JP2007225964A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録層の感度が向上し、多重度の増大及び光信号のS/N比の向上を図れ、高密度画像記録が可能なホログラム型の光記録媒体及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法の提供。
【解決手段】上側基板と、下側基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有する光記録媒体において、前記記録層が少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有し、かつ該重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が前記記録層の厚み方向に分布を有する光記録媒体及び該光記録媒体の製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ホログラフィを利用して情報が記録される光記録媒体及び該光記録媒体の製造方法に関する。
高密度画像データ等の大容量の情報を書き込み可能な記録媒体の一つとして光記録媒体が挙げられる。このような光記録媒体としては、例えば、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の書換型光記録媒体やCD−R等の追記型光記録媒体については既に実用化されているが、光記録媒体の更なる大容量化に対する要求は高まる一方である。しかし、従来より提案されている光記録媒体は全て二次元記録であり、記録容量の増大化には限界があった。そこで、近時、三次元的に情報を記録可能なホログラム型光記録媒体が注目されている。
前記ホログラム型光記録媒体は、一般に、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光として記録層から出射される。
このホログラム型光記録媒体では、記録層内に光学特性分布が三次元的に形成されるので、一の情報光により情報が書き込まれた領域と、他の情報光により情報が書き込まれた領域とを部分的に重ね合わせること、即ち多重記録が可能である。デジタルボリュームホログラフィを利用した場合には、1スポットの信号対雑音比(S/N比)は極めて高くなるので、重ね書きによりS/N比が多少低くなっても元の情報を忠実に再現できる。その結果、多重記録回数が数百回まで及び、光記録媒体の記録容量を著しく増大させることができる(特許文献1参照)。
このようなホログラム型の光記録媒体としては、例えば、図1に示すように、下側基板1表面にサーボピットパターン3を設け、このサーボピットパターン表面にアルミニウム等からなる反射膜2と、この反射膜上に少なくともフォトポリマーを含有する記録層4と、この記録層上に上側基板5とを有するものが提案されている(特許文献2参照)。
前記光記録媒体においては、記録層の厚みが500μm以上であり、スピン塗布による厚みは50μm程度が限界であるため、1回のスピン塗布により記録層を形成することは困難である。このため、基板上に内外周スペーサを設けて形成された凹部内に、記録層用組成物を流し込み、硬化させて、記録層を形成しているが、このような記録層の表面には凹凸や、うねりが生じており、均一な厚みの記録層を形成することが困難である。
また、上述したように記録層の厚みが500μm以上と厚いので、記録層中の重合性モノマーや重合開始剤の含有量が偏在すると、充分満足できる感度が得られないことがあるという問問点がある。更に、記録層中に重合性モノマー及び重合開始剤が均一に含有されていても、記録再生時の照射レーザー光線の焦点位置での重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が不足すると、充分満足できる記録層の感度、及び多重度が得られないという課題がある。
特開2002−123949号公報 特開平11−311936号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、記録層の感度が向上し、多重度の増大及び光信号のS/N比の向上を図れ、高密度画像記録が可能なホログラム型の光記録媒体、及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 上側基板と、下側基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有する光記録媒体において、
前記記録層が少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有し、かつ該重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が前記記録層の厚み方向に分布を有することを特徴とする光記録媒体である。
<2> 記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が漸次多くなる前記<1>に記載の光記録媒体である。
<3> 記録時の照射レーザー光線の焦点位置での重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が記録層表面部よりも多い前記<1>から<2>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<4> 記録層が単層構造であり、かつ厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる分布を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<5> 記録層が多層構造であり、かつ重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる層を多数積層してなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<6> 多層積層が、2層以上である前記<5>に記載の光記録媒体である。
<7> 記録層の多層構造は、該記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなるように多数の層を積層してなる前記<5>から<6>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<8> 下側基板の表面にサーボピットパターンを有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<9> サーボピットパターン表面に反射膜を有する前記<8>に記載の光記録媒体である。
<10> 反射膜が、金属反射膜である前記<9>に記載の光記録媒体である。
<11> 下側基板と記録層との間に選択反射層を有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<12> 選択反射層が、ダイクロイックミラー層、誘電体蒸着層、及びコレステリック液晶層の少なくともいずれかである前記<11>に記載の光記録媒体である。
<13> 選択反射層と反射膜との間に、下側基板表面を平滑化するための第1ギャップ層を有する前記<11>から<12>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<14> 記録層と選択反射層との間に、第2ギャップ層を有する前記<11>から<13>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<15> 重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる多数の記録層用組成物を用い、該記録層用組成物をスピン塗布した後、硬化させて塗布層を形成する塗布層形成工程を多数回繰り返して、厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる多数の塗布層からなる記録層を作製することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<16> 塗布層形成工程を2回以上繰り返す前記<15>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<17> 記録層と隣接する層の表面に、重合性モノマー及び重合開始剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液上に少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有する記録層用組成物を塗布して記録層を形成し、該記録層に塗布液を含浸させて該記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる分布を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<18> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の光記録媒体に対し情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録することを特徴とする光記録媒体の記録方法である。該<18>に記載の光記録媒体の記録方法においては、本発明の前記光記録媒体を用いて、情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録することにより、今までにない高密度記録を実現することができる。
<19> 前記<18>に記載の光記録媒体の記録方法により記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して情報を再生することを特徴とする光記録媒体の再生方法である。該<19>に記載の光記録媒体の再生方法においては、本発明の前記記録方法により記録層に記録された干渉パターンを効率よく、正確に読み取って高密度記録情報を再生することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、記録層の感度が向上し、多重度の増大及び光信号のS/N比の向上を図れ、高密度画像記録が可能なホログラム型の光記録媒体、及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することができる。
(光記録媒体及び光記録媒体の製造方法)
本発明の光記録媒体は、上側基板と、下側基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を少なくとも有してなり、反射膜、選択反射層、第1ギャップ層、第2ギャップ層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明の光記録媒体の製造方法は、第1形態では、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる多数の記録層用組成物を用い、該記録層用組成物をスピン塗布した後、硬化させて塗布層を形成する塗布層形成工程を多数回繰り返して、厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる多数の塗布層からなる記録層を作製する。
前記塗布層形成工程は、2回以上繰り返すことが好ましく、5回以上がより好ましく、10〜25回繰り返すことが更に好ましい。前記繰り返し数が2回未満であると、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量の厚み方向の分布を持たすことができなくなることがある。
本発明の光記録媒体の製造方法は、第2形態では、記録層と隣接する層の表面に、重合性モノマー及び重合開始剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液上に少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有する記録層用組成物を塗布して記録層を形成し、該記録層に塗布液を含浸させて該記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる分布を形成する。
以下、本発明の光記録媒体の説明を通じて、本発明の光記録媒体の製造方法についても説明する。
<記録層>
前記記録層は、少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有し、マトリックス、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記記録層は、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が該記録層の厚み方向に分布を有する。
この場合、前記記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が漸次多くなることが記録層の感度を向上させ、多重度の増大及び光信号のS/N比の向上を図れることができる点から好ましい。
また、記録時の照射レーザー光線の焦点位置での重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が記録層表面部よりも多いことが好ましく、記録時の照射レーザー光線の焦点位置での重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が記録層中で最も多いことがより好ましく、これにより、記録層の感度を向上させ、多重度の増大及び光信号のS/N比の向上を図ることができる。
前記記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量の分布を設ける手段としては、例えば、(1)記録層を多層構造とし、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる層を厚み方向に濃度分布を有するように多数積層する手段、(2)記録層を単層構造とし、該記録層と隣接する層の表面に、重合性モノマー及び重合開始剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液上に記録層を形成し、該記録層に塗布液を含浸させる手段などがある。
前記(1)の手段においては、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる多数の記録層用組成物を用い、該記録層用組成物をスピン塗布した後、硬化させて塗布層を形成する塗布層形成工程を多数回繰り返して、厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる多数の塗布層からなる記録層を作製する。前記(1)の手段は、本発明の前記第1形態に係る光記録媒体の製造方法に採用されている。
前記多層塗布層における各塗布層は、製造適正に優れ、使い易い点から、スピン塗布による塗布層であることが好ましい。
前記重合性モノマーの各塗布層における含有量は、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。この範囲において、例えば10層構造の多層塗布層の場合には5質量%ずつ含有量を変化させることによって、濃度分布を有する多層塗布層からなる記録層を形成することができる。
前記重合開始剤の各塗布層における含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。この範囲において、例えば10層構造の多層塗布層の場合には0.15質量%ずつ含有量を変化させることによって、濃度分布を有する多層塗布層からなる記録層を形成することができる。
前記多層塗布層は、2層以上の塗布層からなることが好ましく、5層以上がより好ましく、10〜25層が更に好ましい。前記多層塗布層が2層未満であると、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量の厚み方向の分布を持たすことができなくなることがある。
前記記録層は、厚み方向(下側方向)に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる層を有することが、多重記録回数の向上及び記録容量の増大を図る上で好ましい。
前記各塗布層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20〜50μmが好ましい。
前記多層塗布層の合計厚みは、100〜1,000μmが好ましく、300〜700μmがより好ましい。前記合計厚みが100μm未満であると、多重記録回数が上がらず、記録容量の増大が図れないことがあり、1,000μmを超えると、ホログラム記録層内での内部散乱が大きくなり、S/N比が低下することがある。
前記多層塗布層における厚みの分布は、多層塗布層の合計厚みの平均値±5%以内が好ましく、多層塗布層の合計厚みの平均値±2%以内がより好ましい。前記多層塗布層の合計厚みの平均値±5%を超えると、ホログラム記録層の記録容量に分布が生じたり、記録容量のバラツキが生じることがある。
ここで、前記多層塗布層の厚みの分布は、例えば、マイクロメーター等により測定することができる。
前記多層塗布層が、単層構造ではなく、多数の塗布層から構成されていることは、例えば、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで多層塗布層の拡大断面を観察し、各層の境界線が観察できることにより、容易に証明することができ、各層の重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量を赤外分光光度計で測定することにより厚み方向に濃度分布を有することが容易に証明できる。
前記(2)の手段としては、単層構造の記録層と隣接する層の表面に、重合性モノマー及び重合開始剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液上に少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有する記録層用組成物を塗布して記録層を形成し、該記録層に塗布液を含浸させる。前記(2)の手段は、本発明の前記第2形態に係る光記録媒体の製造方法に採用されている。
前記記録層と隣接する層としては、光記録媒体の層構成に応じて異なり一概には規定できないが、例えば、第2ギャップ層、第1ギャップ層、選択反射層、反射層などが挙げられる。
前記重合性モノマー及び重合開始剤を含有する塗布液における、重合性モノマーの含有量は、60〜90質量%が好ましく、重合開始剤の含有量は、7〜10質量%が好ましい。
前記記録層用組成物(即ち、含浸させる前の記録層)における重合性モノマーの含有量は、0〜50質量%が好ましく、重合開始剤の含有量は、0〜5質量%が好ましい。
前記塗布液の塗布方法としては、例えば、スピン塗布法、インクジェット法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法などが挙げられる。
前記記録層用組成物が十分低い粘度ならばキャスティングすることによって記録層を形成することができる。一方、キャスティングできない高粘度である場合には、ディスペンサーを用いて下側基板に記録層を盛りつけ、この記録層上に上側基板で蓋をするように押し付けて、全面に広げて記録層を形成することができる。
前記(2)の単層構造の記録層が、厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量の分布を有することは、例えば、記録層を厚み方向に切断して、その断面の各部分の重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量を赤外分光光度計で測定することにより、容易に証明することができる。
前記記録層(単層構造又は多層構造)は、上述したように、少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有してなり、マトリックス、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−重合性モノマー−
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル基やメタクリル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマー、エポキシ環やオキセタン環のようなエーテル構造を有するカチオン重合型系モノマーなどが挙げられる。これらの重合性モノマーは、単官能であっても多官能であっても構わない。また、光架橋反応を利用したものであっても構わない。
前記ラジカル重合型のモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、N−ビニルカルバゾール、などが挙げられる。
前記カチオン重合型系モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサングリシジルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(A)〜(E)で表される化合物、などが挙げられる。
これら重合性モノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−重合開始剤−
前記前記重合開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合、カチオン重合、架橋反応などを引き起こす材料などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、下記構造式で表されるチタノセン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、照射する光の波長に合わせて増感色素を併用しても構わない。
<マトリックス>
前記マトリックスは、塗膜性、膜強度、及びホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものであり、ホログラム材料との相溶性、を考慮して適宜選択される。
前記マトリックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱硬化性マトリックスであることが好ましく、例えば、イソシアネート化合物とアルコール化合物から形成されるウレタン樹脂やオキシラン化合物から形成されるエポキシ化合物、メラミン化合物、フォルマリン化合物、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸のエステル化合物やアミド化合物を重合して得られる重合体などが挙げられる。
前記マトリックスは、熱により硬化してもよく、触媒などを使用して硬化してもよい。
前記マトリックスの前記記録層における含有量は、10〜95質量%が好ましく、35〜90質量%がより好ましい。前記含有量が10質量%未満であると、安定な干渉像が得られないことがあり、95質量%を超えると、回折効率の点で望ましい性能が得られないことがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、記録層用組成物の貯蔵安定性を改良する目的で重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。
前記重合禁止剤又は酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト,フェノチアジン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記重合禁止剤又は酸化防止剤の添加量は、前記モノマーの全量に対して3質量%以下が好ましい。前記添加量が3質量%を超えると、重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなることがある。
前記記録層には、必要に応じて増感色素を添加することもできる。該増感色素としては、「Research Disclosure,Vol.200,1980年12月、Item 20036」や「増感剤」(p.160〜p.163、講談社;徳丸克己・大河原信/編、1987年)等に記載された公知の化合物を使用することができる。
前記増感色素としては、具体的には、特開昭58−15603号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−40302号公報に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−28328号公報、同60−53300号公報に記載のナフトチアゾールメロシアニン化合物、特公昭61−9621号公報、同62−3842号公報、特開昭59−89303号公報、同60−60104号公報に記載のメロシアニン化合物が挙げられる。
また、「機能性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224(1987))等に記載された色素も挙げることができる。具体的には、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオン性スチリル色素が挙げられる。
更に、クマリン(ケトクマリン又はスルホノクマリンも含まれる)色素、メロスチリル色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメチン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色素等も分光増感色素に含まれる。
前記増感色素は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記記録層には、該記録層用組成物からなる記録層の感度を向上させる目的で光熱変換材料を含有させることもできる。
前記光熱変換材料としては、特に制限はなく、目的とする機能や性能に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトポリマーとともに記録層へ添加する際の簡便さや、入射光の散乱などを引き起こさないといった特性から、有機染料色素が好ましく、また、記録に用いる光源の光を吸収、散乱しないといった点において、赤外線吸収色素が好ましい。
前記赤外線吸収色素は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カチオン性色素、錯塩形成色素、キノン系中性色素などが好適である。また、前記赤外線吸収色素の極大吸収波長としては、600〜1,000nmの範囲が好ましく、特に700〜900nmの範囲がより好ましい。
前記赤外線吸収色素の含有量は、作製した記録材料において、赤外領域で最も吸光度が高い波長の吸光度で決定され。該吸光度としては、0.1〜2.5の範囲が好ましく、0.2〜2.0の範囲がより好ましい。
なお、前記記録層には、更に必要に応じて、重合時の体積変化を緩和するため、重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、あるいは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。
<上側基板及び下側基板>
前記上側基板及び下側基板は、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、光記録媒体の機械的強度を確保できる材料を選定する必要がある。また、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが好ましい。
前記基板材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができるが、光記録媒体の機械的強度を確保できるものであり、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する透過型の場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要である。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
前記基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の質量が大きくなってドライブモーターなどにより回転して用いる場合には、過剰な負荷をかけることがある。
前記下側基板には、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間がデータエリアになっている。アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射膜の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えば、ウォルブピットを用いることができる。なお、光記録媒体がカード形状の場合には、サーボピットパターンは無くても構わない。
<選択反射層>
前記選択反射層は、下側基板上であって、前記記録層の下に設けられる。
前記選択反射層は、複数種の光線の中から特定の波長の光のみを反射する、波長選択反射機能を有する。特に、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光による光記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能もあり、前記光記録媒体に前記選択反射層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録が得られる。
前記選択反射層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイクロイックミラー層、誘電体蒸着層、単層又は2層以上のコレステリック層及び必要に応じて適宜選択したその他の層の少なくともいずれかを積層した積層体により形成される。
前記選択反射層は、直接記録層など共に、前記支持体上に塗布などにより積層してもよく、フィルム等の基材上に積層して選択反射層を作製し、これを支持体上に積層してもよい。
−ダイクロイックミラー層−
前記ダイクロイックミラー層は、波長選択反射層とするためには、複数層積層することが好ましい。前記積層数は、1〜50層が好ましく、2〜40層がより好ましく、2〜30層が特に好ましい。前記積層数が、50層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、分光透過率特性の変化が小さくなり層数を増加するだけの効果は小さくなる。
前記ダイクロイックミラー層における材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Ag、Au、Pt、Al、Cu、又はこれらの合金などが挙げられる。
前記ダイクロイックミラー層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、イオンアシスト法、レーザーアブレーション法等の物理的気相成長(PVD)法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の化学的気相成長(CVD)法、などが挙げられる。これらの中でも、物理的気相成長(PVD)法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記ダイクロイックミラー層の厚みとしては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの厚みが好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
−誘電体蒸着層−
前記誘電体蒸着層は、例えば、互いに屈折率の異なる誘電体薄層を複数層積層してなり、波長選択反射層とするためには、高屈折率の誘電体薄層と低屈折率の誘電体薄層とを交互に複数層積層することが好ましいが、2種以上に限定されず、それ以上の種類であってもよい。
前記積層数は、2〜20層が好ましく、2〜12層がより好ましく、4〜10層が更に好ましく、6〜8層が特に好ましい。前記積層数が、20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記誘電体薄層の積層順については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。前記屈折率が高いか低いかを決めるしきい値としては1.8が好ましい。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用してもよい。
前記高屈折率の誘電体薄層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrO、などが挙げられる。これらの中でも、Bi、CeO、CeF、HfO、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが好ましく、これらの中でも、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOがより好ましい。
前記低屈折率の誘電体薄層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThF、などが挙げられる。これらの中でも、Al、BiF、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが好ましく、これらの中でも、Al、CaF、MgF、MgO、SiO、Siがより好ましい。
なお、前記誘電体薄層の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
前記誘電体薄層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、イオンアシスト法、レーザーアブレーション法等の物理的気相成長(PVD)法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の化学的気相成長(CVD)法、などが挙げられる。これらの中でも、物理的気相成長(PVD)法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法と、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記誘電体薄層の厚みとしては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの厚みが好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
前記誘電体蒸着層においては、該誘電体蒸着層中を伝播する光の一部が、各誘電体薄層毎に多重反射し、それらの反射光が干渉するため、誘電体薄層の厚さと光に対する膜の屈折率との積で決まる波長の光のみが選択的に透過されることになる。また、誘電体蒸着層の中心透過波長は入射光に対して角度依存性を有しており、入射光を変化させると透過波長を変えることができる。
−コレステリック液晶層−
前記コレステリック液晶層は、少なくともネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記コレステリック液晶層は、1層でもよく、2層以上が積層されていてもよい。該2層以上の積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜10層が好ましい。前記積層数が10層を超えると、却って塗布による生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記コレステリック液晶層としては、円偏光分離機能を有するものが好ましい。前記円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層は、液晶の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光成分の光だけを反射する選択反射特性を有する。このコレステリック液晶層の選択反射特性を利用して、一定の波長帯域の自然光から特定波長の円偏光のみを透過分離し、その残りを反射する。したがって、前記各コレステリック液晶層は、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の光の円偏光を反射することが好ましく、前記第一の光の波長が350〜600nmであり、かつ前記第二の光の波長が600〜900nmであることが好ましい。
前記コレステリック液晶層の選択反射特性は、特定の波長帯域のみに限定され、可視光域をカバーすることは困難である。即ち、前記コレステリック液晶層の選択反射波長領域幅Δλは、下記数式1で表される。
<数式1>
Δλ=2λ(ne−no)/(ne+no)
ただし、前記数式1中、noは、コレステリック液晶層に含有されるネマチック液晶分子の正常光に対する屈折率を表す。neは、該ネマチック液晶分子の異常光に対する屈折率を表す。λは、選択反射の中心波長を表す。
前記数式1で示すように、前記選択反射波長帯域幅Δλは、ネマチック液晶そのものの分子構造に依存する。前記数式1から、(ne−no)を大きくすれば、前記選択反射波長帯域幅Δλを拡げられるが、(ne−no)は通常0.3以下であり、0.3より大きくなると、液晶としてのその他の機能、例えば、配向特性、液晶温度等が不十分となり、実用化が困難となる。したがって、現実にはコレステリック液晶層の選択反射波長帯域幅Δλは、最大でも150nm程度であり、通常30〜100nm程度が好ましい。
また、前記コレステリック液晶層の選択反射中心波長λは、下記数式2で表される。
<数式2>
λ=(ne+no)P/2
ただし、前記数式2中、ne及びnoは上記数式1と同じ意味を表す。Pは、コレステリック液晶層の一回転ねじれに要する螺旋ピッチ長を表す。
前記数式2で示すように、前記選択反射中心波長λは、コレステリック液晶層の螺旋ピッチが一定であれば、コレステリック液晶層の平均屈折率と螺旋ピッチ長Pに依存する。それ故、コレステリック液晶層の選択反射特性を拡げるには、前記各コレステリック液晶層の選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)が互いに同じであることが好ましい。また、各コレステリック液晶層の選択反射波長帯域は連続的であることが好ましい。ここで、前記「連続的」とは、2つの選択反射波長帯域間にギャップがなく、実質的にこの範囲の反射率が40%以上であることを意味する。
したがって、各コレステリック液晶層の選択反射中心波長λ間の距離は、各選択反射波長帯域が少なくとも1つの他の選択反射波長帯域と連続となる範囲内であることが好ましい。
前記選択反射層は、垂直入射を0°とし±20°の範囲であるλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが好ましく、垂直入射を0°とし±40°の範囲であるλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが特に好ましい。
前記λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)の範囲における光反射率が40%以上であれば、照射光反射の角度依存性を解消でき、通常の光記録媒体に用いられているレンズ光学系を採用することができる。
具体的には、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を3層積層すると、図4に示すような反射特性を有する選択反射層が得られる。この図4は正面(0°)からの垂直入射光に対する反射特性が40%以上であることを示している。これに対し、斜め方向からの入射光になると次第に短波長側にシフトしていき、液晶層内で40°傾斜した時は図5に示すような反射特性を示す。
同様に、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を2層積層すると、図6に示すような反射特性を有する選択反射層が得られる。この図6は正面(0°)からの垂直入射光に対する反射特性が40%以上であることを示している。これに対し、斜め方向からの入射光になると次第に短波長側にシフトしていき、液晶層内で20°傾斜した時は図7に示すような反射特性を示す。
なお、図4に示したλ〜1.3λの反射域は、λ=532nmのとき1.3λ=692nmとなり、サーボ光が655nmの場合はサーボ光を反射してしまう。ここに示すλ〜1.3λの範囲は選択反射層における±40°入射光への適性であるが、実際にそうした大きな斜め光まで使用する場合は、入射角±20°以内のサーボ光をマスキングして使用すれば支障なくサーボ制御できる。また、使用するフィルタにおける各コレステリック液晶層の平均屈折率を十分大きくすれば、選択反射層内での入射角を±20°以内で全て設計することも容易であり、その場合は図6に示すλ〜1.1λのコレステリック液晶層を2層積層することでよいので、サーボ光透過には全く支障がなくなる。
したがって、図4〜図7の結果から、前記選択反射層においては、入射波長が0°〜20°(好ましくは0°〜40°)傾斜しても40%以上の反射率が確保できているので、信号読み取りには何ら支障のない選択反射層が得られる。
前記各コレステリック液晶層は、上記特性を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上述したように、ネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−ネマチック液晶化合物−
前記ネマチック液晶化合物は、液晶転移温度以下ではその液晶相が固定化することを特徴とし、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、及び重合性液晶化合物の中から目的に応じて適宜選択することができる。溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いること等により配向させて、そのまま冷却等して固定化させることにより固相として使用することができる。
前記ネマチック液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式で表される化合物などが挙げられる。
前記式中において、nは1〜1,000の整数を表す。なお、前記各例示化合物においては、その側鎖連結基を、以下の構造に変えたものも同様に好適なものとして挙げることができる。
上記の各例示化合物のうち、ネマチック液晶化合物としては、十分な硬化性を確保する観点から、分子内に重合性基を有するネマチック液晶化合物が好ましく、これらの中でも、紫外線(UV)重合性液晶が好適である。該UV重合性液晶としては、市販品を用いることができ、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83、などが挙げられる。
前記ネマチック液晶化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し30〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、ネマチック液晶化合物の配向が不十分となることがある。
−カイラル化合物−
前記カイラル化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、液晶化合物の色相、色純度改良の観点から、例えば、イソマニード化合物、カテキン化合物、イソソルビド化合物、フェンコン化合物、カルボン化合物、等の他、以下に示す化合物などを挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記カイラル化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、Merck社製の商品名S101、R811、CB15;BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC756、などが挙げられる。
前記カイラル化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
−重合性モノマー−
前記コレステリック液晶層には、例えば、膜強度等の硬化の程度を向上させる目的で重合性モノマーを併用することができる。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターンニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後のコレステリック液晶層の強度をより向上させることができる。ただし、前記液晶化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられる。具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーなどが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を持つモノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーの添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記添加量が50質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向を阻害することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、増感剤、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶媒、界面活性剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤、などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPO、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を超えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
前記増感剤は、必要に応じてコレステリック液晶層の硬化度を上げるために添加される。前記増感剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、などが挙げられる。
前記増感剤の添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.001〜1.0質量%が好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂;側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体;ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー;その他の水酸基を有するポリマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、などが挙げられる。
前記その他の水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマー)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体、などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形質量に対し0〜80質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。前記添加量が80質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、又はこれらの誘導体、などが挙げられる。
前記重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーの固形分に対し0〜10質量%が好ましく、100ppm〜1質量%がより好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコキシプロピオン酸エステル類、アルコキシアルコールのエステル類、乳酸エステル類、ケトン類、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシプロピオン酸エステル類としては、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステルなどが挙げられる。
前記アルコキシアルコールのエステル類としては、例えば、2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどが挙げられる。
前記乳酸エステル類としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。
−反射膜−
前記反射膜は、前記下側基板のサーボピットパターン表面に形成される。
前記反射膜の材料としては、記録光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、前記反射膜として、光を反射すると共に、追記及び消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用い、ホログラムをどのエリアまで記録したかとか、いつ書き換えたかとか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったかなどのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記及び書き換えすることも可能となる。
前記反射膜の形成は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等の点で優れている。
前記反射膜の厚みは、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
−第1ギャップ層−
前記第1ギャップ層は、必要に応じて前記選択反射層と前記反射膜との間に設けられ、下側基板表面を平滑化する目的で形成される。また、記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するのにも有効である。即ち、前記記録層は、記録用参照光及び情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるので、前記記録層とサーボピットパターンとの間にギャップを設けることが有効となる。
前記第1ギャップ層は、例えば、サーボピットパターンの上から紫外線硬化樹脂等の材料をスピンコート等で塗布し、硬化させることにより形成することができる。また、選択反射層として透明基材の上に塗布形成したものを使用する場合には、該透明基材が第1ギャップ層としても働くことになる。
前記第1ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
−第2ギャップ層−
前記第2ギャップ層は、必要に応じて前記記録層と前記選択反射層との間に設けられる。前記第2ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のような透明樹脂フィルム、又は、JSR社製の商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、及び商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記第2ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
ここで、図2は、本発明の第一の実施形態における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この第一の実施形態に係る光記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂製基板又はガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図2では下側基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、図1に示すように周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットの高さは最大1750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚みに比べて充分に小さいものである。
第1ギャップ層8は、紫外線硬化樹脂等の材料を下側基板1の反射膜2上にスピンコート等により塗布して形成される。第1ギャップ層8は、反射膜2を保護すると共に、記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。つまり、記録層4において記録用参照光と情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるため、記録層4とサーボピットパターン3との間にギャップを設けると有効である。
第1ギャップ層8上には選択反射層6が設けられ、該選択反射層6上に記録層4と、該記録層4上に上側基板5(ポリカーボネート樹脂基板やガラス基板)が設けられ、光記録媒体21が構成される。
図2において、選択反射層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、選択反射層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
この選択反射層6は、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜が7層積層された誘電体多層蒸着層である。この誘電体多層蒸着層からなる選択反射層6は、第1ギャップ層8上に塗布によって直接形成してもよいし、基材上に誘電体多層蒸着層を形成したフィルムを光記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。なお、誘電体多層蒸着層を用いる場合には、光記録媒体の中であって、誘電体多層蒸着層と入出射面との間に4分の1波長板を光記録媒体の構成として入れるか、光記録媒体の中でなくてもダイクロイックミラーと光記録媒体との間に光学的な構成として4分の1波長板を配置するようにすればよい。
この4分の1波長板は、緑色の光に対してのみ4分の1波長分ずらすようにし、緑の光が入射すると円編光の光になるが、それ以外(例えば、赤)の色の光が入射すると楕円偏光の光になるようにするものである。
本実施形態における光記録媒体21は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよい。カード形状の場合にはサーボピットパターンは無くてもよい。また、この光記録媒体21では、下側基板1の厚みは0.6mm、第1ギャップ層8の厚みは100μm、選択反射層6の厚みは2〜3μm、記録層4の厚みは0.6mm、上側基板5の厚みは0.6mmであって、合計厚みは約1.9mmとなっている。
次に、図8を参照して、光記録媒体21周辺での光学的動作を説明する。まず、サーボ用レーザーから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶように光記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。光記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、上側基板5、記録層4、選択反射層6、及び第1ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第1ギャップ層8、選択反射層6、記録層4、及び上側基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
また、記録用/再生用レーザーから生成された情報光及び記録用参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ11によって情報光と記録用参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するように光記録媒体21に照射される。情報光及び記録用参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び記録用参照光は記録層4を通過し、選択反射層6に入射するが、該選択反射層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と記録用参照光は反射膜2までは到達しない。選択反射層6は誘電体多層蒸着層からなり、赤色光のみを透過する性質を有するからである。
<第二の実施形態>
図3は、本発明の第二の実施形態における光記録媒体の構成を示す概略断面図である。この第二の実施形態に係る光記録媒体22では、ポリカーボネート樹脂又はガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3表面にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1750Å(175nm)である点については、第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態と第一の実施形態の構造の差異は、第二の実施形態の光記録媒体22では、選択反射層6と記録層4との間に第2ギャップ層7が設けられていることである。
誘電体多層蒸着層からなる選択反射層6は、第1ギャップ層8を形成した後、該第1ギャップ層8上に形成され、前記第一実施形態と同様のものを用いることができる。
第2ギャップ層7は、情報光及び再生光がフォーカシングするポイントが存在する。このエリアをフォトポリマーで埋めていると過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こり多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第2ギャップ層を設けることが有効となる。
また、光記録媒体22では、下側基板1の厚みは1.0mm、第1ギャップ層8の厚みは100μm、選択反射層6の厚みは3〜5μm、第2ギャップ層7の厚みは70μm、記録層4の厚みは0.6mm、上側基板5の厚みは0.4mmであって、合計厚みは約2.2mmとなっている。
情報の記録又は再生を行う場合、このような構造を有する光記録媒体22に対して、赤色のサーボ用光及び緑色の情報光並びに記録及び再生用参照光が照射される。サーボ用光は、入出射面Aから入射し、記録層4、第2ギャップ層7、選択反射層6、及び第1ギャップ層8を通過して反射膜2で反射して戻り光となる。この戻り光は、再度、第1ギャップ層8、選択反射層6、第2ギャップ層7、記録層4、及び上側基板5をこの順序で通過して、入出射面Aより出射する。出射した戻り光は、フォーカスサーボやトラッキングサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。緑色の情報光等は、入出射面Aから入射し、記録層4、第2ギャップ層7を通過して、選択反射層6で反射して戻り光となる。この戻り光は、再度、第2ギャップ層7、記録層4、及び上側基板5をこの順序で通過して、入出射面Aより出射する。また、再生時についても再生用参照光はもちろん、再生用参照光を記録層4に照射することによって発生する再生光も反射膜2に到達せずに入出射面Aから出射する。なお、光記録媒体22周辺(図8における対物レンズ12、選択反射層6、検出器としてのCMOSセンサ又はCCD14)での光学的動作は、第一の実施形態(図8)と同様なので説明を省略する。
<光記録媒体の記録方法及び再生方法>
本発明の光記録媒体の記録方法は、本発明の前記光記録媒体に情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録する。
本発明の光記録媒体の再生方法は、本発明の前記光記録媒体の記録方法により記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して情報を再生する。
本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法では、上述したように、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光として記録層から出射される。
ここで、本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法は、以下に説明する本発明の光記録再生装置を用いて行われる。
本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置について図9を参照して説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る光記録再生装置の全体構成図である。なお、光記録再生装置は、光記録装置と光再生装置を含んでなる。
この光記録再生装置100は、光記録媒体20が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、光記録媒体20の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、光記録再生装置100は、光記録媒体20に対して情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共に、光記録媒体20に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、光記録媒体20に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31を光記録媒体20の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
光記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、及び再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)を光記録媒体20の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光記録媒体20の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31を光記録媒体20の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
光記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内の後述するCMOS又はCCDアレイの出力データをデコードして、光記録媒体20のデータエリアに記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、光記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。そして、コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、及びスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、及びRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現できるようになっている。
本発明の光記録媒体を用いた記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置は、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が記録層の厚み方向に分布を有する本発明の前記光記録媒体を用いているので、光信号のS/N比の向上が図れ、今までにない高密度記録を実現することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(比較例1)
−光記録媒体の作製−
下側基板として、直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板を用意した。この下側基板表面には、全面にわたってサーボピットパターンが形成されており、そのトラックピッチは1.6μmであり、溝深さは175nm、溝幅は300nmである。
まず、下側基板のサーボピットパターン表面に反射膜を成膜した。反射膜材料にはアルミニウム(Al)を用いた。成膜はDCマグネトロンスパッタリング法により厚み200nmのAl反射膜を成膜した。
次に、Al反射膜上に、厚み80μmのポリカーボネートフィルムを厚み20μmの粘着シートを用いて貼り付け、第1ギャップ層を形成した。
次に、基材上にSiOからなる薄膜と、TiOからなる薄膜とを交互に合計30層蒸着させてなる厚み2.4μmの多層蒸着膜(選択反射層)を所定のディスクサイズに打ち抜き、接着剤で第1ギャップ層上に貼り付けた。
次に、前記選択反射層上に、紫外線(UV)硬化樹脂組成物をスピンコートして、UV照射し、硬化させて、厚み50μmの第2ギャップ層を形成した。
次に、第2ギャップ層表面に、記録層の厚み(500μm)を有する外周スペーサ及び内周スペーサをそれぞれ接着した。
第2ギャップ層表面に、下記組成の記録層用組成物をスピン塗布した後、80℃で1時間熱硬化させて、厚み50μmの塗布層を形成する塗布層形成工程を、10回繰り返すことにより、合計厚み500μmの多層塗布層からなる記録層を形成した。
<記録層用塗布液の組成>
・ジ(ウレタンアクリレート)オリゴマー(Echo Resins社製、ALU−351)・・・59質量部
・イソボルニルアクリレート・・・30質量部
・ビニルベンゾエート・・・10質量部
・重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア784)・・・1質量部
次に、硬化させた記録層の表面に、接着剤で、直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート樹脂製の上側基板を貼り付けて、比較例1の光記録媒体を作製した。
(実施例1)
−光記録媒体の作製−
比較例1において、第2ギャップ層表面に、比較例1と同じ記録層用組成物であるが、イソボルニルアクリレート55質量部、及び、ビニルベンゾエート18.3質量部、及び、重合開始剤1.83質量部に比率を変えたものをスピン塗布した後、80℃で1時間熱硬化させて、厚み50μmの塗布層を形成した(以下、塗布層形成工程という)。
次に、この塗布層形成工程を、表1に表すように重合性モノマー及び重合開始剤の比率を変化させながら10回繰り返すことにより、合計厚み500μmの多層塗布層からなる記録層を形成した以外は、比較例1と同様にして、実施例1の光記録媒体を作製した。
<記録層の厚みの分布>
比較例1及び実施例1で作製した記録層上に、上側基板を設ける前に、半径方向及び円周方向の各点の厚みをマイクロメーターを用いて測定した。比較例1及び実施例1は、いずれも記録層の合計厚みの分布が、合計厚みの平均値500μm±10μm(2%)であった。
<記録層の層構成の分析及び濃度分布を有することの証明>
比較例1及び実施例1について、走査型電子顕微鏡を用いて記録層断面を観察することにより、比較例1及び実施例1は、各層の境界線が観察でき10層の塗布層からなる多層構造であることが確認できた。また、実施例1の記録層は、各層の重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量を赤外分光光度計で測定することにより厚み方向に濃度分布を有することが確認できた。
<多重記録可能回数>
得られた実施例1及び比較例1の各光記録媒体について、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)を用いて、実際に情報の記録を行い、多重記録可能回数を測定した。結果を表2に示す。なお、記録時の照射レーザー光線の焦点位置は第1層(表1参照)付近となる。
<記録感度>
得られた実施例1及び比較例1の各光記録媒体について、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)を用いて、実際に情報の記録を行い、記録感度を測定した。結果を表2に示す。なお、記録時の照射レーザー光線の焦点位置は第1層付近となる。
<S/N比の評価>
得られた実施例1及び比較例1の各光記録媒体について、S/N比を、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)により測定した。結果を表2に示す。
(比較例2)
−光記録媒体の作製−
下側基板として、直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板を用意した。この下側基板表面には、全面にわたってサーボピットパターンが形成されており、そのトラックピッチは1.6μmであり、溝深さは175nm、溝幅は300nmである。
まず、下側基板のサーボピットパターン表面に反射膜を成膜した。反射膜材料にはアルミニウム(Al)を用いた。成膜はDCマグネトロンスパッタリング法により厚み200nmのAl反射膜を成膜した。
次に、Al反射膜上に、厚み80μmのポリカーボネートフィルムを厚み20μmの粘着シートを用いて貼り付け、第1ギャップ層を形成した。
次に、基材上にSiOからなる薄膜と、TiOからなる薄膜とを交互に合計30層蒸着させてなる厚み2.4μmの多層蒸着膜(選択反射層)を所定のディスクサイズに打ち抜き、接着剤で第1ギャップ層上に貼り付けた。
次に、前記選択反射層上に、UV硬化樹脂組成物をスピンコートして、UV照射し、硬化させて、厚み50μmの第2ギャップ層を形成した。
次に、第2ギャップ層表面に、記録層の厚み(500μm)を有する外周スペーサ及び内周スペーサをそれぞれ接着した。
次に、外周スペーサ及び内周スペーサに挟まれた凹部に、下記組成の記録層用塗布液を流し込み、80℃で1時間熱硬化させることにより、厚みが500μmの記録層を形成した。
<記録層用塗布液の組成>
・ジ(ウレタンアクリレート)オリゴマー(Echo Resins社製、ALU−351)・・・59質量部
・イソボルニルアクリレート・・・30質量部
・ビニルベンゾエート・・・10質量部
・重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア784)・・・1質量部
次に、硬化させた記録層の表面に、接着剤で、直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート樹脂製の上側基板を貼り付けて、比較例2の光記録媒体を作製した。
(実施例2)
−光記録媒体の作製−
比較例2において、第2ギャップ層表面に、記録層の厚み(500μm)を有する外周スペーサ及び内周スペーサをそれぞれ接着し、第2ギャップ層表面に、イソボルニルアクリレート60質量部、ビニルベンゾエート20質量部、及び重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア784)2質量部を含有する塗布液をスピン塗布した。次に、外周スペーサ及び内周スペーサに挟まれた凹部に、下記組成の記録層用塗布液を流し込み、80℃で1時間熱硬化させて、厚み500μmの記録層を形成した。
<記録層用塗布液の組成>
・ジ(ウレタンアクリレート)オリゴマー(Echo Resins社製、ALU−351)・・・59質量部
・イソボルニルアクリレート・・・10質量部
・ビニルベンゾエート・・・3.3質量部
・重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア784)・・・0.33質量部
次に、硬化させた記録層の表面に、接着剤で、直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート樹脂製の上側基板を貼り付けて、実施例2の光記録媒体を作製した。
<記録層が分布を有していることの検出方法及び結果>
作製した実施例2の記録層を厚み方向に切断して、その断面の各部分の重合性モノマー含有量及び重合開始剤の含有量を赤外分光光度計を用いて測定した。その結果、記録層の厚み方向に濃度分布を有しており、記録層表面から厚み方向に475μmの位置が重合性モノマー及び重合開始剤の含有量が最も多くなっていた。
<多重記録可能回数>
得られた実施例2及び比較例2の各光記録媒体について、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)を用いて、実際に情報の記録を行い、多重記録可能回数を測定した。結果を表3に示す。なお、記録時の照射レーザー光線の焦点位置は記録層表面から厚み方向に530μm付近となる。
<記録感度>
得られた実施例2及び比較例2の各光記録媒体について、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)を用いて、実際に情報の記録を行い、記録感度を測定した。結果を表3に示す。なお、記録時の照射レーザー光線の焦点位置は記録層表面から厚み方向に530μm付近となる。
<S/N比の評価>
得られた実施例2及び比較例2の各光記録媒体について、S/N比を、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)により測定した。結果を表3に示す。
本発明の光記録媒体は、重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が記録層の厚み方向に分布を有するので、記録層の感度が向上し、多重度の増大及び光信号のS/N比の向上を図れ、高密度画像記録が可能であり、各種ホログラム型の光記録媒体として幅広く用いられる。
図1は、従来の光記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図2は、本発明による第一の実施形態に係る光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明による第二の実施形態に係る光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図4は、コレステリック液晶層を3層積層した選択反射層の正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図5は、コレステリック液晶層を3層積層した選択反射層内の40°傾斜方向からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図6は、コレステリック液晶層を2層積層した選択反射層の正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図7は、コレステリック液晶層を2層積層した選択反射層内の20°傾斜方向からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図8は、本発明による光記録媒体周辺の光学系の一例を示す説明図である。 図9は、本発明の光記録媒体を搭載した光記録再生装置の全体構成の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 下側基板
2 反射膜
3 サーボビットパターン
4 記録層
5 上側基板
6 選択反射層
7 第2ギャップ層
8 第1ギャップ層
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20 光記録媒体
21 光記録媒体
22 光記録媒体
31 ピックアップ
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 走査部
100 光記録再生装置
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (10)

  1. 上側基板と、下側基板との間に、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有する光記録媒体において、
    前記記録層が少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有し、かつ該重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が前記記録層の厚み方向に分布を有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が漸次多くなる請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 記録時の照射レーザー光線の焦点位置での重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が記録層表面部よりも多い請求項1から2のいずれかに記載の光記録媒体。
  4. 記録層が単層構造であり、かつ厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる分布を有する請求項1から3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 記録層が多層構造であり、かつ重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる層を多数積層してなる請求項1から3のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 多層積層が、2層以上である請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 記録層の多層構造は、該記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなるように多数の層を積層してなる請求項5から6のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. 重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が異なる多数の記録層用組成物を用い、該記録層用組成物をスピン塗布した後、硬化させて塗布層を形成する塗布層形成工程を多数回繰り返して、厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる多数の塗布層からなる記録層を作製することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  9. 塗布層形成工程を2回以上繰り返す請求項8に記載の光記録媒体の製造方法。
  10. 記録層と隣接する層の表面に、重合性モノマー及び重合開始剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液上に少なくとも重合性モノマー及び重合開始剤を含有する記録層用組成物を塗布して記録層を形成し、該記録層に塗布液を含浸させて該記録層の厚み方向に重合性モノマーの含有量及び重合開始剤の含有量が多くなる分布を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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