JP2007220758A - チップ型電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品にダメージを与えることなく、外装樹脂の樹脂バリを除去する作業が容易であり、しかも、高品質のチップ型電子部品を高い製造歩留まりで製造することが可能であるチップ型電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】素子本体5を金型80,82のキャビティ84内に配置する。キャビティ84内に樹脂を注入する。樹脂を完全に硬化させる前の状態で、当該樹脂を半硬化の外装樹脂部30として素子本体5に一体化する。半硬化の外装樹脂部30が一体化された素子本体5に形成された樹脂バリを除去する。その後に、樹脂バリが除去された素子本体5に一体化してある半硬化の外装樹脂部30を完全に硬化(キュア)させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、チップ型電子部品の製造方法に係り、さらに詳しくは、部品にダメージを与えることなく、外装樹脂の樹脂バリを除去する作業が容易であり、しかも、高品質のチップ型電子部品を高い製造歩留まりで製造することが可能であるチップ型電子部品の製造方法に関する。
チップ型電子部品の一例として、たとえば下記の特許文献1に示すコイルチップ部品が知られている。
このコイルチップ部品では、フェライトコアの巻芯部の外周に形成してある外装樹脂部の外周面を、端部電極の外周からはみ出さないように研磨している。特許文献1の段落番号0011には、外装樹脂部の外周面を研磨することにより、電子部品の吸着を良好に行えると共に基板上の安定性も向上する旨が記載されている。
しかしながら、特許文献1に示すコイルチップ部品では、外装樹脂部は、コイル部の外周のみを覆い、コア部の両端に形成してある鍔状のフランジの外周は被覆していない。このため、外装樹脂部とコア部のフランジとの間の隙間から水分などの異物が入り込みやすいという課題を有する。
そこで、下記の特許文献2の図13(B)に示すように、コイル部の外周のみではなく、コア部の両端に形成してある鍔状のフランジの外周も含めて部品の全周囲を外装樹脂部で被覆する構造も提案されている。
しかしながら、特許文献2に示すコイルチップ部品の構造では、コア部の両端に形成してあるフランジの外周も含めて部品の全周囲を外装樹脂部で被覆するために、端部電極とコイルの継線部との接続が不十分になりやすい。また、端部電極と外装樹脂部との接合強度も低下しやすい。
上述した特許文献1および2に示すコイルチップ部品などを含めて、チップ型電子部品では、その製造の過程において、部品本体に対して外装樹脂を一体化する工程を必要とする。そして、たとえば外装樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、射出成形などで部品本体に対して外装樹脂を一体化した後に、金型から取り出した外装樹脂付き部品に熱処理(キュア処理)を施し、外装樹脂を完全に硬化させる。その後に、外装樹脂付き部品に形成された樹脂バリを、たとえばブラスト処理により除去し、製品化している。
金型から取り出した外装樹脂付き部品に熱処理(キュア処理)を施し、外装樹脂を完全に硬化させた後に、樹脂バリを除去する工程は、たとえば下記の特許文献3に記載してある。この特許文献3に記載の方法は、固体電解コンデンサの製造方法であるが、この文献に記載の工程順序で、コイルチップ部品における樹脂バリの除去を行うと、樹脂バリの除去が不完全となるおそれがあった。また、樹脂バリの除去を完全に行うために、たとえばブラスト処理の強度を上げると、樹脂バリの除去は完全に行えるが、外装樹脂と共に外部に露出している電極面にダメージが残ると言う課題を有している。
特開平10−163033号公報 特開平10−172853号公報 特開平9−246114号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、部品にダメージを与えることなく、外装樹脂の樹脂バリを除去する作業が容易であり、しかも、高品質のチップ型電子部品を高い製造歩留まりで製造することが可能であるチップ型電子部品の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るチップ型電子部品の製造方法(樹脂バリ除去方法)は、
部品本体を金型のキャビティ内に配置する工程と、
前記キャビティ内に樹脂を注入する工程と、
前記樹脂を完全に硬化させる前の状態で、当該樹脂を半硬化外装樹脂として前記部品本体に一体化する工程と、
前記半硬化外装樹脂が一体化された前記部品本体に形成された樹脂バリを除去する工程と、
樹脂バリが除去された前記部品本体に一体化してある前記半硬化外装樹脂を完全に硬化させる工程とを有する。
本発明に係るチップ型電子部品の製造方法によれば、樹脂を完全に硬化させる前の半硬化外装樹脂が一体化された部品本体に形成された樹脂バリを除去する。そのため、樹脂バリは容易且つ短時間で除去され、樹脂バリの除去効率が向上する。
また、樹脂バリ除去に要する部品本体に対する負荷も低減されるために、外装樹脂では覆われていない部品本体にダメージが生じることを効果的に低減することができ、不良品の発生を抑制することができる。したがって、高品質のチップ型電子部品を高い製造歩留まりで製造することが可能になる。
好ましくは、前記樹脂バリを除去した後で、前記半硬化外装樹脂を完全に硬化させる前に、前記半硬化外装樹脂が一体化された前記部品本体を洗浄する。樹脂を完全に硬化させる前の半硬化外装樹脂が一体化された部品本体を洗浄することで、樹脂バリなどのゴミを容易に洗浄することができ、洗浄効率も向上する。
また、洗浄後に、完全硬化処理(キュア処理)を行うことで、キュア処理が、洗浄時の洗浄液の乾燥工程を兼ねることも可能であり、工程の削減に寄与する。また、洗浄後にキュア処理を行うことで、外装樹脂部に浸透していた洗浄液を完全に揮発することが可能であり、そのために外装樹脂部の強度が向上し、ハンダ熱によりクラックなども防止することができる。
好ましくは、前記樹脂バリを除去した後で、前記半硬化外装樹脂を完全に硬化させる前に、前記半硬化外装樹脂が一体化された前記部品本体の外観検査を行う。外観検査により、外装樹脂では覆われていない部品本体の表面(たとえば電極表面)のバリ残りや、部品本体のダメージを検査することができる。外装樹脂が完全に硬化する前の工程において外観検査を行うことで、バリ残り部品に対する再バリ取り処理が容易である。
本発明において、「樹脂を完全に硬化させる前の状態」としては、特に限定されず、樹脂の全体が半硬化状態でも良いし、樹脂の外表面のみは、かなり硬化しており、前記樹脂の内部は完全には硬化していない状態でも良い。いずれにしても、「樹脂を完全に硬化させる前の状態(半硬化状態)」とは、その後の工程において、製品とするためには樹脂を完全に硬化させるための工程を必要とする状態である。
ただし、本発明では、好ましくは、前記樹脂バリを除去する前の時点では、前記半硬化外装樹脂の外表面は、ビッカース硬度で、18〜22である。表面の硬さが低すぎる場合には、金型から製品を取り出しにくいと共に、バリ取り除去作業により、外装樹脂の表面にダメージが生じるおそれがある。また、表面の硬さが高すぎる場合には、バリ取り作業が煩雑になる傾向にある。
好ましくは、前記金型のキャビティ内に注入される樹脂は熱硬化性樹脂である。熱硬化樹脂である場合に、本発明の半硬化状態を作り出しやすいからである。
好ましくは、前記樹脂バリの除去は、ブラスト処理により行う。ブラスト処理は、たとえば100μm以下程度の多数のプラスチック球を対象物に向けて吹き付けることにより行われ、吹き付ける圧力などを調整することにより、半硬化状態の樹脂バリを容易に除去することができ、しかも、部品本体に対するダメージが少ない。
好ましくは、前記部品本体が、
巻芯部の軸方向両端に一対のフランジを有するコア部と、
前記巻芯部の周囲に巻回してあるワイヤと、を有するコイルチップ部品本体である。
たとえば、本発明に係るチップ型電子部品は、
巻芯部の軸方向両端に一対の角形フランジを有するコア部と、
前記巻芯部の周囲に巻回してあるワイヤと、
各フランジの外周に位置する前記ワイヤの継線部を途中まで被覆する樹脂製フランジ被覆部と、
前記フランジ被覆部と一体に形成され、前記巻芯部の周囲に巻回してあるワイヤの周囲を被覆し、少なくとも一面に平坦面を有する外装樹脂部と、
前記ワイヤの継線部と接続するように、前記フランジの端面から当該フランジの外周面を直接に覆うと共に、前記外装樹脂部のフランジ被覆部を覆うように形成してある一対の端部電極と、を有し、
前記外装樹脂部の平坦面が吸着面となることを特徴とする。
このようなチップ型電子部品では、外装樹脂部の一部となる樹脂製フランジ被覆部が、フランジの外周に位置するワイヤの継線部を途中まで被覆する。そして、端部電極は、ワイヤの継線部と接続するように、フランジの端面から当該フランジの外周面を直接に覆うと共に、外装樹脂部のフランジ被覆部を覆う。このため、外装樹脂部とコア部のフランジとの間の隙間は、良好に密封されると共に、端部電極とワイヤの継線部との接続が十分に確保され、端部電極と外装樹脂部との接合強度が高い。
しかも、このタイプのチップ型電子部品では、端部電極により覆われていない外装樹脂部の平坦面が吸着面となり、特に小型で軽量のチップ型電子部品であっても、吸引力で吸着する吸着ノズルにより良好に吸着保持が可能である。
好ましくは、前記端部電極により被覆されていない前記外装樹脂部の平坦部における軸方向長さが、電子部品の全長の30〜70%の長さである。このような軸方向長さを有する外装樹脂の平坦部は、吸着ノズルにより良好に吸着保持が可能である。
好ましくは、前記端部電極の厚みが8μm以下である。このような厚みの端部電極は、メッキ法などで形成される。このように端部電極の厚みが薄いことで、吸着ノズルの端が端部電極の上に位置したとしても、吸着ノズルにより吸着作用はそれほど低下せず、十分な吸着力で部品を保持することができる。
好ましくは、各端部電極の外周面には、周方向に連続する段差状凹部が形成してある。段差状凹部を形成することで、特に小型で軽量のチップ型電子部品の実装に際して、ハンダのリフロー時に、その電子部品の両端に形成してある端部電極の底面に形成してある段差状凹部にハンダが入り込む。その段差状凹部は、端部電極の周方向に連続して形成してあるために、ハンダの回り込み量も十分に確保することができる。その結果、いわゆるツームストーン現象を効果的に防止することができ、実装不良を防止することができる。
また、本発明の好ましいチップ型電子部品の製造方法は、
巻芯部の軸方向両端に一対の角形フランジを有するコア部を準備する工程と、
前記巻芯部の周囲にワイヤを巻回してコイル部を形成する工程と、
前記フランジの外周に、前記ワイヤの継線部を形成する工程と、
ワイヤが巻回してあるコア部を、金型の中に、軸方向に少なくとも一列に配置し、隣接するコア部におけるフランジの端面同士が接触し、しかも、これらフランジの接触する端面のフランジ外周に前記金型の保持用凸部を接触させ、前記コイル部の外周および前記フランジ部の外周にキャビティを形成する工程と、
前記キャビティに樹脂を注入し、各フランジの外周に位置する前記ワイヤの継線部を途中まで被覆する樹脂製フランジ被覆部と、当該フランジ被覆部と一体に形成され、前記コイル部の周囲を被覆し、少なくとも一面に平坦面を有する外装樹脂部とを成形する工程と、を有し、
前記外装樹脂部を形成する際に、上述した本発明に係る樹脂バリ除去方法を適用することを特徴とする。
この方法では、金型の形状を工夫するのみで良く、コア部自体に加工する必要はない。そのため、コア部の体積が減少することはなく、電子部品としての性能には全く影響しない。しかも、一回の樹脂成形により、外装樹脂部の一部となる樹脂製フランジ被覆部が、フランジの外周に位置するワイヤの継線部を途中まで被覆する構造を持つ樹脂成形品を一度に多数製造することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るチップ型電子部品としてのコイルチップ部品の縦断面図、
図2(A)は本発明の一実施形態に係るコイルチップ部品の製造方法を示す工程図、図2(B)は従来例に係るコイルチップ部品の製造方法を示す工程図、
図3は図1に示すコイルチップ部品の製造過程を示す金型と部品の縦断面図、
図4は図3に示すIV−IV線に沿う金型と部品の横断面図、
図5は図1に示すコイルチップ部品の要部断面図、
図6は図1に示すコイルチップ部品を吸着ノズルで吸着している状態を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るチップ型電子部品としてのコイルチップ部品2は、コア部(芯材)としてのドラムコア4を有する。ドラムコア4は、フェライト材料で構成してある。ドラムコア4は、コイル部10を構成するワイヤ10aが、コア4の軸方向に沿って巻回してある巻芯部4aを有する。
巻芯部4aの軸方向の両端である第1端部および第2端部には、それぞれ第1フランジ4bおよび第2フランジ4cが一体に形成してある。第1フランジ4bおよび第2フランジ4cの外形寸法は、巻芯部4aの外径寸法よりも大きくなっている。
巻芯部4aの横断面は、特に限定されず、長方形断面、円形断面、あるいは、その他の断面形状であっても良い。第1フランジ4bおよび第2フランジ4cの横断面形状は、長方形断面などの角形形状である。第1フランジ4bおよび第2フランジ4cは、同じサイズであり、たとえば縦が0.82mm、横が0.30mm程度である。また、巻芯部4aの外径は、0.42mm程度である。ドラムコア4の軸方向全長(部品2の全長と略同じ)L0は、1.637mm程度である。
図1に示すように、コイル部10を構成するワイヤ10aの両端に形成してある継線部10bおよび10cは、各フランジ4bおよび4cの外周位置において、下地電極層20と接続される。ワイヤ10aの継線部10bおよび10cは、下地電極層20が形成された後に、各フランジ4bおよび4cの外周に熱圧着などの手段で固定され、これらの継線接続が確保される。
下地電極層20は、1層目が1.0〜2.0μmの無電解Niメッキ、2層目が1.0〜2.0μmの電解Niメッキである。
下地電極層20と継線部10bおよび10cが接続された後、図2(A)に示すステップS1にて、コイル部10が形成してある巻芯部4aの外周凹部に、樹脂をモールド成形して外装樹脂部30が形成される。外装樹脂部30を構成する樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂が例示されるが、好ましくは、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ系とジアリル系の混合樹脂などの熱硬化性樹脂が良い。
外装樹脂部30は、たとえば図3および図4に示す金型80および82を用いて成型される。図3および図4に示すように、金型80および82が閉じることにより形成される複数のキャビティ84の内部に、コイル部10が形成してある継線済のドラムコア4を、隣接するドラムコア4の第1フランジ4bの端面が、隣のドラムコア4の第2フランジの端面に接触するように、軸方向に並んで配置する。
金型80および82には、隣接して配置されたドラムコア4の第1フランジ4bと第2フランジ4cとの接触部外周を保持する保持用凸部86が形成してあり、その両側に、図1に示す樹脂製フランジ被覆部30aを形成するための周方向隙間88が形成してある。周方向隙間88は、キャビティ84に連通してあり、樹脂注入口85からキャビティ84に樹脂を射出して成形し、金型80,82を開くことで、図1に示すフランジ被覆部30aを有する外装樹脂部30が一体化された複数の素子本体5が得られる。外装樹脂部30の4側面は、それぞれ平坦面である。
各素子本体5の外装樹脂部30の外径寸法は、第1フランジ4bおよび第2フランジ4cの外形寸法(コア部の最大外形寸法)よりも大きくなり、第1フランジ4bおよび第2フランジ4cの外周には、所定厚みのフランジ被覆部30aが形成される。フランジ被覆部30aは、外装樹脂部30と一体に成型され、フランジ部4b,4cの外周を、内側から外側に向けて軸方向途中位置まで覆うように形成してある。
このフランジ被覆部30aの厚みは、後述する段差状凹部50の深さH1に対応する。また、このフランジ被覆部30aの軸方向の長さは、後述する段差状凹部50の軸方向幅(W1)を適切に調整するように決定される。
外装樹脂部30が形成された後に、素子本体5(外装樹脂部付きドラムコア4)を金型80および82から取り出す。なお、金型80および82による成形条件は、樹脂の種類によっても異なるが、樹脂が完全に硬化する前の段階で、金型80および82の型開きを行い、製品を取り出す。具体的には、外装樹脂部30がジアリルフタレート樹脂である場合には、金型温度は、160°Cであり、金型内への樹脂充填完了から型開きまでの時間が1分間である。このような条件では、外装樹脂部30は、半硬化状態である。
外装樹脂部30が形成された後に、一般的な方法では、図2(B)に示すように、外装樹脂部30のキュア処理(ステップS5)を行い、その後に、ブラスト処理を行い、下地電極層20の表面に形成された樹脂バリの除去を行う。しかしながら、本発明の実施形態では、図2(A)に示すように、外装樹脂部30が形成された後には、外装樹脂部30のキュア処理(ステップS5)を行うことなく、ブラスト処理(ステップS2)を行い、下地電極層20の表面に形成された樹脂バリの除去を行う。
ブラスト処理は、たとえば100μm以下程度のプラスチック球を、対象物としての素子本体5に吹き付け、樹脂バリを除去するための処理である。ブラスト処理時に用いるプラスチック球としては、たとえばナイロン、ポリカーボネートなどの樹脂が用いられる。プラスチック球の吹き付け圧力は、樹脂バリが除去されるが、下地電極層20および外装樹脂部30の外面にダメージを与えないように決定される。
図2(A)に示すように、ブラスト処理の後には、ステップS3にて、外観検査が行われる。外観検査では、下地電極層20の表面における樹脂バリ残りがないかを検査すると共に、下地電極層20の剥がれなどのダメージがないかなどの検査を行う。そして不良品がある場合には、その不良品は、再処理工程に送られ、再度、ブラスト処理される。あるいは、その他の再処理が成される。再処理されても良品にならない場合には、廃棄処分となる。
ステップS3における外観検査で良品とされたもののみが、ステップS4における洗浄工程に送られる。洗浄工程では、洗浄液として、たとえばアセトンなどを用いて、素子本体5が洗浄され、ブラスト処理時に用いたメディア残りや、ゴミなどが取り除かれる。洗浄は、メッシュなどに素子本体5を入れ、洗浄液中で30〜150秒程度の時間で洗浄する。
その後に、本実施形態では、ステップS5にて、半硬化外装樹脂を完全に硬化させるためのキュア処理を行う。キュア処理時の雰囲気温度は、樹脂成形時の金型温度と同程度であることが好ましく、たとえば160°Cである。また、キュア処理の処理時間は、好ましくは1〜10時間程度である。
金型80および82から取り出した後の半硬化状態の外装樹脂部30の表面におけるビッカース硬度は、22以下程度であり、キュア処理後の外装樹脂部30の表面におけるビッカース硬度は、28以上であり、キュア処理後で、約25%以上、硬度が向上する。
その後に、素子本体5の軸方向両端部に、一対の端部電極40を形成することで、コイルチップ部品2が得られる。端部電極40は、外装樹脂部30を形成した後に形成される。
この実施形態では、各端部電極40は、1層目が1.0〜2.0μmの無電解Niメッキ、2層目が1.0〜2.0μmの電解Niメッキ、3層目が3.0〜4.0μmの電解Snメッキである。端部電極40の厚みt1は、8μm以下である。
各端部電極40は、各フランジ4b,4cの端面から当該フランジ4b,4cの外周面を直接に覆うと共に、外装樹脂部30のフランジ被覆部30aを覆うように、段差状に形成してある。各端部電極40は、各フランジ4b,4cの端面と、当該フランジ4b,4cの外周面の一部で、下地電極層20および継線部10bおよび10cに対して直接に接続してある。しかも、各端部電極40は、外装樹脂部30のフランジ被覆部30aを覆うように形成してあることから、各端部40の外周面には、周方向に連続する段差状凹部50が形成される。
図1に示すように、段差状凹部50は、素子本体5の軸方向端面から所定幅(W1)で形成してあり、各端部電極の全幅(W0)に対しての比率(W1/W0)が、好ましくは0.1〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.6である。比率(W1/W0)を上記範囲にすることで、端部電極40とコイルの継線部10b,10cとの接続が十分に確保され、端部電極40と外装樹脂部30との接合強度も高い。また、この範囲にすることで、ツームストーン現象を抑制させる効果が大きい。
なお、ツームストーン現象とは、チップ型電子部品を基板へ実装する時に、電子部品の両端部に形成してある端部電極のハンダペースト面で発生するモーメントのアンバランスにより、電子部品が立ち上がってしまい、接合不良となる現象である。
また、段差状凹部50は、各端部電極40の最大外周面寸法からの深さ(H1)が10〜40μmとなるように形成してある。深さH1をこの範囲にすることで、端部電極40とコイルの継線部10b,10cとの接続が十分に確保され、端部電極40と外装樹脂部30との接合強度も高い。また、この範囲にすることで、ツームストーン現象を抑制させる効果が大きい。また、この深さH1が深すぎると、限られたチップサイズでは、相対的に、ドラムコア4におけるフランジ部4b,4cの最大外形寸法が小さくなり、電気的な性能が低下してしまう傾向にある。
各端部電極40の最大外周面の全高さ(H0)に対して段差状凹部50の深さ(H1)の比率(H1/H0)は、0.011〜0.045の範囲にある。この比率の範囲に設定することで、端部電極40とコイルの継線部10b,10cとの接続が十分に確保され、端部電極40と外装樹脂部30との接合強度も高い。また、この範囲にすることで、ツームストーン現象を抑制させる効果が大きい。
本実施形態では、特に、チップの最大高さH0が、0.9mm以下の小型で、5mg以下の軽量なコイルチップ部品2であっても、実装に際してのハンダのリフロー時に、図5に示すように、端部電極40の底面に形成してある段差状凹部50と基板60との隙間にハンダ70が入り込む。その段差状凹部50は、端部電極40の周方向に連続して形成してあるために、ハンダ70の回り込み量も十分に確保することができる。その結果、いわゆるツームストーン現象を効果的に防止することができ、実装不良を防止することができる。たとえば従来のコイルチップ部品(段差状凹部50がない)では、10万個に10個程度の割合で、ツームストーン現象が生じていたのに対して、本発明の実施例(段差状凹部50がある)では、ツームストーン現象が生じたものは0個であった。
また、本実施形態では、段差状凹部50にハンダ70が回り込むことで、ハンダ70により形成されるフィレットの大きさを小さくしても十分な接合強度が得られ、高密度な実装が可能になる。
また、本実施形態では、フランジ4b,4cの最大外形寸法よりも大きな外形寸法を有する外装樹脂部30の両端部外周を覆うように、端部電極40を形成することで、段差状凹部50を形成してある。このために、フランジ自体に加工する必要はなく、フランジの体積が減少することはなく、コイルチップとしての性能には全く影響しない。しかも、樹脂成形により段差状凹部50を形成することができるので、製造工程が煩雑になることもない。
さらに本実施形態では、図1に示す各端部電極40の軸方向幅W0を、好ましくは0.41mmとすることで、端部電極40の縁部間に位置する外装樹脂部30の平坦面30bの軸方向幅L1を0.817mm程度にすることができる。この平坦面30bの軸方向幅L1は、部品2の全長L0に対して、30〜70%の長さである。
このような軸方向長さL1を有する外装樹脂部30の上側平坦部30bは、図6に示すように、吸着ノズル90により良好に吸着保持が可能である。しかも、端部電極40の厚みt1が8μm以下と薄いので、吸着ノズル90の端が端部電極40の上に位置したとしても、吸着ノズル90により吸着作用はそれほど低下せず、十分な吸着力で部品を保持することができる。
特に、本実施形態のコイルチップ部品2の製造方法では、図2(A)に示すように、樹脂を完全に硬化させる前の半硬化外装樹脂が一体化された素子本体5に形成された樹脂バリを、ブラスト処理により除去する。そのため、樹脂バリは容易且つ短時間で除去され、樹脂バリの除去効率が向上する。
また、樹脂バリ除去に要する素子本体5に対する負荷も低減されるために、外装樹脂では覆われていない下地電極層20にダメージが生じることを効果的に低減することができ、不良品の発生を抑制することができる。したがって、高品質のコイルチップ部品2を高い製造歩留まりで製造することが可能になる。
さらに、本発明の実施形態では、樹脂バリを除去した後で、半硬化外装樹脂を完全に硬化させる前に、半硬化外装樹脂が一体化された素子本体5を洗浄する。樹脂を完全に硬化させる前の半硬化外装樹脂が一体化された素子本体5を洗浄することで、樹脂バリなどのゴミを容易に洗浄することができ、洗浄効率も向上する。
また、洗浄後に、キュア処理を行うことで、キュア処理が、洗浄時の洗浄液の乾燥工程を兼ねることも可能であり、工程の削減に寄与する。また、洗浄後にキュア処理を行うことで、外装樹脂部30に浸透していた洗浄液を完全に揮発することが可能であり、そのために外装樹脂部30の強度が向上し、ハンダ熱によりクラックなども防止することができる。
しかも本実施形態では、樹脂バリを除去した後で、半硬化外装樹脂を完全に硬化させる前に、半硬化外装樹脂が一体化された素子本体5の外観検査を行う。外観検査により、外装樹脂部30では覆われていない下地電極層20の表面のバリ残りや、外装樹脂部30および下地電極層20の表面のダメージを検査することができる。外装樹脂部30が完全に硬化する前の工程において外観検査を行うことで、バリ残り部品に対する再バリ取り処理が容易である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明の方法は、図1〜図6に示すコイルチップ部品の製造方法に限らず、その他のチップ型電子部品、たとえばコモンモードフィルタ、3端子フィルタ、フェライトビーズなどの製造方法にも適用することができる。
また、本発明の方法では、樹脂バリを除去するための方法としては、ブラスト処理以外に、バレル研磨などの方法を採用することも可能である。
図1は本発明の一実施形態に係るチップ型電子部品としてのコイルチップ部品の縦断面図である。 図2(A)は本発明の一実施形態に係るコイルチップ部品の製造方法を示す工程図、図2(B)は従来例に係るコイルチップ部品の製造方法を示す工程図である。 図3は図1に示すコイルチップ部品の製造過程を示す金型と部品の縦断面図である。 図4は図3に示すIV−IV線に沿う金型と部品の横断面図である。 図5は図1に示すコイルチップ部品の要部断面図である。 図6は図1に示すコイルチップ部品を吸着ノズルで吸着している状態を示す概略斜視図である。
符号の説明
2… コイルチップ部品
4… ドラムコア
4a… 巻芯部
4b… 第1フランジ
4c… 第2フランジ
5… 素子本体
10… コイル部
10a… ワイヤ
10b,10c… 継線部
20… 下地電極層
30… 外装樹脂部
30a… フランジ被覆部
30b… 平坦面
40… 端部電極
50… 段差状凹部
60… 基板
70… ハンダ
80,82… 金型
84… キャビティ
85… 樹脂注入口
86… 保持用凸部
88… 周方向隙間
90… 吸着ノズル

Claims (7)

  1. 部品本体を金型のキャビティ内に配置する工程と、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する工程と、
    前記樹脂を完全に硬化させる前の状態で、当該樹脂を半硬化外装樹脂として前記部品本体に一体化する工程と、
    前記半硬化外装樹脂が一体化された前記部品本体に形成された樹脂バリを除去する工程と、
    樹脂バリが除去された前記部品本体に一体化してある前記半硬化外装樹脂を完全に硬化させる工程とを有する
    チップ型電子部品の製造方法
  2. 前記樹脂バリを除去した後で、前記半硬化外装樹脂を完全に硬化させる前に、前記半硬化外装樹脂が一体化された前記部品本体を洗浄する請求項1に記載のチップ型電子部品の製造方法。
  3. 前記樹脂バリを除去した後で、前記半硬化外装樹脂を完全に硬化させる前に、前記半硬化外装樹脂が一体化された前記部品本体の外観検査を行う請求項1または2に記載のチップ型電子部品の製造方法。
  4. 前記樹脂バリを除去する前の時点では、前記半硬化外装樹脂の外表面は、ビッカース硬度で、18〜22である請求項1〜3のいずれかに記載のチップ型電子部品の製造方法。
  5. 前記金型のキャビティ内に注入される樹脂は熱硬化性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のチップ型電子部品の製造方法。
  6. 前記樹脂バリの除去は、ブラスト処理により行う請求項1〜5のいずれかに記載のチップ型電子部品の製造方法。
  7. 前記部品本体が、
    巻芯部の軸方向両端に一対のフランジを有するコア部と、
    前記巻芯部の周囲に巻回してあるワイヤと、を有するコイルチップ部品本体である請求項1〜6のいずれかに記載のチップ型電子部品の製造方法。
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