JP2006108134A - 固体レーザ発振器及び発振方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高出力で高ビーム品質が得られるというディスク型レーザ媒質の利点を確保しつつ、レーザ媒質に対する応力負荷を低減することができ、また長期に亘って安定したレーザ光の出力が可能であり、高出力及び高ビーム品質の固体レーザ発振器及び固体レーザ発振方法を提供する。
【解決手段】 ディスク型レーザ媒質2の表裏両面に夫々発振波長光を反射する誘電多層高反射膜2aを形成し、レーザ媒質の上面の中央に、部分的に、発振波長に対する反射を抑制する誘電多層反射防止膜2bからなるレーザ光の取出を形成する。そして、レーザ媒質2の表裏両面に、第1及び第2ヒートシンク1,3を熱的に接触させるように設ける。第2ヒートシンク3の中央には、レーザ光の出力用開口部3aが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスク型レーザ媒質の側面に励起光を入射し、表面の一部からレーザ光を取り出す固体レーザ発振器及び発振方法に関する。
Nd:YAGレーザに代表される固体レーザ発振器は、産業用レーザとして広く実用化されている。この固体レーザ発振器は、近年では、その励起光源としてLD(Laser Diode)を適用することによって、発振効率及び信頼性の面で飛躍的に向上し、広く産業用途としてその適用領域が拡大してきた。しかしながら、これらの固体レーザの中でも広く採用されているロッド型のレーザ媒質は、熱レンズ及び熱複屈折の影響を強く受けるため、特に高出力領域においてビーム品質の面でガスレーザに劣るとされている。そこで、ロッド型の欠点を解消するため、熱影響を受けにくいスラブ型又はディスク型の固体レーザ媒質が提案され、次世代の高出力固体レーザとして注目されてきている。この中で、ディスク型のレーザ発振器は、従来、片面に発振波長に対する全反射膜を施し、これをヒートシンクに半田等を用いて貼り付け、一方、対面側には発振波長に対する反射防止膜を全面に施し、発振波長に対して部分反射膜が施されたカップリングミラーをディスクの全反射膜に対して平行に配置して共振器が構成されている。
また、特許文献1に開示された固体レーザ装置においては、図4に示すように、固体レーザ装置60が、平板状のレーザ媒質61と、レーザ媒質61を挟むように設けられた下側クラッド64及び上側クラッド66と、下側クラッド64の下部に設けられた誘電多層膜68と、誘電多層膜68を介して下側クラッド64の下部に設けられたヒートシンク63と、レーザ媒質61の上方(ヒートシンク63の反対側)に配置された出力ミラー62と、レーザ媒質61を励起する励起光を出力する半導体レーザ65と、半導体レーザ65から出力された励起光を集光し、レーザ媒質61の側面に入射させる集光レンズ群67とを有している。
更に、特許文献2に開示された固体レーザ発振装置においては、図5に示すように、固体レーザ発振装置70が、半導体レーザ71の同軸上に、半導体レーザ71から出力された励起光を集光する集光レンズ72と、円錐形の貫通する開口部を有するスペーサ73と、開口部を有するヒートシンク74と、ヒートシンクに裏面が接触するように搭置されたレーザ媒質75と、フロントミラー76とが配置されている。
特開2000−77750 特開2002−76480
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示す問題点がある。ディスク型レーザ発振器は、熱レンズ及び熱複屈折の影響が少なく高出力で高ビーム品質が得られるために注目されているが、従来のディスク型レーザ発振器は、ディスク型レーザ媒質の一面がヒートシンクに取り付けられているので、このディスク型レーザ媒質とヒートシンクとの間の熱抵抗から生じる温度差が、薄いディスク型レーザ媒質に対して応力負荷を生じさせるという問題点がある。このため、この熱抵抗を極力小さくする必要があるが、ディスクの面積を大きくし、接触面積を増やすことで熱抵抗を軽減させようとすると、ビーム品質が劣化してしまい、高ビーム品質を得るという別の目的に反してしまう。従って、高出力と高ビーム品質とを両立させることは、極めて困難であるといえる。また、前述の熱応力負荷が繰返し生じるような場合、長期的にディスクをヒートシンクに対して保持させ続けることができなくなるという問題点もある。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、高出力で高ビーム品質が得られるというディスク型レーザ媒質の利点を確保しつつ、レーザ媒質に対する応力負荷を低減することができ、また長期に亘って安定したレーザ光の出力が可能であり、高出力及び高ビーム品質の固体レーザ発振器及び固体レーザ発振方法を提供することを目的とする。
本発明に係るディスク型固体レーザ発振器は、ディスク型レーザ媒質と、このレーザ媒質の一方の面に形成され発振波長光を反射する第1誘電多層高反射膜と、前記レーザ媒質の他方の面に形成され発振波長光を反射する第2誘電多層高反射膜と、前記レーザ媒質の他方の面に部分的に形成され発振波長光に対する反射を抑制する誘電多層反射防止膜からなるレーザ光の取出窓と、前記レーザ媒質の前記一方の面に熱的に接触する第1ヒートシンクと、前記レーザ媒質の前記他方の面における前記取出窓を除く領域に熱的に接触し前記取出窓に整合する位置にレーザ光取り出し用のレーザ出力用開口部を設けた第2ヒートシンクとを有することを特徴とする。なお、本発明において、高反射膜とは、特定の波長の光を反射する膜のことであり、通常、99%以上程度の反射率を有している。また、反射防止膜とは、特定の波長の光に対する反射を抑制する膜のことであり、通常、1%以下程度の反射率を有している。但し、本発明において、高反射膜及び反射防止膜を規定する上において、膜の反射率は重要ではなく、本発明は、上記反射率の程度から外れるものも含むが、積極的な部分反射膜は含まず、不安定共振器として機能する高反射膜及び反射防止膜であることが必要である。
この固体レーザ発振器において、前記レーザ媒質の前記一方の面及び他方の面の少なくとも一方は、曲率を有する曲面であることが好ましい。また、前記レーザ媒質は、前記第1及び第2ヒートシンクにより押圧された状態で挟持されていることが好ましい。更に、前記第1及び第2ヒートシンクと前記レーザ媒質との間に、励起光源に対して透明な材質を挟み込むことができる。
本発明に係る固体レーザ発振方法は、固体レーザ発振器の前記レーザ媒質内にその側面から励起光を照射して前記レーザ媒質全体を励起することを特徴とする。
この固体レーザ発振方法において、前記レーザ媒質の側面から入射した前記励起光は、前記レーザ媒質の前記一方の面及び前記他方の面に形成された前記第1及び第2誘電多層高反射膜にて反射して前記レーザ媒質全体を励起する。
本発明においては、ディスク型レーザ媒質の表裏両面(一方の面及び他方の面)に夫々第1及び第2誘電多層高反射膜を形成し、レーザ媒質にその側面から励起光を入射して、第1及び第2誘電多層高反射膜に囲まれたディスク型レーザ媒質内でレーザ発振させる。これにより、ディスク型レーザ媒質の両面で不安定共振器が構成される。この場合に、ディスク型レーザ媒質の両面が共振器ミラーに該当するので、別途共振器ミラーを設けてそのアライメントをする必要がなく、アライメントフリーを得ると同時に部品としてのカップリングミラーが不要となり、低コスト及び省スペースが可能となる。
また、第1及び第2誘電多層高反射膜(夫々レーザ媒質の一方の面及び他方の面)に接するように、夫々第1及び第2ヒートシンクを設ける。そして、前記レーザ媒質の他方の面に部分的に誘電多層反射防止膜を設け、この誘電多層反射防止膜をレーザ光の取出窓としてレーザ光を取出し、第2ヒートシンクのレーザ出力用開口部を介して、レーザ光を外部に出力する。
本発明においては、レーザ媒質の他方の面の一部に誘電多層反射防止膜からなる窓を形成し、前記他方の面の大部分は、誘電多層高反射膜を形成して、この誘電多層高反射膜に接触する第2のヒートシンクを設けたので、レーザ光取出のために必要な窓の部分が極めて小さく、レーザ光出力の取り出しに妨げにならない誘電多層高反射膜の部分が大きいため、レーザ媒質とヒートシンクとの接触面積を、従来のようにレーザ媒質の片面にヒートシンクを設けた場合の約2倍とすることができる。このため、本発明は、熱抵抗を約1/2まで低減させることができ、冷却効率を向上させて、ディスク型レーザ媒質の両面間に生じる温度勾配を低減させることができる。これにより、熱応力の負荷を繰り返し受けることによる長期的な信頼性の低下を防止することができる。また、ディスク型レーザ媒質の一方の面又は両面を曲面とすることにより、両面間に閉じ込められる共振モードも特定され、第2ヒートシンクのレーザ出力用開口部及びレーザ媒質の他方の面のレーザ取出窓の面積との関係でビーム品質が最適化され、高出力と高ビーム品質とを得ることができる。
また、前記ディスク型レーザ媒質の両面に設けられた第1及び第2ヒートシンクにより、前記ディスク型レーザ媒質を挟み込み、これを押圧しながら保持することにより、ヒートシンクとレーザ媒質との接触状態を確実に維持することができ、レーザ媒質がヒートシンクから離れて冷却不安定又は不能になってしまうことを防止できる。これにより、レーザ発振器の長期的な信頼性を向上させることができる。この場合に、ヒートシンクとレーザ媒質との間に、励起光源に対して透明な材質を挟み込むこともできる。
本発明によれば、ディスク型レーザ媒質の両面を利用して不安定型共振器構成をとるために、カップリングミラーの削減と同時にメインテナンスフリーとなる。また、ディスク型レーザ媒質の両面に第1及び第2ヒートシンクを配置するので、レーザ媒質とヒートシンクとの間の熱抵抗値を低減させることができるため、冷却効率が高く、高出力化が可能となる。また、レーザ媒質を第1及び第2ヒートシンクによりその両側から押圧した状態で挟み込むことにより、レーザ媒質がヒートシンクから剥がれにくく、確実にレーザ媒質を冷却することができ、長期的な信頼性が向上する。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係るディスク型固体レーザ発振器の構成を示す断面図、図2は本発明の実施形態に係るディスク型固体レーザ発振器の組み立て斜視図、図3はレーザ発振状態を示す断面図である。
ディスク型固体レーザ発振器は、矩形状のディスク型レーザ媒質2の一方の面(下面)に第1のヒートシンク1が熱的に接触するように設けられ、レーザ媒質2の他方の面(上面)に第2のヒートシンク3が熱的に接触するように設けられており、4個の励起用レーザダイオード(以下、励起用LDという)5から発せられた各励起光が集光レンズ4により集光された後、レーザ媒質の4側面に入射するようになっている。
レーザ媒質2は、矩形状のディスク型をなし、Yb:YAGの結晶又はセラミックスにより成形され、その上面(第2面)は、中央が盛り上がるように、一定の曲率で湾曲した球面又は回転楕円面等の湾曲面となっている。下面(第1面)は、平面であるが、レーザ媒質の両面とも平面でもよく、また、両面とも湾曲面でもよい。更に、下面の方が湾曲面、上面が平面でもよい。更に、レーザ媒質2の材料は、Yb:YAGの結晶又はセラミックスに限らず、種々の材質のものを使用できる。更にまた、本実施形態のレーザ媒質2は、平面視で正方形をなしているが、これに限らず、五角形又は六角形等種々の形状とすることができる。五角形の場合は5カ所から励起光をレーザ媒質に入力させ、六角形の場合は6カ所から励起光をレーザ媒質に入力させることができる。
レーザ媒質2の下面(一方の面)及び上面(他方の面)には、いずれも励起光波長の光及び発振光波長の光を反射する誘電多層高反射膜2aが形成されており、レーザ媒質2の側面には、励起光波長の光に対する反射を抑制する誘電多層反射防止膜2dが形成されている。また、レーザ媒質2の上面(他方の面)の中央の一部には、発振光波長の光に対する反射を抑制する誘電多層反射防止膜2bが形成されており、この誘電多層反射防止膜2bがレーザ光を取り出すための取出窓となる。なお、例えば、レーザ光の取出窓となる誘電多層反射防止膜2bは、発振波長光に対しては、反射しにくく、これを通過させやすい(反射防止)が、励起波長光については、反射しやすく、これを通過させにくい(高反射)膜である。また、レーザ媒質2の側面に設けられた誘電多層反射防止膜2dは、前述の如く、励起光波長は反射しにくいが、発振光波長は反射するものである。発振光波長に対する反射を抑制する誘電多層反射防止膜2bは、円形(図示例)又は方形等の形状を有し、マスキング等の方法によりパターン形成することができる。即ち、この誘電多層反射防止膜2bを形成する領域をマスキングしておいて誘電多層膜を形成することにより高反射膜2aを設け、その後、マスクを除去した後、高反射膜2aの上に新たにマスクを形成し、誘電多層膜を形成することにより反射防止膜2bを設ければよい。このとき、誘電膜の厚さを変更することにより、同一の材質であってもその反射率を高反射膜又は反射防止膜として調整することができる。誘電多層高反射膜2a誘電多層膜の材質としては、MgO、CaF及びSiO等があるが、本発明の誘電多層膜は、これらの材料に限らず、種々の材料を使用することができる。
第1ヒートシンク1は、その上面が平面であり、平面状のレーザ媒質2の一方の面(下面)の全域でレーザ媒質2と熱的に接触している。一方、第2ヒートシンク3はその下面が、レーザ媒質2の上面と同一の曲率であるが、レーザ媒質2の上面とは異なり凹状に湾曲した湾曲面である。このため、第2ヒートシンク3はレーザ媒質2の上面と誘電多層高反射膜2aを介して物理的に接触して、熱的にレーザ媒質2と接触している。第2ヒートシンク3における誘電多層反射防止膜2bからなるレーザ取出窓に整合する位置に、貫通孔からなるレーザ出力用開口部3aが形成されている。なお、第1及び第2ヒートシンク1,3の材質は、通常、銅又は銅合金であるが、アルミニウム又はアルミニウム合金等、熱伝導性が良好な種々の金属又は合金を使用することができる。これらの第1及び第2ヒートシンク1,3は、ペルチェ素子により冷却することができる。又は、ヒートシンクを水冷して抜熱することもできる。
4個の集光レンズ4は、ディスク型レーザ媒質2の4個の各側面に対向する位置に設けられており、励起用レーザダイオード(LD)5から出力された励起光を集光して、ディスク型レーザ媒質の側面に入射させる。また、励起用レーザダイオード5は、励起用レーザダイオード5の出射面が集光レンズ4に対向する位置に設けられている。
ディスク型レーザ媒質2とヒートシンク1,3との間は、インジウム半田等の低温半田により直接接合するか、又は側面励起のために励起光に対して透明でかつ熱伝導率が高い例えばノンドープのYAG結晶からなる膜をレーザ媒質2とヒートシンク1,3との間に介装してヒートシンク1,3によりレーザ媒質2を挟み込むことによりレーザ媒質2を保持しても良い。この場合に、第1ヒートシンク1及び第2ヒートシンク3を相互に近づく方向に押圧して保持することにより、第1ヒートシンク1及び第2ヒートシンク3がディスク型レーザ媒質2を上下から挟み込み、レーザ媒質2を押圧した状態で挟持することになる。これにより、レーザ媒質2と第1及び第2ヒートシンク1,3との間の接触熱抵抗を低減することができると共に、レーザ媒質2と第1及び第2ヒートシンク1,3との間が離隔することを防止することができ、冷却不安定による長期的な信頼性の低下を防止することができる。
次に、本実施形態の固体レーザ発振器の動作(レーザ発振方法)について説明する。先ず、4個の励起用レーザダイオード(LD)5から励起光5aを出射し、夫々集光レンズ4により集光した後、レーザ媒質2の4個の側面から励起光5aをレーザ媒質2内に入射させる。励起光に対する誘電多層膜の機能からみると、図3に示すように、レーザ媒質2の表裏両面が励起光波長に対する反射率が高い誘電多層高反射膜2cで覆われ、側面が励起光に対する反射率が低い誘電多層反射防止膜2dで覆われていることになり、励起光はレーザ媒質2内には殆ど反射損失がなく入射し、レーザ媒質2内で、レーザ媒質2の表裏両面の誘電多層高反射膜2cの間で全反射してジグザグ状に反射を繰り返し、この間に、レーザ媒質2内に効率よく吸収される。これにより、ディスク型レーザ媒質2内にドープされたイオンのエネルギー準位が低いエネルギー準位から高いエネルギー準位に遷移し、誘導放出により発振波長の光が発生する。誘導放出によって発生した発振波長の光は、ディスク型レーザ媒質2の一方の面に形成された発振波長に対する反射率が高い誘電多層高反射膜2aと、レーザ媒質2の他方の面に形成された発振波長に対する反射率が高い誘電多層高反射膜2aとで構成される不安定共振器によって増幅され、発振波長に対する反射率が低い誘電多層反射防止膜2bからなる取出窓を透過してレーザ光が取り出され、ヒートシンク3のレーザ出力用開口部3aを介してレーザ出力6が得られる。
本実施形態においては、レーザ媒質2の表裏両面にヒートシンク1,3が設けられていて、レーザ媒質2の熱を表裏両面から抜熱しているので、レーザ媒質2とヒートシンク1,3との接触面積を従来のようにヒートシンクをレーザ媒質の片面にのみ接触させた場合に比して、約2倍にすることができ、レーザ媒質2とヒートシンク1,3との間の熱抵抗をほぼ半減することができる。このため、レーザ媒質2とヒートシンクとの界面に対する熱応力の負荷により生じる長期的な信頼性の低下を回避することができる。
また、ディスク型レーザ媒質の両面が共振器ミラーに該当するので、別途共振器ミラーを設けてそのアライメントをする必要がなく、カップリングミラーが不要となるため、低コスト及び省スペースが可能となる。
更に、ディスク型レーザ媒質の一方の面又は両面を曲面とすることにより、両面間に閉じ込められる共振モードも特定され、第2ヒートシンクのレーザ出力用開口部及びレーザ媒質の他方の面のレーザ取出窓の面積との関係でビーム品質が最適化され、高出力と高ビーム品質とを得ることができる。
また、前記ディスク型レーザ媒質の両面に設けられた第1及び第2ヒートシンクにより、前記ディスク型レーザ媒質を挟み込み、これを押圧しながら保持することにより、ヒートシンクとレーザ媒質との接触状態を確実に維持することができ、レーザ媒質がヒートシンクから離れて冷却不安定又は不能になってしまうことを防止できる。これにより、レーザ発振器の長期的な信頼性を更に向上させることができる。
更にまた、本実施形態ではディスク型レーザ媒質2の上面(他方の面)が、曲率を有する球面又は回転楕円面状に湾曲しているが、これは、レーザ媒質2の中心部にレーザ光出射のために用意された反射防止膜2bの窓に対して、外側から内側へ向かう光路での発振モードと内側から外側へ向かう光路での発振モードに差をつけ、外側から内側へ向かう光路での発振モードの方が多くなるようにして、発振波長光の光路を反射防止膜2bからなる取出窓に集中させるためである。この曲率と反射防止膜による開口窓の大きさとの選定により、レーザ出力及びビーム品質の関係が最適化される。
本発明は、高出力及び高ビーム品質を必要とする産業用レーザに適用することができる。
本発明の実施形態に係るディスク型レーザ発振器の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態のディスク型発振器の組み立て方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態のディスク型レーザ発振器の励起方法を示す断面図である。 従来の固体レーザ発振装置を示す図である。 従来の固体レーザ発振装置を示す図である。
符号の説明
1:ヒートシンク
2:ディスク型レーザ媒質
2a:発振波長に対する反射率が高い誘電多層高反射膜
2b:発振波長に対する反射率が低い誘電多層反射防止膜
2c:励起光に対する反射率が高い誘電多層高反射膜
2d:励起光に対する反射率が低い誘電多層反射防止膜
3:ヒートシンク
3a:レーザ出力用開口部
4:集光レンズ
5:励起用LD
5a:励起光
6:レーザ出力
60:固体レーザ装置
63、74:ヒートシンク
64:下側クラッド
65:半導体レーザ
66:上側クラッド
67:集光レンズ群
68:誘電多層膜
70:固体レーザ装置
72:集光レンズ
73:スペーサ
76:フロントミラー

Claims (6)

  1. ディスク型レーザ媒質と、このレーザ媒質の一方の面に形成され発振波長光を反射する第1誘電多層高反射膜と、前記レーザ媒質の他方の面に形成され発振波長光を反射する第2誘電多層高反射膜と、前記レーザ媒質の他方の面に部分的に形成され発振波長光に対する反射を抑制する誘電多層反射防止膜からなるレーザ光の取出窓と、前記レーザ媒質の前記一方の面に熱的に接触する第1ヒートシンクと、前記レーザ媒質の前記他方の面における前記取出窓を除く領域に熱的に接触し前記取出窓に整合する位置にレーザ光取り出し用のレーザ出力用開口部を設けた第2ヒートシンクとを有することを特徴とする固体レーザ発振器。
  2. 前記レーザ媒質の前記一方の面及び他方の面の少なくとも一方は、曲率を有する曲面であることを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ発振器。
  3. 前記レーザ媒質は、前記第1及び第2ヒートシンクにより押圧された状態で挟持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体レーザ発振器。
  4. 前記第1及び第2ヒートシンクと前記レーザ媒質との間に、励起光源に対して透明な材質が挟み込まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載された固体レーザ発振器の前記レーザ媒質内にその側面から励起光を照射して前記レーザ媒質全体を励起することを特徴とする固体レーザ発振方法。
  6. 前記レーザ媒質の側面から入射した前記励起光は、前記レーザ媒質の前記一方の面及び前記他方の面に形成された前記第1及び第2誘電多層高反射膜にて反射して前記レーザ媒質全体を励起することを特徴とする請求項5に記載の固体レーザ発振方法。
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