JP2007225815A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シートと像担持体との分離を好適に行うことを可能とするとともに、オフセット現象を生じさせることのない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 トナー像を搬送するとともにシートに前記トナー像を転写する像担持体と、該像担持体に隣接して配設されるとともに該像担持体の帯電極性と逆の帯電極性を備える転写体と、前記像担持体と前記転写体の間を通過し、前記トナー像が転写された後の前記シートの背面に前記転写体の帯電極性と逆の極性の電圧を印加し、前記像担持体と前記シートの分離を促す分離電極と、前記像担持体の下流側に配されるとともに前記シート上の前記トナー像を熱圧着する定着手段と、前記分離電極と前記定着手段の間の前記シートの搬送経路を形成するとともに、前記シートの前記背面を支持する搬送支持板を備え、該搬送支持板は、前記分離電極が印加する電圧の極性と逆の極性の電圧を前記シートの前記背面に印加することを特徴とする画像形成装置である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ或いはファクシミリ等の画像形成装置に使用されるシート分離機構を備えた画像形成装置に関する。
感光体ドラムに形成されたトナー像は、シートに印加された電荷によって静電的に引き寄せられ、シート上に転写される。このシートに印加された電荷はトナー像をシートに引き寄せるのみではなく、シート自身と感光体ドラムとの吸着作用を生じせしめる。
このシートと感光体ドラムとの間の吸着状態を解除するため、様々な方法が提案されている。
特許文献1は、このような吸着状態を解除するための手段の一例を開示する。
図7は、特許文献1に開示される装置を示す。
図7には、一対のローラからなるレジストローラ(R)、レジストローラ(R)下流に配される感光体ドラム(D)及び感光体ドラム(D)の下流に配されるとともに一対のローラからなる定着ローラ(B)が示されている。
シート(S)は、レジストローラ(R)によって、感光体ドラム(D)へ送られる。そして、上述した如く、シート(S)に印加された電荷によって、シート(S)は感光体ドラム(D)に吸着されるとともにシート(S)上に感光体ドラム(D)周面に形成されたトナー像が転写される。
感光体ドラム(D)上のシート(S)を押圧するように転写ローラ(T)が配される。転写ローラ(T)周面には、感光体ドラム(D)上に形成されるトナー像と逆の極性を有する転写バイアスが印加され、転写ローラ(T)はシート(S)上へのトナー像の転写を促す。
図7には、更に、分離爪(N)が示されている。分離爪(N)の先端は、感光体ドラム(D)周面に当接し、シート(S)の感光体ドラム(D)からの分離を促す。シート(S)の前方側端部の感光体ドラム(D)からの分離を促すために、分離電極(E)が配置される。分離電極(E)は、転写ローラ(T)に印加された帯電バイアスと逆の極性の電荷をシート(S)に供給する。
これにより、シート(S)の前方側先端部の感光体ドラム(D)への吸着力が低減され、シート(S)前方側先端部の感光体ドラム(D)からの分離が促される。
分離電極(E)からの供給された電荷は、シート(S)の感光体ドラム(D)からの分離を促す作用をもたらすが、供給された電荷の一部がシート(S)を伝って下流に配された定着ローラ(B)にも電荷を供給する結果となる。
このため定着ローラ(B)が帯電し、定着ローラ(B)上の電荷は、シート(S)とシート(S)上に転写されたトナー像を形成するトナーとの間の付着力を低減させることとなる。
結果として、シート(S)上のトナーの一部が定着ローラ(B)に付着することとなり、定着ローラ(B)に付着したトナーが、次に搬送されてくるシート(S)に移り、「オフセット」現象を生じさせることとなる。
このような現象を防止するために、特許文献1では、シート(S)の前方側端部が定着ローラ(B)によって挟持される直前に分離電極(E)からの電圧印加を停止する手段を採用している。
特開2004−354777号公報
上記のように、定着ローラ(B)によってシート(S)の前方側端部が挟持される直前に電圧印加を停止させることにより、好適にオフセット現象が防止されるが、結果としてシート(S)後方側端部には感光体ドラム(D)からシート(S)を分離させるための電荷が供給されないこととなる。
このためシート(S)の後方側端部は、感光体ドラム(D)との高い吸着力を保った状態で下流側へ引っ張られることとなる。この結果、シート(S)には高い張力が生ずるため、シート(S)後方側端部が感光体ドラム(D)から分離する際に、シート(S)の後方側端部が跳ね上がる現象を生じ、シート(S)上に転写されたトナー像の擦れを生じさせることとなる。
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、シートと感光体ドラムとの分離を好適に行うことを可能とするとともに、オフセット現象を生じさせることのない画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、トナー像を搬送するとともにシートに前記トナー像を転写する像担持体と、該像担持体に隣接して配設されるとともに該像担持体の帯電極性と逆の帯電極性を備える転写体と、前記像担持体と前記転写体の間を通過し、前記トナー像が転写された後の前記シートの背面に前記転写体の帯電極性と逆の極性の電圧を印加し、前記像担持体と前記シートの分離を促す分離電極と、前記像担持体の下流側に配されるとともに前記シート上の前記トナー像を熱圧着する定着手段と、前記分離電極と前記定着手段の間の前記シートの搬送経路を形成するとともに、前記シートの前記背面を支持する搬送支持板を備え、該搬送支持板は、前記分離電極が印加する電圧の極性と逆の極性の電圧を前記シートの前記背面に印加することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、分離電極制御手段を更に備え、該分離電極制御手段が、前記分離電極からの電圧印加の開始及び停止のタイミングを制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、搬送支持板制御手段を更に備え、該搬送支持板制御手段が、前記搬送支持板からの電圧印加の開始及び停止のタイミングを制御することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記搬送支持板制御手段による前記電荷供給の開始及び停止のタイミングに対する制御が、前記分離電極制御手段の制御と同期して行われることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記分離電極からの電圧印加が、前記シートの前方側端部と後方側端部にのみ行われることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、前記搬送支持板に流される電流の絶対値が、前記分離電極に流される電流の絶対値の2分の1以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記搬送支持板に流される電流の絶対値が、前記分離電極に流される電流の絶対値の3分の2以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項8記載の発明は、前記搬送支持板に流される電流の絶対値が、前記分離電極に流される電流の絶対値を超えない大きさであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項9記載の発明は、前記像担持体が、アモルファスシリコン感光体で構成されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項10記載の発明は、前記トナー像を構成するトナーが、一成分現像剤であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項1記載の発明によれば、搬送支持板が、分離電極が印加する電圧と逆の極性を有する電圧をシート背面側に供給するので、トナー像を形成するトナーとシートとの間の付着力を高めることが可能となり、トナーの定着手段への付着が防止できる。したがって、オフセット現象の発生を抑制可能となる。
請求項2記載の発明によれば、シートと像担持体との剥離作用に必要な部分にのみ分離電極からバイアスを印加することが可能となり、トナーの定着手段への付着を一層低減可能となる。
請求項3記載の発明によれば、トナー像を形成するトナーとシートとの間での付着力を高める必要がある部分に対して、トナーとシート間の付着力を増加させることができる。
請求項4記載の発明によれば、分離電極からのバイアス印加がトナー像を形成するトナーとシートとの間の付着力を低減させた部分の当該付着力を、搬送支持板からの電圧印加によって回復することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、シートと像担持体との間の分離作用を好適に得られるとともに、シート後方側端部の跳ね上がり現象を防止可能となり、オフセット現象及び画像擦れの問題を好適に解消可能となる。
請求項6記載の発明によれば、オフセット現象を好適に防止可能となる。
請求項7記載の発明によれば、オフセット現象を一層好適に防止可能となる。
請求項8記載の発明によれば、シート後方側端部の画像擦れを好適に防止可能となる。
請求項9記載の発明によれば、長寿命な画像形成装置を構築することが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、画質を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係る画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。本明細書において、「上流側」並びに「下流側」との文言は、シート(S)の搬送方向を基準にして、先にシート(S)が流れる側を「上流」と称し、後にシート(S)が流れる側を「下流」と称する。また、シート(S)に用いられる「前方」並びに「後方」との文言について、シート(S)が一の工程を通過する際に、先に通過する側を「前方」と称し、後に通過する側を「後方」と称する。
図1に示す画像形成装置は、複写機であるが、本発明はこれに限られるものではなく、他の種類の画像形成装置、例えば、ファクシミリ装置やプリンタにも適用可能である。
複写機(100)は、複写機(100)上部に配される画像読取部(120)と、紙等のシート上にトナー像を形成する画像形成部(140)を備える。
画像読取部(120)は、原稿押圧板(121)と原稿押圧板(121)下方に配される透明な原稿台(122)を備える。原稿押圧板(121)は図1中奥方の縁を軸として上方に回動可能とされる。
図1に示す例においては、原稿台(122)上面に原稿(D1)が載置されている。原稿押圧板(121)は原稿台(122)上に載置された原稿(D1)を押圧するとともに原稿台(122)上面に密着させる。
画像読取部(120)は更に、走査ユニット(123)を備える。図1に示す例において、走査ユニット(123)は複写機(100)左方から右方に向けて移動可能である。走査ユニット(123)には、光源(124)及び第1反射ミラー(125)が接続し、光源(124)及び第1反射ミラー(125)は走査ユニット(123)の移動に追従して移動する。
画像読取部(120)内部右方には、第2反射ミラー(126)及び第3反射ミラー(127)が配される。
走査ユニット(123)が左方から右方に移動すると、原稿台(122)上面と密着した原稿(D1)の画像面が光源(124)によって走査される。そして、第1反射ミラー(125)に映った画像面の像は第2反射ミラー(126)に送られる。第2反射ミラー(126)は、第1反射ミラー(125)により送られた像を第3反射ミラー(127)へ送る。
画像読取部(120)は更に、レンズアレイ(128)とCCD(129)を備える。
第3反射ミラー(127)は、第2反射ミラー(126)から送られた像を更に反射させ、レンズアレイ(128)へ送る。レンズアレイ(128)は、第3反射ミラー(127)から送られた像を結像し、結像された像をCCD(129)へ送る。
図1に示す複写機(100)は、走査ユニット(123)を移動させて画像を読み取る以外の方式でも、画像の読取が可能である。
図1に示す複写機(100)の画像読取部(120)は、原稿押圧板(121)の上方に配されるとともに原稿(D2)が載置された給紙台(130)と、給紙台(130)上の原稿(D2)を左方に送る一対のローラからなる給紙ローラ(131)と、給紙ローラ(131)から送られた原稿(D2)を排紙する一対のローラからなる排紙ローラ(132)と、排紙ローラ(132)によって送られた原稿(D2)を受け止める排紙トレイ(133)を備える。
走査ユニット(125)は、給紙ローラ(131)と排紙ローラ(132)の下方において、これら給紙ローラ(130)と排紙ローラ(132)の中間位置を停止位置としている。そして、給紙ローラ(130)から排紙ローラ(132)へ送られる原稿(D2)の画像面に向けて、光源(124)が光を照射し、第1反射ミラー(125)が原稿(D2)の画像面の像を第2反射ミラー(126)へ送る。第2反射ミラー(126)は、上述と同様に、第1反射ミラー(125)により送られた像を第3反射ミラー(127)へ送る。第3反射ミラー(127)は、第2反射ミラー(126)から送られた像を更に反射させ、レンズアレイ(128)へ送る。レンズアレイ(128)は、第3反射ミラー(127)から送られた像を結像し、結像された像をCCD(129)へ送る。
画像形成部(140)は、画像処理部(図示せず)を備える。CCD(129)は送られた像のデータを画像処理部へ送る。画像処理部は、送られた像のデータに対しA/D変換、濃度補正やシェーディング補正等の必要な処理を適宜施す。
画像形成部(140)は、露光部(141)及び感光体ドラム(142)を備える。画像処理部は露光部(141)へ処理後の画像データの信号を送る。露光部(141)は、レーザ発振器やポリゴンミラー等(いずれも図示せず)を備える。
レーザ発振器は、ポリゴンミラー等を介して、感光体ドラム(142)周面にレーザ光を照射する。このレーザ光は、画像処理部から露光部(141)へ送られた画像データの信号に基づいて、オン・オフの制御がなされる。
感光体ドラム(142)は、アルミニウム等の導電性ドラム基体と、ドラム基体外周を覆うように配されたOPC(有機光半導体)やアモルファスシリコン等の感光層から構成される。感光体ドラム(142)は、複写機(100)本体に回転可能に設けられ、駆動装置(図示せず)によって所定速度で回転される。
画像形成部(140)は、帯電器(143)を備える。帯電器(143)は、感光体ドラム(142)を帯電させる。帯電器(143)としては、スコロトロン方式のコロナ帯電器が使用されている。帯電器(143)は、帯電バイアス印加電源(図示せず)によって、帯電バイアスが印加されることにより、感光体ドラム(142)の周面を所定の極性・電位に均一に帯電することが可能である。
上述の如く、レーザ発振器からのレーザ光の照射によって露光された感光体ドラム(142)周面の部分は、電荷が除去されることとなる。これにより、静電潜像を形成することとなる。
画像形成部(140)は現像器(144)を備える。現像器(144)は、現像剤を収容する現像容器(145)と、現像容器(145)に回転可能に支持される現像ローラ(146)を備える。現像ローラ(146)には、現像バイアス印加電源(図示せず)によって現像バイアスが印加され、現像容器(145)内に収容されたトナーが現像ローラ(146)周面に付着する。
現像ローラ(146)周面は感光体ドラム(142)周面に当接し、現像ローラ(146)とともに回転する。現像ローラ(146)に付着したトナーは感光体ドラム(142)周面上に形成された静電潜像に乗り移り、感光体ドラム(142)上にトナー像が形成される。
画像形成部(140)は、シート(S)を収容する給紙カセット(150)と、給紙カセット(150)からシート(S)を送出す給紙ローラ(151)と、給紙ローラ(151)から送られたシート(S)を更に下流へ送出す搬送ローラ(152)と、一対のローラからなるレジストローラ(153)を備える。
レジストローラ(153)は停止及び回転の動作を繰り返し、シート(S)の流れ方向位置を感光体ドラム(142)上に形成されたトナー像の位置に合わせる。
画像形成部(140)は、転写ローラ(154)を備える。転写ローラ(154)は、感光体ドラム(142)に隣接して配され、感光体ドラム(142)の周面の移動速度と同速或いはそれ以上の周面移動速度で回転動作する。これにより、転写工程が好適に行われることとなる。
転写ローラ(154)は、転写バイアス印加電源(図示せず)によって、感光体ドラム(142)上のトナー像と逆極性の転写バイアスが印加される。
レジストローラ(153)によって、位置調整がなされたシート(S)は、感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)の間に供給される。転写ローラ(154)と感光体ドラム(142)の間でシート(S)が押圧されることにより、感光体ドラム(142)上に形成されたトナー像がシート(S)上に転写される。
画像形成部(140)は、定着ローラ(155)を備える。定着ローラ(155)は、内部に熱源を有するヒートローラ(156)と加圧ローラ(157)から構成される。感光体ドラム(142)から送られたシート(S)は、ヒートローラ(156)と加圧ローラ(157)の間に配され、これらヒートローラ(156)と加圧ローラ(157)で押圧される。これにより、シート(S)上に転写されたトナー像が熱圧着されることとなり、シート(S)上に定着する。
画像形成部(140)は、一対のローラからなる排紙ローラ(158)及び排紙トレイ(159)を備える。
シート(S)は、定着ローラ(155)から排紙ローラ(158)へ送られる。その後、排紙ローラ(158)は排紙トレイ(159)にシート(S)を送出す。
図2は、レジストローラ(153)から定着ローラ(155)までのシート(S)の経路の拡大図である。
図2に示す如く、感光体ドラム(142)上方にクリーニング器(200)が配される。クリーニング器(200)に備えられたクリーニングブレードは、感光体ドラム(142)周面に当接する。これにより、感光体ドラム(142)がシート(S)にトナー像を転写した後、感光体ドラム(142)周面に残留したトナーがクリーニング器(200)により除去される。
クリーニング器(200)の下方には、分離爪(201)が配される。分離爪(201)の先端は鋭角に形成され、感光体ドラム(142)周面に当接する。これにより、分離爪(201)の先端が機械的にシート(S)を感光体ドラム(142)から分離させる。尚、分離爪(201)は、絶縁性の合成樹脂やセラミックで形成されることが好ましい。より好ましくは、分離爪(201)の体積抵抗値が、1012Ω/cm以上であることが好ましい。
感光体ドラム(142)と対向して配されるレジストローラ(154)上方には、分離電極(1)が配される。分離電極(1)先端は、感光体ドラム(142)周面から離れて位置している。
感光体ドラム(142)から定着ローラ(155)へのシート(S)の経路は、シート(S)の背面側(トナー像が転写された面と反対側の面)を下方に向けて斜め上方に向かって傾斜している。したがって、シート(S)は、その自重並びに感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)のニップの方向によって若干下方に撓む。
感光体ドラム(142)から定着ローラ(155)へのシート(S)の経路の下方に、搬送支持板(2)が配される。上述のシート(S)の撓みによって、シート(S)の背面は搬送支持板(2)の表面に接触する。
図3は、感光体ドラム(142)、転写ローラ(154)、分離電極(1)及び搬送支持板(2)の印加電圧のバイアスの関係を示す。
本実施例において、感光体ドラム(142)の周面をアモルファスシリコンで形成している。また、感光体ドラム(142)の周面が正の帯電をするものとする。このとき、感光体ドラム(142)上でトナー像を形成するトナーは正の帯電を示す。
このとき、転写ローラ(154)にバイアスをかけ、負の帯電を生じさせる。そして、シート(S)が転写ローラ(154)と感光体ドラム(142)の間を通過すると、正の帯電を示すトナーは負の電荷に引き寄せられ、シート(S)上に移動することとなる。この結果、感光体ドラム(142)上のトナー像がシート(S)上に転写することとなる。
シート(S)が転写ローラ(154)と感光体ドラム(142)の間を通過することによって、シート(S)の転写面側(感光体ドラム(142)上のトナー像が転写される面)には正の電荷が付着する。一方、シート(S)の背面側(シート(S)の転写面と反対側の面)には負の電荷が付着する。この結果、シート(S)の背面側に付着した負の電荷が、感光体ドラム(142)上の正の電荷に引き寄せられ、シート(S)が感光体ドラム(142)に吸着されることとなる。
ここで、分離電極(1)から正のバイアスを印加することで、シート(S)背面側の負の電荷と分離電極(1)から印加された正の電荷が打ち消しあい、シート(S)の感光体ドラム(142)への吸着が解消されることとなる。
分離電極(1)による正の電荷に起因して、シート(S)背面側の負の電荷は減少することとなる。結果として、シート(S)上のトナー像を形成するトナーとシート(S)との付着力は低減することとなる。
シート(S)は分離電極(1)によるバイアス印加を受けた後、上述の如く、搬送支持板(2)とその背面が接触する。搬送支持板(2)は、分離電極(1)が印加するバイアスと逆の極性、即ち、負のバイアスをシート(S)背面に印加する。これにより、再び、シート(S)の転写面(トナー像が転写された面)のトナーのシート(S)に対する吸着力が回復することとなる。
図4は、シート(S)の前方側端部が感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)の間を通過している状態を示す。
この状態において、分離電極(1)はバイアスを印加し、シート(S)前方側端部と感光体ドラム(142)周面間の吸着状態を解除する。そして、シート(S)の前方側端部は分離爪(201)によって、機械的に感光体ドラム(142)周面から引き剥がされる。
図5は、シート(S)の後方側端部が感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)の間を通過している状態を示す。また、図6は、シート(S)の通過信号と、分離電極(1)の電圧印加信号と、搬送搬送板(2)の電圧印加信号の関係を示す。
図4に示す状態において、分離電極(1)がシート(S)前方側端部の感光体ドラム(142)からの分離を行った後、分離電極(1)からの電圧印加は停止する。そして、シート(S)の後方側端部が感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)との間の通過を開始すると、分離電極(1)からの電圧印加が再開される。
図5及び図6に示す如くシート(S)後方側端部への分離電極(1)からの電圧印加と同時に且つ同期間、搬送支持板(2)はシート(S)背面に分離電極(1)が印加する電圧と逆の極性を有する電圧をシート(S)に印加する。
シート(S)後方側端部に対する分離電極(1)と搬送支持板(2)からの電圧印加の同期によって、感光体ドラム(142)からシート(S)へのトナー像の転写工程を良好に行うことを可能とするとともに、オフセット現象の発生を確実に防止可能となる。
例えば、搬送支持板(2)からの電圧印加タイミングを分離電極(1)からの電圧印加タイミングより早めると、搬送支持板(2)から供給される電荷が、シート(S)を伝う電流として、感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)の間へ流れ込むこととなる。結果として、感光体ドラム(142)と転写ローラ(154)の帯電量の関係で適切に保たれた転写プロセスを阻害することとなり、良好なトナー像の転写を得られなくなる。
一方、搬送支持板(2)からの電圧印加のタイミングを分離電極(1)からの電圧印加タイミングより遅くすると、分離電極(1)からの電荷がシート(S)を伝う電流として定着ローラ(155)へ供給され、オフセット現象を生じせしめる。
分離電極(1)及び搬送支持板(2)からの電圧印加に際して、分離電極(1)と搬送支持板(2)には、電流が流されることとなるが、以下に分離電極(1)と搬送支持板(2)に供給される電流値の関係について述べる。
搬送支持板(2)に流される電流の絶対値は、分離電極(1)に流される電流の絶対値の2分の1より大きいことが好ましい。搬送支持板(2)に流される電流の絶対値が、分離電極(1)に流される電流の絶対値の2分の1以下であると、搬送支持板(2)からの電荷供給の効果が十分でなく、オフセット現象が生ずることとなる。より好ましくは、搬送支持板(2)に流される電流の絶対値は、分離電極(1)に流される電流の絶対値の3分の2以上である。この範囲で搬送支持板(2)に電流を流すことで、確実にオフセット現象の発生を防止可能となる。また、搬送支持板(2)に流される電流の絶対値が、分離電極(1)に流される電流の絶対値を超えないことが好ましい。搬送支持板(2)に流される電流の絶対値が、分離電極(1)に流される電流の絶対値を超えると、シート(S)後方側端部の感光体ドラム(142)からの分離作用が低減し、シート(S)後方側端部の跳ね上がり現象を生じ、シート(S)に転写されたトナー像の擦れを生ずることとなる。
上記の分離電極(1)からの電圧印加の開始並びに停止は、分離電極(1)に電気的に接続する分離電極制御手段(マイクロプロセッサなど)により行われる。また、搬送支持板(2)からの電圧印加の開始並びに停止は、搬送支持板(2)に電気的に接続する搬送支持板制御手段(マイクロプロセッサなど)により行われる。これら、マイクロプロセッサが、レジストローラ(153)直前に配されたセンサ(図示せず)の信号やレジストローラ(153)の駆動を制御するコントローラ(図示せず)の出力信号を受け、これによりシート(S)の位置を判別し、上述の分離電極(1)或いは搬送支持板(2)の電圧印加の開始並びに停止の信号を分離電極(1)或いは搬送支持板(2)に送り、分離電極(1)並びに搬送支持板(2)が、これら制御手段からの信号に基づき電圧印加の開始並びに停止を行う。
尚、分離電極制御手段と搬送支持板制御手段は別体に設けられる必要はなく、1つのコントローラでこれら分離電極(1)並びに搬送支持板(2)の電圧印加の開始並びに停止を制御してもよい。
上記実施例において、像担持体として、感光体ドラム(142)を用いて説明してきたが、他の形式の像担持体(例えば、中間転写体を用いる場合など)も本発明に適宜採用可能である。
更に、上記例において、転写体として転写ローラを用いて説明してきたが、他の形式の転写体(例えば、転写チャージャ方式など)も本発明に適宜採用可能である。
加えて、上記例において、定着手段として、一対のローラからなる定着ローラ(155)を用いて説明してきたが、ベルト等を用いてトナー像を定着させる手段等も本発明に適宜採用可能である。
本発明は、複写機、ファクシミリ装置或いはプリンタ等の画像形成装置に好適に適用される。
本発明に係る画像形成装置の概略図である。 本発明に係る画像形成装置の主要部を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の主要部構成要素の電圧極性の関係を示す図である。 シート前方側端部が感光体ドラムと転写ローラの間を通過した直後の状態を示す図である。 シート後方側端部が感光体ドラムと転写ローラの間を通過した直後の状態を示す図である。 分離電極と搬送支持板からの電圧印加タイミングを現わすチャート図である。 従来の感光体ドラムとシートとの分離機構を示す図である。
符号の説明
S・・・・・・・・・・・・・シート
1・・・・・・・・・・・・・分離電極
142・・・・・・・・・・・感光体ドラム
154・・・・・・・・・・・転写ローラ
155・・・・・・・・・・・定着ローラ
2・・・・・・・・・・・・・搬送支持板
201・・・・・・・・・・・分離爪

Claims (10)

  1. トナー像を搬送するとともにシートに前記トナー像を転写する像担持体と、
    該像担持体に隣接して配設されるとともに該像担持体の帯電極性と逆の帯電極性を備える転写体と、
    前記像担持体と前記転写体の間を通過し、前記トナー像が転写された後の前記シートの背面に前記転写体の帯電極性と逆の極性の電圧を印加し、前記像担持体と前記シートの分離を促す分離電極と、
    前記像担持体の下流側に配されるとともに前記シート上の前記トナー像を熱圧着する定着手段と、
    前記分離電極と前記定着手段の間の前記シートの搬送経路を形成するとともに、前記シートの前記背面を支持する搬送支持板を備え、
    該搬送支持板は、前記分離電極が印加する電圧の極性と逆の極性の電圧を前記シートの前記背面に印加することを特徴とする画像形成装置。
  2. 分離電極制御手段を更に備え、
    該分離電極制御手段が、前記分離電極からの電圧印加の開始及び停止のタイミングを制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 搬送支持板制御手段を更に備え、
    該搬送支持板制御手段が、前記搬送支持板からの電圧印加の開始及び停止のタイミングを制御することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記搬送支持板制御手段による前記電荷供給の開始及び停止のタイミングに対する制御が、前記分離電極制御手段の制御と同期して行われることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記分離電極からの電圧印加が、前記シートの前方側端部と後方側端部にのみ行われることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  6. 前記搬送支持板に流される電流の絶対値が、前記分離電極に流される電流の絶対値の2分の1以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記搬送支持板に流される電流の絶対値が、前記分離電極に流される電流の絶対値の3分の2以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 前記搬送支持板に流される電流の絶対値が、前記分離電極に流される電流の絶対値を超えない大きさであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体が、アモルファスシリコン感光体で構成されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  10. 前記トナー像を構成するトナーが、一成分現像剤であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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