JP2007230490A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サスペンションタワー部5の上部52とサスペンションタワー部より車両前方側のフロントサイドフレーム2とを、側面視で前下がりに傾斜して結合する左右一対の第一メンバ11,12を備え、該第一メンバを平面視で車両前方側を先細りとしたハの字状に配置して、前記サスペンションタワー部の上部を車幅方向に延びるサスタワーバー21で連結したものである。
【選択図】図1
Description
上記構成によれば、サスペンションタワー部の上部とカウルボックスが車両前後方向に延びる第二メンバで連結されることで、サスペンションタワー部の上部に伝達される衝突荷重がカウルボックスにも直接伝達されることになる。
このため、サスペンションタワー部の上部に伝達された衝突荷重が、サスタワーバーに加えて、カウルボックスをも通じて車体上部に分散伝達されることになり、衝突性能を確実に向上することができる。
よって、車体上部への衝突荷重の分散伝達を確実に行なうことができ、フロントサイドフレームの軸圧縮によるエネルギー吸収をより確実に実現できる。
上記構成によれば、第二メンバの設置角度を、第一メンバとのなす角度が車両内方側の方を小さくなるように設定したことで、例えば、第一メンバからの荷重によって、サスペンションタワー部の上部が車幅方向外方側へ変位する場合に、第二メンバに車幅方向外方側への変位(倒れ)が生じて、サスペンションタワー部の上部の車幅方向外方側への変位が促進されることになる。
よって、第二メンバによって、カウルボックスに対して衝突荷重を分散伝達しつつも、この第二メンバがサスペンションタワー部の上部の車幅方向外方側への変位を阻害することなく促進するため、よりサスタワーバーの塑性変形によるエネルギー吸収度合を高めることができる。
上記構成によれば、エンジン等のパワープラントがフロントサイドフレームよりも上方に位置する第一メンバで支持されることになる。
このため、エンジンマウントの取付け部位をフロントサイドフレームに設定する必要がなくなり、フロントサイドフレームの座屈変形領域を拡大することができる。また、前面衝突時のパワープラントの後退エネルギーを第一メンバを介してサスペンションタワー部の上部に伝達できる。さらに、パワープラントの支持位置を高く設定できるため、パワープラントの振動抑制を図ることもできる。
よって、フロントサイドフレームの軸圧縮によるエネルギー吸収量をより多くすることができ、また、前面衝突時のパワープラントの後退挙動による影響を車体上部に伝達することで、車体下部の負担を軽減することができる。また、パワープラント振動のNVH(Noise Vibration Harshness)性能も高めることができる。
上記構成によれば、第一メンバを、フロントサイドフレーム上のエンジンマウントと平面視で重複するように設置して、そのエンジンマウントの前方位置でフロントサイドフレームに連結しているため、エンジンマウントをフロントサイドフレーム上に設置しつつも、第一メンバをサスペンションタワー部にダイレクトに連結することができる。
よって、フロントサイドフレーム上に設置したエンジンマウントの干渉をうけることなく、第一メンバによって、ダイレクトにサスペンションタワー部の上部に衝突荷重を伝達することができるため、より積極的にサスペンションタワー部の上部に車幅方向の変位を生じさせ、サスタワーバーの塑性変形を促進することができる。
よって、フロントサイドフレームに作用する衝突荷重を車体上部に伝達するに車体前部構造において、フロントサイドフレームの上方への屈曲を抑制してフロントサイドフレームの軸圧縮によるエネルギー吸収を実現しつつも、できるだけ車体上部に新たな補強手段を設定することなく、衝突エネルギーを吸収支持することができる。
まず、図1〜図7により、第一実施形態の構成について説明する。図1はこの実施形態の車体前部構造を示す左側斜視図、図2は車体前部構造を示す右側斜視図、図3は車体前部構造の平面図、図4は車体前部構造の正面図、図5は車体前部構造の左側側面図、図6は図3のA−A線矢視断面図、図7は図3のB−B線矢視断面図である。なお、各図において、ドライバーから見て右側を車両右側として説明し、左側を車両左側として説明する。
サスタワー5は、上端を閉鎖した中空円筒の本体部53を備え、その本体部53の内部にはサスペンション装置のコイルスプリングSを保持する受部54を形成し、本体部53の略中央には、ゴムブッシュ55を介して図示しないダンバー軸を配置する貫通孔56を形成している。この本体部53の上部に、外縁部を起立形成した円形キャップ状の補強部材57をボルト58等で固定することで、強固なサスタワー上部52を構成している。本体部53と補強部材57で囲まれた空間Qは、平面視(上方視)で略リング状の閉断面を構成して、サスタワー上部52の剛性を高めている。
前突初期から前突中期にかけて、図面右側の従来構造では、バンパーレインフォースメント4が後退してクラッシュカン3が座屈変形することで、衝突初期の衝突エネルギーを吸収することができる。しかし、衝突エネルギーが車体上部に分散されずにフロントサイドフレーム2に集中するため、その基部であるダッシュパネル1近傍から上方に折れ曲がり変形が生じて、エンジンルーム内のパワープラントPが後方且つ上方に変位する所謂ノーズダイブ挙動が発生する。また、タイヤホイールWも硬質であるため後方に変位することでダッシュパネル1の後退を助長する。
前突初期から前突中期にかけて、前述のようにバンパーレインフォースメント4が後退してクラッシュカン3,3が座屈変形することで、衝突初期の衝突エネルギーが吸収される。また、第一メンバ11,12がフロントサイドフレーム2,2の衝突エネルギーをサスタワー上部52に分散して伝達するため、フロントサイドフレーム2,2に衝突エネルギーが集中するのを緩和できる。このとき、フロントサイドフレーム2,2とのオフセット量が少ないサスタワー上部52,52に第一メンバ11,12によってダイレクトに衝突荷重を伝達しているため、第一メンバ11,12の車幅方向の傾斜角度を大きくすることなく、確実に衝突エネルギーを伝達することができる。
まず、この実施形態では、サスタワー上部と、そのサスタワーより車両前方側のフロントサイドフレームとを、側面視で前下がりに傾斜して結合する左右一対の第一メンバを備え、その第一メンバを平面視で車両前方側を先細りとしたハの字状に配置して、サスタワー上部を車幅方向に延びるサスタワーバーで連結している。
これにより、サスタワー上部に伝達される衝突荷重がカウルボックスにも直接伝達されることになる。
このため、サスタワー上部に伝達された衝突荷重が、サスタワーバーに加えて、カウルボックスをも通じて車体上部に分散伝達されることになり、衝突性能を確実に向上することができる。
よって、車体上部への衝突荷重の分散伝達を確実に行なうことができ、フロントサイドフレームの軸圧縮によるエネルギー吸収をより確実に実現できる。
これにより、第一メンバからの荷重によって、サスタワー上部が車幅方向外方側へ変位する場合に、第二メンバに車幅方向外方側への変位が生じてサスタワー上部の車幅方向外方側への変位が促進されることになる。
よって、第二メンバによって、カウルボックスに対して衝突荷重を分散伝達しつつも、この第二メンバがサスタワー上部の車幅方向外方側への変位を阻害することなく促進するため、よりサスタワーバーの塑性変形によるエネルギー吸収度合を高めることができる。
これにより、エンジンE等のパワープラントPがフロントサイドフレーム2よりも上方に位置する第一メンバで支持されることになる。
このため、エンジンマウントの取付け部位をフロントサイドフレーム2,2に設定する必要がなくなり、フロントサイドフレーム内部に節等の補強部材を設ける必要がなく、その分、フロントサイドフレーム2の座屈変形領域を拡大することができる。よって、フロントサイドフレーム2の軸圧縮によるエネルギー吸収量をより多くすることができる。
また、前面衝突時に生じるパワープラントPの後退エネルギーをブリッジ状の第一メンバ11を介してサスタワー上部52に伝達することができる。よって、前面衝突時のパワープラントPの後退挙動による影響を車体上部に伝達することで、車体下部の負担を軽減することができる。
さらに、パワープラントPのNo.3マウント14の支持位置を高く設定できるため、No.3マウント14のゴム弾性を柔らかくしつつも、パワープラントPの変動を抑えて振動抑制を図ることもできる。よって、パワープラント振動のNVH性能も高めることができる。
これにより、第一メンバ12を、フロントサイドフレーム2上のNo.4マウント16と平面視で重複するように設置して、そのNo.4マウント16の前方位置でフロントサイドフレーム12に連結しているため、No.4マウント16をフロントサイドフレーム2上に設置しつつも、第一メンバ12をサスタワー上部52にダイレクトに連結することができる。
よって、フロントサイドフレーム2上に設置したNo.マウント16の干渉をうけることなく、第一メンバ12によって、ダイレクトにサスタワー上部52に衝突荷重を伝達することができ、より積極的にサスタワー上部52に車幅方向の変位を生じさせ、サスタワーバー21の塑性変形を促進することができる。
また、連結ガセット100をスチール材料とすることで、他の車体部材と同じ材料で形成できるため、生産コストも低減できるという効果も奏する。
その他の作用効果については、前述の第一実施形態と同様である。
この発明の第一メンバは、ブリッジ状の第一メンバ11,12、連結ガセット100に対応し、
以下同様に、
エンジンマウント取付け部に取付けられるエンジンマウントは、No.3マウント14に対応し、
フロントサイドフレーム上に配置されるエンジンマウントは、No.4マウント16に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車体前部構造に適用する実施形態を含むものである。
2…フロントサイドフレーム
5…サスペンションタワー部
11…第一メンバ
12…第一メンバ
13…エンジンマウント取付け部
20…第二メンバ
21…サスタワーバー
52…サスペンションタワー部の上部
100…連結ガセット
Claims (5)
- ダッシュパネルから車両前方側に突出するフロントサイドフレームと、その車外側位置において、該フロントサイドフレームに下端部が結合されてエンジンルーム内に膨出するように形成されたサスペンション装置を収容するサスペンションタワー部とを左右それぞれに備えた車体前部構造にあって、
前記サスペンションタワー部の上部と該サスペンションタワー部より車両前方側のフロントサイドフレームとを、側面視で前下がりに傾斜して結合する左右一対の第一メンバを備え、
該第一メンバを平面視で車両前方側を先細りとしたハの字状に配置して、
前記サスペンションタワー部の上部を車幅方向に延びるサスタワーバーで連結した
車体前部構造。 - 前記サスペンションタワー部の車両後方側に車幅方向に延びるカウルボックスを形成し、
該カウルボックスとサスペンションタワー部の上部とを、車両前後方向に延びる第二メンバで連結した
請求項1記載の車体前部構造。 - 前記第二メンバの設置位置を、平面視で前記第一メンバとのなす角度が車両内方側の方を車両外方側よりも小さくなるように設定した
請求項2記載の車体前部構造。 - 前記第一メンバの中間部に、エンジンマウントを取付けるエンジンマウント取付け部を形成した
請求項1〜3いずれか記載の車体前部構造。 - 前記第一メンバを、前記フロントサイドフレーム上に配置されるエンジンマウントと平面視で重複するように、フロントサイドフレームの上方に延在して、
該第一メンバの前端部を、前記エンジンマウントより車両前方側でフロントサイドフレームに結合した
請求項1〜3いずれか記載の車体前部構造。
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