JP2007224897A - エンジン駆動式作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン駆動式作業機の作業効率を高めるとともに、作業環境を高める。
【解決手段】エンジン駆動式作業機10は、作業部15を駆動するエンジン14の実際の回転数を目標回転数に合わせるようにスロットル弁52を電気的に開閉制御するものである。エンジン駆動式作業機は、スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ45と、目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておき、その中からスロットル弁の開度に応じた1つの目標回転数の値を選択するとともに、この選択された1つの目標回転数の値に対して実際の回転数が合うようにスロットル弁を開閉制御する制御部49とを備える。制御部は、スロットル弁の開度が増大するにつれて、大きい値の目標回転数を選択する構成である。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンで駆動される各種作業部を備えたエンジン駆動式作業機に関する。
エンジンで駆動される作業部を備えた作業機としては、例えば、自走しながらカッタで芝を刈るとともに作業者が歩行しつつ操縦するという、歩行型芝刈機が知られている。さらに近年は、歩行型芝刈機において、エンジンに備えた電子式ガバナでスロットル弁を自動的に制御する機種もある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−98223公報
特許文献1に示す歩行型芝刈機は、エンジンの出力によって駆動輪および芝刈り用カッタが回転することにより、自走しながら芝を刈るものであり、電子ガバナを備えている。この電子ガバナは、スロットル弁を電気的に開閉制御することにより、エンジンの回転数を次のように制御するものである。
(1)作業者が、歩行型芝刈機の走行操作と、芝刈り作業操作(芝刈り用カッタを回転させる操作)の、どちらをも行っていないときには、エンジンの回転数(実回転数)をアイドリング状態の回転数となるように制御する。
(2)作業者が走行操作だけを行ったときには、歩行型芝刈機の急発進を防止するために、エンジンの実回転数を徐々に増大させるように制御する。
(3)作業者が芝刈り作業操作を行ったときには、走行操作の有無にかかわらず、エンジンの実回転数を芝刈り時における一定の回転数(目標回転数)まで一気に増大させた後に、その状態を維持するように制御する。
ところで、特許文献1に示すような各種のエンジン駆動式作業機で作業するときの作業条件は、必ずしも一定ではない。作業条件によっては、作業途中で作業部の負荷が大きく変動することがある。この結果、エンジンにかかる負荷も大きく変動し得る。
電子ガバナは、目標回転数にエンジンの実回転数を合わせるように、スロットル弁を電気的に開閉制御するものであるから、エンジンの負荷が増大すると、この負荷の増大に応じてスロットル弁の開度を増大させる。
しかし、エンジンの負荷が過大であると、スロットル弁の開度を増大したにもかかわらず、目標回転数に対して実回転数が減少し始める。実回転数が減少すると、芝刈り用カッタの回転も減少するので、芝刈り作業の作業効率が低下してしまう。
これに対し、エンジンの負荷に応じて、作業者がスロットルレバーを操作してエンジンの回転数を適宜調節することも考えられる。負荷が小さいときには、エンジンの回転数を下げた状態で作業をしても、エンジン出力は十分である。また、負荷が大きいときには、エンジンの回転数を上げてエンジン出力を高めた状態で、作業をすればよい。
しかしながら、作業中においてエンジンの負荷が変動する度に、作業者がスロットルレバーを操作してエンジンの回転数を適切な値に調節するのでは、調節操作が面倒である。また、エンジンの実回転数を下げ過ぎた場合には、エンジン出力が過小になってしまい、負荷に対応しきれなくなる。このように、回転数の微妙な調節を適切に行うには、ある程度の熟練を要する。
この面倒で熟練を要する調節操作を止めるためには、エンジンの負荷の大きさにかかわらず、エンジンの回転数を常に十分に上げておくことによって、エンジン出力を大きいままで維持させることが考えられる。しかし、負荷が小さいときであっても、エンジンの回転数は大きいままである。この結果、大回転数のときのエンジン騒音が続くことになるので、作業環境を高める上で不利である。
本発明は、(1)エンジン駆動式作業機の作業効率を高めるとともに、(2)エンジン駆動式作業機が発生する騒音を低減して作業環境を高めることができる技術を、提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、作業部を駆動するエンジンの実際の回転数を目標回転数に合わせるようにスロットル弁を電気的に開閉制御するエンジン駆動式作業機において、スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサと、目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておき、その中からスロットル弁の開度に応じた1つの目標回転数の値を選択するとともに、この選択された1つの目標回転数の値に対して実際の回転数が合うようにスロットル弁を開閉制御する制御部とを備え、制御部は、スロットル弁の開度が増大するにつれて、大きい値の目標回転数を選択する構成であることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1において、制御部は、スロットル弁の開度が減少した場合には、複数の段階の間隔を予め小さく設定しておいた中から、開度が減少するにつれて小さい値の目標回転数を選択する構成であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2において、制御部は、スロットル弁の開度が増大した場合には、複数の段階の間隔を予め大きく設定しておいた中から、開度が増大するにつれて大きい値の目標回転数を選択する構成であることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、請求項1、請求項2又は請求項3において、スロットル弁の開度に応じて選択される、目標回転数の各段階の値の特性は、スロットル弁の開度が増大した場合と、スロットル弁の開度が減少した場合とで、ヒステリシスを有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、エンジンによって作業部を駆動するエンジン駆動式作業機において、段階的に設定されている複数の目標回転数の中から、人為的な操作に基づいて、任意の目標回転数を選択して指示する目標回転数選択部と、この目標回転数選択部から指示された前記目標回転数に対して、前記エンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を電気的に開閉制御する制御部とを備え、この制御部は、前記スロットル弁の開度が増大するにつれて、前記指示された目標回転数を段階的に増大させる構成であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておき、その中からスロットル弁の開度に応じた1つの目標回転数の値を選択するようにしたものである。しかも、スロットル弁の開度が増大するにつれて、大きい値の目標回転数を選択するようにした。
選択された、ある1つの目標回転数にエンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を電気的に開閉制御する場合において、エンジンの負荷が増大すると、負荷の増大に応じてスロットル弁の開度は増大する。しかし、エンジンの負荷が過大であると、スロットル弁の開度を増大したにもかかわらず、目標回転数に対して実際の回転数が減少し始める。
これに対して請求項1に係る発明では、制御部は、スロットル弁の開度が増大するにつれて、エンジンの負荷が増大したと判断して、負荷の増加に応じた大きい値の目標回転数を選択する。そして制御部は、大きい値の目標回転数にエンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を開閉制御する。実際の回転数が増大することによって、エンジン出力は増大する。この結果、作業部の回転も増大する。従って、エンジン駆動式作業機の作業効率を高めるとともに、安定した作業を行うことができる。しかも、作業者がスロットルレバーを操作して、目標回転数の微妙な調節を行う必要はない。
請求項2に係る発明では、スロットル弁の開度が減少した場合には、複数の段階の間隔を予め小さく設定しておいた中から、開度が減少するにつれて小さい値の目標回転数を選択するようにしたものである。
選択された、ある1つの目標回転数にエンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を電気的に開閉制御する場合において、エンジンの負荷が減少することに応じて、スロットル弁の開度は減少する。この場合には、現状よりも小さい値の目標回転数を選択することによって、エンジンの実際の回転数を減少させればよい。
これに対して請求項2に係る発明では、制御部は、スロットル弁の開度が減少するにつれて、エンジンの負荷が減少したと判断して、負荷の減少に応じた小さい値の目標回転数を選択する。そして制御部は、小さい値の目標回転数にエンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を開閉制御する。実際の回転数が減少することによって、エンジン出力は徐々に減少する。このようにして、実際の回転数を徐々に減少させることができる。
従って、作業部の回転数が徐々に減少するとともに、エンジン出力が徐々に減少するので、作業性をより高めることができるとともに、作業部による仕上がり状態を安定させることができる。例えば、歩行型芝刈機においては、カッタによる芝刈りの仕上がり状態を、安定した良好なものにすることができる。このように、エンジン駆動式作業機の作業効率を高めるとともに、安定した作業を行うことができる。
さらには、回転数が下がるので、エンジン駆動式作業機が発生する騒音を低減して作業環境を高めることができる。しかも、作業者がスロットルレバーを操作して、目標回転数の微妙な調節を行う必要はない。
請求項3に係る発明では、複数の段階の間隔を予め大きく設定してあるので、エンジンの負荷が急増することで、スロットル弁の開度が増大したときに、より大きい値の目標回転数を選択することができる。このため、実際の回転数をより増大させることができ、この結果、エンジン出力を、より増大させることができる。従って、作業中における作業部の負荷の急増に対して、より速やかに対応することができる。しかも、作業部の負荷が急増した場合に、作業性をより高めることができるとともに、作業部による仕上がり状態を安定させることができる。
請求項4に係る発明では、スロットル弁の開度に応じて選択される、目標回転数の各段階の値の特性にヒステリシスを有している。このため、作業中にエンジンの実際の回転数が急変することがない。つまり、回転数のハンチング現象を防止することができる。従って、作業部による作業状態を極力維持することができるので、作業部による仕上がり性を高めることができる。例えば、歩行型芝刈機においては、カッタによる芝刈りの仕上がり状態を、より一層良好にすることができる。
請求項5に係る発明では、段階的に設定されている複数の目標回転数の中から、目標回転数選択部の人為的な操作に応じた、1つの目標回転数の値を選択するようにしたものである。
このため、作業者は、段階的に設定されている複数の目標回転数の中から、任意の1つの目標回転数を選択し、目標回転数選択部を操作することによって、目標回転数選択部から制御部へ、選択した1つの目標回転数を指示させることができる。制御部は、指示された目標回転数に対して、実際の回転数(実回転数)が合うように、スロットル弁を電気的に開閉制御する。例えば、制御部は、制御モータを介してスロットル弁の開度を自動的に制御する。従って、作業者は、目標回転数選択部を操作するだけで、選択した値の目標回転数に極めて簡便に切り替えることができる。このため、作業者は、スロットルレバーを操作して、目標回転数の微妙な調節を行う必要はない。
例えば、作業部の負荷が大きく変動することによって、エンジンにかかる負荷が大きく変動した場合であっても、作業者は、目標回転数選択部を操作することによって、エンジンの負荷に応じて、エンジンの回転数を簡便に調節することができる。このため、エンジン駆動式作業機の操作性を高めるとともに、作業効率を高めることができる。
また、負荷が小さいときには、目標回転数選択部を操作して、エンジンの回転数を下げることにより、エンジン騒音を低減させることができる。この結果、エンジン駆動式作業機が発生する騒音を一層低減して、作業環境を一層高めることができる。しかも、負荷が小さいときに、エンジンの回転数を下げることにより、エンジンの燃料消費量を節減することができるとともに、作業部が作業中に発する塵埃をも低減することができる。
さらに、請求項5に係る発明では、目標回転数選択部から指示された目標回転数を、スロットル弁の開度が増大するにつれて、制御部が段階的に増大させるようにしたものである。
選択された、ある1つの目標回転数にエンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を電気的に開閉制御する場合において、エンジンの負荷が増大すると、負荷の増大に応じてスロットル弁の開度は増大する。しかし、エンジンの負荷が過大であると、スロットル弁の開度を増大したにもかかわらず、目標回転数に対して実際の回転数が減少し始める。
これに対して、請求項5に係る発明では、制御部は、スロットル弁の開度が増大するにつれて、エンジンの負荷が増大したと判断し、目標回転数の値を負荷の増加に応じて段階的に増大させる。そして制御部は、大きい値の目標回転数にエンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を開閉制御する。実際の回転数が増大することによって、エンジン出力は増大する。この結果、作業部の回転も増大する。従って、エンジン駆動式作業機の作業効率を高めるとともに、安定した作業を行うことができる。しかも、作業者がスロットルレバーを操作して、目標回転数の微妙な調節を行う必要はない。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は作業者から見た方向に従う。
以下、本実施の形態においては、エンジン駆動式作業機の一例として歩行型芝刈機を挙げて説明する。但し、エンジン駆動式作業機は歩行型芝刈機に限定されるものではない。
図1は本発明に係る歩行型芝刈機を示す左側面図である。
歩行型芝刈機10は、下面を開放したハウジング11の前後端にそれぞれ左右の前輪12および左右の後輪13(駆動輪13)を備え、ハウジング11の上部にエンジン14を搭載し、ハウジング11の内部にカッタ15を備え、ハウジング11の刈芝排出口11aに芝収容バッグ16を備え、ハウジング11から後上方に向けてハンドル17を延ばし、ハンドル17の後端部に操作部18を備えたものである。
上述のように、ハウジング11は前輪12、後輪13、エンジン14等の主要部材を設けているので、歩行型芝刈機10の機体(フレーム)の役割をも果たす。芝収容バッグ16は刈った芝を収容する収容体である。
エンジン14は、下端部から下方へ出力軸19を延ばし、出力軸19の下端部に作業用ブレーキ/クラッチ部21を介してカッタ15を取り付けた動力源である。カッタ15(刈刃15)は芝刈り作業をするための作業部である。
さらに、エンジン14は、出力軸19を伝動機構22を介して油圧無段変速装置23(以下、単に「変速装置23」と言う。)の入力側に連結したものである。変速装置23の出力軸は車軸24を介して後輪13に連結されている。
作業用ブレーキ/クラッチ部21は、エンジン14からカッタ15へ伝達する出力の遮断・結合を行うクラッチ部分と、クラッチを遮断(クラッチオフ。出力の伝達を遮断)したときにカッタ15を制動するブレーキ部分とを組み合わせた、複合的な構成である。以下、作業用ブレーキ/クラッチ部21のことを単に「クラッチ21」と言うことにする。
変速装置23は、ケースに図示せぬ変速斜板が内蔵され、この変速斜板に変速用アーム23aが連結され、この変速用アーム23aに変速用ケーブル25を介して変速レバー33が連結された、周知の構成である。
すなわち、変速装置23は、後輪13の回転数を零(停止)から高速回転域まで無段階に変速するものである。このように変速装置23は、エンジン14から後輪13へ伝達する出力の遮断・結合を行う(つまり、遮断することで後輪13を停止させ、結合することで後輪13を回転させる)という、いわゆるクラッチ機能を有している。
ところで、ハンドル17は、後端部に背面視略門形状のグリップ部17aを有するとともに、作業用クラッチレバー31および走行レバー32を前後へ揺動自在に取り付けた構成である。作業用クラッチレバー31および走行レバー32は、手で前方へ揺動操作してグリップ部17aと共に握ることができ、操作する手を離したときに自動的に元の位置へ復帰する、自動復帰式操作部材である。
図2は本発明に係る歩行型芝刈機の模式的系統図である。
先に、操作部18について説明する。操作部18は、変速レバー33、メインスイッチ34および作業用クラッチ操作検出センサ35を備える。
変速レバー33は、変速装置23を変速操作するものであって、走行レバー32に引張りばね36を介して接続するとともに、変速用ケーブル25を介して変速装置23に連結した構成である。
走行レバー32を操作したときに、変速装置23は変速レバー33の変速操作位置に応じた速度で後輪13を回転させる。その後、走行レバー32を元に戻すと、変速装置23の出力回転は零になり、後輪13を停止させる。
メインスイッチ34は、エンジン14の電源系統をオン、オフするためのロータリスイッチであり、オフ位置からオン位置へ操作することでエンジン14の始動に備えるとともに、オン位置からオフ位置へ戻すことでエンジン14を停止させることができる。
作業用クラッチ操作検出センサ35は、作業用クラッチレバー31(つまり、作業用クラッチ操作部31)によってクラッチ21の結合操作がされたことを検出するものであり、例えばスイッチからなる。作業用クラッチレバー31を操作し、クラッチ用ケーブル37を介してクラッチ21を結合(クラッチオン)したときに、作業用クラッチ操作検出センサ35は結合操作がされたことを検出する。
なお、作業用クラッチレバー31は、先端にロック解除ノブ38を備えている。ロック解除ノブ38を押しながら作業用クラッチレバー31を前方へ揺動操作したときだけ、クラッチ用ケーブル37を介してクラッチ21を結合(クラッチオン)させることができる。但し、以下の説明においては、ロック解除ノブ38の操作の説明を省略する。
次に、エンジン14の系統について説明する。
エンジン14はリコイルスタータ41、点火装置42、スロットル弁用制御モータ43、モータ用ドライバ44、スロットル開度センサ45、エンジン回転センサ46、発電機47、電源回路48および制御部49を備える。なお、エンジン14はバッテリを備えていない。
リコイルスタータ41は、作業者がエンジン14を手動で始動させる始動装置であり、例えばエンジン14のフライホイールの先端に設けたものである。点火装置42は、図示せぬ点火コイル並びに点火プラグからなる。
スロットル弁用制御モータ43(以下「制御モータ43」と言う。)は、エンジン吸気系51に備えたスロットル弁52を開閉駆動するアクチュエータであり、例えばステップモータからなる。モータ用ドライバ44は、制御部49の制御信号に基づいて制御モータ43を電気的にオン・オフ駆動するものである。
スロットル開度センサ45は、スロットル弁52の開度を検出し、検出信号を制御部49に発するものである。エンジン回転センサ46は、エンジン14の回転数(回転速度)を検出し、検出信号を制御部49に発するものである。
発電機47は、エンジン14の出力の一部によって交流電力を発電するオルタネータであり、例えばフライホイールに設けたものである。電源回路48は、発電機47で発電された交流電力を整流して直流電力に変換した上で、点火装置42や制御部49等の電装品に供給するものである。
制御部49はメインスイッチ34、作業用クラッチ操作検出センサ35、スロットル開度センサ45、エンジン回転センサ46の各信号を受けて、エンジン14を所定の制御モードで制御する電子制御ユニットであり、例えばマイクロコンピュータからなる。つまり制御部49は、点火装置42を制御し、さらに、検出されたエンジン14の回転数およびスロットル弁52の開度の各データに基づき、所定の制御モードで制御モータ43を介してスロットル弁52の開度を制御することで、エンジン14の回転数が目標回転数と一致するように電気的に制御するものである。
以上の説明から明らかなように、エンジン14は電子式ガバナ40(電気式ガバナ、電子式調速機とも言う。)を搭載したことを特徴とする。電子式ガバナ40は、制御部49の制御信号に基づいて、制御モータ43でスロットル弁52の開度を自動的に調整することにより、エンジン14の回転数を制御するものであって、制御モータ43、モータ用ドライバ44、スロットル開度センサ45、エンジン回転センサ46、制御部49およびスロットル弁52の組合せからなる。
ところで、制御部49によってエンジン14の回転数を制御する制御モードには、大きく分けて2つの回転制御モードがある。これらの回転制御モードについて、次のように定義する。
第1の回転制御モードは、アイドリング状態のエンジン回転数に制御する「アイドルモード」である。第2の回転制御モードは、作業用クラッチレバー31を操作してクラッチ21を結合(クラッチオン)することによって、エンジン14が発するトルクで作業をする状態の、エンジン回転数に制御する「作業モード」である。
次に、制御部49によってエンジン14の回転数を作業モードで制御するための、制御の概念について、図3に基づいて説明する。
図3は本発明に係る制御部の制御概念図であり、横軸をスロットル弁の開度Thr(deg.)とし、縦軸をエンジンの出力発生率Rop(%)として、エンジンの目標回転数とスロットル弁の開度Thrとに基づいて、エンジンの出力発生率Ropを求めるものである。
エンジン14の目標回転数については、例えば5つの特性曲線Nt1〜Nt5によって示される。特性曲線Nt1の目標回転数が最も小さく、特性曲線Nt1,Nt2,Nt3,Nt4,Nt5の順に大きい目標回転数の特性である(Nt1<Nt2<Nt3<Nt4<Nt5)。
特性曲線Nt1は、アイドルモードにおけるエンジン14の目標回転数の特性線である。特性曲線Nt2〜Nt5は、作業モードにおけるエンジン14の目標回転数の特性線である。これらの特性曲線Nt1〜Nt5によれば、目標回転数が大きいほど、スロットル弁の開度Thrに対するエンジンの出力発生率Ropの値が小さくてすむことが判る。
ここで、エンジン14(図2参照)の出力発生率Ropとは、エンジン14の負荷の大きさを表す値、つまりパラメータである。出力発生率Ropが大きいほど、エンジン14の負荷は大きいことになる。
また、目標回転数が一定ならば、スロットル弁52(図2参照)の開度Thrが大きくなるにつれて、出力発生率Ropは大きくなる。一般に、エンジン14の回転数が同じであっても、スロットル弁52の開度Thrが大きいほど、エンジン14の出力が大きいからである。つまり、出力発生率Ropは大きくなる。開度Thrが最大のときに、出力発生率Ropは最大(100%)になる。
図2に示す歩行型芝刈機10においては、カッタ15で芝刈り作業を開始すると、エンジン14の負荷は増大する。このときに制御部49は、エンジン14の実際の回転数を現在の目標回転数で維持させるために、スロットル弁52の開度Thrを大きくするように制御する。この結果、出力発生率Ropは増大する。
例えば、目標回転数がNt2である場合には、開度Thrが30deg.ならば、出力発生率Ropは約78%と大きい値である。このときに、目標回転数をNt2からNt3に上げれば、開度Thrが30deg.であっても、出力発生率Ropを約68%まで下げることができる。エンジン14の実際の回転数が増大すれば、エンジン14が発生する出力が増大するので、出力発生率Ropが下がる。エンジン14は、負荷に対して十分に対応することができる。
一方、目標回転数がNt3である場合には、開度Thrが20deg.ならば、出力発生率Ropは約39%と小さい値である。このときに、目標回転数をNt3からNt2に下げれば、開度Thrが20deg.であっても、出力発生率Ropは約52%まで上がる。それでも、出力発生率Ropは小さくてすんでいる。つまり、エンジン14の負荷が抑制されているので、目標回転数をNt2まで下げても差し支えない。目標回転数を下げることによって、エンジン騒音を抑制するとともに、燃料消費率を高めることができる。
従って、制御部49によってエンジン14の回転数を制御するのに、エンジン14における最適な出力発生率Ropを考慮して、スロットル弁52の開度Thrおよびエンジン14の目標回転数を最適な値に設定することができる。この結果、エンジン14を最適な条件で運転することができる。
しかも、スロットル弁52の開度Thrを自動的に設定するようにすれば、作業中においてエンジン14の負荷が変動する度に、作業者がスロットルレバーを操作してエンジン14の回転数を適切な値に調節する必要はない。
本発明は、上述の制御概念に基づいて、制御部49によるエンジン14の回転数制御を実行するように構成したものである。
次に、上記図2に示す制御部49をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図4〜図6に基づき説明する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図2を参照しつつ説明する。
図4は本発明に係るエンジンの始動操作時点から制御部が制御処理を実行するまでの一連の手順を示すフローチャートである。
ST01;作業者がメインスイッチ34をオン操作する。
ST02;メインスイッチ34のオン状態において、作業者がリコイルスタータ41のノブ41aを引張ることで、リコイルスタータ41を始動操作する。
ST03;リコイルスタータ41の始動操作により、エンジン14が始動する。
ST04;エンジン14の始動に伴い、発電機47が発電を開始する。
ST05;発電機47の出力電圧が一定以上の安定した電圧になることで、発電機47から供給される電力によって制御部49が自動的に起動する。
ST06;制御部49は所定の制御を開始する前の、初期設定の処理を実行する。
ST07;この時点から、制御部49はエンジン回転数制御処理を自動的に実行する。このエンジン回転数制御処理を具体的に実行するための具体的な制御フローについては、次の図5に示す。
図5は本発明に係る制御部の制御フローチャート(メインルーチン)であり、制御部49が上記図4に示すステップST07の「エンジン回転数制御処理」を実行するための、基本的な制御フローを示す。
ST11;各スイッチのスイッチ信号を読み込む。具体的には、作業用クラッチ操作検出センサ35の信号を読み込む。
ST12;作業用クラッチレバー31がオフ位置にあるか否かを調べ、YESなら「アイドルモード」であると判断してST13に進み、NOなら「作業モード」であると判断してST16に進む。図1に示すように、作業者が作業用クラッチレバー31から手を離しているときの位置が、オフ位置である。作業用クラッチレバー31の位置については、作業用クラッチ操作検出センサ35の検出信号によって判断する。
ST13;エンジン14の回転制御モードが「アイドルモード」なので、エンジン14の目標回転数Ntをアイドル時目標値Nidの値に設定する。アイドル時目標値Nidは、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14のアイドリング状態の回転数に相当する。
ST14;スロットル弁52の開度Thrを計測する。開度Thrについては、スロットル開度センサ45で計測すればよい。
ST15;初期値が0である「旧の開度Tho」の値を、上記ST14において計測された、新たな開度Thr(新の開度Thr)の値に、更新した後に、ST19に進む。つまり、ST14で得られた「新の開度Thr」を、「旧の開度Tho」の値として、制御部49に内蔵されているメモリに記憶する。なお、「旧の開度Tho」については、「前回のスロットル弁の開度Tho」とも言う。旧の開度Thoの値は、後述する図6のST102で用いられる。
ST16;エンジン14の回転制御モードが「作業モード」なので、作業用クラッチレバー31がオフ位置からオン位置への切り替わった時点であるか否かを調べ、YESならST17に進み、NOならST18に進む。作業用クラッチレバー31をオン操作した瞬間である場合には、YESの判断になる。一方、以前から作業用クラッチレバー31のオン操作が続行中の場合には、NOの判断になる。
ST17;「旧の作業時目標値Nwo」の値を、予め設定されている一定の「作業時初期目標値Nwi」の値に初期設定して、ST18に進む。なお、「旧の作業時目標値Nwo」については、「前回の作業時目標値Nwo」とも言う。旧の作業時目標値Nwoの値は、後述する図6のST105,ST106,ST109,ST110で用いられる。
このように、作業用クラッチレバー31がオン操作された時点(瞬間)にだけ、ST17において、「旧の作業時目標値Nwo」の初期値は、作業時初期目標値Nwiに設定される。
ST18;エンジン14の回転数の設定処理を実行して、作業モードにおけるエンジン14の目標回転数Ntを設定した後に、ST19に進む。このST18を具体的に実行するためのサブルーチンについては、後述する図6に示す。
ST19;エンジン14の実際の回転数Nr(以下「実回転数Nr」と言う。)を計測する。実回転数Nrについては、エンジン回転センサ46で計測すればよい。
ST20;上記ST13又はST18で設定された目標回転数Ntに対して、実回転数Nrが下回っているか否かを調べ、YESならST21に進み、NOならST22に進む。
ST21;制御モータ43を正転駆動させることにより、スロットル弁52を開駆動する。この結果、実回転数Nrは増大する。
ST22;制御モータ43を逆転駆動させることにより、スロットル弁52を閉駆動する。この結果、実回転数Nrは減少する。
ST23;メインスイッチ34のスイッチ信号を読み込む。
ST24;メインスイッチ34がオンであるか否かを調べ、YESならエンジン14の作動を続行すると判断してST11に戻り、NOならエンジン14の停止指令があったと判断してST25に進む。
ST25;エンジン14を停止させた後に、この制御フローによる制御を終了する。
次に、制御部49が、上記ST18(図5参照)に示された、エンジン14の回転数の設定処理を実行するための、具体的な制御フローを図6に基づいて説明する。
図6は本発明に係る制御部の制御フローチャート(サブルーチン)であり、上記図5のステップST18に示されたエンジン14の回転数の設定処理を実行するための、サブルーチンを示す。
ST101;スロットル弁52の開度Thrを計測する。開度Thrについては、スロットル開度センサ45で計測すればよい。
ST102;新の開度Thrから旧の開度Thoを減算することによって、両者の差ΔTh、つまり、スロットル開度差ΔThを求める(ΔTh=Thr−Tho)。当然のことながら、旧の開度Thoに対して、新の開度Thrが小さい場合には、スロットル開度差ΔThは「負」の値になる。
ここで、「新の開度Thr」とは、図6に示す制御フローを「今回」実行したときに、ST101において計測された、スロットル弁52の新たな開度Thrのことである。
「旧の開度Tho」とは、図6に示す制御フローを「前回」実行したときに、ST101において計測された、スロットル弁52の元の開度のことである。但し、作業用クラッチレバー31をオン操作した瞬間だけは、例外的に、上記ST15(図5参照)で得られた「旧の開度Tho」を、ST102における「旧の開度Tho」の値とする。
ST103;スロットル開度差ΔThが「増大時の開度差基準値Thup」よりも大きいか(ΔTh>Thup)否かを調べ、YESならST104に進み、NOならST107に進む。
「増大時の開度差基準値Thup」は、エンジン14の回転数を増大させるか否かを判断する場合に、その判断基準となる一定の「正」の値であり、予め設定されている。旧の開度Thoに対する新の開度Thrの増大量が大きく、そのスロットル開度差ΔThが、開度差基準値Thupを超える大きい値である場合に、エンジン14の回転数を増大又は現状で維持させると判断し、YESになる。
ST104;目標値増大補正マップに基づいて、上記ST101で計測されたスロットル弁52の開度Thrから、エンジン14の新たな作業時目標値Nwn(新の作業時目標値Nwn。つまり、新の目標回転数Nwn。)を求める。つまり、今回の作業時目標値Nwnを増大又は現状で維持させる。目標値増大補正マップの内容については、後で図7に基づき説明する。
ST105;新の作業時目標値Nwnが、旧の作業時目標値Nwoよりも大きいか(Nwn>Nwo)否かを調べ、YESならST111に進み、NOならST106に進む。ここで、「旧の作業時目標値Nwo」とは、前に求められたエンジン14の作業時目標値(目標回転数)のことである。但し、作業用クラッチレバー31をオン操作した瞬間における、旧の作業時目標値Nwoの初期値には、上記図5のST17で得られた値を用いることになる。
ST106;上記ST105において「Nwn≦Nwo」なので、新の作業時目標値Nwnの値を、旧の作業時目標値Nwoの値に更新した後に、ST111に進む。
ST107;スロットル開度差ΔThが「減少時の開度差基準値Thdw」よりも小さいか(ΔTh<Thdw)否かを調べ、YESならST108に進み、NOならST110に進む。
「減少時の開度差基準値Thdw」は、エンジン14の回転数を減少させるか否かを判断する場合に、その判断基準となる一定の「負」の値であり、予め設定されている。旧の開度Thoに対する新の開度Thrの増大量が小さく、そのスロットル開度差ΔThが、開度差基準値Thdwを下回る小さい値である場合に、エンジン14の回転数を減少又は現状で維持させると判断し、YESになる。
ST108;目標値減少補正マップに基づいて、上記ST101で計測されたスロットル弁52の開度Thrから、エンジン14の新たな作業時目標値Nwn(新の作業時目標値Nwn。つまり、新の目標回転数Nwn。)を求める。つまり、新の作業時目標値Nwnを減少又は現状で維持させる。目標値減少補正マップの内容については、後で図7に基づき説明する。
ST109;新の作業時目標値Nwnが、旧の作業時目標値Nwoよりも小さいか(Nwn<Nwo)否かを調べ、YESならST111に進み、NOならST110に進む。
なお、作業用クラッチレバー31をオン操作した瞬間における、旧の作業時目標値Nwoの初期値には、上記図5のST17で得られた値を用いることになる。
ST110;上記ST103及びST107において「Thdw≦ΔTh≦Thup」、又は、上記ST109において「Nwn≧Nwo」なので、新の作業時目標値Nwnの値を、旧の作業時目標値Nwoの値に更新した後に、ST111に進む。
ST111;エンジン14の目標回転数Ntの値を、新の作業時目標値Nwnの値に更新する。なお、ここで得られた目標回転数Ntは、作業モードにおけるエンジン14の目標回転数である。
ST112;旧の開度Thoの値を、上記ST101で計測された新の開度Thrに更新する。
ST113;旧の作業時目標値Nwoの値を、新の作業時目標値Nwnの値に更新した後に、図6の制御フローによる制御を終了する。
次に、目標値増大補正マップおよび目標値減少補正マップについて、図7に基づき説明する。
図7は本発明に係る目標値増大補正マップおよび目標値減少補正マップの説明図であり、横軸をスロットル弁の開度Thr(deg.)とし、縦軸をエンジンの作業時目標値Nwn(rpm)として、開度Thrに対応する作業時目標値Nwnを得る、目標値増大補正マップおよび目標値減少補正マップを示す。
この説明図において、スロットル弁52(図2参照)の開度Thrの設定値については、Thr1,Thr2,Thr3,Thr4,Thr5,Thr6,Thr7の7つの値を、この順に大きくなる値で設定したものである。
また、エンジン14(図2参照)の作業時目標値Nwnの設定値については、Nwn1,Nwn2,Nwn3,Nwn4,Nwn5,Nwn6の6つの値を、この順に大きくなる値で設定したものである。
Nwn1〜Nwn2間の間隔と、Nwn2〜Nwn4間の間隔と、Nwn4〜Nwn6間の間隔とは、概ね同じである。Nwn3は、Nwn2とNwn4の中間にある。Nwn5は、Nwn4とNwn6の中間にある。このため、Nwn2,Nwn3,Nwn4,Nwn5,Nwn6の間の各間隔は、Nwn2〜Nwn4間の間隔や、Nwn4〜Nwn6間の間隔の、略半分であり、小さい。
実線にて示される目標値増大補正マップの特性は、スロットル弁52の開度Thrの増大に対して、エンジン14の作業時目標値Nwnを段階的に増大させるように設定したことを特徴とする。
詳しく述べると、目標値増大補正マップは、エンジン14の作業時目標値Nwnを次の4段階に設定する特性である。
スロットル弁52の開度ThrがThr3よりも小さい場合(Thr<Thr3)には、エンジン14の作業時目標値NwnをNwn1に設定する(Nwn=Nwn1)。
開度ThrがThr3以上で且つThr5よりも小さい場合(Thr3≦Thr<Thr5)には、作業時目標値NwnをNwn2に設定する(Nwn=Nwn2)。
同様に、「Thr5≦Thr<Thr7」の場合には、「Nwn=Nwn4」に設定する。
「Thr7≦Thr」の場合には、「Nwn=Nwn6」に設定する。
開度Thrの所定の増大量(Thr3からThr5までの間隔、及び、Thr5からThr7までの間隔)と、作業時目標値Nwnを段階的に増大させる所定の間隔(Nwn1からNwn2までの間隔、Nwn2からNwn4までの間隔、及び、Nwn4からNwn6までの間隔)とは、両方共に大きい間隔の値に設定されている。
一方、破線にて示される目標値減少補正マップの特性は、スロットル弁52の開度Thrの減少に対して、エンジン14の作業時目標値Nwnを段階的に減少させるように設定したことを特徴とする。
詳しく述べると、目標値減少補正マップは、エンジン14の作業時目標値Nwnを次の6段階に設定する特性である。
スロットル弁52の開度ThrがThr6よりも大きい場合(Thr>Thr6)には、エンジン14の作業時目標値NwnをNwn6に設定する(Nwn=Nwn6)。
開度ThrがThr6よりも小さく且つThr5以上の場合(Thr5≦Thr<Thr6)には、作業時目標値NwnをNwn5に設定する(Nwn=Nwn5)。
同様に、「Thr4≦Thr<Thr5」の場合には、「Nwn=Nwn4」に設定する。
「Thr2≦Thr<Thr4」の場合には、「Nwn=Nwn3」に設定する。
「Thr1≦Thr<Thr2」の場合には、「Nwn=Nwn2」に設定する。
「Thr<Thr1」の場合には、「Nwn=Nwn1」に設定する。
開度Thrの所定の減少量(Thr6からThr5までの間隔、Thr5からThr4までの間隔、Thr4からThr2までの間隔、及び、Thr2からThr1までの間隔)と、作業時目標値Nwnを段階的に減少させる所定の間隔(Nwn6からNwn5までの間隔、Nwn5からNwn4までの間隔、Nwn4からNwn3までの間隔、及び、Nwn3からNwn2までの間隔)とは、両方共に小刻みの値に設定されている。
以上の説明から明らかなように、目標値増大補正マップと目標値減少補正マップとは、互いにヒステリシス特性を有した関係にある。
目標値増大補正マップにおける開度Thrの設定範囲は、Thr3からThr7までであって、例えば20deg.である。目標値減少補正マップにおける開度Thrの設定範囲は、Thr1からThr6までであって、例えば15deg.である。
目標値増大補正マップでは、開度Thrを3段階(Thr3,Thr5,Thr7)に粗く設定するとともに、作業時目標値Nwnを4段階(Nwn1,Nwn2,Nwn4,Nwn6)に粗く設定している。従って、エンジン14の負荷が増大した場合には、作業時目標値Nwnを比較的急激に増大させることができる。このため、エンジン14の負荷が急増した場合であっても、十分に対応することができる。
すなわち、複数の段階Nwn1,Nwn2,Nwn4,Nwn6間の各間隔を予め大きく設定してあるので、エンジン14の負荷が急増することによって、スロットル弁52の開度Thrが増大したときに、より大きい値の作業時目標値Nwn(目標回転数Nt)を選択することができる。このため、実回転数Nrを、より増大させることができ、この結果、エンジン出力を、より増大させることができる。従って、作業中における作業部15の負荷の急増に対して、より速やかに対応することができる。しかも、作業部15の負荷が急増した場合に、作業性をより高めることができるとともに、作業部15による仕上がり状態を安定させることができる。
一方、目標値減少補正マップでは、開度Thrを5段階(Thr1,Thr2,Thr4,Thr5,Thr6)に細かく設定するとともに、作業時目標値Nwnを6段階(Nwn1,Nwn2,Nwn3,Nwn4,Nwn5,Nwn6)に細かく設定している。従って、エンジン14の負荷が減少した場合には、作業時目標値Nwnを小刻みに緩やかに減少させることができる。このため、エンジン14の負荷が減少するときに、十分に対応しつつエンジン回転数を下げることにより、エンジン騒音の低減を図ることができる。
ところで、エンジン14の負荷変動が大きい場合には、図6に示すように、ST102において求められるスロットル開度差ΔThは、大きく変動する。この結果、ST103,ST107の判断は頻繁に変わる。このため、ST104において設定される作業時目標値Nwnと、ST108において設定される作業時目標値Nwnとの間で、頻繁に移行し合う現象、つまり、ハンチング現象の発生が考えられる。
すなわち、エンジン14の負荷変動が大きい場合に、その変動に応じて、エンジン14の回転数を増減させる場合には、目標値増大補正マップによる作業時目標値Nwnの設定と、目標値減少補正マップによる作業時目標値Nwnの設定との間で、ハンチング現象の発生が考えられる。
これに対して、本発明では、目標値増大補正マップによる増大特性と、目標値減少補正マップによる減少特性との間に、上述のヒステリシスを有している。さらに、目標値減少補正マップの特性は、目標値増大補正マップの特性に対して、開度Thrの設定範囲が5段階と細かく、しかも、作業時目標値Nwnの設定段階が6段階と細かい。従って、目標値減少補正マップによる作業時目標値Nwnの設定中に、目標値増大補正マップによる作業時目標値Nwnの設定に移行することを、十分に抑制することができる。
このため、作業中にエンジン14の実回転数Nrが急変することがない。つまり、実回転数Nrのハンチング現象を防止することができる。従って、作業部15による作業状態を極力維持することができるので、作業部15による作業の仕上がり状態を良好にすることができる。例えば、歩行型芝刈機10においては、芝刈り作業を行ったときの芝の仕上がり状態を、より一層良好にすることができる。
ところで、歩行型芝刈機10においては、上記図1及び図2に想像線で示す回転モード切替スイッチ61を追加した、変形例の構成であってもよい。但し、変形例においては、制御部49の構成を変更したものである。
図1及び図2に想像線で示すように、変形例の操作部18は、回転モード切替スイッチ61を有している。この回転モード切替スイッチ61は、エンジン14の目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておいた中から、任意に選択した1つの目標回転数の値を指示するための、目標回転数切替操作部(目標回転数選択部)である。より具体的に説明すると、回転モード切替スイッチ61は、エンジン14の制御モードを後述する「静音モード」と「パワーモード」とに切り替えるものであり、例えばシーソースイッチ(「タンブラスイッチ」とも言う。)からなる。
作業者は、歩行型芝刈機10の作業条件に合わせて、回転モード切替スイッチ61を切り替え操作することにより、エンジン14の制御モードを「パワーモード」または「静音モード」に設定することができる。
変形例の制御部49は、上記各信号を受けるとともに、回転モード切替スイッチ61の信号を受けて、エンジン14を所定の制御モードで制御する。変形例において、制御部49によってエンジン14の回転数を制御する制御モードには、大きく分けて「アイドルモード」と「静音モード」と「パワーモード」という、3つの回転制御モードがある。
「アイドルモード」は、アイドリング状態のエンジン回転数に制御する、回転制御モードである。「静音モード」は、エンジン14で発するトルクが実質的に最大(概ね最大を含む)のときのエンジン回転数に制御する、回転制御モードである。「パワーモード」は、エンジン14で発する出力が実質的に最大(概ね最大を含む)のときのエンジン回転数に制御する、回転制御モードである。
図8は、変形例の制御部49の制御フローチャート(メインルーチン)である。この変形例は、図5に示す制御フローチャートのうち、ST16及びST17の代わりに、図8に示すST15A、ST16A、ST16B、ST17A、ST17Bを設けたものである。
ST11;各スイッチのスイッチ信号を読み込む。具体的には、回転モード切替スイッチ61及び作業用クラッチ操作検出センサ35の信号を読み込む。
ST12;作業用クラッチレバー31がオフ位置にあるか否かを調べ、YESなら「アイドルモード」であると判断してST13に進み、NOならST15Aに進む。
ST13;図5に示すST13と同じ。
ST14;図5に示すST14と同じ。
ST15;図5に示すST15と同じ。
ST15A;エンジン14の回転制御モードが「静音モード」であるか否かを調べ、YESならST16Aに進み、NOなら「パワーモード」であると判断してST16Bに進む。このST15Aでは、回転モード切替スイッチ61がオンであるときにYESの判断になり、回転モード切替スイッチ61がオフであるときにNOの判断になる。
ST16A;次の第1条件と第2条件のいずれか一方の条件を満たしたか否かを調べ、YESならST17Aに進み、NOならST18に進む。
第1条件は、作業用クラッチレバー31がオフ位置からオン位置へ切り替わった時点であるという条件である。第2条件は、回転制御モードがパワーモードから静音モードへ切り替わった時点であるという条件である。
このため、ST16Aは、作業用クラッチレバー31をオン操作した瞬間、または、回転モード切替スイッチ61によってパワーモードを静音モードに切り替えた瞬間である場合だけ、YESの判断になる。
ST17A;静音モードに切り替えられたので、「旧の作業時目標値Nwo」の値を、予め設定されている一定の目標中速回転数NMの値に初期設定して、ST18に進む。目標中速回転数NMは、エンジン14が最大トルクTmaxを実質的に発生可能な回転数NMに相当する。旧の作業時目標値Nwoの値については、上記図6のST105,ST106,ST109,ST110で用いる。
ST16B;次の第3条件と第4条件のいずれか一方の条件を満たしたか否かを調べ、YESならST17Bに進み、NOならST18に進む。
第3条件は、作業用クラッチレバー31がオフ位置からオン位置へ切り替わった時点であるという条件である。第4条件は、回転制御モードが静音モードからパワーモードへ切り替わった時点であるという条件である。
このため、ST16Bは、作業用クラッチレバー31をオン操作した瞬間、または、回転モード切替スイッチ61によって静音モードをパワーモードに切り替えた瞬間である場合だけ、YESの判断になる。
ST17B;パワーモードに切り替えられたので、「旧の作業時目標値Nwo」の値を、予め設定されている一定の目標高速回転数NHの値に初期設定して、ST18に進む。目標高速回転数NHは、エンジン14が最大出力Pmaxを実質的に発生可能な回転数NHに相当する。旧の作業時目標値Nwoの値については、上記図6のST105,ST106,ST109,ST110で用いる。
ST18;「エンジン回転数の設定処理」を実行することによって、静音モード又はパワーモードにおけるエンジン14の目標回転数Ntを設定した後に、ST19に進む。このST18を具体的に実行するためのサブルーチンについては、上記図6に示す。
ST19〜ST25;図5に示すST19〜ST25と同じ。
以上の説明から明らかなように、実施の形態の制御部49は、図2、図5及び図6に示すように、作業用クラッチレバー31がオン操作された時点に、段階的に設定されている複数の目標回転数Nt(Nid,NWi)の中から、目標回転数Nwiを指示する(ST12,ST16,ST17,ST111参照)。
一方、変形例の制御部49は、図2、図8及び図6に示すように、作業用クラッチレバー31がオン操作された時点に、段階的に設定されている複数の目標回転数Nt(Nid,NM,NH)の中から、目標回転数NM又はNHを指示する(ST12,ST15A,ST16A,ST16B,ST17A,ST17B,ST111参照)。
さらに、制御部49は、図2、図5及び図8に示すように、指示された目標回転数Nt(Nwi,NMまたはNH)に実回転数Nrを合わせるように、スロットル弁52を開閉制御する(ST19〜ST22参照)。
以上の説明をまとめると、次の通りである(図2参照)。
本発明の制御部49は、目標回転数Nt(つまり、作業時目標値Nwn)を、図7に示す複数の段階の値Nwn1〜Nwn6に予め設定しておき、その中からスロットル弁52の開度Thrに応じた1つの目標回転数の値Nt(つまり、Nwn1〜Nwn6のいずれか1つ)を選択するとともに、この選択された1つの目標回転数の値Ntに対して、エンジン14の実回転数Nrが合うように、スロットル弁52を開閉制御する構成である。
具体的には、図6のST104,ST108,ST111と、図5のST20〜ST22によって、実行される。
しかも、制御部49は、図7の実線にて示す目標値増大補正マップのように、スロットル弁52の開度Thrが増大するにつれて、大きい値の目標回転数Ntを選択する構成である(図6のST104)。
選択された、ある1つの目標回転数Ntに実回転数Nrを合わせるように、スロットル弁52を電気的に開閉制御する場合において、エンジン14の負荷が増大すると、負荷の増大に応じてスロットル弁52の開度Thrは急激に増大する。しかし、エンジン14の負荷が過大であると、開度Thrを増大したにもかかわらず、目標回転数Ntに対して実回転数Nrが減少し始める。
これに対して、本発明の制御部49は、図6に示すように、スロットル開度差ΔThが一定値Thupよりも大きくなった場合には、開度Thrが所定の増大量だけ増大する毎に、指示された目標回転数Ntの値を所定値だけ増大させるように、段階的に増大させる(ST103,ST104、ST111、図7の目標値増大補正マップ参照)。
つまり、制御部49は、スロットル弁52の開度Thrが増大するにつれて、エンジン14の負荷が増大したと判断して、負荷の増加に応じた大きい値の目標回転数Nt(目標値増大補正マップにおける値Nwn1,Nwn2,Nwn4,Nwn6の、いずれか1つ)を選択する。そして制御部49は、大きい値の目標回転数Ntに実回転数Nrを合わせるように、スロットル弁52を開閉制御する。実回転数Nrが増大することによって、エンジン出力は増大する。この結果、作業部15(つまり、カッタ15)の回転も増大する。従って、エンジン駆動式作業機10(つまり、歩行型芝刈機10)の作業効率を高めるとともに、安定した作業を行うことができる。しかも、作業者がスロットルレバーを操作して、目標回転数の微妙な調節を行う必要はない。
さらに、本発明の制御部49は、スロットル弁52の開度Thrが減少した場合には、図7の破線にて示す目標値減少補正マップのように、複数の段階Nwn1〜Nwn6の間隔を予め小さく設定しておいた中から、開度Thrが減少するにつれて小さい値の目標回転数Nt(つまり、作業時目標値Nwn)を選択する構成である(図6のST108)。
選択された、ある1つの目標回転数Ntに実回転数Nrを合わせるように、スロットル弁52を電気的に開閉制御する場合において、エンジン14の負荷が減少することに応じて、スロットル弁52の開度Thrは急激に減少する。この場合には、現状よりも小さい値の目標回転数Ntを選択することによって、実回転数Nrを減少させればよい。
本発明の制御部49は、図6に示すように、スロットル開度差ΔThが一定値Thdwよりも小さい場合には、指示された目標回転数Ntの値を、段階的に減少させる(ST107,ST108,ST111,図7の目標値減少補正マップ参照)。
つまり、制御部49は、スロットル弁52の開度Thrが減少するにつれて、エンジン14の負荷が減少したと判断して、負荷の減少に応じた小さい値の目標回転数Nt(目標値減少補正マップにおける値Nwn1からNwn6までの、いずれか1つ)を選択する。そして制御部49は、小さい値の目標回転数Ntに実回転数Nrを合わせるように、スロットル弁52を開閉制御する。実回転数Nrが減少することによって、エンジン出力は徐々に減少する。このようにして、実回転数Nrを徐々に減少させることができる。
従って、作業部15の回転数が徐々に減少するとともに、エンジン出力が徐々に減少するので、作業性をより高めることができるとともに、作業部15による仕上がり状態を安定させることができる。例えば、歩行型芝刈機10においては、カッタ15による芝刈りの仕上がり状態を、安定した良好なものにすることができる。このように、エンジン駆動式作業機10の作業効率を高めるとともに、安定した作業を行うことができる。
さらには、回転数が下がるので、エンジン駆動式作業機10が発生する騒音を低減して作業環境を高めることができる。しかも、作業者がスロットルレバーを操作して、目標回転数の微妙な調節を行う必要はない。
さらに、発明の制御部49は、スロットル弁52の開度Thrが増大した場合には、図7の実線にて示す目標値増大補正マップのように、複数の段階Nwn1,Nwn2,Nwn4,Nwn6間の各間隔を予め大きく設定しておいた中から、開度Thrが増大するにつれて大きい値の目標回転数Nt(つまり、作業時目標値Nwn)を選択する構成である(図6のST104)。
複数の段階Nwn1,Nwn2,Nwn4,Nwn6間の各間隔を予め大きく設定してあるので、エンジン14の負荷が急増することで、スロットル弁52の開度Thrが増大したときに、より大きい値の目標回転数Ntを選択することができる。このため、実回転数Nrをより増大させることができ、この結果、エンジン出力を、より増大させることができる。従って、作業中における作業部15の負荷の急増に対して、より速やかに対応することができる。しかも、作業部15の負荷が急増した場合に、作業性をより高めることができるとともに、作業部15による仕上がり状態を安定させることができる。
さらに本発明では、スロットル弁52の開度Thrに応じて選択される、目標回転数Ntの各段階の値の特性は、スロットル弁52の開度Thrが増大した場合と、スロットル弁52の開度Thrが減少した場合とで、ヒステリシスを有している。
つまり、図7において、実線で示す目標値増大補正マップと破線で示す目標値減少補正マップとの間に、ヒステリシス特性を有している。
このため、作業中にエンジン14の実回転数Nrが急変することがない。つまり、実回転数Nrのハンチング現象を防止することができる。従って、作業部15による作業状態を極力維持することができるので、作業部15による仕上がり性を高めることができる。例えば、歩行型芝刈機10においては、カッタ15による芝刈りの仕上がり状態を、より一層良好にすることができる。
なお、上記本発明の実施の形態において、エンジン駆動式作業機は、歩行型芝刈機10に限定されるものではなく、エンジン14で駆動される各種の作業部を備えた作業機に適用することができる。
本発明のエンジン駆動式作業機は、作業途中で作業部の負荷が大きく変動し得る作業機、例えばエンジン14で駆動されるカッタ15を備えた歩行型芝刈機や、エンジン14で駆動される耕耘爪を備えた歩行型耕耘機に好適である。
本発明に係る歩行型芝刈機を示す左側面図である。 本発明に係る歩行型芝刈機の模式的系統図である。 本発明に係る制御部の制御概念図である。 本発明に係るエンジンの始動操作時点から制御部が制御処理を実行するまでの一連の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(メインルーチン)である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(サブルーチン)である。 本発明に係る目標値増大補正マップおよび目標値減少補正マップの説明図である。 本発明に係る変形例の制御部の制御フローチャート(メインルーチン)である。
符号の説明
10…エンジン駆動式作業機(歩行型芝刈機)、14…エンジン、15…作業部(カッタ)、21…クラッチ、31…作業用クラッチ操作部(作業用クラッチレバー)、35…作業用クラッチ操作検出センサ、43…スロットル弁用制御モータ、45…スロットル開度センサ、46…エンジン回転センサ、49…制御部、52…スロットル弁、61…目標回転数選択部(回転モード切替スイッチ)、Nr…エンジンの実際の回転数、Nt…目標回転数、Nwn…エンジンの作業時目標値、Thr…スロットル弁の開度。

Claims (5)

  1. 作業部を駆動するエンジンの実際の回転数を目標回転数に合わせるようにスロットル弁を電気的に開閉制御するエンジン駆動式作業機において、
    前記スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサと、
    前記目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておき、その中から前記スロットル弁の開度に応じた1つの目標回転数の値を選択するとともに、この選択された1つの目標回転数の値に対して前記実際の回転数が合うように前記スロットル弁を開閉制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記スロットル弁の開度が増大するにつれて、大きい値の前記目標回転数を選択する構成であることを特徴とするエンジン駆動式作業機。
  2. 前記制御部は、前記スロットル弁の開度が減少した場合には、前記複数の段階の間隔を予め小さく設定しておいた中から、前記開度が減少するにつれて小さい値の前記目標回転数を選択する構成であることを特徴とする請求項1記載のエンジン駆動式作業機。
  3. 前記制御部は、前記スロットル弁の開度が増大した場合には、前記複数の段階の間隔を予め大きく設定しておいた中から、前記開度が増大するにつれて大きい値の前記目標回転数を選択する構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジン駆動式作業機。
  4. 前記スロットル弁の開度に応じて選択される、前記目標回転数の各段階の値の特性は、前記スロットル弁の開度が増大した場合と、前記スロットル弁の開度が減少した場合とで、ヒステリシスを有していることを特徴とした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジン駆動式作業機。
  5. エンジンによって作業部を駆動するエンジン駆動式作業機において、
    段階的に設定されている複数の目標回転数の中から、人為的な操作に基づいて、任意の目標回転数を選択して指示する目標回転数選択部と、
    この目標回転数選択部から指示された前記目標回転数に対して、前記エンジンの実際の回転数を合わせるように、スロットル弁を電気的に開閉制御する制御部とを備え、
    この制御部は、前記スロットル弁の開度が増大するにつれて、前記指示された目標回転数を段階的に増大させる構成であることを特徴としたエンジン駆動式作業機。
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