JP2007223346A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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JP2007223346A JP2006043316A JP2006043316A JP2007223346A JP 2007223346 A JP2007223346 A JP 2007223346A JP 2006043316 A JP2006043316 A JP 2006043316A JP 2006043316 A JP2006043316 A JP 2006043316A JP 2007223346 A JP2007223346 A JP 2007223346A
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Abstract

【課題】吸入側の補償通路を通流する作動油の流動抵抗を低下させて操舵応答性の向上を図り得るパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ポンプボディ18aとリアカバー18bの内部に設けられて、作動油を油圧パワーシリンダに吐出する可逆式のオイルポンプと、リアカバーの前端部に固定されて、オイルポンプに各補償通路14,15を介して供給される作動油を貯留するリザーバタンク10とを備えている。前記リアカバーの内部に、各補償通路を上下方向に沿って平行に形成すると共に、各補償通路内部に、各ボール弁体26が自重によって弁座25bに着座して各通孔25aを閉止する第1、第2逆止弁16,17を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のパワーステアリング装置に関し、例えば、自動車の操舵機構から出力された操舵トルクに応じて油圧パワーシリンダを作動させることにより操舵力や操舵アシスト力を付与するパワーステアリング装置に関する。
この種の従来のパワーステアリング装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
概略を説明すれば、ステアリングホィールに取り付けられた操舵軸と、該操舵軸の下端部に連結した出力軸と、該出力軸の下端部に設けられたラック・ピニオン機構と、該ラック・ピニオン機構のラックに連繋された油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの左右の第1、第2油圧室に第1通路と第2通路を介して作動油を相対的に供給する可逆式ポンプと、前記第1、第2通路の間に接続されたバイパス通路に設けられたリターンチェックバルブである制御バルブと、前記第1、第2通路の可逆式ポンプ近傍に設けられて、リザーバタンクに貯留されている作動油を前記可逆式ポンプのポンプ室側にのみ通流させる一対の逆止弁と、を備えている。
この各逆止弁は、リザーバタンクと可逆式ポンプのポンプ室とを連通する一対の吸入通路にそれぞれ設けられ、該各吸入通路の開口部に形成された弁座に離着座するボール弁体と、該ボール弁体を弁座方向へ付勢して吸入通路を閉止するばね部材とから構成されている。
前記制御バルブは、加圧側のバルブが閉じられることによって可逆式ポンプから吐出された作動油が油圧パワーシリンダに供給される一方、非加圧側のバルブが開かれることによりパワーシリンダ内の作動油がリザーバタンクに排出されるようになっている。この排出作用によって、非加圧側の圧力を効率的に低下させると共に、配管内に存在する金属粉などのコンタミやエアー等をリザーバタンク内に排出するようになっている。
そして、車両走行中において、ステアリングホィールにより通常の左右操舵を行なうと、この操舵トルクを検知した検知機構が電子コントローラを介して可逆式ポンプを正転あるいは逆転させると、前記リザーバタンク内の作動油が、前記一方の逆止弁のボール弁体がばね部材の付勢力に抗して一方の吸入通路を開成することによってポンプ室に供給され、さらにこのポンプ室から吐出されて前記一方の通路を介して油圧パワーシリンダに供給される。これによって、前記ラック・ピニオン機構の操舵アシスト力を付与するようになっている。
特開2005−41301公報(図1、図2)
前記従来のパワーステアリング装置にあっては、前記各逆止弁のボール弁体が、前述のように、常にばね部材のばね力によって吸入通路を閉止する方向に付勢されており、吸入通路を通流する作動油圧によってばね部材が圧縮されることによって吸入通路が開成されて、作動油が該吸入通路の内周面とボール弁体との間の隙間を通ってポンプ室方向へ通流するが、このばね部材のばね力が流動抵抗になって作動油の速やかな通流を阻害してしまう。
また、前記ばね部材が吸入通路の内部に存在することから、このばね部材自体が作動油の流動抵抗になって作動油の吸入作用が低下する。
この結果、吸入通路側の配管内が負圧になって前記ラック・ピニオン機構の操舵アシスト力の作動応答性が低下するおそれがある。
本発明は、前記従来の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、転舵輪に連結された操舵機構の操舵力をアシストする油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの左右の油圧室に対してポンプ室で加圧された作動油を供給するポンプと、
該ポンプを駆動する電動モータと、前記作動油を貯留するリザーバタンクと、車両の運転状態に応じて前記電動モータを駆動するモータ制御回路と、前記リザーバタンクに対してほぼ鉛直方向下側に向かって開口して、前記ポンプ室とリザーバタンク内とを連通する吸入通路と、該吸入通路に設けられ、前記リザーバタンク側からポンプ室側へのみ作動油の流れを許容し、ボール弁体が自重によって弁座に着座して前記開口部を閉止する一方向弁と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、吸入通路の開口部をほぼ鉛直方向下側に配置したことによって、一方向弁のボール弁体が自重によって開口部を閉止することから、従来技術のように強制的に閉弁方向へ付勢するためのばね部材が不要になる。
したがって、ばね部材の付勢力による流路抵抗の増加を防止することができ、作動油の吸入作用が良好になる。この結果、前記ポンプと油圧パワーシリンダまでの配管内の負圧の発生を抑制でき、ステアリングの操舵応答性の低下を改善することができる。
請求項2に記載の発明は、基本構成は請求項1に記載の発明と同様であって、ポンプの構成を一方向ポンプではなく、正逆回転可能な可逆式ポンプに適用したもので、とりわけ、前記第1、第2通路の各他端側が接続される一対の吐出口を有し、前記第1,第2油圧室にポンプ室で加圧された作動油を選択的に供給する可逆式ポンプと、該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動モータと、作動油を貯留するリザーバタンクと、該リザーバタンクに対してほぼ鉛直方向下側に向かってそれぞれ開口し、前記第1、第2通路にそれぞれ連通する第1吸入通路及び第2吸入通路と、前記各吸入通路にそれぞれ設けられ、前記リザーバタンク側からポンプ室側へのみ作動油の流れを許容し、それぞれのボール弁体が自重によって弁座に着座して前記各開口部を閉止する第1、第2の一方向弁と、を備えたことを特徴としている。
この発明は、可逆式ポンプを利用したパワーステアリング装置に適用したものであるから、この場合も前記請求項1の発明と同様な作用効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、可逆式ポンプを横置き配置したものに適用したもので、とりわけ、ポンプ駆動軸の正逆回転によって作動油を加圧するポンプ室及び該ポンプ室と第1、第2通路とをそれぞれ接続する一対の吐出口とを備え、前記ポンプ室から前記第1,第2通路を介して第1,第2油圧室に作動油を選択的に供給すると共に、前記ポンプ駆動軸が鉛直方向に対してほぼ直角方向に配置された可逆式ポンプと、該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動モータと、作動油を貯留するリザーバタンクと、該リザーバタンクに対してほぼ鉛直方向下側に向かってそれぞれ開口し、前記第1、第2通路にそれぞれ連通する第1吸入通路及び第2吸入通路と、前記各吸入通路にそれぞれ設けられ、前記リザーバタンク側からポンプ室側へのみ作動油の流れを許容し、それぞれのボール弁体が自重によって弁座に着座して前記各開口部を閉止する第1、第2の一方向弁と、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
この発明も前記請求項2の発明と同様な作用効果が得られる。
以下、本発明にかかるパワーステアリング装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図3は本発明のパワーステアリング装置の油圧回路の概略図を示し、図1及び図2はパワーステアリング装置のリザーバタンクや可逆式ポンプなどを具体的に示している。
すなわち、図3に基づいてパワーステアリング装置の概略を説明すれば、図外のステアリングホイールに連係された操舵機構であるラック・ピニオン機構Rに連繋された油圧パワーシリンダ1と、該油圧パワーシリンダ1に作動油圧を給排する油圧回路2とから構成されている。
前記油圧パワーシリンダ1は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ部1a内を前記ラック・ピニオン機構のラックに連繋したピストンロッド3が貫通していると共に、該ピストンロッド3に筒状シリンダ部1a内を摺動するピストン4が固定されている。また、筒状シリンダ部1a内には、ピストン4によって左右の第1油圧室5と第2油圧室6が隔成されている。
前記油圧回路2は、各一端部が前記各油圧室5、6に接続された一対の第1,第2通路7,8と、該両通路7,8に選択的に油圧を給排する可逆式のオイルポンプ9と、前記第1、第2通路7,8の途中にそれぞれ接続されて、各下流端が前記リザーバタンク10に連通した第1、第2排出通路11,12と、該両排出通路11,12間に設けられて、前記各通路7,8内の差圧に応じて前記各排出通路11,12を相対的に開閉作動してリザーバタンク10との連通を相対的に切り換える制御バルブ13とを備えている。
前記第1、第2通路7,8は、各他端部が前記オイルポンプ9の吐出口(吸入口)9a、9bに接続されている。
また、前記第1、第2通路7,8の上流側には、吸入通路である一対の補償通路14,15がそれぞれ設けられており、この各補償通路14,15には、前記リザーバタンク10から吸入する方向へのみ作動油の流入を許容する一方向弁である第1、第2逆止弁16,17が設けられている。
前記オイルポンプ9は、図2にも示すように、ポンプハウジング18の内部に回転自在に支持されたポンプ駆動軸19と、該ポンプ駆動軸19に結合されたインナーロータ20と、該インナーロータ20の外周歯に噛合したアウターロータ21とからなる一般的なトロコイド型によって構成され、前記インナーローラ20とアウターロータ21の噛合歯部間にポンプ室が形成されていると共に、ポンプハウジング18の内部に前記吐出口(吸入口)9a、9bが形成されている。また、前記駆動軸19が電動モータ22によって正逆回転制御されるようになっている。
この電動モータ22は、前記操舵負荷検出手段から出力された検出信号に基づいてモータ制御手段である電子コントローラからの制御電流によってオイルポンプ9のポンプ駆動軸19を回転及び停止及び正逆回転制御するようになっている。
前記ポンプハウジング18は、前記インナーロータ20やアウターローラ21などのポンプの主要素を共同して収容したポンプボディ18a及びリアカバー18bとから主として構成されている。なお、前記リアカバー18bは、ポンプボディ18aの前端軸方向から複数のボルト23によってロケートピン18cを介して位置決めされつつ固定されている。
前記リザーバタンク10は、図2にも示すように、前記リアカバー18bやインナ、アウターロータ20、21などのポンプの主要素全体を覆う状態でポンプボディ18aの前端部にボルトによって結合されていると共に、筒状上端部の上端開口がキャップ24によって閉塞されている。
前記補償通路14,15は、図1に示すように、前記リアカバー18bの下端内部に上下方向に沿って互いに平行に形成されていると共に、開口部である大径な段差径状の下端部位14a,15aが前記リザーバタンク10の内底面10a方向(下方)へ指向して形成されている一方、上端部位14b、15bが均一な小径状に形成されている。また、該上下端部位14a、15a、14b、15bを繋ぐ中間部位14c、15cは、上端部位14b、15b方向へ漸次縮径するような円錐形状に形成されている。
また、前記各補償通路14、15は、その下端部位14a、15aが前記オイルポンプ9の鉛直方向下面側に形成されていると共に、該前記下端部位14a、15aの下端開口縁とリザーバタンク10の内底面10aとの間の距離Xは比較的大きく設定されている。
前記第1、第2逆止弁16,17は、図1に示すように、前記各下端部位14a、15a内に下方から収容固定された段差円筒状のバルブソケット25,25と、該各バルブソケット25の内部通路に収容されたボール弁体26,26とを備えている。
前記各バルブソケット25は、内部ほぼ中央位置に小径な通孔25aがそれぞれ形成されていると共に、前記各ボール弁体26が離着座して前記通孔25aを開閉する円環状の弁座25bがそれぞれ形成されている。
前記各ボール弁体26は、バルブソケット25の弁座25b側の小径通路部内に上下動自在に収容され、自重によって前記弁座25bに着座して通孔25aを閉止するようになっており、リザーバタンク10内に貯留された作動油が前記補償通路14,15を介して前記一方の吸入口9a、9b側へのみに流動を許容し、反対側の流動を阻止するようになっている。
また、各バルブソケット25の大径な下端部内に、リザーバタンク10内から補償通路14,15内に流入する作動油内の塵などのコンタミを濾過するフィルター部材27,27が取り付けられている。
前記両排出通路11,12は、図3に示すように、各下流端の排出路11a、12aがリザーバタンク10の内部と連通し、これらの集合した排出孔11bに各通路7,8からリザーバタンク10内へのみ作動油の流入を許容する一方向弁であるチェック弁28が設けられている。前記チェック弁28は、ボール弁体によって排出孔11bを閉方向に付勢するコイルばねを備えている。
前記制御バルブ13は、前記ポンプハウジング18の内部に収容配置され、前記第1、第2通路7,8の途中にそれぞれを横切った形で直列状に形成されている。
また、制御バルブ13は、互いに連通した中央側に前記各排出通路11,12が連通した一対のバルブ収容孔である第1、第2弁孔と、該各弁孔の内部に固定された有底円筒状のバルブボディと、該両バルブボディの内部に摺動自在に設けられて、前記第1、第2通路7,8の差圧に基づいて前記各排出通路11,12を相対的に開閉する一対の第1、第2ポペット弁体13a,13bと、前記両弁孔間を中央で連通する摺動孔内に各ポペット弁体13a、13b方向、つまり軸方向へ摺動自在に設けられて、前記各ポペット弁体13a、13bの相対的な作動位置を制御するピストン部材であるフリーピストン13cと、を備えている。
前記各ポペット弁体13a、13bは、段差形状の円柱状に形成されていると共に、内部軸方向には、第1,第2通路7,8の作動油圧を背圧室から通流させる第1、第2圧力導入孔が貫通形成されている。また、各ポペット弁体13a、13bの対向する各先端部は、その各外周面が各バルブボディの対向先端部に固定された第1、第2弁座に離着座可能になっている。
また、該各ポペット弁体13a,13bは、その後端部とバルブボディの底面との間に弾装された第1、第2コイルスプリング13d、13eのばね力によって前記フリーピストン13c方向へ付勢されて、前記オイルポンプ9の非作動時には中立位置を保持し、この状態で各弁部が第1、第2弁座に着座して前記各排出通路11,12と排出路11a,12aとの連通を遮断する、いわゆる常閉型になっている。
前記フリーピストン13cは、前記各通路7,8間の差圧、つまり、フリーピストン13cの両側に形成されて、各通路7,8から各排出通路13,14を介して圧力が導入される両圧力室32、33間の差圧により図6中、左右方向に摺動して、いずれか一方のポペット弁体13a,13bを、対応するコイルスプリング13d,13eのばね力に抗して前後方向へ相対的に切り換え摺動させるようになっている。
また、前記制御バルブ13と油圧パワーシリンダ1との間の前記第1、第2通路7,8の間には、フェールセーフ機構30が設けられている。
このフェールセーフ機構30は、図1、図2及び図5に示すように、ポンプハウジング18の内部に形成され、第1、第2通路7,8間を連通する連通路31と、該連通路31のほぼ中央位置に通路孔32を介して設けられた電磁切換弁33と、前記連通路31の両端側に設けられて、第1、第2通路7,8から前記通路孔32方向へのみ作動油の通流を許容する第1、第2逆止弁33a、33bとを備えている。
前記電磁切換弁33は、2方向2位置型であって、図外の電子コントローラからの出力信号によって、装置の正常作動時には前記連通路31を遮断し、異常が発生した場合は、連通路31を連通させて各油圧室5,6内の作動油が置換流動可能となるように構成されている。
以下、本実施形態の作用について簡単に説明すると、まず、車両の直進走行中などで、運転者がステアリングホイールを中立状態に維持すると、電子コントローラから電動モータ22へ制御電流が出力されず、オイルポンプ9が非作動状態になっている。
この場合は、各通路7,8に差圧が発生しないため、各ポペット弁体13a、13bは、各コイルスプリング13d,13eのばね力でフリーピストン13cを介して中立位置を維持している。したがって、各弁部が各弁座に着座して各排出通路11,12と各排出路11a、12aとの連通を遮断した状態になっている。
その後、ステアリングホィールを、例えば右方向へ回転操作すると、電子コントローラECUからの制御電流によって電動モータ22を介してオイルポンプ9が例えば正転駆動される。
このポンプ作用によって第2通路8の作動油が吸入されて、オイルポンプ9の吸入口9bからポンプ室に供給され、ここで加圧されて第1通路7内に吐出される。また、同時に、前記リザーバタンク10内の作動油が前記補償通路15から第2逆止弁17のボール弁体26を容易に押し開いてオイルポンプ9の吸入口9bからポンプ室を介して第1通路7及び第1油圧室5に流入して不足分を補償する。
そして、第1通路7内の作動油は、その大部分が背圧室を通って第1油圧室5に流入すると共に、その一部が第1排出通路11を通って第1受圧室内に流入する。
このため、第1受圧室が高圧になると共に、第2受圧室が低圧になることから、フリーピストン13cは、第2ポペット弁体13b方向(左方向)へ摺動して該第2ポペット弁体13bをコイルスプリング13eのばね力に抗して背圧室方向へ後退させと共に、第1ポペット弁体13aから離間する(図3参照)。
したがって、第1排出通路11は閉塞された状態を維持するが、第2排出通路12は受圧室側が開成され、第2通路8内の作動油の一部が、リザーバタンク10内にチェック弁28を介して速やかに排出される。このため、該第2通路8側の圧力低下速度が速くなって、残圧の発生が防止される。
一方、かかる右方向の回転操作状態からステアリングホィールを元の状態に戻し、さらに左方向へ回転操作を行なうと、電子コントローラによって電動モータ22を介してオイルポンプ9を逆転させる。
このため、今度は、前述とは逆に、第1通路7側の作動油が第2通路8に吐出されると共に、リザーバタンク10内の作動油が補償通路14を通って第1逆止弁16のボール弁体26を容易に押し開いて前述と同じくポンプ室から第2通路8に吐出されて第2背圧室を介して第2油圧室6に供給される。
したがって、第1受圧室の内圧が低下すると共に、該第2受圧室の内圧が高くなって、フリーピストン13cは、右方向へ摺動して第1ポペット弁体13aをコイルスプリング13dのばね力に抗して第1背圧室方向へ後退させると共に、第2ポペット弁体13bから離間する。
これによって、第2排出通路12は閉塞されるが、第1排出通路11は第1受圧室側が開成されて、第1通路7内の作動油の一部が、リザーバタンク10内にチェック弁28を介して速やかに排出される。このため、該第1通路7側の圧力低下速度が速くなって、前述と同じく残圧の発生が防止される。
このように、ステアリングホイールの左右回転操作時には、低圧となる一方の通路7,8の内圧を速やかに低下させることができることから、ステアリングホイールの操舵アシストが速やかに行われ、ステアリングホイールでの急激なトルク変動の発生が防止されて、良好な操舵フィーリングを得ることが可能になる。
そして、この実施形態によれば、各補償通路14,15の下端部位15a(開口部)を、ほぼ鉛直方向下側、つまりリザーバタンク10の内底面10aに指向して形成したことによって、第1、第2逆止弁16,17の各ボール弁体26が自重によって各通孔25aを閉止することができることから、従来技術のように強制的に閉弁方向へ付勢するためのばね部材が不要になる。
したがって、ばね部材の付勢力による流路抵抗の増加を防止することができ、リザーバタンク10内の作動油の吸入作用が良好になる。
この結果、前記オイルポンプ9と油圧パワーシリンダ1までの配管内の負圧の発生を抑制でき、ステアリングの操舵応答性の低下を改善することができる。
また、この実施形態では、各補償通路14,15の下端部位14a、15aの開口端とリザーバタンク10の内底面10aとの間の距離Xが比較的大きく離間していることから、リザーバタンク10の内底面10aに溜まったコンタミを吸い込むおそれがない。しかも、各下端部位14a、15aには、それぞれフィルター部材27が設けられているため、リザーバタンク10内の作動油をかかるフィルター部材27によって効果的に濾過することができるので、ポンプ室から各第1、第2油圧室5,6へのコンタミの侵入を防止できる。この結果、コンタミが前記各弁座25bに付着して各ボール弁体26のロック現象や不安定な閉止作用を回避できる。
さらに、前記各下端部位14a、15aの形成位置が、オイルポンプ9の鉛直方向下面側に設けられていることから、配管の膨張や油温の変化などによって作動油のリザーバタンク10内の貯留量が最も減少した場合でも、各補償通路14,15内に空気の流入を防止できる。これによって、リザーバタンク10内での最低保証量を最小限に抑えることができる。
前記リザーバタンク10は、主たるポンプ要素を包囲するような形で設けられて、リザーバタンク10内の作動油によってポンプ要素の全周を満たすことができるため、第1、第2補償通路14,15をオイルポンプ9の任意の位置に形成することが可能になり、製造に自由度が向上する。
また、前記各補償通路14,15の中間部位14c、15cは上方へ縮径した円錐状に形成されているため、ここでリザーバタンク10から吸入口9a、9bへの作動油の流れが整流されてスムーズな流動を確保できる。
さらに、前記各補償通路14,15と各逆止弁16,17とをそれぞれ互いに平行に配置形成し、しかも下端部位14a、15aから上端部位14b、15b方向へ縮径状に形成されているため、これらの通路14,15のドリリング加工作業が容易になると共に、各逆止弁16,17の組み付け作業が容易になる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、オイルポンプとして前記可逆式以外に一方向のオイルポンプに適用することも可能である。また、オイルポンプは、各補償通路14,15が上下方向に配置されていれば、その配置構成については縦置き、横置きタイプのいずれであってもよい。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
なお、前記第1、第2補償通路14,15をリザーバタンク10の下側に形成することによって、各開口部の開口端付近にはリザーバタンク10内の作動油がボール弁体26を下方から上方へ押し上げる水頭圧が作用することから、かかる各補償通路14,15内への作動油の吸入性を向上させることができる。
請求項(1)請求項1に記載のパワーステアリング装置において、前記吸入通路のリザーバタンク側に臨む開口部の開口端を、前記リザーバタンクの内底面から所定の距離だけ離間して配置したことを特徴とするパワーステアリング装置。
この発明では、前記開口部の開口端が鉛直方向下側に向かって開口し、その開口端とリザーバタンクの内底面との距離が比較的大きくなっていることから、リザーバタンクの内底面に溜まった塵などのコンタミを吸い込むおそれがなくなる。
請求項(2)請求項(1)に記載のパワーステアリング装置において、前記開口部の開口端にフィルタを設けたことを特徴とするパワーステアリング装置。
開口端にフィルタを設けることによって作動油に含まれるコンタミを濾過することからポンプ等の装置内部へのコンタミの混入を防止することができる。また、フィルタを、一方向弁よりも開口端に設けることによってコンタミの開口端への付着による一方向弁のロックや不安定な閉止作用を回避できる。
請求項(3)請求項2または3に記載のパワーステアリング装置において、前記リザーバタンクを、前記可逆式ポンプを包囲するように設けたことを特徴とするパワーステアリング装置。
この発明によれば、可逆式ポンプがリザーバタンクで包囲されていることによって、該リザーバタンク内の作動油でポンプの全周を満たされるため、第1、第2吸入通路を可逆式ポンプの任意の位置に形成することができる。
請求項(4)請求項(3)に記載のパワーステアリング装置において、前記第1吸入通路及び第2吸入通路の各開口部を、前記可逆式ポンプの鉛直方向下面側に設けたことを特徴とするパワーステアリング装置。
配管の膨張などによって作動油のリザーバタンク内の貯留量が最も減少した状態において、第1、第2吸入通路に空気が流入しないための最低保証流量を最小限に抑制することが可能になる。
請求項(5)請求項1に記載のパワーステアリング装置において、前記第1の一方向弁と第2の一方向弁の各弁座の反対側を、作動油の流れの上流側から下流側に向かって徐々に縮径するように形成したことを特徴とするパワーステアリング装置。
吸入通路内をリザーバタンクからポンプ内に向かって流れる作動油は、ボール弁体と吸入通路の内周面との間の隙間を通流することから、流れが乱れる傾向にあるが、一方向弁の下流側が徐々に縮径するようになっていることから、作動油の流れが整流されてスムーズに通させることができる。
請求項(6)請求項1に記載のパワーステアリング装置において、前記各吸入通路を平行に形成すると共に、該各吸入通路に第1の一方向弁と第2の一方向弁とを互いに平行に配置したことを特徴とするパワーステアリング装置。
両方の吸入通路及び一方向弁を平行に配置したことによって、弁収容孔の加工性や一方向弁の取付作業性などを向上させることが可能になる。
本発明のパワーステアリング装置の実施形態に供されるオイルポンプを示す図2のA−A線断面図である。 本実施形態に供されるオイルポンプとリザーバタンクなどを示す縦断面図である。 本実施形態に供される油圧回路の概略図である。
符号の説明
1…油圧パワーシリンダ
2…油圧回路
7・8…第1、第2通路
9…オイルポンプ(可逆式ポンプ)
10…リザーバタンク
14・15…補償通路(吸入通路)
14a・15a…下端部位(開口部)
14c・15c…中間部位
16・17…第1、第2逆止弁(一方向弁)
25a…通孔
25b…弁座
26…ボール弁体

Claims (3)

  1. 転舵輪に連結された操舵機構の操舵力をアシストする油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの左右の油圧室に対してポンプ室で加圧された作動油を供給するポンプと、
    該ポンプを駆動する電動モータと、
    前記作動油を貯留するリザーバタンクと、
    車両の運転状態に応じて前記電動モータを駆動するモータ制御回路と、
    前記リザーバタンクに対してほぼ鉛直方向下側に向かって開口して、前記ポンプ室とリザーバタンク内とを連通する吸入通路と、
    該吸入通路に設けられ、前記リザーバタンク側からポンプ室側へのみ作動油の流れを許容し、ボール弁体が自重によって弁座に着座して前記開口部を閉止する一方向弁と、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 転舵輪に連結された操舵機構の操舵力をアシストし、第1油圧室及び第2油圧室を有する油圧パワーシリンダと、
    一端側が前記第1油圧室に接続された第1通路と、
    一端側が前記第2油圧室に接続された第2通路と、
    前記第1、第2通路の各他端側が接続される一対の吐出口を有し、前記第1,第2油圧室にポンプ室で加圧された作動油を選択的に供給する可逆式ポンプと、
    該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動モータと、
    作動油を貯留するリザーバタンクと、
    該リザーバタンクに対してほぼ鉛直方向下側に向かってそれぞれ開口し、前記第1、第2通路にそれぞれ連通する第1吸入通路及び第2吸入通路と、
    前記各吸入通路にそれぞれ設けられ、前記リザーバタンク側からポンプ室側へのみ作動油の流れを許容し、それぞれのボール弁体が自重によって弁座に着座して前記各開口部を閉止する第1、第2の一方向弁と、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 転舵輪に連結された操舵機構の操舵力をアシストし、第1油圧室及び第2油圧室を有する油圧パワーシリンダと、
    一端側が前記第1油圧室に接続された第1通路と、
    一端側が前記第2油圧室に接続された第2通路と、
    ポンプ駆動軸の正逆回転によって作動油を加圧するポンプ室及び該ポンプ室と前記第1、第2通路とをそれぞれ接続する一対の吐出口とを備え、前記ポンプ室から前記第1,第2通路を介して前記第1,第2油圧室に作動油を選択的に供給すると共に、前記ポンプ駆動軸が鉛直方向に対してほぼ直角方向に配置された可逆式ポンプと、
    該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動モータと、
    作動油を貯留するリザーバタンクと、
    該リザーバタンクに対してほぼ鉛直方向下側に向かってそれぞれ開口し、前記第1、第2通路にそれぞれ連通する第1吸入通路及び第2吸入通路と、
    前記各吸入通路にそれぞれ設けられ、前記リザーバタンク側からポンプ室側へのみ作動油の流れを許容し、それぞれのボール弁体が自重によって弁座に着座して前記各開口部を閉止する第1、第2の一方向弁と、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
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