JP2007224835A - エンジンの起動装置および起動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン2を起動する電動機12と、エンジン2の点火信号を検出する点火信号検出手段24と、エンジン2の回転速度を検出する回転速度検出手段23と、前記点火信号および回転速度に基づいて電動機12を制御する電動機制御手段20とを備え、
電動機制御手段20は、起動指令が入力されてから電動機12を目標のクランキング回転速度よりも低く、かつエンジンで圧縮・膨張トルク変動が発生しにくいゆっくりとした低回転速度1で駆動し、点火信号を検出してからさらに圧縮工程に相当する角度分進んでから前記目標のクランキング回転速度へと加速してエンジンを起動するように構成したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、エンジン発電機においては、発電を行なうために発電機が設けられているため、この発電機をモータとして駆動することでセルモータをなくすことができる。
しかし、センサを設けることは装置が大型化するとともにコスト増となる問題を有し、またセンサレス制御により駆動する場合には、低回転時には、はずみ車によるトルク変動抑制効果が得にくいため、トルク変動の影響が大きくなる上に、回転子の正確な位置を検出しにくく、電動機が出力できるトルクが定格値に比べて小さくる傾向があり、電動機の出力に余裕が無いと起動することが困難となる問題がある。
例えば、特開平7−71350号公報(特許文献1)には、エンジンのクランク角を読み込んで現在位置つまり始動開始位置を確認し、この位置に対応する所定回転角または所定時間の逆転からなる予備回転を指令した後に正規の正転を指令する始動装置、あるいはエンジンのクランク角を読み込んで始動開始位置を確認し、この位置から負荷トルク減少方向を判別してトルク減少方向に予備回転を指令した後に正規の正転を指令する始動装置が示されている。
これにより、圧縮工程になるまでの助走距離を長くとることができるので、一気に圧縮工程の高負荷域を乗り越えてクランキング回転速度までエンジンを加速することが可能となることが示されている。
さらに、特許文献2、3に示す例は、クランク角検出センサを用いずにモータの回転速度の低下から圧縮上死点近くの高負荷域を判断するものであるが、起動するときに、モータを逆回転させ、その後正回転することになるため、起動までに時間がかかりすぎるという問題が生じ、また、逆回転させることで、排気側から空気がエンジンの燃焼室内に流入して、異物を吸い込む虞もある。
そして、エンジンの点火信号によってエンジンのクランク角度の絶対位置を検出して、その信号位置を基準にして圧縮工程に相当する角度分、前記の低回転速度で進めることによって、負荷変動を受けずに圧縮工程を乗り越えた決まった位置から加速を開始することができるようになる。
そして、請求項5の発明によれば、同期運転のようなトルクの出しにくい制御でも、永久磁石式の発電機を電動機として使用した場合に、同期運転のようなトルクの出しにくい制御でも確実にエンジンを起動することができる。
そして、エンジンの点火信号によってエンジンのクランク角度の絶対位置を検出して、その信号位置を基準にして圧縮工程に相当する角度分、前記の低回転速度で進めることによって、負荷変動を受けずに圧縮工程を乗り越えた決まった位置から加速を開始することができるようになる。
図1は、4サイクル内燃機関(エンジン)2と永久磁石式の発電機4とを備えるエンジン発電装置を示している。エンジン2は、ガソリン、ガス等を燃料とする単気筒シリンダから構成され、このガソリンやガス等の燃料を燃焼室に供給する図示しない燃料供給手段、所定のタイミングで燃料を点火する点火手段6、および吸気弁、排気弁を開閉制御する動弁機構8を備えている。
さらに、動弁機構8には、排気弁を開放状態に維持して圧縮工程での圧縮空気を排気弁から排出させるデコンプ機構10が設けられている。
なお、上記事項については周知であるため詳細の説明は省略する。
点火信号検出手段には発電機の位置に取り付けられた点火信号検出手段24の代わりに、クランク軸やカム軸に取り付けてクランク軸やカム軸の位置を検出するセンサを用い点火信号検出手段35としてもよい。カム軸に取り付けた場合は、4サイクル内燃機関の場合2回転に一回信号が出力されることになる。
また、エンジンの起動指令を発する起動スイッチ36が設けられている。
図2は、電動機12の回転子28の位置と、電動機12の負荷トルクとの関係の一例を示し、4サイクルエンジンの場合には、2回転する毎に圧縮工程があり、回転子28の位置は、圧縮工程の上死点位置を0(deg)として、圧縮・膨張は720(deg)毎に大きくなり、その圧縮工程では図に示すように、負荷トルクが大きくなり、その後反動でマイナス側に増え、またプラス側に増える特性を示して変化する。通常、点火信号は、上死点位置の手前で発生し、点火信号は360(deg)毎に発生するようになっている。このため点火信号は、圧縮上死点の手前の場合と、排気上死点の手前の場合とがあり、いずれの場合であるかは判別せずに、ともに同様の点火信号として処理に用いる。
なお、点火信号は1回転360(deg)ごとに発生するが、排気工程における負荷トルク変動は圧縮工程における負荷トルクのように変動しないため、圧縮工程における負荷変動を考慮して上記一定角度が決められる。
カム軸に取り付けた点火信号検出手段35を使用している場合の点火信号は△印の点火信号だけで、加速開始位置も加速開始位置2のみとなり加速がより確実となる。
そして、タイミングt7で、クランキングの目標回転速度になると、このクランキング速度を維持して、タイミングt8でエンジン2が初爆して、エンジンの回転数が上昇し始める。
ステップS100では、エンジンの起動スイッチ36からの起動指令の有無を判別し、起動スイッチ36が入力されたならば、ステップS102に進み、エンジンで圧縮・膨張トルクのトルク変動が極力抑えられるゆっくりとした低回転速度1で低回転駆動1を行なう。
次に、第2の実施の形態について図5および図6を参照して説明する。この第2の実施の形態は、図5に示すように、再起動時の回転数が、低回転駆動1の状態と同様であるが、さらにデコンプ機構10を作動させる点に特徴がある。
このデコンプ機構10は最初から使用していても良い。
次に、第3の実施の形態について図7および図8を参照して説明する。図7に示すように、第1の実施の形態では、再起動後の所定時間内T2内に点火信号があるか否かによって、加速開始位置に進んでいたが、本実施の形態では、第1の実施の形態で示すような再起動後に点火信号を検出したタイミングt5を待たずに、再起動開始のタイミングt4から低回転速度1よりもΔN回転数低い低回転速度2で低回転駆動2を行い、圧縮工程を超えられるだけの一定角度α分だけ進んだそのタイミング6から加速開始を行なう。
すなわち、初回の起動の失敗が、圧縮工程の負荷トルクが大きいため、その手前で停止しているものと判断して、その停止位置から圧縮工程を超えられるだけの一定角度α分だけ進ませる点に特徴を有するものである。
また、前記第3の実施の形態と同様の変形を、第2の実施の形態においても行うことができる。
すなわち、図9に示すように、再起動開始のタイミングt4から低回転駆動1およびデコンプ機構10の作動によって圧縮工程を超えられるだけの一定角度α分だけ進み、そのタイミングt6から加速開始を行なう。
6 点火手段
8 動弁機構
10 デコンプ機構
12 電動機
20 電動機制御手段
22 三相イバータ回路
23 回転速度検出手段
24 点火信号検出手段
Claims (6)
- エンジンを起動する電動機と、前記エンジンの点火信号を検出する点火信号検出手段と、前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記点火信号および回転速度に基づいて前記電動機を制御する電動機制御手段とを備え、
前記電動機制御手段は、起動指令が入力してから前記電動機を目標のクランキング回転速度よりも低い低回転速度1で駆動し、前記点火信号を検出してからさらに圧縮工程に相当する角度分進んでから前記目標のクランキング回転速度へと加速してエンジンを起動するように構成したことを特徴とするエンジンの起動装置。 - 前記電動機制御手段は、前記起動によっても加速後の所定時間内に前記点火信号が入力されない場合には、前記低回転速度よりさらに回転速度を下げた低回転速度2で再度駆動して、前記点火信号を検出してからさらに圧縮工程に相当する角度分進んでから前記所定のクランキング回転速度へと加速してエンジンを再起動することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの起動装置。
- 前記エンジンには排気弁を開放状態にするデコンプ機構が設けられ、前記電動機制御手段は、前記起動によっても加速後の所定時間内に前記点火信号が入力されない場合には、前記低回転速度1の駆動に前記デコンプ機構を作動させてエンジンを再起動することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの起動装置。
- 前記電動機制御手段は、前記再起動の際には前記点火信号の入力を待たずに、圧縮工程に相当する角度分進んだ位置から前記所定のクランキング回転速度へと加速してエンジンを再起動することを特徴とする請求項2または3に記載のエンジン起動装置。
- 前記電動機に永久磁石式の同期発電機を用いることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの起動装置。
- エンジンの起動指令が入力してから、エンジンの圧縮工程で圧縮負荷が生じないような目標のクランキング回転速度より低い低回転速度1で電動機を駆動し、その後エンジンの点火信号を検出したら、その位置からさらに圧縮工程に相当する角度分進んでから前記目標のクランキング回転速度へと加速してエンジンを起動することを特徴とするエンジンの起動方法。
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