JP2007227436A - 真空成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空成膜装置1におけるロードロックチャンバー20は、その内部空間を所定温度に保持するための保熱手段23を備える。この保熱手段23は、基板が収容される内部空間を形成し且つ該内部空間における対流の発生を実質的に防止又は抑制するように配置された複数のヒータパネル23a〜23cからなる。このような構成により、上記の内部空間Sにおいて対流が発生しにくくなるので、ロードロックチャンバー20内に搬入されてきた基板2の温度を均一に保持しつつ大気圧から真空に移行させることができる。
【選択図】図3
Description
ベントガスが内部に導入されると、ベントガスの対流がチャンバー内に発生するためヒータパネル下部の温度が低下し、この結果、ヒータパネルの温度分布が不均一となる。また、ヒータパネルはランプヒータから構成されるため熱容量が小さく、温度低下しやすいため温度分布の不均一が顕著である。また、ロードロックチャンバーの床面とゲートバルブ側にはヒータパネルが設置されていないため、ヒータパネルの下部およびゲートバルブ側での温度低下は顕著である。
続いて、基板が搬入されると、ベントガスの対流により基板の温度分布も不均一となる。
このような状況では、温度調整機能によっても基板温度の均一化は不可能であり、この結果、対流が発生する状況では基板温度分布を均一にすることが困難となる。
このように従来では、基板温度分布の均一化が困難であるという問題があった。
すなわち、本発明にかかる真空成膜装置は、基板を所定温度まで加熱する加熱チャンバーと、該加熱チャンバーからの基板が搬入され基板温度を保持しつつ内部を所定の真空状態にするロードロックチャンバーと、該ロードロックチャンバーからの基板が搬入され基板に成膜を行う成膜チャンバーとを備えた真空成膜装置であって、前記ロードロックチャンバーは前記基板を所定温度に保持するための保熱手段を備え、該保熱手段は、基板が収容される内部空間を形成し且つ該内部空間における対流の発生を実質的に防止又は抑制するように配置された複数のヒータパネルからなることを特徴とする。
なお、上記の「側部」とは、上部及び下部以外の周囲を構成する部位を意味する。したがって、内部空間の側部の境界を作るヒータパネルには、実施形態においては「側部ヒータ」のほか、「ゲート部ヒータ」も含まれる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる真空成膜装置1の概略構成を示す平面図である。本実施形態において、真空成膜装置1はプラズマCVD装置として構成されている。
この真空成膜装置1は、台車3に支持された基板2が基板装着部51から搬入され基板を所定温度まで加熱する加熱チャンバー10と、加熱チャンバー10からの基板2が搬入され基板温度を保持しつつ内部を所定の真空状態にするロードロックチャンバー20と、ロードロックチャンバー20からの基板2が搬入され基板2に成膜を行う成膜チャンバー30と、成膜チャンバー30からの基板2が搬入され基板2を冷却するとともに内部圧力を大気圧まで戻して大気側に搬出するアンロードロックチャンバー40とを備えている。加熱チャンバー10、ロードロックチャンバー20、成膜チャンバー30およびアンロードロックチャンバー40は、気密を保持できる開閉可能なゲートバルブ8b〜8dを介して前記の順で直列に接続されている。また、加熱チャンバー10とアンロードロックチャンバー40の大気側にも同様のゲートバルブ8a,8eが設けられている。
具体的には、台車3は、レール9上を車輪5によって走行可能な矩形状の支持台6と、支持台6上の走行方向前後側にそれぞれ走行方向の直角水平方向に間隔を置いて立設された複数の支柱7とを備えている。支柱7は、走行方向前後で対をなし、図示しない支持具によって基板2を支持できるようになっている。本実施形態では、台車3は6枚の基板2を互いに間隔を置いて対向する状態で鉛直に支持できるように構成されている。
上記のレール9は加熱チャンバー10、ロードロックチャンバー20、成膜チャンバー30、アンロードロックチャンバー40の内部にそれぞれ敷設されている。
なお、駆動装置は、上記の例に限られず、台車3をレール9に沿って走行させることが可能な範囲内で種々の形態を採用できる。
上記のように構成された台車3に基板2を鉛直に支持させる。基板2を支持した台車3は、ゲートバルブ8aを開いて加熱チャンバー10に進入し、続いてゲートバルブ8aを閉じた後、加熱チャンバー10に備えられた基板加熱手段11によって所定温度に加熱する。この所定温度は、成膜チャンバー30での成膜温度とするか、あるいは、ロードロックチャンバー20での多少の温度低下を考慮して成膜チャンバー30において丁度成膜温度となるように、成膜温度以上の温度としてもよい。例えばアモルファスシリコンの成膜である場合は、成膜温度は200℃程度であるので、加熱チャンバー10により200℃程度かそれ以上の温度に基板を加熱する。
例えば、輻射加熱方式を採用する場合、ランプヒータから構成されるヒータパネルを、上記のように台車3上に支持された基板と基板の間、および基板と加熱チャンバー10の側壁との間に位置するように、それぞれ配置した構成とすることができる。また、抵抗加熱方式を採用する場合、シースヒータやセラミックヒータなどを採用することができる。
また、特開2001−187332号公報に示された加熱チャンバー10のように、ガスを熱源によって加熱し、熱源によって加熱されたガスを送風機によって送り出し、送り出されたガス(熱風)の通路上に基板が配置されるように構成し、これにより基板を強制対流により所定温度に加熱するようにしてもよい。
その後、ゲートバルブ8cを開けて基板2を成膜チャンバー30に搬入し、続いてゲートバルブ8cを閉めた後、排気系31により所定の負圧を保持した状態で、温度調節装置32により基板2の温度を所定温度に維持しつつ、原料ガス供給装置33により原料ガスを供給して、誘導結合型電極34の作用により基板2に薄膜(例えばアモルファスシリコン膜のような半導体膜)を形成する。
図3に示すように、ロードロックチャンバー20の壁部を構成するチャンバー本体24には、その内部を所定の負圧に減圧する排気系21と、チャンバー本体24内にベントガス(例えば窒素ガス)を導入して大気圧まで戻すベントガス導入系22が接続されている。図3では、左側から基板が搬入され、右側から基板が搬出されるようになっている。そのために、チャンバー本体24における基板の搬送方向の前後が基板の出入口となっており、その出入口がゲートバルブ8b,8cによって気密に閉じられるようになっている。したがって、ゲートバルブ8b,8cが閉じられた状態では、そのゲートバルブもロードロックチャンバー20の内壁面の構成部分となる。チャンバー本体24の内部底面には上記のレール9が敷設されている。
以下、本実施形態において、上記の内部空間Sの上部の境界を作るヒータパネルを「上部ヒータ23a」、上記の内部空間Sの基板搬送方向左右(図4の左右)の側部の境界を作るヒータパネルを「側部ヒータ23b」、上記の内部空間Sの基板搬送方向前後(ゲートバルブ側)の側部の境界を作るヒータパネルを「ゲート部ヒータ23c」と呼ぶ。
上部ヒータ23aとゲート部ヒータ23cの配置関係が、図5(C)に示すように、内部空間Sの下部以外の部分において内部空間Sの内部と外部を鉛直方向に連通する隙間が形成される配置関係となる場合、その上方に温度の低い領域が必ず存在することになる。この場合、温度の低い領域と内部空間Sとで温度差があるため、対流が発生する。
このようにヒータパネルを配置することにより、内部空間Sから上方を見たときに温度の低い領域が存在しないため、対流の発生を効果的に防止できる。
上記の各分割パネルは鉛直軸心を中心に回転する回転軸26に接続され、さらに、回転軸26は図示しない駆動装置によって回転させられるようになっている。
基板の搬入時においてチャンバー本体24内にはベントガス導入系22によってベントガスが導入され大気圧に調整されているとともに、チャンバー本体24内は各ヒータパネル(23a〜23c)によって、搬送されてくる基板の温度を保持できる温度(例えば200℃程度)に加熱されている。
このとき、ベントガスが導入された場合でも、上述したように各ヒータパネル(23a〜23c)が内部空間Sにおける対流の発生を実質的に防止又は抑制するように相互に近接配置されていることから、内部空間Sにおいて対流が発生しにくいため、基板の温度分布の不均一が大幅に抑制される。また邪魔部材の作用によってベントガスの対流によるヒータパネルからの抜熱を低減できるため、ヒータパネルの温度分布がより均一となり、チャンバー内に搬入されてきた基板の温度をさらに均一に保持しつつ大気圧から真空に移行させることができる。
このような基板の搬入からチャンバー本体24内の減圧の過程において、上述したように内部空間Sにおいて対流が発生しにくくなっているので、搬入された基板をその温度を面全体に亘って均一に保持しつつ大気圧から真空に移行することができる。
以後の成膜チャンバー30及びアンロードロックチャンバー40における動作は上述した通りである。
本発明の実施形態にかかる真空成膜装置1によれば、ロードロックチャンバー20がその内部空間Sを所定温度に保持するための保熱手段23を備え、その保熱手段23がロードロックチャンバー20の内壁面を構成する各面に沿って配置された複数のヒータパネル(23a〜23c)からなるので、ベントガスが導入された場合でも上記の内部空間Sにおいて対流が発生しにくくなるため、基板の温度分布が不均一とならない。また、ヒータパネルの温度分布が均一であるため、チャンバー内に搬入されてきた基板の温度を均一に保持しつつ大気圧から真空に移行させることができる。
図6は、本発明の第2実施形態にかかる真空成膜装置におけるロードロックチャンバー20の側面断面図である。図7は、図6におけるD−D線断面図である。
図6及び図7に示すように、本実施形態では、内部空間Sの下部又は下方に、熱の拡散による内部空間Sの温度低下を実質的に防止又は抑制できるようにヒータパネルが配置されている。この「熱の拡散による内部空間Sの温度低下を実質的に防止又は抑制できる」とは、拡散に起因する基板の温度不均一が実用上殆ど問題にならない程度の範囲内(例えば所定温度±15℃程度のばらつき)になるように内部空間Sの温度低下を防止又は抑制することをいう。以下、このヒータパネルを「下部ヒータ」と呼ぶ。下部ヒータ23dは、底面に設けられた支持部材25dによって底面から所定の間隔を置いて支持されている。この下部ヒータ23dは、好ましくは、内部空間Sの下部の大部分を閉じられる程度の大きさとし、より好ましくは、内部空間Sの下部の略全体を閉じられる程度の大きさとする。
なお、下部ヒータ23dは図示した枚数に限られず、一枚、あるいは面方向に3枚以上から構成されるものであってもよい。
第2実施形態にかかる真空成膜装置の他の部分の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
これに対し、本発明の第2実施形態によれば、内部空間Sの下側にもヒータパネルを配置することにより、ベントガス導入後における拡散による内部空間S下部の温度低下を防止できるので、基板温度の均一性に悪影響を与えることがない。よって、基板温度の均一性を一層高めることができる。
したがって、本発明の真空成膜装置によれば、高品質の太陽電池やTFTを製作することができる。
2 基板
3 台車
8a〜8e ゲートバルブ
10 加熱チャンバー
20 ロードロックチャンバー
23 保熱手段
23a 上部ヒータ
23b 側部ヒータ
23c ゲート部ヒータ
23d 下部ヒータ
27 邪魔部材
30 成膜チャンバー
40 アンロードロックチャンバー
Claims (6)
- 基板を所定温度まで加熱する加熱チャンバーと、該加熱チャンバーからの基板が搬入され基板温度を保持しつつ内部を所定の真空状態にするロードロックチャンバーと、該ロードロックチャンバーからの基板が搬入され基板に成膜を行う成膜チャンバーとを備えた真空成膜装置であって、
前記ロードロックチャンバーは前記基板を所定温度に保持するための保熱手段を備え、該保熱手段は、基板が収容される内部空間を形成し且つ該内部空間における対流の発生を実質的に防止又は抑制するように配置された複数のヒータパネルからなる、
ことを特徴とする真空成膜装置。 - 前記複数のヒータパネルは、前記内部空間の上部および側部の境界を作るように配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
- 前記内部空間の下部以外の部分において該内部空間の内部と外部を鉛直方向に連通する隙間が形成されないように、各ヒータパネルが配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の真空成膜装置。
- さらに、前記内部空間の下部又は下方に、熱の拡散による前記内部空間の温度低下を実質的に防止又は抑制できるようにヒータパネルが配置されている、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の真空成膜装置。
- 前記ヒータパネルは前記ロードロックチャンバーの内壁面から所定の隙間を置いて設置されており、前記隙間に上下方向の気体の流れを妨げる邪魔部材が設置されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空成膜装置。
- 前記ヒータパネルのうち、基板を搬入又は搬出するための出入口側に設けられたヒータパネルは、基板の搬入又は搬出時に基板が通過できるようにパネル面の向きを変える、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空成膜装置。
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