JP4277866B2 - 逆光画像判定装置、逆光画像判定方法、逆光画像判定プログラム、逆光画像補正装置、逆光画像補正方法、画像読み取り装置、画像読み取り方法、および印刷装置 - Google Patents

逆光画像判定装置、逆光画像判定方法、逆光画像判定プログラム、逆光画像補正装置、逆光画像補正方法、画像読み取り装置、画像読み取り方法、および印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、逆光画像判定装置、逆光画像判定方法、逆光画像判定プログラム、逆光画像補正装置、逆光画像補正方法、画像読み取り装置、画像読み取り方法、および印刷装置に関する。
イメージスキャナ等をはじめとする各種画像読み取り装置は、一般に、パーソナルコンピュータ等のいわゆるコンピュータ装置に有線または無線等により接続されて、原稿から読み取った画像を画像データとしてコンピュータ装置に送信する。コンピュータ装置は、画像読み取り装置から送信された画像データを受信して各種メモリやハードディスク装置等のデータ記憶装置に記憶する。この際に、コンピュータ装置では、画像読み取り装置から送られてきた画像データに対して各種調整処理が施される。
ここで施される調整処理としては、例えば、画像の明暗を調整するヒストグラム調整や、画像の濃淡の表現を部分的に変更する濃度補正等がある。これらの調整は、コンピュータ装置にインストールされている画像読み取り装置のドライバプログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラムによって自動的に実行されたり、またユーザ等により実行されたりする。また、この他、逆光画像を補正する調整などがある。この逆光補正の方法としては、種々の方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開平10−79885号公報 特開2004−56416号公報 特開2000−134467号公報
しかしながら、ここで提案されている方法において開示されている逆光画像の判定方法にあっては、判定対象となる画像が逆光ではない場合であっても逆光画像であると判定してしまう場合があった。このため、判定対象となる画像が逆光画像ではないにもかかわらず、逆光画像であると判定してしまって、逆光補正を施してしまうことがあった。これにより、判定対象となる画像が本来持っている画質等が損なわれてしまう虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができるようにすることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域の上限値を各色別に取得する属性情報取得部と、
(C)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(D)を備えたことを特徴とする逆光画像判定装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を各色別に取得する属性情報取得部と、
(C)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(D)を備えたことを特徴とする逆光画像判定装置。
このような逆光画像判定装置にあっては、判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき生成された各色別のヒストグラムのデータに基づき、各色別のヒストグラムにより表される領域を濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ第1小領域よりも濃度値が大きくかつ第1小領域に隣接していない小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を各色別に取得して、これらの属性情報に基づき、判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定することで、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
かかる逆光画像判定装置にあっては、前記各色別のヒストグラムデータとして、レッド、グリーンおよびブルーの各色のヒストグラムデータが前記ヒストグラムデータ生成部により生成されても良い。このように各色別のヒストグラムデータとして、レッド、グリーンおよびブルーの各色のヒストグラムデータが生成されれば、判定対象となる画像を構成する画素のデータとして、レッド、グリーンおよびブルーの各色の濃度値のデータを有している場合に、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記3つ以上の小領域には、相互に面積が等しい2つ以上の小領域が含まれても良い。このように3つ以上の小領域に、相互に面積が等しい2つ以上の小領域が含まれれば、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記3つ以上の小領域には、前記画素の数が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれても良い。このように3つ以上の小領域に、前記画素の数が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれれば、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記3つ以上の小領域には、前記画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれ、前記第1小領域は、前記2つ以上の小領域の中で前記濃度値が最も小さい前記小領域であっても良い。このように第1小領域が、画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域の中で濃度値が最も小さい小領域であることで、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記3つ以上の小領域には、前記画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれ、前記第2小領域は、前記2つ以上の小領域の中で前記濃度値が最も大きい前記小領域であっても良い。このように第2小領域が、画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域の中で濃度値が最も大きい小領域であることで、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記属性情報取得部は、前記第1小領域または前記第2小領域の前記属性情報として、前記第1小領域または前記第2小領域の前記濃度値の上限値を取得しても良い。このように第1小領域または第2小領域の属性情報として、第1小領域または第2小領域の濃度値の上限値を取得すれば、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記判定部は、各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報と、各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報とを比較した結果に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定しても良い。このように各色別の第1小領域に関する属性情報と、各色別の第2小領域に関する属性情報とを比較した結果に基づき、判定部が逆光画像か否かを判定することで、より簡単に判定対象となる画像が逆光画像であるか否かを判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記判定部は、各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値と、各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定しても良い。このように各色別の第1小領域に関する属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値と、各色別の第2小領域に関する属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値とを比較することで、より簡単に判定対象となる画像が逆光画像であるか否かを判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記判定部は、各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値と、各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値との差分に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定しても良い。このように各色別の第1小領域に関する属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値と、各色別の第2小領域に関する属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値との差分に基づき、判定部が逆光画像か否かを判定することで、より簡単に判定対象となる画像が逆光画像であるか否かを判定することができる。
また、かかる逆光画像判定装置にあっては、前記判定部は、前記差分と所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定しても良い。このように差分と所定のしきい値とを比較して、判定部により判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定することで、より簡単に判定対象となる画像が逆光画像であるか否かを判定することができる。
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を各色別に取得する属性情報取得部と、
(C)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(D)を備え、
(E)前記各色別のヒストグラムデータとして、レッド、グリーンおよびブルーの各色のヒストグラムデータが前記ヒストグラムデータ生成部により生成され、
(F)前記3つ以上の小領域には、前記画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれ、
(G)前記第1小領域は、前記2つ以上の小領域の中で前記濃度値が最も小さい前記小領域であり、前記第2小領域は、前記2つ以上の小領域の中で前記濃度値が最も大きい前記小領域であり、
(H)前記属性情報取得部は、前記第1小領域または前記第2小領域の前記属性情報として、前記第1小領域または前記第2小領域の前記濃度値の上限値を取得し、
(I)前記判定部は、各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報と、各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報とを比較した結果に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定し、
(J)前記判定部は、各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値と、各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報として各色別に取得した値に基づき得られた値との差分を求め、その差分と所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定することを特徴とする逆光画像判定装置。
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わすヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記ヒストグラムのデータに基づき、前記ヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を取得する属性情報取得部と、
(C)前記属性情報取得部により取得された前記第1小領域に関する前記属性情報および前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(D)を備えたことを特徴とする逆光画像判定装置。
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
(B)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
(C)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
(D)前記第1小領域および前記第2小領域に関する属性情報を各色別に取得するステップと、
(E)取得した各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
(F)を有することを特徴とする逆光画像判定方法。
(A)逆光画像判定装置において実行される逆光画像判定プログラムであって、
(B)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
(C)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
(D)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
(E)前記第1小領域および前記第2小領域に関する属性情報を各色別に取得するステップと、
(F)取得した各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
(G)を実行することを特徴とする逆光画像判定プログラム。
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を各色別に取得する属性情報取得部と、
(C)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(D)前記判定部により前記判定対象となる画像が逆光画像であると判定された場合に、前記画像に対して逆光補正処理を施す逆光補正処理部と、
(E)を備えたことを特徴とする逆光画像補正装置。
(A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
(B)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
(C)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
(D)前記第1小領域および前記第2小領域に関する属性情報を各色別に取得するステップと、
(E)取得した各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
(F)前記判定対象となる画像が逆光画像であると判定された場合に、前記画像に対して逆光補正処理を施すステップと、
(F)を有することを特徴とする逆光画像補正方法。
(A)原稿から画像を読み取る画像読み取り部と、
(B)前記画像読み取り部により読み取られた画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(C)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を各色別に取得する属性情報取得部と、
(D)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする画像読み取り装置。
(A)原稿から画像を読み取るステップと、
(B)読み取った画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
(C)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
(D)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
(E)前記第1小領域および前記第2小領域に関する属性情報を各色別に取得するステップと、
(F)取得した各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
(G)を有することを特徴とする画像読み取り方法。
(A)画像を媒体に印刷する印刷部と、
(B)前記印刷部により前記画像が印刷される前に、前記画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
(C)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域に関する属性情報を各色別に取得する属性情報取得部と、
(D)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域に関する前記属性情報および各色別の前記第2小領域に関する前記属性情報に基づき、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
(E)前記判定部により前記画像が逆光画像であると判定された場合に、前記画像に対して逆光補正処理を施す逆光補正処理部と、
(F)を備えたことを特徴とする印刷装置。
===画像読み取りシステム等の概要===
以下に本発明に係る逆光画像判定装置について画像読み取りシステムに適用した場合を例にして説明する。図1〜図4は、逆光画像判定装置が適用された画像読み取りシステムの一実施形態について説明したものである。図1は、画像読み取りシステムの一実施形態を説明したものである。図2は、画像読み取り装置の内部構成の一例を説明する図である。図3は、画像読み取り装置のシステム構成の一例を説明する図である。図4は、コンピュータ装置のシステム構成を説明する図である。
この画像読み取りシステム2は、図1に示すように、画像読み取り装置10と、この画像読み取り装置10に有線または無線等により通信可能に接続されたコンピュータ装置20とを有している。画像読み取り装置10は、図1に示すように、一般にイメージスキャナと呼ばれる装置であり、原稿台12と、この原稿台12の上面部を開閉する原稿台カバー14とを備えている。原稿台12には、画像が読み取られる原稿15がセットされる。また、原稿台カバー14は、原稿台12の後端部にヒンジ部18を介して開閉自在に設けられている。
一方、コンピュータ装置20は、例えば、図1に示すように、コンピュータ本体22と、表示装置24と、入力装置26とを備えている。コンピュータ本体22は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成されている。ここでは、コンピュータ本体22は、FDドライブ装置28やCD−ROMドライブ装置30などの読み取り装置32を内部に備えている。この他に、コンピュータ本体22は、例えば、MO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVDドライブ装置などを備えても良い。また、表示装置24は、CRTディスプレイやプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等など、各種表示装置により構成される。入力装置26は、キーボード34やマウス36などにより構成される。
<画像読み取り装置>
画像読み取り装置10の原稿台12の内部には、図2に示すように、キャリッジ40と、このキャリッジ40を原稿台12に対して所定の間隔を保ちつつ図中矢印A方向に沿って平行に移動させる駆動機構42と、このキャリッジ40を支持しつつその移動を案内するガイド44とが設けられている。
キャリッジ40には、原稿台12を介して原稿15に対し光を照射する光源としての露光ランプ46と、原稿15により反射された反射光が入射するレンズ48と、このレンズ48を通じてキャリッジ40の内部に取り込まれた反射光を受光するイメージセンサ50とが設けられている。イメージセンサ50は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換素子が列状に配置されたリニアCCDセンサ等により構成されている。イメージセンサ50により読み取られた画像のデータは、制御部52に出力される。
また、駆動機構42は、キャリッジ40に接続されたタイミングベルト54と、このタイミングベルト54が掛け渡された一対のプーリ55、56と、一方のプーリ55を回転駆動する駆動モータ58とを備えている。駆動モータ58は、制御部52からの制御信号によって駆動制御される。
制御部52は、図3に示すように、コントローラ60と、モータ制御部62と、ランプ制御部64と、センサ制御部66と、AFE(Analog Front End)部68と、デジタル処理回路70と、インターフェイス回路72とを備えている。さらに、AFE(Analog Front End)部68は、アナログ信号処理回路74と、A/D変換回路76とを備えている。
コントローラ60は、コンピュータ本体22からの命令等に基づき、モータ制御部62やランプ制御部64、センサ制御部66、AFE(Analog Front End)部68、デジタル処理回路70、インターフェイス回路72を制御する。モータ制御部62は、コントローラ60からの命令により、キャリッジ40を移動させるための駆動モータ58の駆動制御を行う。また、ランプ制御部64は、露光ランプ46の発光を制御する。また、センサ制御部66は、イメージセンサ50の制御を行う。
また、AFE(Analog Front End)部68のアナログ信号処理回路74は、イメージセンサ50により読み取られた画像のアナログ信号に対して信号処理を行う。また、AFE(Analog Front End)部68のA/D変換回路76は、アナログ信号処理回路74により信号処理された画像の信号をデジタル信号へとA/D変換する。
デジタル処理回路70は、AFE(Analog Front End)部68のA/D変換回路76から送られてきたデジタル信号に対してデジタル信号処理を施す。ここでは、具体的にシェーディング補正等の補正処理をはじめ、各種画像処理などが施される。デジタル信号処理が施されたデジタル信号は、原稿15から読み取られた画像のデータ(画像データ)としてインターフェイス回路72により外部、即ちここでは当該画像読み取り装置10が接続されたコンピュータ本体22へと出力される。インターフェイス回路72は、この他に、コンピュータ本体22から画像読み取り装置10への命令(コマンド)等を受信するようになっている。
<コンピュータ本体>
コンピュータ本体22は、図4に示すように、CPU80と、メモリ82と、HDD(ハードディスクドライブ装置)84と、操作入力部86と、表示制御部88と、外部通信部90と、バス92とを備えている。この他に、コンピュータ本体22は、先に説明したCD−ROMドライブ装置30とFDドライブ装置28を備えている。CPU80と、メモリ82と、HDD(ハードディスクドライブ装置)84と、CD−ROMドライブ装置30と、FDドライブ装置28と、操作入力部86と、表示制御部88と、外部通信部90とは、バス92を介して相互に通信可能に接続されている。
CPU80は、コンピュータ本体22の全体の制御を行う。メモリ82は、CPU80により実行されるプログラムや、当該プログラムが使用する作業データ等の各種データを記憶するためのものである。HDD(ハードディスクドライブ装置)84は、CPU80にて実行されるオペーレーティングシステム(Operating System:OS)をはじめ、各種アプリケーションプログラムやドライバ等の各種プログラム、その他、画像データなどの各種データが格納されている。操作入力部86は、キーボード34やマウス36等の入力装置26に接続されて、これら入力装置26を通じてユーザにより入力された情報を取得する。また、表示制御部88は、CPU80からの命令に基づき、表示装置24の画面に表示される画像等を制御する。また、外部通信部90は、コンピュータ本体22の外部に接続された画像読み取り装置10をはじめとする各種周辺機器との間で通信を行う。
CPU80は、HDD(ハードディスクドライブ装置)84からプログラムを読み出して、オペーレーティングシステム(Operating System:OS)の下にて各種プログラムを実行する。ここで実行されるプログラムには、各種アプリケーションプログラムをはじめ、画像読み取り装置10や操作入力部86、表示制御部88等を制御するための各種ドライバが含まれている。
画像読み取り装置10を制御するためのドライバは、スキャナドライバと一般的に呼ばれている。このスキャナドライバは、インターネット等の各種通信回線をはじめ、CD−ROM、フロッピーディスク(FD)などの各種記憶媒体等を通じて、コンピュータ本体22にインストールされたプログラムである。このスキャナドライバがコンピュータ本体22にインストールされることによって、コンピュータ本体22は、画像読み取り装置10を制御する制御装置として機能する。
===スキャナドライバ===
次にスキャナドライバのユーザインターフェイスの一例について説明する。図5は、このユーザインターフェイスのメインのダイアログボックス100を示したものである。このユーザインターフェイスは、コンピュータ本体22のCPU80が表示制御部88を通じて表示装置24の表示画面に表示する。ユーザは、表示装置24の表示画面に表示されたユーザインターフェイスのダイアログボックス100を見ながら、キーボード34やマウス36等の入力装置26を通じて、スキャナドライバの各種の設定を行うことができる。
このメインのダイアログボックス100には、『モード選択欄』102と、『設定保存欄』104と、『原稿設定欄』106と、『出力設定欄』108と、『調整欄』110とが設けられている。『モード選択欄』102では、ユーザは、複数種類のモードの中から1つのモードを選択することができるようになっている。ここでは、「プロフェッショナルモード」が選択されている。また、『設定保存欄』104では、ユーザは、「保存ボタン」または「削除ボタン」をクリックすることで、現在の設定を保存したり削除したりすることができる。
また、『原稿設定欄』106では、ユーザは、「原稿種」112や「読み込み装置」114、「自動露出」116の各設定を行うことができる。「原稿種」112では、セットした原稿の種類を選択することができる。例えば、「反射原稿」や「フィルム」等の選択が可能である。また、「読込装置」114では、例えば、「原稿台」等の選択が可能である。また、「自動露出」116では、読み取る原稿の種類に適した露出設定を行うことができる。例えば、「写真向き」や「書類向き」等の選択が可能である。
また、『出力設定欄』108では、ユーザは、画像出力に関する種々の設定を行うことができる。具体的には、この『出力設定欄』108では、出力画像の「イメージタイプ」118や、読み込み時の「解像度」120、読み込み時の「原稿サイズ」122、「出力サイズ」124の各設定が可能である。「イメージタイプ」118では、読み込み画像の色数を、カラー、グレースケール、およびモノクロの3種類の中から選択することができる。「解像度」120では、読み込み画像の解像度を設定することができる。「原稿サイズ」122では、読み込み画像のサイズを設定することができる。
スキャナドライバは、このダイアログボックス100の下部の「スキャンボタン」126がユーザによりクリックされると、このダイアログボックス100を通じてユーザにより設定された情報に基づき、外部の画像読み取り装置10を制御して、画像読み取り装置10にセットされた原稿から画像を読み込む。これにより読み込まれた画像のデータは、コンピュータ本体へと送られてくる。そして、このダイアログボックス100の下部の「プレビューボタン」127がユーザによりクリックされると、スキャナドライバは、画像読み取り装置10により読み取った画像を表示するプレビューウィンドウを表示装置24の表示画面に表示する。
この他に、このスキャナドライバには、画像読み取り装置10により読み取った画像を調整する機能を有している。読み取った画像の調整は、メインのダイアログボックス100の『調整欄』110を通じて行う。この『調整欄』110には、画像読み取り装置10により読み取った画像を調整するために、5つのボタンと、4つのチェックボックスとが設けられている。5つのボタン128A、128B、128C、128D、128Eはそれぞれ、自動露出のボタン128Aと、ヒストグラム調整のボタン128Bと、濃度補正のボタン128Cと、イメージ調整のボタン128Dと、カラーパレット調整のボタン128Eである。また、4つのチェックボックス130A、130B、130C、130Dはそれぞれ、アンシャープマスクフィルタのチェックボックス130Aと、モアレ除去フィルタのチェックボックス130Bと、退色復元のチェックボックス130Cと、ホコリ除去のチェックボックス130Dと、逆光補正のチェックボックス130Eとである。
自動露出のボタン128Aは、露出を自動調整したいときにクリックされるボタンである。また、ヒストグラム調整のボタン128Bは、画像の明暗を調整したりしたい場合にクリックされるボタンである。このヒストグラム調整のボタン128Bがクリックされると、ヒストグラム調整のダイアログボックスが呼び出される。また、濃度補正のボタン128Cは、画像の濃度のバランスを補正したい場合にクリックされるボタンである。この濃度補正のボタン128Cがクリックされると、濃度補正のダイアログボックスが呼び出される。また、イメージ調整のボタン128Dは、画像の明るさ・コントラスト・彩度や、カラーバランスを調整したい場合にクリックされるボタンである。このイメージ調整のボタン128Dがクリックされると、イメージ調整のダイアログボックスが呼び出される。 一方、アンシャープマスクフィルタのチェックボックス130Aは、アンシャープマスクフィルタの使用可否を指示するためのチェックボックスであり、画像をシャープにしたい場合にチェックする。また、モアレ除去フィルタのチェックボックス130Bは、印刷物のスキャンで発生するモアレ(網目状の陰影)を除去するフィルタの使用可否を指示するためのチェックボックスであり、モアレが目立つ場合にチェックする。また、退色復元のチェックボックス130Cは、色あせた写真の色を復元するときにチェックする。また、ホコリ除去のチェックボックス130Dは、フィルムスキャン時にフィルム上のホコリを軽減するときにチェックする。また、逆光補正のチェックボックス130Eは、読み取った画像に対して逆光補正を施したいときにチェックする。この逆光補正については後で詳しく説明する。
===画像調整===
次に画像調整を行うヒストグラム調整、濃度補正、およびイメージ調整について説明する。図6〜図9は、ヒストグラム調整、濃度補正、およびイメージ調整についてそれぞれ説明したものである。図6は、ヒストグラム調整のダイアログボックスを示したものである。図7は、ヒストグラム調整の具体的な調整概要について説明したものである。図8は、濃度補正のダイアログボックスを示したものである。図9は、イメージ調整のダイアログボックスを示したものである。
<ヒストグラム調整>
「ヒストグラム調整」では、画像の明暗等を調整することによって、読み取った画像の見栄えの向上を図る。ヒストグラム調整のダイアログボックス131には、図6に示すように、編集対象となる画像のヒストグラムが表示されるヒストグラム表示欄132と、ヒストグラムにより調整をした結果を表わすトーンカーブが表示されるトーンカーブ表示欄134と、色かぶりを取り除くためのグレーバランスを調整するためのグレーバランス調整欄136とが設けられている。ここで、「ヒストグラム」とは、画像全体の明るさと色の分布を示したものであり、画像の黒から白までのデータ分布(ピクセル数)をグラフで表したものである。
ヒストグラム表示欄132には、表示するヒストグラムの種類(チャンネル(色))を選択するためのチャンネル欄138が設けられている。このチャンネル欄138では、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類から選択することができる。RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色を調整したい場合には、このチャンネル欄138の1番上のスイッチを選択すると、右側にRGB(レッド、グリーン、ブルー)全色のヒストグラムが表示される。また、R(レッド)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄138の上から2番目のスイッチを選択すると、右側にR(レッド)のみのヒストグラムが表示される。また、G(グリーン)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄138の上から3番目のスイッチを選択すると、右側にG(グリーン)のみのヒストグラムが表示される。また、B(ブルー)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄138の上から4番目のスイッチを選択すると、右側にB(ブルー)のみのヒストグラムが表示される。
そして、表示されたヒストグラムを調整する場合には、表示されたヒストグラムの下側に設けられた3つのスライダー140A、140B、140Cを使って調整を行う。3つのスライダー140A、140B、140Cは、それぞれシャドウを調整するスライダー140Aと、ガンマを調整するスライダー140Bと、ハイライトを調整するスライダー140Cとである。シャドウを調整するスライダー140Aは、黒色の三角印『▲』で表されている。ガンマを調整するスライダー140Bは、灰色の三角印で表されている。ハイライトを調整するスライダー140Cは、白色の三角印『△』で表されている。これら3つのスライダー140A、140B、140Cを使って調整を行う場合には、これら3つのスライダー140A、140B、140Cをそれぞれ個別に左右方向に移動させる。具体的には、シャドウを調整するスライダー140Aについては、ヒストグラムの山の左端よりもやや右側に位置するように移動させる。また、ハイライトを調整するスライダー140Cについては、ヒストグラムの山の右端よりもやや左側に位置するように移動させる。ガンマを調整するスライダー140Bについては、シャドウを調整するスライダー140Aと、ハイライトを調整するスライダー140Cとの間にて左右に移動させて中間部分の明暗が適切になるように調整をする。すると、編集対象となる画像の全体の明暗のバランスが良くなり、画像の見栄えの向上を図ることができる。
この他に、ヒストグラム表示欄132には、3つのスライダー140A、140B、140Cの位置をそれぞれ個別に直接、数値にて特定するための数値入力欄142A、142B、142Cが設けられている。数値入力欄142Aには、シャドウ入力値が入力される。また、数値入力欄142Bには、ガンマ値が入力される。また、数値入力欄142Cには、ハイライト入力値が入力される。これにより、各数値入力欄142A、142B、142Cに直接、数値を入力して、シャドウ入力値、ハイライト入力値およびガンマ値を簡単に特定することができる。
また、これら3つの数値入力欄142A、142B、142Cの右隣りには、それぞれスポイトボタン143A、143B、143Cが設けられている。これらスポイトボタン143A、143B、143Cは、当該ヒストグラム調整のダイアログボックスとは別に表示されるプレビュー画面にて表示された編集対象の画像上から直接ポイントを指示するためのボタンである。3つの数値入力欄142A、142B、142Cには、これらスポイトボタン143A、143B、143Cを利用してプレビュー画面の編集対象の画像上から指示されたポイント(画素)に対応する数値が直接入力される。
さらに、これらシャドウ入力値およびハイライト入力値が入力される2つの数値入力欄142A、142Cの下には、それぞれ2つの数値入力欄142D、142Eが設けられている。左側の数値入力欄142Dには、シャドウ入力値に対応するシャドウ出力値が入力される。また、右側の数値入力欄142Eには、ハイライト入力値に対応するハイライト出力値が入力される。
なお、これらスライダー140A、140B、140Cや、数値入力欄142A、142B、142C、142D、142Eを用いた調整については、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類についてそれぞれ可能である。
図7は、このヒストグラム調整について詳しく説明したものである。このヒストグラム調整では、スライダー140A、140B、140Cまたは数値入力欄142A、142B、142C、142D、142Eを通じて設定されたシャドウ入力値α01、シャドウ出力値α03、ハイライト入力値α02、ハイライト出力値α04、およびガンマ値α05に基づき、同図に示すような入力データと出力データとの対応関係を表すトーンカーブが規定される。すなわち、ここで規定されるトーンカーブは、設定されたシャドウ入力値α01およびシャドウ出力値α03により規定するポイントT1(シャドウ点ともいう)と、設定されたハイライト入力値α02およびハイライト出力値α04により規定されるポイントT2(ハイライト点ともいう)とを通過するように形成される。さらに、トーンカーブは、設定されたガンマ値α05に応じて、これらポイントT1及びT2の間を結ぶ直線のどちらか一方の側に膨らむように形成される。このようにして設定されたシャドウ入力値α01、シャドウ出力値α03、ハイライト入力値α02、ハイライト出力値α04、およびガンマ値α05に基づき、入力データと出力データとの対応関係を表すトーンカーブが規定される。なお、トーンカーブは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ規定される。
このようにして規定されたトーンカーブは、図6に示すように、トーンカーブ表示欄134に表示される。トーンカーブ表示欄134には、ヒストグラム表示欄132にて行われた調整結果に応じたトーンカーブが表示される。さらに、このトーンカーブ表示欄134では、トーンカーブについてより細かな調整が行えるように、ポイントT1(シャドウ点)またはポイントT2(ハイライト点)よりも外側の階調を調整することができる。具体的には、トーンカーブの左側下部と右側上部とにそれぞれ設けられた端部カーブ形状変更ボタン144A、144Bをクリックして、表示されるプルダウンメニューから希望する端部カーブ形状を選択するようになっている。ここでは、例えば、「ブースト」、「ノーマル」および「ソフト」の3種類から端部カーブ形状を選択することができるようになっている。ここで、「ブースト」は、白地の部分を真っ白にしたり、黒地の部分を真っ黒にしたりしてムラを除去したい場合に選択する。また、「ノーマル」は、ハイライト部分やシャドウ部分をそのまま表現する場合に選択する。また、「ソフト」は、真っ白の部分を本来の白地に戻したり、真っ黒の部分を本来の黒地に戻したりする場合に選択する。
また、グレーバランス調整欄136においては、グレーバランスを調整するためのスライダー145が設けられている。このスライダー145を左右に移動させることによって、グレーバランスを調整して、色かぶりを除去することができる。
<濃度補正>
「濃度補正」は、画像の濃淡の表現を部分的に変更する際に用いる調整である。具体的には、この「濃度補正」では、トーンカーブを調整することによって、読み取った画像の見栄えの向上を図る。つまり、シャドウ(最暗部)、ミッドトーン(中間調)、ハイライト(最明部)へと変化していく濃度の曲線(トーンカーブ)を調整することで、画像全体の明るさとコントラストをバランスよく仕上げることができる。このために、濃度補正のダイアログボックス150には、図8に示すように、トーンカーブ表示部152と、このトーンカーブ表示部152に表示するトーンカーブの種類(チャンネル(色))を選択するためのチャンネル欄154が設けられている。
このチャンネル欄154では、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類から選択することができる。RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色を調整したい場合には、このチャンネル欄154の1番上のスイッチを選択すると、右側にRGB(レッド、グリーン、ブルー)全色のトーンカーブが表示される。また、R(レッド)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄154の上から2番目のスイッチを選択すると、右側にR(レッド)のみのトーンカーブが表示される。また、G(グリーン)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄154の上から3番目のスイッチを選択すると、右側にG(グリーン)のみのトーンカーブが表示される。また、B(ブルー)のみを調整したい場合には、このチャンネル欄154の上から4番目のスイッチを選択すると、右側にB(ブルー)のみのトーンカーブが表示される。
トーンカーブ表示部152には、横軸を入力値とし、縦軸を出力値としたトーンカーブが表示される。入力値に対して出力値が変化しないように設定した場合には、トーンカーブは、図中、ラインL1として示すように直線となる。
そして、トーンカーブを調整する場合には、トーンカーブ表示部152に表示されたトーンカーブ上に任意のポイントを設定し、このポイントを上下左右の各方向にずらしながら、トーンカーブを調整する。本実施形態では、トーンカーブ表示部152に表示されたトーンカーブ上に3つのポイントP1、P2、P3を任意に設定し、これら3つのポイントP1、P2、P3をそれぞれ基準線L1より上下左右の各方向に移動させてずらす。これによって、トーンカーブ表示部152上に、ユーザが所望するトーンカーブを形成するようになっている。なお、3つのポイントP1、P2、P3の各座標については、それぞれトーンカーブ表示部152の左側に設けられた2つの数値入力欄156A、156Bを通じて設定することもできる。ここでは、上方の数値入力欄156Aに入力値を入力し、下方の数値入力欄156Bに出力値を入力することで、各ポイントP1、P2、P3の各座標について設定することができる。
このようなトーンカーブの調整については、RGB(レッド、グリーン、ブルー)全色、R(レッド)のみ、G(グリーン)のみ、B(ブルー)のみの4種類についてそれぞれ可能である。トーンカーブの設定については、濃度補正のダイアログボックス150の上部に設けられた濃度補正設定保存欄158を通じて保存しておくことができる。
<イメージ調整>
「イメージ調整」には、図9のイメージ調整のダイアログボックス160に示すように、(1)明るさの調整と、(2)コントラストの調整と、(3)彩度の調整と、(4)カラーバランスの調整との4種類の調整がある。さらに、『(4)カラーバランスの調整』には、「シアン(C)−レッド(R)」の間の調整と、「マゼンダ(M)−グリーン(G)」の間の調整と、「イエロー(Y)−ブルー(B)」の間の調整との3種類の調整がある。
(1)明るさの調整
『(1)明るさの調整』は、画像が明る過ぎたり暗すぎたりした場合に行う。『(1)明るさの調整』は、スライダー162Aを左右に移動させたり、また、スライダー162Aの右側に設けられた数値入力欄164Aに直接、数値を入力することにより行うことができる。
(2)コントラストの調整
『(2)コントラストの調整』は、明暗をはっきりさせたり、逆に明暗の差を小さくする場合に行う。『(2)コントラストの調整』は、スライダー162Bを左右に移動させたり、また、スライダー162Bの右側に設けられた数値入力欄164Bに直接、数値を入力することにより行うことができる。
(3)彩度の調整
『(3)彩度の調整』は、色味を鮮やかにしたい場合に行う。『(3)彩度の調整』は、スライダー162Cを左右に移動させたり、また、スライダー162Cの右側に設けられた数値入力欄164Cに直接、数値を入力することにより行うことができる。
(4)カラーバランスの調整
『(4)カラーバランスの調整』は、画像が赤みや青み等を帯びている場合に行う。『(4)カラーバランスの調整』は、各スライダー162D、162E、162Fを左右に移動させたり、また、各スライダー162D、162E、162Fの右側にそれぞれ設けられた数値入力欄164D、164E、164Fに直接、数値を入力することにより行うことができる。これによって、画像を適切な色合いに調整することができる。具体的には、「シアン(C)−レッド(R)」の間の調整用のスライダー162Dを左右に移動させることにより、シアンおよびレッド(R)の強弱を調整することができる。また、「マゼンダ(M)−グリーン(G)」の間の調整用のスライダー162Eを左右に移動させることにより、マゼンダ(M)およびグリーン(G)の強弱を調整することができる。また、「イエロー(Y)−ブルー(B)」の間の調整用のスライダー162Fを左右に移動させることにより、イエロー(Y)およびブルー(B)の強弱を調整することができる。
ここで、『(1)明るさの調整』および『(4)カラーバランスの調整』は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色全てまたは各色について濃淡を全体的にシフトさせる変換を行う処理である。また、『(2)コントラストの調整』は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色全てについて濃淡の変化を強めたり弱めたりする変換を行う処理である。
一方、『(3)彩度の調整』は、例えば、次のような変換式(1)〜(3)を利用して、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のデータをそれぞれ変換する処理である。ここでは、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の入力データをそれぞれ『R』、『G』、『B』にて示している。また、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の出力データをそれぞれ『R’』、『G’』、『B’』にて示している。
R’=S11×R+S12×G+S13×B ……………(1)
G’=S21×R+S22×G+S23×B ……………(2)
B’=S31×R+S32×G+S33×B ……………(3)
ここで、S11、S12、S13、S21、S22、S23、S31、S32、S33は、設定された彩度の値に応じて設定される係数である。そして、彩度を高める場合は、S11、S22、S33に『1』より大きな値が設定され、他方、S12、S13、S21、S23、S31、S32に負の値が設定される。このようにして『(3)彩度の調整』は、実行される。
<設定データ>
図10A〜図10Cは、これらヒストグラム調整、濃度補正、およびイメージ調整によりそれぞれ設定されたデータについて説明したものである。図10Aは、ヒストグラム調整により設定されるデータについて説明したものである。図10Bは、濃度補正により設定されるデータについて説明したものである。図10Cは、イメージ調整により設定されるデータについて説明したものである。
ヒストグラム調整の場合には、図10Aに示すように、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色のシャドウ入力値α11、α21、α31と、シャドウ出力値α13、α23、α33と、ハイライト入力値α12、α22、α32と、ハイライト出力値α14、α24、α34と、ガンマ値α15、α25、α35とがデータとして設定される。この他に、ここでは、トーンカーブの端部形状として「下端部形状」および「上端部形状」に関するデータα41、α42と、グレーバランス調整おける調整値α51とがデータとして設定される。スキャナドライバは、これらのデータα11、α21、α31、α13、α12、α22、α32、α23、α33、α14、α24、α34、α15、α25、α35、α41、α42、α51を設定データとして記憶する。なお、これらの設定データα11、α21、α31、α13、α23、α33、α12、α22、α32、α14、α24、α34、α15、α25、α35、α41、α42、α51は、例えば、図6にて説明したヒストグラム調整のダイアログボックス131を通じてユーザにより設定される場合の他に、スキャナドライバによって演算等により自動的に設定される場合がある。スキャナドライバは、記憶した設定データα11、α21、α31、α13、α23、α33、α12、α22、α32、α14、α24、α34、α15、α25、α35、α41、α42、α51に基づき、入力画像に対して画像調整を施す。
また、濃度補正の場合には、図10Bに示すように、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれトーンカーブ上に設定された複数のポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………がデータとして設定される。スキャナドライバは、これらポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………を設定データとして記憶する。なお、これらの設定データβ11、β13、β21、β23、β31、β33…………、β12、β14、β22、β24、β32、β34…………は、例えば、図8にて説明した濃度補正のダイアログボックス150を通じてユーザにより設定される場合の他に、スキャナドライバによって演算等により自動的に設定される場合がある。スキャナドライバは、記憶した設定データβ11、β13、β21、β23、β31、β33…………、β12、β14、β22、β24、β32、β34…………に基づき、濃度補正を実行する。
また、イメージ調整の場合には、図10Cに示すように、『(1)明るさの調整』の設定値γ1と、『(2)コントラストの調整』の設定値γ2と、『(3)彩度の調整』の設定値γ3と、『(4)カラーバランスの調整』の設定値γ4、γ5、γ6とが設定される。『(4)カラーバランスの調整』の設定としては、「シアン(C)−レッド(R)」の間の設定値γ4と、「マゼンダ(M)−グリーン(G)」の間の設定値γ5と、「イエロー(Y)−ブルー(B)」の間の設定値γ6との3種類ある。スキャナドライバは、これらの設定値γ1、γ2、γ3、γ4、γ5、γ6を設定データとして記憶する。なお、これらの設定データγ1、γ2、γ3、γ4、γ5、γ6は、例えば、図9にて説明したイメージ調整のダイアログボックス160を通じてユーザにより設定される場合の他に、スキャナドライバによって演算等により自動的に設定される場合がある。スキャナドライバは、記憶した設定データγ1、γ2、γ3、γ4、γ5、γ6に基づき、イメージ調整を実行する。
===調整手順===
これらヒストグラム調整、濃度補正およびイメージ調整により設定されたデータに基づき、入力画像、即ちここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像を調整する手順の一例について説明する。図11は、この手順の一例について示したものである。
スキャナドライバは、入力画像、即ちここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像に対して、ヒストグラム調整を施す(S002)。このヒストグラム調整では、スキャナドライバは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ規定されたトーンカーブに基づき、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ入力画像の各画素のデータRin、Gin、Binを変換して出力する。ここで、スキャナドライバは、図6にて説明したヒストグラム調整のダイアログボックス131を通じてユーザにより設定されたり、また自ら自動的に設定したR(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色のシャドウ入力値α11、α21、α31やシャドウ出力値α13、α23、α33、ハイライト入力値α12、α22、α32、ハイライト出力値α14、α24、α34、ガンマ値α15、α25、α35、またこの他にトーンカーブの端部形状のデータα41、α42、グレーバランス調整の調整値α51などを参照してこれらのデータに基づきヒストグラム調整を実行する。これにより、スキャナドライバは、入力画像の各画素のデータRin、Gin、Bin(入力データ)を出力データRout1、Gout1、Bout1に変換して出力する。
このようにしてヒストグラム調整を行った後、スキャナドライバは、次にステップS004へと進み、ヒストグラム調整が施された画像のデータに対してイメージ調整を施す(S004)。ここでは、スキャナドライバは、イメージ調整として、(1)明るさの調整と、(2)コントラストの調整と、(3)カラーバランスの調整とを施す。すなわち、スキャナドライバは、『(1)明るさの調整』の設定値γ1と、『(2)コントラストの調整』の設定値γ2と、『(4)カラーバランスの調整』の設定値γ4、γ5、γ6とに基づいて、それぞれ調整を施す。これにより、スキャナドライバは、ヒストグラム調整による出力データRout1、Gout1、Bout1を出力データRout2、Gout2、Bout2に変換して出力する。
そして、このようにイメージ調整((3)彩度の調整を除く)を行った後、次に、スキャナドライバは、ステップS006へと進み、イメージ調整が施された画像のデータに対して濃度補正を施す(S006)。この濃度補正では、スキャナドライバは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ調整されたトーンカーブに基づき、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてそれぞれ入力画像の各画素のデータを変換して出力する。すなわち、ここでは、スキャナドライバは、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色についてトーンカーブ上に設定された複数のポイントP1、P2、P3…………の入力座標β11、β13、β21、β23、β31、β33…………および出力座標β12、β14、β22、β24、β32、β34…………の設定データを参照して、これらの設定データに基づき形成されるトーンカーブに基づき、濃度補正を実行する。これにより、スキャナドライバは、イメージ調整((3)彩度の調整を除く)による出力データRout2、Gout2、Bout2を出力データRout3、Gout3、Bout3に変換して出力する。
このようにして濃度補正を行った後、スキャナドライバは、次にステップS008へと進み、濃度補正が施された画像のデータに対してイメージ調整として『(3)彩度の調整』を施す(S008)。ここで、スキャナドライバは、『(3)彩度の調整』の設定値γ3に基づき、調整を施す。これにより、スキャナドライバは、濃度補正による出力データRout3、Gout3、Bout3を出力データRout4、Gout4、Bout4に変換して出力する。
このようにしてイメージ調整として『(3)彩度の調整』を行った後、次に、スキャナドライバは、『(3)彩度の調整』が施された画像のデータに対して、色変換処理を施す(S010)。この色変換処理とは、各種出力機器(ここでは、表示装置をはじめ、各種プリンタ等)で扱う上で適切なデータに変換するための処理である。具体的には、例えば、次のような変換式(4)〜(6)により実施する。
R’=A11×R+A12×G+A13×B ……………(4)
G’=A21×R+A22×G+A23×B ……………(5)
B’=A31×R+A32×G+A33×B ……………(6)
ここで、変換前のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の入力データをそれぞれ『R』、『G』、『B』により示している。また、変換後のレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の出力データをそれぞれ『R’』、『G’』、『B’』により示している。また、A11、A12、A13、A21、A22、A23、A31、A32、A33は、各種出力機器(表示装置24やプリンタ等)の特性に応じて適宜設定される係数である。
このようにしてスキャナドライバは、『(3)彩度の調整』が施された画像のデータに対して各種出力機器の特性に応じた色変換処理を施す。これにより、スキャナドライバは、イメージ調整((3)彩度の調整)による出力データRout4、Gout4、Bout4を出力データRout5、Gout5、Bout5に変換して出力する。そして、スキャナドライバは、このようにして色変換処理を実行した後、色変換処理が施された画像を出力画像として出力する。
なお、ここでは、最終段階にて色変換処理を実行する場合を例にして説明したが、この色変換処理については必要に応じて実行するものとする。
===プレスキャン===
図12は、画像読み取り装置10による画像読み取り手順の一例について説明したものである。画像読み取り装置10により画像を読み取る際に、プレスキャンを実行する場合がある。このプレスキャンとは、例えば、高解像度にて画像を読み取る場合等において、最初から高解像度にて画像を読み取る動作を実行するのではなく、高解像度にて画像を読み取る動作(本スキャン)を実行する前、一度、例えば、低解像度にて画像を読み取ることをいう。
プレスキャンは、同図に示すように、最初に実行される(S050)。スキャナドライバは、このプレスキャン動作によってプレスキャン画像(プレ画像)を取得する(S052)。次にスキャナドライバは、取得したプレスキャン画像(プレ画像)に対して自動調整等を施す。ここで、スキャナドライバは、取得したプレスキャン画像(プレ画像)に対して、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等における適切な調整値等を求めて、自動的に補正する(S054)。ここで自動的に補正された画像は、例えば、表示装置24等に表示される。
ユーザは、このようにして表示装置24等に表示されたプレスキャン画像(プレ画像)を見ながら、各種調整(補正)を実行する(S056)。ここでは、ユーザは、図6のヒストグラム調整のダイアログボックス131や、図8の濃度補正のダイアログボックス150、図9のイメージ調整のダイアログボックス160等を通じて各種調整(補正)を実行する。
このようにしてユーザにより各種調整(補正)が行われた後、本スキャンを実行する。この本スキャンでは、画像読み取り装置10によって原稿15から画像が高解像度にて読み取られる(S058)。そして、スキャナドライバは、このようにして本スキャンにより取得された高解像度の画像に対してユーザ等により設定されたデータに基づき、ヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等の各種調整(補正)を実行する。これにより、各種調整(補正)が施された本画像を取得する(S060)。
===従来の問題点及び解決方法===
<従来の問題点>
これらヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等によって、画像読み取り装置により読み取った画像に対して各種調整(補正)が自動的に行われた場合であっても、逆光画像を十分に調整(補正)することはきわめて難しかった。このため、逆光画像に対して十分な改善を施すことができなかった。また、これらヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等を通じてユーザが逆光画像に対して調整(補正)を施すのはきわめて難しかった。
そこで、このような逆光画像に対しても十分な調整(補正)を施すことができるようにするために、逆光画像の補正機能を備える必要がある。しかし、逆光画像の補正機能を実行する場合には、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かを的確に判定する必要がある。これは、逆光画像ではない画像に対して逆光画像の補正機能を実行してしまった場合に、画像が本来持っている情報が大きく改変されてしまい、画像全体がアンバランスになる虞があるからである。
<解決方法>
このようなことから、本実施形態では、画像読み取り装置10により読み取られた画像について逆光画像であるか否かを的確に判定することができるようにするために、次のような判定を実行する。以下にその判定の方法について詳しく説明する。
===逆光画像の判定方法===
本実施形態では、図5にて説明したユーザインターフェイスのメインのダイアログボックス100において「逆光補正のチェックボックス130E」がユーザによりチェックされた場合に、まず、スキャナドライバは、画像読み取り装置10により読み取った画像について逆光画像か否かを判定する。なお、ここでスキャナドライバが判定を行う対象となる画像は、前述したヒストグラム調整や濃度補正、イメージ調整等によって自動的にまたはユーザにより調整(補正)が行われた画像である。そして、スキャナドライバは、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像であると判定した場合には、その画像に対して逆光補正を施す。ここでは、まず、画像読み取り装置10により読み取った画像について逆光画像か否かをスキャナドライバにより判定する方法について説明する。なお、ここで逆光画像であるか否かの判定を行うスキャナドライバが実行されるコンピュータ装置20は、「逆光画像判定装置」に相当する。また、逆光画像と判定された画像に対して逆光補正を施すスキャナドライバが実行されるコンピュータ装置20は、「逆光画像補正装置」に相当する。
図13は、ここで実施される逆光画像の判定方法について説明したものである。ここで、スキャナドライバは、まず、画像読み取り装置10により読み取った画像のデータに基づき、ヒストグラムのデータを生成する(S102)。なお、このことから、スキャナドライバは、「ヒストグラムデータ生成部」に相当する。ここで生成されるヒストグラムとは、画像読み取り装置10により読み取った画像を構成する各画素の濃度値に対する画素の数の分布を表したグラフである。ヒストグラムの横軸には、画素の濃度値が設定され、またヒストグラムの縦軸には、画素の数が設定される。このヒストグラムには、グラフの横軸の濃度値ごとにそれぞれ画素の数を表す長方形状の棒グラフ等が形成される。ここで形成される棒グラフ等が横方向に相互につなぎ合わされて、全体がある形状を持つ領域を有するグラフを形成している。
スキャナドライバは、このようにしてヒストグラムのデータを生成した後、次に、生成したヒストグラムのデータに基づき、ヒストグラムにより表される領域を画素の濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分する(S104)。ここで区分される小領域の個数は、4つであっても良く、もちろん5つ以上であっても構わない。また、区分される小領域の面積は、相互にほぼ等しくなるように設定されていても良く、また相互に等しくならないように設定されていても良い。もちろん、区分された3つ以上の小領域のうちの一部の小領域、即ち2つ以上の小領域の面積が相互にほぼ等しくなるように設定されていても良い。また、区分される小領域における画素の数は、相互にほぼ等しくなるように設定されていても良く、また相互に等しくならないように設定されていても良い。もちろん、区分された3つ以上の小領域のうちの一部の小領域、即ち2つ以上の小領域における画素の数が相互にほぼ等しくなるように設定されていても良い。
スキャナドライバは、このようにしてヒストグラムにより表される領域を3つ以上の小領域に区分した後、次に、区分した3つ以上の小領域の中から第1小領域と第2小領域とを選出する(S106)。ここで、第1小領域とは、区分された3つ以上の小領域の中から選出される少なくとも1つの小領域のことである。この第1小領域は、画像読み取り装置10により読み取った画像から必要な情報を取得し、逆光画像か否かを判定するために選出する。第1小領域として選出される小領域の個数は、1つであってもよく、また2つであってもよく、さらには3つ以上であっても良い。
また、第2小領域については、第1小領域の場合と同様に、区分された3つ以上の小領域の中から選出される少なくとも1つの小領域のことである。ただし、ここでは、第2小領域として、第1小領域よりも濃度値が大きくかつ第1小領域に隣接していない小領域が選出される。これは、第1小領域が2つ以上あった場合についても同様である。すなわち、第1小領域が2つ以上あった場合でも、これら2つ以上の第1小領域に対してそれぞれ第2小領域が相隣接しておらず、かつこれら2つ以上の第1小領域よりも第2小領域の濃度値が大きくなっている。なお、第2小領域が2つ以上あった場合についても同様である。すなわち、これら2以上の第2小領域が共に1つまたは2つ以上の第1小領域に対してそれぞれ個別に相隣接しておらず、かつこれら1つまたは2つ以上の第1小領域に対して各第2小領域の濃度値が大きくなっているのである。第2小領域として選出される小領域の個数は、1つであってもよく、また2つであってもよく、さらには3つ以上であっても良い。また、この第2小領域は、第1小領域の場合と同様に、画像読み取り装置10により読み取った画像から必要な情報を取得し、逆光画像か否かを判定するために選出する。
このようにして第1小領域および第2小領域を、3つ以上の小領域の中から選出した後、スキャナドライバは、次に、これら第1小領域および第2小領域についてそれぞれ個別に属性情報を取得する(S108)。ここで属性情報とは、第1小領域または第2小領域が持っている性質や特徴のことである。ここでスキャナドライバが取得する属性情報としては、第1小領域または第2小領域を占める画素の濃度値の平均値や、第1小領域または第2小領域を占める画素の濃度値の上限値または下限値、さらに、隣接する小領域との間の境界線に対応する濃度値、この他に、第1小領域または第2小領域の面積の大きさ等、様々な属性情報がある。スキャナドライバは、これらの各種属性情報のうちの1種類の属性情報を取得してもよく、また複数種類の属性情報を取得しても良い。スキャナドライバは、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かを判定するにあたって必要な情報を第1小領域および第2小領域からそれぞれ属性情報として取得する。
なお、これらのことから、スキャナドライバは、「属性情報取得部」に相当する。
そして、スキャナドライバは、このようにして第1小領域および第2小領域からそれぞれ取得した属性情報に基づき、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かを判定する(S110)。なお、このことから、スキャナドライバは、「判定部」に相当する。ここで、スキャナドライバは、例えば、第1小領域から取得した属性情報と、第2小領域から取得した属性情報とを比較して、その比較結果に基づき、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かを判定しても良い。具体的には、スキャナドライバは、第1小領域から属性情報として取得した値と、第2小領域から属性情報として取得した値との差分を求め、この差分に基づき、例えば、この差分が所定値を超えたか否かなどをチェックすることによって、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かを判定する。これにより、スキャナドライバは、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かの判定処理を終了する。
その後、スキャナドライバは、このようにして画像読み取り装置10により読み取った画像について逆光画像か否かの判定を行った後、その画像が逆光画像であると判定した場合には、その画像に対して逆光補正を実施しても良い。
なお、これらのことから、このスキャナドライバは、「逆光画像判定プログラム」に相当する。
===実際の逆光画像の判定===
<ヒストグラムの生成>
図14は、スキャナドライバにより生成されるヒストグラムの一例について説明したものである。このヒストグラムは、その横軸に画素の濃度値が設定され、またその縦軸に画素の数が設定されている。そして、このヒストグラムでは、グラフの横軸の濃度値ごとにそれぞれ画素の数を表す長方形状の棒グラフが形成され、これら棒グラフが横方向に相互につなぎ合わされて、全体がある形状を持つ領域を有するグラフを形成している。このヒストグラムから、濃度値別に画素の分布状況が把握することができる。
本実施形態では、画像読み取り装置10により読み取られた画像を構成する各画素のデータが、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色の濃度値のデータにより構成されている。このため、本実施形態では、ヒストグラムがレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色別に生成される。すなわち、画像を構成する各画素のレッド(R)の濃度値に基づき生成されたヒストグラムと、画像を構成する各画素のグリーン(G)の濃度値に基づき生成されたヒストグラムと、画像を構成する各画素のブルー(B)の濃度値に基づき生成されたヒストグラムとの3種類のヒストグラムが生成される。スキャナドライバは、このようにして生成したレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムのデータに基づき、逆光画像か否かの判定を行う。
<小領域への区分>
次にスキャナドライバは、このようにして生成したレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムのデータに基づき、各色のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ3つ以上の小領域に区分する処理を実行する。ここで、スキャナドライバは、各色のヒストグラムにより表される領域を濃度値の大きさ別に区分する。これにより、3つ以上の小領域は、図14に示すように、各色のヒストグラムの縦軸の方向に沿ってある濃度値に対応して設けられた境界ラインによって区分され、各色のヒストグラムの横軸の方向に沿って並んで配置される。
本実施形態では、スキャナドライバは、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域を、図14に示すように、それぞれ4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に区分する。ただし、ここで区分される4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4のうち、3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3は、相互に面積がほぼ等しくなるように設定されている。つまり、これら3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3は相互に画素の数がほぼ等しくなっている。
ここでは、これら3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3の面積がそれぞれ画像を構成する画素の総数に対してほぼ33%ずつ占めるようになっている。すなわち、小領域Ry1は、濃度値が最も小さい側に位置しているから、判定対象となる画像を構成する画素のうち、濃度値が小さい画素から順に、「0〜33%」分の画素により形成されている。また、小領域Ry2は、小領域Ry1に次いで2番目に濃度値が小さい側に位置しているから、判定対象となる画像を構成する画素のうち、小領域Ry1に含まれる画素の次の画素から順に、「34〜66%」分の画素により形成されている。また、小領域Ry3は、小領域Ry2に次いで3番目に濃度値が小さい側に位置しているから、判定対象となる画像を構成する画素のうち、小領域Ry2に含まれる画素の次の画素から順に、「67〜99%」分の画素により形成されている。
一方、小領域Ry4は、3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3とは、占める面積(画素数)が異なるように設定されている。ここでは、小領域Ry4は、小領域Ry3に次いで4番目に濃度値が小さい側に位置し、かつ濃度値が最も大きい側に位置しているから、判定対象となる画像を構成する画素のうち、残り1%分の画素により形成されている。
<小領域の選出>
このようにしてレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に区分した後、スキャナドライバは、次に、これら区分した4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から、第1小領域および第2小領域を選出する処理を各色別に実行する。ここで、第1小領域は、区分した4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から選出される少なくとも1つの小領域のことであって、第2小領域とは隣接しておらず、かつ第2小領域よりも濃度値が小さいという条件を満たす小領域である。また、第2小領域は、区分した4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から選出される少なくとも1つの小領域のことであって、第1小領域とは隣接しておらず、かつ第1小領域よりも濃度値が大きいという条件を満たす小領域である。
本実施形態では、スキャナドライバは、第1小領域として、4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から小領域Ry1を各色につき選出する(図14参照)。また、本実施形態では、スキャナドライバは、第2小領域として、4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から小領域Ry3を各色につき選出する(図14参照)。このように第1小領域および第2小領域が選出されたのは、次の理由からである。すなわち、本実施形態では、4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4のうち、3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3が相互に面積(画素数)がほぼ等しくなるようにそれぞれ画素総数に対して33%ずつに設定されている。つまり、3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のヒストグラムにより表される領域に対してそれぞれほぼ1/3ずつ占有するように設定されている。これら3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3の中から第1小領域および第2小領域を選出するとなると、相隣接しないという要件から第1小領域として小領域Ry1を選出し、かつ第2小領域として小領域Ry3を選出するという選択肢しかないことになる。
なお、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のヒストグラムにより表される領域がこのような方法以外の方法に区分された場合には、他の手法によって第1小領域および第2小領域を選出しても良い。
<属性情報の取得>
このようにして4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から第1小領域として小領域Ry1を各色別に選出し、かつ第2小領域として小領域Ry3を各色別に選出した後、スキャナドライバは、次に、これら第1小領域として選出した小領域Ry1および第2小領域として選出した小領域Ry3からそれぞれ属性情報を各色別に取得する。ここで、属性情報とは、第1小領域として選出した小領域Ry1または第2小領域として選出した小領域Ry3が持っている性質や特徴のことである。具体的には、小領域Ry1または小領域Ry3を占める画素の濃度値の平均値や、小領域Ry1または小領域Ry3を占める画素の濃度値の上限値または下限値、さらに、隣接する小領域、即ちここでは小領域Ry2や小領域Ry4との間の境界線に対応する濃度値、小領域Ry1または小領域Ry3の面積や画素の濃度値の平均値等がある。
本実施形態では、第1小領域として選出した小領域Ry1および第2小領域として選出した小領域Ry3の属性情報として、小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3を各色につき取得する。なお、各色の小領域Ry1の上限値St1は、隣接する小領域Ry2との間の境界線に対応する濃度値でもある。また、各色の小領域Ry3の上限値St3についても同様に、隣接する小領域Ry4との間の境界線に対応する濃度値でもある。また、各色の小領域Ry1の上限値St1については、「33%基準点」とも呼ぶこととする。また、各色の小領域Ry3の上限値St3については、「99%基準点」とも呼ぶこととする。なお、各色の小領域Ry2の上限値St2については、「66%基準点」とも呼ぶこととする。
ここで、小領域Ry1および小領域Ry3の属性情報として、各上限値St1、St3を取得したのは、次の理由からである。すなわち、これら小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3は、他の属性情報に比べて、画像が逆光画像か否かを判定する上で的確な判定を行うことができるからである。つまり、小領域Ry1および小領域Ry3の上限値St1、St3は、小領域Ry1および小領域Ry3の他の属性情報に比べて、画像が逆光画像か否かを判定する上で重要な判定要素となり得るのである。
例えば、第1小領域として選出した小領域Ry1および第2小領域として選出した小領域Ry3の属性情報として、小領域Ry1を占める画素の濃度値の平均値Av1と、小領域Ry3を占める画素の濃度値の平均値Av3を取得した場合、これらの平均値Av1、Av3の違いは、小領域Ry1および小領域Ry3の上限値St1、St3の違いに比べて非常に小さいものとなってしまう。このようなことから、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かの判定にあたっては、小領域Ry1および小領域Ry3の属性情報として、これら小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3を各色につき取得するのが好ましいのである。
<判定>
このようにしてレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に区分して、その中から第1小領域として選出した小領域Ry1と、その中から第2小領域として選出した小領域Ry3との各属性情報として、小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3を各色別に取得した後、スキャナドライバは、次に、ここで取得した各色別の小領域Ry1の上限値St1および各色別の小領域Ry3の上限値St3に基づき、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像か否かの判定処理を実行する。
ここで、本実施形態では、スキャナドライバは、まず、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムについてそれぞれ得られた小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3から、それぞれ輝度に換算した場合の値を求める演算を行う。この演算では、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の濃度値から実際の輝度値に変換するために利用されている式を利用する。この演算式の一例を次の式(7)に示す。
実際の輝度値=1/5×R+3/5×G+1/5×B …………(7)
なお、ここで、『R』は、画素のレッド(R)の成分の濃度値を示す。『G』は、画素のグリーン(G)の成分の濃度値を示す。『B』は、画素のブルー(B)の成分の濃度値を示す。また、この式(7)では、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の比率が、「1:3:1」の場合を例にして示したが、これ以外の比率に設定されても良い。
スキャナドライバは、このような式(7)を利用して、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムについてそれぞれ得られた小領域Ry1の上限値St1から、実際の輝度値に対応した値St10を取得する。なお、この値St10は、実際の輝度値に対応する「33%基準点」とする。また、スキャナドライバは、式(7)により、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムについてそれぞれ得られた小領域Ry3の上限値St3から、実際の輝度値に対応した値St30を取得する。なお、この値St30は、実際の輝度値に対応する「99%基準点」とする。
その後、スキャナドライバは、RGB各色のヒストグラムの小領域Ry1の上限値St1から求められた実際の輝度値St10(「33%基準点」)と、RGB各色のヒストグラムの小領域Ry3の上限値St3から求められた実際の輝度値St30(「99%基準点」)との差分ΔStを求める。ここでは、スキャナドライバは、RGB各色のヒストグラムの小領域Ry3の上限値St3から求められた実際の輝度値St30(「99%基準点」)から、RGB各色のヒストグラムの小領域Ry1の上限値St1から求められた実際の輝度値St10(「33%基準点」)を減算する演算を実行する。
そして、スキャナドライバは、このようにして求めた差分ΔStと、所定のしきい値ΔStkとを比較して、求めた差分ΔStが所定のしきい値ΔStk以上であった場合には、画像読み取り装置10により読み取った画像については逆光画像であると判定する。一方、スキャナドライバは、求めた差分ΔStと、所定のしきい値ΔStkとを比較して、求めた差分ΔStが所定のしきい値ΔStkに達していなかった場合には、画像読み取り装置10により読み取った画像については逆光画像ではないと判定する。なお、ここで所定のしきい値ΔStkは、逆光画像か否かを判定する上で適切に設定される値である。この所定のしきい値ΔStkは、予め実施されるシミュレーション等による解析結果や経験則などに基づき適宜設定される。
図15Aおよび図15Bは、スキャナドライバによる逆光画像か否かを判定する方法について説明したものである。図15Aは、判定対象となる画像が逆光画像ではないとスキャナドライバが判定する場合について説明したものである。図15Bは、判定対象となる画像逆光画像であるとスキャナドライバが判定する場合について説明したものである。
画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像ではない場合には、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される濃度値に対する画素の分布状況がほぼ均一になる。このことから、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像ではない場合には、図15Aに示すように、「33%基準点」となる値St10と、「66%基準点」となる値St20と、「99%基準点」となる値St30とは、緩やかな傾斜にて小さな増加率にて順次増加することになる。なお、ここで、「66%基準点」となる値St20は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムの小領域Ry2の上限値St2から、前述した式(7)を利用して実際の輝度値に換算したときの値である。このため、「33%基準点」となる値St10と、「99%基準点」となる値St30との差分ΔStaは、所定のしきい値ΔStkよりも十分に小さな値となる。
一方、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像である場合には、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される濃度値に対する画素の分布状況に偏りがある。このことから、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像である場合には、図15Bに示すように、「33%基準点」となる値St10と、「66%基準点」となる値St20と、「99%基準点」となる値St30とは、アンバランスな関係となる。これによって、「33%基準点」となる値St10が小さすぎたり、また「99%基準点」となる値St30が大きすぎたりすることになる。このことから、「33%基準点」となる値St10から「99%基準点」となる値St30にかけて傾斜が急となり、増加率が大きくなる。このため、「33%基準点」となる値St10と、「99%基準点」となる値St30との差分ΔStaは、所定のしきい値ΔStkよりも大きな値となる。
このような方法によりスキャナドライバによって、判定対象となる画像、即ちここでは、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像であるか否かを判定することによって、逆光画像か否かをより的確に判定することができる。具体的には、例えば、一般的な逆光画像をはじめ、中間調等の色バランスが崩れた逆光画像や、夕焼けまたは朝焼けを背景とした逆光画像などについても、スムーズに逆光画像であると判定することができる。
<その他応用例>
前述した判定方法では、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に区分していたが、必ずしもこのように4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に区分する必要はない。つまり、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域は、3つ以上の小領域に区分されれば良く、3つの小領域に区分されても良く、また5つ以上の小領域に区分されても良い。
また、前述した判定方法では、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域を区分して得られた4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に、相互に面積がほぼ等しく、また相互に画素数がほぼ等しい3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3が含まれていたが、必ずしもこのように面積や画素数が相互にほぼ等しい小領域が設けられる必要はない。また、必ずしもこのように面積または画素数が相互にほぼ等しい小領域が3つ設けられる場合には限られず、2つであっても良く、また4つ以上であっても良い。
また、前述した判定方法では、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムにより表される領域を区分して得られた小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から第1小領域として小領域Ry1が選出され、また第2小領域として小領域Ry3が選出されていたが、必ずしもこのように選出される場合には限られない。つまり、このような方法以外の方法に区分された場合には、他の手法によって第1小領域および第2小領域を選出しても良い。また、第1小領域または第2小領域として選出される小領域の数は、2つ以上であっても構わない。
また、前述した判定方法では、第1小領域および第2小領域から取得する属性情報として、小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3を各色別に取得していたが、第1小領域または第2小領域から取得する属性情報としては、必ずしもこのような属性情報とは限らない。すなわち、第1小領域および第2小領域から取得する属性情報としては、第1小領域または第2小領域が持っている性質や特徴に関する情報であれば良く、例えば、第1小領域または第2小領域を占める画素の濃度値の平均値や、第1小領域または第2小領域を占める画素の濃度値の下限値、さらに、隣接する小領域との間の境界線に対応する濃度値、この他に、第1小領域または第2小領域の面積の大きさ等、様々な情報を取得することができる。第1小領域または第2小領域から取得する属性情報としては、逆光画像か否かを的確に判定する上での有力な情報が望ましい。
また、前述した判定方法では、第1小領域および第2小領域から属性情報として取得した各色別の上限値St1、St3に基づき、これら各色別の上限値St1、St3から実際の輝度値St10、St30をそれぞれ求め、それら輝度値St10、St30の差分ΔStと所定のしきい値ΔStkとを比較して、逆光画像か否かを判定していたが、必ずしもこのようにして判定を行う必要はない。すなわち、各色別の第1小領域に関する属性情報と、各色別の第2小領域に関する属性情報とに基づき、逆光画像か否かの判定を行えば、どのような方法により判定を行っても良い。なお、逆光画像か否かの判定方法にあっては、逆光画像を的確に判定する上で有力な手法が望ましい。
===逆光画像の補正方法===
スキャナドライバは、このようにして判定対象となる画像、即ちここでは、画像読み取り装置10により読み取った画像が逆光画像であるか否かを判定した後、その画像が逆光画像であると判定した場合には、その逆光画像に対して逆光補正処理を実行すると良い。
ここで実行する逆光補正処理としては、既に知られた周知の逆光補正方法により補正処理を実行しても良い。具体的には、画像を構成する画素のうち、逆光により影となっている部分、即ち濃度値が非常に小さくなっている画素について、全体的に濃度値を上昇させるような補正処理を実行したりする。このようにして逆光画像であると判定された画像に対して逆光による影響を改善するような補正処理を施す。前述した判定方法により、逆光画像である場合には、的確に逆光画像であると判定されることから、逆光画像についてのみ確実に逆光補正処理を実施することができる。
なお、ここで、スキャナドライバは、「逆光補正処理部」に相当する。
===まとめ===
以上本実施形態にあっては、画像読み取り装置10により読み取られた画像を構成する各画素のデータに基づき、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムを生成して、これらのヒストグラムにより表される領域をそれぞれ4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4に区分して、これら4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中から第1小領域として小領域Ry1を各色別に選出し、また第2小領域として小領域Ry3を各色別に選出して、これら小領域Ry1および小領域Ry3からそれぞれ属性情報を取得して、これらの属性情報に基づき、判定対象の画像(ここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像)が逆光画像か否かを判定するから、的確な判定を行うことができる。
また、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ区分して得られた4つの小領域Ry1、Ry2、Ry3、Ry4の中に、相互に面積および画素数がほぼ等しい3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3が設けられ、これら3つの小領域Ry1、Ry2、Ry3の中から第1小領域および第2小領域が選出されていることで、判定対象の画像(ここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像)が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
さらにまた、第1小領域として選出される小領域Ry1が最も濃度値の小さい小領域であり、また第2小領域として選出される小領域Ry3が最も濃度値の大きい小領域であることで、判定対象となる画像が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
さらにまた、第1小領域として選出される小領域Ry1および第2小領域として選出される小領域Ry3の属性情報として、小領域Ry1の上限値St1および小領域Ry3の上限値St3を各色につき取得することで、判定対象の画像(ここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像)が逆光画像であるか否かをより的確に判定することができる。
そして、さらに、これら各色別の小領域Ry1の上限値St1および各色別の小領域Ry3の上限値St3を実際の輝度値St10、St30に変換して、これらの輝度値St10、St30に基づき、逆光画像か否かの判定を行うから、より的確な判定を行うことができる。また、得られた輝度値St10、St30からそれらの差分ΔStを求め、その差分ΔStを所定のしきい値ΔStkと比較して、判定対象の画像が逆光画像か否か判定することで、より簡単に判定を行うことができる。
===印刷装置への適用===
このような画像読み取り装置10にあっては、印刷装置に搭載されても良い。図16は、このような画像読み取り装置10を備えた印刷装置220の構成例を説明したものである。この印刷装置220は、原稿から画像を読み取って画像データを生成するスキャナ機能と、ホストコンピュータ248から送られてきた印刷データに基づき印刷用紙等の各種媒体に印刷を施すプリンタ機能と、原稿から読み取った画像を媒体に印刷して複写するローカルコピー機能とを備えた複合装置である。この印刷装置220は、原稿から画像を読み取るスキャナ部222(スキャナ制御部238を含め、ここでいう「画像読み取り装置10」に相当する)と、印刷用紙等の媒体Sに印刷を施すプリンタ部224とを備えている。
さらにこの印刷装置220の制御部226には、同図に示すように、CPU228と、メモリ230と、外部通信インターフェイス232と、操作入力インターフェイス234と、表示制御部236と、スキャナ制御部238と、画像処理部240と、プリンタ制御部242と、カードインターフェイス244と、これらを相互に接続するバス246とを備えている。
CPU228は、この印刷装置220全体の制御を司る。メモリ230は、CPU228により実行されるプログラムやそのプログラムで使用されるデータ等が格納される。外部通信インターフェイス232は、ホストコンピュータ248との間で有線または無線等により通信を行う。操作入力インターフェイス234は、操作ボタン250等を通じてユーザから操作入力を受け付ける。表示制御部236は、液晶ディスプレイ252等の表示部を制御する。
一方、スキャナ制御部238は、スキャナ部222を制御して原稿から画像を読み取る読み取り動作を実行する。画像処理部240は、スキャナ部222により原稿から読み取られた画像をプリンタ部224にて媒体に印刷するために、スキャナ部222から出力された画像のデータをプリンタ部224にて印刷処理を実行するためのデータに変換する役割を果たす。プリンタ制御部242は、プリンタ部224を制御する。また、カードインターフェイス244は、カードリーダー部254にセットされた各種メモリカードから、当該メモリカードに格納された画像データを読み込む処理等を行う。
そして、この印刷装置220は、スキャナ機能時には、スキャナ部222により原稿から読み取った画像のデータをホストコンピュータ248に出力する。また、プリンタ機能時には、この印刷装置220は、ホストコンピュータ248から送られてきた印刷データに基づき、プリンタ部224によって各種媒体に印刷を施す。また、ローカルコピー機能時には、この印刷装置220は、スキャナ部222により原稿から読み取った画像をプリンタ部224によって各種媒体に印刷して複写する。
===その他の実施の形態===
以上、本発明について画像読み取りシステムの一実施形態を例にして説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<判定対象となる画像について>
前述した実施の形態では、「判定対象となる画像」として、画像読み取り装置10により読み取られた画像を例にして説明したが、ここでいう「判定対象となる画像」としては、どのような画像であっても良い。例えば、具体的には、デジタルカメラ等により撮影された画像などであっても良い。また、「判定対象となる画像」としては、画像であればどのようなタイプの画像であっても良く、例えば、JPEG形式やビットマップ形式、YUV形式等の各種形式により表現される画像であっても良い。
<濃度値について>
前述した実施の形態では、「濃度値」として、256階調にて表現される濃度値、即ち例えば「0」〜「255」の値を取り得る濃度値を例にして説明したが、ここでいう「濃度値」にあっては、このような濃度値には限らない。すなわち、ここでいう「濃度値」にあっては、画像を構成する各画素の濃淡を表現するためのデータであればどのような濃度値であっても良い。なお、この「濃度値」には、YUV形式等により表される輝度の濃度値も含まれる。
<ヒストグラムについて>
前述した実施の形態では、「ヒストグラムのデータ」として、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムのデータが生成されていたが、ここでいう「ヒストグラムのデータ」にあっては、必ずしもこれらレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のヒストグラムのデータが生成される場合には限られない。つまり、少なくとも2種類以上の異なる色のヒストグラムのデータが「ヒストグラムのデータ」として生成されても良く、また、1種類の色のヒストグラムのデータ、例えばブラック(『黒』)のヒストグラムのデータが、「ヒストグラムのデータ」として生成されても良い。
<ヒストグラムデータ生成部について>
前述した実施の形態では、「ヒストグラムデータ生成部」として、スキャナドライバが、判定対象となる画像、即ちここでは画像読み取り装置10により読み取られた画像を構成する画素のデータに基づき、ヒストグラムのデータを生成していたが、ここでいう「ヒストグラムデータ生成部」にあっては、必ずしもこのようなスキャナドライバである必要はない。つまり、ここでいう「ヒストグラムデータ生成部」にあっては、判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、ヒストグラムのデータを生成するのであれば、どのようなタイプの「ヒストグラムデータ生成部」であっても構わない。
<属性情報取得部について>
前述した実施の形態では、「属性情報取得部」として、スキャナドライバが、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色のヒストグラムにより表される領域を濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分し、これら3つ以上の小領域の中から第1小領域および第2小領域を選出して、第1小領域として選出した小領域Ry1および第2小領域として選出した小領域Ry3からそれぞれ属性情報を取得していたが、ここでいう「属性情報取得部」にあっては、必ずしもこのようなスキャナドライバである必要はない。つまり、ここでいう「属性情報取得部」にあっては、ヒストグラムにより表される領域を濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分し、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの小領域を第1小領域として各色別に選出し、また、他の小領域の中から第1小領域よりも濃度値が大きくかつ第1小領域に隣接していない第2小領域を選出して、これら第1小領域および第2小領域からそれぞれ属性情報を取得すれば、どのようなタイプの「属性情報取得部」であっても構わない。
<判定部について>
前述した実施の形態では、「判定部」として、スキャナドライバが、第1小領域として選出した小領域Ry1および第2小領域として選出した小領域Ry3からそれぞれ取得した属性情報に基づき、判定対象の画像(ここでは、画像読み取り装置10により読み取られた画像)が逆光画像であるか否かを判定していたが、ここでいう「判定部」にあっては、必ずしもこのようなスキャナドライバである必要はない。つまり、ここでいう「判定部」にあっては、第1小領域および第2小領域からそれぞれ取得された属性情報に基づき、逆光画像であるか否かを判定するのであれば、どのようなタイプの「判定部」であっても構わない。
<逆光画像判定装置について>
前述した実施の形態では、「逆光画像判定装置」として、画像読み取り装置10に読み取られた画像について逆光画像か否かを判定する装置を例にして説明したが、ここでいう「逆光画像判定装置」にあっては、このような画像読み取り装置10に読み取られた画像について逆光画像か否かを判定する装置には限られない。すなわち、画像の種類は問われず、各種画像について逆光画像か否かを判定する装置であれば、どのようなタイプの装置も、ここでいう「逆光画像判定装置」に含まれる。
<逆光画像判定プログラムについて>
前述した実施の形態では、「逆光画像判定プログラム」として、スキャナドライバが画像読み取り装置10に有線または無線等により通信可能に接続されたコンピュータ装置20において実行されていたが、ここでいう「逆光画像判定プログラム」にあっては、このようなスキャナドライバには限られない。すなわち、ここでいう「逆光画像判定プログラム」にあっては、判定対象の画像について逆光画像か否かを判定するプログラムであれば、どのようなプログラムもここでいう「逆光画像判定プログラム」に含まれる。
<逆光画像補正装置について>
前述した実施の形態では、「逆光画像補正装置」として、画像読み取り装置10に読み取られた画像について逆光画像か否かの判定を行い、その判定結果に基づき逆光補正処理を施す逆光画像補正装置を例にして説明したが、ここでいう「逆光画像補正装置」にあっては、このような画像読み取り装置10に読み取られた画像について逆光画像か否かを判定し、その判定結果に応じて逆光補正を施す装置には限られない。すなわち、画像の種類は問われず、各種画像について逆光画像か否かの判定結果に応じて逆光補正を施す装置であれば、どのようなタイプの装置であっても、ここでいう「逆光画像補正装置」に含まれる。
<画像読み取り装置について>
前述した実施の形態では、「画像読み取り装置」として、画像を読み取るイメージセンサ50が、原稿台12にセットされた原稿15に対して相対的に移動するキャリッジ40に設けられた画像読み取り装置を例にして説明したが、ここでいう「画像読み取り装置」にあっては、必ずしもこのようなタイプの「画像読み取り装置」には限られない。つまり、原稿から画像を読み取る装置であれば、どのようなタイプの装置もここでいう「画像読み取り装置」に含まれる。すなわち、ここでいう「画像読み取り装置」にあっては、原稿15が画像を読み取るイメージセンサ50に対して相対的に移動して原稿15から画像を読み取るような画像読み取り装置も含まれる。
<印刷装置について>
前述した実施の形態では、「印刷装置」として、原稿15から画像を読み取って画像データを生成する画像読み取り部(スキャナ部222)と、媒体に対して印刷を施す印刷部(プリンタ部224)とを備えた「複合装置」の場合を例にして説明したが、ここでいう「印刷装置」にあっては、必ずしもこのように画像読み取り部(スキャナ部222(スキャナ制御部238や画像処理部240等も含む))を備えている必要はない。すなわち、ここでいう「印刷装置」としては、媒体に対して印刷を施す印刷部を少なくとも備えていれば良い。
画像読み取りシステムの一実施形態の説明図。 画像読み取り装置の内部構成の一例の説明図。 画像読み取り装置のシステム構成の一例の説明図。 コンピュータ本体のシステム構成の一例の説明図。 スキャナドライバのメインのダイアログボックスの一例の説明図。 ヒストグラム調整のダイアログボックスの一例の説明図。 トーンカーブの規定方法についての説明図。 濃度補正のダイアログボックスの一例の説明図。 イメージ調整のダイアログボックスの一例の説明図。 ヒストグラム調整により設定されるデータの説明図。 濃度補正により設定されるデータの説明図。 イメージ調整により設定されるデータの説明図。 画像の調整手順の一例の説明図。 画像読み取り手順の一例の説明図。 逆光画像の判定方法を説明するフローチャート。 ヒストグラムの一例の説明図。 逆光画像ではないと判定される場合の説明図。 逆光画像であると判定される場合の説明図。 印刷装置の一実施形態を示した説明図。
符号の説明
2 画像読み取りシステム、10 画像読み取り装置、12 原稿台、
14 原稿台カバー、15 原稿、18 ヒンジ部、20 コンピュータ装置、
22 コンピュータ本体、24 表示装置、26 入力装置、
28 FDドライブ装置、30 CD−ROMドライブ装置、32 読み取り装置、
34 キーボード、36 マウス、40 キャリッジ、42 駆動機構、
44 ガイド、46 露光ランプ、48 レンズ、50 イメージセンサ、
52 制御部、54 タイミングベルト、55 プーリ、56 プーリ、
58 駆動モータ、60 コントローラ、62 モータ制御部、64 ランプ制御部、
66 センサ制御部、68 AFE(Analog Front End)部、
70 デジタル処理回路、72 インターフェイス回路、
74 アナログ信号処理回路、76 A/D変換回路、
80 CPU、82 メモリ、84 HDD(ハードディスクドライブ装置)、
86 操作入力部、88 表示制御部、90 外部通信部、92 バス、
100 ダイアログボックス、102 『モード選択欄』、104 『設定保存』、
106 『原稿設定欄』、108 『出力設定欄』、110 『調整欄』、
112 「原稿種」、114 「読み込み装置」、116 「自動露出」、
118 「イメージタイプ」、120 「解像度」、122 「原稿サイズ」、
124 「出力サイズ」、126 「スキャンボタン」、
127 「プレビューボタン」、128A ボタン、128B ボタン、
128C ボタン、128D ボタン、128E ボタン、
130A チェックボックス、130B チェックボックス、
130C チェックボックス、130D チェックボックス、
130E チェックボックス、131 ダイアログボックス、
132 ヒストグラム表示欄、134 トーンカーブ表示欄、
136 グレーバランス調整欄、138 チャンネル欄、
140A スライダー、140B スライダー、140C スライダー、
142A 数値入力欄、142B 数値入力欄、142C 数値入力欄、
142D 数値入力欄、142E 数値入力欄、143A スポイトボタン、
143B スポイトボタン、143C スポイトボタン、
144A 端部カーブ形状変更ボタン、144B 端部カーブ形状変更ボタン、
145 スライダー、150 ダイアログボックス、152 トーンカーブ表示部、
154 チャンネル欄、156A 数値入力欄、156B 数値入力欄、
158 濃度補正設定保存欄、160 ダイアログボックス、
162A スライダー、162B スライダー、162C スライダー、
162D スライダー、162E スライダー、162F スライダー、
164A 数値入力欄、164B 数値入力欄、164C 数値入力欄、
164D 数値入力欄、164E 数値入力欄、164F 数値入力欄、
220 印刷装置、222 スキャナ部、
224 プリンタ部、226 制御部、228 CPU、230 メモリ、
232 外部通信インターフェイス、234 操作入力インターフェイス、
236 表示制御部、238 スキャナ制御部、240 画像処理部、
242 プリンタ制御部、244 カードインターフェイス、
246 バス、248 ホストコンピュータ、250 操作ボタン、
252 液晶ディスプレイ、254 カードリーダー部

Claims (13)

  1. (A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
    (B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域の上限値を各色別に取得する属性情報取得部と、
    (C)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
    (D)を備えたことを特徴とする逆光画像判定装置。
  2. 前記各色別のヒストグラムデータとして、レッド、グリーンおよびブルーの各色のヒストグラムデータが前記ヒストグラムデータ生成部により生成されることを特徴とする請求項1に記載の逆光画像判定装置。
  3. 前記3つ以上の小領域には、相互に面積の等しい2つ以上の小領域が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の逆光画像判定装置。
  4. 前記3つ以上の小領域には、前記画素の数が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の逆光画像判定装置。
  5. 前記3つ以上の小領域には、前記画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれ、
    前記第1小領域は、前記2つ以上の小領域の中で前記濃度値が最も小さい前記小領域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の逆光画像判定装置。
  6. 前記3つ以上の小領域には、前記画素の数および面積のうちの少なくともいずれか一方が相互に等しい2つ以上の小領域が含まれ、
    前記第2小領域は、前記2つ以上の小領域の中で前記濃度値が最も大きい前記小領域であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の逆光画像判定装置。
  7. (A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
    (B)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
    (C)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
    (D)前記第1小領域および前記第2小領域の上限値を各色別に取得するステップと、
    (E)取得した各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
    (F)を有することを特徴とする逆光画像判定方法。
  8. (A)逆光画像判定装置において実行される逆光画像判定プログラムであって、
    (B)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
    (C)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
    (D)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
    (E)前記第1小領域および前記第2小領域の上限値を各色別に取得するステップと、
    (F)取得した各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
    (G)を実行することを特徴とする逆光画像判定プログラム。
  9. (A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
    (B)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域の上限値を各色別に取得する属性情報取得部と、
    (C)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
    (D)前記判定部により前記判定対象となる画像が逆光画像であると判定された場合に、前記画像に対して逆光補正処理を施す逆光補正処理部と、
    (E)を備えたことを特徴とする逆光画像補正装置。
  10. (A)判定対象となる画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
    (B)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
    (C)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
    (D)前記第1小領域および前記第2小領域の上限値を各色別に取得するステップと、
    (E)取得した各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
    (F)前記判定対象となる画像が逆光画像であると判定された場合に、前記画像に対して逆光補正処理を施すステップと、
    (F)を有することを特徴とする逆光画像補正方法。
  11. (A)原稿から画像を読み取る画像読み取り部と、
    (B)前記画像読み取り部により読み取られた画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
    (C)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域の上限値を各色別に取得する属性情報取得部と、
    (D)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
    (E)を備えたことを特徴とする画像読み取り装置。
  12. (A)原稿から画像を読み取るステップと、
    (B)読み取った画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するステップと、
    (C)生成した前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分するステップと、
    (D)前記3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出するステップと、
    (E)前記第1小領域および前記第2小領域の上限値を各色別に取得するステップと、
    (F)取得した各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定するステップと、
    (G)を有することを特徴とする画像読み取り方法。
  13. (A)画像を媒体に印刷する印刷部と、
    (B)前記印刷部により前記画像が印刷される前に、前記画像を構成する画素のデータに基づき、前記画素の各色の濃度値に対する前記画素の数の分布を表わす各色別のヒストグラムのデータを生成するヒストグラムデータ生成部と、
    (C)前記ヒストグラムデータ生成部により生成された前記各色別のヒストグラムのデータに基づき、前記各色別のヒストグラムにより表される領域をそれぞれ前記濃度値の大きさ別に3つ以上の小領域に区分して、これら3つ以上の小領域の中から少なくとも1つの前記小領域を第1小領域として各色別に選出し、かつ前記3つ以上の小領域の中から前記第1小領域よりも前記濃度値が大きくかつ前記第1小領域に隣接していない前記小領域を第2小領域として少なくとも1つ各色別に選出して、これら第1小領域および第2小領域の上限値を各色別に取得する属性情報取得部と、
    (D)前記属性情報取得部により取得された各色別の前記第1小領域の上限値から換算される輝度値と各色別の前記第2小領域の上限値から換算される輝度値との差分と、所定のしきい値とを比較して、前記判定対象となる画像が逆光画像か否かを判定する判定部と、
    (E)前記判定部により前記画像が逆光画像であると判定された場合に、前記画像に対して逆光補正処理を施す逆光補正処理部と、
    (F)を備えたことを特徴とする印刷装置。
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