JP2007228788A - インバータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流電源ラインの電流センサにより相電流を検出するインバータ装置において、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間を必要最小限にする。
【解決手段】インバータ回路にPWM変調の通電により交流電流をモータへ出力させるとともに、電流センサにより相電流を検出する制御回路は、ON時間が2番目となる上アームスイッチング素子へのON信号もしくはOFF信号を基準とし、その基準前後のタイミングにて電流センサにより2相分の相電流を検出する。
【選択図】図27

Description

本発明は、PWM変調を行うインバータ装置の相電流検出方法に関するものである。
従来、この種の相電流検出方法として、直流電源ラインの電流から検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは電流センサが一つのみであり、回路簡素化、省部品化に有効である。
この回路について以下説明する。図39に電気回路図を示す。インバータ装置23の制御回路12は、回転数指令信号(図示せず)等に基づき、接続線18を介しスイッチング素子2を制御してバッテリー1の電力を直流交流変換する。これにより、モータ11の固定子巻線4へ交流電流が供給され、磁石回転子5が駆動される。ダイオード3は、固定子巻線4に流れる電流の循環ルートとなる。スイッチング素子2について、上アームスイッチング素子をU、V、W、下アームスイッチング素子をX、Y、Zと定義する。電流センサ6による検出電流値は、制御回路12へ送られ、磁石回転子5の位置検出に用いられる。更に、消費電力算出、スイッチング素子2保護等にも用いられる。
図40に、U相端子電圧41、V相端子電圧42、W相端子電圧43、中性点電圧29に関し、最大変調50%のDutyとなる正弦波3相変調の波形を示す。
図41は、1キャリア内(キャリア周期)での上アームスイッチング素子U、V、W、下アームスイッチング素子X、Y、Zの通電の一例であり、制御回路12から各スイッチング素子2を制御するONOFF信号を示す。この場合、図40においてα表示した位相前後での通電である。上アームスイッチング素子のON時間が最大の相を最大通電相(この場合U相)、中間の相を中間通電相(この場合V相)、最小の相を最小通電相(この場合W相)と定義する。尚、中間通電相は、上アームスイッチング素子のON時間が2番目の相でもある。
通電期間として、(a)、(b)、(c)、(d)の4種類がある。詳細は割愛するが、上アームスイッチング素子U、V、WのON、OFF状態で電流センサ6により検出できる相電流が特定される。即ち、1相のみON時はその相の電流、2相ON時は残りの相の電流が直流電源ラインに流れ電流センサ6により検出可能となる。一方、3相ともON時及び3相ともOFF時は、電流が直流電源ラインに流れず、検出不可となる。そのため、上アームスイッチング素子U、V、WのONを確認することで、検出可能な相電流を知る事ができる。2相分の相電流を検出すれば、残りの相の相電流は、固定子巻線4の中性点においてキルヒホッフの電流の法則を適用し、当該2個の電流値から演算できる。
図42に、図41における直流電源ラインに流れる電流即ち直流電流の変化を示す。通電期間(b)においては、上アームスイッチング素子UのみがONであるため、U相の電流iUが直流電流となり、電流センサ6により検出できる。通電期間(c)においては、上アームスイッチング素子U及びVがONであるため、W相の電流iWが直流電流となり、電流センサ6により検出できる。
電流センサ6により電流を検出するタイミングとしては、電流が変化した時点で検出している。即ち、図43に示すように、U相の電流iUは白三角で示したタイミングで、W相の電流iWは黒三角で示したタイミングで検出している。尚、図43の上側は、図42のキャリア周期前半の電流を、図43の下側は、図42のキャリア周期後半の電流をそれぞれ示している。
特開2003−189670号公報(第14頁、第1図)
上記のように、電流センサが一つのみの相電流検出方法においては、異なるタイミングで2相分の相電流を検出し、残りの相の相電流は当該2個の電流値から演算することができる。
然しながら、小さいながらもキャリア周期内で電流は変化しているため(図面においては便宜上変化がないように示している)、異なるタイミングで2相分の相電流を検出すると、キルヒホッフの電流の法則が正確には適用できず、残りの相の相電流を求める演算が不正確になる。また、磁石回転子5の位置検出に用いる場合においても、演算式が正確には適用できず、位置検出誤差が大きくなる。変調が大きい程、異なる検出タイミング間が広くなる。一方、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が近過ぎると、正確に相電流を検出できなくなる。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、直流電源ラインの電流センサにより相電流を検出するインバータ装置において、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間を必要最小限にできるインバータ装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインバータ装置は、直流電源のプラス側に接続される上アームスイッチング素子とマイナス側に接続される下アームスイッチング素子を備えたインバータ回路と、直流電源とインバータ回路間の電流を検出する電流センサと、インバータ回路にPWM変調の通電により交流電流をモータへ出力させるとともに、電流センサにより相電流を検出する制御回路とを備え、制御回路は、ON時間が2番目となる上アームスイッチング素子へのON信号もしくはOFF信号を基準とし、その基準前後のタイミングにて電流センサにより2相分の相電流を検出するものである。
上記構成により、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間を必要最小限にできる。従って、相電流、磁石回転子の位置を正確に検出できる。
本発明のインバータ装置は、直流電源ラインの電流センサによる相電流検出において、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が必要最小限となり、相電流、磁石回転子の位置を正確に検出することができる。
第1の発明は、直流電源のプラス側に接続される上アームスイッチング素子とマイナス側に接続される下アームスイッチング素子を備えたインバータ回路と、直流電源とインバータ回路間の電流を検出する電流センサと、インバータ回路にPWM変調の通電により交流電流をモータへ出力させるとともに、電流センサにより相電流を検出する制御回路とを備えたインバータ装置において、制御回路は、ON時間が2番目となる上アームスイッチング素子へのON信号もしくはOFF信号を基準とし、その基準前後のタイミングにて電流センサにより2相分の相電流を検出するものである。上記構成により、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間を必要最小限にできる。従って、相電流、磁石回転子の位置を正確に検出できる。
第2の発明は、第1の発明のインバータ装置において、基準前後のタイミングは、インバータ回路とモータ間の電流の向きにより異なるものである。即ち、インバータ回路とモータ間の電流がプラスかマイナスかで異なるタイミングが採用される。これにより、更に、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間を必要最小限にできる。
第3の発明は、第2の発明のインバータ装置において、電流の向きは、モータへの電流の位相により判定するものである。制御回路は演算により電流の位相を把握できる。これにより、特段の検出器などを設けることなく、電流の向きを容易に判定できる。
第4の発明は、第2の発明のインバータ装置において、電流の向きは、モータへの印加電圧の位相により判定するものである。電流の位相と印加電圧の位相との間には相関関係があり、制御回路は演算により把握できる。また、簡易的に両者の位相は等しいと仮定しても大きな差異は生じない。これにより、電流の向きを容易に判定できる。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のインバータ装置において、基準前後のタイミングは、ON信号を基準とする場合とOFF信号を基準とする場合とで異なるものである。即ち、キャリア周期内の前半と後半とで異なるタイミングが採用される。これにより、更に、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間を必要最小限にできる。
第6の発明は、第1乃至第5の発明のインバータ装置において、モータの回転数が高い場合に、当該電流センサによる相電流検出を行うものである。モータの回転数が高いと回転周期が短くなる。このため、1回転周期内のキャリア周期が少なくなり、2相分の相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔が1回転周期に対して相対的に大きくなる。即ち、検出タイミング間の間隔の、位置検出に及ぼす影響が大きくなる。そのため、本発明の効果が大きい。
第7の発明は、第1乃至第6の発明のインバータ装置において、PWM変調の変調が高い場合に、当該電流センサによる相電流検出を行うものである。変調が高い程、2相分の相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔が広くなる。即ち、検出タイミング間の間隔の、位置検出、電流検出に及ぼす影響が大きくなる。そのため、本発明の効果が大きい。
第8の発明は、第1乃至第7の発明のインバータ装置において、当該電流センサによる相電流検出を、キャリア周期の前半及び後半において行い、それらの平均を演算するものである。キャリア周期内における電流検出のタイミングは、位相により変化する。このとき、キャリア周期の前半と後半とでは、逆方向に変化する。そのため、相電流検出をキャリア周期の前半及び後半において行い、それらの平均を演算することで、キャリア周期中央での相電流検出に相当する値を得られる。即ち、常にキャリア周期中央で相電流値を検出する(相当する)ことになり、位置検出、電流検出の精度を向上できる。
第9の発明は、第1乃至第8の発明のインバータ装置において、電動圧縮機のモータを駆動するものである。これにより、冷媒の吐出側と吸入側との圧力差が大きい状態での起動においても、磁石回転子の位置を正確に検出できるため、安定して起動することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るインバータ装置20とその周辺の電気回路である。インバータ装置20の制御回路7は、電源ラインに設けられた電流センサ6からの電圧により、相電流を検出する。2相分の相電流を検出すれば、残りの相の相電流は、当該2個の電流値から演算できる(固定子巻線4の中性点において、キルヒホッフの電流の法則を適用する)。
これら3相分の電流値に基づき、制御回路7は、センサレスDCブラシレスモータ11(以降モータ11と称す)を構成する磁石回転子5による固定子巻線4の誘起電圧を演算し、磁石回転子5の位置検出を行う。そして、この位置検出、回転数指令信号(図示せず)等に基づき、インバータ回路10を構成するスイッチング素子2を制御し、バッテリー1からの直流電圧をPWM変調でスイッチングすることにより、正弦波状の交流電流をモータ11を構成する固定子巻線4へ出力する。インバータ回路10を構成するダイオード3は、固定子巻線4に流れる電流の循環ルートとなる。スイッチング素子2について、上アームスイッチング素子をU、V、W、下アームスイッチング素子をX、Y、Zと定義し、また、各スイッチング素子U、V、W、X、Y、Zに対応するダイオードを、3U、3V、3W、3X、3Y、3Zと定義する。
電流センサ6は、ホール素子を用いた電流センサ、シャント抵抗など、瞬時ピーク電流が検出できるものであれば良い。また、電源ラインのプラス側に設けても良い。シャント抵抗ならば、小型化耐振性向上が実現し易い。
制御回路7は、上アームスイッチング素子U、V、W、下アームスイッチング素子X、Y、Zと、ドライブ回路などを介して接続線18により接続されており、各スイッチング素子を制御している。スイッチング素子2がIGBT、パワーMOSFETの場合はゲート電圧を、パワートランジスタの場合はベース電流を制御する。次に、電流センサ6にて、相電流を検出する方法について述べる。
図2に、最大変調50%の3相変調の波形を、U相端子電圧41、V相端子電圧42、W相端子電圧43、中性点電圧29に関し示す。このモータ端子電圧はモータへの印加電圧に等しい。3相変調においては、変調度が上がるにつれDuty50%を中心に0%と100%の両方向に伸びる。これらの端子電圧はPWM変調にて縦軸に示すDuty(%)で実現される。中性点電圧29は、各相の端子電圧の和を求め3で除した値である。また、相電圧は、端子電圧から中性点電圧を引いた値であり、正弦波になる。
一方、相電流の位相は端子電圧の位相とほぼ等しいと仮定すると、図2における−表示した位相においては、中間通電相V相の電流は、モータ11から流れ出る。モータ11から流れ出る電流の向きを−方向と定義する。+表示した位相においては、中間通電相V相の電流は、モータ11へ流れこむ。モータ11へ流れこむ電流の向きを+方向と定義する。−表示した位相、+表示した位相双方において、最大通電相であるU相は+電流、最小通電相であるW相は−電流である。
図3は、1キャリア内(キャリア周期)での上アームスイッチング素子U、V、W、下アームスイッチング素子X、Y、Zの通電の一例であり、制御回路7から各スイッチング素子を制御するONOFF信号を示す。この場合、図2において位相120度前後の、−表示した位相、+表示した位相での通電である。通電期間として、(a)、(b)、(c)、(d)の4種類がある。但し、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との短絡防止のためデッドタイム期間は省略している。
最初に、図2において−表示した位相において考察する。中間通電相V相の電流は、−方向である。U相の電流iUが最大電流になる。通電期間(a)においては、上アームスイッチング素子U、V、W全てがOFF、下アームスイッチング素子X、Y、Z全てがONである。図4に、このときの電流の流れを示す。U相電流iUは、下アームスイッチング素子Xと並列のダイオードから固定子巻線4へ流れ、V相電流iV及びW相電流iWがそれぞれ、固定子巻線4から下アームスイッチング素子Y及びZへ流れ出ている。よって、電流センサ6に電流は流れない。
通電期間(b)においては、上アームスイッチング素子UがON、下アームスイッチング素子Y、ZがONである。図5に、このときの電流の流れを示す。U相電流iUは、上アームスイッチング素子Uから固定子巻線4へ流れ、V相電流iV及びW相電流iWがそれぞれ、固定子巻線4から下アームスイッチング素子Y及びZへ流れ出ている。よって、電流センサ6には、U相の電流iUが流れ検出可能となる。
通電期間(c)においては、上アームスイッチング素子U、VがON、下アームスイッチング素子ZがONである。図6に、このときの電流の流れを示す。U相電流iUは上アームスイッチング素子Uから固定子巻線4へ流れ、V相電流iVは固定子巻線4から上アームスイッチング素子Vと並列のダイオードへ流れ出ている。W相電流iWは固定子巻線4から下アームスイッチング素子Zへ流れ出ている。よって、電流センサ6には、W相の電流iWが流れ検出可能となる。
通電期間(d)においては、上アームスイッチング素子U、V、W全てがON、下アームスイッチング素子X、Y、Z全てがOFFである。図7に、このときの電流の流れを示す。U相電流iUは上アームスイッチング素子Uから固定子巻線4へ流れ、V相電流iV、W相電流iWはそれぞれ、固定子巻線4から上アームスイッチング素子V、Wと並列のダイオードに流れ出ている。よって、電流センサ6に電流は流れない。
図8に、上記図4〜図7に基づき、図2上−表示した位相における直流電流の変化を示す。通電期間(b)においては最大電流であるU相の電流iUが、通電期間(c)においてはW相の電流iWが、電流センサ6により検出可能である。
次に、図2において+表示した位相において考察する。中間通電相V相の電流は、+方向である。W相の電流iWが最大電流になる。通電期間(a)においては、上アームスイッチング素子U、V、W全てがOFF、下アームスイッチング素子X、Y、Z全てがONである。図9に、このときの電流の流れを示す。U相電流iU、V相電流iVがそれぞれ、下アームスイッチング素子X、Yと並列のダイオードから固定子巻線4へ流れ、W相電流iWは固定子巻線4から下アームスイッチング素子Zへ流れ出ている。よって、電流センサ6に電流は流れない。
通電期間(b)においては、上アームスイッチング素子UがON、下アームスイッチング素子Y、ZがONである。図10に、このときの電流の流れを示す。U相電流iUは、上アームスイッチング素子Uから固定子巻線4へ流れ、V相電流iVは下アームスイッチング素子Yと並列のダイオードから固定子巻線4へ流れ、W相電流iWは固定子巻線4から下アームスイッチング素子Zへ流れ出ている。よって、電流センサ6には、U相の電流iUが流れ検出可能となる。
通電期間(c)においては、上アームスイッチング素子U、VがON、下アームスイッチング素子ZがONである。図11に、このときの電流の流れを示す。U相電流iU、V相電流iVは、それぞれ、上アームスイッチング素子U、Vから固定子巻線4へ流れ、W相電流iWは固定子巻線4から下アームスイッチング素子Zへ流れ出ている。よって、電流センサ6には、W相の電流iWが流れ検出可能となる。
通電期間(d)においては、上アームスイッチング素子U、V、W全てがON、下アームスイッチング素子X、Y、Z全てがOFFである。図12に、このときの電流の流れを示す。U相電流iU、V相電流iVは、それぞれ、上アームスイッチング素子U、Vから固定子巻線4へ流れ、W相電流iWは固定子巻線4から上アームスイッチング素子Wと並列のダイオードに流れ出ている。よって、電流センサ6に電流は流れない。
図13に、上記図9〜図12に基づき、図2上+表示した位相における直流電流の変化を示す。通電期間(b)においてはU相の電流iUが、通電期間(c)においては、最大電流であるW相の電流iWが電流センサ6により検出可能である。通電期間(b)においてはU相の電流iU、通電期間(c)においてはW相の電流iWが検出されることは、図8と同じである。
上記図4〜図13の考察により、上アームスイッチング素子U、V、WのON、OFF状態で電流センサ6により検出できる相電流が特定されることが分かる。即ち、1相のみON時はその相の電流、2相ON時は残りの相の電流が検出可能であり、3相ON時及び3相OFF時は検出不可となる。従って、制御回路7からの各スイッチング素子を制御するONOFF信号と各スイッチング素子のONOFFは、進み遅れなく一致している場合、制御回路7は、各スイッチング素子を制御するONOFF信号に基づき、電流センサ6からの電流信号がどの相電流かを特定でき検出できる。
然しながら、実際には、制御回路7からの各スイッチング素子を制御するONOFF信号と各スイッチング素子のONOFFは、回路特性などにより、一致しない。また、素子の立上がり立下り特性、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との間のデッドタイムなどがある。そのため、制御回路7が、各スイッチング素子を制御するONOFF信号に基づき、電流検出するタイミングの設定、どの相電流かの判定をするにおいて、これらを考慮する必要がある。
以下、これらについて説明する。図3の通電タイミングチャートにデッドタイムを盛り込んだものを、図14に示す。このタイミングチャートにスイッチング素子のON時間tn、OFF時間tfも考慮し、図8、図13に示す直流電流の変化を詳細に考察する。
最初に、図2において−表示した位相において即ち図8に示す直流電流について考察する。中間通電相V相の電流iVは、−方向である。図15に、U相電流iUの下アームから上アームへの移行を示す。上側にスイッチングの時間関係を、下側にその時間関係における回路素子に流れる電流を示す。下アームスイッチング素子XへのOFF信号以前は、図4の状態にある。下アームスイッチング素子XへOFF信号が出された時点で、U相電流iUは下アームスイッチング素子Xと並列のダイオード3Xから固定子巻線4へ流れている。回路図において、上アーム側は機能していないので、省略している。下アームスイッチング素子XのOFF時間tf後においても、上アームスイッチング素子UはOFFであるため、U相電流iUはダイオード3Xから固定子巻線4へ流れている。この時点で、下アームスイッチング素子Xは機能しないので、回路図上省略している。
下アームスイッチング素子XへのOFF信号から、デッドタイムtd後に、上アームスイッチング素子UへON信号が出される。ダイオード3Xに流れるU相電流iUは、上アームスイッチング素子Uへ移行を始め、上アームスイッチング素子UのON時間tn後に移行完了する。この時点において図5の状態となる。従って、U相電流iUの検出は、上アームスイッチング素子UへのON信号からtn以降に行う必要がある。
図16に、V相電流iVの下アームから上アームへの移行を示す。下アームスイッチング素子YへOFF信号が出された時点で、V相電流iVは、固定子巻線4から下アームスイッチング素子Yへ流れている。V相電流iVは、上アームスイッチング素子Vと並列のダイオード3Vへ移行を始め、下アームスイッチング素子YのOFF時間tf後に移行完了する。この時点において図6の状態となる。従って、上アームスイッチング素子VへのON信号時点(下アームスイッチング素子YへのOFF信号からデッドタイムtd後)よりtd−tf前でW相電流iWの検出が可能である。
図17に、W相電流iWの下アームから上アームへの移行を示す。図16のV相電流iVの場合と同様であり、上アームスイッチング素子WへのON信号時点(下アームスイッチング素子ZへのOFF信号からデッドタイムtd後)よりtd−tf前には移行完了している。この時点において図7の状態となる。
図18に、W相電流iWの上アームから下アームへの移行を示す。上アームスイッチング素子WへのOFF信号以前は、図7の状態にある。上アームスイッチング素子WへOFF信号が出された時点で、W相電流iWは固定子巻線4から上アームスイッチング素子Wと並列のダイオード3Wへ流れ出ている。回路図において、下アーム側は機能していないので、省略している。上アームスイッチング素子WのOFF時間tf後においても、下アームスイッチング素子ZはOFFであるため、W相電流iWは固定子巻線4からダイオード3Wへ流れ出ている。この時点で、上アームスイッチング素子Wは機能していないので、回路図上省略している。
上アームスイッチング素子WへのOFF信号から、デッドタイムtd後に、下アームスイッチング素子ZへON信号が出される。ダイオード3Wに流れるW相電流iWは、下アームスイッチング素子Zへ移行を始め、下アームスイッチング素子ZのON時間tn後に移行完了する。この時点において図6の状態となる。従って、W相電流iWの検出は、上アームスイッチング素子WへのOFF信号からtd+tn以降に行う必要がある。
図19に、V相電流iVの上アームから下アームへの移行を示す。図18のW相電流iWの場合と同様であり、下アームスイッチング素子YのON時間tn後に移行完了する。この時点において図5の状態となる。従って、U相電流iUの検出は、上アームスイッチング素子VへのOFF信号からtd+tn以降に行う必要がある。
図20に、U相電流iUの上アームから下アームへの移行を示す。上アームスイッチング素子UへOFF信号が出された時点で、U相電流iUは、上アームスイッチング素子Uから固定子巻線4へ流れている。U相電流iUは、下アームスイッチング素子Xと並列のダイオード3Xへ移行を始め、上アームスイッチング素子UへのOFF信号からOFF時間tf後に移行完了する。この時点において図4の状態となる。
次に、図2において+表示した位相において即ち図13に示す直流電流について考察する。中間通電相V相の電流iVは、+方向である。図21に、U相電流iUの下アームから上アームへの移行を示す。図15と比較し、U相電流iUの電流の大きさは異なるが、電流の向きは同じであるため、タイミング関係は図15と同じである。下アームスイッチング素子XへのOFF信号以前は、図9の状態にある。また、上アームスイッチング素子UのON時間tn後に移行完了する。この時点において図10の状態となる。従って、U相電流iUの検出は、上アームスイッチング素子UへのON信号からtn以降に行う必要がある。
図22に、V相電流iVの下アームから上アームへの移行を示す。この場合、図16と比較し、V相電流iVの向きが逆になるため、図16とはタイミング関係が異なる。タイミング関係は、相及び電流の大きさは異なるが、電流の向きが同じであるため、図21、図15と同じである。上アームスイッチング素子VのON時間tn後に移行完了する。この時点において図11の状態となる。従って、W相電流iWの検出は、上アームスイッチング素子VへのON信号からtn以降に行う必要がある。
図23に、W相電流iWの下アームから上アームへの移行を示す。電流の大きさは異なるが、電流の向きが同じであるため、タイミング関係は図17と同じである。従って、上アームスイッチング素子WへのON信号時点(下アームスイッチング素子ZへのOFF信号からデッドタイムtd後)よりtd−tf前には移行完了している。この時点において図12の状態となる。
図24に、W相電流iWの上アームから下アームへの移行を示す。電流の大きさは異なるが、電流の向きが同じであるため、タイミング関係は図18と同じである。下アームスイッチング素子ZのON時間tn後に移行完了する。この時点において図11の状態となる。従って、W相電流iWの検出は、上アームスイッチング素子WへのOFF信号からtd+tn以降に行う必要がある。
図25に、V相電流iVの上アームから下アームへの移行を示す。V相電流iVの向きが逆になるため、図19とはタイミング関係が異なる。タイミング関係は、相及び電流の大きさは異なるが、電流の向きが同じであるため、図20と同じである。上アームスイッチング素子VのOFF時間tf後に移行完了する。この時点において図10の状態となる。従って、上アームスイッチング素子VへのOFF信号からOFF時間tf時点でU相電流iUの検出が可能である。
図26に、U相電流iUの上アームから下アームへの移行を示す。電流の大きさは異なるが、電流の向きが同じであるため、タイミング関係は図20と同じである。上アームスイッチング素子UへのOFF信号からOFF時間tf後に移行完了する。この時点において図9の状態となる。
上記図15、図16、図17により、図8におけるキャリア周期内直流電流変化の前半詳細を、図27に示す。制御回路7の各スイッチング素子を制御するONOFF信号と直流電流の関係である。上アームスイッチング素子UへのON信号から暫くの間直流電流(U相電流iU)に変化がないが、これは制御回路7からスイッチング素子Uまでのフィルタ回路、ドライブ回路などによる遅延に起因している。下アームスイッチング素子Y、ZへのOFF信号から暫くの間直流電流に変化がないのも同様である。この遅延時間も含めて立ち上がり時間、立ち下り時間をスイッチング素子のON時間tn、OFF時間tfとしている。
図27に示す如く、中間通電相(上アームスイッチング素子のON時間が中間の相即ちON時間が2番目の相)であるV相へのON信号を基準とし、その基準前後のタイミングにて電流センサ6により2相分の相電流を検出することができる。ここで、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が必要最小限となる条件を検討する。電流センサ6で電流が検出され、制御回路7に取り込まれるのに要する時間をtkとする。
図15より、U相電流iUの検出は、上アームスイッチング素子UへのON信号からtn以降に行う必要がある。W相電流iWの検出タイミングとの間を小さくするには、U相電流iUの検出タイミングを、時間tkを確保して右方向に設定する必要がある。そのため、U相電流iUの検出タイミングは白三角で示したポイントになる。詳細には、下アームスイッチング素子YへのOFF信号からの遅延時間分右方向に設定できるが小さいため割愛する。図16より上アームスイッチング素子VへのON信号時点よりtd−tf前でW相電流iWの検出が可能である。そのため、W相電流iWの検出タイミングは、黒三角で示したポイントになる。従って、上アームスイッチング素子VへのON信号を基準とした白三角の時間をtNUとすると、tNU=−td−tkとなる。黒三角の時間をtNWとすると、tNW=−td+tfとなる。
図18、図19、図20により、図8におけるキャリア周期内直流電流変化の後半詳細を、図28に示す。同様に、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が必要最小限となる条件を検討する。図18より、W相電流iWの検出は、上アームスイッチング素子WへのOFF信号からtd+tn以降に行う必要がある。U相電流iUの検出タイミングとの間を小さくするには、W相電流iWの検出タイミングを、時間tkを確保して右方向に設定する必要がある。そのため、W相電流iWの検出タイミングは黒三角で示したポイントになる。詳細には、下アームスイッチング素子YへのON信号からの遅延時間分右方向に設定できるが小さいため割愛する。
図19より、U相電流iUの検出は、上アームスイッチング素子VへのOFF信号からtd+tn以降に行う必要がある。そのため、U相電流iUの検出タイミングは、白三角で示したポイントになる。従って、上アームスイッチング素子VへのOFF信号を基準とした白三角の時間をtFUとすると、tFU=td+tnとなる。黒三角の時間をtFWとすると、tFW=td−tkとなる。
次に、図21、図22、図23により、図13におけるキャリア周期内直流電流変化の前半詳細を、図29に示す。同様に、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が必要最小限となる条件を検討する。図21より、U相電流iUの検出は、上アームスイッチング素子UへのON信号からtn以降に行う必要がある。W相電流iWの検出タイミングとの間を小さくするには、U相電流iUの検出タイミングを、時間tkを確保して右方向に設定する必要がある。そのため、U相電流iUの検出タイミングは白三角で示したポイントになる。詳細には、上アームスイッチング素子VへのON信号からの遅延時間分右方向に設定できるが小さいため割愛する。
図22より、W相電流iWの検出は、上アームスイッチング素子VへのON信号からtn以降に行う必要がある。そのため、W相電流iWの検出タイミングは、黒三角で示したポイントになる。従って、上アームスイッチング素子VへのON信号を基準とした白三角の時間をtNUとすると、tNU=−tkとなる。黒三角の時間をtNWとすると、tNW=tnとなる。
図24、図25、図26により、図13におけるキャリア周期内直流電流変化の後半詳細を、図30に示す。同様に、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が必要最小限となる条件を検討する。図24より、W相電流iWの検出は、上アームスイッチング素子WへのOFF信号からtd+tn以降に行う必要がある。U相電流iUの検出タイミングとの間を小さくするには、W相電流iWの検出タイミングを、時間tkを確保して右方向に設定する必要がある。そのため、W相電流iWの検出タイミングは黒三角で示したポイントになる。詳細には、上アームスイッチング素子VへのOFF信号からの遅延時間分右方向に設定できるが小さいため割愛する。
図25より、上アームスイッチング素子VへのOFF信号からOFF時間tf時点でU相電流iUの検出が可能である。そのため、U相電流iUの検出タイミングは、白三角で示したポイントになる。従って、上アームスイッチング素子VへのOFF信号を基準とした白三角の時間をtFUとすると、tFU=tfとなる。黒三角の時間をtFWとすると、tFW=−tkとなる。
上記により、2相分の相電流(この場合、U相電流iUとW相電流iW)を検出するための異なる検出タイミング間(この場合、白三角と黒三角で表示)は最小になる。図27と図30においてはtf+tk、図28と図29においてはtn+tkとなる。これらは、変調が10%、50%、100%など変化しても、またキャリア周期が変更されても、影響されず一定である。そのため、制御回路7のソフトプログラムにおける電流検出タイミングの設定が容易になる。また、ソフトプログラムにおける各種作業の時間割り振りを整え易くなる。上記において、ON時もしくはOFF時を基準とするための中間通電相(上アームスイッチング素子のON時間が中間の相即ちON時間が2番目の相)は、V相である。
尚、上記実施の形態において、相電流の位相は端子電圧の位相とほぼ等しいと仮定したが、等しくない場合は図27〜図30におけるU相電流iU、W相電流iWの流れる時間が変化するのみであり、モータ電流の向き、ON基準かOFF基準かによって定まる上記電流検出タイミングは変化しない。
(実施の形態2)
上記図27、図29での考察に基づく、キャリア周期内の前半における電流検出タイミング選択フローチャートを図31に示す。中間通電相であるV相の電流の向きにより、上アームスイッチング素子VへのON信号を基準にした検出タイミングを選択する。ステップ10にて、中間通電相は−電流かどうか即ち電流の向きがモータから流れ出る電流かどうか判定する。−電流であれば(Y)、ステップ11にて、図27におけるtNU、tNWを選択する。−電流でなければ(N)、ステップ12にて、図29におけるtNU、tNWを選択する。
中間通電相は−電流かどうか即ち電流の向きがモータから流れ出る電流かどうかは、相電流の位相で判定する。例としてV相電流は、図2を相電流の波形とした場合、位相0度〜120度及び300度〜360度においては−電流であり、位相120度〜300度においては+電流である。制御回路7は、回転数、印加電圧、負荷などにより、これを演算する。図2の端子電圧即ち印加電圧の位相と相電流の位相とは、ほぼ等しいと仮定し、印加電圧の位相を用いても良い。また、電流がスイッチング素子に流れているか、並列のダイオードに流れているかにより判定することもできる。
(実施の形態3)
上記図31と同様に、図28、図30での考察に基づく、キャリア周期内の後半における電流検出タイミング選択フローチャートを図32に示す。中間通電相であるV相の電流の向きにより、上アームスイッチング素子VへのOFF信号を基準にした検出タイミングを選択する。ステップ20にて、中間通電相は−電流かどうか即ち電流の向きがモータから流れ出る電流かどうか判定する。−電流であれば(Y)、ステップ21にて、図28におけるtFU、tFWを選択する。−電流でなければ(N)、ステップ22にて、図30におけるtFU、tFWを選択する。
尚、キャリア周期内の前半においては、上アームスイッチング素子はONするので上アームスイッチング素子へのON信号が基準となり、キャリア周期内の後半においては、上アームスイッチング素子はOFFするので上アームスイッチング素子へのOFF信号が基準となる。
(実施の形態4)
上記フローチャート図31、図32に、ON信号を基準とするかOFF信号を基準とするかの選択も追加し図33に示す。
ステップ30にて、中間通電相は−電流かどうか即ち電流の向きがモータから流れ出る電流かどうか判定する。−電流であれば(Y)、ステップ31にて、上アームスイッチング素子へのON信号が基準かどうかの選択をする。ON基準であれば(Y)、ステップ32にて、図27におけるtNU、tNWを選択する。ON基準でなければ(N)、ステップ33にて、図28におけるtFU、tFWを選択する。ステップ30にて、−電流でなければ(N)、ステップ34にて、上アームスイッチング素子へのON信号が基準かどうかの選択をする。ON基準であれば(Y)、ステップ35にて、図29におけるtNU、tNWを選択する。ON基準でなければ(N)、ステップ36にて、図30におけるtFU、tFWを選択する。
(実施の形態5)
当該実施の形態は、上記各実施の形態において、モータの回転数が高い場合に、電流センサ6による相電流検出を行うものである。モータの回転数が高いと回転周期が短くなる。このため、1回転周期内のキャリア周期が少なくなり、2相分の相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔が1回転周期に対して相対的に大きくなる。即ち、検出タイミング間の間隔の、位置検出に及ぼす影響が大きくなる。
例として、キャリア周期が0.1mS(10kHz)、2極モータとする。回転数が低く回転周期が100mS(10Hz)の場合、1回転周期内のキャリア周期は1000個となる。そして、1キャリア周期は、回転角度凡そ0.36度に相当する。一方、回転数が高く回転周期が6.7mS(150Hz)の場合、1回転周期内のキャリア周期は67個となる。そして、1キャリア周期は、回転角度凡そ5.4度に相当する。
即ち、回転周期が6.7mS(150Hz)の場合、回転周期が100mS(10Hz)の場合に比較し、1キャリア周期相当の回転角度が15倍になる。そのため、1キャリア周期内における、2相分の相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔が、位置検出に及ぼす影響も15倍に大きくなる。そのため、相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔を小さくできる本発明は、モータの回転数が高い場合において特にその効果が大きい。
(実施の形態6)
図34に、図2に破線で示した位相30度〜90度における1キャリア周期内での上アームスイッチング素子U,V,WのON期間(Duty)を中央から左右対称に表示している。U相の上アームスイッチング素子UのON期間を細実線で表わし、V相の上アームスイッチング素子VのON期間を中実線で表わし、W相の上アームスイッチング素子WのON期間を太実線で表わしている。これは、一般的に、マイコンのタイマ機能により具現化される。電流センサ6による電流検出が可能となる期間を検出期間として、実線矢印で表示し、実線矢印近傍に検出される電流がどの相の電流かを示す。この場合、U相の相電流の検出期間をU、V相の相電流の検出期間をVと表示している。同様に、図35に、最大変調100%の場合を示す。
位相60度において、U相の相電流検出の従来のタイミングを縦の白矢印で、V相の相電流検出の従来のタイミングを縦の横線矢印で示している。この場合、従来のタイミングとは、検出期間左端での相電流検出を例にしている。図34と図35を比較すると、図35の最大変調100%の場合は、図34の最大変調50%の場合より、相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔(縦の白矢印と縦の横線矢印との間隔)が大きい。そのため、相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔を小さくできる本発明は、変調が高い場合において特にその効果が大きい。この場合、W相が中間通電相となる。
図36に、最大変調50%の2相変調の波形を、U相端子電圧41、V相端子電圧42、W相端子電圧43、中性点電圧29に関し示す。このモータ端子電圧はモータへの印加電圧に等しい。2相変調においては、変調度が上がるにつれ100%の方向に伸びる。図37に、図36に破線で示した位相90度〜150度における1キャリア周期内での上アームスイッチング素子U,V,WのON期間(Duty)を中央から左右対称に表示している。表記事項は図34、図35と同様である。図38に、最大変調100%の場合を示す。
位相120度において、U相の相電流検出の従来のタイミングを縦の白矢印で、W相の相電流検出の従来のタイミングを縦の黒矢印で示している。図38の最大変調100%の場合は、図37の最大変調50%の場合より、相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔(縦の白矢印と縦の黒矢印との間隔)が大きい。そのため、相電流検出における異なる検出タイミング間の間隔を小さくできる本発明は、変調が高い場合において特にその効果が大きい。これは、上記3相変調の場合と同じである。尚、上記2相変調において、0%であるW相(固定相)が最小通電相となり、V相が中間通電相となる。
(実施の形態7)
当該実施の形態は、上記各実施の形態において、電流センサ6による相電流検出を、キャリア周期の前半及び後半において行い、それらの平均を演算するものである。キャリア周期内における当該電流検出のタイミングは、位相により変化する。このとき、キャリア周期の前半と後半とでは、逆方向に変化する。図34、図35、図37、図38において、キャリア周期前半の電流検出タイミングを白菱形で、同後半の電流検出タイミングを黒菱形で示している。上記の如く、電流検出のタイミングが変化するのがわかる。
このため、位相により、キャリア周期内における電流検出のタイミングが異なることとなり、位置検出、電流検出の精度が低下してしまう。位相と、検出位置、検出電流値が正確に一致しない。このことへの対応として、相電流検出をキャリア周期の前半(白菱形)及び後半(黒菱形)において行い、それらの平均を演算する。これにより、キャリア周期中央での相電流検出に相当する値を得られる。即ち、常に、キャリア周期中央における(相当する)相電流値を得られることになり、位置検出、電流検出の精度を向上できる。
尚、上記各実施の形態において、直流電源をバッテリーとしたが、これに限るものではなく、商用交流電源を整流した直流電源などでもよい。モータ11をセンサレスDCブラシレスモータとしたが、リラクタンスモータ、誘導モータ等にも適用できる。正弦波駆動以外にも適用できる。また、2相変調においても、上記の如く、固定相を最小通電相とし、キャリア周期内の前半と後半の電流が連続している場合として、適用できる。また、100%の固定相を最大通電相としても良い。
以上のように、本発明にかかるインバータ装置は、2相分の相電流を検出するための異なる検出タイミング間が必要最小限となり、相電流、磁石回転子の位置を正確に検出することができるので、各種民生用製品、各種産業用機器に適用できる。負荷としてモータ以外の交流機器にも適用可能である。
本発明の実施の形態1に係るインバータ装置とその周辺の電気回路図 3相変調の最大変調50%における各相の変調を示す波形図 キャリア周期における通電タイミングチャート 中間通電相が−電流の場合における通電期間(a)の電流経路を示す電気回路図 同通電期間(b)の電流経路を示す電気回路図 同通電期間(c)の電流経路を示す電気回路図 同通電期間(d)の電流経路を示す電気回路図 同キャリア周期内で直流電源ラインに流れる直流電流波形図 中間通電相が+電流の場合における通電期間(a)の電流経路を示す電気回路図 同通電期間(b)の電流経路を示す電気回路図 同通電期間(c)の電流経路を示す電気回路図 同通電期間(d)の電流経路を示す電気回路図 同キャリア周期内で直流電源ラインに流れる直流電流波形図 デッドタイムを含む通電タイミングチャート 中間通電相が−電流の場合におけるU相電流の下アームから上アームへの移行状態図 同V相電流の下アームから上アームへの移行状態図 同W相電流の下アームから上アームへの移行状態図 同W相電流の上アームから下アームへの移行状態図 同V相電流の上アームから下アームへの移行状態図 同U相電流の上アームから下アームへの移行状態図 中間通電相が+電流の場合におけるU相電流の下アームから上アームへの移行状態図 同V相電流の下アームから上アームへの移行状態図 同W相電流の下アームから上アームへの移行状態図 同W相電流の上アームから下アームへの移行状態図 同V相電流の上アームから下アームへの移行状態図 同U相電流の上アームから下アームへの移行状態図 中間通電相が−電流の場合におけるキャリア周期内前半での直流電流検出タイミング説明図 同キャリア周期内後半での直流電流検出タイミング説明図 中間通電相が+電流の場合におけるキャリア周期内前半での直流電流検出タイミング説明図 同キャリア周期内後半での直流電流検出タイミング説明図 本発明の実施の形態2に係る、直流電流検出タイミングを中間通電相の電流の向きにより選択するフローチャート 本発明の実施の形態3に係る、直流電流検出タイミングを中間通電相の電流の向きにより選択するフローチャート 本発明の実施の形態4に係る、直流電流検出タイミングを中間通電相の電流の向き、基準がONかOFFかにより選択するフローチャート 本発明の実施の形態6乃至7に係る、最大変調50%3相変調における説明図 本発明の実施の形態6乃至7に係る、最大変調100%3相変調における説明図 2相変調の最大変調50%における各相の変調を示す波形図 本発明の実施の形態6乃至7に係る、最大変調50%2相変調における説明図 本発明の実施の形態6乃至7に係る、最大変調100%2相変調における説明図 電源ラインの電流センサで相電流を検出するインバータ装置とその周辺の電気回路図 3相変調の最大変調50%における各相の変調を示す波形図 キャリア周期における通電タイミングチャート キャリア周期内で直流電源ラインに流れる直流電流波形図 2相分の相電流を検出するタイミングの説明図
符号の説明
1 バッテリー
2 スイッチング素子
3 ダイオード
4 固定子巻線
5 磁石回転子
6 電流センサ
7 制御回路
10 インバータ回路
11 センサレスDCブラシレスモータ
20 インバータ装置

Claims (9)

  1. 直流電源のプラス側に接続される上アームスイッチング素子とマイナス側に接続される下アームスイッチング素子を備えたインバータ回路と、前記直流電源と前記インバータ回路間の電流を検出する電流センサと、前記インバータ回路にPWM変調の通電により交流電流をモータへ出力させるとともに、前記電流センサにより相電流を検出する制御回路とを備えたインバータ装置において、前記制御回路は、ON時間が2番目となる上アームスイッチング素子へのON信号もしくはOFF信号を基準とし、その基準前後のタイミングにて前記電流センサにより2相分の相電流を検出するインバータ装置。
  2. 前記基準前後のタイミングは、前記インバータ回路と前記モータ間の電流の向きにより異なる請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記電流の向きは、モータへの電流の位相により判定する請求項2に記載のインバータ装置。
  4. 前記電流の向きは、モータへの印加電圧の位相により判定する請求項2に記載のインバータ装置。
  5. 前記基準前後のタイミングは、ON信号を基準とする場合とOFF信号を基準とする場合とで異なる請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のインバータ装置。
  6. 前記制御回路は、モータの回転数が高い場合に、前記電流センサによる相電流検出を行う請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のインバータ装置。
  7. 前記制御回路は、PWM変調の変調が高い場合に、前記電流センサによる相電流検出を行う請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のインバータ装置。
  8. 前記制御回路は、前記電流センサによる相電流検出を、キャリア周期の前半及び後半において行い、それらの平均を演算する請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のインバータ装置。
  9. 電動圧縮機のモータを駆動する請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載のインバータ装置。
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