボンディングワイヤ26によりリードフレーム27と接続されており、これらは封止剤28で封止されている。
本発明のポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミド膜をパッシベーション膜25に用いれば、高信頼性の半導体素子が得られ、製造工程における不良もほとんどない。
図6は本発明に係るポリイミド膜からなる層間絶縁膜を有する薄膜磁気ヘッドの断面図である。ここでは実施例38のポリイミド前駆体組成物を用いBプロセスで硬化させたポリイミド膜を層間絶縁膜として用いた。
図6において、アルチック基板30表面に設けられた下部アルミナ31上に下部磁性体32およびギャップアルミナ33が順次形成されている。このギャップアルミナ33上に、ポリイミド膜からなる層間絶縁膜34に埋設された状態で第1導体コイル35および第2導体コイル36が互いに絶縁されて形成されている。さらに最外層には上部磁性体37が形成され、ヘッド端面でギャップアルミナ33を挟んで下部磁性体32および上部磁性体37が配置される。
上記の層間絶縁膜34はポリイミド前駆体組成物溶液をスピンコートした後に硬化して形成するので、第1および第2の導体コイル35および36により形成される段差が緩和される。また、層間絶縁膜34を平坦化するにはエッチバックを行うが、段差が緩和されているのでエッチバック量を従来の約半分にすることができ製造工程を短縮できるとともに、層間絶縁膜34の膜厚精度も向上する。
図7は本発明に係るポリイミド膜からなる層間絶縁膜を有するマルチチップモジュールの断面図である。ここでは実施例32のポリイミド前駆体組成物を用いBプロセスで硬化させたポリイミド膜を層間絶縁膜として用いた。
図7において、シリコン基板41上には熱酸化膜42が形成されている。この熱酸化膜42上には、銅配線43、ポリイミド膜からなる層間絶縁膜44、銅配線45およびポリイミド膜からなる層間絶縁膜46が順次形成されている。さらに、上層の層間絶縁膜46の一部にコンタクトホールが開口され、銅配線43に接続するPb/Sn電極47およびBLM(Ball Limiting Metallization )48が形成されている。
上記の層間絶縁膜44はポリイミド前駆体組成物溶液をスピンコートした後に硬化して形成するので、銅配線による段差を大幅に緩和して平坦化でき、高信頼性の配線構造を得ることができる。
図8は本発明に係るポリイミド膜からなる液晶配向膜を有する液晶表示素子の断面図である。ここでは実施例89のポリイミド前駆体組成物を用いCプロセスで硬化させたポリイミド膜を液晶配向膜として用いた。
1対のガラス基板51の表面にそれぞれ透明電極52およびポリイミド膜からなる厚さ20〜200nm程度の液晶配向膜53を形成する。この液晶配向膜53を常法に従いラビング処理する。さらに、液晶配向膜53が互いに対向するように1対のガラス基板51を所定の間隔で配置し、ガラス基板51、51の間に液晶54を注入することにより液晶セルを形成する。
本発明のポリイミド前駆体組成物を用いた場合、従来のポリイミド前駆体組成物を用いた場合の硬化温度(300℃以上)と比較して低い硬化温度(100〜200℃)で、従来よりも短い硬化時間(0.5〜2時間)でイミド化率の高い液晶配向膜53を形成することができる。したがって本発明では、高温の熱処理によって液晶表示装置の表示機能が低下するという問題を防止できる。
本発明は、特に、IC、LSIのキャリヤーフィルム、フラットケーブル、フレキシブルプリント基板、LSIの配線絶縁膜、LSIの耐湿保護膜、LSIのα線遮断膜、フィルム絶縁コイル、半導体のパッシベーション膜、ポリイミド絶縁膜を有する金属芯プリント板、薄膜磁気ヘッド層間絶縁膜、磁気バブルメモリー素子層間絶縁膜、ガラスクロス積層板、サーマルヘッドの高耐熱性コーティング膜、液晶表示素子の液晶配向膜などに有用である。
本発明の実施例21で形成されたポリイミド膜のIRスペクトル図。 本発明の実施例42で形成されたポリイミド膜のIRスペクトル図。 本発明の実施例89で形成されたポリイミド膜のIRスペクトル図。 本発明に係るポリイミド膜からなる層間絶縁膜を有する多層配線構造の半導体素子の断面図。 本発明に係るポリイミド膜からなるパッシベーション膜を有する半導体素子の断面図。 本発明に係るポリイミド膜からなる層間絶縁膜を有する薄膜磁気ヘッドの断面図。 本発明に係るポリイミド膜からなる層間絶縁膜を有するマルチチップモジュールの断面図。 本発明に係るポリイミド膜からなる液晶配向膜を有する液晶表示素子の断面図。
符号の説明
11…シリコン基板; 12…熱酸化膜; 13、15…Al配線
14、16…ポリイミド膜からなる層間絶縁膜; 21…LSIチップ
22…ボンディングパッド; 23…タブ; 25…パッシベーション膜
26…ボンディングワイヤ; 27…リードフレーム; 28…封止剤
30…アルチック基板; 31…下部アルミナ; 32…下部磁性体
33…ギャップアルミナ; 34…ポリイミド膜からなる層間絶縁膜
35…第1導体コイル; 36…第2導体コイル; 37…上部磁性体
41…シリコン基板; 43、45…銅配線
44、46…ポリイミド膜からなる層間絶縁膜; 47…Pb/Sn電極
48…BLM(Ball Limiting Metallization); 51…ガラス基板
52…透明電極; 53…ポリイミド膜からなる液晶配向膜; 54…液晶。

Claims (13)

  1. ポリアミド酸の合成に用いられる有機極性溶媒と、
    下記一般式(PA)で表わされる繰り返し単位を有するポリアミド酸と、
    前記ポリアミド酸の繰り返し単位1モル当量に対して0.5〜2.5モル当量で配合され、前記ポリアミド酸の硬化を促進する硬化促進剤とのみからなり、前記硬化促進剤は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アントラキノン、フェナントレン、フェナントレンキノン、フルオレン、フルオレノン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、フラン、クマロン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ベンゾジオキサン、ビフェニル、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、ベンゾフェノン、安息香酸エステル、ベンゼンジカルボン酸ジエステル、ベンズアミド、ベンズニトリル、ベンズアルデヒド、アルコキシベンゼン、ベンジルアルコール、ニトロベンゼン、ベンゼンスルホン酸、アニリン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、ジフェニルプロパン、ジフェニルジフルオロメタン、ジフェニルテトラフルオロエタン、ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジフェニルアミン、ジフェニルメチルアミン、トリフェニルアミン、トリフェニルメタン、トリフェニルメタノール、およびフクソンからなる群から選択された芳香環化合物を少なくとも2個以上のヒドロキシ基で置換した化合物(AC3)からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とするポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2007231300
    (ここで、φは4価の有機基、Ψは2価の有機基、Rは置換または非置換の炭化水素基、有機ケイ素基または水素原子を表わす。)
  2. 前記(AC3)の硬化促進剤は、ベンゼントリオール、ジヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシ安息香酸エステル、ジヒドロキシベンズアミド、トリヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンジルアルコール、トリヒドロキシベンジルアルコール、アルコキシベンゼンジオール、アルコキシベンゼントリオール、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、ニトロベンゼンジオール、ジヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、ジヒドロキシジフェニルアミン、トリヒドロキシジフェニルアミン、テトラヒドロキシジフェニルアミン、ジヒドロキシトリフェニルアミン、トリヒドロキシトリフェニルアミン、テトラヒドロキシトリフェニルアミン、ジヒドロキシビフェニル、トリヒドロキシビフェニル、テトラヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリヒドロキシジフェニルエーテル、テトラヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホン、トリヒドロキシジフェニルスルホン、テトラヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルメタン、トリヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルエタン、トリヒドロキシジフェニルエタン、テトラヒドロキシジフェニルエタン、ジヒドロキシジフェニルプロパン、トリヒドロキシジフェニルプロパン、テトラヒドロキシジフェニルプロパン、ジヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、トリヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、テトラヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、トリフェニルメタントリオール、ジヒドロキシフクソン、ナフタレンジオール、ナフタレントリオール、ナフタレンテトラオール、アントラセンジオール、アントラセントリオール、アントラセンテトラオール、フルオレンジオール、フルオレントリオール、フルオレンテトラオール、フルオレノンジオール、フルオレノントリオール、およびフルオレノンテトラオールからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
  3. 前記(AC3)の硬化促進剤は、フロログルシノール、ピロガロール、没食子酸エチル、3’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2−ニトロレゾルシノール、3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、および1,4,9,10−テトラヒドロキシアントラセンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する請求項2記載のポリイミド前駆体組成物。
  4. 前記一般式(PA)で表わされるポリアミド酸は、下記一般式(DAH1)で表わされるテトラカルボン酸二無水物成分(1−m/2)モル当量と、下記一般式(DA)で表わされるジアミン化合物成分0.97〜1.03モル当量と、下記一般式(AH1)で表わされるジカルボン酸成分mモル当量(ただし、mは0〜0.4)とを混合し、無水条件下に不活性ガス雰囲気中、有機極性溶媒中で−20℃〜100℃で重合させたものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2007231300
    (ここで、一般式(DAH1)におけるφは4価の有機基、一般式(DA1)におけるΨは2価の有機基であり、一般式(AH1)におけるαは2価の有機基である。)
  5. 前記一般式(PA)で表わされるポリアミド酸は、下記一般式(DAH1)で表わされるテトラカルボン酸二無水物成分0.97〜1.03モル当量と、下記一般式(DA1)で表わされるジアミン化合物成分(1−n/2)モル当量と、下記一般式(MA1)で表わされるジアミン成分nモル当量(ただし、nは0〜0.4)とを混合し、無水条件下に不活性ガス雰囲気中、有機極性溶媒中で−20℃〜100℃で重合させたものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2007231300
    (ここで、一般式(DAH1)におけるφは4価の有機基、一般式(DA1)におけるΨは2価の有機基であり、一般式(MA1)におけるβは1価の有機基である。)
  6. 前記一般式(DAH1)で表わされるテトラカルボン酸二無水物は、下記一般式(DAH2)、(DAH3)および(DAH4)で表わされる化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項4または5に記載にポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2007231300
    (ここで、一般式(DAH2)におけるR1は同一でも異なっていてもよく、フルオロ基、または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数である。一般式(DAH3)におけるXは2価のオキシ基チオ基、スルホニル基、カルボニル基、パーアルキルポリシロキサンジイル基、非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または単結合を示し、R2及びR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、bおよびcは0〜4の整数である。一般式(DAH4)におけるR4、R5、R6およびR7はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、dおよびeは0〜4の整数である。)
  7. 前記一般式(DA1)で表わされるジアミン化合物成分が、下記一般式(DA2)で表わされる化合物を0.8モル当量以上含有する請求項4または5に記載のポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2007231300
    (ここで、一般式(DA2)におけるYは2価のオキシ基、チオ基、スルホニル基、カルボニル基、パーアルキルポリシロキサンジイル基、非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基または単結合を示し、R8およびR9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、fおよびgは0〜4の整数、hは0〜6の整数である。)
  8. 前記一般式(DA2)で表わされるジアミン化合物成分が、下記一般式(DA3)で表わされる芳香族ジアミン化合物を0.4モル当量以上含有する請求項7に記載のポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2007231300
    (ここで、一般式(DA3)におけるZは2価のオキシ基、チオ基、スルホニル基、カルボニル基、パーアルキルポリシロキサンジイル基、非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基または単結合を示し、R10、R11およびR12は、同一でも異なっていてもよく、フルオロ基または非置換もしくはフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を示し、iは1〜6の整数、jは0〜4の整数、kは0または1、l,mおよびnは0〜4の整数である。)
  9. 前記ポリアミド酸の合成に用いられる有機極性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、1−アセトキシ−2−エトキシエタン、(2−アセトキシエチル)(2−メトキシエチル)エーテル、(2−アセトキシエチル)(2−エトキシエチル)エーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、フェノール、クレゾール、シクロヘキサノン、およびアセトニルアセトンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物の溶液を被覆するものの表面に塗布した後、60〜400℃の温度範囲で加熱することによりポリイミド前駆体を硬化させるポリイミド膜の形成方法。
  11. ポリイミド前駆体組成物の溶液を基板表面に塗布した後、必要に応じて200℃以下の温度で乾燥し、大気中または不活性ガス雰囲気中で100〜300℃の温度範囲で加熱するか、または60〜250℃の温度範囲で加熱した後60〜250℃で真空加熱することにより、ポリイミド前駆体組成物を硬化させてポリイミド膜を形成する請求項10記載のポリイミド膜の形成方法。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜からなる絶縁膜または保護膜を具備したことを特徴とする電子部品。
  13. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を硬化させてなるポリイミド膜からなる液晶配向膜を具備したことを特徴とする液晶素子。
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