遠隔監視システム等では、Webカメラ等の撮像装置で監視領域を順次撮影し、撮影された映像が複数のサイトから時系列的に入力される映像データを磁気ディスク、例えば、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリ等の大容量の記録装置に蓄積(記録または保存)すると共に、映像をネットワークを介して利用者に配信し、例えば、遠隔地にあるモニタ画面で監視できるようにしている。
このような映像記録システムの一例を図3を用いて説明する。図3において、101−1、101−2、・・・101−mは、カメラ装置であり、被写体を撮影するカメラ、監視カメラあるいはIP(Internet Protocol)カメラ等であり、撮影した被写体の映像信号を出力する。なお、カメラ装置を代表する場合は、カメラ装置101と称する。また、カメラ装置101には、マイク(図示せず。)あるいは進入物体検出用のセンサ(図示せず。)が設けられているものもあり、これらの出力信号も映像信号に含まれるものとする。102は、上述の映像信号を伝送する伝送路であり、LAN(Local Area Network)、インターネットあるいは公衆回線等のネットワークを含み、複数のコンピュータを結び制御信号やデータなどの信号を伝送する。103−1、103−2、・・・103−nは、情報端末装置であり、例えば、パソコン(Personal Computer)等のデータ処理装置であり、ネットワーク接続でWebブラウザ等を搭載し、クライアントPCとも呼ばれる。なお、以下において、クライアントPCを代表する場合は、クライアントPC103と称することにする。
104は、ネットワーク102に接続されているデジタル記録装置であり、ネットワークデジタルレコーダNDR(NDR:株式会社 日立国際電気の登録商標)である。なお、以下の説明では、ネットワークデジタルレコーダNDR104をNDR104と称する。このNDR104は、伝送路102を介して、映像の取得や記録等のための配信を行う装置である。このNDR104は、伝送路102を介してカメラ装置101および映像データ等の視聴やNDRの設定を行う複数のクライアントPC103と接続されている。また、NDR104は、コンピュータボード105と記録部106で構成されている。
コンピュータボード105には、伝送路102と接続のためのネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)108と、記録部106と接続のための記録部インターフェイス(記録部I/F)109と、メモリ110と、CPU111が設けられ、制御バス107で接続されている。なお、記録部106は、磁気ディスク、光ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体ディスク等の記録装置で構成することができる。
記録部106内には、カメラ装置101−1、101−2、・・・101−mのそれぞれに対応する記録領域112−1、112−2、・・・112−m(記録領域を代表する場合は記録装置112と称する。)が記録を行う複数のカメラ装置の数分存在し、各カメラ装置101からの映像データが記録領域112に記録される。
まず、カメラ装置101で撮影された映像をNDRに記録する場合について説明する。カメラ装置101は、撮影した映像信号を、例えば、1フレームづつ、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)やJPEG(Joint Potographic Experts Group)等の画像圧縮方式で圧縮し、IP(Internet Protocol)パケット形式で、伝送路102を介してNDR104に送信する。ネットワークI/F108は、受信したIPパケット形式の映像データを制御バス107上を伝送する形式に変換し、CPU111上で動作するNDRソフトウエアに映像データを引き渡す。
CPU111のNDRソフトウエアは、受信した映像データを一旦メモリ110に格納し、例えば、10〜100フレーム程度データをまとめ、そして、カメラ装置101の各記録領域の格納位置を計算し、記録部I/F109を介して記録領域112に格納する。なお、コンピュータボード105のメモリ110には、NDR104の録画動作に必要な情報が格納される。例えば、設定権限者パスワードPW1、あるいは、カメラ毎の情報CIが記録される。なお、これらの内、代表的なものを表1で示す。
表1において、設定権限者パスワードPW1は、NDR104の設定変更権限者を識別するめのパスワードである。また、カメラ装置101−1に関する情報として、カメラ名(設定管理者が識別しやすいように名前として付与した文字列)、カメラタイプ(カメラの機種によって通信方式が異なる場合があるので、カメラの機種識別名)、アドレス(NDR104を伝送路102を介してカメラ装置101−1に接続するために必要なアドレス、例えば、カメラ装置のURLやIPアドレス等)、カメラ101−1設定権限者パスワード(録画処理によっては、カメラ装置101−1の設定を変更する必要がある。また、カメラ装置の設定変更には、設定権限者の確認を行うためパスワードを要求することがあり、NDRからカメラ装置の設定を変更する際に送信するパスワード)、スケジュール(NDRは、昼と夜で録画のフレームレートを変えるといった処理ができ、何時の時間にどれくらいのフレームで撮影するかを定めた、例えば、スケジュールテーブル)、記録領域サイズ(記録部106上の、例えば、カメラ装置101−1用記録領域の記録に必要なバイトサイズ)、先頭フレーム番号と末尾フレーム番号(カメラ装置101−1からの映像を記録した最初のフレーム番号と、記録を終了した時の最後のフレーム番号)、フレーム番号と各フレームの取得時刻(カメラ装置101−1が被写体を撮像した時の各フレーム番号と各フレーム毎の取得時刻)等である。なお、表1に示される各カメラ装置101に関する情報の設定には、クライアントPC103のWebブラウザに表示される設定画面から設定できるが、これらについては従来から周知の技術であるので詳細な説明は省略する。
NDR104のカメラ101用記録領域112の作成は、映像取得開始前に、NDR104の設定権限者が、例えば、クライアントPC103から例えば、図4に示す領域設定画面を用いて作成する。図4は、例えば、クライアントPC103−1の表示画面に表示された入力設定画面の一例を示す。図4において、401は、表示画面、402は、NDR104の設定権限者パスワード入力領域、403は、カメラNo.選択領域で、例えば、カメラ装置101−1が選択表示されている。404は、記録装置106の記録領域指定領域で、例えば、カメラ101−1用記録領域112−1が指定されている。405は、フレームレート選択領域で、例えば、10枚/秒が設定されている。406は、記録開始時刻設定領域、407は、記録終了時刻を入力する領域である。408は、記録容量を選択する領域で、例えば、200MBが選択されている。409は、OKボタンであり、上述した各項目の入力および選択が正しければ、OKボタンを押すことで各項目が実行される。また、410は、Cancelボタンであり、修正、変更等の場合、Cancelボタンを押し、再入力等を行う。以上のようにしてNDR104の設定権限者は、接続するカメラ装置101の録画の際のフレームレートと記録時間等を勘案してカメラ101用記録領域112のバイトサイズを決定する。
また、図5は、例えば、カメラ装置101−1で撮像された映像データをNDR104のカメラ101−1用記録領域112−1に記録し、クライアントPC103−1からの映像要求に従って、映像データを読み出す場合の動作の概念図を示している。ここで、映像データのカメラ101−1用記録領域112−1への記録は、領域の先頭から記録を開始し、末尾に到達するとまた先頭から上書きを行う、所謂、循環記録方式(例えば、特許文献1、特許文献2参照)を採用している。また、映像録画時には、自動的に容量拡張を行わず、予め確保された領域内での循環記録を行う。更に、取得した映像データには、フレーム毎に管理用の、例えば、フレーム番号(カメラ毎に独立した1からの連番)を付与し、同時に、映像取得時刻も記録する。従って、メモリ110には、先頭フレーム番号および末尾フレーム番号も記録されている。
次に、上記のようにして記録された映像を再生する場合について説明する。NDR104に記録された映像を視聴したいユーザは、クライアントPC103、例えば、クライアントPC103−1の再生ソフトを稼働させる。これによってNDR再生ソフトは、NDR104から1フレーム単位で映像データを取得し、クライアントPC103−1の画面上に映像の表示、再生処理を行うことができる。これについて更に詳述する。クライアントPC103−1上のNDR再生ソフトは、IPパケット形式で映像配信要求を伝送路102を介してNDR104に送信する。クライアントPC103−1から送出された映像配信要求は、IP形式で、伝送路102を伝達し、NDR104のネットワークI/F108に到達する。
ネットワークI/F108は、受信したIP形式の映像配信要求を制御バス107上に伝送する形式に変換し、CPU111上で動作するNDRソフトウエアに伝送する。NDRソフトウェアは、映像配信要求に従い、記録部I/F109を介して、例えば、カメラ101−1用記録領域112−1から映像データを読み出し、IP形式でネットワークI/F108、伝送路102を介して、クライアントPC103−1に映像データを送信する。クライアントPC103−1上のNDR再生ソフトは、受信した映像データをデコードし、画面上に表示する。なお、クライアントPC103−1から映像データ1フレームを取得する際には、映像取得時刻またはフレーム番号で指定し目的の映像データを取得することができる。
而して、NDRの運用開始から一定以上の期間が経過した場合、映像記録システムのメンテナンスや故障した場合等では、一時的にNDRを停止したり、あるいは、耐用年数を超える場合には、新しいNDRと交換する必要になるが、この場合、NDRを停止する必要がある。このような場合、監視等の機能が一時停止することとなるが、これでは、十分な監視活動ができないとか、特に、セキュリテイーが要求される場合には、監視活動を一時的にも停止することができない場合がある。従って、このような場合、映像記録システムとしての信頼性が損なわれるので、より信頼性の高い映像記録システムの実現が望まれている。
特開2005−92679号公報
特開2004−355724号公報
本発明に係る実施の形態について以下詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例を説明するための概略構成を示す図である。図1において、104−1、104−2は、ネットワーク102に接続されているネットワークデジタル記録装置であり、ネットワークデジタルレコーダNDR(NDR:株式会社 日立国際電気の登録商標)である。なお、以下の説明では、ネットワークデジタルレコーダNDR104−1、104−2をNDR104−1(第1のデジタル記録装置という。)、104−2(第2のデジタル記録装置という。)と称する。なお、NDR104−1は、既に、カメラ装置101からの映像が記録されている記録装置であり、NDR104−2は、新たに設置された記録装置である。NDR104−1および104−2は、伝送路102を介して、映像の取得や記録等のための配信を行う装置である。このNDR104−1、104−2は、伝送路102を介してカメラ装置101および映像データ等の視聴やNDRの設定を行う複数のクライアントPC103(情報端末装置ともいう。)と接続されている。なお、図3と同じものには同じ符号が付されている。
NDR104−1(第1のデジタル記録装置)は、コンピュータボード105−1と記録部106−1で構成されている。コンピュータボード105−1には、伝送路102と接続のためのネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)108−1と、記録部106−1と接続のための記録部インターフェイス(記録部I/F)109−1と、メモリ110−1(以下、第1の管理メモリ110−1と称する。)と、CPU111−1(第1制御部ともいう。)が設けられ、制御バス107−1で接続されている。なお、記録部106−1は、磁気ディスク、光ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体ディスク等の記録装置で構成することができる。
記録部106−1内には、カメラ装置101−1、101−2、・・・101−mのそれぞれに対応する記録領域112−1、112−2、・・・112−m(記録領域を代表する場合は記録装置112と称する。)が記録を行う複数のカメラ装置の数分存在し、各カメラ装置101からの映像データが記録領域112に記録される。なお、記録領域112には、図3で説明したと同様に各カメラ装置101からの映像、例えば、監視映像がフレーム単位で記録されている。また、第1の管理メモリ110−1には、表1で示すように各カメラ装置101に関係する情報が記録されている。この表1で示すような各カメラ装置101に関係する情報は、また、記録部106−1の各記録領域112−1にも記録することもできることはいうまでもない。
同様に、NDR104−2(第2のデジタル記録装置)は、コンピュータボード105−2と記録部106−2で構成されている。コンピュータボード105−2には、伝送路102と接続のためのネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)108−2と、記録部106−2と接続のための記録部インターフェイス(記録部I/F)109−2と、メモリ110−2(以下、第2の管理メモリ110−2と称する。)と、CPU111−2(第2制御部ともいう。)が設けられ、制御バス107−2で接続されている。なお、記録部106−2は、磁気ディスク、光ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体ディスク等の記録装置で構成することができる。記録部106−2は、まだ、映像が記録されていない状態、即ち、フォーマットはされているが、記録領域は形成されていない状態である。なお、記録領域が形成されていない状態とは、未使用の新品であるとか、予め映像データを全て削除した状態等をいう。113−1は、NDR104−1の記録部106−1の、例えば、カメラ101−1用記録領域112−1の記録データおよびカメラ装置101−1で撮像中の映像データを引継ぐ記録領域を示す。また、記録部106−1と記録部106−2の記録容量は、同じ容量でも、また、異なる容量でも良い。
以上のような状態で、本発明の映像記録システムが動作している、即ち、カメラ装置101が、例えば、監視映像をNDR104−1に記録している状態で、NDR104−2がNDR104−1の機能を引継ぐ方法について説明する。
まず、図2を用いて本発明の映像データの流れを説明する。図2において、カメラ装置101−1からの映像データは、NDR104−1の記録部106−1のカメラ101−1用記録領域112−1に前述と同様に循環記録で保存する。なお、カメラ101からの映像データの取得は、NDR104−1からの1フレーム毎の映像要求に対してカメラ装置101−1から1フレーム単位で送られ、NDR104−1の記録部106−1に記録されるものとする。そして、NDR104−2が引継ぎ機能を実行すると、NDR104−2は、NDR104−1に映像データを1フレーム単位で要求する。また、NDR104−2からの1フレーム単位の映像データの要求に対して、NDR104−1は、要求のあった1フレーム単位の映像データをNDR104−2に送信し、カメラ101−1用記録領域113−1に収まるデータ量の映像データを取得する。NDR104−1から映像データを取得し終えたら、NDR104−2は、カメラ装置101−1からの映像データの取得を開始し、NDR104−1の動作を停止させる。なお、カメラ101−1用記録領域113−1も循環記録を行っている。
次に、図1を用いて更に詳細に説明する。まず、NDR104−1は、録画動作を開始し、カメラ装置101、例えば、カメラ装置101−1からの映像データを取得し、コンピュータボード105−1を介して記録部106−1の、例えば、カメラ101−1用記録領域112−1に記録しているものとする。
上記の状態で、引継ぎの動作について図9〜図12を用いて説明する。図9は、引継ぎ機能の設定を説明するための図である。図9において、ステップ901では、管理者(例えば、設定権限者)がクライアントPC103、例えば、クライアントPC103−1の操作部(図示せず。)を操作して設定画面表示要求をする。設定画面表示要求をすると、クライントPC103−1のWebブラウザからNDR104−2の設定メニュー画面(図示せず。)が呼出される。この場合、NDR104−2の記録部106−2の状態に応じて以下に説明する設定メニュー画面が表示される。ここでは、NDR104−2が動作し、CPU111−2から記録部106−2の現在の状態がクライントPC103−1に報告される。即ち、ステップ902で、記録部106−2内にカメラ101用記録領域113が存在しているかどうかが判断され、記録領域113が存在しない場合(0の場合)、ステップ903に進む。1個以上の記録領域113が存在していれば、ステップ904に進む。ステップ904では、引継ぎ機能が動作中かどうかを判断し、動作中でない場合(Noの場合)、ステップ905に進み、動作中の場合(Yesの場合)、ステップ906に進む。
ステップ903では、「引継ぎ機能設定」を選択可能にする。即ち、NDR104−2の記録部106−2内には、まだ、映像データの蓄積がない状態であるので、「引継ぎ機能設定」を選択し、引継ぎ動作の実行に進む。これについては、図10で説明する。ステップ905では、「引継ぎ機能設定」の選択を不可にする。即ち、引継ぎ動作が完了し、NDR104−1の映像データがNDR104−2に引継がれていることを示しているので、選択を不可にする。ステップ906では、「引継ぎ機能 動作変更」を選択可能にする。即ち、現在、NDR104−1に蓄積されている映像データがNDR104−2への引継ぎの作動中であり、管理者が必要に応じて動作変更を希望する場合、この設定メニュー画面で操作する。なお、ステップ905および906については、本発明と直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
次に、管理者(設定権限者)が「引継ぎ機能設定」を選択した場合(図9に示すステップ903)について、図10を用いて説明する。ステップ1001では、管理者(設定権限者)が「引継ぎ機能設定」を選択するステップである。この「引継ぎ機能設定」を選択すると、図6に示される「引継ぎ機能設定画面(1)」がクライアントPC103−1の画面に表示される(ステップ1002)。従って、管理者は、「引継ぎ機能設定画面(1)」に必要な情報を入力あるいは選択する。図6において、601は、アドレス選択領域、即ち、引継ぎたいNDR104−1を指定するための領域である。例えば、図6では、NDR104−1が選択されている。602は、設定権限者(管理者)パスワードであって、例えば、Y00101が入力される。この状態でOKボタン603を押すと、ステップ1005に進み、Cancelボタン604を押すとステップ1004に進む。ステップ1004は、再度、「設定メニュー画面」が表示され、上記の操作を繰り返す。
ステップ1005では、NDR104−1(引継ぎ元)のアドレスと設定権限者パスワードの文字列が有効かどうかを判定する。即ち、図6に示されるアドレスと設定権限者パスワードが正しいかどうかを判断し、正しい(有効)場合、ステップ1006に進み、有効でない(無効)の場合、ステップ1002に戻り、再入力する。ステップ1006では、NDR104−1へ管理者(設定権限者)権限でのログインを試行する。即ち、図6で示されるアドレス601の入力されたアドレス「NDR104−1」に通信を試み、設定権限者パスワード602の「Y00101」で、設定権限者としてNDR104−1に通信可能かを試行する。
設定権限者として通信に失敗した場合、ステップ1007に進み、成功すれば、ステップ1008に進む。ステップ1007では、失敗理由を表示した画面を生成しクライアントPC103−1に送信し、表示する。この表示画面には、失敗理由と「OK」ボタンが表示され、「OK」ボタンが押されれば、ステップ1002に戻り、再入力する。なお、失敗理由としては、「入力されたアドレス情報ではNDR104−1をアクセス出来ません。」、あるいは、「入力されたパスワードが違っています。」等の表示がなされる。
ステップ1008では、NDR104−1から引継ぎに必要な情報を取得する。即ち、NDR104−1の記録部106−1の各カメラ101用記録領域112−1に記録されているの映像データをNDR104−2の記録部106−2に引継ぐために必要な情報を読み出す。この情報とは、例えば、表1に示されるカメラ装置101に関する情報であり、NDR104−1の第1管理メモリ110−1に蓄積されている情報を読出し、NDR104−2の第2管理メモリ110−2に書き込む。
ステップ1009では、「引継ぎ機能設定画面(2)」を表示する。即ち、ステップ1008で取得した情報に基づいて、NDR104−2のCPU111−2では、図7に示される「引継ぎ機能設定画面(2)」を生成し、クライアントPC103−1に送信し、表示させる。図7において、701は、引継ぎを実行するかを選択する項目、702は、カメラ番号またはIDNo.、703は、NDR104−2の記録部106−2に新しく設定する各カメラ101用記録領域113の記録容量を入力する領域である。
ここで、NDR104−2の記録部106−2に新しく設定する各カメラ101用記録領域113の記録容量の設定について説明する。記録領域設定703は、NDR104−2の記録部106−2上に確保するカメラ101用記録領域113、例えば、カメラ101−1用記録領域113−1の記録容量(バイトサイズを表示した数値)を入力するボックスであり、図7では、200MBが設定されている。なお、本実施例の映像記録システムでは、例えば、初期値として、NDR104−1の各記録領域112の比率をNDR104−2の記録装置106−2に反映した値、即ち、(NDR104−1内の各カメラ101用記録領域112)×(NDR104−2の記録部106−2の全容量)/(NDR104−1の記録部106−1の全容量)に設定されるが、運用するシステムの構成に合わせて、管理者(設定権限者)が適宜値を変更することができる。
さて、このようにNDR104−1の記録部106−1とNDR104−2の記録部106−2とを適宜異ならせることができる。従って、本実施例の映像記録システムは、目的に応じて各カメラ装置101の記録する映像データのフレームレートや記録時間等を変更できるので、例えば、監視カメラ等のニーズにあった映像記録システムを構築できる特徴がある。これについて更に詳しく説明する。
図13は、NDR104−1の記録部106−1の容量とNDR104−2の記録部106−2の容量とを示したものである。そして、図13(A)は、NDR104−1の容量≦NDR104−2の容量の場合を示すもので、この場合は、記録部106−1の全ての映像データを引継ぐことができる。図13(B)は、NDR104−1の容量>NDR104−2の容量の場合を示すもので、この場合は、記録部106−1の一部の映像データしか引継ぐことができない。従って、記録部106−1の最新の情報から記録できる範囲の映像データを記録することができる。なお、上記いずれの場合でも、管理者(設定権限者)が適宜映像データを選択し、必要な映像データを引継ぎ、必要でない映像データは、引継がないというようにすることもでき、記録部106−2の有効利用を図ることができる。
図7の説明に戻って、704は、引継ぎ実行後(コピー実行後)にNDR104−1(引継ぎ元)の停止の指示を入力するボックスであり、705は、カメラ映像取得開始を指示するボックスである。このボックス704がONであれば、NDR104−2がNDR104−1からの映像データのコピーを完了させた場合、NDR104−2がNDR104−1のカメラ装置101からの映像取得を停止させる命令を発行する。また、ボックス705がONであれば、NDR104−2がNDR104−1からの映像データのコピーを完了させた時、NDR104−2がカメラ装置101から映像取得を開始する。なお、図7において、NDR104−2の記録部106−2の容量と各カメラ101用記録領域の容量との比率表示、あるいは、NDR104−2の記録部106−2の容量と各カメラ101用記録領域の合計容量との比率を表示することもできる。また、706は、全映像データコピー完了後、引継ぎ元(NDR104−1)をシャットダウン指示するチェックボックスである。
ここで、図10の説明に戻り、ステップ1010では、管理者(設定権限者)は、図7で設定した条件でOKか、OKでないかを判断する。OKでない場合は、Cancelボタン708を押すと、ステップ1011に進み、先に説明した「設定メニュー画面」に戻り、再入力する。OKの場合には、OKボタン707を押すと、ステップ1012に進む。
ステップ1012では、図7に示される「引継ぎ機能設定画面(2)」の入力値が正しいかどうかを判定する。例えば、記録容量設定ボックス703の総設定容量が、NDR104−2の記録部106−2の総容量を超えてないかを判定し、超えている場合、ステップ1013に進み、超えていない場合、ステップ1014に進む。ステップ1013では、無効理由を表示した画面を生成し、クライアントPC103−1に送信する。この画面には、無効理由と「OK」ボタンが表示され、「OK」ボタンが押されれば、ステップ1009に戻り、再入力をする。また、無効理由としては、「カメラ記録領域容量の合計容量が記録装置の容量を超えています。」等の表示をする。
ステップ1014は、引継ぎ機能実行部であり、引継ぎが実行される。この引継ぎ機能実行について図11を用いて説明する。図11は、引継ぎ機能実行を説明するためのフローチャトである。なお、本実施例では、引き継ぎ機能は、マルチスレッド(カメラ毎に独立した並列処理のことをいう。)で実行する場合について説明するが、これに限定されるものではない。まず、ステップ1101では、「引継ぎ機能」実行部のフラグ「引継ぎ機能実行状態」を実行中にする。即ち、先の説明の図7でOKボタン707を押すと、「引継ぎ機能」実行部が起動し、クライアントPC103−1の画面に「引継ぎ機能実行状態」が表示される(図示せず。)ので、これを実行中にする。ステップ1102では、図7で入力された各情報がNDR104−2のCPU111−2の命令に従って第2管理メモリ110−2の管理テーブルに保存される。ステップ1103では、NDR104−2の記録部106−2上に各カメラの録画領域が作成される。即ち、NDR104−2の記録部106−2上にカメラ101−1、101−2、・・・101−mに対応する録画領域113−1、113−2、・・・113−mを図7で説明した記録容量設定703で設定した記録容量200MB、500MB、・・・1000MBの大きさで作成する。
ステップ1104では、「コピー処理を行うか」がONの全カメラで「映像データコピースレッド」を起動する。即ち、CPU111−2が第2管理メモリ110−2の管理テーブルに基づいて、図7で示される実行ボックス701にチェックを入れた全カメラで「映像データコピースレッド」を起動する。ステップ1105は、起動した全「映像データコピースレッド」が終了するまで待機する。即ち、NDR104−1の映像データの記録データのコピーおよびNDR104−1の映像記録の機能が全てNDR104−2に引継がれるまで継続される。このステップ1104および1105について、更に、詳細に図12を用いて説明する。
図12は、引継ぎ機能実行状態を説明するためのフローチャートである。図12において、ステップ1201は、映像データコピースレッドのフラッグ「カメラ毎・引継ぎ機能実行状態」を実行中とする。ステップ1202では、映像取得開始の「取得フレーム番号」を算出する。即ち、第2管理メモリ110−2には、表1に示されるカメラ装置101に関する全ての情報が取込まれており、また、NDR104−1の記録部106−1の記録容量とNDR104−2の記録部106−2の記録容量には、図13で示される関係にある。従って、例えば、カメラ101−1用記録領域113−1については、図13(A)のように「カメラ101−1用記録領域112−1の容量」≦「カメラ101−1用記録領域113−1の容量」の場合には、カメラ101−1用記録領域112−1の領域内の全映像データは、カメラ101−1用記録領域113−1の領域内にコピーできるために、「取得フレーム番号」の初期値は、カメラ101−1用記録領域112−1の最古の「フレーム番号」とする。
また、例えば、カメラ101−1用記録領域113−1について、図13(B)のように「カメラ101−1用記録領域112−1の容量」>「カメラ101−1用記録領域113−1の容量」の場合には、カメラ101−1用記録領域112−1の最新フレームからカメラ101−1用記録領域113−1の容量分に対応するカメラ101−1用記録領域112−1の相当分までの映像データしか、カメラ101−1用記録領域113−1内にコピーできないため、「取得フレーム番号」の初期値は、カメラ101−1用記録領域112−1の最新フレームからカメラ101−1用記録領域113−1の記録容量に相当するカメラ101−1用記録領域112−1の過去映像の「フレーム番号」とする。即ち、図13(B)に示すようにカメラ101−1用記録領域113−1には、カメラ101−1用記録領域112−1の新しい部分の映像データがコピーされ、古い映像データは、コピーされない。なお、他のカメラ101用記録領域113についても同様である。
ステップ1203では、コピー開始の現在時刻を「開始時刻」として取込む。ステップ1204では、NDR104−1(引継ぎ元)から「取得フレーム番号」の映像データを取得する。即ち、NDR104−2のCPU111−2は、NDR104−1のCPU111−1に「取得フレーム番号」の映像データ要求を送信する。これによってCPU111−1は、該当するフレームの付属情報と映像データが返信されるので、CPU111−2は、これら付属情報と映像データをカメラ101用記録領域113に記憶する。これについて図14を用いて説明する。
図14は、映像データの蓄積状況を説明するための図であり、例えば、第1管理メモリ110−1にテーブルとして記憶されている。なお、図14は、カメラ装置101−1の映像データについて説明したものであるが、他のカメラ装置101についても同様であるので、ここでは、カメラ装置101−1で代表して説明するものとする。図14において、フレーム番号は、カメラ装置101−1が、例えば、被写体の撮影を開始してから現時点までのフレーム番号を示している。映像データは、フレーム単位に記録される映像データVD1、VD2、・・VDnを示している。蓄積場所は、フレーム番号1〜mまでの映像データVD1〜VDmは、記録部106−1のカメラ101−1用記録領域112−1に記録されていることを示し、フレーム番号m+1〜nまでの映像データVDm+1〜VDnは、第1管理メモリ110−1に蓄積されていることを示している。なお、フレーム番号m+1〜nまでの映像データVDm+1〜VDnが第1管理メモリ110−1に蓄積されている理由は、従来例でも説明したようにカメラ装置101−1が撮影した映像データは、一旦、第1管理メモリ110−1に格納し、例えば、10〜100フレーム程度、例えば、100フレームの映像データが蓄積されると、100フレームの映像データをまとめ、そして、カメラ装置101−1の記録領域112−1の格納位置を計算して格納するためである。
従って、ステップ1204では、例えば、CPU111−2は、フレーム番号1の映像データVD1をCPU111−1に要求する。この要求を受けたCPU111−1は、カメラ101−1用記録領域112−1からフレーム番号1の映像データVD1を読出し、CPU111−2は、この映像データVD1をNDR104−2の記録部106−2のカメラ101−1用記録領域113−1に書き込む。同様に、フレーム番号2の映像データVD2を要求し、フレーム番号2の映像データVD2をカメラ101−1用記録領域113−1に書き込む。以下これが繰り返される。
ステップ1205では、今回取得した映像フレームは最新フレームかを判定する。判定の結果、最新フレームでない場合は、ステップ1206に進み、最新フレームの場合は、ステップ1207に進む。ステップ1206では、「取得フレーム番号」を1づつインクリメントする。即ち、取得した映像フレームは、最新フレームではないため、図14で示されるフレーム番号1〜nまで順次、1フレームづつ映像データの送信要求と、送信を繰り返す。
図14から明らかなようにNDR104−1では、フレーム番号1からフレーム番号mまでの映像データは、記録装置106−1のカメラ101−1用記録領域112−1に記録され、フレーム番号m+1〜フレーム番号nまでの映像データは、第1管理メモリ110−1に記録されているが、上述したようにCPU111−2では、1フレームづつの映像データの送信要求と、1フレームづつの映像データの受信が繰り返されるので、CPU111−2では、映像データがカメラ101−1用記録領域112−1に記録されている映像データなのか、第1管理メモリ110−1に記録されている映像データなのか区別はない。即ち、過去に記録部106−1に記録された映像データ(フレーム番号1〜フレーム番号m)から現在カメラ装置101−1で撮像されている映像データ(フレーム番号m+1〜フレーム番号n)の映像データまで連続して取得することが可能となる。そして、取得した映像データのフレーム番号が最新の場合には、全ての映像データをコピーしたことになるので、ステップ1207に進む。
ステップ1207では、「コピー後にNDR104−1の映像取得を停止」のフラグをチェックする。即ち、図7に示されるコピー実行後の処理の欄で、NDR104−1録画停止のブロック704で、チェックがONの場合、ステップ1208に進み、OFFの場合には、ステップ1209に進む。ステップ1208では、カメラのNDR104−1の映像取得を停止する。即ち、NDR104−1に設定者権限でアクセスし、カメラ101−1用記録領域112−1の映像取得停止命令を発行し、NDR104−1のカメラ101−1用記録領域112−1からの映像取得を停止させる。ステップ1209では、図7に示されるカメラ映像取得開始のブロック705で、チェックがONの場合、ステップ1210に進み、OFFの場合、ステップ1211へ進む。
ステップ1210では、NDR104−1から取得したカメラ情報に基づいてカメラ装置101−1からの映像データの取得を開始する命令をNDR104−2のNDRソフトウエアに発行する。これによってNDR104−2は、カメラ装置101−1から映像データの取得とカメラ101−1用記録領域113−1への記録を開始する。ステップ1211では、「カメラ毎に引継ぎ機能実行状態」をコピー済みとし、現在時刻を取得し、終了時刻を記録する。ステップ1212で、この映像データコピースレッドが終了する。
図11の説明に戻って、ステップ1105では、全ての映像データコピースレッドの終了を待つ。ステップ1106では、「NDR104−1シャットダウン指示チェックボックス」706のチェックがONであれば、ステップ1107に進み、OFFであれば、ステップ1108に処理を進める。ステップ1107では、NDR104−1に設定者権限でアクセスし、シャットダウン命令を発行し、NDR104−1をシャットダウンさせる。ステップ1108では、「引継ぎ機能実行状態」を「非実行」とする。ステップ1109では、「引継ぎ機能」実行部が終了する。これによってNDR104−1の全ての機能がNDR104−2に引継がれたことになる。従って、NDR104−1を取り外したり、修理を行ったり、あるいはNDR104−1の記録部106−1を交換したりする等を行っても、映像記録システムを停止することなく、通常のサービスを継続することが可能となる。
図8は、本発明の他の一実施例を説明するための図であって、クライアントPCの、例えば、クライアントPC103−1の画面上に表示される引継ぎ機能状態表示画面である。前述したようにNDR104−1の機能をNDR104−2に引継ぐ場合、引継ぎの過程で、引継ぎ機能の状態を見たい場合が発生する。そのような場合、NDR104−2のCPU111−2をアクセスし、図8に示すような画面を表示する。図8において、801は、引継ぎ機能を中止するかどうかを入力するブロック、802は、カメラ装置101−1、101−2、・・・101−mを示す。803は、引継ぎ機能が実行中か、完了か等を表示する項目である。804は、引継ぎ機能にてNDR104−1からNDR104−2への映像データのコピーの進捗状況を、例えば、95%、・・・10%というように示している。
805は、引継ぎ機能にてNDR104−1からNDR104−2への映像データのコピーを開始した時刻を示し、806は、引継ぎ機能にてNDR104−1からNDR104−2への映像データのコピーの終了した時刻を示す。コピーの実行中であれば、経過時間と進捗状況から時刻計算を行い、終了予定時刻を表示する。807は、「コピー実行後処理・引継ぎ元録画停止」の項目であり、このチェックボックスがONであれば、NDR104−2がNDR104−1からカメラ101用記録領域112−1の映像データのコピーを完了させた際に、NDR104−2がNDR104−1にカメラ101からの映像取得を停止させる命令を発行する。また、808は、「コピー実行後処理・当機映像取得開始」の項目であり、このチェックボックスがONであれば、NDR104−2がNDR104−1からカメラ101用記録領域112−1の映像データのコピーを完了させた際に、NDR104−2がカメラ101から映像取得を開始することを実行する。809は、全記録領域をコピー後、NDR104−1をシャットダウンする項目、810は、OKボタン、811は、Cancelボタンである。従って、図8に示される画面を表示することによって管理者は、引継ぎの状況を把握することができるし、また、必要によって引継ぎを中止したりする等ができる特徴がある。
以上本発明について詳細に説明したが、本発明の実施例では、NDR104を実施例として説明したが、NDR104に限定されるものではなく、デジタル記録装置であれば本発明が実現できることは言うまでもない。また、本発明では、2台のデジタル記録装置で説明したが、2台以上のデジタル記録装置を具えるシステムにも適用でき、その場合は、デジタル記録装置に、例えば、アドレスを設定し、個々のデジタル記録装置をアドレスで区別するようにすると本発明の実施例と同様に実施できることはいうまでもない。
また、本実施例では、NDR104−1からNDR104−2への引継ぎ機能について主として説明したが、例えば、図7に示す引継ぎ機能設定画面において、「NDR104−1録画停止」のチェックブロック704をONにしなければ、図14で説明したようにNDR104−2がNDR104−1の記録装置106−1からコピーし終えた後は、NDR104−2とNDR104−1が並列してカメラ装置101から映像を取得する構成とすることもできる。また、同様に図7に示す引継ぎ機能設定画面において、「カメラ映像取得開始」のチェックボックス705をONにしなければ、NDR104−2をNDR104−1のバックアップ用デジタル記録装置とすることもできる。
また、本実施例では特に説明をしていないが、図7に示す引継ぎ機能設定画面において、「全映像データコピー完了後、引継ぎ元をシャットダウン」のチェックボックス706をONし、NDR104−2が全映像のコピーを終了し、NDR104−1をシャットダウンさせる時に、予め登録させておいたメールアドレスに「全映像のコピー終了」のメッセージを送信させたり、その報知音を鳴らしたり、報知灯を点灯させたり等、なんらかの報知をおこなうようにすることもできる。更に、本実施例では、NDR104−1からNDR104−2への映像コピーは、NDR104−1の全ての映像のコピーする実施例で説明したが、例えば、設定画面で「過去何時間分」あるいは「映像データのバイトサイズ」でコピーするようを指示するようにすることも容易である。
更に、本実施例では、映像データを1フレーム単位で要求する場合についてフレーム番号番号を用いて説明したが、例えば、MPEG−4であれば、映像データをGOV(Group Of VOP)単位で要求するようにして、その際GOV番号を用いて行うこともできる。また、上記以外の場合でも、映像データを所定の単位で要求する場合、所定の番号を用いて行うことができることはいうまでもない。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された映像記録システムおよび映像記録方法の実施例に限定されるものではなく、上記以外の映像記録システムおよび映像記録方法に広く適応することが出来ることは、言うまでも無い。
101:カメラ装置、102:伝送路、103:クライアントPC、104:デジタル記録装置、105:コンピュータボード、106:記録部、107:制御バス、108:ネットワークI/F、109:記録部I/F、110:管理メモリ、111:CPU、112、113:カメラ101用記録領域。