JP2007225555A - マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム - Google Patents

マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム Download PDF

Info

Publication number
JP2007225555A
JP2007225555A JP2006049918A JP2006049918A JP2007225555A JP 2007225555 A JP2007225555 A JP 2007225555A JP 2006049918 A JP2006049918 A JP 2006049918A JP 2006049918 A JP2006049918 A JP 2006049918A JP 2007225555 A JP2007225555 A JP 2007225555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microchip
light
unit
reaction
reagent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006049918A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuharu Kitamura
光晴 北村
Tsuneo Sawasumi
庸生 澤住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority to JP2006049918A priority Critical patent/JP2007225555A/ja
Publication of JP2007225555A publication Critical patent/JP2007225555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Abstract

【課題】μ−TASは、医療検査、診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。そして各種の分析、検査ではこれらのマイクロチップにおける反応検出の精度、信頼性などが重要視される。
【解決手段】検体及び試薬を送液する前に、マイクロチップ1の基体の特性を検出する基体特性被検出部を有することにより、測定した透過光量が所定の値と異なるとき、制御部99によってその差を演算し、測定値に対して補正して表示するように制御することで、信頼性の高い測定値データを得ることができるマイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システムを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体と試薬の反応、検出を検査チップの微細流路内で行うマイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システムに関する。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている。これはμ−TAS(Micro total Analysis System:マイクロ総合分析システム)とも呼ばれ、マイクロチップといわれる部材に、試薬液と検体液(たとえば、検査を受ける被験者の尿、唾液、血液、DNA処理した抽出溶液など)を合流させ、その反応を検出することにより検体の特性を調べる方法である。
さらにこのμ−TASは、医療検査、診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムによって、コスト、必要試量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析が可能となり、その恩恵は多大と言える。
マイクロチップは、樹脂材料やガラス材料からなる基体に、フォトリソプロセス(パターン像を薬品によってエッチングして溝を作成する方法)や、レーザ光を利用して溝加工を行い、検体液や試薬液を流すことができる微細な流路と試薬を蓄える液溜部を設けており、さまざまなパターンが提案されている。
そして各種の分析、検査ではこれらのマイクロチップにおける反応検出の精度、信頼性などが重要視される。
そのためには、マイクロチップの自動測定に適した反応検出装置を開発することが課題となる。例えば、試薬の反応による試片の部分的な変色を光学的に精度良く測定するため、吸光光度計を用いて測定する反応検出装置が提案され、特許文献1には検体流路と試薬流路とが合流し、合流流路近傍に検体と試薬との反応を検出できるようにする反応被検出部を設け、さらに検体を検出できる参照反応被検出部を設けることが提案されている。これは試薬との反応検査以外に、例えばノイズ成分の検出や検体の特性の検出などを行い、参照被検出部からの検出結果に基づき、反応被検出部からの検出結果について反応被検出部でのノイズ成分を除去する補正をしたり、検体の特性に応じて試薬との混合を制御する等して、検査の精度を向上することができるとしている。
特開2003−4752号公報
このように、マイクロチップは検体を検査するために重要な部材であるが、その素材は前述したように樹脂材料や、ガラス材料からなっており、特に取り扱いやすさと、コスト面から樹脂材料を基体とするマイクロチップが広く使われている。
しかし、樹脂材料は透過率や反射率にばらつきがあり、それが検査結果の精度に影響してしまうので、マイクロチップの基体についてもその特性を事前に検知する必要がある。
しかしながら、特許文献1では、検体の検査精度を向上させることについて記載されているが、基体自身の検出がなされておらず、検出結果の信頼性について問題が残る。
本発明の目的は、マイクロチップの基体の特性を予め検出し、その検出データを検体の検出情報にフィードバックすることにより、より精度の高い検査結果を得ることができるマイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システムを提供することである。
上記課題は以下の構成により解決できる。
1.第1の流体が流れる第1の流路と
第2の流体が流れる第2の流路と、
前記第1の流路と前記第2の流路とが合流する合流流路と、
前記合流流路に設けられた被検出部と、
が基体に設けられたマイクロチップにおいて、
前記基体の特性が検出される基体特性被検出部を有することを特徴とするマイクロチップ。
2.1に記載のマイクロチップが収容可能なマイクロチップ収容部と、
前記マイクロチップ収容部に収容される前記マイクロチップの基体特性被検出部に光を照射する光源と、
前記マイクロチップ収容部に収容される前記マイクロチップの基体特性被検出部を介して前記光源からの光を受光する受光部と、
を有することを特徴とするマイクロチップを用いた検査装置。
3.前記光源から前記基体特性被検出部に照射される前の光を分光して参照光を得る分光部と、
前記分光部により分光された参照光を受光する参照光受光部と、
を有することを特徴とする2に記載のマイクロチップを用いた検査装置。
4.1に記載のマイクロチップと、
2又は3に記載のマイクロチップを用いた検査装置と、
を有することを特徴とするマイクロチップを用いた検査システム。
本発明によれば、マイクロチップに基体特性被検出部を有し、マイクロチップを収容するマイクロチップ収容部には、その基体特性被検出部に光を照射する光源と、マイクロチップの基体特性被検出部を介して光源からの光を受光する受光部と、を有することによりマイクロチップの基体特性を検出することができより精度の高い検査結果を得ることができる。
本明細書において、「マイクロチップ」は、合成や検査など様々な用途に用いられるマイクロ総合分析システムにおけるチップのことであるが、特に生体物質を対象とした検査に用いられるものについては「検査チップ」と呼ぶこともある、「微細流路」は、狭義には、広輻に形成されることもある構造部を除いた幅の狭い流路部位のみを指すこともあるが、広義には、そのような構造部を含めた一連の流路を指す。連通する微細流路内を流れる流体は、実際は液体であることが多く、具体的には、各種の試薬類、試料液、変性剤液、洗浄液、駆動液などが該当する。
本発明は、マイクロチップの用途にかかわらず、マイクロチップを用いた反応検出装置に適用できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
〈マイクロチップの一例〉
まず、本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1の一例について、図1を用いて説明する。
図1(a)、図1(b)はマイクロチップ1の上面図と側面図を示す図である。図1(a)において矢印は、後述する反応検出装置80にマイクロチップ1を挿入する挿入方向であり、図1(a)は挿入時にマイクロチップ1の下面となる面を図示している。
図1(b)に示すように、マイクロチップ1は溝形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基板109から構成されている。
また図1(c)はマイクロチップ1の被覆基板109を除いた時の上面図であり、マイクロチップ1内部の微細流路および流路エレメントの機能を説明するための説明図である。
本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1には、化学分析、各種検査、試料の処理・分離、化学合成などを行うための、微小な溝状の流路(微細流路)および機能部品(流路エレメント)が、用途に応じた適当な態様で配設されている。これらの微細流路および流路エレメントによってマイクロチップ1内で行われる処理の一例を図1(c)を用いて説明する。なお、本発明の適用は図1(c)で説明するマイクロチップ1の例に限定されるものでは無く、様々な用途のマイクロチップ1に適用できる。
微細流路には、例えば検体液を収容する検体収容部121、試薬類を収容する試薬収容部120などが設けられており、場所や時間を問わず迅速に検査ができるよう、試薬収容部120には必要とされる試薬類、洗浄液、変性処理液などがあらかじめ収容されている。図1(c)において、試薬収容部120、検体収容部121および流路エレメントは四角形で表し、その間の微細流路は矢印で表す。
マイクロチップ1の溝形成基板108には、上記の微細流路が形成されている。被覆基板109は、少なくとも溝形成基板の微細流路を密着して覆う必要があり、溝形成基板の全面を覆っていても良い。
検体注入部113はマイクロチップ1に検体を注入するための注入部、駆動液注入部110はマイクロチップ1に駆動液11を注入するための注入部である。マイクロチップ1による検査を行うに先立って、検査担当者は検体を検体注入部113から注射器などを用いて注入する。図1(c)に示すように、検体注入部113から注入された検体は、連通する微細流路を通って検体収容部121に収容される。
次に、後述するポンプから駆動液11を駆動液注入部110aに注入すると、駆動液11は連通する微細流路を通って検体収容部121に収容されている検体を押し出し、合流部122bに検体を送り込む。
一方、各駆動液注入部110b、110c、110dから注入された駆動液11は、それぞれ連通する微細流路を通って試薬収容部120b、120c、120dに収容されている試薬b、試薬c、試薬dを押し出す。試薬収容部120c、120dから押し出された試薬c、試薬dは合流部122aで合流し、さらに合流部122aから出た混合後の試薬cと試薬dは、駆動液11により合流部122bへ送り込まれる。
このようにして、合流部122bでは検体と試薬cと試薬dが合流する。合流部122bで合流し、混合した検体と試薬cと試薬dは、反応部123aに送られ、所定の条件で反応を行う。このときの反応条件によっては、反応部123aの部分を所定の温度にする必要があり、後で説明するように反応検出装置80の内部で加熱または吸熱して所定の温度で反応させる。
一方、駆動液11により試薬収容部120bから押し出された試薬bは、反応部123aで試薬cおよび試薬dと反応後の検体と、合流部122cで合流し、反応部123bに送られる。反応部123aと同様に、反応部123bも所定の温度にする必要がある。なお、反応条件によって反応部123aの設定温度と、反応部123bの設定温度は異なる場合があり、それぞれ部分的に加熱、吸熱し所定の温度にする必要がある。
所定の反応時間の後、さらに駆動液11により反応部123bから送り出された試薬と反応後の検体は、被検出部111に送り込まれる。
被検出部の窓111aと被検出部の流路111bは検体と試薬の反応を光学的に検出するために設けられており、ガラスや樹脂などの透明な部材で構成されている。
なお、マイクロチップ1の微細流路には、例えば、図示せぬ送液制御部、逆流防止部(逆止弁、能動弁など)などの送液を制御するための部位が設けられ、逆流を防止し、所定の手順で送液が行われるようになっている。
〈マイクロチップの構成〉
マイクロチッブ1を構成する溝形成基板108と被覆基板109に用いる材料について説明する。
マイクロチッブ1は、加工成形性、非吸水性、耐薬品性、耐候性、コストなどに優れていることが望まれており、マイクロチッブ1の構造、用途、検出方法などを考慮して、マイクロチッブ1の材料を選択する。その材料としては従来公知の様々なものが使用可能であり、個々の材料特性に応じて通常は1以上の材料を適宜組み合わせて、基板および流路エレメントが成形される。
特に、多数の測定検体、とりわけ汚染、感染のリスクのある臨床検体を対象とするチップは、ディスポーサブルタイプであることが望ましい。そのため、量産可能であり、軽量で衝撃に強く、焼却廃棄が容易なプラステック樹脂、例えば、透明性、機械的特性および成型性に優れて微細加工がしやすいポリスチレンが好ましい。また、例えば分析においてチップを100℃近くまで加熱する必要がある場合には、耐熱性に優れる樹脂(例えばポリカーボネートなど)を用いることが好ましい。樹脂やガラスなどは熱伝導率が小さく、マイクロチップの局所的に加熱される領域に、これらの材料を用いることにより、面方向への熱伝導が抑制され、加熱領域のみ選択的に加熱することができる。
本実施形態では、被検出部111において、呈色反応の生成物や蛍光物質などの検出を光学的に行うので、少なくともこの部位の基板は光透過性の材料(例えばアルカリガラス、石英ガラス、透明プラスチック類)を用い、光が透過するようにする必要がある。本実施の形態においては、被検出部の窓111aと、少なくとも被検出部の流路111bを形成する溝形成基板は、光透過性の材料が用いられていて、被検出部111を光を透過するようになっている。
〈反応検出装置〉
次に、本発明の実施形態における反応検出装置80について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施形態における反応検出装置80の外観図である。
反応検出装置80はマイクロチップ1に予め注入された検体と、試薬との反応を自動的に検出し、表示部84に結果を表示する装置である。
反応検出装置80の筐体82には挿入口83があり、マイクロチップ1を挿入口83に差し込んで筐体82の内部にセットするようになっている。なお、挿入口83はマイクロチップ1を挿入時に挿入口83に接触しないように、マイクロチップ1の厚みより十分な高さがある。84は表示部、85はメモリカードスロット、86はプリント出力口、87は操作パネル、88は入出力端子である。
検査担当者は図2の矢印方向にマイクロチップ1を挿入し、操作パネル87を操作して検査を開始させる。反応検出装置80の内部では、マイクロチップ1内の反応の検査が自動的に行われ、検査が終了すると液晶パネルなどで構成される表示部84に結果が表示される。検査結果は操作パネル87の操作により、プリント出力口86よりプリントを出力したり、メモリカードスロット85に挿入されたメモリカードに記憶することができる。また、外部入出力端子88から例えばLANケーブルを使って、パソコンなどにデータを保存することができる。
検査担当者は、検査終了後、マイクロチップ1を挿入口83から取り出す。
次に、本発明の第1の実施形態について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置80の構成図である。図3においては、マイクロチップが図1に示す挿入口83から挿入され、セットが完了している状態を示している。
検査装置80は、マイクロチップ1に予め注入された検体及び試薬を送液するための駆動液11を貯留する駆動液タンク10、マイクロチップ1に駆動液11を供給するためのポンプ5、ポンプ5とマイクロチップ1とを漏れなく接続するパッキン6、マイクロチップ1の必要部分を温調する温度調節ユニット3、マイクロチップ1をずれないようにパッキン6に密着させるためのチップ押圧板2、チップ押圧板2を昇降させるための押圧板駆動部32、マイクロチップ1をポンプ5に対して精度良く位置決めする規制部材31、マイクロチップ1内の検体と試薬との反応状態等を検出する光検出部4(発光部4a、受光部4b)等を備えている。受光部4bはチップ押圧板2の内部に設けられ、一体構造となっている。
初期状態においては、チップ押圧板2は、押圧板駆動部32により図2の状態から上方に退避している。これにより、マイクロチップ1は矢印X方向に挿抜可能であり、検査担当者は挿入口83(図1参照)から規制部材31に当接するまでマイクロチップ1を挿入する。その後、チップ押圧板2は、押圧板駆動部32により下方に移動されてマイクロチップ1に当接し、マイクロチップ1の下面が温度調節ユニット3及びパッキン6に密着されることになる。
温度調節ユニット3は、マイクロチップ1の必要部分を温調するもので、例えば、試薬が収容されている部分を冷却して試薬が変性しないようにしたり、検体と試薬とが反応する部分を加熱して反応を促進させたりする機能を有する。
ポンプ5は、ポンプ室52、ポンプ室52の容積を変化させる圧電素子51、ポンプ室52のマイクロチップ1側に位置する第1絞り流路53、ポンプ室の駆動液タンク10側に位置する第2絞り流路54、等から構成されている。第1絞り流路53及び第2絞り流路54は絞られた狭い流路となっており、また、第1絞り流路53は第2絞り流路54よりも長い流路となっている。
駆動液11を順方向(マイクロチップ1に向かう方向)に送液する場合には、まず、ポンプ室52の容積を急激に減少させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、短い絞り流路である第2絞り流路54において乱流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は、第1絞り流路53の方に支配的に押し出され送液される。次に、ポンプ室52の容積を緩やかに増加させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵抗が小さくなり、ポンプ室52内には第2絞り流路54の方から支配的に駆動液11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより、駆動液11が順方向に送液されることになる。
一方、駆動液11を逆方向(駆動液タンク10に向かう方向)に送液する場合には、まず、ポンプ室52の容積を緩やかに減少させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵抗が小さくなる。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は、第2絞り流路54の方に支配的に押し出され送液される。次に、ポンプ室52の容積を急激に増加させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、短い絞り流路である第2絞り流路54において乱流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室52内には第1絞り流路53の方から支配的に駆動液11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより、駆動液11が逆方向に送液されることになる。
〈被検出部〉
マイクロチップ1の被検出部111では、検体と前記マイクロチップ1内に貯蔵された試薬が反応して、例えば呈色、発光、蛍光、混濁などをおこす。本実施形態では試薬の反応結果を光学的に検出する。試薬の反応結果を測光するマイクロチップ1の被検出部111の溝形成基板108と被覆基板109は、光透過性の材料になっていて、試薬と検体の反応結果は、マイクロチップ1の被検出部111を透過する光を測光または測色することで解析することができる。
〈検出部〉
光検出部4は発光部4aと受光部4bから成り、マイクロチップ1の被検出部111を透過する光を検出できるように配置されている。発光部4aは本実施形態の発光手段、受光部4bは本実施形態の受光素子である。
図4に本実施の形態における検出部の光学系を示す。図4は図3に示す発光部4a、受光部4bの側面図断面である。発光部4aは500〜550nmの波長を持つLED素子を使った光源であり、LED素子から照射されたビーム光は、光学系をコンパクトにするために一端ミラー4dにて直角方向に反射される。なお光学系の光路は筐体の大きさにより変わる。
ビーム光は、マイクロチップ1の被検出部111上に、レンズ4fによって約0.5mmの径になるように絞り込まれ、マイクロチップ1の被検出部窓を通過して、受光部4bにて光が受光される。受光部4bはチップ押圧板2の内部に設けられている。
ビーム光は、マイクロチップ1の基体特性被検出部に照射される光をビームスプリッター4eにて分光され、参照光として参照光受光部4cに受光される。このときレンズ4fから参照光受光部4cまでの距離は、レンズ4fからマイクロチップ1の被検出部111までの距離と同じになるようにしてある。
マイクロチップ1の基体特性を検出するために、反応検出装置80は、最初検体及び試薬を送液する前に、光源(LED)を発光させてマイクロチップ1の基体の透過光量を検出する。なお本実施の形態では、受光部4bは光エネルギーを電気に換える、光起電力素子を用いている。
本実施の形態では、基体特性被検出部は被検出部111と同一のものである。マイクロチップの基体特性を被検出部111で検出した後、ポンプ5を駆動させ駆動液を送液して、検体と試薬を混合させ、反応を被検出部111で検出する工程を行う。なお、基体特性被検出部を被検出部111と異なる位置に設けても良い。その場合検知光学系を別個に設ける必要がある。
測定した基体特性被検出部の透過光量が所定の値と異なるとき、後述する制御部によってその差を演算し、被検出部111の測定値に対して補正を行う。また参照光受光部は、LEDが初期発光時に光量が変動するのを補正するために設けている。
〈チップ押圧板〉
チップ押圧板2はマイクロチップ1の上面を押圧し、マイクロチップ1の下面を温度調節ユニット3とパッキン6に密着させているので、プラステック樹脂などで形成されているため反りを生じやすいマイクロチップ1の反りを補正することができる。チップ押圧板2とマイクロチップ1は密着しているので、チップ押圧板2の内部に設けられた受光部4bと、マイクロチップ1の被検出部111の距離は一定に保たれる。また、発光部4aと被検出部111の距離も一定に保たれるので、被検出部111に正確に光を照射し、また被検出部111を透過した光だけを受光することができる。そのため、チップ押圧板2の反りによる誤差が無いので高い検出精度が得られる。
また、マイクロチップ1と温度調節ユニット3が密着するので、温度調節ユニット3で効率よくマイクロチップ1の温度調整を行うことができる。このように、温度制御上必要とされる部材を押圧のための一手段として兼用し、しかも押圧部材に反応を検出するための受光部を一体化することで、装置構成が簡素であるにもかかわらず、樹脂成形チップのような反りを生じやすいマイクロチップであっても、正確にまた安定して反応を検出することができる。
〈ブロック図〉
図5は、本発明の実施形態における反応検出装置80の回路ブロック図である。
以下、いままでに説明した機能と同一機能を有する機能ブロックには同番号を付し、説明を省略する。
なお反応検出装置80の動作は、装置内に組み込まれた制御部99と外部入力手段であるパーソナルコンピューター(PCという)等により制御される。制御部99は、CPU98(中央処理装置)とRAM97(Randam Access Memory),ROM96(Read Only Memory)等から構成され、不揮発性の記憶部であるROM96に記憶されているプログラムをRAM97に読み出し、当該プログラムに従って反応検出装置80の各部を集中制御する。
チップ検知部95は規制部材31に設けられていて、マイクロチップ1が規制部材31に当接すると検知信号をCPU98に送信する。ポンプ駆動部91はポンプ5の駆動源、例えば圧電素子を駆動する駆動部である。メモリカード92は検査結果を記憶するために、プリンタ93は検査結果をプリントするために用いられる。
〈フローチャート〉
図6は本発明の第1の実施形態において、反応検出装置80による検査の手順を説明するフローチャートである。
S100:ポンプ5を駆動し、パッキン6上端まで駆動液11を充填するステップである。
検査に先立って、パッキン6上端まで駆動液11が充填されている必要がある。もし、空気が残っているとマイクロチップ1の試薬や検体を駆動液11で所定量駆動できない。そのため、チップ押圧板2とパッキン6が離れた状態で、制御部99は、ポンプ駆動部91をパッキン6上端まで駆動液11が充填されるまで駆動する(ステップS100)。
S102:チップ押圧板2を上昇させるステップである。
制御部99は押圧板駆動部32を制御し、挿入口83からマイクロチップ1を挿入可能になるまでチップ押圧板2を上昇させる(ステップS102)。
S103:マイクロチップ1を挿入するステップである。
検査担当者は、挿入口83からマイクロチップ1を規制部材31に当接するまで挿入する(ステップS103)。
S104:チップ押圧板2を下降させるステップである。
挿入口83から挿入されたマイクロチップ1が規制部材31に当接し、CPU98がチップ検知部95から検知信号を検知すると、制御部99は押圧板駆動部32を制御し、パッキン6と温度調節ユニット3に適当な圧力で密着するまでチップ押圧板2を下降させる(ステップS103)。
S105:光源を点灯するステップである。
制御部99は、ステップS104にてチップ押圧板2が下降し停止後、光源(LED)を点灯させる(ステップS105)。
S106:参照光からの光量を測定し、その値が所定の値(既定値)になっているかどうかを判定するステップである。
制御部99は、参照光の測定値が既定値になっているかどうかを判定し、既定値になっていると判断したとき(ステップS106:YES)ステップS108を行うように指示する。もし既定値になっていないと判断したとき(ステップS106:NO)ステップS107を行うように指示する(ステップS106)。
S107:既定値になっていないときは、既定値になるようにするステップである。
LEDの発光光量が既定値になるように補正してからステップS108に進む(ステップS107)。
S108:基体特性被検出部に照射された光が既定値になっているか判断するステップである。
マイクロチップの基体は、樹脂成型品の場合、成形温度、材料のロット、成型装置などにより、その光透過率が異なるので、基体特性データを予め測定することが必要である。制御部99は、基体特性被検出部を透過して得られる光量の検出を行う(ステップS108)。
S109:基体特性被検出部を透過して得られる光量が既定値からずれ量を算出するステップである。
制御部99は、予め取得した既定値に対して、基体特性被検出部を透過して得られる光量とのずれ量を検出する(ステップS109)。
S110:駆動液11をマイクロチップ1に注入するステップである。
制御部99は、ポンプ駆動部91を駆動し、マイクロチップ1に駆動液11を検査の手順に従って順次注入する(ステップS110)。
S111:試薬と検体の反応を検出するステップである。
所定の反応時間経過後、制御部99は、発光部4aを発光させてマイクロチップ1の被検出部111を照明し、被検出部111を透過した透過光を受光した受光部4bからの入力信号をCPU98に内蔵するA/D変換器でデジタル値に変換し、測光値を得る(ステップS111)。
S112:反応結果を補正するステップである。
制御部99は、光検出部4が測光した結果を、S109で得られた基体特性値のずれ量に基づいて補正する(ステップS112)。
S113:反応結果を表示するステップである。
制御部99は、補正された反応結果を表示部84に表示する(ステップS113)。
S114:チップ押圧板2を上昇させるステップである。
制御部99は、押圧板駆動部32により、マイクロチップ1が取り出し可能になるまでチップ押圧板2を上昇させる(ステップS114)。
S115:マイクロチップ1を取り出すステップである。
検査担当者は反応検出装置80からマイクロチップ1を取り出す(ステップS115)。
S116:チップ押圧板2を下降させるステップである。
検査担当者は、操作部87の下降ボタンをONにする。制御部99は、下降ボタンONを検知すると、押圧板駆動部32によりパッキン6と温度調節ユニット3に適当な圧力で密着するまでチップ押圧板2を下降させる(ステップS116)。
以上で検査の手順は終了である。
このように、マイクロチップ1の基体特性を検出するために、本実施の形態の検査装置は、最初検体及び試薬を送液する前に、LEDを発光させてマイクロチップ1の基体の透過光量を検出し、測定した透過光量が所定の値と異なるとき、制御部99によってその差を演算し、測定値に対して補正して表示するように制御するようになっている。また参照光受光部は、LEDが所定の出力値で発光しているかどうかを検出し、LEDの発光量が所定の値になるように調整を行っている。これにより、信頼性の高い測定値データを得ることができる。
本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1の外観図である。 本発明の実施形態における反応検出装置80の外観図である。 本発明の第1の実施形態における反応検出装置80の内部構成の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態における検出部の光学系を示す図である。 本発明の実施形態における反応検出装置80の回路ブロック図である。 本発明の第1の実施形態において、反応検出装置80による検査の手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 マイクロチップ
2 チップ押圧板
3 温度調整ユニット
4 光検出部
5 ポンプ
6 パッキン
8 プラグ
9 閉止弁
10 駆動液タンク
11 駆動液
80 反応検出装置
82 筐体
83 挿入口
84 表示部
111 被検出部
120 試薬収容部

Claims (4)

  1. 第1の流体が流れる第1の流路と
    第2の流体が流れる第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路とが合流する合流流路と、
    前記合流流路に設けられた被検出部と、
    が基体に設けられたマイクロチップにおいて、
    前記基体の特性が検出される基体特性被検出部を有することを特徴とするマイクロチップ。
  2. 請求項1に記載のマイクロチップが収容可能なマイクロチップ収容部と、
    前記マイクロチップ収容部に収容される前記マイクロチップの基体特性被検出部に光を照射する光源と、
    前記マイクロチップ収容部に収容される前記マイクロチップの基体特性被検出部を介して前記光源からの光を受光する受光部と、
    を有することを特徴とするマイクロチップを用いた検査装置。
  3. 前記光源から前記基体特性被検出部に照射される前の光を分光して参照光を得る分光部と、
    前記分光部により分光された参照光を受光する参照光受光部と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のマイクロチップを用いた検査装置。
  4. 請求項1に記載のマイクロチップと、
    請求項2又は3に記載のマイクロチップを用いた検査装置と、
    を有することを特徴とするマイクロチップを用いた検査システム。
JP2006049918A 2006-02-27 2006-02-27 マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム Pending JP2007225555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006049918A JP2007225555A (ja) 2006-02-27 2006-02-27 マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006049918A JP2007225555A (ja) 2006-02-27 2006-02-27 マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007225555A true JP2007225555A (ja) 2007-09-06

Family

ID=38547501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006049918A Pending JP2007225555A (ja) 2006-02-27 2006-02-27 マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007225555A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012506027A (ja) * 2008-10-14 2012-03-08 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 遠心力基盤の微細流動装置及び該微細流動装置を用いた試料分析方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518979A (ja) * 1991-07-10 1993-01-26 Shimadzu Corp 自動分析装置
JP2000283960A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Shimadzu Corp マイクロチップ電気泳動装置
JP2001147196A (ja) * 1999-11-19 2001-05-29 Nikkiso Co Ltd フローインジェクション分析装置およびフローインジェクション分析方法
JP2003004752A (ja) * 2001-06-15 2003-01-08 Minolta Co Ltd マイクロチップおよび該マイクロチップを用いる検査装置
JP2005188964A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Yoshikazu Kobayashi 光学分析用センサ装置
JP2005224110A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kawamura Inst Of Chem Res ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの検出方法、およびマイクロ流体デバイス

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518979A (ja) * 1991-07-10 1993-01-26 Shimadzu Corp 自動分析装置
JP2000283960A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Shimadzu Corp マイクロチップ電気泳動装置
JP2001147196A (ja) * 1999-11-19 2001-05-29 Nikkiso Co Ltd フローインジェクション分析装置およびフローインジェクション分析方法
JP2003004752A (ja) * 2001-06-15 2003-01-08 Minolta Co Ltd マイクロチップおよび該マイクロチップを用いる検査装置
JP2005188964A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Yoshikazu Kobayashi 光学分析用センサ装置
JP2005224110A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kawamura Inst Of Chem Res ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの検出方法、およびマイクロ流体デバイス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012506027A (ja) * 2008-10-14 2012-03-08 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 遠心力基盤の微細流動装置及び該微細流動装置を用いた試料分析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2019216581B2 (en) A microfluidic detection system and a microfluidic cartridge
JP2009019962A (ja) 蛍光検出ユニット、反応検出装置、マイクロチップ検査システム
JPWO2009125676A1 (ja) 検査システム
JP2008128869A (ja) マイクロチップ検査システム、およびマイクロチップ検査システムに用いるプログラム
EP3123940B1 (en) Fluorescent light sensor
JP2004138619A (ja) 試験線条体の過少配量の検出および補償方法
US7909063B2 (en) Microchip inspection system and program employed for the same
US8570519B2 (en) Method and device for analyzing a body fluid
EP3752819B1 (en) Analyzer
JP2007225555A (ja) マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム
US9933404B2 (en) Measuring device and measuring method
JP2007225479A (ja) マイクロチップ、マイクロチップを用いた検査装置、及びマイクロチップを用いた検査システム
WO2009113356A1 (ja) 反応検出装置
JP2009058256A (ja) 蛍光検出ユニット、反応検出装置、マイクロチップ検査システム
WO2007097257A1 (ja) マイクロチップを用いる検査装置
JP2009097999A (ja) 検査装置
JP2009128277A (ja) 検査装置、検査システム
JP2007163344A (ja) 反応検出装置
JP2009058352A (ja) 検査装置
JP2007248426A (ja) マイクロチップ、及びマイクロチップを用いた検査システム
JP2009103641A (ja) 検査装置
JP6768621B2 (ja) 表面プラズモン共鳴を利用した蛍光検出装置及びその作動方法
JP2009300256A (ja) 検査システム
JPWO2008047533A1 (ja) マイクロチップ反応検出システム、マイクロチップの流路内における反応方法
JP2009062911A (ja) 反応検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110719