JP2007230045A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】余剰接着剤による吐出特性のばらつきを低減することができるインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】インクジェットヘッドは、圧電材料からなる主表面にインクチャンネルを構成するための複数の平行なチャンネル溝が形成されることによって残った部分であるチャンネル壁12が前後方向に延在するベース基板としての圧電基板1と、チャンネル溝を覆ってインク室4を構成するように圧電基板1の主表面と貼り合わせられたカバー部材2とを備え、前記インクチャンネルは、前方の一部においてチャンネル壁12の上面がカバー部材2に当接していることによってチャンネル壁12の変形がインク吐出に寄与し得るアクティブ領域を有し、圧電基板1とカバー部材2とを接着した際に両者の接着に直接寄与せずに余った接着剤を保持するための余剰接着剤保持領域7が前記アクティブ領域内に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットヘッドに関するものである。
インクジェットヘッドの構造の一例として、前後方向に延びるようにチャンネル溝としての凹部を形成した圧電基板と、共通インク室としての凹部を形成したカバー部材とを互いに貼り合わせたものが一般に知られている。圧電基板とカバー部材とを貼り合わせることによってチャンネル溝の上方は塞がれ、インク室となる。共通インク室はインク室にインクを供給するためにインクを事前に一時的に保持する空間となる。
チャンネル溝同士を仕切るように立つ壁状の部分は「チャンネル壁」と呼ばれる。このチャンネル壁には圧電材料が含まれており、チャンネル壁の両面に張られた電極に電圧を印加することによってチャンネル壁の圧電材料からなる部分は剪断変形を起こし、チャンネル壁は変形する。この結果、インク室の容積は急激に増減し、前方の吐出孔からインクが吐出される。
本発明に関して、「インクチャンネル」とは、インクを吐出するための機構の1単位を意味し、「インク室」とは、インクチャンネルを構成する要素のひとつであり、左右上下を密閉された空間をいうものとする。「チャンネル溝」とは、基板に掘られた溝として捉えたときの溝の呼称である。基板に形成されたチャンネル溝の全長のうち上の開口を塞いだ区間によってインク室が構成され、インク室に両側のチャンネル壁、電極などを含めたインク吐出のための機構の1単位がインクチャンネルである。
インクを吐出させたとき、インク室内には残留振動としての圧力波が生じ、その一部は共通インク室に向かって進行する。残留振動がそのまま残存して進行を続けることは後続のインク吐出動作に悪影響を及ぼす。この問題を解消するために特開2004−136634号公報(特許文献1)に提案されている技術がある。これは、インク吐出に直接寄与するインク室と共通インク室との間の区間において、チャンネル壁の上端とカバー部材との間に間隙部を設けるものであり、この間隙部を通じて隣接するインクチャンネル同士でインクの過不足分のやりとりを自由に行なわせることによって、速やかに残留振動を減衰させるというものである。このように設けられる間隙部を以下「狭隙部」という。その一例を図17に示す。図17に示すインクジェットヘッド100においては、圧電基板1とカバー部材2とを貼り合わせることによって、複数のインク室4が設けられている。圧電基板1は厚基板1aと薄基板1bとの積層構造となっている。前側のインク室4と後ろ側の共通インク室3との間に狭隙部8が設けられている。
圧電基板1とカバー部材2との貼合せは接着剤によって行なわれる。図18にインクジェットヘッド100の断面図を示す。圧電基板1とカバー部材2とを接着する際に、圧電基板1とカバー部材2とのいずれに接着剤を塗布するかについては、電極引出し部6となる浅溝部への接着剤の流れ込みを防止するため、カバー部材2側に接着剤を塗布することが好ましい。
特開2004−136634号公報
接着剤はカバー部材2の下面の全体に塗布されるので、カバー部材2にチャンネル壁12の上面が当接する領域では接着剤は接着の役割を果たすが、チャンネル溝に相当する部分ではカバー部材2はインク室4の天井の役割を果たすに過ぎないので、この天井となる領域においてカバー部材2に塗布された接着剤は接着に寄与せず余ってしまう。このような領域において余った接着剤を以下「余剰接着剤」という。
圧電基板1とカバー部材2とを貼り合わせることによって余剰接着剤は狭隙部8に流入する。ある程度以上の量の余剰接着剤が狭隙部8に流入した場合、接着剤の表面張力によって狭隙部8の上下面の間を接着剤がつないだ形になる。すなわち、図18に示す余剰接着剤11のようになる。狭隙部8に流入した余剰接着剤11は毛細管現象によって周囲の余剰接着剤を狭隙部8に吸い寄せる。このような現象によって狭隙部8に吸い寄せられる余剰接着剤の量は、インクチャンネル毎に一定ではなく、ばらつく。
インクチャンネルにおいて、インク吐出に直接寄与する区間(「アクティブ領域」ともいう。)は本来、左右のチャンネル壁12の上端がカバー部材2に接続された区間13である。しかし、狭隙部8に余剰接着剤11が入り込んでしまうと、余剰接着剤11は狭隙部8を一部塞いだ形となるので、その分の長さだけアクティブ領域は長くなり、見かけ上は区間14がアクティブ領域として作用することとなってしまう。狭隙部8内に生じる余剰接着剤11の長さは前述したようにインクチャンネル毎にばらつくので、アクティブ領域の長さ(区間14の長さ)もインクチャンネル毎にばらつくということになる。したがって、アクティブ領域の長さはインク吐出特性に影響を与えるので、インクチャンネルごとにインク吐出特性がばらつくことになってしまう。
狭隙部8への余剰接着剤11の入り込み長さのばらつきは、最大0.4mm程度である。すなわち、アクティブ領域のばらつきは最大0.4mmとなる。インクジェットヘッド100を電圧一定駆動で吐出速度を仮に8m/秒に設定した場合、アクティブ領域の0.4mmのばらつきは、吐出速度としては±1m/秒のばらつきを引き起こす。
そこで、本発明は、余剰接着剤による吐出特性のばらつきを低減することができるインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づくインクジェットヘッドは、圧電材料からなる主表面にインクチャンネルを構成するための複数の平行なチャンネル溝が形成されることによって残った部分であるチャンネル壁が前後方向に延在するベース基板と、前記チャンネル溝を覆ってインク室を構成するように前記ベース基板の主表面と貼り合わせられたカバー部材とを備え、前記インクチャンネルは、前方の一部において前記チャンネル壁の上面が前記カバー部材に当接していることによって前記チャンネル壁の変形がインク吐出に寄与し得るアクティブ領域を有し、前記ベース基板と前記カバー部材とを接着した際に両者の接着に直接寄与せずに余った接着剤を保持するための余剰接着剤保持領域が前記アクティブ領域内に設けられている。
本発明によれば、アクティブ領域内に余剰接着剤保持領域が設けられているので、圧電基板とカバー部材とを貼り合わせる際に生じる余剰接着剤は余剰接着剤保持領域に収容される。その結果、アクティブ領域長さはほぼ一定に保たれ、吐出特性のばらつきを低減することができる。
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッド
について説明する。図1は、このインクジェットヘッド101を、内部構造がわかりやすいように、前面のノズル板(図示せず)を外してさらに左右方向に延びる構造のうち途中で切断して右側部分を取り除いた状態の斜視図である。
インクジェットヘッド101は、圧電材料からなる主表面にインクチャンネルを構成するための複数の平行なチャンネル溝が形成されることによって残った部分であるチャンネル壁12が前後方向に延在するベース基板としての圧電基板1と、前記チャンネル溝を覆ってインク室4を構成するように前記ベース基板の主表面と貼り合わせられたカバー部材2とを備え、前記インクチャンネルは、前方の一部において前記チャンネル壁12の上面が前記カバー部材2に当接していることによって前記チャンネル壁12の変形がインク吐出に寄与し得るアクティブ領域を有し、前記ベース基板としての圧電基板1と前記カバー部材2とを接着した際に両者の接着に直接寄与せずに余った接着剤を保持するための余剰接着剤保持領域7が前記アクティブ領域内に設けられている。
圧電基板1は厚基板1aと薄基板1bとの積層構造となっている。後ろ側にはカバー部材2の凹部として共通インク室3が設けられている。前側のインク室4と後ろ側の共通インク室3との間にはカバー部材2側に凹部が設けられることによって狭隙部8が設けられている。本実施の形態では、図1に示すように、チャンネル壁12の上端とカバー部材2との間に間隙を設けた区間である狭隙部8が、アクティブ領域に隣接して設けられている。また、本実施の形態では、狭隙部8としての凹部はカバー部材2側に設けられている。
インクジェットヘッド101の後端には電極引出し部6が設けられている。電極引出し部6は前方のインク室4から後ろにいくにつれてチャンネル溝の深さが徐々に浅くなって、深さ10μm程度の浅溝となった部分である。チャンネル壁12の側面に形成されていた電極は電極引出し部6にまで連続しているので、電極引出し部6において電極に印加する電圧の大小や有無を制御することによってインクチャンネルの制御を行なうことができる。
区間13は圧電基板1とカバー部材2とが当接している区間を意味し、余剰接着剤が全くない理想的な状態においては、この区間がそのままアクティブ領域に該当する。余剰接着剤保持領域7は、アクティブ領域内においてインク室4内に露出するように形成されている。本実施の形態では、余剰接着剤保持領域7としての凹部はベース基板側すなわち圧電基板1側に設けられている。アクティブ領域における1つのインクチャンネルの近傍の拡大横断面図を図2に示す。図2に示すように、インク室4の左右両側のチャンネル壁12の上端に余剰接着剤保持領域7がインク室4に連通するように設けられている。余剰接着剤保持領域7としての凹部は「切欠き」とも呼べるので、言い方を換えれば、余剰接着剤保持領域7は、チャンネル壁12に設けられた切欠きによって構成され、インク室4の内部に露出するように設けられているともいえる。
(作用・効果)
本実施の形態におけるインクジェットヘッド101においては、アクティブ領域内に余剰接着剤保持領域7が設けられているので、圧電基板1とカバー部材2とを貼り合わせる際に生じる余剰接着剤は余剰接着剤保持領域7に収容され、その結果、余剰接着剤が狭隙部8にまで流入する度合いが低減される。余剰接着剤が狭隙部8に入り込むことによってアクティブ領域長さが延長されることは防止ないしは低減されるので、アクティブ領域長さはほぼ一定に保たれ、ばらつきを低減することができる。よって、電圧一定駆動時の吐出速度ばらつきや吐出速度一定駆動時の吐出電圧ばらつきを抑えることができる。
さらに本実施の形態では、アクティブ領域に隣接して、狭隙部8を有しているため、インク吐出による残留振動を抑制することができ、高周波での安定した吐出が可能となる。本実施の形態では、狭隙部8としての凹部はカバー部材2側に設けられているので、インク吐出に直接寄与するアクティブ領域長さは、カバー部材2側に設けた狭隙部8位置により決定することが可能となる。狭隙部8はダイシングマシンなどの機械加工により精度良く形成することができるので、アクティブ領域長さのばらつきは5μm以下に抑えることが可能となる。こうして、インクジェットヘッド個体間、ウェハー個体間のアクティブ領域長さのばらつきを小さくすることができ、安定したインクジェットヘッド特性を得ることが可能である。
インク室4に露出するように形成される余剰接着剤保持領域7の深さを、電極引出し部6の溝深さと同じく10μmとすれば、ある1つのインク室4を挟むように位置するチャンネル壁12上端の余剰接着剤保持領域7としての凹部と電極引出し部6の浅溝とを、図3に示すように圧電基板1に対して一括して連続したストレート溝加工によって形成することが可能となる。図3のように浅溝を形成してから、図4に示すように、チャンネル溝となる深く幅が狭い溝の加工を行なえばよい。チャンネル溝4aの深い部分の後端において底面が円弧状となる部分はダイシングブレード9の外周形状を転写するようにチョッパ加工を行なうことによって加工可能である。
逆に圧電基板1の主表面に深い溝の加工を先に行なってから、幅の広いダイシングブレードに切替えて浅い溝を加工するような動作を行なうことによって左右のチャンネル壁12上端の余剰接着剤保持領域7としての凹部を形成してもよい。1つのチャンネル溝の両脇の余剰接着剤保持領域7としての凹部を幅の広い1枚のダイシングブレードで同時に加工する代わりに幅の狭いダイシングブレードで余剰接着剤保持領域7としての凹部を片側ずつ加工してもよい。
余剰接着剤保持領域7としての凹部を形成するための浅く幅の広い溝の加工は後端の電極引出し部6まで延長せず、チャンネル壁12の前端から始まってアクティブ領域のみをカバーする程度の長さで止めておいてもよい。
ここでは狭隙部8としての凹部はカバー部材2側に設けられている例を示したが、好ましい形態はこれに限らず、狭隙部8としての凹部は圧電基板1側に設けられていてもよい。狭隙部8は吐出による残留振動を抑制するものであり、狭隙部8の深さの最適値は、インクの粘度、インク室形状、アクティブ領域長さ、吐出周波数などにより決定付けられるが、狭隙部8をカバー部材2側に設けることとすれば、狭隙部8の深さを高精度に制御するのが容易となる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては余剰接着剤保持領域としての切欠きはチャンネル壁12の角に沿ってインクチャンネルの前後方向に延びるものであったが、余剰接着剤保持領域としての切欠きはこれ以外の方向に延びる溝状の切欠きであってもよい。余剰接着剤保持領域としての溝状の切欠きを「保持領域溝」と呼ぶものとする。
(構成)
図5、図6を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドについて説明する。図5に示すようにこのインクジェットヘッド102はアクティブ領域となる区間13と狭隙部8との境界部に余剰接着剤保持領域7hを有する。他の部分の構成は実施の形態1で説明したものと同じである。インクジェットヘッド102に用いられる圧電基板1のみを取り出した状態を図6に示す。
インクジェットヘッド102(図5参照)における余剰接着剤保持領域7hは、図6に示すように、チャンネル壁12に設けられた横溝すなわち保持領域溝15によって構成され、保持領域溝15は、インク室4となるべきチャンネル溝4aに交差して連通するように設けられている。保持領域溝15としての横溝は、インクジェットヘッドの左右端では、インクジェットヘッド外部に開口しないような形状に加工されている。保持領域溝15は狭隙部8の深さより深く加工することが好ましい。
(作用・効果)
本実施の形態では、余剰接着剤が狭隙部8に流入する前に、余剰接着剤保持領域7hとに収容し、狭隙部8への流入を防止することができる。
保持領域溝15の幅はチャンネル溝4aの幅と同じであってもよい。たとえば保持領域溝15の幅がチャンネル溝4aの幅と同じく約80μmであればよい。このようになっていればチャンネル溝4aを加工するダイシングブレードをそのまま転用して保持領域溝15の加工も行なうことができる。横溝である保持領域溝15はダイシング加工時にチョッパ加工で形成してもよい。
本実施の形態では、1つのインクジェットヘッドに対して1本から数本の保持領域溝15を加工するだけで済む。したがって、インクチャンネルごとに保持領域溝を加工する場合に比べて加工時間の短縮が可能となる。また、特殊な加工装置は必要なく現有設備で対応することができる。さらには、余剰接着剤保持領域の加工が機械加工で行なわれるため、余剰接着剤保持領域は、インク室に対して高精度に位置決め可能となり、加工幅、加工深さについても高精度にコントロールすることが可能である。
なお、ここでは圧電基板1側に保持領域溝15を設けることによって圧電基板1側に余剰接着剤保持領域7hを形成する例を説明したが、本発明はこれに限らない。余剰接着剤保持領域は、カバー部材2側に設けられた保持領域溝によって構成され、保持領域溝は、チャンネル溝4aに交差して連通するように設けられていてもよい。この場合のインクジェットヘッドは、図7に示すように、カバー部材2側に余剰接着剤保持領域7iを形成した構造のインクジェットヘッド103となる。これは、図8に示すようにカバー部材2に横溝である保持領域溝16を設けておくことによって可能である。
(実施の形態3)
(構成)
図9、図10を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドについて説明する。図9、図10に示すように、このインクジェットヘッド104は余剰接着剤保持領域7jを有する。インクジェットヘッド104における余剰接着剤保持領域7jは、チャンネル壁12に設けられた保持領域溝によって構成され、この保持領域溝は、インク室4とは連通せず別個に設けられている。この保持領域溝は、図9に示すように、インクジェットヘッド104の前端まで到達せず、途中で終わっている。
(作用・効果)
本実施の形態では、余剰接着剤保持領域7jを構成する保持領域溝はインク室4に連通しない構造であるので、保持領域溝の加工がより行ないやすくなる。すなわち、図11に示すように圧電基板1にインク室4形成のためのチャンネル溝4aの加工をダイシングマシンなどで行なう際に、チャンネル溝4aよりも細い幅のブレードで、チャンネル溝4a加工の前または後に、保持領域溝の加工を行なうことができる。この加工には特殊な加工装置は必要なく現有設備で対応することができる。また、保持領域溝の加工は機械加工で行なわれるので、余剰接着剤保持領域7jの形成される位置は、インク室4に対して高精度に位置決め可能であり、加工幅、加工深さについても高精度にコントロールすることが可能である。また、保持領域溝はインク室4内に露出しないため、インク室4形状は何ら変わることがない。したがって、インク室4の形状によりインク流路内に気泡が残留してこの気泡がインク室内の圧力変化を吸収して吐出特性に影響を及ぼすといったような問題を引き起こすことを避けることができる。
(実施の形態4)
(構成)
実施の形態3では、余剰接着剤保持領域7jが圧電基板1側に形成されている例を示したが、余剰接着剤保持領域はカバー部材2側に形成されていてもよい。本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドでは、図12に示すように、余剰接着剤保持領域7kとしての凹部がカバー部材2側に設けられている。このインクジェットヘッドにおいては、余剰接着剤保持領域7kは、圧電基板1におけるチャンネル溝4aと対応するようにカバー部材2側に設けられた切欠きによって構成され、インク室4の内部に露出するように設けられている。
(作用・効果)
本実施の形態におけるインクジェットヘッドを作成するには、図13に示すように、カバー部材2に共通インク室3および狭隙部8となる凹部を形成したものを用意し、これに余剰接着剤保持領域7kを構成する保持領域溝の加工を行なう。すなわち、図14に示すように、インク室4よりも幅広のダイシングブレード9で、カバー部材2の表面のうち圧電基板1におけるチャンネル溝4aに対応する領域に余剰接着剤保持領域7kとなる保持領域溝を加工する。
この加工にも特殊な加工装置は必要なく現有設備で対応することができる。また、保持領域溝の加工は機械加工で行なわれるので、余剰接着剤保持領域7k(図12参照)の形成される位置は、インク室に対して高精度に位置決め可能であり、加工幅、加工深さについても高精度にコントロールすることが可能である。さらに、圧電基板1側に余剰接着剤保持領域を形成する場合と比較して、吐出に寄与するアクティブ領域のチャンネル壁12に加工を施さずに済むため、吐出特性ばらつきは圧電基板1側に余剰接着剤保持領域を形成する場合よりも小さくすることができる。
本実施の形態では、図12に示すように、余剰接着剤保持領域7kがインク室4内に露出しており、この余剰接着剤保持領域7kに余剰接着剤が流れ込むこととなる。これにより、圧電基板1とカバー部材2との間の接着強度が増し、接着強度ばらつきによる吐出特性ばらつきを排除することが可能となる。
また、圧電基板1の方は、溝加工をしたとするとその後に電極形成、上部電極研削加工などの加工プロセスが必要となる。圧電基板1とカバー部材2とにそれぞれ施すべき加工プロセスをできるだけ均等に配分することを考えた場合、余剰接着剤保持領域をカバー部材2側に設けた方がプロセス時間のバランスが取れて好ましい。
図15に示すように、余剰接着剤保持領域7kとなる保持領域溝をそのまま狭隙部にまで延長して加工することとすれば、余剰接着剤をアクティブ領域内の余剰接着剤保持領域で収容しきれなかった場合にも保持領域溝の続きで収容することができるので、好ましい。
(実施の形態5)
(構成)
実施の形態4では、カバー部材2の表面のうちチャンネル溝4aに対応する領域に保持領域溝を設ける例を示したが、保持領域溝は、チャンネル壁12に対応する領域に設けてもよい。本発明に基づく実施の形態5におけるインクジェットヘッドでは、図16に示すように、余剰接着剤保持領域7nは、チャンネル壁12と対応するようにカバー部材2側に設けられた保持領域溝によって構成され、前記保持領域溝は、前記インク室とは連通せず別個に設けられている。
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態4と同様、吐出に寄与するアクティブ領域のチャンネル壁12に加工を施さずに済むため、吐出特性ばらつきは圧電基板1側に余剰接着剤保持領域を形成する場合よりも小さくすることができる。
なお、前記チャンネル壁の上面と前記カバー部材との間に間隙を設けた区間である狭隙部が、前記アクティブ領域に隣接して設けられており、前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル壁と対応するように前記カバー部材側に設けられた保持領域溝によって構成され、前記保持領域溝は、前記狭隙部の内部にまで連続的に設けられていることが好ましい。このようになっていれば、余剰接着剤をアクティブ領域内で保持しきれなかった場合においても、余剰接着剤を狭隙部にまで延長された保持領域溝で収容することができるので、アクティブ領域の長さが余剰接着剤の流入によりインクチャンネルごとにばらつくことを防止できる。その結果、電圧一定駆動時の吐出速度ばらつきや吐出速度一定駆動時の吐出電圧ばらつきを抑えることができる。
なお、前記アクティブ領域の長さをA、前記チャンネル壁の幅をW、前記インクチャンネルの数をn、前記ベース基板と前記カバー部材との間の接着のために塗布される接着剤の厚みをtとしたときに、前記余剰接着剤保持領域の容積は、A×W×n×t以上であることが好ましい。余剰接着剤保持領域がこれ以上の容積を有する場合、余剰接着剤保持領域で十分な量の余剰接着剤を収容することが可能となる。その結果、インク室の吐出に直接寄与するアクティブ領域の長さが接着剤の流入によりインクチャンネルごとにばらつくことがなく、電圧一定駆動時の吐出速度ばらつきや吐出速度一定駆動時の吐出電圧ばらつきを抑えることができる。
アクティブ領域の前後方向の長さAを1.2mm、チャンネル壁12の幅Wを0.08mm、チャンネル数nを64、接着剤塗布厚さtを0.003mmとした場合、接着剤の総塗布量は約0.009mm3となる。これに対して、余剰接着剤保持領域としては、溝幅Lと溝深さHが加工パラメータとなり、L×H=0.12×10-3mm2を満足すればよい。ダイシングブレードの実使用に耐える最小厚みは約0.04mmであることから考えると溝深さは約3μmである。ダイシングブレードの半径は26mmで、ダイシング時の加工深さのばらつきと溝加工がチョッパー加工で行なわれることを考慮し、溝深さは約10μmとすることが望ましい。
なお、保持領域溝はダイシングマシンを用いたチョッパ加工によって形成されていることが好ましい。この場合、必要箇所のみに溝加工を施すことが可能だからである。必要以外の部位に溝が開口してしまうとインク漏れを生じることとなってしまうが、チョッパ加工では必要箇所のみに加工を施すことが容易となるので、このような事態を防止することができる。また、このようにチョッパ加工を利用する場合、特殊な加工装置は必要なく現有設備で対応することができる。また、保持領域溝の加工は機械加工で行なわれるので、余剰接着剤保持領域の形成される位置は、インク室に対して高精度に位置決め可能であり、加工幅、加工深さについても高精度にコントロールすることが可能である。
なお、各実施の形態で示したインクジェットヘッドは前端においてインク室がそのままの断面で開口しているように図示されているが、実際には前側にはノズル孔を有するノズル板(図示せず)が貼り付けられていてもよい。その場合、インク室4内で圧力が高められたインクはノズル孔から外部に吐出される構造となる。
なお、各実施の形態で示したインクジェットヘッドにおいては、通常、チャンネル壁の側面にはチャンネル壁を構成する圧電材料に電圧を印加するための電極としての金属膜が設けられている。この電極は、たとえば、チャンネル壁の両側面の上半分を覆うように設けられており、後端の電極引出し部6にまで電気的に接続されている。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの部分分解斜視図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの部分拡大断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの製造工程の第1の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの製造工程の第2の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドの断面図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドの部分分解斜視図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドの変形例の断面図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドの変形例に用いられるカバー部材の斜視図である。 本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドの第1の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドの第2の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドの製造工程の第1の説明図である。 本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドの部分拡大断面図である。 本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドに用いられるカバー部材の斜視図である。 本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドの製造工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドの製造工程の変形例の説明図である。 本発明に基づく実施の形態5におけるインクジェットヘッドの部分拡大断面図である。 従来技術に基づくインクジェットヘッドの部分分解斜視図である。 従来技術に基づくインクジェットヘッドの断面図である。
符号の説明
1 圧電基板、1a 厚基板、1b 薄基板、2 カバー部材、3 共通インク室、4 インク室、4a チャンネル溝、6 電極引出し部、7,7h,7i,7j,7k,7n 余剰接着剤保持領域、8 狭隙部、9 ダイシングブレード、11 余剰接着剤、12 チャンネル壁、13 (本来アクティブ領域となるべき)区間、14 (見かけのアクティブ領域となる)区間、15 保持領域溝、100 (従来技術による)インクジェットヘッド、101 インクジェットヘッド。

Claims (15)

  1. 圧電材料からなる主表面にインクチャンネルを構成するための複数の平行なチャンネル溝が形成されることによって残った部分であるチャンネル壁が前後方向に延在するベース基板と、
    前記チャンネル溝を覆ってインク室を構成するように前記ベース基板の主表面と貼り合わせられたカバー部材とを備え、
    前記インクチャンネルは、前方の一部において前記チャンネル壁の上面が前記カバー部材に当接していることによって前記チャンネル壁の変形がインク吐出に寄与し得るアクティブ領域を有し、
    前記ベース基板と前記カバー部材とを接着した際に両者の接着に直接寄与せずに余った接着剤を保持するための余剰接着剤保持領域が前記アクティブ領域内に設けられている、インクジェットヘッド。
  2. 前記チャンネル壁の上端と前記カバー部材との間に間隙を設けた区間である狭隙部が、前記アクティブ領域に隣接して設けられている、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記狭隙部としての凹部が前記ベース基板側に設けられている、請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記狭隙部としての凹部が前記カバー部材側に設けられている、請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記余剰接着剤保持領域としての凹部が前記ベース基板側に設けられている、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル壁に設けられた切欠きによって構成され、前記インク室の内部に露出するように設けられている、請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル壁に設けられた保持領域溝によって構成され、前記保持領域溝は、前記チャンネル溝に交差して連通するように設けられている、請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル壁に設けられた保持領域溝によって構成され、前記保持領域溝は、前記インク室とは連通せず別個に設けられている、請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記余剰接着剤保持領域としての凹部が前記カバー部材側に設けられている、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル溝と対応するように前記カバー部材側に設けられた切欠きによって構成され、前記インク室の内部に露出するように設けられている、請求項9に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記余剰接着剤保持領域は、前記カバー部材側に設けられた保持領域溝によって構成され、前記保持領域溝は、前記チャンネル溝に交差して連通するように設けられている、請求項9に記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル壁と対応するように前記カバー部材側に設けられた保持領域溝によって構成され、前記保持領域溝は、前記インク室とは連通せず別個に設けられている、請求項9に記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記チャンネル壁の上面と前記カバー部材との間に間隙を設けた区間である狭隙部が、前記アクティブ領域に隣接して設けられており、
    前記余剰接着剤保持領域は、前記チャンネル壁と対応するように前記カバー部材側に設けられた保持領域溝によって構成され、
    前記保持領域溝は、前記狭隙部の内部にまで連続的に設けられている、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  14. 前記アクティブ領域の長さをA、前記チャンネル壁の幅をW、前記インクチャンネルの数をn、前記ベース基板と前記カバー部材との間の接着のために塗布される接着剤の厚みをtとしたときに、前記余剰接着剤保持領域の容積は、A×W×n×t以上である、請求項1から13のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  15. 前記保持領域溝はダイシングマシンを用いたチョッパ加工によって形成されている、請求項7、8、11、12、13に記載のインクジェットヘッド。
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