JP2007221052A - レーザ装置 - Google Patents

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隆之 薮
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Abstract

【課題】 レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、前記主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電により前記レーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置を対象とし、主放電に伴って発じる音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減させることの可能なレーザ装置の提供を目的とする。
【解決手段】 多孔質材料から成る吸音材を、放電空間からの音響波に晒される反射体に当接させて設け、該吸音材の放電空間に対向する側の気孔率を、反射体に対向する側の気孔率よりも高くしている。
また、多孔質材料から成る吸音材を、放電空間からの音響波に晒される反射体に離隔させて設け、該吸音材の放電空間に対向する側の気孔率を、反射体に対向する側の気孔率よりも高くしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エキシマレーザ装置等の如きパルス発振型のレーザ装置に関し、詳しくは主放電に伴って生じる音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減するための技術に関するものである。
例えば、半導体基板の露光装置における光源用のレーザ装置として、レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、これら主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電によりレーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
図4は、上述した如きパルス発振型ガスレーザ装置の1つの従来例を示しており、このレーザ装置Aにおいては、レーザガスを封入したレーザチャンバBの内部に、主電極である一対のカソードCとアノードDとを相対向させて設置している。
上記カソードCは、絶縁材料から成るカソードベースCbに固定されており、該カソードベースCbをレーザチャンバBの開口Boに嵌合させて固定することで、上記レーザチャンバBの内部における上方に固設されている。
上記アノードDは、リターンプレートE、Eを介してレーザチャンバBと電気的に接続されたアノードベースDbに固定されており、上述したカソードCと該カソードCの下方に設置されたアノードDとの間に放電空間Sが画成されている。
上記カソードCは、高圧電源(図示せず)の高圧側に接続されている一方、上記アノードDおよびレーザチャンバBは、高圧電源(図示せず)の接地側に接続されており、カソードCとアノードDとの間に高電圧を印加して、放電空間Sにパルス状の主放電を起こすことで、レーザ光が発振されることとなる。
また、上記レーザチャンバBの内部には、放電空間Sのレーザガスを予備電離させるコロナバー(予備電離電極)F、Fが、アノードD(アノードベースDb)の側方に並設されており、上記コロナバーFの外周(誘電体)には、リターンプレートEと共にアノードベースDbに固定された端子Gの先端が当接している。
さらに、上記レーザチャンバBの内部には、クロスフローファンHと、冷却用のラジエータIとが設置されており、上記クロスフローファンHの動作によって、レーザガスがレーザチャンバBの内部を矢印h、i、jの如く循環することで、主放電によって生じた電離物質等が、レーザガスの流れによって放電空間Sから排除されるとともに、放電によって加熱されたレーザガスは、レーザチャンバBの内部を循環する際、上記ラジエータIを通過することにより冷却される。
特開2003−60270号公報
ところで、上述した如き従来のレーザ装置において、主放電の際に音響波が発生することは良く知られており、この音響波がレーザチャンバの内部における様々な箇所で反射して放電空間に戻り、この放電空間におけるレーザガス密度が揺らぐ等の乱れを生じることで、レーザ成分やスペクトル出力等のレーザ性能に悪影響を招来する不都合があった。
そこで、図4に示す従来のレーザ装置Aでは、放電空間Sからの音響波に晒されるレーザチャンバB、すなわち音響波を跳ね返す反射体としてのレーザチャンバBの内面に、例えばアルミナ(AlO)等の多孔質材料から形成した吸音材Qを取り付け、この吸音材QによってレーザチャンバBからの音響波の反射を抑えるよう構成されている。
しかし、従来のレーザ装置Aに使用されている吸音材Qは、全体に亘って気孔率が均一に形成されているため、吸音材Qにおける気孔率の大小に起因して、以下の如き不都合を招来していた。
すなわち、図5(a)に示す如く、レーザチャンバBの内面Baに取り付けられた吸音材Qの気孔率が低い場合、放電空間Sから放出されて矢印Waの如く吸音材Qに到達した音響波は、その大部分が矢印Wrの如く吸音材Qの表面Qaで反射され放電空間Sに戻ることとなる。なお、吸音材Qに到達した音響波の一部は矢印Tの如く吸音材Qの内部を透過したのち、矢印Wbの如くレーザチャンバBの内面Baにおいて反射される。
一方、図5(b)に示す如く、レーザチャンバBの内面Baに取り付けられた吸音材Qの気孔率が高い場合、放電空間Sから放出されて矢印Waの如く吸音材Qに到達した音響波は、その大部分が矢印Tの如く吸音材Qの内部を透過して、レーザチャンバBの内面Baで反射されて放電空間Sに戻ることとなる。なお、吸音材Qに達した音響波の一部は矢印Wrの如く吸音材Qの表面Qaにおいて反射される。
このように、レーザチャンバBの内面Baに、気孔率の均一な吸音材Qを取り付けた構成では、上記吸音材Qにおける気孔率の大小に関わらず、放電空間Sへの音響波の反射を抑えることは難しく、もってレーザ性能に悪影響を招いてしまう不都合を免れなかった。
本発明は、上述した如き実状に鑑みて、レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、これら主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電によりレーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置を対象とし、主放電に伴って発じる音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減させ得るレーザ装置の提供を目的とするものである。
請求項1の発明に関わるレーザ装置は、レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、これら主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電により、レーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置において、多孔質材料から成る吸音材を、放電空間からの音響波に晒される反射体に当接させて設けるとともに、吸音材における放電空間に対向する側の気孔率を、反射体に対向する側の気孔率よりも高くしたことを特徴としている。
請求項2の発明に関わるレーザ装置は、レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、これら主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電により、レーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置において、多孔質材料から成る吸音材を、放電空間からの音響波に晒される反射体に離隔させて設けるとともに、吸音材における放電空間に対向する側の気孔率を、反射体に対向する側の気孔率よりも高くしたことを特徴としている。
請求項1の発明に関わるレーザ装置において、放電空間から放出された音響波は、吸音材における気孔率の高い側に到達すると、その表面において大きく反射されることなく、ほとんどが吸音材の内部に進入することとなる。
また、気孔率の低い側において減衰されつつ進行した音響波は、吸音材に当接している反射体によって反射されたのち、再び吸音材を透過することにより減衰されて放電空間に戻ることとなる。
このように、請求項1の発明に関わるレーザ装置によれば、放電空間と反射体との間に介在させた吸音材の特性により、放電空間に戻る音響波を大幅に減少させることができ、もって主放電に伴う音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減させることが可能となる。
請求項2の発明に関わるレーザ装置において、放電空間から放出された音響波は、吸音材における気孔率の高い側に到達すると、その表面において大きく反射されることなく、ほとんどが吸音材の内部に進入することとなる。
また、気孔率の低い側において減衰されつつ進行した音響波は、吸音材から脱したのち、離隔している反射体に反射して再び吸音体に向かうが、気孔率の低い側の表面において大きく反射され、一部のみが吸音材を透過して放電空間に戻ることとなる。
このように、請求項2の発明に関わるレーザ装置によれば、放電空間と反射体との間に介在させた吸音材の特性により、放電空間に戻る音響波を大幅に減少させることができ、もって主放電に伴う音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減させることが可能となる。
以下、本発明に関わるレーザ装置の構成を、実施例を示す図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明を適用したパルス発振型ガスレーザ装置の一実施例を示しており、このレーザ装置1の基本的な構造は、図4に示した従来のレーザ装置Aに準ずるものである。
すなわち、上記レーザ装置1において、レーザガスを封入したレーザチャンバ2の内部には、主電極である一対のカソード3とアノード4とが相対向して設置されており、これらカソード3およびアノード4は、上記レーザ装置1の長手方向(図1の紙面と直交する方向)に延在している。
上記カソード3は、絶縁材料から成るカソードベース3Bに固定されており、レーザチャンバ2の上方壁2Tに形成した開口2Toに、上記カソードベース3Bを嵌合させて固定することで、上記レーザチャンバ2の内部における上方に固設されている。
上記アノード4は、リターンプレート5、5を介してレーザチャンバ2と電気的に接続されたアノードベース4Bに固定されており、上述したカソード3と該カソード3の下方に配設したアノード4との間には、放電空間Sが画成されている。
因みに、高圧電源(図示せず)の高圧側に接続されているカソード3と、高圧電源(図示せず)の接地側に接続されているアノード4との間に高電圧を印加し、放電空間Sにパルス状の主放電を起こすことでレーザ光が発振される。
上記アノードベース4Bの側方域には、コロナバー(予備電離電極)6、6が、主電極であるアノード4と並行して延設されており、上記コロナバー6は、棒状の内部導電体6Aと該内部導電体6Aを囲繞する管状の外部誘電体6Bとを備えている。
上記コロナバー6の内部導電体6Aは、図示していない高圧電源の高圧側に接続されている一方、上記コロナバー6における外部誘電体6Bは、その外周にリターンプレート5と共にアノードベース4Bに固定された端子7の先端が接触している。
また、上記レーザチャンバ2の内部には、クロスフローファン8とともにラジエータ(図示せず)が設置されており、上記クロスフローファン8の動作によって、レーザチャンバ2の内部におけるレーザガスの循環が行われる。
さらに、放電空間Sからの音響波に晒されるレーザチャンバ2、すなわち音響波を跳ね返す反射体としてのレーザチャンバ2の内面2iには、例えばアルミナ(AlO)の多孔質材料から形成されたチャンバ吸音体(吸音材)10が取り付けられている。
また、放電空間Sからの音響波に晒されるアノードベース4B、すなわち音響波を跳ね返す反射体としてのアノードベース4Bの上面には、例えばアルミナ(AlO)の多孔質材料から形成されたチャンバ吸音体(吸音材)10′、10′が、それぞれアノード4に沿って取り付けられている。
また、放電空間Sと、該放電空間Sからの音響波に晒されるクロスフローファン8、すなわち音響波を跳ね返す反射体としてのクロスフローファン8との間には、例えばアルミナ(AlO)の多孔質材料から形成されたファン吸音体(吸音材)20が、コロナバー6や端子7と共に図示しない態様でアノードベース4Bに取り付けられている。
図2に示す如く、上記チャンバ吸音体10は、放電空間Sに対向する側の放電空間側領域10Aと、反射体であるレーザチャンバ2に対向する側の反射体側領域10Bとの二層構造(多層構造)から成り、放電空間側領域10Aの表面10aを放電空間Sに臨ませ、かつ反射体側領域10Bの表面10bをレーザチャンバ2の内面2iに当接させた状態で、図示していないボルト等の手段を用いてレーザチャンバ2に固定設置されている。
また、多孔質材料から成る上記チャンバ吸音体10は、放電空間Sに対向する側の放電空間側領域10Aにおける気孔率が、レーザチャンバ2の内面2iに対向する側の反射体側領域10Bにおける気孔率よりも高く形成されている。
すなわち、上記チャンバ吸音体10において、放電空間側領域10Aは相対的に反射体側領域10Bよりも気孔率が高く(密度:小、吸音効果:小)、反射体側領域10Bは相対的に放電空間側領域10Aよりも気孔率が低い(密度:大、吸音効果:大)。
いま、図2において矢印Waで示す如く、放電空間Sから放出されてチャンバ吸音体10の表面10aに到達した音響波は、放電空間側領域10Aの気孔率が高いことから、その大部分が矢印Taに示す如く放電空間側領域10Aの内部を透過するとともに、音響波の一部のみが矢印Wrの如く表面10aにおいて反射されることとなる。
チャンバ吸音体10の放電空間側領域10Aを透過した音響波は、矢印Tbの如く反射体側領域10Bに進入し、該反射体側領域10Bの気孔率が低いことから、大きく減衰されつつ透過進行することとなる。
反射体側領域10Bの表面10bに達した音響波は、上記表面10bと接するレーザチャンバ2の内面2iにおいて矢印Wbの如く反射され、再び反射体側領域10Bおよび放電空間側領域10Aを透過することで、さらに減衰されて放電空間Sに戻ることとなる。
このように、多孔質材料から成るチャンバ吸音体10を、反射体であるレーザチャンバ2の内面2iに当接させて設けるとともに、放電空間側領域10Aの気孔率を、反射体側領域10Bの気孔率よりも高くしたことで、レーザチャンバ2に反射して放電空間Sに戻る音響波を大幅に減少させることができ、もって主放電に伴う音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減させることが可能となる。
ここで、上記チャンバ吸音体10における、放電空間側領域10Aおよび反射体側領域10Bの各々の気孔率や肉厚方向の寸法等は、レーザ装置の仕様や要求される性能等、様々な条件に基づいて適宜に設定し得ることは言うまでもない。
また、上述した実施例のチャンバ吸音体10は、放電空間側領域10Aと反射体側領域10Bとの気孔率が異なる一体の多孔性材料から形成されているが、例えば、放電空間側領域10Aに相当する気孔率の多孔性材料と、反射体側領域10Bに相当する気孔率の多孔性材料とを重ね合わせ、レーザチャンバ2の内面2iにボルトで共締めすることにより、上記チャンバ吸音体を構成することも可能である。
さらに、上述した実施例においては、チャンバ吸音体10を放電空間側領域10Aと反射体側領域10Bとの二層構造としているが、空孔率の異なる三層以上の多層構造とし、放電空間側領域から反射体側領域に行く程、空孔率が段階的に低くなるよう形成しても良い。
一方、図1に示した上記ベース吸音体10′は、放電空間Sに対向する側の放電空間側領域10A′と、反射体であるアノードベース4Bに対向する側の反射体側領域10B′との二層構造(多層構造)から成り、放電空間側領域10A′の表面10a′を放電空間Sに臨ませ、かつ反射体側領域10B′の表面10b′をアノードベース4Bの上面に当接させた状態で、図示していないボルト等の手段を用いてアノードベース4Bに固定設置されている。
ここで、上記ベース吸音体10′の具体的な構成および設置態様や、音響波に対する反射/減衰の作用効果は、先に説明したチャンバ吸音体10と基本的に同様であり、このため、カソードベース3Bとアノードベース4Bとの間で反射することにより放電空間Sに現れる音響波を、効果的に減衰させることが可能となる。
一方、図3に示す如く、上記ファン吸音体20は、放電空間Sに対向する側の放電空間側領域20Aと、反射体であるクロスフローファン8に対向する側の反射体側領域20Bとの二層構造(多層構造)から成り、放電空間側領域20Aの端部表面20aを放電空間Sに臨ませ、かつ反射体側領域20Bの端部表面20bをクロスフローファン8から離隔させた状態で、図示していないボルト等の手段を用いてアノードベース(図1中の符号4B参照)に固定設置されている。
また、多孔質材料から成る上記ファン吸音体20は、放電空間Sに対向する側の放電空間側領域20Aにおける気孔率が、クロスフローファン8に対向する側の反射体側領域20Bにおける気孔率よりも高く形成されている。
すなわち、上記ファン吸音体20において、放電空間側領域20Aは相対的に反射体側領域20Bよりも気孔率が高く(密度:小、吸音効果:小)、反射体側領域20Bは相対的に放電空間側領域20Aよりも気孔率が低い(密度:大、吸音効果:大)。
いま、図3において矢印Waで示す如く、放電空間Sから放出されてファン吸音体20の端部表面20aに到達した音響波は、放電空間側領域20Aの気孔率が高いことから、その大部分が矢印Taに示す如く放電空間側領域20Aの内部を透過するとともに、音響波の一部のみが矢印Wrに示す如く端部表面20aにおいて反射されることとなる。
ファン吸音体20の放電空間側領域20Aを透過した音響波は、矢印Tbの如く反射体側領域20Bに進入し、該反射体側領域20Bの気孔率が低いことから、大きく減衰されつつ透過進行することとなる。
反射体側領域20Bの端部表面20bに達した音響波は、矢印Wtの如く端部表面20bから脱したのちクロスフローファン8に向かい、該クロスフローファン8で反射されて矢印Wxの如くファン吸音体20に向かうが、該ファン吸音体20の端部表面20bに到達した音響波は、反射体側領域20Bの気孔率が低いことから、その大部分が矢印Wyに示す如く反射され、一部のみが矢印Wrに示す如くファン吸音体20を透過して更に減衰し、放電空間Sに戻ることとなる。
このように、多孔質材料から成るファン吸音体20を、反射体であるクロスフローファン8と離隔させて設けるとともに、放電空間側領域20Aの気孔率を、反射体側領域20Bの気孔率よりも高くしたことで、クロスフローファン8に反射して放電空間Sに戻る音響波を大幅に減少させることができ、もって主放電に伴う音響波に因るレーザ性能への悪影響を低減させることが可能となる。
また、上述した実施例においては、放電空間Sからの音響波が、ファン吸音体20における放電空間側領域20Aの端部表面20aに到達し、かつクロスフローファン8で反射した音響波が、ファン吸音体20における反射体側領域20Aの端部表面20aに到達する場合を詳述したが、放電空間Sからの音響波が放電空間側領域20Aの外表面に到達し、かつクロスフローファン8で反射した音響波が反射体側領域20Aの外表面に到達する状況であれば、上述したと同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
ここで、上記ファン吸音体20における、放電空間側領域20Aおよび反射体側領域20Bの各々の気孔率や肉厚方向の寸法等は、レーザ装置の仕様や要求される性能等、様々な条件に基づいて適宜に設定し得ることは勿論である。
また、上述した実施例のファン吸音体20は、放電空間側領域20Aと反射体側領域20Bとの気孔率が異なる一体の多孔性材料から形成されているが、例えば、放電空間側領域20Aに相当する気孔率の多孔性材料と、反射体側領域20Bに相当する気孔率の多孔性材料とを突き合わせ、アノードベース4Bにボルトで共締めすることにより、上記ファン吸音体を構成することも可能である。
さらに、上述した実施例においては、ファン吸音体20を放電空間側領域20Aと反射体側領域20Bとの二層構造としているが、空孔率の異なる三層以上の多層構造とし、放電空間側領域から反射体側領域に行く程、空孔率が段階的に低くなるよう形成することも可能である。
なお、上述した各実施例においては、チャンバ吸音体10およびファン吸音体20をアルミナ(AlO)から形成しているが、チャンバ吸音体10やファン吸音体20を構成する多孔質材料としては、実施例に示したアルミナ(AlO)のみならず、例えばアルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、およびステンレス鋼等、レーザガスに対する耐食性を備えた様々な素材の多孔質材料を採用し得ることは勿論である。
また、上述した各実施例においては、放電空間と反射体であるレーザチャンバおよびクロスフローファンとの間に吸音材を介装しているが、実施例に限定されることなく、レーザチャンバやクロスフローファン以外の様々な反射体と放電空間との間に吸音材を介装する構成において、本発明を有効に適用し得ることは言うまでもない。
本発明に関わるレーザ装置の実施例を示す概念的な要部断面図。 図1に示したレーザ装置におけるレーザチャンバの内面に取付けられた吸音材の特性を示す概念図。 図1に示したレーザ装置における放電空間とクロスフローファンとの間に設置された吸音材の特性を示す概念図。 従来のレーザ装置を示す概念的な全体断面図。 (a)および(b)は、従来のレーザ装置における吸音材の特性を示す概念図。
符号の説明
1…レーザ装置、
2…レーザチャンバ(反射体)、
2i…内面、
3…カソード(主電極)、
4…アノード(主電極)、
4B…アノードベース(反射体)、
8…クロスフローファン(反射体)、
10…チャンバ吸音体(吸音材)、
10A…放電空間側領域、
10B…反射体側領域、
10′…ベース吸音体(吸音材)、
10A′…放電空間側領域、
10B′…反射体側領域、
20…ファン吸音体(吸音材)、
20A…放電空間側領域、
20B…反射体側領域、
S…放電空間。

Claims (2)

  1. レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、前記主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電により前記レーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置において、
    多孔質材料から成る吸音材を、前記放電空間からの音響波に晒される反射体に当接させて設けるとともに、前記吸音材における前記放電空間に対向する側の気孔率を、前記反射体に対向する側の気孔率よりも高くしたことを特徴とするレーザ装置。
  2. レーザガスを封入したレーザチャンバの内部に相対向する一対の主電極を設け、前記主電極間の放電空間に生じさせたパルス状の主放電により前記レーザガスを励起してレーザ光を発振させるレーザ装置において、
    多孔質材料から成る吸音材を、前記放電空間からの音響波に晒される反射体に離隔させて設けるとともに、前記吸音材における前記放電空間に対向する側の気孔率を、前記反射体に対向する側の気孔率よりも高くしたことを特徴とするレーザ装置。
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