JP2007224134A - 難燃性潤滑グリース組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この難燃性潤滑グリース組成物は,基油に増ちょう剤の金属石けんやウレア化合物及び過塩基性カルシウムスルフォネートを含有している。過塩基性カルシウムスルフォネートは0.1〜30質量%が含有されている。基油の動粘度は40℃で400mm2 /s以上であり,過塩基性カルシウムスルフォネートの全塩基価は50〜500mgKOH/gであり,極圧剤の動粘度は40℃で400mm2 /s以上である。
Description
基油の動粘度が40℃で400mm2 /s未満であると,該基油を潤滑グリースに用いた場合に難燃性を保てず,着火し易くなってしまうので,使用することができない。
また,基油の動粘度が40℃で100000mm2 /s以上であると,粘着性が高すぎる状態になり,該基油を潤滑グリースに用いた場合に潤滑グリースとしての機能を発揮できなくなってしまう。
過塩基性カルシウムスルフォネートの全塩基価が50mgKOH/g未満であると,グリース組成物に所望の難燃性を持たせることができない。
過塩基性カルシウムスルフォネートの全塩基価が500mgKOH/g以上であると,そのような過塩基性カルシウムスルフォネートを入手することが困難である。
過塩基性カルシウムスルフォネートが0.1質量%未満であると,グリース組成物に所望の難燃性を持たせることができない。
過塩基性カルシウムスルフォネートが30質量%以上であると,低温性に支障をきたすおそれがある。
2000mm2 /s(cSt)であることが好ましい。また,極圧剤は,例えば,ジアルキルジチオリン酸亜鉛,硫化油脂,アルキルリン酸エステル,リン酸トリアリールを使用されることが,難燃性を発揮できると共に,機械装置の潤滑部位で大きな押圧力を受けても摺動部位で潤滑膜の形成を良好に形成でき好ましいものである。
極圧剤が0.1質量%未満であると,グリース組成物に十分な極圧性を確保することができない。
また,極圧剤が30質量%以上であると,潤滑グリースは難燃性を保てずに着火し易くなるおそれがある。
極圧剤の動粘度が40℃で400mm2 /s未満であると,これを含有する潤滑グリースに難燃性物質の過塩基性カルシウムスルフォネートを添加したとしても,難燃性を保てずに着火し易くなるおそれがある。
また,極圧剤の動粘度が40℃で2000mm2 /s以上であると,低温性に支障をきたすおそれがある。
従って,この難燃性潤滑グリース組成物は,極圧剤を添加する場合には,極圧剤の動粘度も考慮する必要がある。
まず,容器,即ち,内径40mm,深さ36mmのるつぼにグリース組成物15gを入れる。高温物質として,縦10mm,横15mm,高さ10mmの鉄の直方体を予め950℃に加熱し,該高温物質を,グリース組成物を入れたるつぼの中へ入れる。この時に,グリース組成物の着火の有無を確認した。
実施例1は,基油として鉱油Aを用い,増ちょう剤として増ちょう剤Aを用い,過塩基性カルシウムスルフォネートを添加して調製した。
実施例2は,基油として鉱油Aを用い,増ちょう剤して増ちょう剤Aを用い,過塩基性カルシウムスルフォネートを添加し,更に極圧剤として極圧剤Aを用いて調製した。
実施例3は,基油として動粘度が異なる鉱油Aと鉱油Bとを用い,増ちょう剤として増ちょう剤Bを用い,過塩基性カルシウムスルフォネートを添加して調製した。
実施例4は,基油として合成油からなる基油Cを用い,増ちょう剤として増ちょう剤Aを用い,過塩基性カルシウムスルフォネートを添加して調製した。
比較例1は,基油として鉱油Aを用い,増ちょう剤として増ちょう剤Aを用いて調製した。
比較例2は,基油として鉱油Aを用い,増ちょう剤として増ちょう剤Bを用い,過塩基性カルシウムスルフォネートを添加し,極圧剤として極圧剤Bを用いて調製した。
但し,基油A,B,C,増ちょう剤A,B,及び極圧剤A,Bは,次のとおりである。 増ちょう剤A:リチウム石けん
増ちょう剤B:脂肪族ウレア
基油A:鉱油,40℃の動粘度430mm2 /s
基油B:鉱油,40℃の動粘度460mm2 /s
基油C:合成油,40℃の動粘度1300mm2 /s
過塩基性カルシウムスルフォネート:全塩基価400mgKOH/g
極圧剤A:硫黄系極圧剤,40℃の動粘度400mm2 /s
極圧剤B:硫黄リン系極圧剤,40℃の動粘度320mm2 /s
これに対して,比較例1は,難燃性物質が添加されていないので,950℃の高温に晒されて着火し,難燃性を発揮できなかった。また,比較例2は,難燃性物質である過塩基性カルシウムスルフォネートが添加されているが,添加した極圧剤が硫黄リン系極圧剤であり,40℃の動粘度320mm2 /sであったので,950℃の高温に晒されて着火し,難燃性を発揮できなかった。
Claims (6)
- 基油に,増ちょう剤として金属石けん及び/又はウレア化合物,並びに難燃性物質として過塩基性カルシウムスルフォネートが含有していることを特徴とする難燃性潤滑グリース組成物。
- 前記過塩基性カルシウムスルフォネートは,0.1〜30質量%が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の難燃性潤滑グリース組成物。
- 前記基油は,鉱油及び/又は合成油であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性潤滑グリース組成物。
- 前記基油は,動粘度が40℃で400〜100000mm2 /sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性潤滑グリース組成物。
- 前記過塩基性カルシウムスルフォネートは,全塩基価が50〜500
mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性潤滑グリース組成物。 - 動粘度が40℃で400〜2000mm2 /sである極圧剤が,0.1〜30質量%添加されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性潤滑グリース組成物。
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