上記課題を解決するために、請求項1記載の遊技機のドラム式表示装置は、外側ドラムと内側ドラムとが二重に配置された遊技機のドラム式表示装置であって、前記外側ドラムの外周部には複数種類の図柄が描かれた図柄表示面が形成され、前記内側ドラムの外周部には1つあるいは複数の図柄が描かれた図柄シートが設けられ、当該図柄シートの一端が前記内側ドラムに固定されており、前記内側ドラムと前記外側ドラムのうち少なくとも一方のドラムを回転させることで、前記外側ドラムの図柄表示面の一部に設けられた開口部を通して、前記内側ドラムの図柄シートのもう一端を前記外側ドラムの図柄表示面の外表面に出現させ、前記外側ドラムの図柄表示面の一部あるいは全てを覆い隠すことを特徴とする。請求項1記載の遊技機のドラム式表示装置によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された図柄表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラム式表示装置を採用し、そのドラムを二重構造にし、内側ドラムの回転速度と外側ドラムの回転速度とを異ならせることで、外側ドラムの図柄を覆うように内側から図柄の描かれた図柄シートを出現させることにより、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない興趣を与えることができる。すなわち、遊技機の状態に合わせて内側の図柄を前面に出現させることで遊技者に意外性を提供することができ、その出現度合いによって大当たりすることへの期待度を変化させることができるようになる。また、内側の図柄により外側の図柄全てを覆い隠すことで遊技者から見える図柄を全て変えてしまうことができ、遊技者に従来にない興趣を与えることが可能になる。
図1は、本発明の実施例1に係るドラム式表示装置10を配設する遊技機1を示す正面模式図である。この遊技機1は、パチンコ遊技機であり、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右の斜め下方に配設された左右一対のスピーカ4a,4bと、遊技盤3の下方に設けられた玉供給皿5と、玉供給皿5の右方(図1で見て)に設けられた、玉の発射装置110(図18参照)を操作するハンドル6とを含んで構成されている。なお、図1中、符号106は、ランプ類(図18参照)を示す。
遊技盤3は、遊技盤3のほぼ中央位置に配設されたドラム式表示装置10と、ドラム式表示装置10の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、ドラム式表示装置10の下方に設けられた第1始動入賞装置12と、第1始動入賞装置12の下方に設けられた、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記する)である第2始動入賞装置13と、第2始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15と、ドラム式表示装置10の左斜め下(図1で見て)に設けられた普図表示部16と、ドラム式表示装置10の右斜め下(図1で見て)に設けられた特図表示部18とを含んで構成されている。
ドラム式表示装置10は、図2に示すように、2行3列の図柄表示が可能となっており、ダミー図柄を使ったリーチ演出などを行い、特図(特別図柄)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を表示する。ドラム式表示装置10の左図柄,中図柄および右図柄のそれぞれの図柄が図柄変動開始と同時に縦にスクロールし、所定時間経過後に停止表示する。有効ラインは、上行および下行の2ラインである。各ライン上の3つの図柄が同じキャラクタで停止したならば、大当たりとなる。
図3(a)は、突確(突然確変)図柄の一例を示す。突確図柄は、「VVV」である。この例では、上行に「VVV」の図柄が揃うことにより、突然確変の大当たり(小当たり)となっている。図3(b)は、確変図柄の一例を示す。確変図柄は、「111」、「333」、「555」、「777」、「VVV」のダブルラインである。この例では、上行および下行に「VVV」の図柄が揃うことにより、確変の大当たりとなっている。図3(c)は、確変図柄の他の例を示す。この例では、上行に「777」の図柄が揃うことにより、確変の大当たりとなっている。図3(d)は、非確変図柄の一例を示す。非確変図柄は、「222」、「444」、「666」である。この例では、上行に「444」の図柄が揃うことにより、非確変の大当たりとなっている。
図4は、ドラム式表示装置10の斜視図を示す。ドラム式表示装置10は、左図柄を表示する第1ドラム部41と、中図柄を表示する第2ドラム部42と、右図柄を表示する第3ドラム部43とが、ドラムステー44により連接されて構成されている。以下、第1ドラム部41,第2ドラム部42および第3ドラム部43を、ドラム部40と総称する。なお、図4中の破線は、ドラム式表示装置10の表示窓を示す。
ドラム部40は、図5に示す外側ドラム50と、図6に示す内側ドラム60と、図7に示す外側図柄シート70(71,72,73)と、同じく図7に示す内側図柄シート80(81,82,83)から、その主要部が構成されている。
図5を参照すると、外側ドラム50は、リング状の左リム51と、左リム51から斜め内方に向けて突出した複数のアーム52と、複数のアーム52に取り付けられたボス53と、ボス53の裏面に固着された外側ドラム用ステッピングモータ54(図11参照)と、左リム51から右方に向けて突出した複数のアーム55と、複数のアーム55に連結されたリング状の右リム56とから構成されている。なお、図5中の符号57は、内側図柄シート80を内側ドラム60に押さえ付けるために、左リム51および右リム56の内周面に所定の間隔で突設された内側ドラム押さえ突起を示す。
図6を参照すると、内側ドラム60は、リング状の左リム61と、左リム61から右方に向けて突出した複数のアーム62と、複数のアーム62に連結されたリング状の右リム63と、複数のアーム62の中程から中心に向けて突出された複数のアーム64と、複数のアーム64に連結されたボス65と、ボス65に固着された内側ドラム用ステッピングモータ66とから構成されている。
図7を参照すると、左外側図柄シート71には、上から「1234567」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。中外側図柄シート72には、上から「1234567」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。右外側図柄シート73には、上から「7654321」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。また、左内側図柄シート81には、上から「V VV V」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。中内側図柄シート82には、上から「V VV V」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。右内側図柄シート83には、上から「V VV V」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。
図8は、外側ドラム50に外側図柄シート70を巻き付けた状態を示す斜視図である。外側図柄シート70は、外側ドラム50の外周に巻き付けられた状態で接着剤等で外側ドラム50に接着されており、この状態では基端部(図7での下端部)と先端部(図7での上端部)との間に、内側図柄シート80を挿通させるだけの開口部70aが形成されている(図12参照)。
図9は、内側ドラム60に内側図柄シート80を巻き付けた状態を示す斜視図である。内側図柄シート80は、内側ドラム60の外周に巻き付けられた状態で基端部(図7での下端部)のみが接着剤等で内側ドラム60に固着されており、この状態では基端部が先端部(図7での上端部)と重なり合って遊んでいる状態(固定されていない可動状態)となっている。
図10は、外側図柄シート70を巻き付けた状態の外側ドラム50と、内側図柄シート80を巻き付けた状態の内側ドラム60とを、内側ドラム60が外側ドラム50の内側となるように組み合わせたドラム部40を示す斜視図である。
図11は、図10のドラム部40の正面断面図である。図10のように外側ドラム50と内側ドラム60とが組み合わせられたドラム部40は、ドラムステー44によって外側ドラム50と内側ドラム60とが互いに独立して回転できるように懸架されている。また、これにより、第1ドラム部41,第2ドラム部42および第3ドラム部43も、互いに独立して回転できるように懸架されていることになる。なお、開口部70aから飛び出した内側図柄シート80は、外側ドラム50の左リム51と右リム56とに設けられたつめ58(図11参照)に引っかかることで、外側ドラム50の外に飛び出すことなく、外側図柄シート70の表面に沿って巻きつくことができるようになっている。
図12は、図10のドラム部40の側面図である。図12の状態では、内側図柄シート80の先端部は、外側図柄シート70の開口部70aに対応するように位置している。しかし、この状態から内側ドラム60が外側ドラム50に対して相対的に時計方向に回転すると、内側図柄シート80の先端部は、外側図柄シート70の開口部70aから飛び出し、外側図柄シート70の外表面を覆うことにより、表示窓から見える図柄を変更することになる。
詳しくは、図13に示す状態では、外側ドラム50の外側図柄シート70の図柄が外表面となっていて、内側ドラム60の内側図柄シート80の図柄は一切見えない。しかし、外側ドラム50に対して内側ドラム60が相対的に時計方向に回転すると、内側ドラム60の内側図柄シート80の一部が外側ドラム50の外側図柄シート70の開口部70aから外側図柄シート70の外表面に出ることになり、内側図柄シート80が重なった外側図柄シート70の図柄は、内側図柄シート80の図柄で置き替えられることになる。そして、内側ドラム60の内側図柄シート80の全部が外側ドラム50の外側図柄シート70の外表面に出ると、外側図柄シート70が内側図柄シート80によって覆い尽くされ、外側図柄シート70の図柄は一切見えなくなり、内側シート60の図柄で置き替えられたことになる。
図1に戻って、通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉を通過させると、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、電チューである第2始動入賞装置13が可動羽根の開閉動作を行う。
第1始動入賞装置12は、いわゆるスタートと呼ばれる始動入賞口であり、第1始動入賞装置12に玉が入賞すると、始動入賞検知処理(図19参照)が開始されるようになっている。
第2始動入賞装置13は、開口部に一対の可動羽根を有する、いわゆる電チューと呼ばれる可変入賞装置でなる。第2始動入賞装置13は、通過ゲート11ヘの玉の通過が検知されて、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、可動羽根を開放する。可動羽根の1回の開放時間は、通常時は、例えば0.5秒間、確変時は、例えば5秒間である。第2始動入賞装置13に玉が入賞すると、始動入賞検知処理(図19参照)が開始されるようになっている。なお、第2始動入賞装置13は、第1始動入賞装置12が可動羽根の直上に位置しているため、可動羽根の開放時にしか玉が入賞しないようになっている。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とを呈する。
普図表示部16は、図16に示すように、1つの普図変動LED(Light Emitting Diode)17と、2つの普図保留LEDp1,p2とから構成されている。普図変動LED17は、主回路120から直接制御されて、普図の変動を表示する。詳しくは、普図の変動動作を開始すると、普図変動LED17は、緑色と橙色とを切り換えながら点滅し、所定の変動時間の経過後、当たりのときは緑色で点灯し、ハズレのときは橙色で点灯する。普図保留LEDp1,p2は、主回路120から直接制御されて、普図の抽選結果の保留数を表示する。詳しくは、普図の抽選結果の保留および読出が発生する毎に、普図保留LEDp1,p2は、下記の表1に基づいて橙色に点灯あるいは点滅する。
特図表示部18は、図17(a)に示すように、いわゆる7セグメントの数字表示器19と、2つの特図保留LEDq1,q2とから構成されている。特図表示部18の図柄変動のタイミングは、ドラム式表示装置10の特図の図柄変動の変動開始および変動停止のタイミングと一致する。数字表示器19は、主回路120から直接制御されて、7セグメントを点滅することで、変動動作中であることを示す。所定の変動時間の経過後、数字表示器19は、特図の抽選結果を表示する。すなわち、ハズレのときは、図17(b)に示すように、真ん中の横棒のみを表示し、当たりのときは、図17(c)に示すように、数字を表示する。特図保留LEDq1,q2は、主回路120から直接制御されて、特図の抽選結果の保留数を表示する。詳しくは、特図の抽選結果の保留および読出が発生する毎に、特図保留LEDq1,q2は、下記の表2に基づいて橙色に点灯あるいは点滅する。
図18を参照すると、遊技機1は、主制御基板100と、ドラム式表示装置10の第1ドラム部41(外側ドラム50,内側ドラム60),第2ドラム部42(外側ドラム50,内側ドラム60)および第3ドラム部43(外側ドラム50,内側ドラム60)を制御する表示制御基板101と、スピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104を制御する音声制御基板103と、ランプ類106を制御するランプ制御基板105と、払出装置108を制御する払出制御基板107と、発射装置110を制御する発射制御基板109と、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器111と、第1始動入賞装置12に併設された第1始動入賞検出器112と、第2始動入賞装置13に併設された第2始動入賞検出器113と、大入賞装置14に併設された大入賞検出器114と、電チューである第2始動入賞装置13の可動羽根を開閉する電チューソレノイド115と、大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド116と、各基板に所定電圧を供給する電源回路部117とを含んで構成されている。
主制御基板100は、主回路120を搭載しており、主回路120は、CPU(Central Processing Unit)121,プログラム格納用のROM(Read Only Memory)122,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM(Random Access Memory)123,I/O(Input/Output)124等を備える。
なお、その他の各基板も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図18では省略している。
表示制御基板101は、主回路120より入力される表示制御信号に応じて、ドラム式表示装置10の第1ドラム部41(外側ドラム50,内側ドラム60),第2ドラム部42(外側ドラム50,内側ドラム60)および第3ドラム部43(外側ドラム50,内側ドラム60)を制御するための処理を実行する。
音声制御基板103は、入力される音声制御信号に応じてスピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104より音声を出力させる。
ランプ制御基板105は、入力されるランプ制御信号に応じてランプ類106の点灯/消灯を制御する。
払出制御基板107は、入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が払い出される。
発射制御基板109は、遊技者がハンドル6を操作することに応じて、該ハンドル6に対応して設けられた発射装置110を作動させる。ハンドル6の操作量に応じて、玉の打出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
図19は、遊技機1における始動入賞検知処理を示すフローチャートである。始動入賞検知処理では、主回路120は、第1始動入賞装置12および第2始動入賞装置13からの玉の入賞検出信号が入力されたタイミングに応じて、特図の内部抽選を行い、特図の抽選結果を最大特図保留数4を上限として、RAM123上の特図用保留記憶領域(図示せず)に記憶して保留する。
図20は、遊技機1における特図保留読出処理を示すフローチャートである。特図保留読出処理では、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出し、特図変動処理(図21参照)を開始する。
図21は、遊技機1における特図変動処理を示すフローチャートである。特図変動処理では、主回路120は、特図の抽選結果が当たりであるかどうかを判定し、特図表示部18およびドラム式表示装置10での特図の変動開始,表示演出,変動停止等の一連の処理を行う。
図22は、遊技機1における大当たり処理を示すフローチャートである。大当たり処理では、主回路120は、大入賞装置14を開放し、1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するかのいずれかが成立すると、大入賞装置14を閉鎖する処理を1ラウンドとして、最大ラウンド数15まで実行する処理を行う。
図23は、遊技機1における小当たり処理を示すフローチャートである。小当たり処理では、主回路120は、大入賞装置14を開放し、1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか1ラウンドの最大開放時間0.5秒が経過するかのいずれかが成立すると、大入賞装置14を閉鎖する処理を1ラウンドとして、最大ラウンド数2まで実行する処理を行う。
次に、このように構成された実施例1に係るドラム式表示装置10の動作を、遊技機1の動作とともに、図1ないし図23を参照しながら説明する。
遊技機1への電源投入後、玉供給皿5に準備された玉は、ハンドル6を含んで構成される発射装置110によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、遊技盤3の盤面上を流下する。
遊技盤3の盤面上を流下する玉が通過ゲート11を通過すると、これをゲート通過検出器111が検出して、通過検出信号が主回路120に送信される。
通過検知処理では、主回路120は、ゲート通過検出器111からの通過検出信号により通過ゲート11の玉の通過を検知しており、通過ゲート11を玉が通過したことが検知されると、普図用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出し、普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4であるかどうかを判定する。普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4であれば、主回路120は、通過検知処理を終了する。すなわち、最大普図保留数4を越える普図の抽選結果は保留することなしに破棄される。普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果を記憶して保留し、普図表示部16の普図保留LEDp1,p2を普図の抽選結果の保留数に応じて点灯あるいは点滅して、通過検知処理を終了する。
次に、普図保留読出処理では、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留がなければ、普図保留読出処理を終了する。RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があれば、主回路120は、普図表示部16において先の普図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の普図の変動表示中であれば、主回路120は、普図保留読出処理を終了する。先の普図の変動表示中でなければ、主回路120は、電チューである第2始動入賞装置13が開放中であるかどうかを判定する。電チューである第2始動入賞装置13が開放中であれば、主回路120は、普図保留読出処理を終了する。電チューである第2始動入賞装置13が開放中でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に保留されている最古の普図の抽選結果を読み出し、普図表示部16の普図保留LEDp1,p2を普図の抽選結果の保留数に応じて点灯あるいは点滅して、普図変動処理を開始する。
普図変動処理では、主回路120は、普図保留読出処理で読み出した普図の抽選結果を所定の普図用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、普図の当たり確率は、例えば127/128である。次に、主回路120は、確変中または時短中かそうでないかに応じて普図の変動時間を決定する。確変中または時短中であれば、例えば1秒、通常時は、例えば30秒と変動時間を決定する。続いて、主回路120は、普図表示部16の普図変動LED17で普図の変動を開始する。次に、主回路120は、判定結果がハズレであれば、普図表示部16の普図変動LED17を橙色で点灯し、普図変動処理を終了する。判定結果が当たりであれば、主回路120は、普図表示部16の普図変動LED17を緑色で点灯し、電チューソレノイド115を励磁することにより、電チューである第2始動入賞装置13を開放する。普図当選時の第2始動入賞装置13の開放時間は、通常時には、例えば0.5秒、確変時および時短時には、例えば1.8秒×3回である。次に、主回路120は、確変中または時短中であるかどうかを判定し、確変中または時短中であれば、1.8秒経過するのを待機した後、電チューソレノイド115を非励磁とすることにより、電チューである第2始動入賞装置13を閉鎖し、この開閉動作をさらに2回繰り返した後、普図変動処理を終了する。一方、確変中または時短中でなければ、主回路120は、0.5秒が経過するのを待機した後、電チューである第2始動入賞装置13を閉鎖し、普図変動処理を終了する。
第1始動入賞装置12または第2始動入賞装置13に玉が入賞すると、第1始動入賞検出器112または第2始動入賞検出器113が、これを検出して、入賞検出信号を主回路120に送信する。
始動入賞検知処理では、主回路120は、第1始動入賞検出器112または第2始動入賞検出器113からの入賞検出信号により第1始動入賞装置12または第2始動入賞装置13での玉の通過を検知しており(図19のS101)、玉の通過が検知されない場合には(図19のS101:NO)、始動入賞検知処理を終了する。
第1始動入賞装置12または第2始動入賞装置13での玉の通過が検知されると(図19のS101:YES)、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に保留されている特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4であるかどうかを判定する(図19のS102)。特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4であれば(図19のS102:YES)、主回路120は、払出制御基板107を介して払出装置108に所定数の賞球の払出を指示して(図19のS105)、始動入賞検知処理を終了する。すなわち、最大特図保留数4を越える特図の抽選結果は保留することなしに破棄される。
特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4でなければ(図19のS102:NO)、主回路120は、特図用乱数カウンタ(図示せず)より値を抽出して特図の内部抽選を行い(図19のS103)、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果を記憶して保留する(図19のS104)。なお、特図の当たり確率は、通常時には1/400、確変中には1/40とすることができる。また、確変振り分け率は60%とすることができる。これと同時に、主回路120は、特図表示部18の特図保留LEDq1,q2を特図の抽選結果の保留数に応じて点灯あるいは点滅する。次に、主回路120は、払出制御基板107を介して払出装置108に所定数の賞球の払出を指示して(図19のS105)、始動入賞検知処理を終了する。
次に、特図保留読出処理では、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し(図20のS201)、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留がなければ(図20のS201:NO)、特図保留読出処理を終了する。
RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があれば(図20のS201:YES)、主回路120は、特図表示部18およびドラム式表示装置10において先の特図の変動表示中であるかどうかを判定する(図20のS202)。先の特図の変動表示中であれば(図20のS202:YES)、主回路120は、特図保留読出処理を終了する。
先の特図の変動表示中でなければ(図20のS202:NO)、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかに基づいて大当たり中であるかどうかを判定する(図20のS203)。大当たり中であれば(図20のS203:YES)、主回路120は、特図保留読出処理を終了する。
大当たりフラグがOFFであれば(図20のS203:NO)、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出し(図20のS204)、特図変動処理(図21参照)を開始する(図20のS205)。
特図変動処理では、主回路120は、特図保留読出処理で読み出された特図の抽選結果を、通常時であるか確変時であるかに応じて所定の通常時用判定値または確変時用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行い、当たり/ハズレの判定結果に基づいて特図の変動時間,演出パターン,停止図柄等を決定する(図21のS301)。特図の変動時間は、特図の保留数が多いほど短い時間を選択し、確変中および時短中は、通常よりもさらに短い時間を選択する。
次に、主回路120は、特図表示部18およびドラム式表示装置10における特図の図柄変動,ならびに特図の変動タイマ(図示せず)のカウントを開始する(図21のS302)。
続いて、主回路120は、停止図柄にV図柄があるかどうかを判定し(図21のS303)、停止図柄にV図柄があれば(図21のS303:YES)、演出に合わせて内側ドラム60の回転速度を制御する(図21のS304)。これにより、外側ドラム50に対して内側ドラム60が相対的に時計方向に回転することになり、内側ドラム60の内側図柄シート80が一切見えない状態(図13参照)から、内側ドラム60の内側図柄シート80の一部が外側ドラム50の外側図柄シート70の開口部70aから外側図柄シート70の外表面に出ることになる(図14参照)。このため、内側図柄シート80が重なった外側図柄シート70の数字図柄は、内側図柄シート80のV図柄で置き替えられ、図3(a)で示した突確図柄での大当たりが可能になる。さらに、内側ドラム60の内側図柄シート80の全部が外側ドラム50の外側図柄シート70の開口部70aから外側図柄シート70の外表面に出ると(図15参照)、図3(b)で示した確変図柄での大当たりが容易に発生できるようになる。
次に、主回路120は、特図の変動タイマに基づいて変動時間が経過したかどうかを判定し(図21のS305)、変動時間が経過していなければ(図21のS305:NO)、変動時間が経過するまで待機する。
変動時間が経過すると(図21のS305:YES)、主回路120は、特図表示部18およびドラム式表示装置10における特図の変動を停止する(図21のS306)。当たりのときは、特図表示部18およびドラム式表示装置10に当たり図柄が表示され、ハズレのときは、特図表示部18およびドラム式表示装置10にハズレ図柄が表示される。
次に、主回路120は、確変図柄または非確変図柄での停止であるかどうかを判定する(図21のS307)。
確変図柄または非確変図柄での停止であれば(図21のS307:YES)、主回路120は、大当たりフラグをONし(図21のS308)、非確変図柄での停止であるかどうかを判定する(図21のS309)。非確変図柄での停止であれば(図21のS309:YES)、主回路120は、特図変動処理を終了し、非確変図柄での停止でなければ(図21のS309:NO)、確変フラグをONした後に(図21のS312)、特図変動処理を終了する。
一方、確変図柄または非確変図柄での停止でなければ(図21のS307:NO)、主回路120は、突確図柄での停止かどうかを判定し(図21のS310)、突確図柄での停止でなければ(図21のS310:NO)、特図変動処理を終了する。突確図柄での停止であれば(図21のS310:YES)、主回路120は、小当たりフラグをONし(図21のS311)、確変フラグをONした後に(図21のS312)、特図変動処理を終了する。
続いて、大当たり処理では、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかを判定し(図22のS401)、大当たりフラグがONでなければ(図22のS401:NO)、大当たり処理を終了する。
大当たりフラグがONであれば(図22のS401:YES)、主回路120は、1回の大当たりで大入賞装置14を最大ラウンド数15まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数15でないかどうかを判定する(図22のS402)。
ラウンド数が最大ラウンド数15でなければ(図22のS402:YES)、主回路120は、ラウンド数に1を加算し(図22のS403)、大入賞ソレノイド115を励磁することにより大入賞装置14の開放を指示する(図22のS404)。これにより、大入賞装置14が開放して、玉の入賞が可能になる。なお、1入賞あたりの賞球の払出は、15個である。
大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか(図22のS405:YES)、大入賞装置14が開放してから1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するか(図22のS406:YES)のいずれかが満たされると、主回路120は、大入賞ソレノイド115を非励磁とすることにより、大入賞装置14の閉鎖を指示し(図22のS407)、大当たり処理を終了する。これにより、大入賞装置14が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。
この後、大当たりフラグがまだONであるため(図22のS401:YES)、主回路120は、大入賞装置14の開閉(S401〜S407)を繰り返す。
そして、ラウンド数が最大ラウンド数15になると(図22のS402:NO)、主回路120は、ラウンド数を初期値0にリセットして(図22のS408)、大当たりフラグをOFFにし(図22のS409)、大当たり処理を終了する。
大当たり処理の終了後、確変図柄および突確図柄での大当たりであったときは、その大当たりの終了後は確変状態(通常よりも大当たりの当選確率が高い状態)になり、この確変状態は次の大当たりに当選するまで継続する。また、非確変図柄の大当たりであったときは、その大当たりの終了後は時短状態(普図の変動時間が短くなり、電チューである第2始動入賞装置13の開放時間が長くなる状態)になり、図柄変動が100回終了するまで継続する。(100回以内に内部抽選で当選したときは、その時点で終了する。)
続いて、小当たり処理では、主回路120は、小当たりフラグがONであるかどうかを判定し(図23のS501)、小当たりフラグがONでなければ(図23のS501:NO)、小当たり処理を終了する。
小当たりフラグがONであれば(図23のS501:YES)、主回路120は、1回の小当たりで最大ラウンド数2まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数2でないかどうかを判定する(図23のS502)。
ラウンド数が最大ラウンド数2でなければ(図23のS502:YES)、主回路120は、ラウンド数に1を加算し(図23のS503)、大入賞ソレノイド115を励磁することにより大入賞装置14の開放を指示する(図23のS504)。これにより、大入賞装置14が開放して、玉の入賞が可能になる。なお、1入賞あたりの賞球の払出は、15個である。
大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか(図23のS505:YES)、大入賞装置14が開放してから1ラウンドの最大開放時間0.5秒が経過するか(図23のS506:YES)のいずれかが満たされると、主回路120は、大入賞ソレノイド115を非励磁とすることにより、大入賞装置14の閉鎖を指示し(図23のS507)、小当たり処理を終了する。これにより、大入賞装置14が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。
この後、小当たりフラグがまだONであるため(図23のS501:YES)、主回路120は、大入賞装置14の開閉(S501〜S507)を繰り返す。
そして、ラウンド数が最大ラウンド数2になると(図23のS502:NO)、主回路120は、ラウンド数を初期値0にリセットして(図23のS508)、小当たりフラグをOFFにし(図23のS509)、小当たり処理を終了する。
実施例1によれば、通常はアラビア数字1〜7のキャラクタでなる図柄が描かれた3つのドラム部41,42,43が回転し、特図の抽選結果を表示しているが、突確当選のチャンスあるいは確変当選のチャンスがあるときに、各ドラム部41,42,43にV図柄が出現するように制御することができる。なお、確変当選や突確当選していない時の擬似演出も行うことができる。
また、各ドラム部41,42,43の内側ドラム60は、通常は外側ドラム50と同期して回転しているが、V図柄を出現させるときは外側ドラム50の回転速度と内側ドラム60の回転速度とを相対的にずらすことで、内側ドラム60の内側図柄シート80が外側ドラム50の外側図柄シート70に設けられた開口部70aから出現し、外側ドラム50の枠内を滑って内側図柄シート80が外側図柄シート70の上に一部重なり、外側ドラム50の図柄を隠してV図柄が見えるようにすることができる。なお、各ドラム部41,42,43の回転中にV図柄を出現させる方が効果的である。
さらに、遊技者は、V図柄が出現したことで突確当選することに期待し、さらにはV図柄がダブルラインで停止することで確変当選することに期待することができる。
さらにまた、内側図柄シート80は、外側ドラム50に出現させる長さ(外側ドラム50の隠れる図柄の数に相当)を制御できるので、外側に出現させる長さにより、遊技者の抱く期待度に変化を与えることもできる。