JP2007228185A - 画像編集装置、画像編集方法、画像編集プログラム、画像読み取りシステム、および、画像読み取り方法 - Google Patents

画像編集装置、画像編集方法、画像編集プログラム、画像読み取りシステム、および、画像読み取り方法 Download PDF

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Abstract

【課題】編集対象の画像についてユーザにより簡単に色の調整を行えるようにする。
【解決手段】画像編集装置は、編集対象となる画像が表示される画像表示部と、画像表示部に表示された画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部により取得された画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された画素の色と同じ色の第1パッチと、第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、を備える。
【選択図】図13

Description

本発明は、ユーザの好みに応じて画像を編集するための画像編集装置、画像編集方法、画像編集プログラム、画像読み取り装置、および、画像読み取り方法に関する。
イメージスキャナ等をはじめとする各種画像読み取り装置は、一般に、パーソナルコンピュータ等のいわゆるコンピュータ装置に有線または無線等により接続されて、原稿から読み取った画像を画像データとしてコンピュータ装置に送信する。コンピュータ装置は、画像読み取り装置から送信された画像データを受信して各種メモリやハードディスク装置等のデータ記憶装置に記憶する。この際に、コンピュータ装置では、画像読み取り装置から送られてきた画像データに対してユーザの好みに応じて各種画像処理等の加工が施せるようになっている。
ここで施される調整処理としては、例えば、画像の明暗を調整するヒストグラム調整や、画像の濃淡の表現を部分的に変更する濃度補正等がある。これらの調整は、コンピュータ装置にインストールされている画像読み取り装置のドライバプログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラムによって自動的に実行されたり、またユーザ等により実行されたりする。この他、画像読み取り装置により読み取られた画像に対して施す各種調整や調整方法、また編集方法等については、様々な方法が提案されている(特許文献1〜5参照)。
特開2002−16798号公報 特開平7−220043号公報 特開平11−345321号公報 特開平7−99589号公報 特開2004−153684号公報
しかしながら、ユーザが所望の色合いに画像を調整したい場合に、ヒストグラム調整や濃度補正等の各種調整や調整方法、また編集方法等が用意されていたとしても、これらの中から適切な調整方法を選択して、かつその調整方法においてユーザが希望する色合いに変更するために試行錯誤しながら適切な調整を行わなければならない。このため、ユーザが希望する色合いに変更するのは、非常に困難な場合が多かった。特に、色合いの調整等に熟知していないユーザにとっては、多大な労力が必要となった。
特に、色合いの調整に際して、ユーザが所望の色を選択したい場合に、既存の色に基づき所望の色を簡単に探し出すことはできず、色合いの調整をスムーズに行うことはきわめて困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、編集対象となる画像についてユーザにより簡単に色の調整を行えるようにすることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)編集対象となる画像が表示される画像表示部と、
(B)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
(C)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
(D)を備えたことを特徴とする画像編集装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(A)編集対象となる画像が表示される画像表示部と、
(B)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
(C)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
(D)を備えたことを特徴とする画像編集装置。
このような画像編集装置にあっては、ユーザにより任意に指定された画素の色と同じ色の第1パッチと、当該第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットが表示されるから、ユーザは簡単に所望の色を探し出すことができる。
かかる画像編集装置にあっては、前記複数種類の色の第2パッチは、相互に隣接して前記編集用パレット上に配置されていても良い。このように複数種類の色の第2パッチが、相互に隣接して前記編集用パレット上に配置されていることで、第2パッチの色を相互に簡単に比較することができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記第1パッチは、前記複数種類の色の第2パッチのうちの少なくとも1つに隣接して前記編集用パレット上に配置されていても良い。このように第1パッチが、複数種類の色の第2パッチのうちの少なくとも1つに隣接して編集用パレット上に配置されていることで、第1パッチの色と第2パッチの色とを簡単に比較することができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの明度が相互に等しくなるように設定されていても良い。このように第2パッチとして第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの明度が相互に等しくなるように設定されていることで、ユーザはより簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記第1パッチの色に対する前記第2パッチの色相の変化量が、前記第1パッチの明度に応じて異なっても良い。このように第1パッチの色に対する第2パッチの色相の変化量が、第1パッチの明度に応じて異なることで、ユーザはより簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチの間の色相の変化量が異なっても良い。このように第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチの間の色相の変化量が異なることで、ユーザはより簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心としてその周囲に配置されていても良い。このように第2パッチが第1パッチを中心としてその周囲に配置されていることで、第1パッチの色と第2パッチの色とを簡単に比較することができ、ユーザはより簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの色相が相互に等しくなるように設定されていても良い。このように第2パッチとして第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの色相が相互に等しくなるように設定されていることで、ユーザはより簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心に直線状に配置されても良い。このように第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる複数種類の色の第2のパッチが第1パッチを中心に直線状に配置されていることで、複数の第2パッチの中から所望の色をユーザは簡単に探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの各色の方向にそれぞれ色相が段階的に異なるパッチが設けられても良い。このように第2パッチとして、第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの各色の方向にそれぞれ色相が段階的に異なるパッチが設けられていることで、ユーザは簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの中から選択される2種類の色の方向に色相が異なるパッチが設けられても良い。このようにシアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの中から選択される2種類の色の方向に色相が異なるパッチが第2パッチとして設けられていることで、ユーザはより簡単に所望の色を探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記編集用パレットには、前記複数種類の色の第2パッチの中からユーザにより指定されたパッチの色を記録しておくための色保存領域が設けられていても良い。このように編集用パレットには、複数種類の色の第2パッチの中からユーザにより指定されたパッチの色を記録しておくための色保存領域が設けられていることで、ユーザは簡単に希望する色を保存しておくことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記色保存領域には、ユーザにより指定された前記パッチの色を複数種類記録することができても良い。このように色保存領域には、ユーザにより指定されたパッチの色を複数種類記録することができることで、ユーザは希望する色を複数種類保存しておくことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記パレット表示制御部は、前記複数種類の色の第2パッチの中の1つがユーザにより選択されたときに、当該選択されたパッチの色のパッチを前記第1パッチとした前記編集用パレットを表示しても良い。このようにパレット表示制御部が、複数種類の色の第2パッチの中の1つがユーザにより選択されたときに、当該選択されたパッチの色のパッチを第1パッチとした編集用パレットを表示することで、ユーザは希望する色を第1パッチの色として、当該第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチを表示させることができる。これによって、所望の色を簡単に探し出すことができる。
また、かかる画像編集装置にあっては、前記パレット表示制御部は、前記編集用パレットを前記画像表示部に表示しても良い。このようにパレット表示制御部が編集用パレットを画像表示部に表示することで、編集用パレットを編集対象となる画像と対比させて表示させることができる。
(A)編集対象となる画像が表示される画像表示部と、
(B)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
(C)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
(D)を備え、
(E)前記複数種類の色の第2パッチは、相互に隣接して前記編集用パレット上に配置され、
(F)前記第1パッチは、前記複数種類の色の第2パッチのうちの少なくとも1つに隣接して前記編集用パレット上に配置され、
(G)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの明度が相互に等しくなるように設定され、
(H)前記第1パッチの色に対する前記第2パッチの色相の変化量が、前記第1パッチの明度に応じて異なり、
(I)前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチの間の色相の変化量が異なり、
(J)前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心としてその周囲に配置され、
(K)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの色相が相互に等しくなるように設定され、
(L)前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心に直線状に配置され、
(M)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの各色の方向にそれぞれ色相が段階的に異なるパッチが設けられ、
(N)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの中から選択される2種類の色の方向に色相が異なるパッチが設けられ、
(O)前記編集用パレットには、前記複数種類の色の第2パッチの中からユーザにより指定されたパッチの色を記録しておくための色保存領域が設けられ、
(P)前記色保存領域には、ユーザにより指定された前記パッチの色を複数種類記録することができ、
(Q)前記パレット表示制御部は、前記複数種類の色の第2パッチの中の1つがユーザにより選択されたときに、当該選択されたパッチの色のパッチを前記第1パッチとした前記編集用パレットを表示し、
(R)前記パレット表示制御部は、前記編集用パレットを前記画像表示部に表示することを特徴とする画像編集装置。
画像表示部に表示された画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得するステップと、
取得した画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するステップと、
を有することを特徴とする画像編集方法。
画像表示部に表示された画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得するステップと、
取得した画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するステップと、
を実行することを特徴とする画像編集プログラム。
(A)原稿から画像を読み取る画像読み取り部と、
(B)前記画像読み取り部により読み取られた前記画像が表示される画像表示部と、
(C)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
(D)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
(E)を備えたことを特徴とする画像読み取りシステム。
原稿から画像を読み取るステップと、
読み取った画像を画像表示部に表示するステップと、
画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得するステップと、
取得した前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するステップと、
を有することを特徴とする画像読み取り方法。
===画像読み取りシステム等の概要===
以下に本発明に係る画像読み取りシステム等の実施の形態について説明する。図1〜図4は、画像読み取りシステムの一実施形態について説明したものである。図1は、画像読み取りシステムの一実施形態を説明したものである。図2は、画像読み取り装置の内部構成の一例を説明する図である。図3は、画像読み取り装置のシステム構成の一例を説明する図である。図4は、コンピュータ装置のシステム構成を説明する図である。
この画像読み取りシステム2は、図1に示すように、画像読み取り装置10と、この画像読み取り装置10に有線または無線等により通信可能に接続されたコンピュータ装置20とを有している。画像読み取り装置10は、図1に示すように、一般にイメージスキャナと呼ばれる装置であり、原稿台12と、この原稿台12の上面部を開閉する原稿台カバー14とを備えている。原稿台12には、画像が読み取られる原稿15がセットされる。また、原稿台カバー14は、原稿台12の後端部にヒンジ部18を介して開閉自在に設けられている。
一方、コンピュータ装置20は、例えば、図1に示すように、コンピュータ本体22と、表示装置24と、入力装置26とを備えている。コンピュータ本体22は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成されている。ここでは、コンピュータ本体22は、FDドライブ装置28やCD−ROMドライブ装置30などの読み取り装置32を内部に備えている。この他に、コンピュータ本体22は、例えば、MO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVDドライブ装置などを備えても良い。また、表示装置24は、CRTディスプレイやプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等など、各種表示装置により構成される。入力装置26は、キーボード34やマウス36などにより構成される。なお、ここで、表示装置24は、「画像表示部」に相当する。
<画像読み取り装置>
画像読み取り装置10の原稿台12の内部には、図2に示すように、キャリッジ40と、このキャリッジ40を原稿台12に対して所定の間隔を保ちつつ図中矢印A方向に沿って平行に移動させる駆動機構42と、このキャリッジ40を支持しつつその移動を案内するガイド44とが設けられている。
キャリッジ40には、原稿台12を介して原稿15に対し光を照射する光源としての露光ランプ46と、原稿15により反射された反射光が入射するレンズ48と、このレンズ48を通じてキャリッジ40の内部に取り込まれた反射光を受光するイメージセンサ50とが設けられている。イメージセンサ50は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換素子が列状に配置されたリニアCCDセンサ等により構成されている。イメージセンサ50により読み取られた画像のデータは、制御部52に出力される。
また、駆動機構42は、キャリッジ40に接続されたタイミングベルト54と、このタイミングベルト54が掛け渡された一対のプーリ55、56と、一方のプーリ55を回転駆動する駆動モータ58とを備えている。駆動モータ58は、制御部52からの制御信号によって駆動制御される。
制御部52は、図3に示すように、コントローラ60と、モータ制御部62と、ランプ制御部64と、センサ制御部66と、AFE(Analog Front End)部68と、デジタル処理回路70と、インターフェイス回路72とを備えている。さらに、AFE(Analog Front End)部68は、アナログ信号処理回路74と、A/D変換回路76とを備えている。
コントローラ60は、コンピュータ本体22からの命令等に基づき、モータ制御部62やランプ制御部64、センサ制御部66、AFE(Analog Front End)部68、デジタル処理回路70、インターフェイス回路72を制御する。モータ制御部62は、コントローラ60からの命令により、キャリッジ40を移動させるための駆動モータ58の駆動制御を行う。また、ランプ制御部64は、露光ランプ46の発光を制御する。また、センサ制御部66は、イメージセンサ50の制御を行う。
また、AFE(Analog Front End)部68のアナログ信号処理回路74は、イメージセンサ50により読み取られた画像のアナログ信号に対して信号処理を行う。また、AFE(Analog Front End)部68のA/D変換回路76は、アナログ信号処理回路74により信号処理された画像の信号をデジタル信号へとA/D変換する。
デジタル処理回路70は、AFE(Analog Front End)部68のA/D変換回路76から送られてきたデジタル信号に対してデジタル信号処理を施す。ここでは、具体的にシェーディング補正等の補正処理をはじめ、各種画像処理などが施される。デジタル信号処理が施されたデジタル信号は、原稿15から読み取られた画像のデータ(画像データ)としてインターフェイス回路72により外部、即ちここでは当該画像読み取り装置10が接続されたコンピュータ本体22へと出力される。インターフェイス回路72は、この他に、コンピュータ本体22から画像読み取り装置10への命令(コマンド)等を受信するようになっている。
<コンピュータ本体>
コンピュータ本体22は、図4に示すように、CPU80と、メモリ82と、HDD(ハードディスクドライブ装置)84と、操作入力部86と、表示制御部88と、外部通信部90と、バス92とを備えている。この他に、コンピュータ本体22は、先に説明したCD−ROMドライブ装置30とFDドライブ装置28を備えている。CPU80と、メモリ82と、HDD(ハードディスクドライブ装置)84と、CD−ROMドライブ装置30と、FDドライブ装置28と、操作入力部86と、表示制御部88と、外部通信部90とは、バス92を介して相互に通信可能に接続されている。
CPU80は、コンピュータ本体22の全体の制御を行う。メモリ82は、CPU80により実行されるプログラムや、当該プログラムが使用する作業データ等の各種データを記憶するためのものである。HDD(ハードディスクドライブ装置)84は、CPU80にて実行されるオペーレーティングシステム(Operating System:OS)をはじめ、各種アプリケーションプログラムやドライバ等の各種プログラム、その他、画像データなどの各種データが格納されている。操作入力部86は、キーボード34やマウス36等の入力装置26に接続されて、これら入力装置26を通じてユーザにより入力された情報を取得する。なお、ここで操作入力部86は、「情報取得部」に相当する。また、表示制御部88は、CPU80からの命令に基づき、表示装置24の画面に表示される画像等を制御する。また、外部通信部90は、コンピュータ本体22の外部に接続された画像読み取り装置10をはじめとする各種周辺機器との間で通信を行う。
CPU80は、HDD(ハードディスクドライブ装置)84からプログラムを読み出して、オペーレーティングシステム(Operating System:OS)の下にて各種プログラムを実行する。ここで実行されるプログラムには、各種アプリケーションプログラムをはじめ、画像読み取り装置10や操作入力部86、表示制御部88等を制御するための各種ドライバが含まれている。
画像読み取り装置10を制御するためのドライバは、スキャナドライバと一般的に呼ばれている。このスキャナドライバは、インターネット等の各種通信回線をはじめ、CD−ROM、フロッピーディスク(FD)などの各種記憶媒体等を通じて、コンピュータ本体22にインストールされたプログラムである。このスキャナドライバがコンピュータ本体22にインストールされることによって、コンピュータ本体22は、画像読み取り装置10を制御する制御装置として機能する。
===スキャナドライバ===
次にスキャナドライバのユーザインターフェイスの一例について説明する。図5は、このユーザインターフェイスのメインのダイアログボックス100を示したものである。このユーザインターフェイスは、コンピュータ本体22のCPU80が表示制御部88を通じて表示装置24の表示画面に表示する。ユーザは、表示装置24の表示画面に表示されたユーザインターフェイスのダイアログボックス100を見ながら、キーボード34やマウス36等の入力装置26を通じて、スキャナドライバの各種の設定を行うことができる。
このメインのダイアログボックス100には、『モード選択欄』102と、『設定保存欄』104と、『原稿設定欄』106と、『出力設定欄』108と、『調整欄』110とが設けられている。『モード選択欄』102では、ユーザは、複数種類のモードの中から1つのモードを選択することができるようになっている。ここでは、「プロフェッショナルモード」が選択されている。また、『設定保存欄』104では、ユーザは、「保存ボタン」または「削除ボタン」をクリックすることで、現在の設定を保存したり削除したりすることができる。
また、『原稿設定欄』106では、ユーザは、「原稿種」112や「読み込み装置」114、「自動露出」116の各設定を行うことができる。「原稿種」112では、セットした原稿の種類を選択することができる。例えば、「反射原稿」や「フィルム」等の選択が可能である。また、「読込装置」114では、例えば、「原稿台」等の選択が可能である。また、「自動露出」116では、読み取る原稿の種類に適した露出設定を行うことができる。例えば、「写真向き」や「書類向き」等の選択が可能である。
また、『出力設定欄』108では、ユーザは、画像出力に関する種々の設定を行うことができる。具体的には、この『出力設定欄』108では、出力画像の「イメージタイプ」118や、読み込み時の「解像度」120、読み込み時の「原稿サイズ」122、「出力サイズ」124の各設定が可能である。「イメージタイプ」118では、読み込み画像の色数を、カラー、グレースケール、およびモノクロの3種類の中から選択することができる。「解像度」120では、読み込み画像の解像度を設定することができる。「原稿サイズ」122では、読み込み画像のサイズを設定することができる。
スキャナドライバは、このダイアログボックス100の下部の「スキャンボタン」126がユーザによりクリックされると、このダイアログボックス100を通じてユーザにより設定された情報に基づき、外部の画像読み取り装置10を制御して、画像読み取り装置10にセットされた原稿から画像を読み込む。これにより読み込まれた画像のデータは、コンピュータ本体へと送られてくる。そして、このダイアログボックス100の下部の「プレビューボタン」127がユーザによりクリックされると、スキャナドライバは、画像読み取り装置10により読み取った画像を表示するプレビューウィンドウを表示装置24の表示画面に表示する。
この他に、このスキャナドライバには、画像読み取り装置10により読み取った画像を調整する機能を有している。読み取った画像の調整は、メインのダイアログボックス100の『調整欄』110を通じて行う。この『調整欄』110には、画像読み取り装置10により読み取った画像を調整するために、5つのボタンと、4つのチェックボックスとが設けられている。5つのボタン128A、128B、128C、128D、128Eはそれぞれ、自動露出のボタン128Aと、ヒストグラム調整のボタン128Bと、濃度補正のボタン128Cと、イメージ調整のボタン128Dと、カラーパレット調整のボタン128Eである。また、4つのチェックボックス130A、130B、130C、130Dはそれぞれ、アンシャープマスクフィルタのチェックボックス130Aと、モアレ除去フィルタのチェックボックス130Bと、退色復元のチェックボックス130Cと、ホコリ除去のチェックボックス130Dとである。
自動露出のボタン128Aは、露出を自動調整したいときにクリックされるボタンである。また、ヒストグラム調整のボタン128Bは、画像の明暗を調整したりしたい場合にクリックされるボタンである。このヒストグラム調整のボタン128Bがクリックされると、ヒストグラム調整のダイアログボックスが呼び出される。また、濃度補正のボタン128Cは、画像の濃度のバランスを補正したい場合にクリックされるボタンである。この濃度補正のボタン128Cがクリックされると、濃度補正のダイアログボックスが呼び出される。また、イメージ調整のボタン128Dは、画像の明るさ・コントラスト・彩度や、カラーバランスを調整したい場合にクリックされるボタンである。このイメージ調整のボタン128Dがクリックされると、イメージ調整のダイアログボックスが呼び出される。また、カラーパレット調整のボタン128Eは、画像中の任意の位置に対して直接色を指定したい場合にクリックされるボタンである。このカラーパレット調整のボタン128Eがクリックされると、カラーパレット調整のダイアログボックスが呼び出される。
一方、アンシャープマスクフィルタのチェックボックス130Aは、アンシャープマスクフィルタの使用可否を指示するためのチェックボックスであり、画像をシャープにしたい場合にチェックする。また、モアレ除去フィルタのチェックボックス130Bは、印刷物のスキャンで発生するモアレ(網目状の陰影)を除去するフィルタの使用可否を指示するためのチェックボックスであり、モアレが目立つ場合にチェックする。また、退色復元のチェックボックス130Cは、色あせた写真の色を復元するときにチェックする。また、ホコリ除去のチェックボックス130Dは、フィルムスキャン時にフィルム上のホコリを軽減するときにチェックする。
===画像調整===
次に画像調整を行うヒストグラム調整、濃度補正、およびイメージ調整について説明する。なお、カラーパレット調整については後で詳しく説明する。図6〜図9は、ヒストグラム調整、濃度補正、およびイメージ調整についてそれぞれ説明したものである。図6は、ヒストグラム調整のダイアログボックスを示したものである。図7は、ヒストグラム調整の具体的な調整概要について説明したものである。図8は、濃度補正のダイアログボックスを示したものである。図9は、イメージ調整のダイアログボックスを示したものである。
<ヒストグラム調整>
「ヒストグラム調整」では、画像の明暗等を調整することによって、読み取った画像の見栄えの向上を図る。ヒストグラム調整のダイアログボックス131には、図6に示すように、編集対象となる画像のヒストグラムが表示されるヒストグラム表示欄132と、ヒストグラムにより調整をした結果を表わすトーンカーブが表示されるトーンカーブ表示欄134と、色かぶりを取り除くためのグレーバランスを調整するためのグレーバランス調整欄136とが設けられている。ここで、「ヒストグラム」とは、画像全体の明るさと色の分布を示したものであり、画像の黒から白までのデータ分布(ピクセル数)をグラフで表したものである。
ヒストグラム表示欄132には、表示するヒストグラムの種類(チャンネル(色))を選択するためのチャンネル欄138が設けられている。このチャンネル欄138では、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類から選択することができる。RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色を調整したい場合には、このチャンネル欄138の1番上のスイッチを選択すると、右側にRGB(レッド、グリーン、ブルー)全色のヒストグラムが表示される。また、R(レッド)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄138の上から2番目のスイッチを選択すると、右側にR(レッド)のみのヒストグラムが表示される。また、G(グリーン)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄138の上から3番目のスイッチを選択すると、右側にG(グリーン)のみのヒストグラムが表示される。また、B(ブルー)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄138の上から1番下のスイッチを選択すると、右側にB(ブルー)のみのヒストグラムが表示される。
そして、表示されたヒストグラムを調整する場合には、表示されたヒストグラムの下側に設けられた3つのスライダー140A、140B、140Cを使って調整を行う。3つのスライダー140A、140B、140Cは、それぞれシャドウを調整するスライダー140Aと、ガンマを調整するスライダー140Bと、ハイライトを調整するスライダー140Cとである。シャドウを調整するスライダー140Aは、黒色の三角印『▲』で表されている。ガンマを調整するスライダー140Bは、灰色の三角印で表されている。ハイライトを調整するスライダー140Cは、白色の三角印『△』で表されている。これら3つのスライダー140A、140B、140Cを使って調整を行う場合には、これら3つのスライダー140A、140B、140Cをそれぞれ個別に左右方向に移動させる。具体的には、シャドウを調整するスライダー140Aについては、ヒストグラムの山の左端よりもやや右側に位置するように移動させる。また、ハイライトを調整するスライダー140Cについては、ヒストグラムの山の右端よりもやや左側に位置するように移動させる。ガンマを調整するスライダー140Bについては、シャドウを調整するスライダー140Aと、ハイライトを調整するスライダー140Cとの間にて左右に移動させて中間部分の明暗が適切になるように調整をする。すると、編集対象となる画像の全体の明暗のバランスが良くなり、画像の見栄えの向上を図ることができる。
この他に、ヒストグラム表示欄132には、3つのスライダー140A、140B、140Cの位置をそれぞれ個別に直接、数値にて特定するための数値入力欄142A、142B、142Cが設けられている。数値入力欄142Aには、シャドウ入力値が入力される。また、数値入力欄142Bには、ガンマ値が入力される。また、数値入力欄142Cには、ハイライト入力値が入力される。これにより、各数値入力欄142A、142B、142Cに直接、数値を入力して、シャドウ入力値、ハイライト入力値およびガンマ値を簡単に特定することができる。
また、これら3つの数値入力欄142A、142B、142Cの右隣りには、それぞれスポイトボタン143A、143B、143Cが設けられている。これらスポイトボタン143A、143B、143Cは、当該ヒストグラム調整のダイアログボックスとは別に表示されるプレビュー画面にて表示された編集対象の画像上から直接ポイントを指示するためのボタンである。3つの数値入力欄142A、142B、142Cには、これらスポイトボタン143A、143B、143Cを利用してプレビュー画面の編集対象の画像上から指示されたポイント(画素)に対応する数値が直接入力される。
さらに、これらシャドウ入力値およびハイライト入力値が入力される2つの数値入力欄142A、142Cの下には、それぞれ2つの数値入力欄142D、142Eが設けられている。左側の数値入力欄142Dには、シャドウ入力値に対応するシャドウ出力値が入力される。また、右側の数値入力欄142Eには、ハイライト入力値に対応するハイライト出力値が入力される。
なお、これらスライダー140A、140B、140Cや、数値入力欄142A、142B、142C、142D、142Eを用いた調整については、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類についてそれぞれ可能である。
図7は、このヒストグラム調整について詳しく説明したものである。このヒストグラム調整では、スライダー140A、140B、140Cまたは数値入力欄142A、142B、142C、142D、142Eを通じて設定されたシャドウ入力値α01、シャドウ出力値α03、ハイライト入力値α02、ハイライト出力値α04、およびガンマ値α05に基づき、同図に示すような入力データと出力データとの対応関係を表すトーンカーブが規定される。すなわち、ここで規定されるトーンカーブは、設定されたシャドウ入力値α01およびシャドウ出力値α03により規定するポイントT1(シャドウ点ともいう)と、設定されたハイライト入力値α02およびハイライト出力値α04により規定されるポイントT2(ハイライト点ともいう)とを通過するように形成される。さらに、トーンカーブは、設定されたガンマ値α05に応じて、これらポイントT1及びT2の間を結ぶ直線のどちらか一方の側に膨らむように形成される。このようにして設定されたシャドウ入力値α01、シャドウ出力値α03、ハイライト入力値α02、ハイライト出力値α04、およびガンマ値α05に基づき、入力データと出力データとの対応関係を表すトーンカーブが規定される。なお、トーンカーブは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ規定される。
このようにして規定されたトーンカーブは、図6に示すように、トーンカーブ表示欄134に表示される。トーンカーブ表示欄134には、ヒストグラム表示欄132にて行われた調整結果に応じたトーンカーブが表示される。さらに、このトーンカーブ表示欄134では、トーンカーブについてより細かな調整が行えるように、ポイントT1(シャドウ点)またはポイントT2(ハイライト点)よりも外側の階調を調整することができる。具体的には、トーンカーブの左側下部と右側上部とにそれぞれ設けられた端部カーブ形状変更ボタン144A、144Bをクリックして、表示されるプルダウンメニューから希望する端部カーブ形状を選択するようになっている。ここでは、例えば、「ブースト」、「ノーマル」および「ソフト」の3種類から端部カーブ形状を選択することができるようになっている。ここで、「ブースト」は、白地の部分を真っ白にしたり、黒地の部分を真っ黒にしたりしてムラを除去したい場合に選択する。また、「ノーマル」は、ハイライト部分やシャドウ部分をそのまま表現する場合に選択する。また、「ソフト」は、真っ白の部分を本来の白地に戻したり、真っ黒の部分を本来の黒地に戻したりする場合に選択する。
また、グレーバランス調整欄136においては、グレーバランスを調整するためのスライダー145が設けられている。このスライダー145を左右に移動させることによって、グレーバランスを調整して、色かぶりを除去することができる。
<濃度補正>
「濃度補正」は、画像の濃淡の表現を部分的に変更する際に用いる調整である。具体的には、この「濃度補正」では、トーンカーブを調整することによって、読み取った画像の見栄えの向上を図る。つまり、シャドウ(最暗部)、ミッドトーン(中間調)、ハイライト(最明部)へと変化していく濃度の曲線(トーンカーブ)を調整することで、画像全体の明るさとコントラストをバランスよく仕上げることができる。このために、濃度補正のダイアログボックス150には、図8に示すように、トーンカーブ表示部152と、このトーンカーブ表示部152に表示するトーンカーブの種類(チャンネル(色))を選択するためのチャンネル欄154が設けられている。
このチャンネル欄154では、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類から選択することができる。RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色を調整したい場合には、このチャンネル欄154の1番上のスイッチを選択すると、右側にRGB(レッド、グリーン、ブルー)全色のトーンカーブが表示される。また、R(レッド)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄154の上から2番目のスイッチを選択すると、右側にR(レッド)のみのトーンカーブが表示される。また、G(グリーン)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄154の上から3番目のスイッチを選択すると、右側にG(グリーン)のみのトーンカーブが表示される。また、B(ブルー)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄154の上から1番下のスイッチを選択すると、右側にB(ブルー)のみのトーンカーブが表示される。
トーンカーブ表示部152には、横軸を入力値とし、縦軸を出力値としたトーンカーブが表示される。入力値に対して出力値が変化しないように設定した場合には、トーンカーブは、図中、ラインL1として示すように直線となる。
そして、トーンカーブを調整する場合には、トーンカーブ表示部152に表示されたトーンカーブ上に任意のポイントを設定し、このポイントを上下左右の各方向にずらしながら、トーンカーブを調整する。本実施形態では、トーンカーブ表示部152に表示されたトーンカーブ上に3つのポイントP1、P2、P3を任意に設定し、これら3つのポイントP1、P2、P3をそれぞれ基準線L1より上下左右の各方向に移動させてずらす。これによって、トーンカーブ表示部152上に、ユーザが所望するトーンカーブを形成するようになっている。なお、3つのポイントP1、P2、P3の各座標については、それぞれトーンカーブ表示部152の左側に設けられた2つの数値入力欄156A、156Bを通じて設定することもできる。ここでは、上方の数値入力欄156Aに入力値を入力し、下方の数値入力欄156Bに出力値を入力することで、各ポイントP1、P2、P3の各座標について設定することができる。
このようなトーンカーブの調整については、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類についてそれぞれ可能である。トーンカーブの設定については、濃度補正のダイアログボックス150の上部に設けられた濃度補正設定保存欄158を通じて保存しておくことができる。
<イメージ調整>
「イメージ調整」には、図9のイメージ調整のダイアログボックス160に示すように、(1)明るさの調整と、(2)コントラストの調整と、(3)彩度の調整と、(4)カラーバランスの調整との4種類の調整がある。さらに、『(4)カラーバランスの調整』には、「シアン(C)−レッド(R)」の間の調整と、「マゼンダ(M)−グリーン(G)」の間の調整と、「イエロー(Y)−ブルー(B)」の間の調整との3種類の調整がある。
(1)明るさの調整
『(1)明るさの調整』は、画像が明る過ぎたり暗すぎたりした場合に行う。『(1)明るさの調整』は、スライダー162Aを左右に移動させたり、また、スライダー162Aの右側に設けられた数値入力欄164Aに直接、数値を入力することにより行うことができる。
(2)コントラストの調整
『(2)コントラストの調整』は、明暗をはっきりさせたり、逆に明暗の差を小さくする場合に行う。『(2)コントラストの調整』は、スライダー162Bを左右に移動させたり、また、スライダー162Bの右側に設けられた数値入力欄164Bに直接、数値を入力することにより行うことができる。
(3)彩度の調整
『(3)彩度の調整』は、色味を鮮やかにしたい場合に行う。『(3)彩度の調整』は、スライダー162Cを左右に移動させたり、また、スライダー162Cの右側に設けられた数値入力欄164Cに直接、数値を入力することにより行うことができる。
(4)カラーバランスの調整
『(4)カラーバランスの調整』は、画像が赤みや青み等を帯びている場合に行う。『(4)カラーバランスの調整』は、各スライダー162D、162E、162Fを左右に移動させたり、また、各スライダー162D、162E、162Fの右側にそれぞれ設けられた数値入力欄164D、164E、164Fに直接、数値を入力することにより行うことができる。これによって、画像を適切な色合いに調整することができる。具体的には、「シアン(C)−レッド(R)」の間の調整用のスライダー162Dを左右に移動させることにより、シアンおよびレッド(R)の強弱を調整することができる。また、「マゼンダ(M)−グリーン(G)」の間の調整用のスライダー162Eを左右に移動させることにより、マゼンダ(M)およびグリーン(G)の強弱を調整することができる。また、「イエロー(Y)−ブルー(B)」の間の調整用のスライダー162Fを左右に移動させることにより、イエロー(Y)およびブルー(B)の強弱を調整することができる。
ここで、『(1)明るさの調整』および『(4)カラーバランスの調整』は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色全てまたは各色について濃淡を全体的にシフトさせる変換を行う処理である。また、『(2)コントラストの調整』は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色全てについて濃淡の変化を強めたり弱めたりする変換を行う処理である。
一方、『(3)彩度の調整』は、例えば、次のような変換式(1)〜(3)を利用して、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のデータをそれぞれ変換する処理である。ここでは、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の入力データをそれぞれ『R』、『G』、『B』にて示している。また、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の出力データをそれぞれ『R’』、『G’』、『B’』にて示している。
R’=S11×R+S12×G+S13×B ……………(1)
G’=S21×R+S22×G+S23×B ……………(2)
B’=S31×R+S32×G+S33×B ……………(3)
ここで、S11、S12、S13、S21、S22、S23、S31、S32、S33は、設定された彩度の値に応じて設定される係数である。そして、彩度を高める場合は、S11、S22、S33に『1』より大きな値が設定され、他方、S12、S13、S21、S23、S31、S32に負の値が設定される。このようにして『(3)彩度の調整』は、実行される。
<設定データ>
図10A〜図10Cは、これらヒストグラム調整、濃度補正、およびイメージ調整によりそれぞれ設定されたデータについて説明したものである。図10Aは、ヒストグラム調整により設定されるデータについて説明したものである。図10Bは、濃度補正により設定されるデータについて説明したものである。図10Cは、イメージ調整により設定されるデータについて説明したものである。
ヒストグラム調整の場合には、図10Aに示すように、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色のシャドウ入力値α11、α21、α31と、シャドウ出力値α13、α23、α33と、ハイライト入力値α12、α22、α32と、ハイライト出力値α14、α24、α34と、ガンマ値α15、α25、α35とがデータとして設定される。この他に、ここでは、トーンカーブの端部形状として「下端部形状」および「上端部形状」に関するデータα41、α42と、グレーバランス調整おける調整値α51とがデータとして設定される。スキャナドライバは、これらのデータα11、α21、α31、α13、α12、α22、α32、α23、α33、α14、α24、α34、α15、α25、α35、α41、α42、α51を設定データとして記憶する。なお、これらの設定データα11、α21、α31、α13、α23、α33、α12、α22、α32、α14、α24、α34、α15、α25、α35、α41、α42、α51は、例えば、図6にて説明したヒストグラム調整のダイアログボックス131を通じてユーザにより設定される場合の他に、スキャナドライバによって演算等により自動的に設定される場合がある。スキャナドライバは、記憶した設定データα11、α21、α31、α13、α23、α33、α12、α22、α32、α14、α24、α34、α15、α25、α35、α41、α42、α51に基づき、入力画像に対して画像調整を施す。
また、濃度補正の場合には、図10Bに示すように、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれトーンカーブ上に設定された複数のポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………がデータとして設定される。スキャナドライバは、これらポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………を設定データとして記憶する。なお、これらの設定データβ11、β13、β21、β23、β31、β33…………、β12、β14、β22、β24、β32、β34…………は、例えば、図8にて説明した濃度補正のダイアログボックス150を通じてユーザにより設定される場合の他に、スキャナドライバによって演算等により自動的に設定される場合がある。スキャナドライバは、記憶した設定データβ11、β13、β21、β23、β31、β33…………、β12、β14、β22、β24、β32、β34…………に基づき、濃度補正を実行する。
また、イメージ調整の場合には、図10Cに示すように、『(1)明るさの調整』の設定値γ1と、『(2)コントラストの調整』の設定値γ2と、『(3)彩度の調整』の設定値γ3と、『(4)カラーバランスの調整』の設定値γ4、γ5、γ6とが設定される。『(4)カラーバランスの調整』の設定としては、「シアン(C)−レッド(R)」の間の設定値γ4と、「マゼンダ(M)−グリーン(G)」の間の設定値γ5と、「イエロー(Y)−ブルー(B)」の間の設定値γ6との3種類ある。スキャナドライバは、これらの設定値γ1、γ2、γ3、γ4、γ5、γ6を設定データとして記憶する。なお、これらの設定データγ1、γ2、γ3、γ4、γ5、γ6は、例えば、図9にて説明したイメージ調整のダイアログボックス160を通じてユーザにより設定される場合の他に、スキャナドライバによって演算等により自動的に設定される場合がある。スキャナドライバは、記憶した設定データγ1、γ2、γ3、γ4、γ5、γ6に基づき、イメージ調整を実行する。
===調整手順===
これらヒストグラム調整、濃度補正およびイメージ調整により設定されたデータに基づき、入力画像、即ちここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像を調整する手順の一例について説明する。図11Aは、この手順の一例について示したものである。
スキャナドライバは、入力画像、即ちここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像に対して、ヒストグラム調整を施す(S002)。このヒストグラム調整では、スキャナドライバは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ規定されたトーンカーブに基づき、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ入力画像の各画素のデータRin、Gin、Binを変換して出力する。ここで、スキャナドライバは、図6にて説明したヒストグラム調整のダイアログボックス131を通じてユーザにより設定されたり、また自ら自動的に設定したR(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色のシャドウ入力値α11、α21、α31やシャドウ出力値α13、α23、α33、ハイライト入力値α12、α22、α32、ハイライト出力値α14、α24、α34、ガンマ値α15、α25、α35、またこの他にトーンカーブの端部形状のデータα41、α42、グレーバランス調整の調整値α51などを参照してこれらのデータに基づきヒストグラム調整を実行する。これにより、スキャナドライバは、入力画像の各画素のデータRin、Gin、Bin(入力データ)を出力データRout1、Gout1、Bout1に変換して出力する。
このようにしてヒストグラム調整を行った後、スキャナドライバは、次にステップS004へと進み、ヒストグラム調整が施された画像のデータに対してイメージ調整を施す(S004)。ここでは、スキャナドライバは、イメージ調整として、(1)明るさの調整と、(2)コントラストの調整と、(3)カラーバランスの調整とを施す。すなわち、スキャナドライバは、『(1)明るさの調整』の設定値γ1と、『(2)コントラストの調整』の設定値γ2と、『(4)カラーバランスの調整』の設定値γ4、γ5、γ6とに基づいて、それぞれ調整を施す。これにより、スキャナドライバは、ヒストグラム調整による出力データRout1、Gout1、Bout1を出力データRout2、Gout2、Bout2に変換して出力する。
そして、このようにイメージ調整((3)彩度の調整を除く)を行った後、次に、スキャナドライバは、ステップS006へと進み、イメージ調整が施された画像のデータに対して濃度補正を施す(S006)。この濃度補正では、スキャナドライバは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ調整されたトーンカーブに基づき、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ入力画像の各画素のデータを変換して出力する。すなわち、ここでは、スキャナドライバは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてトーンカーブ上に設定された複数のポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………の設定データを参照して、これらの設定データに基づき形成されるトーンカーブに基づき、濃度補正を実行する。これにより、スキャナドライバは、イメージ調整((3)彩度の調整を除く)による出力データRout2、Gout2、Bout2を出力データRout3、Gout3、Bout3に変換して出力する。
このようにして濃度補正を行った後、スキャナドライバは、次にステップS008へと進み、濃度補正が施された画像のデータに対してイメージ調整として『(3)彩度の調整』を施す(S008)。ここで、スキャナドライバは、『(3)彩度の調整』の設定値γ3に基づき、調整を施す。これにより、スキャナドライバは、濃度補正による出力データRout3、Gout3、Bout3を出力データRout4、Gout4、Bout4に変換して出力する。
このようにしてイメージ調整として『(3)彩度の調整』を行った後、次に、スキャナドライバは、『(3)彩度の調整』が施された画像のデータに対して、色変換処理を施す(S010)。この色変換処理とは、各種出力機器(ここでは、表示装置をはじめ、各種プリンタ等)で扱う上で適切なデータに変換するための処理である。具体的には、例えば、次のような変換式(4)〜(6)により実施する。
R’=A11×R+A12×G+A13×B ……………(4)
G’=A21×R+A22×G+A23×B ……………(5)
B’=A31×R+A32×G+A33×B ……………(6)
ここで、変換前のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の入力データをそれぞれ『R』、『G』、『B』により示している。また、変換後のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の出力データをそれぞれ『R’』、『G’』、『B’』により示している。また、A11、A12、A13、A21、A22、A23、A31、A32、A33は、各種出力機器(表示装置24やプリンタ等)の特性に応じて適宜設定される係数である。
このようにしてスキャナドライバは、『(3)彩度の調整』が施された画像のデータに対して各種出力機器の特性に応じた色変換処理を施す。これにより、スキャナドライバは、イメージ調整((3)彩度の調整)による出力データRout4、Gout4、Bout4を出力データRout5、Gout5、Bout5に変換して出力する。そして、スキャナドライバは、このようにして色変換処理を実行した後、色変換処理が施された画像を出力画像として出力する。
なお、ここでは、最終段階にて色変換処理を実行する場合を例にして説明したが、この色変換処理については必要に応じて実行するものとする。
===プレスキャン===
図11Bは、画像読み取り装置10による画像読み取り手順の一例について説明したものである。画像読み取り装置10により画像を読み取る際に、プレスキャンを実行する場合がある。このプレスキャンとは、例えば、高解像度にて画像を読み取る場合等において、最初から高解像度にて画像を読み取る動作を実行するのではなく、高解像度にて画像を読み取る動作(本スキャン)を実行する前、一度、例えば、低解像度にて画像を読み取ることをいう。
プレスキャンは、同図に示すように、最初に実行される(S050)。スキャナドライバは、このプレスキャン動作によってプレスキャン画像(プレ画像)を取得する(S052)。次にスキャナドライバは、取得したプレスキャン画像(プレ画像)に対して自動調整等を施す。ここで、スキャナドライバは、取得したプレスキャン画像(プレ画像)に対して、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等における適切な調整値等を求めて、自動的に補正する(S054)。ここで自動的に補正された画像は、例えば、表示装置24等に表示される。
ユーザは、このようにして表示装置24等に表示されたプレスキャン画像(プレ画像)を見ながら、各種調整(補正)を実行する(S056)。ここでは、ユーザは、図6のヒストグラム調整のダイアログボックス131や、図8の濃度補正のダイアログボックス150、図9のイメージ調整のダイアログボックス160等を通じて各種調整(補正)を実行する。
このようにしてユーザにより各種調整(補正)が行われた後、本スキャンを実行する。この本スキャンでは、画像読み取り装置10によって原稿15から画像が高解像度にて読み取られる(S058)。そして、スキャナドライバは、このようにして本スキャンにより取得された高解像度の画像に対してユーザ等により設定されたデータに基づき、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等の各種調整(補正)を実行する。これにより、各種調整(補正)が施された本画像を取得する(S060)。
===従来の問題点及び解決方法===
<従来の問題点>
これらヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等についてそれぞれ個別に設定することによって、ユーザは、画像読み取り装置により読み取った画像に対して各種調整を実行することができる。しかしながら、ここでユーザが所望の色合いに画像を調整したい場合に、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等の各種調整の中から適切な調整方法を選択して、なおかつその調整方法においてユーザが希望する色合いに変更するために試行錯誤しながら適切な調整を行わなければならず、ユーザが希望する色合いに変更するのは、非常に難しい場合があった。特に、色合いの調整等に熟知していないユーザにとっては、多大な労力が必要となった。
さらに、色合いの調整に際して、ユーザが所望の色を選択したい場合に、既存の色に基づき所望の色を簡単に探し出すことはできず、色合いの調整をスムーズに行うことはきわめて困難であった。
<解決方法>
そこで、本実施形態では、編集対象となる画像上においてユーザにより任意に指定された画素の色と同じ色の第1パッチと、この第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示することで、ユーザが簡単に所望の色を探し出せるようにして、色合いの調整をスムーズに行えるようにした。
さらに、ここでは、編集対象となる画像上においてユーザが任意に画素を指定して、その画素に対してユーザが直接、所望の色を指定することができるようにした。スキャナドライバは、このような指定が可能なユーザインターフェイスを備えている。このようなユーザインターフェイスを通じて、ユーザが編集対象の画像の色の調整を行えるようになっている。これにより、ユーザは、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等の従来からある各種調整により調整を行わなくても、編集対象の画像を所望の色合いに簡単に変更することができる。
===具体的な調整方法===
ここでは、まず、調整しようとする画像上においてユーザが色を指定したい任意に画素を指定する。次に、指定された画素に対してユーザが所望の色を指定する。
<画素の指定>
ここでは、ユーザによる画素の指定は、編集対象となる画像が表示されるプレビューウィンドウを通じて行う。図12は、そのプレビューウィンドウ170の一例を示したものである。プレビューウィンドウ170は、同図に示すように、編集対象となる画像が表示されるプレビュー領域172と、このプレビュー領域172に表示される画像に対して取り込み枠の設定やズーム等の各種操作を行うための各種操作ボタンが設けられた操作領域174とを有している。なお、本実施形態では、プレビュー領域172には、編集対象となる画像として、画像読み取り装置により読み取られた画像に対して、スキャナドライバまたはユーザにより行われた各種調整(補正)、即ちヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等の後の画像が表示される。
また、このプレビュー領域172には、編集対象となる画像の他に、当該画像上からユーザが任意に画素を指定するためのポインタ176が表示される。このポインタ176は、プレビュー領域172に表示された画像上を上下左右の各方向にユーザにより任意に移動させることができる。これにより、ユーザは、プレビュー領域172に表示される画像上にてポインタ176を上下左右の各方向に移動させて、色を指定したい画素の位置にてポインタ176を停止させて操作により指定する。
<色の指定>
ユーザが指定した画素に対する所望の色の指定は、カラーパレット調整のダイアログボックスを通じて行う。図13は、そのカラーパレット調整のダイアログボックス180の一例を説明したものである。このダイアログボックス180には、色相のカラーパレット182と、明度のカラーパレット184との2種類のカラーパレットが設けられている。なお、これらのカラーパレット182、184は、「編集用パレット」に相当する。また、これらカラーパレット182、184を「編集用パレット」として表示装置24に表示する表示制御部88は、「パレット表示制御部」に相当する。
色相のカラーパレット182は、それぞれ色相が異なる複数種類の色の選択色パッチ188を有し、これら複数種類の選択色パッチ188の中から所望の色のパッチを選択して色を指定することができる。一方、明度のカラーパレット184は、それぞれ明度が異なる複数種類の色の選択色パッチ192を有し、これら複数種類の選択色パッチ192の中から所望の色のパッチを選択して色を指定することができる。なお、色相のカラーパレット182の選択色パッチ188および明度のカラーパレット184の選択色パッチ192は、「第2パッチ」に相当する。これら色相のカラーパレット182と、明度のカラーパレット184とについて以下に詳しく説明する。
(1)色相のカラーパレット
色相のカラーパレット182は、それぞれ色相が異なる複数種類の色の選択色パッチ188の他に、現在指定している色を示すための指定色パッチ186を有している。なお、この指定色パッチ186は、「第1パッチ」に相当する。この指定色パッチ186は、複数種類の色の選択色パッチ188の中の中央に配置されている。複数種類の色の選択色パッチ188は、この指定色パッチ186を中心にこれを取り囲むようにして指定色パッチ186の周囲に配置されている。これら指定色パッチ186および選択色パッチ188は、それぞれ同じ大きさの正六角形形状に形成されている。これら指定色パッチ186および選択色パッチ188は、辺部どうしが相互に密着するように配置されている。これにより、指定色パッチ186および選択色パッチ188は、全体が正六角形形状をなしている。
中央に位置する指定色パッチ186は、プレビューウィンドウ170のプレビュー領域172に表示された画像上からポインタ176を通じてユーザにより任意に指定された画素と同じ色に設定されている。一方、指定色パッチ186の周囲の選択色パッチ188は、中心に位置する指定色パッチ186の色に対して色相が段階的に異なるように色が設定されている。すなわち、選択色パッチ188の色は、指定色パッチ186に対してそれぞれ個別に相対的に色相が異なるように設定されている。ここで、各選択色パッチ188にそれぞれ設定される色について説明する。
図14は、色相のカラーパレット182の選択色パッチ188にそれぞれ設定される色について詳しく説明したものである。選択色パッチ188は、指定色パッチ186を中心にこの指定色パッチ186から外側に向かって当該指定色パッチ186の色に対して段階的に色相が異なるように色が設定されている。より詳しくは、選択色パッチ188は、指定色パッチ186を中心に、この指定色パッチ186から上方向、下方向、斜め左下方向、斜め左上方向、斜め右下方向、および斜め右上方向に向かってそれぞれ異なる色に色相が変化するように各選択色パッチ188の色が設定されている。
指定色パッチ186から上方向には、指定色パッチ186の色に対して段階的にイエロー(Y)の色が強くなるように各選択色パッチY1、Y2、Y3の色がそれぞれ設定されている。ここでは、指定色パッチ186から上方向に向かって3段階に色相が変化している。各選択色パッチY1、Y2、Y3の色相の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチY1よりも選択色パッチY2の方が、イエロー(Y)が強くなるように色相が設定されている。さらにまた、選択色パッチY2よりも選択色パッチY3の方が、イエロー(Y)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め右上方向には、指定色パッチ186の色に対して段階的にレッド(R)の色が強くなるように各選択色パッチR1、R2、R3の色がそれぞれ設定されている。ここでは、指定色パッチ186から斜め右上方向に向かって3段階に色相が変化している。各選択色パッチR1、R2、R3の色相の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチR1よりも選択色パッチR2の方が、レッド(R)が強くなるように色相が設定されている。さらにまた、選択色パッチR2よりも選択色パッチR3の方が、レッド(R)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め右下方向には、指定色パッチ186の色に対して段階的にマゼンダ(M)の色が強くなるように各選択色パッチM1、M2、M3の色がそれぞれ設定されている。ここでは、指定色パッチ186から斜め右下方向に向かって3段階に色相が変化している。各選択色パッチM1、M2、M3の色相の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチM1よりも選択色パッチM2の方が、マゼンダ(M)が強くなるように色相が設定されている。さらにまた、選択色パッチM2よりも選択色パッチM3の方が、マゼンダ(M)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から下方向には、指定色パッチ186の色に対して段階的にブルー(B)の色が強くなるように各選択色パッチB1、B2、B3の色がそれぞれ設定されている。ここでは、指定色パッチ186から下方向に向かって3段階に色相が変化している。各選択色パッチB1、B2、B3の色相の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチB1よりも選択色パッチB2の方が、ブルー(B)が強くなるように色相が設定されている。さらにまた、選択色パッチB2よりも選択色パッチB3の方が、ブルー(B)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め左下方向には、指定色パッチ186の色に対して段階的にシアン(C)の色が強くなるように各選択色パッチC1、C2、C3の色がそれぞれ設定されている。ここでは、指定色パッチ186から斜め左下方向に向かって3段階に色相が変化している。各選択色パッチC1、C2、C3の色相の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチC1よりも選択色パッチC2の方が、シアン(C)が強くなるように色相が設定されている。さらにまた、選択色パッチC2よりも選択色パッチC3の方が、シアン(C)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め左上方向には、指定色パッチ186の色に対して段階的にグリーン(G)の色が強くなるように各選択色パッチG1、G2、G3の色がそれぞれ設定されている。ここでは、指定色パッチ186から斜め左上方向に向かって3段階に色相が変化している。各選択色パッチG1、G2、G3の色相の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチG1よりも選択色パッチG2の方が、グリーン(G)が強くなるように色相が設定されている。さらにまた選択色パッチG2よりも選択色パッチG3の方が、グリーン(G)が強くなるように色相が設定されている。
このように中心となる指定色パッチ186から上方向、下方向、斜め左下方向、斜め左上方向、斜め右下方向、および斜め右上方向の各方向に向かってイエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色へと色相が変化する選択色パッチY1、Y2、Y3、R1、R2、R3、M1、M2、M3、B1、B2、B3、C1、C2、C3、G1、G2、G3が設けられていることによって、色の変化の方向が分かり易くなっている。
さらに、指定色パッチ186から上方向に並ぶ3つの選択色パッチY1、Y2、Y3と、指定色パッチ186から斜め右上方向に並ぶ3つの選択色パッチR1、R2、R3との間には、これらの色の中間色を有する選択色パッチYR1、YR2、YR3が配置されている。なお、ここで、選択色パッチYR2、YR3は、選択色パッチYR1に対してイエロー(Y)またはレッド(R)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め右上方向に並ぶ3つの選択色パッチR1、R2、R3と、指定色パッチ186から斜め右下方向に並ぶ3つの選択色パッチM1、M2、M3との間には、これらの色の中間色を有する選択色パッチRM1、RM2、RM3が配置されている。なお、ここで、選択色パッチRM2、RM3は、選択色パッチRM1に対してレッド(R)またはマゼンダ(M)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め右下方向に並ぶ3つの選択色パッチM1、M2、M3と、指定色パッチ186から下方向に並ぶ3つの選択色パッチB1、B2、B3との間には、これらの色の中間色を有する選択色パッチBM1、BM2、BM3が配置されている。なお、ここで、選択色パッチBM2、BM3は、選択色パッチBM1に対してマゼンダ(M)またはブルー(B)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から下方向に並ぶ3つの選択色パッチB1、B2、B3と、指定色パッチ186から斜め左下方向に並ぶ3つの選択色パッチC1、C2、C3との間には、これらの色の中間色を有する選択色パッチCB1、CB2、CB3が配置されている。なお、ここで、選択色パッチCB2、CB3は、選択色パッチCB1に対してシアン(C)またはブルー(B)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め左下方向に並ぶ3つの選択色パッチC1、C2、C3と、指定色パッチ186から斜め左上方向に並ぶ3つの選択色パッチG1、G2、G3との間には、これらの色の中間色を有する選択色パッチGC1、GC2、GC3が配置されている。なお、ここで、選択色パッチGC2、GC3は、選択色パッチGC1に対してシアン(C)またはグリーン(G)が強くなるように色相が設定されている。
また、指定色パッチ186から斜め左上方向に並ぶ3つの選択色パッチG1、G2、G3と、指定色パッチ186から上方向に並ぶ3つの選択色パッチY1、Y2、Y3との間には、これらの色の中間色を有する選択色パッチYG1、YG2、YG3が配置されている。なお、ここで、選択色パッチYG2、YG3は、選択色パッチYG1に対してイエロー(Y)またはグリーン(G)が強くなるように色相が設定されている。
(2)明度のカラーパレット
一方、明度のカラーパレット184は、それぞれ色相が異なる複数種類の色の選択色パッチ192の他に、色相のカラーパレット182と同様に、現在指定している色を示すための指定色パッチ190を有している。なお、この指定色パッチ190は、「第1パッチ」に相当する。この指定色パッチ190は、複数種類の色の選択色パッチ192の中心に配置されている。複数種類の色の選択色パッチ192は、この指定色パッチ190を中心に上下方向(縦方向)に沿って直線状に並んで配置されている。これら指定色パッチ190および選択色パッチ192は、それぞれ同じ大きさの正六角形形状に形成されている。これら指定色パッチ190および選択色パッチ192は、辺部どうしが相互に密着するように配置されている。
中央に位置する指定色パッチ190は、プレビューウィンドウ170のプレビュー領域172に表示された画像上からポインタ176を通じてユーザにより任意に指定された画素と同じ色に設定されている。一方、選択色パッチ192は、中心に位置する指定色パッチ190の色に対して明度が段階的に異なるように設定されている。すなわち、選択色パッチ192の色は、指定色パッチ190の色に対してそれぞれ個別に相対的に明度が異なるように設定されている。ここで、各選択色パッチ192にそれぞれ設定される色について説明する。
図15は、明度のカラーパレット184の選択色パッチ192にそれぞれ設定される色について詳しく説明したものである。選択色パッチ192は、指定色パッチ186を中心にこの指定色パッチ186から上方向および下方向に向かって当該指定色パッチ186の色に対して段階的に明度が異なるように色が設定されている。
指定色パッチ190から上方向には、指定色パッチ190に対して段階的に明るくなるように各選択色パッチL1、L2、L3の色が設定されている。ここでは、指定色パッチ190から上方向に向かって3段階に明度が変化している。各選択色パッチL1、L2、L3の明度の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチL1よりも選択色パッチL2の方が明るくなるように明度が設定されている。さらにまた、選択色パッチL2よりも選択色パッチL3の方が明るくなるように明度が設定されている。
一方、指定色パッチ190から下方向には、指定色パッチ190に対して段階的に暗くなるように各選択色パッチD1、D2、D3の色が設定されている。ここでは、指定色パッチ190から下方向に向かって3段階に明度が変化している。各選択色パッチD1、D2、D3の明度の変化の比率は、例えば、1:3:6等の比率に設定される。すなわち、選択色パッチD1よりも選択色パッチD2の方が暗くなるように明度が設定されている。さらにまた、選択色パッチD2よりも選択色パッチD3の方が暗くなるように明度が設定されている。
(3)色の指定
ユーザは、これらの2つのカラーパレット182、184に設けられた複数の種類の色の選択色パッチ188、192の中から任意の選択色パッチを選択して指定することができる。これら複数の種類の選択色パッチ188、192の中から1つの選択色パッチがユーザによりクリックされて指定されると、各カラーパレット182、184の中心に位置する指定色パッチ186、190の色が、ユーザにより指定された選択色パッチ188、192の色に置き換えられる。つまり、ユーザにより指定された選択色パッチの色が、指定色パッチ186、190のある中心へと移動する。
これによって、2つのカラーパレット182、184の各選択色パッチ188、192の色がそれぞれ変更される。つまり、2つのカラーパレット182、184の各選択色パッチ188、192の色は、ユーザにより新しく設定された指定色パッチ186、190の色を基準に変更される。すなわち、2つのカラーパレット182、184の各選択色パッチ188、192の色は、新たに指定色パッチ186、190に設定された色に対して段階的に色相または明度が異なるように設定し直される。
さらに、再びユーザにより2つのカラーパレット182、184の複数の選択色パッチ188、192の中から任意の選択色パッチ188、192がクリックされて選択されると、ここで選択された選択色パッチ188、192の色が、指定色パッチ186、190の色として新たに設定される。そして、再び2つのカラーパレット182、184の各選択色パッチ188、192の色も再度設定し直されて変更される。
このようにしてユーザは、2つのカラーパレット182、184の複数種類の色の選択色パッチ188、192の中から任意の選択色パッチを逐次クリックして選択していくことで、所望の色へと順次近づいて行くことができる。これにより、ユーザは、簡単に所望の色の選択色パッチ188、192を探し出すことができる。
(4)その他
この他に、カラーパレット調整のダイアログボックス180には、図13に示すように、2つのカラーパレット182、184の中心にそれぞれ配置された指定色パッチ186、190の色を数値により指定するための3つの数値入力欄194A、194B、194Cが設けられている。これら3つの数値入力欄194A、194B、194Cは、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の数値をそれぞれ入力するようになっている。ユーザは、これら3つの数値入力欄194A、194B、194Cにそれぞれ数値を入力することで、簡単に色を指定することができる。
また、カラーパレット調整のダイアログボックス180には、2つのカラーパレット182、184の下側に、ユーザにより指定した色を保存しておくための色保存欄196が設けられている。この色保存欄196には、9つの色保存ボックス198が設けられている。ユーザは、これら9つの色保存ボックス198にそれぞれ異なる色を保存しておくことができる。これら9つの色保存ボックス198に色を保存する場合には、ユーザは、この色保存欄196の上側に設けられた保存ボタン197Bをクリックする。また、色保存ボックス198に保存した色を指定色パッチの色として指定したい場合には、ユーザは、この色保存欄196の上側に設けられた適用ボタン197Aをクリックする。これにより、色保存ボックス198に保存された色と同じ色の指定色パッチ186、190が2つのカラーパレット182、184に表示される。
また、カラーパレット調整のダイアログボックス180には、プレビューウィンドウ170のプレビュー領域に表示された編集対象の画像上から任意の画素を指定するためのポインタを呼び出すための抽出スポイトボタン195Bと、当該2つのカラーパレット182、184上にて指定された色、即ち指定色パッチの色をプレビューウィンドウ170のプレビュー領域に表示された編集対象の画像上の任意の画素に適用するための適用スポイトボタン195Aとが設けられている。
===画像全体の調整===
スキャナドライバは、ユーザにより指定された画素が、ユーザにより指定された色になるように、編集対象の画像の全体の色を調整する。なお、ここで、スキャナドライバは、「色調整部」に相当する。この調整において、スキャナドライバは、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整など、既に調整や補正が施されている画像に対して後処理という形で調整を実行するのではなく、既に実行されている調整または補正を変更することで調整を実行する。これは、既に実行されているヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整などの後処理という形で調整を実行した場合、元画像(ここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像)の情報を生かし切れない場合や、滑らかな階調が失われたりする場合等、悪影響が生じる場合があるからである。スキャナドライバは、既に実行されている調整や補正を変更することで、これらの悪影響を排除しつつ編集対象の画像の全体の色を調整する。以下にここで実行される調整の方法について詳しく説明する。
図16は、ここで実行されるカラーパレット調整の概要について説明したものである。カラーパレット調整を行う前は、図11Aでも説明したように、画像読み取り装置10により読み取られた画像等の入力画像に対して、まず、ヒストグラム調整を施し(S102)、その後、イメージ調整を施す(S104)。このイメージ調整では、彩度の調整を除く、他の調整、即ち、明るさの調整と、コントラストの調整と、カラーバランスの調整とを施す。このようにしてイメージ調整を行った後、イメージ調整が施された画像に対して、濃度補正を施してから(S106)、イメージ調整として彩度の調整を施す(S108)。これにより、入力画像(画像読み取り装置10により読み取られた画像)から各種調整が施された出力画像を取得する。なお、ここでは、色変換処理を省略して説明している。
ここで、カラーパレット調整によりユーザにより編集対象の画像上から任意の画素が指定され、その画素に対してユーザにより所望の色が指定されたとする。ユーザにより指定された画素の色は、入力画像上の対応する画素の入力色Aが、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等を経て、既存色Bに変更されたものである。このようにして変更された既存色Bをユーザにより指定された指定色Cに変更するためには、ヒストグラム調整、濃度補正およびイメージ調整のうちの少なくとも1つを変更して、入力画像上の対応する画素の入力色Aが既存色Bから指定色Cへと調整されるようにする必要がある。
本実施形態では、既存色Bを指定色Cに変更するために、最も上流側の調整要素、即ち、ここでは、ヒストグラム調整を変更して、入力画像上の対応する画素の入力色Aが指定色Cに調整されるようにする。このようにユーザにより指定された画素の既存色Bをユーザにより指定された指定色Cに変更するために、最も上流側の調整要素、即ち、ここでは、ヒストグラム調整を選択したのは、次の理由からである。すなわち、最も上流側の調整要素を除く他の調整要素、即ちここでは、例えば、イメージ調整(彩度を除く)や濃度補正、彩度の調整等の中流の調整要素や下流側の調整要素を選択した場合には、オーバーフローが発生してしまうことがあるからである。このようなオーバーフローが発生してしまうと、元画像(ここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像)の情報を生かし切れない場合や、滑らかな階調が失われたりする場合がある。この他に、ヒストグラム調整を選択した理由としては、ヒストグラム調整が他の調整要素に比べて画像への影響量が大きいといった理由がある。
ヒストグラム調整を変更して既存色Bを指定色Cに変更するためには、ヒストグラム調整の適切な変更量を求める必要がある。ここでは、次のような方法により、ヒストグラム調整の適切な変更量を求める。
図17は、既存色Bを指定色Cに変更するためにヒストグラム調整の適切な変更量を求める手順の一例について説明したものである。ヒストグラム調整の適切な変更量を求めるためには、まず、ユーザにより指定された色、即ち指定色Cに対して、彩度の調整の逆変換を施して、彩度の調整の前のRGB値Rin1、Gin1、Bin1を取得する(S202)。ここで、スキャナドライバは、彩度の調整の設定データ、即ちここでは、設定値γ3に基づき、彩度の調整の逆変換を実行する。
次に、このようにして得られた彩度の調整の前のRGB値Rin1、Gin1、Bin1に対して、濃度補正の逆変換を施して、濃度補正が施される前のRGB値Rin2、Gin2、Bin2を求める(S204)。ここで、スキャナドライバは、濃度補正の設定データ、即ちここでは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてトーンカーブ上に設定された複数のポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………の設定データを参照して、これらの設定データに基づき形成されるトーンカーブに基づき、濃度補正の逆変換を実行する。
そして、さらにこのようにして得られた濃度補正前のRGB値Rin2、Gin2、Bin2に対してイメージ調整(彩度を除く)の逆変換を実行して、イメージ調整(彩度を除く)が施される前のRGB値Rin3、Gin3、Bin3を求める(S206)。ここで、スキャナドライバは、イメージ調整(彩度を除く)の設定データ、即ちここでは、『(1)明るさの調整』の設定値γ1と、『(2)コントラストの調整』の設定値γ2と、『(4)カラーバランスの調整』の設定値γ4、γ5、γ6とに基づいて、イメージ調整(彩度を除く)の逆変換を実行する。これにより、指定色Cに対応するヒストグラム調整後のRGB値Rin3、Gin3、Bin3を求める。このRGB値Rin3、Gin3、Bin3により表現される色を、ここでは目標の色Eとする。そして、入力色Aに対してヒストグラム調整を施した後の色Dが、この目標の色Eになるようなヒストグラム調整の適切な変更量を求める(S208)。
なお、図17における説明では、色変換処理の逆変換について説明を省いたが、必要な場合には、色変換処理の逆変換を行っても良い。以下に色変換処理の逆変換の変換式の一例を以下に示す。
R=A11’×R’+A12’×G’+A13’×B’ ……………(4’)
G=A21’×R’+A22’×G’+A23’×B’ ……………(5’)
B=A31’×R’+A32’×G’+A33’×B’ ……………(6’)
これら(4’)〜(6’)の変換式において、『R』、『G』、『B』は、逆変換後のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のデータを示す。また、『R’』、『G’』、『B’』は、逆変換前のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のデータを示す。また、A11’、A12’、A13’、A21’、A22’、A23’、A31’、A32’、A33’は、各種出力機器(表示装置24やプリンタ等)の特性に応じて適宜設定される係数である。
このような変換式(4’)〜(6’)によって色変換処理の逆変換を簡単に実行することができる。
<変更量の求め方>
図18は、目標の色EのRGB値からヒストグラム調整の変更量を求める方法について説明したものである。ヒストグラム調整の変更後の出力値は、図17にて説明したように、ユーザにより指定された色、即ち指定色Cから、彩度の調整や濃度補正、イメージ調整の逆変換をそれぞれ行って得られた目標の色EのRGB各色の値となる。このことから、変更後のヒストグラム調整の入出力特性は、図18に示すように、ヒストグラム調整の変更後の出力値、即ち目標の色EのRGB各色の値と、指定された画素のRGB各色の値(入力値)とが対応するポイントW1を通過する特性となる必要がある。ここで、ポイントW1を通過する入出力特性としては、同図に示すように、例えば、変更例(1)〜(4)といったように、様々な特性が考えられる。
ここで、ヒストグラム調整の変更前の画像品質をなるべく保持したまま、ヒストグラム調整の変更を行える条件について検討すると、変更例(3)に示すような入出力特性が好ましいものと考えられる。この変更例(3)の入出力特性は、ヒストグラム調整の変更前の入出力特性の出力値が、最小値(ここでは『0』)および最大値(ここでは『255』)となるポイントQ1、Q2を通過するように設定されている。このように変更後の入出力特性が、ヒストグラム調整の変更前の入出力特性の出力値の最小値および最大値のポイントQ1、Q2を通過するように設定されることで、出力画像に表現されている階調情報の可及的な保持を図ることができる。
図19は、ヒストグラム調整の変更量を具体的に演算により求める方法の一例について説明したものである。ここでは、ヒストグラム調整の変更後の出力値、即ち目標の色EのRGB各色の値と、指定された画素のRGB各色の値(入力値)とが対応するポイントW1の座標を(80,122)とする。また、ヒストグラム調整の変更前の出力値、即ち色DのRGB各色の値と、指定された画素のRGB各色の値(入力値)とが対応するポイントW2の座標を(80,75)とする。また、ヒストグラム調整の変更前の入出力特性の出力値が、最小値(ここでは『0』)および最大値(ここでは『255』)となるポイントQ1、Q2の各座標をそれぞれ(30,0)、(200,255)とする。
このヒストグラム調整による入出力特性は、2つの入出力点、即ちここでは、ポイントQ1、Q2の各座標と、曲線形状を決めるガンマ(『γ』)という調整パラメータで指定するものとなっている。このことから、出力値をy、入力値をxとすると、ヒストグラム調整による入出力特性は、y=b×(x−a)1/γという式で表わすことができる。なお、ここで「b」および「a」は、入出力点、即ちポイントQ1、Q2と、『γ』により決まる係数である。
例えば、ヒストグラム調整の変更前の『γ』が「1」であるとすると、次の式(7)、(8)を導き出すことができる。
0=b×(30−a)1/1 ……………(7)
255=b×(200−a)1/1 ……………(8)
これら2つの式(7)、(8)を解くことによって、2つの係数「a=30」および「b=1.5」を求めることができる。このことから、変更前のヒストグラム調整の入出力特性は、次の関係式(9)となる。
y=1.5×(x−30)1/1 ……………(9)
変更後のヒストグラム調整の入出力特性として、ポイントQ1およびポイントQ2を通過する特性とする場合には、ガンマ値『γ』を変更すれば良い。変更後のガンマ値を『γ’』とし、さらに、変更前の出力値を『y』とし、変更後の出力値を『y’』とすると、次の関係式(10)を導き出すことができる。さらに、変更前の出力値『y』は、ポイントW2において「75」となり、また変更後の出力値『y’』は、ポイントW1において「122」となることから、次のようにして変更後の『γ’』を求めることができる。
γ’=γ×{log(y/255)/log(y’/255)}
=1×{log(75/255)/log(122/255)}
=1.66 …………(10)
この式から変更後の『γ’』を求めると、『γ’=1.66』となる。すなわち、ガンマ値『γ』を「1.66」とすることで、目的とする変更が実現できる。
このようにして変更後のガンマ値『γ’』を「1.66」として、変更後のヒストグラム調整の入出力特性を求める。ここで、変更後のヒストグラム調整の入出力特性は、変更前のヒストグラム調整の入出力特性と同様に、ポイントQ1、Q2を通過することから、前述した場合と同様に、次の関係式(11)、(12)により求めることができる。
0=b×(30−a)1/1.66 ……………(11)
255=b×(200−a)1/1.66 ……………(12)
これら2つの式(11)、(12)を解くことによって、2つの係数「a=30」および「b=11.56」を求めることができる。このことから、変更後のヒストグラム調整の入出力特性は、次の関係式(13)となる。
y=11.56×(x−30)1/1.66 ……………(13)
なお、この場合、ヒストグラム調整のパラメータとして、ポイントQ1、Q2の座標は変更しないことから、ガンマ値『γ』のみを「1.0」から「1.66」に変更すれば良い。
===まとめ===
以上本実施形態にあっては、プレビューウィンドウ170に表示された編集対象となる画像上においてユーザが任意に画素を指定し、かつその画素に対してユーザが所望の色を指定することができるようにしたことによって、ユーザは、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等の従来からある各種調整により調整を行わなくても、編集対象の画像を所望の色合いに簡単に変更することができる。
特に、ユーザが所望の色を選択する際には、画面にカラーパレット182、184が表示され、ユーザは当該カラーパレット182、184に設けられた複数種類の異なる色の選択色パッチ188、192の中から所望の色を選択することができるから、ユーザは所望の色を簡単に探し出して簡単に指定することができる。
さらに、カラーパレット182、184には、複数種類の異なる色の選択色パッチ188、192として、ユーザが指定した色に対して色相または明度が段階的に異なる複数種類の色の選択色パッチ188、192を表示することができるから、ユーザは、指定した色を中心に相対的に異なる色を探し出すことができる。これにより、ユーザは、所望の色をより簡単に探し出すことができるようにすることができる。
また、カラーパレットとして、色相のカラーパレット182および明度のカラーパレット184の2種類表示されることで、ユーザはさらに選択幅を広げることができ、より効率よく所望の色を探し出すことができる。
また、ユーザにより指定された色に基づき、編集対象の画像の全体の色の調整を行う際には、スキャナドライバは、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整など、既に調整や補正が施されている画像に対して後処理という形で調整を実行するのではなく、既に実行されている調整または補正を変更することで調整を実行することで、元画像(画像読み取り装置10により読み取られた画像)の情報を生かし切れなかったり、滑らかな階調が失われたりする等の悪影響が生じることを低減することができる。
特に、ここで、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整など、複数ある調整要素の中で最も上流側の調整要素、即ち、ここでは、ヒストグラム調整を変更して、編集対象の画像の全体の色の調整を行うから、オーバーフロー等の不具合を可及的に回避しつつ画像全体の調整を行うことができる。
===色相のカラーパレットの表示方法===
ここで、色相のカラーパレット182の表示方法について詳細に説明する。色相のカラーパレット182の各選択色パッチ188は、図14にて説明したように、指定色パッチ186の色を中心に、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向へと色相が変化するように設定されている。
(1)明度の均一化
ここで、各選択色パッチ188の色を設定する際に、各選択色パッチ188のRGB値を、単に、ブルー(B)の方向についてはブルー(B)の値を大きくし、レッド(R)の方向についてはレッド(R)の値を大きくし、イエロー(Y)の方向については、ブルー(B)の値を小さくし、マゼンダ(M)の方向についてはグリーン(G)の値を小さくし、シアン(C)の方向についてはレッド(R)の値を小さくした場合には、色相と同時に明度も変化してしまう。このように色相と同時に明度も変化してしまうと、適切な色相を選ぶことが難しくなり、また色相の調整後に明度も調整する必要が発生する。このため、ユーザによる調整が煩雑になってしまう。このようなことから、色相のカラーパレット182の各選択色パッチ188は、明度があまり変化しないようにすることが望ましい。また、色相のカラーパレット182の中心色(指定色パッチ186の色)が都度変わるようにすることで、操作の繰り返しにより大きな色調整を含めた様々な調整が可能としているが、その際に例えば、ブルー(B)の方向に1回調整した後、その逆の色であるイエロー(Y)の方向に1回階調整すれば、操作をする前と同じ色に戻ることが望ましい。このようにすることによって、容易に調整のやり直しが行え、好みの色合いへの調整が容易となる。
そこで、本実施形態では、各選択色パッチ188の色を設定する際に、各色の方向において、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)のうちのいずれか1色の値を大きく若しくは小さくした場合、他の残りの2色の各値についても大きく若しくは小さくする。これによって、各選択色パッチ188の色の明度がほぼ均一になるように設定する。 図20は、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向へと色相が変化するように設定する際のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の値の調整方法について説明したものである。同図に示すように、ブルー(B)の方向(図中、下方向)については、ブルー(B)の値を大きくするとともに、グリーン(G)およびレッド(R)の値をそれぞれ小さくする。また、レッド(R)の方向(図中、右斜め上方向)については、レッド(R)の値を大きくするとともに、グリーン(G)およびブルー(B)の値をそれぞれ小さくする。また、グリーン(G)の方向(図中、斜め左上方向)については、グリーン(G)の値を大きくするとともに、レッド(R)およびブルー(B)の値をそれぞれ小さくする。
一方、イエロー(Y)の方向(図中、上方向)については、ブルー(B)の値を小さくするとともに、グリーン(G)およびレッド(R)の値をそれぞれ大きくする。また、マゼンダ(M)の方向(図中、斜め右下方向)については、グリーン(G)の値を小さくするとともに、レッド(R)およびブルー(B)の値をそれぞれそれぞれ大きくする。また、シアン(C)の方向(図中、斜め左下方向)については、レッド(R)の値を小さくするとともに、グリーン(G)およびブルー(B)の値をそれぞれそれぞれ大きくする。このようにしてイエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向に色相が異なる各選択色パッチ188の明度をほぼ一定に保持することができる。
<RGB各色値の計算>
色相を変化させつつ明度を一定に保持するためには、RGBの各値から計算される明度(『L』)を一定に保つ必要がある。ここで、明度(『L』)は、次の計算式(14)により求まることができる。
L=Kr×R+Kg×G+Kb×B ……………(14)
なお、ここで、『R』、『G』、『B』は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の値をそれぞれ示す。また、『Kr』、『Kg』、『Kb』は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色にそれぞれ対応する係数である。「Kg≧Kr」かつ「Kg≧Kb」の関係が成り立つ。これは、一般的にグリーン(G)の明度への寄与率が高いためである。『Kr』、『Kg』および『Kb』の各係数の値は、例えば、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2といった具合に設定される。
ここで、中心に位置する指定色パッチ186のRGBの各色の値をそれぞれ『R0』、『G0』、『B0』とし、この指定色パッチ186の明度を『L0』とする。すると、この指定色パッチ186の色の明度L0は、次の計算式(15)により求めることができる。
L0=Kr×R0+Kg×G0+Kb×B0 ……………(15)
この明度『L0』を保持するように、各選択色パッチ188の色を設定する。
レッド(R)の方向に色相を変化させる場合には、レッド(R)の値を大きくし、グリーン(G)およびブルー(B)の各値を小さくして明度を略一定に保持する。レッド(R)を相対的に大きくするため、グリーン(G)とブルー(B)とは、同じ分だけ小さくすることとする。レッド(R)の増加分を「β1」1、グリーン(G)およびブルー(B)の減少分を「α1」とした場合に、次の式(16)が成り立つ。
L0=Kr×R0+Kg×G0+Kb×B0
=Kr×(R0+β1)+Kg×(G0−α1)+Kb×(B0−α1)………(16)
この式(16)から、次の関係式(17)が満たされる必要があることがわかる。
Kr×β1+Kg×(−α1)+Kb×(−α1)=0 ……………(17)
この関係式(17)から、「β1」が「α1」の(Kg+Kb)/Kr倍であれば良いことが分かる。なお、ここで、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合には、「β1」は、「α1」の4倍となる。ここで、増減するRGBの各値の合計は、「β1+α1=(1+(Kg+Kb)/Kr)×α1=5×α1」となる。
一方、グリーン(G)の方向に色相を変化させる場合も同様に、グリーン(G)の増加分を「β2」、レッド(R)およびブルー(B)の減少分を「α2」とし、レッド(R)の場合と同様に、明度を一定にするためには、次の関係式(18)が満たされる必要がある。
Kr×(−α2)+Kg×β2+Kb×(−α2)=0 ……………(18)
この関係式(18)から、「β2」が「α2」の(Kr+Kb)/Kg倍であれば良いことが分かる。ここで、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合には、「β2」は、「α2」の3/2倍となる。ここで、増減するRGBの各値の合計は、「β2+α2=(1+Kg/(Kr+Kb))×α2=5/2×α2」となる。
一方、ブルー(B)の方向に色相を変化させる場合も同様に、ブルー(B)の増加分を「β3」、レッド(R)およびグリーン(G)の減少分を「α3」とし、同様に、明度を一定にするためには、次の関係式(19)が満たされる必要がある。
Kr×(−α3)+Kg×(−α3)+Kb×β3=0 ……………(19)
この関係式(19)から、「β3」が「α3」の(Kr+Kg)/Kb倍であれば良いことが分かる。ここで、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合には、「β3」は、「α3」の4倍となる。ここで、増減するRGBの各値の合計は、「β3+α3=1+(Kr+Kg)/Kb×α3=5×α3」となる。
レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各方向についての値の変化、即ち増減するRGBの値の合計を揃えるためには、「β1+α1」と、「β2+α2」と、「β3+α3」との各値を一致させればよい。すなわち、次の関係式(20)が成り立つようなα1、α2、α3の関係とすれば、変化量が揃った各色の方向への色相の変化をさせることができる。
(1+(Kg+Kb)/Kr)×α1
=(1+Kg/(Kr+Kb))×α2
=(1+(Kr+Kg)/Kb)×α3 ……………(20)
ここで、α1と、α2と、α3との関係は、係数Kr、Kg、Kbにより求められる。そして、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合には、「5×α1=5/2×α2=5×α3」から、「α1=α3、α2=2×α1」とすればよいことがわかる。
なお、以下の説明においては、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合を例にして説明するが、Kr、Kg、Kbがこれらとは異なる値である場合であっても、同様の計算方法により求めることが可能である。
Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合に、レッド(R)の方向へと色相が変化する場合のRGB値は、「R=R0+4×α1、G=G0−α1、B=B0−α1」となる。また、グリーン(G)の方向へと色相が変化する場合のRGB値は、「R=R0−3×α1、G=G0+2×α1、B=B0−3×α1」となる。また、ブルー(B)の方向へと色相が変化する場合のRGB値は、「R=R0−α1、G=G0−α1、B=B0+4×α1」となる。
一方、シアン(C)の方向へと色相が変化する場合のRGB値は、増減を逆にして、「R=R0−4×α1、G=G0+α1、B=B0+α1」となる。また、マゼンダ(M)の方向へと色相が変化する場合のRGB値は、「R=R0+3×α1、G=G0−2×α1、B=B0+3×α1」となる。また、イエロー(Y)の方向へと色相が変化する場合のRGB値は、「R=R0+α1、G=G0+α1、B=B0−4×α1」となる。
このようにして、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向へと色相がそれぞれ異なる各選択色パッチ188の色を設定する。これによって、次の事項i)、ii)を実現することができる。
i)明度を略一定に保った状態で各方向に色相が変化すること。
ii)中心色(指定色パッチ186の色)に対して反対側にある調整をそれぞれ行うと、ほぼ調整前の中心色になること。
(2)RGB値が小さい場合または大きい場合の対処方法
色相の変化は、レッド(R):グリーン(G):ブルー(B)の各色の比率の変化である。この比率を変化させる簡単な方法として、RGBの各値を定数倍とする方法がある。すなわち、例えば、ブルー(B)を小さくする場合、Bの値を0.95倍するといったことが考えられる。しかしながら、本実施形態のように、RGBの各色の値がそれぞれ8ビット(0〜255の整数)で表されている場合、例えば、中心となる指定色パッチ186の色のブルー(B)の値が10未満であったときに、これを0.95倍にして四捨五入して整数として求めると、変化が起こらないことになる。つまり、ブルー(B)の値を例えば「9」とすると、9×0.95=8.55となり、小数点以下を四捨五入して整数とすると、「9」となり、変化しないことになる。このように変化が起こらない条件があると、ユーザが調整操作を何度繰り返しても調整されないという不具合が発生することになる。
また、明度の低い色で色相の変化を適切なものにすると、RGBの値が大きい明度の高い色では色相の変化が小さくなり、良好な調整が行えない状態となる。すなわち、例えば、色相のカラーパレット182において、ブルー(B)の方向に変化した選択色パッチ188のブルー(B)の値を1だけ大きくする形で求めるとする。中心色(指定色パッチ186の色)のブルー(B)の値が「10」ならば、選択色パッチ188のブルー(B)の値は、「10+1」で「11」となり、11/10=1.1倍となって、10%の変化となる。しかし、中心色(指定色パッチ186の色)のブルー(B)の値が「200」の場合は、「200+1=201」となり、201/200=1.005倍となって、0.5%の変化でしかないことになる。このように0.5%の変化では、色相の変化が十分に認識できるものにはならず、快適な調整を実現することができない。
そこで、本実施形態では、次のような方法によりこのような不具合が発生しないように防止する。以下にその方法について詳しく説明する。
前述したように、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向へと色相がそれぞれ異なる各選択色パッチ188の色、即ちRGB値は、中心色(指定色パッチ186の色)のRGBの各値への増減として表すことができる。ここで、各選択色パッチ188のRGB値の増減値を表わすための係数を「K1」とすると、各選択色パッチ188のRGB値は、次の式(21)により表わすことができる。
(各選択色パッチのRGB値)=(指定色パッチのRGB値)+K1×α1
……………(21)
ここで、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合、「K1」は、図21に示すような値となる。
そして、本実施形態では、前述した不具合の発生を防止するために、RGBの値が大きい場合に、中心色(指定色パッチ186の色)のRGB値に対して適切な大きさの変化量が得られるようにしている。ここでは、中心色(指定色パッチ186の色)の明度(L0)を用いることによって、RGBの値が大きい場合に、中心色(指定色パッチ186の色)のRGB値に対してその変化量が大きくなるように「α1」の値を設定している。このような設定を行うことで、前述した不具合の防止が可能である。「α1」の値を求める式(22)を以下に示す。
α1=K2×L0 ……………(22)
ここで、「K2」は係数である。これにより、中心色(指定色パッチ186の色)のRGB値に対しての変化量は、「K1×K2×L0」となる。例えば、レッド(R)の方向についての「K1」のRの値は、K1=4である。このことから、明度(L0)=100の場合には、変化量は400×K2となる。この条件で微調整を含めて適切な変化となる値を4程度と考えると、K2=4/400=0.01とすれば良いことになる。
一方、明度が低い場合、即ちRGBの各値が小さい場合にも、表される数値に確実な変化が得られるようにするために、K1×α1の絶対値が表示される最小単位である1以上を保つことが必要である。これについては、以下の関係式(23)、(24)が満たされればよい。
<計算結果の小数点以下を切り捨てる場合>
α1≧(1/K1) ……………(23)
<計算結果の小数点以下を四捨五入する場合>
α1≧(0.5/K1) ……………(24)
図21にて示すように、Kr=0.2、Kg=0.6、Kb=0.2とした場合は、K1の絶対値の最小値は「1」である。このため、計算結果の小数点以下を切り捨てる場合には、「α1」が「1」以上であれば良く、また、計算上で四捨五入が行われるのであれば「0.5」以上であれば良いことになる。本実施形態では、計算結果の小数点以下を四捨五入しているため、上述のように「α1=K2×L0」を求めた後、「α1」が0.5未満であれば、「α1=0.5」としている。
以上のことから、次の事項iii)を実現することができる。
iii)RGBの各値が小さくても確実に変化し、RGBの各値が大きい場合も適切な変化が得られること。
(3)カラーパレットの内側と外側とで色相の変化量を異ならせる。
以上の計算は、色相のカラーパレット182の指定色パッチ186に隣接する、最も内側の各方向の選択色パッチ188(図14中、選択色パッチY1、R1、M1、B1、C1、G1)に適用される。ここで、色相のカラーパレット182は、指定色パッチ186に隣接する6つの選択色パッチ188だけで構成されることも可能であるが、図14にて説明したように、これら以外に、複数段階の選択色パッチ188(図14中、選択色パッチY2、Y3、R2、R3、M2、M3、B2、B3、C2、C3、G2、G3)があることで色調整が容易となり、特に外側の選択色パッチ188で大きな色相の変化であることが、調整を容易にして色の変化を分かり易くする上で望ましい。
そこで、本実施形態では、指定色パッチの外側に3段階の色相の選択色パッチ188を設けてある。そして、これら3段階の色相の選択色パッチ188は、その外側に位置するものほど、色相の変化が大きくなるように色が設定されている。
外側に位置するほど色相の変化が大きくなるようにするためには、本実施形態のようにRGBの各値の増減で計算をしている場合、その増減する変化量に倍率を乗算することで実現できる。次の式(25)〜(27)は、各選択色パッチ188のRGBの各値の計算方法の一例を説明したものである。
<指定色パッチに隣接する選択色パッチ>
(選択色パッチの値)=(中心色の値)+K1×α1 ……………(25)
<指定色パッチから外側に2番目の選択色パッチ>
(選択色パッチの値)=(中心色の値)+K1×α1×m ……………(26)
<指定色パッチから外側に3番目の選択色パッチ>
(選択色パッチの値)=(中心色の値)+K1×α1×n ……………(27)
ここで、m>2、n>3とすれば、外側に位置するパッチほど、大きな色相の変化が得られる。
本実施形態では、m=3、n=6とすることで外側ほど変化量を大きくしている。これによって、指定色パッチ186に隣接する選択色パッチ188の色相の変化を微調整に適した小さなものとしながら、比較的大きな色相の調整も可能とすることができる。また、全体的な色の変化をわかりやすいものとすることができる。なお、本実施形態では、指定色パッチ186から外側へ3つの選択色パッチ188を並べて設けているが、さらに多くの選択色パッチ188を並べて配置しても良い。この場合も、同様の計算方法が可能である。色相の分かりやすさや操作性の向上から指定色パッチ186から外側に並べる選択色パッチ188の数は、2から6程度にすること好ましい。
このようなことから、次の事項iv)を実現することができる。
iv)外側に複数並んだパッチを備え、外側になるほど色相の変化量が大きくなること。
(4)中間の選択色パッチの色の設定方法
本実施形態の色相のカラーパレット184において、指定色パッチ186から外側に2番目、3番目のパッチについて、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向の中間にも、選択色パッチ188(図14中、選択色パッチYR1、YR2、YR3、RM1、RM2、RM3、BM1,BM2、BM3、CB1、CB2、CB3、GC1、GC2、GC3、YG1、YG2、YG3)を配置している。この部分に何も表示しないことも可能であるが、この部分にも選択色パッチ188を配置したほうが色相の変化がわかりやすくなる。これらの中間に位置する選択色パッチ188のRGBの各値については、その選択色パッチの両側に存在する6方向の選択色パッチ、即ち、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色の方向へと色相がそれぞれ異なる選択色パッチ188の中間値とすることで滑らかに色相が円周方向に変化する状態が得られる。指定色パッチ186から外側に2番目の中間に位置する選択色パッチ188(図14中、選択色パッチYR1、RM1、BM1,CB1、GC1、YG1)のRGB値は、次の式(28)〜(30)により得ることができる。なお、ここで、『Ri』、『Gi』、『Bi』および『Rj』、『Gj』、『Bj』は、両隣に位置する選択色パッチ188(図14中、選択色パッチY2、R2、M2、B2、C2、G2)のRGB値である。
R=(Ri+Rj)/2 ……………(28)
G=(Gi+Gj)/2 ……………(29)
B=(Bi+Bj)/2 ……………(30)
また、指定色パッチ186から外側に3番目の中間に位置する選択色パッチ188(図14中、選択色パッチYR2、YR3、RM2、RM3、BM2、BM3、CB2、CB3、GC2、GC3、YG2、YG3)のRGB値は、次の式(31)〜(33)により得ることができる。なお、ここで、『Rh』、『Gh』、『Bh』および『Rk』、『Gk』、『Bk』は、指定色パッチ186から外側に3番目の中間に位置する選択色パッチ188の両側に位置する選択色パッチ188(図14中、選択色パッチY3、R3、M3、B3、C3、G3)のRGB値である。このうち、『Rh』、『Gh』、『Bh』は、近い側の隣接する選択色パッチ188のRGBの各値である。また、『Rk』、『Gk』、『Bk』は、離れた側の選択色パッチ188のRGB値である。
R=Rh×2/3+Rk/3 ……………(31)
G=Gh×2/3+Gk/3 ……………(32)
B=Bh×2/3+Bk/3 ……………(33)
これらの式(28)〜(33)によって、次の事項v)のことが実現することができる。
v)各色6方向の外側にある選択色パッチ188の中間にも、適切な色相の選択色パッチ188が配置されること。
(5)補足事項
得られた数値は最終的に整数として設定されるため、本実施形態では、少数点以下は四捨五入される。なお、RGB値に0未満のものがあれば「0」とし、255を超えるものがあれば「255」とする。0未満や255を超える数値は、本実施形態のRGB各色を8ビット(0〜255の整数)で表す前提では扱うことができないためである。
また、ここでは、RGBの各色を8ビット(例えば、0〜255の整数)にて表わす場合を例にして説明したが、他のビット数、例えば、16ビット(0〜65535の整数)等にてRGBの各色を表わすようにしても良い。
===明度のカラーパレットの表示方法===
ここで、明度のカラーパレット184の表示方法について詳細に説明する。明度のカラーパレット184の各選択色パッチ192は、本実施形態では、図15にて説明したように、指定色パッチ190の色に対して明るくなる方向および暗くなる方向に明度が変化するように設定される。
(1)色相の均一化
この明度のカラーパレット184では、色相のカラーパレット182とは反対に、色相が一定となるように、各選択色パッチ192のRGB値が設定されている。これによって、意図する調整が容易となる。また、明度を高める方向に1回調整した後、明度を低める方向に1回調整すれば操作をする前と略同じ色に戻ることが望ましい。このようにすることで、容易に調整のやり直しが行え、好みの色合いへの調整が容易にすることができる。
色相を保持するには、レッド(R):グリーン(G):ブルー(B)の比が一定に保たれればよく、レッド(R):グリーン(G):ブルー(B)の比を一定に保持したまま変化させるためには、それぞれを定数倍すればよい。
ここで、明度を上げる方向では、RGBの各値を3色とも定数『K3』で乗算することを基本とする。明度を下げる方向では、その逆に定数『K3』で除算する。つまり、1/K3倍する。
このことから、次の事項i)、ii)を実現することができる。
i)色相を略一定に保った状態で明度が変化すること。
ii)中心色に対して反対側にある調整をそれぞれ行うと、ほぼ調整前の中心色になること。
(2)RGB値が小さい場合または大きい場合の対処方法
しかしながら、前述した色相のカラーパレット182の場合と同様に、定数倍する方法では、変化させる前のRGB値が小さかった場合、変化が全く起こらない場合が発生することがある。変化が起こらない条件があると、ユーザが調整操作を何度繰り返しても適切な調整結果にならないという不具合となる。
そこで、定数倍する前に定数『δ』を加え、定数倍後に『δ』を減じる処理を行う。すなわち、変化前のRGBの値を『R』、『G』、『B』、変化後のRGBの値を『R''』、『G''』、『B''』とすると、明度を高める側への一段の変化では、次の式(34)〜(36)により求めることができる。
R''=(R+δ)×K3−δ ……………(34)
G''=(G+δ)×K3−δ ……………(35)
B''=(B+δ)×K3−δ ……………(36)
一方、明度を低める側への一段の変化では、次の式(37)〜(39)により求めることができる。
R''=(R+δ)/K3−δ ……………(37)
G''=(G+δ)/K3−δ ……………(38)
B''=(B+δ)/K3−δ ……………(39)
ここで、『δ』はRGBの値が低くても上記変換により値の変化を確保するために、定数『K3』の値と関連して与えられる定数である。RGBの値に「0」のものがあっても四捨五入により値が変化するための条件は、「δ×K3−δ≧0.5」となることから、「δ≧0.5/(K3−1)」により求められる。
ここで、『K3』の値は、明度の変化が数%レベルで微調整できるために、1.01〜1.05であることが望ましく、実施例では「K3=1.02」としている。その場合の『δ』の条件は、「δ≧25」であることから、「δ=25」としている。
なお、明度のカラーパレット184の選択色パッチ192が複数並んでいることへの対応は、一段毎に上記式による変換を繰り返せばよい。
また、前述した色相のカラーパレット182では、外側の選択色パッチ188ほど色相の変化量が大きくなるように設定していたが、明度の変化は色相の変化に比較して分かり易いため、特に外側ほど変化を大きくする必要はない。なお、もちろん明度のカラーパレット184の選択色パッチ192においても外側ほど変化を大きくすることは可能である。
これによって、次の事項iii)を実現することができる。
iii)RGBの値が小さくても確実に変化すること。
なお、ここでは、RGBの各色を8ビット(例えば、0〜255の整数)にて表わす場合を例にして説明したが、他のビット数、例えば、16ビット(0〜65535の整数)等にてRGBの各色を表わすようにしても良い。
===他の実施の形態<その1>===
前述した実施形態では、ユーザが指定した画素に対して、ユーザが所望の色を指定するために、「編集用パレット」として、カラーパレット182、184が表示されていたが、ここでいう「編集用パレット」が使用される場合としては、必ずしもこのようにユーザが指定した画素に対して、ユーザが所望の色を指定するために使用される場合に限られることはない。すなわち、ユーザが指定した画素に対してユーザが所望の色を指定する目的以外の他の目的で、「編集用パレット」として、カラーパレット182、184が表示されても良い。
また、前述した実施形態では、「編集用パレット」として、2種類のカラーパレット、即ち色相のカラーパレット182および明度のカラーパレット184が表示されていたが、ここでいう「編集用パレット」としては、必ずしもこのように2種類のカラーパレット182、184が表示される必要はない。すなわち、「編集用パレット」としては、色相のカラーパレット182および明度のカラーパレット184のうちのどちらか一方のみが表示されても良い。
また、色相のカラーパレット182としては、必ずしも前述したように、イエロー(Y)、レッド(R)、マゼンダ(M)、ブルー(B)、シアン(C)およびグリーン(G)の各色へと色相が変化するように選択色パッチ188(第2パッチ)が設けられている必要はなく、色相が変化するように選択色パッチ188(第2パッチ)が設けられていれば、どのような形態であっても構わない。また、前述した実施形態では、指定色パッチ186(第1パッチ)を中心にその周囲を取り囲むように選択色パッチ188(第2パッチ)が配置されていたが、必ずしもこのような形にて配置される必要はない。
また、明度のカラーパレット184としては、必ずしも前述したように、明るい方向および暗い方向にそれぞれ明度が変化する複数種類の選択色パッチ192(第2パッチ)が設けられている必要はなく、明るい方向および暗い方向のどちらか一方に明度が変化する複数種類の選択色パッチ192(第2パッチ)が設けられていても良い。もちろん、明度が変化するように選択色パッチ192(第2パッチ)が設けられていれば、どのような形態であっても構わない。また、前述した実施形態では、指定色パッチ190(第1パッチ)を中心にその上下方向に直線状に選択色パッチ192(第2パッチ)が配置されていたが、必ずしもこのような形にて配置される必要はない。
また、前述した実施形態では、「編集用パレット」として、色相のカラーパレット182および明度のカラーパレット184が、編集対象となる画像が表示されるプレビューウィンドウ170と同じ表示装置24の画面上に表示されていたが、ここでいう「編集用パレット」にあっては、必ずしもこのように編集対象となる画像が表示される画面上に表示される必要はない。すなわち、ここでいう「編集用パレット」は、編集対象となる画像が表示される画面とは異なる画面、即ち例えば、編集対象となる画像が表示される表示装置とは異なる表示装置に表示されても良い。
また、前述した実施形態では、ユーザにより指定された画素が、カラーパレット182、184を通じてユーザにより指定された色になるように、ヒストグラム調整を変更することによって、編集対象の画像の全体の色を調整していたが、必ずしもこのような画像全体の色の調整が行われる必要はない。またさらに、画像全体の色の調整が行われる場合であっても、必ずしもヒストグラム調整を変更することによって色の調整が行われる必要はない。すなわち、他の調整要素、濃度補正やイメージ調整などの変更によって画像全体の色の調整が行われても良い。
また、前述した実施の形態では、画像読み取り装置10により読み取られた画像等の入力画像に対して各種調整(補正)を施す順序としては、前述したような<ヒストグラム調整>→<イメージ調整(彩度除く)>→<濃度補正>→<イメージ調整(彩度)>の順にて実行したが、入力画像に対して実行する各種調整(補正)等の順序としては、これらの順序を除く他の順序であっても構わない。すなわち、例えば、<イメージ調整(彩度除く)>→<イメージ調整(彩度)>の順にて行っても良く、また、<濃度補正>→<ヒストグラム調整>→<イメージ調整(彩度除く)>→<イメージ調整(彩度)>の順にて行っても良い。
===他の実施の形態<その2>===
以上、一実施形態に基づき、画像読み取り装置を備えた画像読み取りシステムに適用した場合を例にして説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<画像について>
前述した実施の形態では、「画像」として、画像読み取り装置10により原稿15から読み取られた画像を例にして説明したが、ここでいう「画像」としては、このような画像読み取り装置10により原稿15から読み取られた画像には限られない。すなわち、ユーザにより編集される画像であれば、どのような画像もここでいう「画像」に該当する。
<画像表示部について>
前述した実施の形態では、「画像表示部」として、表示装置24の場合を例にして説明したが、ここでいう「画像表示部」にあっては、このような表示装置24以外に、編集対象の画像を表示する「画像表示部」であれば、どのような「画像表示部」であっても構わない。
<画素について>
前述した実施の形態では、「画素」として、編集対象の画像上から任意に指定された1つの画素を例にして説明したが、ここでいう「画素」にあっては、このように任意に指定された1つの画素に限られず、例えば、編集対象の画像上において領域が特定されて複数の画素が指定されたり、ユーザにより任意に2箇所以上から画素が指定されても良い。
<情報取得部について>
前述した実施の形態では、「情報取得部」として、コンピュータ装置20の内部の操作入力部86を例にして説明したが、ここでいう「情報取得部」にあっては、必ずしもこのように操作入力部86に限定される必要はなく、ユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する「情報取得部」であれば、どのようなタイプの「情報取得部」であっても構わない。
<第1パッチについて>
前述した実施形態では、「第1パッチ」として、複数種類の色の選択色パッチ188、192の中の中央に配置された指定色パッチ186、190を例にして説明したが、ここでいう「第1パッチ」としては、必ずしもこのような形態にて編集用パレット(色相のカラーパレット182、明度のカラーパレット184)上に設けられる必要はない。
また、前述した実施形態では、「第1パッチ」として、正六角形形状をなす指定色パッチ186、190が設けられていたが、ここでいう「第1パッチ」としては、必ずしもこのような形態にて編集用パレット(色相のカラーパレット182、明度のカラーパレット184)上に設けられる必要はない。
<第2パッチについて>
前述した実施形態では、「第2パッチ」として、指定色パッチ186を中央にしてその周囲に取り囲むように配置された複数種類の色の選択色パッチ188と、指定色パッチ186を中央に直線状に配置された複数種類の色の選択色パッチ192とを例にして説明したが、ここでいう「第2パッチ」としては、必ずしもこのような形態にて編集用パレット(色相のカラーパレット182、明度のカラーパレット184)上に設けられる必要はない。
また、前述した実施形態では、「第2パッチ」として、正六角形形状をなす選択色パッチ188、196が設けられていたが、ここでいう「第2パッチ」としては、必ずしもこのような形態にて編集用パレット(色相のカラーパレット182、明度のカラーパレット184)上に設けられる必要はない。
<編集用パレットについて>
前述した実施形態では、「編集用パレット」として、2つのカラーパレット182、184が、カラーパレット調整のダイアログボックス180に表示されていが、ここでいう「編集用パレット」にあっては、このようにカラーパレット調整のダイアログボックス180に表示される場合のみには限られない。すなわち、ユーザにより指定された画素の色と同じ色の第1パッチと、第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する「編集用パレット」であれば、どのような形態にて表示されても構わない。
<パレット表示制御部について>
前述した実施形態では、「パレット表示制御部」として、コンピュータ本体22の表示制御部88を例にして説明したが、ここでいう「パレット表示制御部」にあっては必ずしもこのようなコンピュータ本体22の表示制御部88には限らない。前述した実施形態では、「編集用パレット」として2つのカラーパレット182、184が、編集対象となる画像が表示される表示装置24に表示される関係で、コンピュータ本体22の表示制御部88によって表示されていたが、「編集用パレット」が、編集対象の画像が表示される表示装置24とは異なる表示部に表示されるのであれば、コンピュータ本体22の表示制御部88とは別の「パレット表示制御部」を備えていても良い。
画像読み取りシステムの一実施形態の説明図。 画像読み取り装置の内部構成の一例の説明図。 画像読み取り装置のシステム構成の一例の説明図。 コンピュータ本体のシステム構成の一例の説明図。 スキャナドライバのメインのダイアログボックスの一例の説明図。 ヒストグラム調整のダイアログボックスの一例の説明図。 トーンカーブの規定方法についての説明図。 濃度補正のダイアログボックスの一例の説明図。 イメージ調整のダイアログボックスの一例の説明図。 ヒストグラム調整により設定されるデータの説明図。 濃度補正により設定されるデータの説明図。 イメージ調整により設定されるデータの説明図。 画像の調整手順の一例の説明図。 画像読み取り手順の一例の説明図。 編集対象の画像を表示するプレビューウィンドウの一例の説明図。 カラーパレット調整のダイアログボックスの一例の説明図。 色相のカラーパレットの一例の説明図。 明度のカラーパレットの一例の説明図。 カラーパレット調整の概要についての説明図。 ヒストグラム調整の適切な変更量の求める手順の一例の説明図。 ヒストグラム調整の適切な変更量を求める方法の一例の説明図。 ヒストグラム調整の変更量を具体的に演算により求める方法の一例の説明図。 色相のカラーパレットにおけるRGB各色の値の調整方法の説明図。 Kr、KgおよびKbが所定の値の場合の「K1」の値の説明図。
符号の説明
2 画像読み取りシステム、10 画像読み取り装置、12 原稿台、
14 原稿台カバー、15 原稿、18 ヒンジ部、20 コンピュータ装置、
22 コンピュータ本体、24 表示装置、26 入力装置、
28 FDドライブ装置、30 CD−ROMドライブ装置、
32 読み取り装置、34 キーボード、36 マウス、
40 キャリッジ、42 駆動機構、44 ガイド、46 露光ランプ、
48 レンズ、50 イメージセンサ、52 制御部、54 タイミングベルト、
55 プーリ、56 プーリ、58 駆動モータ、60 コントローラ、
62 モータ制御部、64 ランプ制御部、66 センサ制御部、
68 AFE(Analog Front End)部、70 デジタル処理回路、
72 インターフェイス回路、74 アナログ信号処理回路、76 A/D変換回路、
80 CPU、82 メモリ、84 HDD(ハードディスクドライブ装置)、
86 操作入力部、88 表示制御部、90 外部通信部、92 バス、
100 ダイアログボックス、102 『モード選択欄』、104 『設定保存』、
106 『原稿設定欄』、108 『出力設定欄』、110 『調整欄』、
112 「原稿種」、114 「読み込み装置」、116 「自動露出」、
118 「イメージタイプ」、120 「解像度」、122 「原稿サイズ」、
124 「出力サイズ」、126 「スキャンボタン」、
127 「プレビューボタン」、
128A ボタン、128B ボタン、128C ボタン、128D ボタン、
128E ボタン、130A チェックボックス、130B チェックボックス、
130C チェックボックス、130D チェックボックス、
130E チェックボックス、131 ダイアログボックス、
132 ヒストグラム表示欄、134 トーンカーブ表示欄、
136 グレーバランス調整欄、138 チャンネル欄、
140A スライダー、140B スライダー、140C スライダー、
142A 数値入力欄、142B 数値入力欄、142C 数値入力欄、
143A スポイトボタン、143B スポイトボタン、143C スポイトボタン、
144A 端部カーブ形状変更ボタン、144B 端部カーブ形状変更ボタン、
145 スライダー、150 ダイアログボックス、152 トーンカーブ表示部、
154 チャンネル欄、156A 数値入力欄、156B 数値入力欄、
158 濃度補正設定保存欄、160 ダイアログボックス、
162A スライダー、162B スライダー、162C スライダー、
162D スライダー、162E スライダー、162F スライダー、
164A 数値入力欄、164B 数値入力欄、164C 数値入力欄、
164D 数値入力欄、164E 数値入力欄、164F 数値入力欄、
170 プレビューウィンドウ、172 プレビュー領域、174 操作領域、
176 ポインタ、180 ダイアログボックス、182 カラーパレット、
184 カラーパレット、186 指定色パッチ、188 選択色パッチ、
190 指定色パッチ、192 選択色パッチ、194A 数値入力欄、
194B 数値入力欄、194C 数値入力欄、195A スポイトボタン、
195B スポイトボタン、196 色保存欄、197A 適用ボタン、
197B 保存ボタン、198 色保存ボックス

Claims (20)

  1. (A)編集対象となる画像が表示される画像表示部と、
    (B)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
    (C)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
    (D)を備えたことを特徴とする画像編集装置。
  2. 前記複数種類の色の第2パッチは、相互に隣接して前記編集用パレット上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像編集装置。
  3. 前記第1パッチは、前記複数種類の色の第2パッチのうちの少なくとも1つに隣接して前記編集用パレット上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像編集装置。
  4. 前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの明度が相互に等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  5. 前記第1パッチの色に対する前記第2パッチの色相の変化量が、前記第1パッチの明度に応じて異なることを特徴とする請求項4に記載の画像編集装置。
  6. 前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチの間の色相の変化量が異なることを特徴とする請求項4または5に記載の画像編集装置。
  7. 前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心としてその周囲に配置されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  8. 前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの色相が相互に等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  9. 前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心に直線状に配置されることを特徴とする請求項8に記載の画像編集装置。
  10. 前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの各色の方向にそれぞれ色相が段階的に異なるパッチが設けられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  11. 前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの中から選択される2種類の色の方向に色相が異なるパッチが設けられることを特徴とする請求項10に記載の画像編集装置。
  12. 前記編集用パレットには、前記複数種類の色の第2パッチの中からユーザにより指定されたパッチの色を記録しておくための色保存領域が設けられていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  13. 前記色保存領域には、ユーザにより指定された前記パッチの色を複数種類記録することができることを特徴とする請求項12に記載の画像編集装置。
  14. 前記パレット表示制御部は、前記複数種類の色の第2パッチの中の1つがユーザにより選択されたときに、当該選択されたパッチの色のパッチを前記第1パッチとした前記編集用パレットを表示することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  15. 前記パレット表示制御部は、前記編集用パレットを前記画像表示部に表示することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像編集装置。
  16. (A)編集対象となる画像が表示される画像表示部と、
    (B)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
    (C)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
    (D)を備え、
    (E)前記複数種類の色の第2パッチは、相互に隣接して前記編集用パレット上に配置され、
    (F)前記第1パッチは、前記複数種類の色の第2パッチのうちの少なくとも1つに隣接して前記編集用パレット上に配置され、
    (G)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの明度が相互に等しくなるように設定され、
    (H)前記第1パッチの色に対する前記第2パッチの色相の変化量が、前記第1パッチの明度に応じて異なり、
    (I)前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチの間の色相の変化量が異なり、
    (J)前記第1パッチの色に対して色相が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心としてその周囲に配置され、
    (K)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる複数種類のパッチが設けられ、これら複数種類のパッチの色相が相互に等しくなるように設定され、
    (L)前記第1パッチの色に対して明度が段階的に異なる前記複数種類の色の第2パッチは、前記第1パッチを中心に直線状に配置され、
    (M)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの各色の方向にそれぞれ色相が段階的に異なるパッチが設けられ、
    (N)前記編集用パレットには、前記第2パッチとして、前記第1パッチの色に対して、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーの中から選択される2種類の色の方向に色相が異なるパッチが設けられ、
    (O)前記編集用パレットには、前記複数種類の色の第2パッチの中からユーザにより指定されたパッチの色を記録しておくための色保存領域が設けられ、
    (P)前記色保存領域には、ユーザにより指定された前記パッチの色を複数種類記録することができ、
    (Q)前記パレット表示制御部は、前記複数種類の色の第2パッチの中の1つがユーザにより選択されたときに、当該選択されたパッチの色のパッチを前記第1パッチとした前記編集用パレットを表示し、
    (R)前記パレット表示制御部は、前記編集用パレットを前記画像表示部に表示することを特徴とする画像編集装置。
  17. 画像表示部に表示された画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得するステップと、
    取得した画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するステップと、
    を有することを特徴とする画像編集方法。
  18. 画像表示部に表示された画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得するステップと、
    取得した画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するステップと、
    を実行することを特徴とする画像編集プログラム。
  19. (A)原稿から画像を読み取る画像読み取り部と、
    (B)前記画像読み取り部により読み取られた前記画像が表示される画像表示部と、
    (C)前記画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得する情報取得部と、
    (D)前記情報取得部により取得された前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するパレット表示制御部と、
    (E)を備えたことを特徴とする画像読み取りシステム。
  20. 原稿から画像を読み取るステップと、
    読み取った画像を画像表示部に表示するステップと、
    画像表示部に表示された前記画像上においてユーザにより任意に指定された画素に関する情報を取得するステップと、
    取得した前記画素に関する情報に基づき、ユーザにより指定された前記画素の色と同じ色の第1パッチと、前記第1パッチの色に対して色相および明度のうちの少なくともいずれか一方が段階的に異なる複数種類の色の第2パッチとを有する編集用パレットを表示するステップと、
    を有することを特徴とする画像読み取り方法。
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