JP2007221941A - Vcm装置及び着磁方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】VCM磁気回路の空隙の磁束密度を上げて、駆動対象の高速駆動が可能であり、かつVCM磁気回路の永久磁石のニュートラルゾーン位置を正確に規定できて駆動対象の高精度駆動が可能なVCM装置を提供する。
【解決手段】対向する一対のヨーク板1と、ヨーク板1の対向面の少なくとも一方に固定された平板状永久磁石2と、ヨーク板1の対向面間に移動自在に配された駆動用コイル5とを備え、ヨーク板1の片面又は両面に、平板状永久磁石2のニュートラルゾーンに沿う方向と該ニュートラルゾーンを横切る方向の少なくとも一方に配される溝50、あるいは孔の列の少なくとも一方を形成している。
【選択図】図1
【解決手段】対向する一対のヨーク板1と、ヨーク板1の対向面の少なくとも一方に固定された平板状永久磁石2と、ヨーク板1の対向面間に移動自在に配された駆動用コイル5とを備え、ヨーク板1の片面又は両面に、平板状永久磁石2のニュートラルゾーンに沿う方向と該ニュートラルゾーンを横切る方向の少なくとも一方に配される溝50、あるいは孔の列の少なくとも一方を形成している。
【選択図】図1
Description
本発明は、HDD(ハードディスク・ドライブ)装置において磁気ヘッドの駆動用等に使用されるVCM(ボイスコイル・モータ)装置及び着磁方法に係り、特にヨーク板の構造とヨーク板に永久磁石材を一体化した状態での着磁方法に関する。
VCM装置はPC(パーソナル・コンピュータ)周辺装置のHDD装置用として需要が伸びるばかりでなく、近年家電、携帯端末等へも利用が進んできている。
近年、HDD装置に対して、高容量化、高速化が望まれ、VCM磁気回路の空隙の磁束密度を上げる要求がある。磁束密度を上げるには、空隙を狭めるか永久磁石の厚さを厚くする、あるいは永久磁石の磁気特性を上げる方法がある。空隙には駆動用コイルを配置するため、寸法を狭くするには限界があり、一般には永久磁石の高性能化や厚さを増して対応している。この場合、永久磁石を固定するヨーク板は永久磁石の厚さに比例して必要とされる肉厚も大きくなる。
また、HDD装置の高容量化を図るためには、VCM装置の高精度の動作が必要になり、VCM磁気回路における永久磁石の磁極間のニュートラルゾーンの位置をヨーク板の基準位置(基準穴)に対して正確に規定する必要があり、着磁された状態で永久磁石をヨーク板に固定することよりも予めヨーク板に永久磁石材を固定した状態で永久磁石の着磁処理を行うことの方がより正確な位置を決められる。また、ニュートラルゾーンの幅もより狭くなるように着磁することが必要となってきている。
図9(A)はヨーク板に永久磁石を固定した状態でVCM用永久磁石の着磁処理を行う一般的な構成を示す。この図において、軟磁性体のヨーク板1に予め厚み方向に配向された平板状永久磁石材2Aが固定されており、ヨーク板1及び永久磁石材2Aが一方(上側)の着磁ヨーク10と他方(下側)の着磁ヨーク20とで挟まれている。つまり、着磁ヨーク10は2極のポールピース11,12を、着磁ヨーク20は2極のポールピース21,22をそれぞれ有し、前記2極のポールピース11,12とこれらに対向する2極のポールピース21,22とで挟まれている。ポールピース11,12,21,22には着磁コイル31,32,41,42がそれぞれポールピース11,12,21,22を周回するように設けられている。図示の場合、ポールピース11がN極、これに対向するポールピース21がS極を発生するとともに、ポールピース12がS極、これに対向するポールピース22がN極を発生するように各着磁コイル31,32,41,42に着磁電流を通電して所要の着磁磁界を発生し永久磁石材2Aを厚み方向に着磁する。図9(B)のように、平板状永久磁石材2Aを着磁処理した平板状永久磁石2は、ニュートラルゾーンNZを挟んで異なる磁極が、平坦面の主面3(VCM磁気回路の空隙側)及び反対面に形成される。
図9のように、ヨーク板に永久磁石材を固定(接着)した状態で着磁する場合、ヨーク板に渦電流が起こり逆磁界が発生し、永久磁石の着磁率が低下する。また、ヨーク板は着磁ヨークで発生する磁束を分流させるため、これも永久磁石の着磁率を低下させる。さらに、ニュートラルゾーンの幅も広がる傾向にある。これは着磁ヨークが飽和する(2.1T)以上に着磁磁界を与える必要があるためであり、着磁ヨークに適当な凹部を設けておいても着磁ヨークが飽和するため、効果が殆ど見られない状態である。
この種の永久磁石の着磁処理に関する公知技術として、下記特許文献1,2,3が知られている。
特許文献1には、永久磁石の2極着磁器において、各ポールピース(着磁ヨーク)の被着磁磁石との対向面に、適当な凹部を設けることにより、トルクレベルを下げるように着磁電圧を下げて着磁しても、磁石表面の極内Bg(空隙中磁束密度)分布が平坦化された分布となり、トルクリニアリティが劣化しないことが開示されている。
特許文献2にも、永久磁石の着磁器において、各着磁ティース(着磁ヨーク)の被着磁磁石との対向面に、適当な凹部を設けることが開示されている。これら特許文献1,2は着磁ヨークの被着磁磁石との対向面に適当な凹部を設けることにより磁石に直接着磁するものであって、VCMヨークを介して磁石を着磁するものではなかった。
特許文献3には、VCMヨークを介して磁石を着磁するものが開示されているが、永久磁石の着磁後にアップヨークを磁化処理することに着目し、2枚の永久磁石が、磁化の方向が180度異なるように互いに端面で接して1枚の板状に形成されてなる平板状永久磁石を配設した磁気回路において、平板状永久磁石材を磁性体ヨーク材に接着して一体化し、所定の磁化方向に着磁した後、該磁性体ヨーク材に、該平板状永久磁石の磁束が該磁性体ヨークを流れる方向に外部磁界を加えて磁化処理する手段により、アップヨークの厚さを増すことなく、漏れ磁場を減らすことが開示されている。
上記特許文献1〜3は、いずれもヨーク板に永久磁石を固定した状態で着磁するときに発生する渦電流発生等の問題を解決する手段を開示するものではない。
本発明は、上記の点に鑑み、VCM磁気回路の空隙の磁束密度を上げて、駆動対象の高速駆動が可能であり、かつVCM磁気回路の永久磁石のニュートラルゾーン位置を正確に規定できて駆動対象の高精度駆動が可能なVCM装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、ヨーク板に永久磁石材を一体化した状態で着磁処理を行う場合であっても、ヨーク板の存在による不都合を解消し、永久磁石の着磁率の向上及びニュートラルゾーンの幅を狭くすることが可能なVCM用永久磁石の着磁方法を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
上記目的を達成するために、本発明に係るVCM装置は、対向する一対のヨーク板と、前記ヨーク板の対向面の少なくとも一方に固定された平板状永久磁石と、前記ヨーク板の対向面間に移動自在に配された駆動用コイルとを備え、
前記ヨーク板の片面又は両面に、前記平板状永久磁石のニュートラルゾーンに沿う方向と該ニュートラルゾーンを横切る方向の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方を形成したことを特徴としている。
前記ヨーク板の片面又は両面に、前記平板状永久磁石のニュートラルゾーンに沿う方向と該ニュートラルゾーンを横切る方向の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方を形成したことを特徴としている。
前記VCM装置において、前記永久磁石が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンに沿う径方向の溝又は孔の列であるとよい。
前記VCM装置において、前記永久磁石が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンを横切る円弧方向の溝又は孔の列であるとよい。
本発明に係るVCM用永久磁石の着磁方法は、ヨーク板に固定されたVCM用永久磁石材を、複数極の着磁ヨークで挟んで着磁する場合に、
前記複数極の着磁ヨークが発生する着磁磁界により前記ヨーク板の渦電流の発生する領域とニュートラルゾーン近傍の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方を前記ヨーク板の片面又は両面に形成したことを特徴としている。
前記複数極の着磁ヨークが発生する着磁磁界により前記ヨーク板の渦電流の発生する領域とニュートラルゾーン近傍の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方を前記ヨーク板の片面又は両面に形成したことを特徴としている。
前記VCM用永久磁石の着磁方法において、前記永久磁石材が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンに沿う径方向の溝又は孔の列であるとよい。
前記VCM用永久磁石の着磁方法において、前記永久磁石材が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンを横切る円弧方向の溝又は孔の列であってもよい。
本発明に係るVCM装置によれば、ヨーク板に固定された平板状永久磁石のニュートラルゾーンに沿う方向と該ニュートラルゾーンを横切る方向の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方が、前記ヨーク板の片面又は両面に形成されているため、前記永久磁石の着磁処理を、前記ヨーク板に前記永久磁石となる永久磁石材が一体化された状態で行っても、前記ヨーク板に着磁磁束が分流する現象の抑制や、前記ヨーク板に発生する渦電流の抑制、これに伴う逆磁界の減少等が可能となるため、永久磁石の着磁率を向上させることができる。これにより、VCM磁気回路の空隙の磁束密度を上げて、駆動対象の高速駆動を図ることができる。また、前記永久磁石のニュートラルゾーンの幅を狭くでき、前記ヨーク板に永久磁石材を固定して着磁できるため、前記ヨーク板の基準位置に対するニュートラルゾーン位置を正確に規定できて駆動対象の高精度駆動にも寄与できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、VCM装置及び着磁方法の実施の形態を図面に従って説明する。
図1乃至図4で本発明に係るVCM装置及び着磁方法の実施の形態1を説明する。図1及び図2はVCM装置を示すものであり、対向する一対の軟磁性体ヨーク板1と、ヨーク板1の対向面にそれぞれ固定(接着)された平板状永久磁石2と、ヨーク板の対向面間に移動自在に配された駆動用コイル5とを備えている。この駆動用コイル5は一対の平板状永久磁石2の対向面間に移動自在に位置し、駆動用コイル5と各平板状永久磁石2の対向面間には所要のギャップがある。一対のヨーク板1は軟磁性体サイドプレート7で連結一体化されている。駆動用コイル5は回転支点Cを中心として回転自在なキャリアアーム6に取り付けられ、キャリアアーム6の先端側には、例えばハードディスクに対して情報の記録再生を行う磁気ヘッド(図示せず)設けられている。
前記一対のヨーク板1の片面(永久磁石配置面の反対面)には、永久磁石2のニュートラルゾーンNZに沿う方向に配された凹溝50が形成されている。この凹溝50はヨーク板1に永久磁石2となる永久磁石材を一体化した状態で着磁処理を行う場合であっても、ヨーク板1の存在による不都合を解消し、永久磁石の着磁率の向上及びニュートラルゾーンの幅を狭くすることを可能にするものであり、凹溝50を設けた意義を以下の図3及び図4の着磁方法で説明する。
図3及び図4で説明する着磁方法において、着磁ヨーク10,20を備える着磁手段側の構成は、図9の場合と同様であるが、着磁されて図1のVCM用平板状永久磁石2となる永久磁石材2A(予め厚み方向に配向されている)が固着されたヨーク板1の構成が図9とは異なっている。すなわち、ヨーク板1には永久磁石材2Aの固着側とは反対面に断面方形の凹溝50が形成され、この凹溝50の方向は、着磁処理で得られる永久磁石2のニュートラルゾーンNZに沿う方向となっている。なお、凹溝50の幅は、ポールピース11(又は21)と12(又は22)との間隙幅とほぼ一致している例である。間隙幅より広くすることも可能であるが、ニュートラルゾーンNZが広がることもあるので、好ましくはポールピースの間隙よりも狭いほうが良い。さらに好ましくはポールピースの間隙よりも狭く、且つ、より深いほうがよい。
図示の場合、着磁ヨーク10のポールピース11がN極、これに対向する着磁ヨーク20のポールピース21がS極を発生するとともに、着磁ヨーク10のポールピース12がS極、これに対向する着磁ヨーク20のポールピース22がN極を発生するように各着磁コイル31,32,41,42に着磁電流を通電して永久磁石材2Aを厚み方向に着磁する。着磁時にポールピース11,12はヨーク板1に当接し、ポールピース21,22は永久磁石材2Aに当接してヨーク板1と永久磁石材2Aとを挟持している。平板状永久磁石材2Aを着磁処理した平板状永久磁石2は、ニュートラルゾーンNZを挟んで異なる磁極が、平面の主面(駆動コイルに対面する面)3及び反対面(ヨーク板に接する面)4に形成される。
この実施の形態1によれば、ヨーク板1に固定される平板状永久磁石2のニュートラルゾーンに沿う方向の凹溝50が、ヨーク板1の片面に形成されているため、永久磁石2の着磁処理をヨーク板1に永久磁石2となる永久磁石材2Aを一体化した状態で行っても、ヨーク板1に着磁磁束が分流する現象(ポールピース11−ヨーク板1−ポールピース12の経路で磁束が通る現象)の抑制や、ヨーク板1に発生する渦電流の抑制、これに伴う逆磁界の減少等が可能である。これにより、永久磁石の着磁率を向上させることができる。この結果、VCM装置を構成したとき、VCM磁気回路の空隙の磁束密度を上げて、駆動対象の高速駆動を図ることができる。また、永久磁石2のニュートラルゾーンNZの幅を狭くでき、ヨーク板1の基準位置(図示しないが、通常ヨーク板に基準穴として設ける)に対するニュートラルゾーン位置を正確に規定できて駆動対象の高精度駆動にも寄与できる。
図5(A)は本発明の実施の形態2であって、図4の永久磁石材2Aの着磁処理で得られる永久磁石2のニュートラルゾーンNZに沿う方向の凹溝50の代わり、ニュートラルゾーンNZに沿う方向に配された凹孔51(非貫通の止まり孔)の列をヨーク板1に設けた構成を示す。なお、凹孔51の径は、ポールピース11(又は21)と12(又は22)との間隙幅よりも小さい例である。その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
この実施の形態2においても、ニュートラルゾーンNZに沿う方向に配された孔51の列によって、ヨーク板1に着磁磁束が分流する現象の抑制や、ヨーク板1に発生する渦電流の抑制、これに伴う逆磁界の減少等が可能であり、実施の形態1と実質的に同様の作用効果を得ることができる。
図5(B)は本発明の実施の形態3であって、図4のニュートラルゾーンNZに沿う方向の凹溝50の代わり、ニュートラルゾーンNZにほぼ直交する方向(ニュートラルゾーンを横切る方向)の凹溝52をヨーク板1に設けた構成を示す。その他の構成は実施の形態1と同様である。
この実施の形態3においては、ニュートラルゾーンNZを横切る方向の凹溝52が着磁処理時にヨーク板1の渦電流が多く発生する領域を分断するように横切るため、ヨーク板1に発生する渦電流の抑制を効果的に行うことができ、これに伴う逆磁界の減少等が可能であり、実施の形態1と実質的に同様の作用効果を得ることができる。
図5(C)は本発明の実施の形態4であって、図4のニュートラルゾーンNZに沿う方向の凹溝50に加えて、ニュートラルゾーンNZを横切る方向の凹溝53をヨーク板1に付加した構成を示す。その他の構成は実施の形態1と同様である。
この実施の形態4においては、凹溝50がニュートラルゾーンNZに沿うとともに、ニュートラルゾーンNZを横切る方向の凹溝53がヨーク板1の渦電流が多く発生する領域を部分的に横切るため、ヨーク板1に着磁磁束が分流する現象の抑制や、ヨーク板1に発生する渦電流の抑制を効果的に行うことができ、これに伴う逆磁界の減少等が可能であり、実施の形態1と同等若しくはそれ以上の効果を得ることができる。
図6(A)は本発明の実施の形態5であって、実施の形態1のヨーク板1が長方形で、平板状永久磁石2の外形も長方形であるのに対し、外形が略扇形状のヨーク板61及び永久磁石材62A(着磁処理後、永久磁石62となる)を用いている。そして、略扇形状永久磁石62のニュートラルゾーンNZに沿う方向の凹溝70をヨーク板61に設けている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
この実施の形態5においても、ニュートラルゾーンNZに沿う方向に略扇形状ヨーク板61に形成された凹溝70によって、ヨーク板61に着磁磁束が分流する現象の抑制や、ヨーク板61に発生する渦電流の抑制、これに伴う逆磁界の減少等が可能であり、実施の形態1と実質的に同様の作用効果を得ることができる。
図6(B)は本発明の実施の形態6であって、図6(A)のニュートラルゾーンNZに沿う方向の凹溝70の代わり、ニュートラルゾーンNZに沿う方向に配された孔71の列を略扇形状ヨーク板61に設けた構成を示す。その他の構成は実施の形態5と同様である。
この実施の形態6においても、ニュートラルゾーンNZに沿う方向に配された孔71の列によって、略扇形状ヨーク板61に着磁磁束が分流する現象の抑制や、ヨーク板61に発生する渦電流の抑制、これに伴う逆磁界の減少等が可能であり、実施の形態5と実質的に同様の作用効果を得ることができる。
図6(C)は本発明の実施の形態7であって、図6(A)のニュートラルゾーンNZに沿う方向の凹溝70の代わり、ニュートラルゾーンNZを横切る円弧方向(ニュートラルゾーンを横切る方向)の凹溝72を略扇形状ヨーク板61に設けた構成を示す。その他の構成は実施の形態5と同様である。
この実施の形態7においては、ニュートラルゾーンNZを横切る方向の凹溝72が略扇形状ヨーク板61の渦電流が多く発生する領域を分断するように横切るため、ヨーク板61に発生する渦電流の抑制を効果的に行うことができ、これに伴う逆磁界の減少等が可能であり、実施の形態5と実質的に同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明の実施の形態1,3,4,5,7における断面方形の凹溝の代わりに、図7(A)に断面が示されるU溝80、同図(B)に断面が示されるV溝81、さらには同図(C)のように複数本(2本)の小溝82をヨーク板1に形成する構成としてもよい。また、所定方向に連続した凹溝の代わりに、図7(D)のように所定方向に配列された孔83(例えば貫通孔)の列をヨーク板1の所定方向に形成する構成としてもよい。
また、本発明の各実施の形態では、ヨーク板の着磁ヨークに対面する側に溝を設けたが、永久磁石材を固定する側に溝を設けてもよい。あるいは、ヨーク板の両面(両側)に溝を設ける構成でもよい。両面に溝を設ける場合、片面はニュートラルゾーンに沿う溝とし、他面はニュートラルゾーンを横断する溝としてもよい。
さらに、本発明の実施の形態1のVCM装置では、対向する一対のヨーク板と、前記一対のヨーク板の対向面のそれぞれに固定された永久磁石とを有する磁気回路構成を図1で示したが、一対のヨーク板の対向面の少なくとも一方に永久磁石が固定された磁気回路構成であればよい。
以下、本発明を実施例で詳述する。
鉄板製のヨーク板の外形を縦33mm、横70mmの略方形とし、厚みを3.0mmに設定した。このヨーク板にニュートラルゾーンに沿う凹溝(断面方形)を幅1.0mm、深さ2.5mmで形成した。凹溝によって、ヨーク板に流れる着磁磁束を減じ、また極間に発生する渦電流を減少させることができた。
図8(A)のように、着磁ヨーク10,20を備える着磁手段(図3と同構成)において、上記凹溝付きのヨーク板1の片面に、永久磁石材と同じ厚みの非磁性スペーサ80を用い、ヨーク板1と着磁ヨーク20との間にギャップを形成し、着磁ヨーク10にヨーク板の凹溝形成面側を当接し、着磁ヨークのポールピース11と21(又は12と22)を通る中心線上でヨーク板1の磁石接着面側にプローブを置いて空隙中磁束密度Bgを測定した。
測定結果は、図8(B)の表の実施例1の欄、及び同図(C)のグラフの実施例1の線で示される。なお、図8(B)の表の左欄は、コンデンサ着磁器の充電電圧及び放電電流(カッコ内)を示す。
実施例1と同じ材質、外形及び厚みのヨーク板にニュートラルゾーンを横切る方向に凹溝(断面方形)を幅1.0mm、深さ2.5mmで形成した。凹溝によって渦電流発生領域を狭くすることができ、渦電流を低減できた。また、着磁した永久磁石には、前記凹溝に沿って磁極の弱まっている部分が見られたが特性上問題は発生しない程度の変動であった。
実施例1と同様に、図8(A)の構成で空隙中磁束密度Bgを測定した。測定結果は、図8(B)の表の実施例2の欄、及び同図(C)のグラフの実施例2の線で示される。
従来例としては、実施例1と同じ材質、外形及び厚みのヨーク板で溝の無いものを用い、図8(A)の構成で空隙中磁束密度Bgを測定した。測定結果は、図8(B)の表の従来例の欄、及び同図(C)のグラフの従来例の線で示される。
実施例1のニュートラルゾーンに沿う凹溝、及び実施例2のニュートラルゾーンを横切る凹溝を形成した場合には、いずれも溝の無い従来例と比較して5%程度以上、充電電圧(及び放電電流)が低い場合では、10%程度のBg値の向上が見られた。
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
1,61 ヨーク板
2,62 永久磁石
2A,62A 永久磁石材
5 駆動用コイル
6 キャリアアーム
7 サイドプレート
10,20 着磁ヨーク
11,12,21,22 ポールピース
31,32,41,42 着磁コイル
50,52,53,70,72 凹溝
51,71,83 孔
80 U溝
81 V溝
82 小溝
2,62 永久磁石
2A,62A 永久磁石材
5 駆動用コイル
6 キャリアアーム
7 サイドプレート
10,20 着磁ヨーク
11,12,21,22 ポールピース
31,32,41,42 着磁コイル
50,52,53,70,72 凹溝
51,71,83 孔
80 U溝
81 V溝
82 小溝
Claims (6)
- 対向する一対のヨーク板と、前記ヨーク板の対向面の少なくとも一方に固定された平板状永久磁石と、前記ヨーク板の対向面間に移動自在に配された駆動用コイルとを備えたVCM装置であって、
前記ヨーク板の片面又は両面に、前記平板状永久磁石のニュートラルゾーンに沿う方向と該ニュートラルゾーンを横切る方向の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方を形成したことを特徴とするVCM装置。 - 前記永久磁石が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンに沿う径方向の溝又は孔の列である請求項1記載のVCM装置。
- 前記永久磁石が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンを横切る円弧方向の溝又は孔の列である請求項1記載のVCM装置。
- ヨーク板に固定されたVCM用平板状永久磁石材を、複数極の着磁ヨークで挟んで着磁するVCM用永久磁石の着磁方法であって、
前記複数極の着磁ヨークが発生する着磁磁界により前記ヨーク板の渦電流の発生する領域とニュートラルゾーン近傍の少なくとも一方に配される溝か孔の列の少なくとも一方を前記ヨーク板の片面又は両面に形成したことを特徴とするVCM用永久磁石の着磁方法。 - 前記永久磁石材が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンに沿う径方向の溝又は孔の列である請求項4記載のVCM用永久磁石の着磁方法。
- 前記永久磁石材が略扇形状であって、前記溝が前記ニュートラルゾーンを横切る円弧方向の溝又は孔の列である請求項4記載のVCM用永久磁石の着磁方法。
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