JP2007223244A - ハウジング本体の支持装置、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

ハウジング本体の支持装置、記録装置及び液体噴射装置 Download PDF

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佳範 続木
Seiji Tezuka
誠二 手塚
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Abstract

【課題】ハウジング本体の山形の撓み変形を防止して、当該撓み変形によって生ずる動作上あるいは操作上の不具合を解消すると共に、ハウジング本体内の空きスペースを極力小さくして装置の小型化を図る。
【解決手段】本発明のハウジング本体の支持装置1は、電子機器の外観を構成するハウジング本体4の底板部25下面に設けられるフット26A、26B、26C、26Dと、ハウジング本体4の内部に設けられ、電子機器の動作の実行を司る機構部20を支持する支持フレーム27とを備えており、前記フット26A、26B、26C、26Dの載置面に作用するハウジング本体4の荷重点Fが支持フレーム27とハウジング本体4との当接面に作用する機構部20の荷重点Gより外側に位置するように配置した。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子機器のハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、前記ハウジング本体の内部に設けられ、電子機器の動作の実行を司る機構部を支持する支持部材とを備えたハウジング本体の支持装置及び該ハウジング本体の支持装置を備えた記録装置に関する。
更に本発明はインク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を付着する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置及び該液体噴射装置に対して設けられるハウジング本体の支持装置に関するものである。
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を行なうプリンタ、プロッタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
電子機器には、電子機器の外観を構成するハウジング本体と、該ハウジング本体の内部に設けられ、電子機器の動作の実行を司る機構部と、上記ハウジング本体の底板部上面と該機構部との間に設けられ、該機構部を支持する支持部材と、上記ハウジング本体の底板部下面に設けられるフットとが備えられている。そして、上記ハウジング本体の底板部上面に対する上記支持部材の取付位置と、上記ハウジング本体の底板部下面に対する上記フットの取付位置については特に制約はなく、適宜ハウジング本体及び機構部の重量バランス等を考慮してハウジング本体内の空きスペース等を利用してレイアウトされていた。
このような支持部材の取付位置とフットの取付位置のレイアウトは、電子機器の一例であるインクジェットプリンタ等の記録装置においても採用されており、レイアウトの状態によっては以下のような問題点が生じていた。
即ち、図15に示すように、フット101の設置面102に作用するハウジング本体103の荷重点Fが、支持部材104とハウジング本体103との当接面105に作用する機構部106の荷重点Gより内側にあると、機構部106の方がハウジング本体103より重いため、ハウジング本体103の底板部107が図示のように中央が高くなり、山形に撓み変形してしまう。そして、該ハウジング本体103の底板部107の撓み変形によって上方に位置する機構部106が過度に圧迫を受け、場合によっては機構部106の破損や変形あるいは動作不良を引き起こすことがあった。
また、図15に示すインクジェットプリンタ110にあっては、支持部材104の下方空間をインクカートリッジ111の収容空間Sとしても利用しており、上記のようにハウジング本体103の底板部107が山形に撓み変形すると、インクカートリッジ111の収容空間Sの高さ寸法Hが図示のように狭まってインクカートリッジ111の出し入れがスムーズにできない場合も生じていた。このような問題点は、下記の特許文献1に示すようにコンパクトで持ち運びが容易なポータブルタイプのインクジェットプリンタにおいて顕著に現れ、このようなインクジェットプリンタは、ハウジング本体内の空きスペースが小さいことから上記支持部材の取付位置とフットの取付位置のレイアウト変更を困難にしていた。また、更なる小型化を図るためには上記ハウジング本体内の空きスペースをできるだけ小さくすることが望ましいが、支持部材の取付部の構造等とも関係して上記ハウジング本体内の空きスペースの縮小を図ることも容易でなかった。
特開2002−019229号公報
本発明は、支持部材の構造を工夫することによって支持部材の取付位置とフットの取付位置のレイアウト変更を可能にし、ハウジング本体の山形の撓み変形によって生ずる動作上あるいは操作上の不具合を解消すると共に、ハウジング本体内の空きスペースを極力小さくして電子機器の小型化にも寄与し得るハウジング本体の支持装置及び該ハウジング本体の支持装置を備えた記録装置等を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様に係るハウジング本体の支持装置は、電子機器のハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、前記ハウジング本体の内部に設けられ、電子機器の動作の実行を司る機構部を支持する支持部材とを備えたハウジング本体の支持装置であって、前記フットの設置面に作用するハウジング本体の荷重点が前記支持部材と前記ハウジング本体との当接面に作用する機構部の荷重点より外側に位置するように配置したことを特徴とするものである。
本発明の第1の態様によれば、ハウジング本体の底板部は中央が低くなるように谷形に撓み変形するため、上方に位置する機構部はハウジング本体の底板部から圧迫を受けることはなく、機構部の破損や変形あるいは動作不良を引き起こすことはない。また、ハウジング本体や機構部の設計においてハウジング本体の底板部の上方への撓み変形を考慮しなくてもよいからハウジング本体内の空きスペースを極力小さくでき、電子機器の小型化を図ることができる。
本発明の第2の態様に係るハウジング本体の支持装置は、前記第1の態様において、前記支持部材は前記機構部を支持する門型をした支持フレームであって、前記支持フレームと、前記フットが設けられている前記ハウジング本体の底板部上面との間には外部装填部材の収容空間が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様によれば、ハウジング本体の底板部は中央が低くなるように谷形に撓み変形するため、ハウジング本体の底板部上面と支持フレームとの間に形成されている外部装填部材の収容空間の高さ寸法が狭まることはない。従って外部装填部材の出し入れは支持なく円滑に行える。
本発明の第3の態様に係るハウジング本体の支持装置は、前記第2の態様において、前記外部装填部材は水平方向の占有面積の大きな大容量一体型のインクカートリッジであることを特徴とするものである。
本発明の第3の態様によれば、ハウジング本体の底板部は中央が低くなるように谷形に撓み変形するため、ハウジング本体の底板部上面と支持フレームとの間に形成されているインクカートリッジの収容空間の高さ寸法が狭まることはない。従って、インクカートリッジの出し入れは支障なく円滑に行える。更にフットの取付位置をインクカートリッジの装填範囲ないし可動範囲より外側に設けた場合には、インクカートリッジの姿勢が安定するためインクのドット抜けが軽減され記録品質の一層の向上が図られる。
本発明の第4の態様に係るハウジング本体の支持装置は、前記第1の態様から第3の態様のいずれかの態様において、前記支持部材と前記ハウジング本体との当接面は前記支持部材と前記ハウジング本体との取付面とは別個独立して設けられており、前記当接面が該取付面より内側に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の第4の態様によれば、構造上、支持部材の取付位置をフットの取付位置よりも内側に設定できない場合であっても、支持部材の取付位置を変更することなく、機構部の荷重点が作用する当接面のみをフットの取付面より内側に設定できる。従ってハウジング本体の空きスペースが小さく、支持部材の取付部の構造等に関して制約がある比較的小型の電子機器に対しても、ハウジング本体の底板部が谷形に撓み変形するような支持部材の取付位置とフットの取付位置のレイアウト変更を実行することが可能になる。
本発明の第5の態様に係る記録装置は、記録装置のハウジング本体と、該ハウジング本体の内部に設けられ、記録装置の動作の実行を司る機構部と、前記ハウジング本体の底板部上面と該機構部との間に設けられ、該機構部を支持する支持部材と、前記ハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、該フットと前記支持部材とを有し、前記ハウジング本体に対して適用されるハウジング本体の支持装置とを備えた記録装置であって、前記ハウジング本体の支持装置は前記第1の態様から第4の態様のいずれかの態様のハウジング本体の支持装置であることを特徴とするものである。
本発明の第5の態様によれば、ハウジング本体の山形の撓み変形によって生ずる動作上あるいは操作上の不具合を解消すると共に、ハウジング本体内の空きスペースを極力小さくして記録装置の小型化にも寄与し得るハウジング本体の支持装置を備えた記録装置を提供することが可能となる。そして、外部装填部材であるインクカートリッジやCD―R等の出し入れが容易になり、機構部の動作の安定化が図られる。
本発明の第6の態様に係る液体噴射装置は、液体噴射装置のハウジング本体と、該ハウジング本体の内部に設けられ、液体噴射装置の動作の実行を司る機構部と、前記ハウジング本体の底板部上面と該機構部との間に設けられ、該機構部を支持する支持部材と、前記ハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、該フットと前記支持部材とを有し、前記ハウジング本体に対して適用されるハウジング本体の支持装置とを備えた液体噴射装置であって、前記ハウジング本体の支持装置は前記フットの設置面に作用するハウジング本体の荷重点が前記支持部材と前記ハウジング本体との当接面に作用する機構部の荷重点より外側に位置するように配置することによって構成されていることを特徴とするものである。
以下、本願発明に係るハウジング本体の支持装置及び該ハウジング本体の支持装置を備えた液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1は使用時のインクジェットプリンタの外観を示す斜視図、図2は持ち運び時のインクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。図3はCDドライブ装置を装着したインクジェットプリンタを示すカバー部材を閉じた状態の斜視図である。また図4は角度調整可能な液晶モニタを搭載したインクジェットプリンタの操作パネルを示す斜め前方からの斜視図、図5は同上、斜め後方からの斜視図である。
尚、ここで説明するインクジェットプリンタ100は、例えば4×6インチ以下の被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を対象にした極めてコンパクトで持ち運びが容易な比較的シンプルな構造のインクジェットプリンタである。また、このインクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピュータに接続しなくても直接用紙Pに記録の実行ができる、いわゆるダイレクトプリンタと呼ばれているタイプのインクジェットプリンタである。
このインクジェットプリンタ100は、図1、図2に示すような角箱状の本体ケーシング3を備えている。本体ケーシング3は、本体ケーシング3の前面、後面、左右の側面及び底面を閉塞する深底容器状のハウジング本体4と、図2に示す持ち運び時の状態では本体ケーシング3の上面を閉塞し、図1に示す使用時の状態では給送用トレイ5の上方に張り出した用紙Pの上辺部を支持するペーパーサポートとしても機能するカバー部材6と、図2に示す持ち運び時の状態において上記カバー部材6の下方に位置し、ハウジング本体4の上部開口を閉塞する操作パネル7と、上記ハウジング本体4の前面の一部を開口し、当該前面開口を閉塞するように開閉自在に設けられる前面カバーを兼ねた排出用スタッカ8と、上記ハウジング本体4の左右の側面に対して回動可能な状態で接続される門型をした手提げハンドル9とを備えている。
また、上記本体ケーシング3の下方には、図3に示すようにCDドライブ装置21を取り付けることができ、後述するメモリーカード等から取り込んだ画像等のデータをCD―R等に保存したり、CD―R等に保存された画像等のデータを読み込んで記録の実行ができるようになっている。
そして、上記操作パネル7上には複数の窓部10a、10b、10c、・・・10nが設けられており、中央の大きな窓部10aには液晶モニタ11、他の窓部10b、10c、・・・10nには各種の操作ボタン12a、12b、12c、・・・12nがそれぞれ下方から上方に向けて突出するように取り付けられている。また、操作パネル7の後部の中央部は、大きく矩形状に切り欠かれており、該切り欠かれた部分が自動給送ユニット2に対して用紙Pを供給するための給送用開口13になっている。また、排出用スタッカ8は、下部の左右のコーナー部に回動支点を備えており、この回動支点を中心にして約90°の範囲に亘って上下に回動できるようになっている。また、排出用スタッカ8の裏面は、図1に示す使用状態では上面に位置するように構成されており、記録実行後の用紙Pを受け取る被液体噴射材受け部の一例である排出用スタッカ8の載置面14となっている。
また、液晶モニタとしては、図4、図5に示すように、後方に倒した水平姿勢と、上方に引き起こした起立姿勢ないし傾斜姿勢とを切り換えることのできる角度調整可能な液晶モニタ22を採用することも可能である。また、この場合において、図5に示すように液晶モニタ22の背面側の回動基端縁と、その近傍の操作パネル7上に係合凹部23と係合凸部24をそれぞれ設け、これら凸部24と凹部23とを当接させて当該液晶モニタ22の回動上限位置を規定することも可能である。
また、ハウジング本体4の前面開口の上部には、デジタルカメラ等で撮影した画像データを収録したメモリーカード等を挿入するためのメモリーカード用挿入口15が設けられている。そして、このインクジェットプリンタ100は、図2に示す持ち運び時の状態では外部に操作ボタン12a、12b、12c、・・・12nや排出用スタッカ8を拡開するための指掛け部等が一切露出しない極めてシンプルですっきりしたデザインの外観となっている。また、この状態ではインクジェットプリンタ100を動作させることはできず、カバー部材6を拡開させ、この実施例では排出用スタッカ8を拡開させるための操作ボタン12cを押すことによって初めてインクジェットプリンタ100を動作させることができるように構成されている。
そして、このようにして構成されるインクジェットプリンタ100に対して用紙Pが供給されると、用紙Pは給送用開口13から自動給送ユニット2における給送用トレイ5上に至り、図示しない給送用ローラとホッパとの挟圧送り作用によって最上位の用紙Pから順番に用紙搬送経路に向けて給送されるようになる。また、用紙搬送経路に給送された用紙Pは、記録ポジションに向けて案内され、図示しないプラテンによって下面が支持された状態で図示しない搬送用ローラからの駆動力を受けて搬送される。そして、図示しない記録ヘッドが図示しないキャリッジによって保持された状態で液体の一例であるインクを吐出しながら主走査方向Xに往復する動作と、該主走査方向Xと直交する副走査方向Y(用紙Pの搬送方向と一致する)に所定の搬送量で用紙Pを搬送する動作とを相互に繰り返すことによって用紙Pの被記録面全体に亘って所望の記録が実行されるようになっている。また、記録実行後の用紙Pは、図示しない排出用ローラからの駆動力を受けて更に用紙搬送方向の下流側に向けて排出され、上述した拡開状態の排出用スタッカ8の載置面14に至り、保持されるようになっている。
[実施例]
次に、このようなインクジェットプリンタ100に対して設けられる本発明のハウジング本体の支持装置1と、ハウジング本体4の底板部25に対して適用されるハウジング本体の位置決め装置40と、ハウジング本体4の底板部25に取り付けられるCDドライブ装置21について図面に基づいて具体的に説明する。尚、本発明のハウジング本体の支持装置1が適用されるインクジェットプリンタとしては、図1、図2に示す通常のタイプのインクジェットプリンタ100の他、図3に示すようにCDドライブ装置21等の外部付属装置が装着された多機能タイプのインクジェットプリンタ200が含まれる。また、ハウジング本体の位置決め装置40が適用されるインクジェットプリンタは、図3に示すCDドライブ装置21等の外部付属装置や他の外装部品が装着可能なインクジェットプリンタ200である。
図6は本発明のハウジング本体の支持装置を適用したインクジェットプリンタを模式的に示す正面図、図7はハウジング本体の支持装置を適用したインクジェットプリンタの左側のフット周辺を拡大して示す斜視図である。図8は同上、支持部材とハウジング本体との左側の当接部位周辺を拡大して示す分解斜視図、図9は同上、支持部材とハウジング本体の右側の当接部位周辺を拡大して示す分解斜視図である。図10はCDドライブ装置を取り付ける前のハウジング本体の底板部下面側を示す斜視図、図11はCDドライブ装置のカバーケースをハウジング本体の底板部下面に載置した状態を示す斜視図である。図12はCDドライブ装置のカバーケース上に支持フレームを取り付けた状態を示す斜視図、図13はCDドライブ装置取付完了後のハウジング本体の底板部下面側を示す斜視図である。また、図14はハウジング本体の位置決め装置を適用したハウジング本体とカバーケースの右側の取付部位周辺を拡大して示す縦断正面図である。
(1)ハウジング本体の支持装置の構成と作用効果
本発明のハウジング本体の支持装置1は、インクジェットプリンタ100の外観を構成するハウジング本体4の底板部25の下面に一例として4つ設けられるフット26A、26B、26C、26Dと、電子機器の動作の実行を司る機構部20を支持する支持部材としての支持フレーム27とを備えることによって構成されている。そして、本発明のハウジング本体の支持装置1は、上記各フット26A、26B、26C、26Dの設置面に作用するハウジング本体4の荷重点Fが上記支持フレーム27とハウジング本体4の底板部25との当接面に作用する機構部20の荷重点Gより外側に位置するように配置したことを特徴としている。
支持フレーム27は、一例として門型をした金属製のフレームによって構成されており、支持フレーム27とハウジング本体4の底板部25上面との間には、外部装填部材の一例であるインクカートリッジ28の収容空間Sが形成されている。尚、このインクカートリッジ28は、水平方向の占有面積が大きく大容量で複数のインク室が一体に形成された一体型のインクカートリッジである。また、支持フレーム27の左右の側板部29、30には、ハウジング本体4の底板部25における左右の端部に形成されている凹凸係合部31、32に当接する凹凸当接部33、34が設けられている。
そして、上記凹凸係合部31、32と凹凸当接部33、34の当接面が機構部20の荷重点Gが作用する当接面となっている。また、上記支持フレーム27の左右の側板部29、30の下端部の一部は、外方に向けて折り曲げられて更に延長形成されており、延長形成された部分が取付部35、36になっている。尚、取付部35、36には、図示しない取付穴が形成されており取付ネジ37を使用して支持フレーム27はハウジング本体4の底板部25に取り付けられている。従って、支持フレーム27とハウジング本体4の底板部25との当接面は、支持フレーム27とハウジング本体4の底板部25との取付面とは別個独立して設けられており、上記当接面は上記取付面より内側に配置されている。
そして、このような構成のハウジング本体の支持装置1を適用することによって、ハウジング本体4の底板部25は、図6において誇張して示すように機構部20の重さによって中央が低くなるように谷形に撓み変形する。従って、支持フレーム27の上方に位置する機構部20は、ハウジング本体4の底板部25から圧迫を受けることはなく、該圧迫によって生ずる機構部20の破損や変形あるいは動作不良が防止される。また、ハウジング本体4や機構部20の設計において、ハウジング本体4の底板部25の上方への撓み変形を考慮しなくてもよいから、ハウジング本体4内の空きスペースを極力小さくして、インクジェットプリンタ100の小型化を図ることができる。
また、ハウジング本体4の底板部25が中央が低くなるように谷形に撓み変形するから、ハウジング本体4の底板部25の上面と支持フレーム27との間に形成されているインクカートリッジ28の収容空間Sの高さ寸法Hが狭まることはない。従って、インクカートリッジ28の出し入れは支障なく円滑に行われる。また、支持フレーム27が構造上、支持フレーム27の取付位置をフット26A、26B、26C、26Dの取付位置よりも内側に設定できない場合であっても、上述の凹凸係合部31、32、凹凸当接部33、34及び取付部35、36からなる構成を採用することによって、支持フレーム27の取付位置を変更することなく、機構部20の荷重点Gが作用する当接面のみをフット26A、26B、26C、26Dの取付面より内側に設定することが可能となる。
(2)ハウジング本体の位置決め装置の構成と作用効果及びCDドライブ装置の
構成と取付手順
ハウジング本体の位置決め装置40は、インクジェットプリンタ200の外観を構成するハウジング本体4が複数のハウジング要素41、42を組み合わせることによって形成されており、これらのハウジング要素41、42が位置決めピン43によって位置決めされている場合に適用される。また、ハウジング本体の位置決め装置40は、位置決めされる一方のハウジング要素であるハウジングミドル部41に形成されている上記位置決めピン43と、位置決めされる他方のハウジング要素であるハウジングロア部42に形成されている位置決め穴44とによって構成されている。そして、上記位置決めピン43の内部には、ハウジング本体4に対して後付けされる外装部品固定用のビス穴45が位置決めピン43の基端側端面46から所定の深さに亘って形成されている。
また、上記外装部品固定用のビス穴45は、位置決めピン43の射出成形時の樹脂のヒケを防止する目的で位置決めピン43の内部に形成される肉盗み用の空洞を利用して設けられている。また、上記ハウジングミドル部41は、本体ケーシング3の前面、左右の側面及び後面を構成すると共に底面の一部が開口されたハウジング本体4の主要部となる部材である。一方、上記ハウジングロア部42は、上記ハウジングミドル部41の開口された底面の一部を閉塞する部材である。また、本実施例では、ハウジング本体4に対して後付けされる外装部品として外部付属装置であるCDドライブ装置21のカバーケース47を適用している。
CDドライブ装置21は、ハウジング本体4の下方に取り付けられる偏平角箱状をした部材で、天面、前面、後面及び一方の側面を構成する上記カバーケース47と、該カバーケース47の天面に内側から宛がわれる金属製平板材料によって一例として形成されている支持フレーム48と、該支持フレーム48によって支持されるドライブユニット49と、上記カバーケース47の開放された底面を閉塞する底板50とを備えている。そして、このようにして構成されるCDドライブ装置21は、図10に示すインクジェットプリンタ200におけるハウジングミドル部41の底板部25に対して取り付けられる。
ハウジングミドル部41の底板部25には、フット26A、26B、26C、26Dを取り付けるための口径が比較的大きな4つの取付穴51A、51B、51C、51Dがコーナー部に設けられている。但し、後述するようにこれらの取付穴51A、51B、51C、51Dは本実施例では使用しない。また、ハウジングミドル部41の底板部25における奥行き方向の中央には、幅方向ほぼ一杯に延びる角穴状の口径の大きな開口52が形成されており、上記ハウジングロア部42を取り付けることによって該開口52が閉塞されるようになっている。また、該開口52の左右の端部の前後には、ハウジングロア部42をハウジングミドル部41に固定する図示しない固定ネジ用の段差状をしたネジ穴53が4つ設けられており、これらのネジ穴53の前後に上記ビス穴45が設けられている。尚、4つずつ設けられるビス穴45と上記ネジ穴53を区別する場合には、図10に示すようにビス穴45A、45B、45C、45Dあるいはネジ穴53A、53B、53C、53Dとしてこれらを識別する。
カバーケース47の天面には、上記ネジ穴53とビス穴45に対応した位置に4つの角穴状の窓部54A、54B、54C、54Dが設けられており、カバーケース47の開放された側面側の中央には、ドライブユニット49から延びる図示しないケーブルやリード線の通り道となる角穴状の連絡口55が設けられている。また、支持フレーム48には、上記ビス穴45A、45B、45C、45Dに対応した位置に外装部品固定用の固定ビス56を受け入れる受入穴57A、57B、57C、57Dと、上記連絡口55に一致する連絡用切欠き58と、底板50を取り付けるためのネジ穴が形成されたL字状に延びる一例として4つの取付片59A、59B、59C、59Dが設けられている。
また、ドライブユニット49におけるCD−R等の光ディスクの挿入側には、イジェクトボタン60とスリット状の光ディスクの挿入取出口61を備えた化粧パネル62が設けられている。また、底板50のコーナー部には、フット26A、26B、26C、26Dを取り付けるための取付穴63A、63B、63C、63Dと、底板50を上記支持フレーム48の取付片59A、59B、59C、59Dに形成されたネジ穴と連通する底板50固定用の4つの固定穴64A、64B、64C、64Dと、ドライブユニット49に固定される4つの取付穴65A、65B、65C、65Dが設けられている。尚、ハウジング本体の位置決め装置40を適用するインクジェットプリンタ200にあっては、フット26A、26B、26C、26Dはハウジングミドル部41に形成されている取付穴51A、51B、51C、51Dではなく、CDドライブ装置21における底板50に対して形成されている取付穴63A、63B、63C、63Dを使用して取り付けられている。そして、このようにして構成されるCDドライブ装置21は、図10〜図13に示す取付手順によってハウジング本体4の底板部25に取り付けられる。
そして、上記ハウジング本体の位置決め装置40を適用することによって、位置決めピン43に対してハウジングミドル部41にハウジングロア部42を組み付ける際の位置決めを行うという本来の機能に加えて、CDドライブ装置21等の外部付属装置をハウジング本体4に取り付ける際の固定手段としての機能を兼用させることが可能になる。また、上記固定手段としてのネジ穴53を形成するに当たって、成形品の精度を上げるために必要になる肉盗み用の空洞を利用すれば部品の更なる有効利用を図ることができる。
[他の実施例]
本願発明に係るハウジング本体の支持装置1及び該ハウジング本体の支持装置1を備えた記録装置100等は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行なうことも勿論可能である。例えば、本発明のハウジング本体の支持装置1は、インクジェットプリンタ100等の記録装置だけでなく、記録装置以外の他の液体噴射装置や、パーソナルコンピュータあるいはビデオデッキ等の種々の電子機器に対して適用することが可能である。このうちビデオデッキに対してハウジング本体の支持装置1を適用した場合には、外部装填部材としてビデオカセットテープを適用することが可能である。また、ハウジング本体の支持装置1は、図3に示すように外部付属装置であるCDドライブ装置21等に対しても適用可能である。この場合には、ハウジング本体4として外装品であるカバーケース47、機構部20としてドライブユニット49、支持部材として支持フレーム48、底板部25として底板50をそれぞれ適用することによって、ドライブユニット49の荷重に因ることなく常に円滑にCD−R等の光ディスクの円滑な挿入及び取り出しが可能となる。
また、ハウジング本体の位置決め装置40もインクジェットプリンタ100等の記録装置だけでなく、記録装置以外の他の液体噴射装置や段積みされたシステムステレオ、複写機等の種々の電子機器に対して適用することが可能である。また、外部付属装置もCDドライブ装置21に限らず種々の被記録材に対応するための給送装置や自動反転装置等、種々の装置が適用可能である。また、位置決めピン43やビス穴45の数や配置あるいは形状や大きさは前記実施例のものに限らず適宜、適用する部位の形状や大きさ等に対応して変更することが可能である。
使用時のインクジェットプリンタの外観を示す斜視図。 持ち運び時のインクジェットプリンタの外観を示す斜視図。 CDドライブ装置を装着したインクジェットプリンタの外観を示す斜視図。 角度調整可能な液晶パネルを搭載した操作パネルを示す斜視図。 同上、斜め後方からの斜視図。 ハウジング本体の支持装置を適用したインクジェットプリンタを示す正面図。 同上、左側のフット周辺を拡大して示す斜視図。 同上、支持部材とハウジング本体との左側の当接部位周辺を拡大して示す分解斜視図。 同上、支持部材とハウジング本体との右側の当接部位周辺を拡大して示す分解斜視図。 CDドライブ装置取付前のハウジング本体の底板部下面側を示す斜視図。 同上、底板部にCDドライブ装置のカバーケースを載置した状態を示す斜視図。 同上、カバーケース上に支持フレームを取り付けた状態を示す斜視図。 CDドライブ装置取付完了後のハウジング本体の底板部下面側を示す斜視図。 ハウジング本体の位置決め装置を適用したインクジェットプリンタの要部拡大正面図。 ハウジング本体の底板部が山形に変形することによって生ずる問題点を示す正面図。
符号の説明
1 (ハウジング本体の)支持装置、2 自動給送ユニット、3 本体ケーシング、4 ハウジング本体、5 給送用トレイ、6 カバー部材、7 操作パネル、8 排出用スタッカ、9 手提げハンドル、10a、10b、10c・・・10n 窓部、11 液晶モニタ、12a、12b、12c・・・12n 操作ボタン、13 給送用開口、14 載置面、15 メモリー挿入口、20 機構部、21 CDドライブ装置(外部付属装置)、22 (角度調整可能な)液晶モニタ、23 係合凹部、24 係合凸部、25 底板部、26A、26B、26C、26D フット、27 支持フレーム(支持部材)、28 インクカートリッジ、29 (左側の)側板部、30 (右側の)側板部、31 (左側の)凹凸係合部、32 (右側の)凹凸係合部、33 (左側の)凹凸当接部、34 (右側の)凹凸当接部、35 (左側の)取付部、36 (右側の)取付部、37 取付ネジ、40 (ハウジング本体の)位置決め装置、41 ハウジングミドル部(ハウジング要素)、42 ハウジングロア部(ハウジング要素)、43 位置決めピン、44 位置決め穴、45(45A、45B、45C、45D) ビス穴、46 基端側端面、47 カバーケース(外装部品)、48 支持フレーム、49 ドライブユニット、50 底板、51A、51B、51C、51D 取付穴、52 開口、53(53A、53B、53C、53D) ネジ穴、54A、54B、54C、54D 窓部、55 連絡口、56 固定ビス、57A、57B、57C、57D 受入穴、58 連絡用切欠き、59A、59B、59C、59D 取付片、60 イジェクトボタン、61 挿入取出口、62 化粧パネル、63A、63B、63C、63D 取付穴、64A、64B、64C、64D 固定穴、65A、65B、65C、65D 取付穴、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、200 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録材)、X 主走査方向、Y 副走査方向、F (ハウジング本体の)荷重点、G (機構部の)荷重点、H 高さ寸法、S 収容空間

Claims (6)

  1. 電子機器のハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、
    前記ハウジング本体の内部に設けられ、電子機器の動作の実行を司る機構部を支持する支持部材とを備えたハウジング本体の支持装置であって、
    前記フットの設置面に作用するハウジング本体の荷重点が前記支持部材と前記ハウジング本体との当接面に作用する機構部の荷重点より外側に位置するように配置したことを特徴とするハウジング本体の支持装置。
  2. 請求項1において、前記支持部材は前記機構部を支持する門型をした支持フレームであって、
    前記支持フレームと、前記フットが設けられている前記ハウジング本体の底板部上面との間には外部装填部材の収容空間が形成されていることを特徴とするハウジング本体の支持装置。
  3. 請求項2において、前記外部装填部材は水平方向の占有面積の大きな大容量一体型のインクカートリッジであることを特徴とするハウジング本体の支持装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記支持部材と前記ハウジング本体との当接面は前記支持部材と前記ハウジング本体との取付面とは別個独立して設けられており、前記当接面が該取付面より内側に配置されていることを特徴とするハウジング本体の支持装置。
  5. 記録装置のハウジング本体と、
    該ハウジング本体の内部に設けられ、記録装置の動作の実行を司る機構部と、
    前記ハウジング本体の底板部上面と該機構部との間に設けられ、該機構部を支持する支持部材と、
    前記ハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、
    該フットと前記支持部材とを有し、前記ハウジング本体に対して適用されるハウジング本体の支持装置とを備えた記録装置であって、
    前記ハウジング本体の支持装置は請求項1〜4のいずれか1項に記載したハウジング本体の支持装置であることを特徴とする記録装置。
  6. 液体噴射装置のハウジング本体と、
    該ハウジング本体の内部に設けられ、液体噴射装置の動作の実行を司る機構部と、
    前記ハウジング本体の底板部上面と該機構部との間に設けられ、該機構部を支持する支持部材と、
    前記ハウジング本体の底板部下面に設けられるフットと、
    該フットと前記支持部材とを有し、前記ハウジング本体に対して適用されるハウジング本体の支持装置とを備えた液体噴射装置であって、
    前記ハウジング本体の支持装置は、前記フットの設置面に作用するハウジング本体の荷重点が前記支持部材と前記ハウジング本体との当接面に作用する機構部の荷重点より外側に位置するように配置することによって構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
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