JP2007229901A - 研削装置及び研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生産性を落とさずに精度の高い研削加工が可能な研削装置及び研削方法を提供する。
【解決手段】 加工対象物1を搬送する搬送レール3と、搬送レール3によって搬送される加工対象物1を研削加工する研削砥石2とを備える。加工対象物1は、両端部分に傾斜面1b、1cを有するとともに、搬送レール3は加工対象物1の傾斜面1b、1cに対応して形成され搬送方向に延在する一対の傾斜面3a、3bを有する。加工対象物1は、両端部分の傾斜面1b、1cが搬送レール3の一対の傾斜面3a、3bで支持された状態で搬送され、研削砥石2による研削加工が行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】 加工対象物1を搬送する搬送レール3と、搬送レール3によって搬送される加工対象物1を研削加工する研削砥石2とを備える。加工対象物1は、両端部分に傾斜面1b、1cを有するとともに、搬送レール3は加工対象物1の傾斜面1b、1cに対応して形成され搬送方向に延在する一対の傾斜面3a、3bを有する。加工対象物1は、両端部分の傾斜面1b、1cが搬送レール3の一対の傾斜面3a、3bで支持された状態で搬送され、研削砥石2による研削加工が行われる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば希土類焼結磁石の輪郭加工等に用いられる研削装置及び研削方法に関するものであり、特に、傾斜面を有する加工対象物を安定且つ精度良く研削加工することが可能な研削装置及び研削方法に関する。
モータをはじめとする各種電気部品の小型化の要求、及びこれに対応した磁石の特性向上の要求に伴い、高性能小型磁石の開発が求められている。このような中、例えばNd−Fe−B磁石等のR−T−B系(Rは、希土類元素の1種以上である。Tは、Feを必須とし、その他金属元素を含む。)焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要が益々拡大する傾向にある。
希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから広く用いられている。粉末冶金法により希土類焼結磁石を製造するには、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の原料合金粉を得る。このようにして得られた原料合金粉を磁場中で配向させ、磁場中成形を行う。磁場中成形後、成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼結及び時効を行う。さらに、機械加工や表面処理等の工程を行う。
前述の粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造においては、磁場中成形により所望の形状(例えば、アーク形状やリング形状等)に成形し、熱処理(焼結及び時効)後に切断加工等を施して形状を整えるのが一般的である。しかしながら、前記小型化の要求に伴い、流動性のあまり良くないR−T−B系原料合金粉を小型なアーク形状やリング形状等に成形することが困難になってきている。
そこで、例えばアーク形状の希土類焼結磁石を作製する場合、前記磁場中成形において一回り大きな矩形形状に成形し、あるいは前記アーク形状を複数個取りすることが可能な大きさのブロック形状に成形し、熱処理によって焼結体を作製した後に、砥石を用いて輪郭加工することで所望のアーク形状に加工処理することも試みられている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。
特許文献1には、研削する磁石部材を一方向に案内する搬送路と、搬送路に複数の磁石部材を搬送方向に付勢して連続的に搬送路に送り出す搬送手段と、搬送路を挟んで配され、搬送される磁石部材の互いに反対側となる面をそれぞれ研削する一対の研削手段と、研削手段の下流において磁石部材をその搬送方向と逆方向に付勢する付勢手段を具備する磁石部材の加工装置が開示されている。特許文献1記載の加工装置では、先ず、断面が略扇形形状の磁石部材に基準面加工とR面荒加工を同時に施した後に、仕上げ加工を施すようにしている。
特許文献2には、周回走行するベルトにワークを1個ずつ送るために複数のスクレーパーを設けたワーク送り装置を隣接させ、一方のワーク送り装置のベルト張り側と他方のワーク送り装置のベルト張り側とが直線状に、隣接するワーク送り装置の端部とが連接するように配置すると共に、これらベルト張り側の下方または上方に研削砥石を設け、さらに各ベルトの張り側に沿って研削砥石方向にスクレーパーで送られるワークを案内するガイドレールを設けて、各々のワーク送り装置を同期走行するようにした研削供給装置が開示されている。特許文献2記載の研削供給装置によれば、アーク形ワークの複数の面、例えば外R面、内R面、座面を順次研削するときに、ワークを反転する必要がなく、またワークのカケ発止も防止することができる。
特開平11−347900号公報
特開平6−238560号公報
前述の各特許文献記載の発明は、いずれもワークの搬送方法に特徴を有し、これを工夫することにより安定且つ精度の高い研削を実現するようにしている。例えば、特許文献1においては、内Rと外Rを同時加工する際に発生する上下の摩擦力の違いによって研削精度が低下することを従来の課題とし、研削砥石の下流に付勢手段を設けることで磁石部材の上下動を抑制し、その改善を図るようにしている。
ところで、いわゆるC型形状(アーク形状)に焼結体を加工する場合、2種類の総型砥石を利用して所望の形状とするが、前記2種類の総型砥石によりR面を加工する際に、内Rと外Rの中心が精度良く制御されていることが重要である。前記内Rと外Rの中心が偏ることで、C型形状において肉厚のバラツキや輪郭精度の低下が問題となる。
前述のように内Rと外Rの中心を精度良く制御することを考えた場合、前記各特許文献記載の技術では必ずしも十分とは言えない。特に、ワークの断面左右方向の精度に問題が残る。例えば、特許文献1記載の発明では、断面矩形状のガイドフレームによって磁石部材を搬送しており、前記ガイドフレームで磁石部材の左右側面を支持することにより研削時に位置決めされることになる。ここで、前記ガイドフレームには、磁石部材の幅に対して搬送に必要なクリアランスが必要である。前記クリアランスが全く無いと、磁石部材を円滑に搬送することは難しい。しかしながら、前記クリアランスを設けると、当該クリアランスによって、2回目の加工おいて1回目の加工のR中心との位置ズレが発生し、加工精度の低下をもたらすことになる。
特許文献2記載の発明においても同様である。特許文献2記載の発明では、2回目のR加工の際には、ガイドレールによって前工程で加工済みの面を案内するようにしているが、前記加工済みの面は、座面(水平面)と左右の側面(垂直面)であり、特に左右の側面の支持については先の特許文献1の場合と変わりがない。したがって、同様にクリアランスによる位置ズレの発生が問題となる。
また、前述の各特許文献記載の発明においては、R面加工される磁石部材(ワーク)は、左右両端部分に垂直面や水平面を有することが前提であり、C型形状への加工を考えた場合、最終的な形状が大きく制約されるという問題もある。例えば、円筒を複数に分割したC型磁石を組み合わせることで円筒磁石とする場合、2分割でない限りC型磁石の両端面は所定の開き角をもった傾斜面となる。両端面が傾斜面とされたC型磁石の研削加工には、前記各特許文献に記載される搬送路やガイドレールは適用することができない。
本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案されたものであり、クリアランスによる位置ズレの心配がなく、傾斜面を安定且つ確実に支持することができ、一連の加工により生産性を落とさずに精度の高い研削加工が可能な研削装置及び研削方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の研削装置は、加工対象物を搬送する搬送レールと、前記搬送レールによって搬送される加工対象物を研削加工する砥石とを備え、前記加工対象物が両端部分に傾斜面を有するとともに、前記搬送レールは前記加工対象物の傾斜面に対応して形成され搬送方向に延在する一対の傾斜面を有し、加工対象物の両端部分の傾斜面が搬送レールの一対の傾斜面で支持された状態で搬送され、研削加工が行われることを特徴とする。
また、本発明の研削方法は、両端部分に傾斜面を有する加工対象物を、当該加工対象物の傾斜面に対応して形成され搬送方向に延在する一対の傾斜面を有する搬送レールによって搬送し、加工対象物の両端部分の傾斜面を搬送レールの一対の傾斜面で支持した状態で研削加工を行うことを特徴とする
本発明においては、加工対象物の両端傾斜面を搬送レールで支持しながら研削加工を行うことが大きな特徴である。例えば、所定の開き角をもって形成される一対の傾斜面によって構成される搬送レールに対して、前記一対の傾斜面とほぼ等しい開き角を有する傾斜面が両端部分に形成された加工対象物を載置すると、重力によって対向する傾斜面同士が突き合わされる形となり、必然的にその位置が決まる。この位置決め状態は高度に保たれ、例えば加工対象物の上部から研削砥石の力が加わっても変化することはない。したがって、精度の高い研削が安定に実現される。
また、前記搬送レールと加工対象物との間には、クリアランスも必要なく、前記重力による傾斜面同士の突き合わせにより、クリアランスが形成されることもない。したがって、前記クリアランスに起因する位置ズレの発生が問題になることもない。さらに、両端面が傾斜面とされたC型磁石の研削加工に適用可能であることから、両端面の形状が水平面や垂直面に制約されるという問題も解消される。
本発明によれば、クリアランスによる位置ズレ等を起こすことなく、加工対象物の傾斜面を安定且つ確実に支持することができる。したがって、一連の加工により生産性を落とさずに精度の高い研削加工が可能である。例えば、C型形状に研削加工する際に、内Rと外Rの位置ズレを解消することができ、加工精度の高いC型形状製品を生産性良く作製することが可能である。また、加工対象物は重力によって自ずと位置決めされるので、作業も容易であり、前記精度の高い研削加工を安定に行うことが可能である。
以下、本発明を適用した研削装置及び研削方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の研削装置は、図1に示すように、加工対象物1を研削加工(輪郭加工)するための研削砥石2と、前記加工対象物1を搬送する搬送レール3とから構成されている。加工対象物1は、例えば希土類焼結磁石であり、図2(a)に示すように、内側円弧面(内R面と称する。)1aが研削加工されるとともに、両端部分も研削加工されて傾斜面1b、1cとされている。また、前記加工対象物1は、図2(b)に示すように、前記研削砥石2によって研削加工され、外R面1dが形成される。
研削砥石2は、例えば希土類焼結磁石を所定の形状(前記外R面1d)に削り出す研削加工(いわゆる輪郭加工)を行うものであり、例えば円板状台金の外周面に研削部分となる電着面を形成してなるものである。前記研削砥石2は、前記円板状台金の砥石取り付け孔に回転軸を挿入固定することにより研削装置に装着され、前記回転軸によって高速で回転され、前記外周面である電着面を加工対象物1に当接することで研削加工(輪郭加工)が行われる。このとき砥石直径と回転速度により周速度が決定されるが、、前記研削加工に際して、周速度は800〜3000m/分であることが好ましく、1000〜2500m/分であることがより好ましい。周速度が前記範囲以下であると研削抵抗が上昇し、逆に前記範囲を越えると振動や滑りによる加工不良が発生するおそれがある。
研削砥石2の電着面は、円板状台金の外周面に砥粒を電着固定することにより構成されるが、砥粒としては、例えばダイヤモンドや窒化ボロン立方晶(CBN)等の超砥粒が用いられる。これら砥粒は、Ni等の電着金属によって前記電着面に固定されている。また、研削砥石2の電着面の形状は、加工対象物1の輪郭形状に対応した形状を有し、本実施形態の場合、加工対象物1の加工面形状(外R面1dの形状)に対応して、両側部分が突出し中央部が後退した断面円弧状とされている。
一方、前記搬送レール3は、前記加工対象物1の両端部分に形成された傾斜面1b、1cに対応して両側に傾斜面3a、3bが形成されており、これら傾斜面3a、3bが互いに対向した状態で搬送方向に延在されている。
本例の場合、前記加工対象物1の各傾斜面1b、1cは、図3(a)に示すように、内R面1aに対応する円の中心を通り径方向に放射状に広がる各法線h1,h2に対応する角度を有し、傾斜面1b、1c間の開き角は、法線h1,h2間の中心角に対応した角度となる。例えば、加工対象物1の加工形状が円筒形状を等角度間隔に3分割した形状の場合、前記開き角(中心角)θ1は、120°になる。加工対象物1の加工形状が円筒形状を等角度間隔に4分割した形状の場合、前記開き角(中心角)θ1は、90°になる。
前記加工対象物1の傾斜面1b、1c間の開き角θ1はこれに限らず、例えば前記開き角θ1=15°〜150°の範囲で任意に設定することが可能である。ただし、前記傾斜面1b、1c間の開き角θ1が15°未満であると、各傾斜面1b、1cが垂直面に近くなり、円滑な搬送が難しくなるおそれがある。逆に、前記傾斜面1b、1c間の開き角θ1が150°を越えると、各傾斜面1b、1cが水平面に近くなり、水平方向の位置決めが難しくなるおそれがある。
前記搬送レール3の傾斜面3a、3bは、前記加工対象物1の傾斜面1b、1cに対応した角度で形成されている。すなわち、前記加工対象物1の傾斜面1b、1cが内R面1aの法線に対応して形成されている場合には、前記傾斜面3a、3bも同様の角度で傾斜する傾斜面とされ、これら傾斜面3a、3b間の開き角θ2も、前記加工対象物1の傾斜面1b、1c間の開き角θ1と等しく設定される。
前記加工対象物1を搬送レール1に載せて搬送する際には、図3(b)に示すように、重力により加工対象物1の傾斜面1b、1cが搬送レール3の傾斜面3a、3bに支持された状態となり、加工対象物1の傾斜面1bが搬送レール3の傾斜面3a上を摺動し、加工対象物1の傾斜面1cが搬送レール3の傾斜面3b上を摺動することで、加工対象物1の搬送が行われ、研削砥石2による研削が行われる。
ここで、前記支持状態は、重力の働きにより必然的に決まるものであり、極めて安定性に優れたものである。しかも、この状態では、前記加工対象物1はクリアランスなく支持される形になり、精度良く位置決めされることになる。例えば、加工対象物1がC型形状を有する場合、その中心位置は前記搬送レール3への載置により一義的に決まる。したがって、前記搬送レール3により搬送しながら前記研削砥石2によって加工対象物1を研削加工すれば、位置ズレによる加工精度の低下を惹起することなく、精度の高い研削加工を安定に行うことが可能である。
なお、前記実施形態においては、加工対象物1の傾斜面1b、1cが内R面1a,外R面1dの法線h1,h2に対応する角度を有し、したがってこれら傾斜面1b、1c及び搬送レール3の傾斜面3a、3bはいずれも左右対称とされているが、これに限らず、前記傾斜面1b、1c及び傾斜面3a、3bが左右非対称であってもよい。図4は、前記傾斜面1b、1c及び傾斜面3a、3bが左右非対称である場合を示すものである。図4に示す例では、図中左側の傾斜面1bは法線h1と一致する角度に設定されているが、右側の傾斜面1cは法線h2と傾斜角度が異なる。このような角度設定の場合、前記傾斜面1b、1c及び傾斜面3a、3bが左右非対称となるが、前記位置決めは同様に可能であり、精度の高い研削加工を安定に行うことが可能である。
また、前記搬送レール3には、図5に示すように、少なくとも前記研削砥石2による研削加工位置において、前記加工対象物1の裏面側を支持する補助部材4を設置することも可能である。前記補助部材4は、前記加工対象物1の裏面側を積極的に付勢する必要はなく、先端が加工対象物1の裏面に当接するか、裏面から僅かに離間するように設置すればよい。この場合、補助部材4の先端面は、例えば加工対象物1の内R面1aとほぼ一致する円弧面とすればよいが、摺動性の観点からは、前記補助部材4の先端面の幅が前記加工対象物1の幅の1/2以下であることが好ましく、さらに前記先端面の円弧の曲率半径が前記加工対象物1の内R面1aの曲率半径よりも小さいことが好ましい。
加工対象物1を例えばC型形状に研削加工する場合、搬送レール3の傾斜面3a、3bによって加工対象物1の両端部を支持する形態では、加工対象物1の中心部に力が加わった時に損傷または破損するおそれがある。前記補助部材4を設置し、加工対象物1を裏面側から支持しておけば、過剰な力が加わることによる加工対象物1の損傷または破損を回避することができる。また、加工対象物1が希土類焼結磁石等の場合、研削砥石2の押圧力により撓むことがあるが、前記補助部材4は撓みを防止し、搬送される加工対象物1の暴れを防止するという機能も発揮する。前記機能は、厚みが0.5〜3mm程度のC型希土類磁石の加工に有効である。
さらに、前記搬送レール3には、複数組の傾斜面を設けることも可能である。例えば、加工対象物1からC型形状の製品を2個取りする場合、図6(a)に示すように、前記加工対象物1に対して2つの内R面1a及びその両側の傾斜面1b、1cを研削加工により形成する。この場合には、図6(b)に示すように、搬送レール3にも2組の傾斜面3a、3bを形成し、加工対象物1の各傾斜面1b、1cをこれら傾斜面3a、3bで支持すればよい。
前述の研削装置及び研削方法は、加工対象物1の一連の研削加工に応用することが可能である。前記の通り、加工対象物1は、内R面1a及び傾斜面1b、1cを研削加工した後、外R面1dを研削加工する。前記内R面1a及び傾斜面1b、1cの研削加工を第1の研削加工、前記外R面1dの研削加工を第2の研削加工とし、これら第1の研削加工と第2の研削加工を一連の工程として行うことが可能である。
図7は、第1の研削加工と第2の研削加工を連続して行う研削装置の概略構成を示すものである。この研削装置は、大別して第1エリアと第2エリアに分けることができ、第1エリアにおいて第1の研削加工(内R面1a及び傾斜面1b、1cの研削加工)を行い、第2エリアにおいて第2の研削加工(外R面1dの研削加工)を行う。
ここで、第1エリアは、第1の搬送レール11とその中途位置に設けられた第1の研削砥石12、及び前記第1の研削砥石12と対向して配置される支持治具13とから構成されている。前記第1の搬送レール11は、直方体形状の加工対象物1を搬送するものであり、図8(a)に示すように、矩形のガイド溝11aが形成されている。第1の研削砥石12は、研削対象物1の内R面1a及び傾斜面1b、1cの研削加工を行う総型砥石であり、搬送レール11に設けた開口部(図示は省略する。)から加工対象物1の下面に対して研削加工を行う。支持治具13は、前記第1の研削砥石12によって加工対象物1の下面を研削加工する際に、加工対象物1を上から押さえてこれを保持する役割を果たす。
第2エリアは、第2の搬送レール21と第2の研削砥石22とから構成されており、加工対象物1の上面に対して外R面1dの研削加工を行う。第2の搬送レール21は、前記第1の研削加工によって内R面1a及び傾斜面1b、1cが形成された加工対象物1を支持し搬送するものであり、前記傾斜面1b、1cに対応した傾斜面21a、21bを有する。また、本例の場合、前記搬送レール21の中央部分(傾斜面21a、21b間の領域)には、加工対象物1の裏面側を支持する補助レール部21cが形成されている。この補助レール部21cは、第2の研削砥石22による研削加工の際に、加工対象物1の裏面側を支持するものであり、前述の補助部材に相当するものである。したがって、前記補助レール部21cは、図8(b)に示すように矩形状とすることも可能であるが、前述のR面を有する形状とすることが好ましい。
以上の構成の研削装置により加工対象物1をC型形状に研削加工する場合、先ず、加工対象物1を搬送するための第1の搬送レール11上に加工対象物1を載置する。このとき、第1の搬送レール11のガイド溝11aの側壁によって加工対象物1の両側面がガイドされた状態で搬送されるが、このガイド溝11aの側壁と加工対象物1の両側面の間には若干のクリアランスを設けておく。これにより搬送が円滑に行われる。なお、前記クリアランスは最終的に加工された加工対象物1のC型形状における内R面1aと外R面1dの中心位置ズレの原因になることはない。
第1の搬送レール11上に載置された加工対象物1は、搬送手段(例えば弾性力のある材質で被覆されたローラを用いた搬送や、弾性力のあるベルト状部材を2個のローラによって稼動させることによる搬送等)R1によって第1の搬送レール11のガイド溝11aに沿って搬送され、加工対象物1が搬送される向きとは逆方向に回転している第1の研削砥石12と接触する。なお、前記加工対象物1は次々に供給され、第1の加工対象物1の後ろには第2、第3の加工対象物1が連続して搬送される。
前記搬送手段においては、加工対象物1が希土類焼結磁石である場合には、研削抵抗が非常に大きいため前記搬送手段R1を上下一対の構造とすることが好ましい。また、加工対象物1の送り速度は、主に切り込み量と加工対象物1の材質及び砥石寿命の要求値によって適宜設定され、通常は10〜3000mm/分程度に設定される。特に、加工対象物1が希土類焼結磁石である場合には、前記送り速度を50〜1000mm/分とすることが好ましい。送り速度が50mm/分以下であると、連続加工による効率向上のメリットが無くなり、逆に送り速度が1000mm/分以上になると、加工対象物1に熱クラックが生じるおそれがある。
加工対象物1は、前記第1の研削砥石12と接触することで内R面1a及び傾斜面1b、1cの研削加工が行われる。前記傾斜面1b、1cは、好ましくは例えば鉛直方向に対してそれぞれ20°〜80°傾斜する傾斜面とする。前記研削加工に際しては、加工対象物1は支持治具13によって支持された状態で研削加工が行われる。支持治具13は、いわゆる加工対象物1を搬送するためのガイドとしての役割を果たす。また、加工対象物1を所望の厚みにするために位置調整可能な機構とされている。
前記第1エリアにおいて内R面1a及び傾斜面1b、1cが形成された加工対象物1は、次に第2エリアへ搬送され、外R面1dの研削加工が行われる。前記第1エリアから第2エリアへの加工対象物1の移行は、加工対象物1を前記第1の搬送レール11から第2の搬送レール21へと搬送することにより行う。このとき、第1の搬送レール11と第2の搬送レール21の継ぎ目においては、第1の搬送レール11の端部に対して第2の搬送レール21の端部を同等以下にする。好ましくは、前記第2の搬送レール21の端部が僅かに下がるように微小な段差を設けておくことで、加工対象物1の第1の搬送レール11から第2の搬送レール21への搬送を円滑に行うことができる。
第2の搬送レール21では、前記加工対象物1の傾斜面1b、1cをこれに対応した傾斜角度を有する傾斜面21a、21bで支持した状態で搬送し、第2の研削加工を行う。第2の搬送レール21の形状としては、加工対象物1の前記傾斜面1b、1cのみならず、加工対象物1の内R面1aにも合わせた形状とすることも可能であるが、加工対象物1の両端の傾斜面1b、1cをこれに合致した傾斜面21a、21bで支持し、前記内R面1aと搬送レール21との間に隙間を有する形状とした方が、傾斜面21a、21bのみの精度で位置決め可能となり、外R面1dの研削加工における加工精度も向上することができる。
なお、前記搬送レール21を用いて加工対象物1を搬送する場合、搬送機構(例えば搬送ローラ)R2を使用して搬送を行えばよいが、前記搬送機構R2としては、加工対象物1を搬送レール21の傾斜面21a、21bに押し付けるように付勢する単ローラを用いることができる。ただし、加工対象物1が研削抵抗の大きい物である場合、あるいは機械的強度が低い材質により形成されている場合には、上下一対のローラを用いることが好ましい。また、加工対象物1を前記搬送レール21で保持する際には、少なくとも傾斜面1b、1cの下端が傾斜面21a、21bの下端から0.5mm以上上部に位置するように保持することが好ましい。搬送機構R2は、第1エリアの次に設置でき、あるいは省略することも可能である。
前記外R面1dの研削加工は第2の研削砥石22によって行うが、前記の通り、搬送レール21に傾斜面21a、21bを設け、加工対象物1の傾斜面1b、1cをこれら傾斜面21a、21bで受け止める形で支持しながら行う。したがって、外R面1dを研削加工する際に、加工対象物1に第2の研削砥石22の上部からの力が加わっても、加工対象物1の中心(内R面1aの中心)が内R面1aと同時に研削加工された傾斜面1b、1cを前記傾斜面21a、21bで支持することにより一義的に決まり、加工精度が大きく向上する。また、大量の研削処理が進み、砥石の摩耗等により第1の研削加工の輪郭精度がある程度低下しても、研削停止や破損等の不具合を抑制することも可能である。例えば特許文献1記載の技術において、内R面から端部まで総型砥石にて加工した場合には、連続運転中に砥石精度が低下すると、第1の研削加工の終了の後、第2の研削加工に移行するためのガイドフレームに詰まりが生じたり搬送が不可能になる等の障害が発生するおそれがある。
以上のように、図7に示す研削装置を用いることにより、内R面1aから外R面1dまでの一連の研削加工を連続的に行うことができ、しかも内R面1aと外R面1dの中心位置ズレのない精度の高い研削加工が可能である。
前記図7に示す研削装置は、加工対象物から製品を複数個取りする場合にも適用可能である。例えば、図9(a)に示すような直方体形状の加工対象物31から2つのC型形状の製品に研削加工する場合、先ず、図10(a)に示すような、2つの内R面に対応する円弧面32a、32bと、その両側の傾斜面に対応する傾斜面32cを有する研削砥石32を用いて第1の研削加工を行う。これにより、図9(b)に示すように、加工対象物31に2つの内R面31a、31bと、各内R面31a、31bの両側の傾斜面31c、31d、31e、31fが形成される。次に、加工対象物31の裏面側を図10(b)に示すような外R面に対応する2つの円弧面33a、33bを有する研削砥石33を用いて第2の研削加工を行い。この第2の研削加工では、図9(d)に示すように、前記2つの内R面31a、31b及び外R面31g、31hに対応して、2つの製品34に分割する。加工対象物が希土類焼結磁石のように研削抵抗が大きい場合には、図9(c)に示すように、外R面31g、31hを研削加工した後、図9(d)に示すように製品34を分割することが好ましい。このようにすることで、2つの製品34間を加工する砥石を長寿命化することが可能となる。同様な理由から、図9(b)を2回に分けて研削することも有効である。
前述のように加工対象物から製品を複数個取り(2個取り)する場合には、第1の研削工程においては図11(a)に示すような搬送レール35を用い、第2の研削工程においては図11(b)に示すような搬送レール36を用いる。第1の研削工程に用いる搬送レール35は、直方体形状の加工対象物31に対応して矩形の搬送溝35aが設けられている。また、その底面には、搬送方向に延在する補助溝35bが複数形成されている。このようにすることで、搬送時の加工対象物31と搬送レール35の接触抵抗を低減できる。一方、第2の研削工程に用いる搬送レール36においては、前記傾斜面31c、31d、31e、31fを支持する傾斜面36a、36b、36c、36dが形成されるとともに、傾斜面36aと傾斜面36bの間、及び傾斜面36cと傾斜面36dの間に、それぞれ加工対象物31の裏面側を支持する補助レール部36e、36fが形成されている。第2の研削加工においては、加工対象物31は前記搬送レール36によって搬送され、各製品34について、内R面31a、31bと外R面31g、31hとの間に中心位置ズレのない精度の高い研削加工が行われる。
前述の研削装置及び研削方法は、例えば希土類焼結磁石の研削加工に適用して好適である。この場合、希土類焼結磁石を加工対象物として前述の搬送及び研削を行う。
希土類焼結磁石は、例えば希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素を主成分とするものであるが、磁石組成は特に限定されず、用途等に応じて任意に選択すればよい。例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、磁気特性の点からFeを主体とすることが好ましく、特に、キュリー温度の向上、粒界相の耐蝕性向上等に効果があるCoを添加することが好ましい。また、前記希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bのみならず、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。なお、加工対象となる希土類焼結磁石1としては、前記R−T−B系の希土類焼結磁石に限られるものではない。例えば希土類焼結磁石は、SmCo系焼結磁石等であってもよく、これらについても本発明の研削加工方法を適用することが効果的である。
希土類焼結磁石は粉末冶金法によって作製されるが、その製造プロセスは、基本的には、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、成形工程、焼結工程、時効工程とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素ガス雰囲気中、Arガス雰囲気中等)で行う。
合金化工程では、原料となる金属、あるいは合金を所望の希土類合金粉末の組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、任意の方法を採用し得るが、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であり、得られる合金の形態の点でも好適である。
前記合金化の際に用いる原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。合金は、ほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても良いし、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合しても良い。
粗粉砕工程では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵及び放出させて脆化させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前述の粗粉砕工程が終了した後、必要に応じて粗粉砕した原料合金粉に潤滑剤を添加する。潤滑剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、融点が60℃〜120℃の脂肪酸や脂肪酸アミドを潤滑剤として用いることで、良好な磁気特性、特に高配向で高い磁化を有する希土類焼結磁石を得ることができ、その種類や添加量によって、成形体強度を所定の値に調整することができる。
粗粉砕工程の後、微粉砕工程を行うが、この微粉砕工程は、例えば気流式粉砕機等を使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば2〜6μmとなるまで微粉砕する。気流式粉砕機としては、ジェットミル等が好適である。
微粉砕工程の後、磁場中成形工程において、原料合金粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程にて得られた原料合金粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、成形圧力と磁界方向が平行な平行磁界成形、成形圧力と磁界方向が直交する直行磁界成形のいずれであってもよい。さらに、磁界印加手段として、パルス電源と空芯コイルも採用することができる。この磁場中成形は、例えば700〜1600kA/mの磁場中で、30〜300MPa、好ましくは130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
前記成形工程により所定の形状に成形した後、焼結工程において、成形体に対して焼結処理を実施する。焼結処理では、前記成形体を真空または不活性ガス雰囲気中(Arガス雰囲気中等)で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。なお、焼結工程においては、必要に応じて、焼結に先立って脱脂処理を行うことが好ましい。
前記焼結後には、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、600℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
以上により、例えばブロック形状(直方体形状)の希土類焼結磁石が作製されるが、このブロック形状の希土類焼結磁石を加工対象物とし、最終製品の形状(例えばC型形状)に合わせて輪郭加工を行う。このとき、前記研削装置及び研削方法を用いることで、精度の高い研削加工を実現することが可能である。例えば、希土類焼結磁石を粉末冶金法によって製造する場合、微粉末を磁場中成形するが、この時、原料となる希土類合金粉末は流動性が悪い。そのため、薄肉小型形状のものは成形することが困難である。本発明は、特に、厚みが1〜50mmの直方体形状の焼結体から厚みが0.5〜5mm程度の最終加工物(希土類焼結磁石)を作製する際に適用することが有効である。なお、製品形状に本発明の加工方法にて加工した後、さらに切断等により所望の寸法に整えることも可能である。
以上、本発明を適用した研削装置、研削加工方法の実施形態について説明してきたが、本発明がこれら実施形態に限定されるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例
加工対象物として50mm×10mm×3mmの四角いブロック状の希土類焼結磁石を用い、図7に示す研削装置を用いてC型形状に輪郭加工を行った。研削加工に際しては、複数の希土類焼結磁石ブロックを第1の搬送レール上に配置し、搬送ローラによって搬送しながら内R面及び傾斜面の研削加工を行った後、第2の搬送レールによって搬送を行いながら外R面の研削加工を行った。したがって、本実施例では、第2の研削加工の際には、第2の搬送レールの傾斜面によって希土類焼結磁石ブロックの両端傾斜面が支持される。
加工対象物として50mm×10mm×3mmの四角いブロック状の希土類焼結磁石を用い、図7に示す研削装置を用いてC型形状に輪郭加工を行った。研削加工に際しては、複数の希土類焼結磁石ブロックを第1の搬送レール上に配置し、搬送ローラによって搬送しながら内R面及び傾斜面の研削加工を行った後、第2の搬送レールによって搬送を行いながら外R面の研削加工を行った。したがって、本実施例では、第2の研削加工の際には、第2の搬送レールの傾斜面によって希土類焼結磁石ブロックの両端傾斜面が支持される。
研削砥石にはダイヤモンド砥粒を電着した電着砥石を用いた。ダイヤモンド砥粒の粒径は100〜500μmとした。また、研削加工の際の研削砥石の回転数は3000rpm、希土類焼結磁石ブロックの送り速度は200mm/分とした。前記の研削加工は、500サンプルについて行った。
比較例
第2の搬送レールも矩形の搬送溝とし、他は実施例と同様に希土類焼結磁石ブロックをC型形状に輪郭加工した。前記矩形の搬送溝には、希土類焼結磁石ブロックの両側面との間にそれぞれ0.05mmのクリアランスを設けた。前記の研削加工は、500サンプルについて行った。
第2の搬送レールも矩形の搬送溝とし、他は実施例と同様に希土類焼結磁石ブロックをC型形状に輪郭加工した。前記矩形の搬送溝には、希土類焼結磁石ブロックの両側面との間にそれぞれ0.05mmのクリアランスを設けた。前記の研削加工は、500サンプルについて行った。
寸法精度の計測
輪郭加工後のC型希土類焼結磁石において、内R面及び外R面の中心位置の厚さを測定した。前記測定をC型希土類焼結磁石(500サンプル)の搬送方向の先端部、中央部、後端部について行い、実施例と比較例の寸法精度を比較した。結果を表1に示す。
輪郭加工後のC型希土類焼結磁石において、内R面及び外R面の中心位置の厚さを測定した。前記測定をC型希土類焼結磁石(500サンプル)の搬送方向の先端部、中央部、後端部について行い、実施例と比較例の寸法精度を比較した。結果を表1に示す。
この表1から明らかなように、傾斜面によって希土類焼結磁石ブロックの両端傾斜面を支持しながら外R面の研削加工を行った実施例において、比較例に比べて寸法精度が大幅に改善されることがわかる。
1,31 加工対象物、1a,31a,31b 内R面、1b,1c,31c,31d,31e,31f 傾斜面、1d,31g,31h 外R面、2 研削砥石、3 搬送レール、3a,3b 傾斜面、4 補助部材、11,35 第1の搬送レール、12 第2の研削砥石、13 支持治具、21,36 第2の搬送レール、21a,21b,36a,36b,36c,36d 傾斜面、21c,36e,36f 補助レール部、22 第2の研削砥石
Claims (19)
- 加工対象物を搬送する搬送レールと、前記搬送レールによって搬送される加工対象物を研削加工する砥石とを備え、
前記加工対象物が両端部分に傾斜面を有するとともに、前記搬送レールは前記加工対象物の傾斜面に対応して形成され搬送方向に延在する一対の傾斜面を有し、
加工対象物の両端部分の傾斜面が搬送レールの一対の傾斜面で支持された状態で搬送され、研削加工が行われることを特徴とする研削装置。 - 前記加工対象物の両端部分の傾斜面の開き角と搬送レールの一対の傾斜面の開き角が略等しく、それぞれ15°〜150°であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
- 前記加工対象物の両端部分の傾斜面が左右対称であり、これに対応して搬送レールの一対の傾斜面が左右対称とされていることを特徴とする請求項1または2記載の研削装置。
- 前記加工対象物の両端部分の傾斜面が左右非対称であり、これに対応して搬送レールの一対の傾斜面が左右非対称とされていることを特徴とする請求項1または2記載の研削装置。
- 前記加工対象物が複数組の傾斜面を有し、前記搬送レールがこれら複数組の傾斜面に対応して複数組の傾斜面を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の研削装置。
- 前記砥石は、前記加工対象物を円弧面に研削加工することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の研削装置。
- 前記搬送レールの前記砥石による研削加工位置には、前記傾斜面間において加工対象物の裏面側を支持する補助部材が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の研削装置。
- 加工対象物に対して第1の研削加工を施す第1研削エリアと、第2の研削加工を施す第2研削エリアを備え、
前記第1の研削加工により加工対象物の両端部分に傾斜面が形成され、第2研削エリアの搬送レールが前記一対の傾斜面を有する搬送レールとされていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の研削装置。 - 前記第1研削エリアに搬入される加工対象物の形状が直方体形状であることを特徴とする請求項8記載の研削装置。
- 第1研削エリアの搬送レールは矩形の搬送溝を有することを特徴とする請求項8または9記載の研削装置。
- 前記第1研削エリアの搬送レールには、第1の研削加工を施す砥石に対応して開口部が形成されており、当該開口部において加工対象物の下面に対して第1の研削加工が行われることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の研削装置。
- 前記第1の研削加工により加工対象物の一方の面に円弧状の研削加工が行われ、前記第2の研削加工により加工対象物の他方の面に略同心円状の研削加工が行われ、前記加工対象物がC型形状に研削加工されることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項記載の研削装置。
- 両端部分に傾斜面を有する加工対象物を、当該加工対象物の傾斜面に対応して形成され搬送方向に延在する一対の傾斜面を有する搬送レールによって搬送し、
加工対象物の両端部分の傾斜面を搬送レールの一対の傾斜面で支持した状態で研削加工を行うことを特徴とする研削方法。 - 第1の研削加工により加工対象物の両端部分に傾斜面を形成し、第2の研削加工を請求項13記載の研削方法により行うことを特徴とする研削方法。
- 前記第1研削エリアに搬入される加工対象物の形状を直方体形状とすることを特徴とする請求項14記載の研削方法。
- 前記第1の研削加工により内周側の円弧面の研削加工を行い、前記第2の研削加工により外周側の研削加工を行うことを特徴とする請求項14または15記載の研削方法。
- 加工対象物を略C型形状に研削加工することを特徴とする請求項16記載の研削方法。
- 前記略C型形状の研削加工において、搬送レールに複数組の傾斜面を設けて多数個取りを行うことを特徴とする請求項17記載の研削方法。
- 加工対象物が希土類焼結磁石であることを特徴とする請求項13から18のいずれか1項記載の研削方法。
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