JP2007226994A - 透明導電膜の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化ケイ素膜は優れたガスバリア性を有し、透明性および化学的安定性にも優れているため、透明導電膜のガスバリア層として用いられ、該導電層の作製開始直後に酸素ガス導入を遮断することで、連続成膜に伴う抵抗率の悪化を防止するための透明導電膜の作製方法を提供する。
【解決手段】酸化物ガスバリア層を成膜する工程と導電層を成膜する工程とを含み、該導電層の成膜工程において、成膜雰囲気中の酸素ガス導入を一時的に遮断することで酸素濃度調整層を形成する工程をさらに含む透明導電膜の作製方法。
【選択図】なし
【解決手段】酸化物ガスバリア層を成膜する工程と導電層を成膜する工程とを含み、該導電層の成膜工程において、成膜雰囲気中の酸素ガス導入を一時的に遮断することで酸素濃度調整層を形成する工程をさらに含む透明導電膜の作製方法。
【選択図】なし
Description
本発明は透明導電膜の作製方法に関するものであり、より詳しくは、酸化物ガスバリア層と導電層との連続成膜に伴う抵抗率の悪化を防止するための透明導電膜の作製方法に関するものである。
透明導電酸化物薄膜は、タッチパネル、フラットパネルディスプレイ、ソーラーパネルなどの様々な用途に用いられる材料である。その中でも酸化インジウムに酸化亜鉛を添加したIndium−Zinc−Oxide(IZO)は、次世代透明導電酸化物薄膜として期待されている素材である。
IZO薄膜は、成膜時に加熱が不要であるため従来の透明導電酸化物薄膜より応用分野が広くなると見込まれているが、大気中の酸素や水分の影響によって、電気的特性の低下が生じる。そのため、現状ではIZO薄膜を透明なガスバリア層で密封し、酸素および水分による性能劣化を抑制している。
酸化ケイ素膜は優れたガスバリア性を有し、透明性および化学的安定性にも優れているため、透明導電膜のガスバリア層として用いられる。しかし、スパッタリング法により連続的に、酸化ケイ素上にIZO薄膜を積層すると電気抵抗率が高くなる。これは、酸化ケイ素薄膜とIZO薄膜とを連続的に成膜する際に、下地の酸化ケイ素あるいは成膜室内の残留酸素ガスの影響を受け、IZOの成膜雰囲気は一時的に酸素含有量が過多となり、通常と異なる電気抵抗率を有する、電気抵抗異常層が形成されるためと思われる。
すなわち、本発明の目的は,該導電層の作製開始直後に酸素ガス導入を遮断することで,連続成膜に伴う抵抗率の悪化を防止するための透明導電膜の作製方法を提供することである。
本発明の要旨は、酸化物ガスバリア層と導電層とを連続成膜する場合に、該導電層の作製開始直後に所定の厚みを形成する間、外部からの酸素ガスの導入を遮断することで、導電層の電気抵抗率の悪化を防止することが可能な、透明導電膜の作製方法を提供することである。
前記透明導電膜の作製方法は、酸化物ガスバリア層を成膜する工程と導電層を成膜する工程とを含み、該導電層の成膜工程において、成膜雰囲気中の酸素ガス導入を一時的に遮断することで酸素濃度調整層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする。
前記作製方法により作製される透明導電膜は、前記酸化物ガスバリア層が厚さ10〜65nm
のSiOx薄膜からなり、前記導電層が厚さ60〜550nmのIZO薄膜からなることを特徴とする。
のSiOx薄膜からなり、前記導電層が厚さ60〜550nmのIZO薄膜からなることを特徴とする。
前記透明導電膜の性能は、可視光透過率が70〜80%、酸素透過度が0.5〜1.5cc/m2・day・atm、電気抵抗率が5.0〜6.0×10−4Ωcm、キャリア密度1.0〜10×1020cm−3、ホール移動度が11〜26cm2/V・secの特性を示すことを特徴とする。
前記SiOx薄膜は、組成比がx=0.9〜1.2であり、PET基板上に厚さ10〜65nmの該SiOx薄膜を形成した段階での酸素透過度が1〜10cc/m2・day・atmであることを特徴とする。
本明細書中において、「酸素濃度調整層」とは、IZO薄膜中の、該SiOx薄膜との界面近傍を成膜する際に酸素流量を意図的に調整した部位を示している。また、ガスバリア性の評価は、厚さ38μmのPET基板(酸素透過度;35cc/m2・day・atm)上に成膜した状態で計測した値である。可視光透過率の評価は、該PET基板上に成膜した状態で波長300〜800nmにわたって計測したもので、波長550nmの値を使用した。
本発明により提供される透明導電膜は、70〜80%の高い可視光透過率を有するため、液晶ディスプレイやフレキシブルディスプレイなどの電極や配線に使用するのに適している。
また、厚さ10〜65nmのSiOx薄膜からなる酸化物ガスバリア層は、酸素透過度1〜10cc/m2・day・atmの高いガスバリア性を有するため、酸素や水分の影響によって電気的特性の低下が生じ易いIZO薄膜の劣化を軽減することが可能である。
さらに、電気抵抗率が5.0〜6.0×10−4Ωcm、キャリア密度が1.0〜10×1020cm−3、ホール移動度が11〜26cm2/V・sec、という優れた電気的特性を有している。
スパッタリング法により連続的に成膜を行う際、該IZO薄膜中において、該SiOx薄膜との界面近傍の層の成膜時に、外部からの酸素ガスを遮断することにより、IZOの電気抵抗率の悪化を防止することが可能であり、成膜室内の雰囲気を調整する工程を省き、透明導電膜の作製に要する時間の短縮が図れる。
IZO薄膜を単層で成膜するとき、酸素ガス導入量が多いとキャリア密度が減少することを見出した。これに対し、成膜過程において、SiOx成膜からIZO成膜に切り替えた直後の層を成膜するにあたり、酸素ガス導入を停止して成膜することよって、連続成膜に伴う抵抗率の悪化を防止することが可能となった。
傾斜対向型DCマグネトロンスパッタリング装置を用いることによって、常温での成膜が可能であり、また、ターゲットと基板との距離が離れているため、PETに代表される高分子材料基板を用いる場合であっても、基板に与えるダメージを軽減することができる。
前記ガスバリア性を備えた透明導電膜の作製方法の詳細は、前記SiOx薄膜の成膜においては、放電時のチャンバー内圧力0.5〜0.6Pa、アルゴンガスと酸素ガスの流量比O2/(O2+Ar)=0.5/65.5〜1.5/56.5であり、前記IZO薄膜の成膜においては、放電時のチャンバー内圧力0.3〜0.4Pa、アルゴンガスと酸素ガスの流量比O2/(O2+Ar)=0.1/45.1〜0.5/35.5である。ただし、IZOの成膜の初期段階では、外部から導入する酸素ガスの流量を0sccmとして酸素濃度調整層を形成する。
透明導電膜として使用する際には、IZO薄膜の外気による劣化を防ぐため、表面を密封するが、一般に使用される材質・手法であれば良く、特に限定されるものではない。
透明導電膜を作製する条件の一例と、該条件により得られる透明導電膜の性能を示す。傾斜対向型スパッタリング法を用い、基板として厚さ38μmのPET(酸素透過度;35cc/m2・day・atm)を使用した。
SiOx薄膜からなる酸化物ガスバリア層の成膜;アルゴンガス導入量60sccm、酸素ガス導入量1.0sccm、バイアス電圧−60V、コイル電流20A、アノード電圧4V、ベース圧4.5×10−3Pa、放電時のチャンバー内圧力0.52Pa、ヒーター加熱を行わず、ターゲット電流0.5Aとして、厚さ20nm相当に達するまで成膜を行った。
IZO薄膜からなる導電層の成膜;アルゴンガス導入量40sccm、酸素ガス導入量0.3sccm、バイアス電圧0V、コイル電流5A、アノード電圧20V、ベース圧4.5×10−3Pa、放電時のチャンバー内圧力0.34Pa、ヒーター加熱を行わず、ターゲット電流0.65Aとして、厚さ180nmに達するまで成膜を行った。ただし、該導電層の成膜を開始してから厚さ20nm相当に達するまでの間は、酸素ガス導入量を0sccmとして酸素濃度調整層を形成した。
以上の工程により、PET基板上に、厚さ20nmのSiOx薄膜からなるガスバリア層と、厚さ20nmの酸素濃度調整層を含む厚さ180nmのIZO薄膜からなる導電層とを積層した、透明導電膜が得られた。
前記透明導電膜の性能は、可視光透過率が80%であり、酸素透過度が0.7cc/m2・day・atmであり、前記導電層の電気抵抗率が5.5×10−4Ωcmであり、キャリア密度が7.5×1020cm−3であり、ホール移動度が15cm2/V・secであった。
図1は透明導電膜を作製する際の酸素ガス導入量の推移を示すグラフである。SiOx成膜時は1.0sccmであり、IZO成膜に切り替えた直後は0sccmとして酸素濃度調整層を形成し、その後通常のIZO層を成膜する間は0.3sccmとした。dとして示す区間が酸素濃度調整層の厚さに相当する。
酸素濃度調整層の厚さを変化させた際の、透明導電膜の電気抵抗率を測定したものが図2に示すグラフである。酸素濃度調整層の厚さは10〜30nmが好ましいことがグラフから読み取れる。
Claims (3)
- 酸化物ガスバリア層上に導電層を積層してなる透明導電膜の作製方法であって、該酸化物ガスバリア層を成膜したのち、連続的に該導電層を成膜する場合において、該導電層の作製開始直後に所定の厚みを形成する間の酸素ガス導入を遮断することで、連続成膜による導電層の抵抗率の悪化を防止することを特徴とする透明導電膜の作製方法。
- 請求項1に記載の作製方法により作製された透明導電膜であって、前記酸化物ガスバリア層は厚さ10〜65nm
のSiOx薄膜からなり、前記導電層は厚さ60〜550nmのIZO薄膜からなり、可視光透過率が70〜80%、酸素透過度が0.5〜1.5cc/m2・day・atm、電気抵抗率が5.0〜6.0×10−4Ωcmの特性を示すことを特徴とする透明導電膜。 - 前記SiOx薄膜において、組成比がx=0.9〜1.2であり、PET基板上に厚さ10〜65nmの該SiOx薄膜を形成した段階での酸素透過度が1〜10cc/m2・day・atmであることを特徴とする、請求項2に記載の透明導電膜。
Priority Applications (1)
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JP2006043758A JP2007226994A (ja) | 2006-02-21 | 2006-02-21 | 透明導電膜の作製方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103173717A (zh) * | 2011-12-22 | 2013-06-26 | 三菱综合材料株式会社 | 水蒸气阻挡膜形成用蒸镀材及成膜方法以及水蒸气阻挡膜 |
JP2020136148A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 日東電工株式会社 | 光透過性導電フィルム |
JP2020149793A (ja) * | 2019-03-11 | 2020-09-17 | セイコーエプソン株式会社 | ケーブルおよび超音波装置 |
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2006
- 2006-02-21 JP JP2006043758A patent/JP2007226994A/ja active Pending
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