JP3514981B2 - 固体レーザーの半導体レーザー(ld)励起法 - Google Patents
固体レーザーの半導体レーザー(ld)励起法Info
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に比して活性領域間隔が大きいCW(Continuo
us Wave:一定のレーザー出力で連続動作を行
う)またはパルス動作の高平均出力LD(Laser−
Diode)を励起光源とする固体レーザーにおける高
効率且つ、簡便なLD励起法に関する。
起法において、励起用高平均出力LDの発光面(典型的
な高平均出力LDの活性領域部の幅は約100μm、活
性領域部(CuW又はCuなどの放熱板部分)は約1.
5〜2.0mm)に特別なコートを施さないで固体レー
ザーの励起を行ってきた。代表的な従来例として、図
1、図2にそれぞれLD1台及び、LD2台で励起する
場合のLD励起固体レーザーの構成図を示す。なお、高
平均出力LDとは、レーザーパルスのエネルギーに繰り
返し率を掛け合わせたものであり、従って、高いレーザ
ーパルスのエネルギーを高い繰り返し率で動作可能であ
ることを意味する。
ーザー材料及び、LDの発振波長で高反射コートが施さ
れている反射鏡とで構成される。この構成の場合、固体
レーザー材料中でシングルバスでは吸収されずに透過す
るLD励起光は反射鏡で折り返されるため、LD励起光
は固体レーザー材料中をダブルパスする。
型、高平均出力を目指したものでスラブ型固体レーザー
材料の励起には良く用いられる。この従来例では、LD
2台と固体レーザー材料とで構成される。この構成の場
合、固体レーザー材料中でシングルパスでは吸収されず
に透過するLD励起光を反射させる反射鏡を使うことが
できないため、LD励起光は固体レーザー材料中をシン
グルパスしかできない。
LDにおいて、LD自体の発光スペクトルは約3nm
(FWHM;full width at half
maximum)の広がりをもつ。LD活性領域部を2
次元的に積層している場合には,各層ごとに温度制御す
ると励起密度が低下するため、通常2次元LD全体を水
冷、電子冷却などにより温度制御する。このため、2次
元LD全体の発振波長は約±4nm(FWHM)のばら
つきをもつ。さらにパルス動作時において、パルス発振
中の過渡的な温度上昇は温度制御することはできず、パ
ルス発振中の約3nm(FWHM)の波長シフトは抑制
することができない。従って各LD発光素子は6nm
(FWHM)の発光スペクトル広がりをもつが、2次元
LD全体としては最大14nm(FWHM)の広い発光
スペクトルをもつ。このため、LDの発光スペクトルと
固体レーザー材料の吸収スペクトルとは、完全に一致せ
ず、LD励起光を熱応力破壊限界により制限される限ら
れた吸収長をもつ固体レーザー材料にシングルパスやダ
ブルパスさせただけではLD励起光を十分に固体レーザ
ー材料に吸収させることができない。
均出力100Wを取り出す高平均出力LD励起Nd:Y
AG(Yttrium Aluminium Garn
et:Y3Al5O12)スラブレーザーを考える。Ndイ
オン濃度1.1at.%のNd:YAG結晶を用いると
する。簡単のためNd:YAG結晶に対するLD励起光
の透過率を100%、反射鏡のLD励起光の反射率を1
00%とする。熱応力破壊限界に対する制限から、LD
励起光に対する固体レーザー材料の吸収長(スラブの厚
み)は5mmが限界となる。
与えられる。
dイオン濃度1.1at.%のNd:YAG結晶に対す
る吸収係数はLDの発光スペクトル幅力が4nmのとき
4.5cm-1、LDの発光スペクトル幅が10nmのと
き3.0cm-l、LDの発光スペクトル幅が15nmの
とき2.0cm-1である。
回数に対する吸収効率の計算結果を示す。図3よりLD
励起光を多数回(6パス程度)反射させる場合は、吸収
効率はほぼ100%となり、効率の良い励起を行うこと
ができる。しかし、図1、図2に示すように従来型のL
D励起法では、LD励起光は固体レーザー材料中をシン
グルパスかダブルパスしかできないので吸収効率は10
0%より小さくなりLDの励起エネルギーを効率よく固
体レーザー材料内に蓄積するこができず、レーザー出
力、総合効率の低下を招いたり、固体レーザー材料に吸
収されずに透過するLD励起光をLD自体が吸収し、L
Dに付加的な発熱が生じLDの寿命を短くさせるなどの
欠点があった。
を損失なく固体レーザー材料内に吸収させ、小型、高効
率、長寿命という優れたレーザー動作特性を実現する。
記課題を解決するため、LDの活性領域部を除いたLD
の発光面、具体的には、LDの活性領域部に隣接設置さ
れたCuW(カッパータングステン)やCu(銅)など
の隣接する放熱板面(発行面部の外評面)に、LDの発
振波長で高反射コートまたは、金コートを施す。さら
に、LDの出力ビーム発散角を抑え固体レーザー材料中
でLD励起光を多数回往復できるようにするために、L
D励起光コリメートレンズを各LD発光素子に設けても
良い。
100μmであり、活性領域部間隔(CuWとCuを足
し合わせた幅)は約1.5〜2.0mmであり、LDの
活性領域部に比べて活性領域部間隔(放熱板部)は大き
いので、LDの発光面はLDの発振波長で高反射するミ
ラーのように振る舞い、この発光面により、シングルパ
ス及びダブルパスでは吸収されずに固体レーザー材料を
透過するLD励起光を多数回反射させられる。このよう
にLDの活性領域部を除いたLDの発光面にLD発振波
長で高反射のコーティングを施し、LD励起光をコリメ
ートレンズでコリメートすることにより、固体レーザー
材料に対するLD励起光の吸収効率向上を達成できるよ
うにした。
場合は図4の構成を用いる。図4の構成では、従来例の
図1の構成に対して新たにLD活性領域部を除いたLD
発光面にLDの発振波長で高反射コートまたは、金コー
トを施し、LD励起光コリメートレンズを各LD活性領
域部に設ける。この図4の構成を用いることにより、固
体レーザー材料に吸収されずに透過するLD励起光を損
失無く固体レーザー材料に吸収されるまでLD発光面と
反射鏡間で多数回反射できるようにした。
の構成を用いる。図4の構成と同様に、実施例の図5の
構成では従来例の図2の構成に対して新たにLDの活性
領域部を除いたLD発光面にLDの発振波長で高反射コ
ートまたは、金コートを施し、LD励起光コリメートレ
ンズを各LDの活性領域部に設ける。この図5の構成を
用いることにより、固体レーザー材料に吸収されずに透
過するLD励起光を損失無く固体レーザー材料に吸収さ
れるまでLD発光面間で多数回反射できるようにした。
起光の吸収効率を従来よりも向上させることができるの
で、図1、図2に示すような従来法よりも、より高効
率、高平均出力レーザー動作及び、小型化が可能であ
る。LD自体のLD励起光吸収による付加的な発熱を軽
減できるのでLDの長寿命化に寄与することもできる。
SiO2等の薄膜と高屈折率のTiO2やZrO2等の薄
膜を交互に組み合わせた多層で構成されている。以下
に、本発明を実施例に基づいて説明する。
示されるように、1台のLD1と固体レーザー材料6及
び、固体レーザー材料に吸収されずに透過するLD励起
光を反射させる反射鏡7とで構成される。そのLDと反
射鏡とは固体レーザー材料に対して対称的に配置され
る。
域部4と、これに対して隣接設置されたCu金属2及び
CuW合金3からなる放熱板部(LD発光面部)とが設
けられる。その活性領域部のレーザー出力出射部分に
は、LD励起光コリメートレンズ9が設けられ、そのC
u金属2及びCuW合金3の隣接する面(発光面部の外
表面)には、LDの発振波長で高反射コートまたは金コ
ート8が設けられている。そして、その活性領域部間に
存在する発光面部の幅は、活性領域部の幅に比較して大
きなものである。
の出射されるLD励起光は、レンズ9により発散角が抑
えられた光となり、固体レーザー材料6を透過して反射
鏡7の表面で反射され、再度その反射光が固体レーザー
材料を透過してLD部分の発光面で反射される。このよ
うにして励起光が固体レーザー材料6を透過してLD発
光面と反射鏡間で反射を繰り返す。したがって、本発明
によるレーザーの励起装置では、固体レーザー材料に吸
収されずに透過するLD励起光を損失無く固体レーザー
材料に吸収されるまでLD発光面と反射鏡間で多数回反
射できる。
5に示されるように、2台のLD1とその間に配置され
た固体レーザー材料6とで構成される。そのLDは固体
レーザー材料に対して対称的に配置される。
活性領域部4と、これに対して隣接設置されたCu金属
2及びCuW合金3からなる放熱板部(LD発光面部)
とが設けられる。その活性領域部のレーザー出力出射部
分には、LD励起光コリメートレンズ9が設けられ、そ
のCu金属2及びCuW合金3の隣接する面(発光面部
の外表面)には、LDの発振波長で高反射コートまたは
金コート8が設けられている。そして、その活性領域部
間に存在する発光面部の幅は、活性領域部の幅に比較し
て大きなものである。
4からのLD励起光は、レンズ9により発散角が抑えら
れた光となり、固体レーザー材料6を透過して反対側の
LD部の発光面で反射され、再度反射された光が固体レ
ーザー材料を透過してもとのLD部の発光面に到達して
反射される。このようにして励起光が固体レーザー材料
6を透過して両LD発光面間で反射を繰り返す。したが
って、本発明によるレーザーの励起装置では、固体レー
ザー材料に吸収されずに透過するLD励起光を損失無く
固体レーザー材料に吸収されるまでLD発光面と反射鏡
間で多数回反射できる。
レーザー動作特性の効率を特徴づける主要な物理量であ
る吸収効率を向上でき、同時にLDの付加的な発熱を軽
減できる励起方法を提供するものである。従って、従来
よりも小型で、高効率、長寿命の固体レーザーを実現す
るためのLD励起方法に適している。
体レーザーの構成図である。
体レーザーの構成図である。
する吸収効率の計算結果を示す図である。
D励起固体レーザーの構成図である。
D励起固体レーザーの構成図である。
トが施された反射鏡 8・・・LDの発振波長で高反射コートあるいは金コー
ト 9・・・LD励起光コリメートレンズ
Claims (4)
- 【請求項1】 LDの活性領域部に比して活性領域間隔
が大きいCWまたはパルス動作の高平均出力LDにおい
て、LDの活性領域部を除いたLDの発光面にLDの発
振波長で高反射コートまたは、金コートを施し、活性領
域部にLD励起光コリメートレンズを用いることによ
り、熱応力破壊限界で制限される限られたLD励起光に
対する吸収長をもつ固体レーザー材料中に、LD励起光
を多数回反射させることにより、固体レーザー材料に対
するLD励起光の吸収効率を向上させることを特徴とす
る固体レーザーのLD励起法。 - 【請求項2】 固体レーザー材料中で吸収されずに透過
するLD励起光をLD自体が吸収することに起因するL
Dの付加的な発熱を軽減できることを特徴とする請求項
1に記載の固体レーザーのLD励起法。 - 【請求項3】 固体レーザー材料は希土類イオンをドー
ブした結晶またはガラスとし、LDを励起光源に用いる
ことを特徴とする[請求項1]及び、[請求項2]の固
体レーザーのLD励起方法。 - 【請求項4】 1台のLDと固体レーザー材料及び、固
体レーザー材料に吸収されずに透過するLD励起光を反
射させる反射鏡とで構成され、固体レーザー材料に対し
てLDと反射鏡を対称に配置して励起する、または、固
体レーザー材料に対して対称に配置された2台のLDに
よって励起することを特徴とする請求項1、請求項2及
び請求項3のいずれかに記載の固体レーザーのLD励起
方法。
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JP27157098A JP3514981B2 (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | 固体レーザーの半導体レーザー(ld)励起法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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JP3053273B2 (ja) * | 1991-10-29 | 2000-06-19 | 三菱電機株式会社 | 半導体励起固体レーザ |
JP2778555B2 (ja) * | 1995-10-17 | 1998-07-23 | 日本電気株式会社 | レーザダイオード励起固体レーザ装置 |
US5761233A (en) * | 1996-04-10 | 1998-06-02 | Hughes Electronics Corporation | Monolithic pump cavity and method |
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1998
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