JP2007224116A - ガスハイドレート脱水装置 - Google Patents

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清司 堀口
Shigeru Nagamori
茂 永森
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純一 吉田
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Abstract

【課題】ガスハイドレートの付着水を重力脱水する脱水塔を備えたガスハイドレート脱水装置において、脱水塔内の圧力損失がなく、脱水性能が低下しないガスハイドレート脱水装置を提供する。
【解決手段】脱水装置5は、垂直に設置された脱水塔20、その頂部において連通し、横置きされた搬出機21及びガスハイドレートの搬送手段であるスクリューコンベア22から構成され、脱水されて高濃度になったガスハイドレート29を上方へ搬送する。
【選択図】図2

Description

本発明はガスハイドレートから水分を除去するガスハイドレート脱水装置に関し、詳しくはガスハイドレートから水分を重力脱水により除去するガスハイドレート脱水装置に関するものである。
近年、天然ガス等(以下、原料ガスという。)の安全かつ経済的な輸送・貯蔵手段として、この原料ガスを水和させて固体状態の水和物としたガスハイドレートを用いる方法が注目されている。
一般的に、ガスハイドレートは原料ガスと原料水を低温・高圧下で反応させることにより生成させるが、このガスハイドレートは多量の水が付着したスラリー状(例えば、5〜20体積%:ガスハイドレート濃度、以下同じ。)となるため、輸送・貯蔵するためには脱水装置において水分を除去する必要がある。
この脱水装置の代表的なものとしては、遠心機やフィルタープレスを用いたものがあるが、図3に示すような脱水塔を用いて重力脱水する脱水装置が、高い運転信頼性や保守管理の容易性などの面から注目されている。(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照。)
しかし、この脱水装置においては、脱水後の高濃度(例えば、40〜60体積%)のガスハイドレート40が脱水塔20の上部において内壁などに付着して脱水塔20を閉塞させてしまうため、脱水塔20の圧力損失が大きくなり、脱水能力が大きく低下してしまうという課題があった。
特開2005−263675号公報 松尾、外6名、「NGHシステムのプロセス開発(第2報)−NGHによる天然ガス輸送システムを実証−」、三井造船技報、三井造船株式会社、2005年2月、第184号、p.38−45
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、圧力損失がなく、脱水性能が低下しない重力脱水式のガスハイドレート脱水装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明は、ガスハイドレートの付着水を重力脱水する縦型移動層式の脱水塔を備えたガスハイドレート脱水装置であって、前記脱水塔は略垂直に立設された第1の塔体と、前記第1の塔体の上部に接続し、複数の微細な貫通孔を有する脱水部と、前記脱水部を外囲するように設けられた貯水部と、前記脱水部の上部に接続する第2の塔体とからなり、前記第1の塔体の底部から供給され前記脱水部を通過したガスハイドレートを上方へ搬送する搬送手段を設けたことを特徴とするガスハイドレート脱水装置である。
この搬送手段は、脱水塔内においてガスハイドレート濃度が40〜60体積%となる領域に設置することが望ましい。
また、前記搬送手段は、前記脱水塔内に設置されたスクリューコンベアからなることが望ましい。
請求項1に記載の本発明によれば、ガスハイドレートを重力脱水する脱水塔を備えたガスハイドレートの脱水装置において、脱水塔内に供給されたガスハイドレートを上方へ搬送する搬送手段を設けたため、高濃度のガスハイドレートによる脱水塔の閉塞がなく、脱水塔の圧力損失がなくなるため、脱水性能の低下を防ぐことができる。
請求項2に記載の本発明によれば、ガスハイドレートの付着が発生するガスハイドレートの濃度が40〜60体積%となる領域に搬送手段を設けたため、より効果的に脱水性能の低下を防ぐことができる。
請求項3に記載の本発明によれば、前記搬送手段を前記脱水塔の内部に設置されたスクリューコンベアにより構成したため、脱水塔の容積を減少させて小型化を図ることができる。
以下に、本発明の実施の形態に係るガスハイドレート脱水装置について、図面を参照して説明する。
本発明に係るガスハイドレート脱水装置を図1及び2に基づいて説明する。
図1は、ガスハイドレートの製造に係る系統図の一例である。
まず、原料ガス1と原料水2を、第1生成器3内において低温・高圧下(例えば、1〜5℃、5.4MPa)で接触反応させてガスハイドレートを生成する。この第1生成器3については、水中に原料ガスを吹き込み撹拌する方法(気液撹拌方式)(例えば、特開2000−302701号公報参照。)や、原料ガス中に水を噴霧する方法(水スプレー方式)(例えば、特開2000−264852号公報参照。)などを用いることができる。
生成されたガスハイドレートは、水分が多量に付着したスラリー状(例えば、5〜20体積%)となっているため、ガスハイドレートの濃度を高めるためにスラリーポンプ4によりガスハイドレート脱水装置5(以下、脱水装置という。)へ送られる。
脱水装置5において水分を除去されて高濃度になったガスハイドレート(例えば、40〜60体積%)は、第2生成器6へ送られる。なお、脱水装置5で除去された水は、循環水経路7を通じて第1生成器3へ戻されてガスハイドレートの生成に再利用される。
第2生成器6においては、原料ガス(図示せず。)と接触反応させることにより、ガスハイドレートに残った水分がガスハイドレート化される。
以上のようにして生成されたガスハイドレートは、ペレット成型機8により一定の形状(例えば、球形など)に圧縮成型され、撹拌機9内において機械撹拌されながら冷却された後に、ロックホッパー式の脱圧装置10を経て大気圧下に取り出される。
本発明に係るガスハイドレート脱水装置を図2に示す。図2は、ガスハイドレート脱水装置の構造を示す断面図である。
本発明に係る脱水装置5は、略垂直に設置された脱水塔20、その頂部において連通し略横置きされた搬出機21及びガスハイドレートの搬送手段であるスクリューコンベア22から主に構成される。
脱水塔20は中空円筒の形状を有しており、その軸方向のやや上部の表面には多数の微細な貫通孔からなる水切り部24があり、その水切り部24を外囲するように脱水槽23が設けられている。
搬出機21は、水分を除去されたガスハイドレート25を、脱水塔20の頂部から外部へ連続的に搬出するものであり、電動機26で駆動される横置きされたスクリュー27から構成される。
スクリューコンベア22は、脱水塔20の上方から内部へ挿入され、電動機28で回転駆動されることにより、脱水塔20内のガスハイドレート29を下方から上方へ搬送する。ここで、ガスハイドレートの濃度が40〜60体積%となるいわゆる低湿分域においてガスハイドレートの内壁への付着が主に発生するため、このスクリューコンベア22は低湿分域に設置されることが望ましい。
このような構造を有する脱水装置5において、スラリーポンプ4により脱水塔20の底部から供給されたガスハイドレート29は、脱水塔20の途中までは浮力により上昇し、その後はスクリューコンベア22により上方へ搬送されながら水切り部24において脱水30される。そして、濃度が高くなったガスハイドレートは、搬出機21が設置されている頂部までスクリューコンベア22により上方へ搬送されるため、内壁などに付着して脱水塔20を閉塞させるようなことは生じない。
従って、脱水塔20内で圧力損失が生じることはないため、脱水性能が低下することはない。
ガスハイドレートの製造に係る系統図である。 本発明に係るガスハイドレート脱水装置である。 従来のガスハイドレート脱水装置である。
符号の説明
1 原料ガス 2 原料水 3 第1反応器
4 スラリーポンプ 5 ガスハイドレート脱水装置 6 第2反応器
7 循環水経路 8 ペレット成型機 9 撹拌機
10 脱圧装置 20 脱水塔 21 搬出機
22 スクリューコンベア 23 脱水槽 24 水切り部
25 脱水後ガスハイドレート 26 電動機 27 スクリュー
28 電動機 29 ガスハイドレート 30 脱水
40 高濃度ガスハイドレート

Claims (3)

  1. ガスハイドレートの付着水を重力脱水する縦型移動層式の脱水塔を備えたガスハイドレート脱水装置であって、
    前記脱水塔は略垂直に立設された第1の塔体と、
    前記第1の塔体の上部に接続し、複数の微細な貫通孔を有する水切り部と、
    前記水切り部を外囲する貯水部と、
    前記水切り部の上部に接続する第2の塔体とからなり、
    前記第1の塔体の底部から供給され前記脱水部を通過したガスハイドレートを上方へ搬送する搬送手段を設けたことを特徴とするガスハイドレート脱水装置。
  2. 前記搬送手段は、前記脱水塔内において前記ガスハイドレートの濃度が40〜60体積%となる領域に設置されることを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレート脱水装置。
  3. 前記搬送手段は、前記脱水塔内に設置されたスクリューコンベアからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスハイドレート脱水装置。
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