JP2007228495A - 基地局の遠隔監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】基地局の異常の発生要因を判別し、発生した異常に対して迅速な対応を図ることができる基地局の遠隔監視技術を提供する。
【解決手段】通信ネットワークの基地局を当該基地局とは離間して設けられた監視局で遠隔監視する遠隔監視システムにおいて、基地局に設けられ、所定の機能を担う機能基板の動作状態を表示する表示手段と、基地局に設けられ、表示手段を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像に基づいて表示手段の表示状態を判別する判別手段とを備え、監視局は、判別手段の判定結果に基づいて機能基板の動作状態を監視する。
【選択図】図2
【解決手段】通信ネットワークの基地局を当該基地局とは離間して設けられた監視局で遠隔監視する遠隔監視システムにおいて、基地局に設けられ、所定の機能を担う機能基板の動作状態を表示する表示手段と、基地局に設けられ、表示手段を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像に基づいて表示手段の表示状態を判別する判別手段とを備え、監視局は、判別手段の判定結果に基づいて機能基板の動作状態を監視する。
【選択図】図2
Description
本発明は、通信ネットワークの基地局を遠隔で監視する基地局の遠隔監視システムに関する。
通信ネットワークを構成する複数の基地局は、機能停止を来たさないことが重要な要件として求められるので、様々な監視手法で監視されている。そして、監視手法の1つとして、監視センターによって各基地局を遠隔監視することが行われている。この遠隔監視技術は、基地局内に設けられた監視機能部が本体機能部の動作状態を監視し、本体機能部の異常発生を監視センターに通報するものである。監視センターは、監視機能部からの通報に基づいて基地局の異常に対して迅速な対策を実行することができる。
また、下記特許文献1には、無線基地局の増幅器を冷却する冷却ファンの回転異常を監視する技術が開示されている。この監視技術は、冷却ファン回転数の異常や段階的に区分した減速率を無線基地局内に設けたLED(Light Emitting Diode)によって表示し、無線基地局を巡回監視する監視員がLEDの点灯状態を確認することによって冷却ファンの異常を確認するものである。
特開2003−169029号公報
また、下記特許文献1には、無線基地局の増幅器を冷却する冷却ファンの回転異常を監視する技術が開示されている。この監視技術は、冷却ファン回転数の異常や段階的に区分した減速率を無線基地局内に設けたLED(Light Emitting Diode)によって表示し、無線基地局を巡回監視する監視員がLEDの点灯状態を確認することによって冷却ファンの異常を確認するものである。
上記遠隔監視技術及び特許文献1の技術は、基地局の異常に対して発生要因を切り分けて速やかな対策を施すことができないという問題を持っている。通常の基地局は、本体機能部が所定の機能を有する複数の機能基板(回路基板)と当該各機能基板を相互接続するバックプレーンとによって構成されるが、異常が発生した場合に機能基板とバックプレーンとの何れの異常が原因かを切り分けることができない。
例えば遠隔監視技術では、監視機能部は本体機能部を構成する機能基板とバックプレーンとの何れが異常かを検知することができず、一方、特許文献1の技術では、監視員が無線基地局に出向いてLEDの点灯状態を確認するので、速やかな対策を施すことができない。
例えば遠隔監視技術では、監視機能部は本体機能部を構成する機能基板とバックプレーンとの何れが異常かを検知することができず、一方、特許文献1の技術では、監視員が無線基地局に出向いてLEDの点灯状態を確認するので、速やかな対策を施すことができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、基地局の異常を遠隔監視するに当たって、異常の発生要因を切り分け、かつ、発生した異常に対して迅速な対応を図ることを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明では、基地局の遠隔監視システムに係る第1の解決手段として、通信ネットワークの基地局を当該基地局とは離間して設けられた監視局で遠隔監視する遠隔監視システムにおいて、基地局に設けられ、所定の機能を担う機能基板の動作状態を表示する表示手段と、基地局に設けられ、表示手段を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像に基づいて表示手段の表示状態を判別する判別手段とを備え、監視局は、判別手段の判定結果に基づいて機能基板の動作状態を監視する、という手段を採用する。
また、基地局の遠隔監視システムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、表示手段は複数設けられた機能基板の各々に設けられ、撮像手段は、複数の表示手段を1つの画像として撮像する、という手段を採用する。
また、基地局の遠隔監視システムに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、撮像手段及び表示手段に対向する反射手段をさらに備え、撮像手段は、反射手段に反射して得られる表示手段の反射像を撮像する、という手段を採用する。
また、基地局の遠隔監視システムに係る第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、判別手段は、表示手段の各表示状態の画像を示す画像データを予め記憶し、撮像手段が撮像した画像と画像データとを比較することにより表示手段の表示状態を判別する、という手段を採用する。
さらに、基地局の遠隔監視システムに係る第5の解決手段として、上記第1〜第4いずれかの解決手段において、基地局が、カメラを有する試験用擬似端末を有し、カメラを撮像手段とする、という手段を採用する。
このような本発明によれば、判別手段が撮像手段が撮像した表示手段の画像に基づいて表示手段の表示状態を判別し、監視局は、上記判別手段の判定結果に基づいて機能基板の動作状態を監視するので、機能基板の異常を他の異常と切り分けて把握することが可能であり、よって基地局で発生した異常に対して迅速かつ的確な対応をとることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る基地局の遠隔監視システムの構成を示すブロック図である。この遠隔監視システムは、図示するように基地局1と該基地局1から離間した位置に設けられたセンター局2(監視局)とから構成されている。基地局1は、図示のように制御基板10、アプリケーション基板11、監視基板12及びバックプレーン13を有している。なお、図1では省略してあるが、基地局1は、携帯電話の基地局として必要な他の構成(例えばアンテナやセンター局2との通信機能等)を適宜備えている。
図1は、本実施形態に係る基地局の遠隔監視システムの構成を示すブロック図である。この遠隔監視システムは、図示するように基地局1と該基地局1から離間した位置に設けられたセンター局2(監視局)とから構成されている。基地局1は、図示のように制御基板10、アプリケーション基板11、監視基板12及びバックプレーン13を有している。なお、図1では省略してあるが、基地局1は、携帯電話の基地局として必要な他の構成(例えばアンテナやセンター局2との通信機能等)を適宜備えている。
制御基板10は、基地局制御部10a、LED制御部10b及びLED10cを有している。基地局制御部10aは、基地局1全体の動作を制御する主制御部として機能すると共に、LED制御部10bに対して自らの状態に応じてLED10cの点灯を指示する。LED制御部10bは、基地局制御部10aの指示に基づいてLED10cを点灯/消灯、点滅あるいは発光色変化させる。LED10cは、制御基板10のフロントパネルに設けられており、基地局制御部10aの状態を外部に報知する。このようなLED10cには、基地局制御部10aに対する電源供給の状態を示すもの、基地局制御部10aの正常/異常を示すもの等がある。
アプリケーション基板11は、基地局に必要な個々のアプリケーション機能(例えば携帯電話との通信機能等)毎に複数設けられている。各アプリケーション基板11は、図示するように基板制御部11a、LED制御部11b及びLED11cを有している。基板制御部11aは、アプリケーション機能を担うと共に自らの状態に応じてLED11cの点灯をLED制御部11bに指示する。LED制御部11bは、上記基板制御部11aから指示に基づいてLED11cを点灯/消灯、点滅あるいは発光色変化させる。LED11cは、アプリケーション基板11のフロントパネルに設けられており、基板制御部11aの状態を外部に報知する。このようなLED11cには、基板制御部11aに対する電源供給の状態を示すもの、基板制御部11aの正常/異常を示すもの及び基板制御部11aの動作状態(動作中/休止中)を示すもの等がある。
監視基板12は、基板制御部12a、カメラ制御部12b及びカメラモジュール12cを有している。基板制御部12aは、センター局2から受信した監視要求に基づいてカメラ制御部12bを制御することによりにカメラモジュール12cに上記各LED10c,11cの画像(LED画像)を撮影させると共に、カメラ制御部12bを介してカメラモジュール12cから取得した上記LED画像に基づいて各LED10c,11cの発光状態を判定し、当該判定の結果をセンター局2に通知する。
カメラ制御部12bは、基板制御部12aから入力される撮影指示に基づいてカメラモジュール12cを制御すると共に、カメラモジュール12cからLED画像を取得して基板制御部12aに供給する。カメラモジュール12cは、監視基板12のフロントパネルに設けられており、カメラ制御部12bの制御の元に上記LED画像を撮影してカメラ制御部12bに出力する。
バックプレーン13は、上記制御基板10、各アプリケーション基板11、監視基板12及び基地局1を遠隔地で監視するセンター局2を相互接続する配線基板である。制御基板10、各アプリケーション基板11、監視基板12及びセンター局2は、バックプレーン13を介して信号の授受を行う。
このような制御基板10、各アプリケーション基板11及び監視基板12は、図2に示すように、フロントパネル1bに設けられた各LED10c,11c及びカメラモジュール12cの撮像用レンズ12clが互いに隣り合って略一平面上に並ぶようにラック1aに収納されている。また、バックプレーン13は、制御基板10、各アプリケーション基板11及び監視基板12の背面側(フロントパネル1bの反対側)に設けられている。
また、フロントパネル1bの前面には当該フロントパネル1bに対向するように板状の反射鏡1cが設けられており、カメラモジュール12cは、反射鏡1cを介して全てのLED10c,11cが含まれた画像を撮影する。反射鏡1cは、例えば基地局1の筐体のフロントドア1dに取り付けられた凹面鏡であり、その取付位置、取付角度及び鏡凹面の曲率ないし大きさ等により、撮像用レンズ12clから見たときに、制御基板10、各アプリケーション基板11及び監視基板12の各フロントパネル1bにある全てのLED10c,11cが映り込むものとなっている(例えば、制御基板10の最上段にあるLEDは、撮像用レンズ12clから図中の点線矢印で示した反射経路で見える。)。すなわち、監視基板12のカメラジュール12cは、基地局1の機能基板の状態を示す全てのLED10c,11cを含む反射像を撮像する定点カメラとなっている。
次に、このように構成された本遠隔監視システムの動作について説明する。
本遠隔監視システムにおいて、監視基板12における基板制御部12aは、センター局2から受信した監視要求に基づいてカメラ制御部12bを制御することによりカメラモジュール12cに制御基板10のLED10c及びアプリケーション基板11のLED11cが映し出されたLED画像を取得させる。そして、基板制御部12aは、カメラ制御部12bを介して上記LED画像をカメラモジュール12cから取得し、以下のような判定処理を施すことにより各LED10c,11cの発光状態を判定し、その判定結果をセンター局2に通知する。
本遠隔監視システムにおいて、監視基板12における基板制御部12aは、センター局2から受信した監視要求に基づいてカメラ制御部12bを制御することによりカメラモジュール12cに制御基板10のLED10c及びアプリケーション基板11のLED11cが映し出されたLED画像を取得させる。そして、基板制御部12aは、カメラ制御部12bを介して上記LED画像をカメラモジュール12cから取得し、以下のような判定処理を施すことにより各LED10c,11cの発光状態を判定し、その判定結果をセンター局2に通知する。
上記判定処理は、例えばLED画像中の各LED10c,11cの点灯又は消灯と点灯色を確認する次のような形態のものが挙げられる。
(1)各LED10c,11cのそれぞれが各点灯色で点灯し又は消灯している点消灯状態のすべてのパターンについて、撮像画像に対応した各LED10c,11cを含むLED画像を予めそれぞれ取得し、これら画像の画像データをLED画像データベースとして予め備えておく。そして、LED画像とLED画像データベース中の各画像データとの相関関係を計算し(LED画像データベースにある各点消灯状態のパターン画像を基準として撮像画像とのパターン・マッチング処理等を行い)、撮像画像に最も近い画像の点消灯状態を当該撮像画像の各LED10c,11cの点消灯状態として判別する。
(2)カメラジュール12cが定点カメラであることから、LED画像における各LED10c,11cの位置の座標を割り出すことが可能である。そこで、LED画像中の座標と各LED10c,11cの位置関係を予め計算しておき、各LED10c,11cの位置座標におけるLED画像の色情報(RGBのデータ等)から当該各LED10c,11cの点消灯状況(点灯中か消灯中か、どの点灯色で点灯中か等の状況)を判別する。
(3)上記(1)と(2)の形態による判別の方法を組み合わせ、より判別の精度が高い方法を採ることもできる。
また、判別部で行う画像処理としては、LED画像中の各LED10c,11cの点滅状態を検出するものもある。点滅状態の検出は、例えば、カメラジュール12cで連続撮像した複数のLED画像を用い、同一のLED(上記(2)の形態における位置座標等が同一のLED)について点灯と消灯の画像が撮像されたか否かを判別することによって行う。あるいは、点滅状態のときに連続撮像される画像を予め上述のLED画像データベースとして備えておき、連続撮像画像のそれぞれについて上記(1)の形態と同様に画像処理を行うことによって点滅状態を検出してもよい。
このような点滅状態の検出を行う場合、カメラジュール12cとしては、各LED10c,11cの点滅速度の2倍より速いシャッター速度でシャッターを切りながら各LED10c,11cの連続撮像ができる機能を有するものを使用し、そのシャッター速度で連続撮像した各LED画像を判別部に転送する。ここで、各LED10c,11cの点滅速度は、点滅時の点灯時間と消灯時間が等しいとした場合の点灯から次の点灯までの時間の間隔(点滅間隔)である。
例えば、1秒間隔で点滅する各LED10c,11cを2倍の速度の0.5秒間隔でシャッターを切れるカメラジュール12cによって連続撮像すると、時間軸上の0.0秒では消灯、0.5秒では点灯、1.0秒では消灯、1.5秒では点灯、2.0秒では消灯等の画像が撮像されるが、このような2倍のシャッター速度では、点灯から消灯に切り替わる瞬間と消灯から点灯に切り替わる瞬間が撮像され、LED画像から点滅を認識できない場合があり得るため、カメラジュール12cでは、各LED10c,11cの点滅速度の2倍より速いシャッター速度で各LED10c,11cの連続撮像をする。
ただし、上記連続撮像は、点滅時の点灯時間と消灯時間が等しく、点灯時間と消灯時間が共に点滅間隔の50%である場合に有効なものであり、点灯時間と消灯時間が異なる場合には、短い方の時間の間隔より速くカメラジュール12cがシャッターを切る必要がある。例えば、点滅間隔が1.0秒、点灯時間が0.8秒、消灯時間が0.2秒である場合には、0.2秒より短い時間間隔でカメラジュール12cがシャッターを切りながら連続撮像をする。すなわち、図3に示すように、時間軸t上でのシャッター・タイミングをST、このシャッター・タイミングSTの時間間隔であるシャッター速度をTST、各LED10c,11cの点滅時の点灯時間をTON、消灯時間をTOFFとすると、監視基板12のカメラジュール12cは、“TST<TONかつTST<TOFF”であるシャッター速度TSTでシャッターを切りながら各LED10c,11cを連続撮像し、その連続撮像画像を用いて判別部が各LED10c,11cの点滅状態を検出する。
なお、上述のように各LED10c,11cの点灯状態を判別する判別部は、監視基板12が有するものとしてもよく、制御基板10が有するものとしてもよく、センター局2が有するものとしてもよい。要するに、LED画像を判別部まで転送し、判別部にて画像情報の比較等の上記画像処理を行い、最終的に判別結果を監視局であるセンター局2に通知できればよい。
例えば、予めLED画像データベースを備え、判別部で上記(1)ないし(3)の形態等による画像処理を行う場合、本遠隔監視システムを適用する全基地局1で共通のLED画像データベースが使用できるときには、センター局2にLED画像データベースと判別部を備えることとした方が効率良く遠隔監視を実施することができる。これに対し、各基地局1の設置環境における調光の影響等によって各基地局1で個別のLED画像データベースが必要となるときには、各基地局1内の監視基板12や制御基板10等に判別部とLED画像データベースを備えることとした方が効率良く遠隔監視を実施することができる。LED画像データベースは、基地局1の機能基板数やLED数が増えると膨大なサイズになることもあるので、どこに備えるかは適宜選定して効率の良い形態を採用するものとしてよい。
次に、上述のようにLED画像に基づいて各LED10c,11cの点灯状態を判別し、センター局2で機能基板の動作状態をモニタリングする遠隔監視の実施動作について説明する。図4は、センター局2において機能基板の動作状態をモニタリングして基地局1の異常を遠隔監視する動作の流れを示した図であり、“(a)監視基板12に判別部がある場合”、“(b)制御基板10に判別部がある場合”及び“(c)センター局2に判別部がある場合”の3つの場合を例として挙げ、それぞれの場合に送受信される要求及び通知によって遠隔監視の実施動作を表している。
監視基板12による各LED10c,11cの監視は、一定時間間隔等で常時行うものとしてもよいが、例えば、制御基板10と他の機能基板との間の不具合等が生じて基地局1に異常が発生し、自動復旧が不可能な状況となったときに行うものとする。このとき、制御基板10は、監視基板12に対して各LED10c,11cの撮像監視試験を要求するLED監視要求を発し、それを受けた監視基板12において基板制御部12aからカメラ制御部12bに制御信号が供給されることによって各LED10c,11cの監視が開始される。
また、センター局2においては、バックプレーン13を介して各機能基板との通信を行うことができるので、その通信の不具合等の異常が発生して自動復旧が不可能な状況となったときには、制御基板10に対して試験要求を発する。そして、センター局2からの試験要求を受けた制御基板10は、監視基板12に対してLED監視要求を発し、これによっても前記同様にLED10c,11cの監視が開始される。なお、センター局2では、この試験要求を適宜発することにより、常時必要に応じて各LED10c,11cの監視を行うようにすることも可能である。
図4中の“(a)監視基板12に判別部がある場合”においては、制御基板10からのLED監視要求ないしセンター局2からの試験要求によって各LED10c,11cの監視が開始されると、カメラモジュール12cがLED画像を撮像し、このLED画像が示す各LED10c,11cの点灯状態を監視基板12の判別部が判別する。そして、判別結果の情報を通知する異常部LED情報通知を監視基板12が制御基板10に送出し、その異常部LED情報通知を制御基板10がセンター局2に転送する。
異常部LED情報通知としては、例えば、その時点で予定される機能基板の正常な動作状態とは異なる動作状態を表示しているLEDの点灯状態の情報(かかるLEDを特定して異常な点灯状態を知らせる情報、又はかかるLEDはなく、すべてのLEDが正常な動作状態を表示していることを知らせる情報)、あるいは、単に点灯しているLEDとその点灯色を知らせるLEDの点灯情報等を通知する。
“(b)制御基板10に判別部がある場合”においては、制御基板10からのLED監視試験要求ないしセンター局2からの試験要求によって基地局内LEDの監視が開始されると、カメラモジュール12cがLED画像を撮像し、このLED画像を撮像画像通知として監視基板12が制御基板10に送出する。そして、LED画像に基づいて各LED10c,11cの点灯状態を制御基板10の判別部が判別し、判別結果の情報を通知する異常部LED情報通知を制御基板10がセンター局2に送信する。
“(c)センター局に判別部がある場合”においては、制御基板10からのLED監視試験要求ないしセンター局2からの試験要求によって各LED10c,11cの監視が開始されると、カメラモジュール12cがLED画像を撮像し、このLED画像を撮像画像通知として監視基板12が制御基板10に送出する。そして、制御基板10が監視基板12から受けた撮像画像通知を試験要求のあった異常に対する通知としてセンター局2に転送し、センター局2において、LED画像に基づいて各LED10c,11cの点灯状態を判別部が判別し、上記異常部LED情報通知の情報と同様の判別結果を得る。
センター局2では、このようにして異常部LED情報通知の情報が取得され、異常が発生した基地局1の各機能基板が正常に動作しているか否かが把握される。これにより、基地局1から遠隔にあるセンター局2において、各機能基板の動作状態を監視し、異常時に把握される機能基板の動作状態から異常の発生要因を判別することが可能となり、特に、各機能基板自体の動作状態が正常か否かが分かるので、異常の発生要因が基板自体の故障等の障害とそれ以外の障害のいずれであるかの切り分けができる。したがって、基地局1の異常に対し、例えば、機能基板を交換すれば復旧できるのか、それとも機能基板を交換しただけでは復旧できない可能性があるのか(バックプレーンの修繕等が必要となる可能性があるのか)といった執るべき措置の特定を現場に出向かずに遠隔ですることが可能となり、発生した異常に対して迅速な対応を図ることができる。
また、センター局2においては、異常部LED情報通知の情報に基づき、可能であれば遠隔マニュアル制御による復旧を試みることもできる。例えば、異常の発生要因として、機能基板に電源が入っているか否か、電源投入後の初期化動作は正常か否か等の見当を付けることができるので、その見当を付けた状態によってセンター局2からの遠隔マニュアル制御によるマニュアル復旧作業を試みることができる。さらに、必要に応じて試験要求を発することにより復旧作業の結果を見ることもでき、遠隔マニュアル制御による基地局の障害復旧時の正常動作検証等を行うこともできる。
一般的な基地局の遠隔監視では、バックプレーンでの通信によって異常を監視するに止まるのに対し、本遠隔監視システムでは、上述したように前面のフロントパネルにある各LED10c,11cを監視しているので、機能基板自体に障害があるのか、それ以外に障害があるのかを判別することが可能になっている。例えば、各LED10c,11cの点灯状態が正常であるにも拘わらず通信不能な異常がある場合には、機能基板の障害ではなくバックプレーン等の障害が発生した可能性を推認することができる。これにより、本遠隔監視システムは、遠隔による基地局故障等の監視と検出を行い、故障等に対する迅速な要因の判別と対応ができるものとなっている。
ここで、各LED10c,11cは、各機能基板の動作状態を表示するものであり、本遠隔監視システム特有の構成として備えることも可能だが、通常の基地局においてフロントパネルに設けられている在来の基地局内LEDを利用してよい。在来の基地局内LEDは、本来、機能基板の開発段階等で電源が入ったかどうかや動作しているかどうかを開発者等が目で見て確認したり、設置工事の作業員が電源投入に対する反応があるかどうかを目で見て確認したり、巡回保守等をする監視員が動作状態を判別するために目で見て確認したりするものであって、基地局が通常の動作をしているときには利用されることがなく、主に現場での監視に供され、遠隔監視とは無縁のものである。
しかし、本遠隔監視システムは、上述したように基地局1の監視基板12にカメラモジュール12cを組み込み、各LED10c,11cを遠隔監視の対象として取り込むことにより、ある機能基板での通信障害等が起こったときに、機能基板の故障等の障害とバックプレーンでの通信障害の切り分けができるようにし、異常の発生要因をいち早く判別することを可能にしている。
なお、上記図2の構成例では、カメラモジュール12cの撮像用レンズ12clをフロントパネル1bに設置し、所定の位置関係にある凹面鏡の反射鏡1cを利用して各LED10c,11cのすべてを撮像できるようにしたが、カメラモジュール12cは、このような形態に限らず、監視対象とする所望のLEDのすべてを撮像できるものであればよい。例えば、フロントパネル側で反射像を撮像する形態としては、反射鏡1cのような凹面鏡を利用するのに加え、カメラモジュール12cに角度を付けて設置したり、撮像用レンズに凹レンズや凸レンズを用いたり、反射鏡に平面鏡や凸面鏡を用いたりしてもよく、これらを適宜組み合わせることによって監視対象LEDを撮像できるようにしてもよい。また、平面鏡、凹面鏡ないし凸面鏡等の反射鏡は、LEDの像を反射する任意の部材で構成するものとしてもよい。
また、反射鏡を用いず、監視対象LEDのすべてが含まれる視野を常にカメラモジュール12cで直接捉えている形態を採用することもできる。例えば、図2の構成例における反射鏡1cの位置等にカメラモジュール12cを設置し、その設置角度の選定や撮像用レンズ(凹レンズ、凸レンズ、広角レンズないし魚眼レンズ等)の選定等により、監視対象LEDを撮像領域に含めるようにして直接撮像するものとしてもよい。この場合のカメラは、フロントドア1dの所定の位置に設置することになるが、監視基板12と有線ないし無線で接続することにより、カメラモジュール12cと同様に動作させることができる。
さらに、基地局の制御技術の一つとして、基地局の中に試験用擬似端末を内蔵し、上記センター局のように離れた場所から無線部の監視や試験を行う技術がある。図5は、かかる試験用擬似端末を内蔵した基地局3の構成の概略を示した図である。基地局3は、図示のように基地局3全体の動作を制御する基地局主制御部30、基地局主制御部30の無線部と接続されたアンテナ31、及び基地局主制御部30とアンテナ31の間に有線接続された試験用擬似端末32を有している。
試験用擬似端末32は、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter(万能非同期送受信機))やUSB(Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス))等のインターフェースを搭載しており、そのインターフェースを介して基地局主制御部30からの試験要求の受信や基地局主制御部30への結果応答の送信を行うと共に、上述したカメラモジュール12cと同様機能のカメラを備えている。ただし、試験用擬似端末32は、基地局3付近に設けられ、基地局主制御部30とアンテナ31の間には有線接続されるが、基地局主制御部30との通信は無線で行う場合もある。
このような構成において、試験用擬似端末32は、基地局主制御部30からの試験要求に応じて図中の無線部試験経路を介する送受信動作の試験(例えば発呼や着呼の試験等)を行う。そして、その試験結果を結果応答として基地局主制御部30が受けることにより、アンテナ入出力端における無線部の動作が正常であるかどうかの確認を行うことができるようになっている。
例えば、1xEV−DO(1x Evolution Data Only)によるデータ通信ネットワークの基地局は、試験用擬似端末32に相当するTAT(Test Access Terminal(疑似端末機能))基板を備えており、上記基地局3の一例に当たる。その基地局では、如何なる試験を行うかをTAT基板と基地局主制御部の間で制御しつつ、無線部の監視や試験を行う。例えば、無線部から外部へと出力される信号をTAT基板上のAT(Access Terminal)に入力し、ATの移動端末としての機能によって無線部の試験を行う。上記遠隔監視システムは、このような試験用擬似端末32を内蔵する基地局3に関しては容易に実施することが可能である。すなわち、試験用擬似端末32のカメラを用いて各LED10c,11cのLED画像を取得することにより上述した遠隔監視を実現することができる。
1、3…基地局、2…センター局、1c…反射鏡(反射手段)、10 制御基板、10c、11c、12d…LED、11…アプリケーション基板、12…監視基板、12b…カメラ制御部、12c…カメラモジュール、32…試験用擬似端末
Claims (5)
- 通信ネットワークの基地局を当該基地局とは離間して設けられた監視局で遠隔監視する遠隔監視システムであって、
前記基地局に設けられ、所定の機能を担う機能基板の動作状態を表示する表示手段と、
前記基地局に設けられ、前記表示手段を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づいて前記表示手段の表示状態を判別する判別手段と、を備え、
前記監視局は、前記判別手段の判定結果に基づいて前記機能基板の動作状態を監視することを特徴とする基地局の遠隔監視システム。 - 表示手段は複数設けられた機能基板の各々に設けられ、
撮像手段は、前記複数の表示手段を1つの画像として撮像する請求項1記載の基地局の遠隔監視システム。 - 撮像手段及び表示手段に対向する反射手段をさらに備え、
前記撮像手段は、前記反射手段に反射して得られる前記表示手段の反射像を撮像する請求項1または2記載の基地局の遠隔監視システム。 - 判別手段は、前記表示手段の各表示状態の画像を示す画像データを予め記憶し、撮像手段が撮像した画像と前記画像データとを比較することにより前記表示手段の表示状態を判別する請求項1〜3いずれかに記載の基地局の遠隔監視システム。
- 前記基地局が、カメラを有する試験用擬似端末を有し、前記カメラを撮像手段とする請求項1〜4いずれか記載の基地局の遠隔監視システム。
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