JP2007219760A - ドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドッキングシミュレーションの計算精度を低く抑えつつもドッキングシミュレーション結果の高精度化を図ることにより、新薬開発期間の短縮化および新薬の原価低減を図ること。
【解決手段】ドッキングシミュレーション装置500は、選定部503により、代表リガンド選定処理を実行する。第1のドッキングシミュレーション実行部504により、第1のドッキングシミュレーション処理を実行する。インデュースフィット実行部505により、インデュースフィット処理を実行し、第2のドッキングシミュレーション実行部506により、第2のドッキングシミュレーション処理を実行する。決定部507により、第2のドッキングシミュレーション処理によって得られたドッキングスコアから標的タンパク質に相応しいドッキングスコアが得られたリガンドを決定する。
【選択図】図5

Description

この発明は、標的タンパク質の活性部位の3次元構造データにリガンドの3次元構造データをドッキングさせるドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法に関する。
任意のタンパク質の活性部位にドッキングするリガンド(薬剤候補化合物)との結合親和性を図る手法として、従来からドッキングシミュレーションという手法がおこなわれている(たとえば、下記特許文献1〜4を参照。)。
このドッキングシミュレーションにおいては、リガンドの構造に依存してタンパク質の活性部位の構造が変化するインデュースフィット(induced-fit:誘導適合)と呼ばれる計算手法がおこなわれている(たとえば、下記非特許文献1,2を参照。)。
国際公開第93/20525号パンフレット 特開2002−243722号公報 特開2004−295654号公報 特開2005−181104号公報 加倉井隆一,山乙教之,合田浩明,広野修一 著、「KP04 Induced-fitを考慮した蛋白質−リガンド複合体の構造構築」、[online]、[平成18年2月9日検索]、インターネット<URL:http://www.slis.tsukuba.ac.jp/qsar32/abstructs/KP04.pdf#search='inducedfit'> 山乙教之,広野修一 著、「KP19 標的蛋白質のInduced Fitを考慮したリガンドドッキング(1):ブラウン動力学法を用いた複合体構造最適化」、[online]、[平成18年2月9日検索]、インターネット<URL:http://polaris.hoshi.ac.jp/qsar31/kfiles/KP19.pdf#search='inducedfit>
しかしながら、近年、上述した従来のドッキングシミュレーションにおける計算対象となるリガンド(薬剤候補化合物)が増加傾向にあり、その計算精度は、リガンド数の増大に反比例し、低下の傾向にある。
すなわち、リガンドの多様性の増大により、一つのタンパク質の3次元構造から得られる活性部位の構造に対して千差万別の新薬候補となるリガンドについてドッキングシミュレーションをおこなうこととなるが、タンパク質の構造を個々に新薬候補のリガンドごとに変形(インデュースフィット)させてドッキングシミュレーションをおこなうためには、膨大な計算機パワーが必要となる。
したがって、すべてのリガンドに対して上述したインデュースフィットを考慮したドッキングシミュレーションをおこなうと、シミュレーション期間が長期化するという問題があった。また、シミュレーション期間の短縮化のため、高速計算プログラムと大処理容量コンピュータによりシステムを構築すると、費用が増大するという問題があった。
そのため、現在では計算精度を犠牲にし、ラフな結果を参照しているのが実情であるが、インデュースフィットを使用せずにドッキングシミュレーションをおこなうと、その分計算精度が低下するという問題があった。
ドッキングシミュレーションは本来、未実験のリガンドの薬物活性有無(高低)を予測する手法であるが、システムの予測計算精度の確認のために、既に実験により薬物活性があると確認されているサンプルを数個含んだサンプル群に対して予測をかけてみると、必ずしもすべての既知サンプルが上位に来るとは限らない。したがって、ドッキングシミュレーションの計算精度の低下は、新薬開発期間の長期化および原価の高騰を招くという問題があった。
たとえば、リガンドが10万個存在すると仮定する。インデュースフィットを考慮したドッキングシミュレーションのリガンド1個あたりのシミュレーション期間を1時間とすると、1台のコンピュータで全10万個に対してシミュレーションをおこなった場合、12年かかることとなり、シミュレーション期間が長期化する。
一方、インデュースフィットを使用しないドッキングシミュレーションのリガンド1個あたりのシミュレーション期間を5秒とすると、1台のコンピュータで全10万個に対してシミュレーションをおこなった場合、6日で完了するが、インデュースフィットを行っていないため、計算精度が低下し、新薬開発期間の長期化および原価の高騰を招く。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ドッキングシミュレーションの計算精度を低く抑えつつもドッキングシミュレーション結果の高精度化を図ることにより、新薬開発期間の短縮化および新薬の原価低減を図ることができるドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法は、リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定し、選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行し、前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行し、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行し、そのドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定し、その決定結果を出力することを特徴とする。
この発明によれば、インデュースフィットの対象となるリガンドの数を代表リガンドの数に低減することができ、計算速度の高速化を図ることができる。また、代表リガンドのインデュースフィット後における変形された活性部位に、全リガンドをドッキングさせることにより、ある程度計算精度を落とした状態においても、従来よりも高精度のドッキングスコアを得ることができる。
また、上記発明において、前記リガンドの3次元構造データの集合を前記リガンドの大きさに関する複数のグループに分類して、当該複数のグループの中から前記全リガンドを代表する代表リガンドの3次元構造データをそれぞれ選定することとしてもよい。
この発明によれば、リガンドの大きさを代表リガンドの選定指標をとすることにより、多様性のあるリガンドから代表リガンドを一意に選定することができる。
また、上記発明において、前記リガンドごとに、当該リガンドの3次元構造データに基づいて、前記リガンドの体積を算出し、前記各リガンドの体積に基づいて、前記複数の代表リガンドを選定することとしてもよい。
この発明によれば、リガンドの大きさを体積値により特定することができ、代表リガンドの選定の容易化を図ることができる。
また、上記発明において、前記リガンドごとに、当該リガンドを構成する原子の3次元位置データに基づいて、前記リガンドの3次元形状を簡略化した3次元図形データを算出し、前記各リガンドの3次元図形データに基づいて、前記各リガンドの体積を算出することとしてもよい。
この発明によれば、3次元構造が異なるリガンドの形状を3次元図形データにより単純化することができる。
また、上記発明において、前記3次元図形データは6面体の3次元図形データとしてもよい。この発明によれば、体積計算の高速化を図ることができる。
本発明にかかるドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法によれば、ドッキングシミュレーションの計算精度を低く抑えつつもドッキングシミュレーション結果の高精度化を図ることにより、新薬開発期間の短縮化および新薬の原価低減を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(ドッキングシミュレーション装置のハードウェア構成)
まず、この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置のハードウェア構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1において、ドッキングシミュレーション装置は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、HDD(ハードディスクドライブ)104と、HD(ハードディスク)105と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)106と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)107と、ディスプレイ108と、I/F(インターフェース)109と、キーボード110と、マウス111と、スキャナ112と、プリンタ113と、を備えている。また、各構成部はバス100によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU101は、ドッキングシミュレーション装置の全体の制御を司る。ROM102は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HDD104は、CPU101の制御にしたがってHD105に対するデータのリード/ライトを制御する。HD105は、HDD104の制御で書き込まれたデータを記憶する。
FDD106は、CPU101の制御にしたがってFD107に対するデータのリード/ライトを制御する。FD107は、FDD106の制御で書き込まれたデータを記憶したり、FD107に記憶されたデータをドッキングシミュレーション装置に読み取らせたりする。
また、着脱可能な記録媒体として、FD107のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。ディスプレイ108は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ108は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F109は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク114に接続され、このネットワーク114を介して他の装置に接続される。そして、I/F109は、ネットワーク114と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F109には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード110は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス111は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ112は、画像を光学的に読み取り、ドッキングシミュレーション装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ112は、OCR機能を持たせてもよい。また、プリンタ113は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ113には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(タンパク質の3次元構造データ)
つぎに、タンパク質の3次元構造データについて説明する。図2は、タンパク質の3次元構造データを示す説明図である。タンパク質は、複数の原子からなる生体高分子であり、3次元構造データPSには、アミノ酸残基数N、アミノ酸残基Ap(p=1〜N)、アミノ酸残基ApのXYZ座標系における3次元位置座標Wp(xp、yp、zp)、アミノ酸残基Apの付加情報Mpが含まれている。付加情報Mpは、アミノ酸残基Ap特有の情報であり、たとえば、アミノ酸残基の疎水性/親水性、電荷量、質量、温度などが挙げられる。
図3は、タンパク質の3次元電子画像を示す説明図である。図3に示したタンパク質の3次元電子画像300は、図2に示したタンパク質の3次元構造データにより標的タンパク質をグラフィカルに表示した電子データである。図3中、標的タンパク質の表面上の濃く塗りつぶされている画像301はタンパク質の表面の凹みであり、受容体(レセプタ)と呼ばれるタンパク質の活性部位をあらわしている。活性部位には、リガンドと呼ばれる新薬などの化合物が結合する。
(リガンドDBの記憶内容)
つぎに、リガンドDBの記憶内容について説明する。図4は、リガンドDBの記憶内容を示す説明図である。図4において、リガンドDB400は、リガンドごとに、リガンドID:i(i=1〜n:nはリガンドの総数、たとえば10万)、リガンド(名称):Li、分子構造情報LSiを有する。3次元構造データLSiは、リガンドLiを構成する原子数m、原子Aij(j=1〜m)、原子AijのXYZ座標系における3次元位置座標wij(xij、yij、zij)、付加情報Mijを含む。
付加情報Mijは、原子Aij特有の情報であり、たとえば、原子Aij内の電荷量や質量、温度などが挙げられる。このリガンドDB400は、具体的には、たとえば、図1に示したROM102,RAM103,HD105などの記録媒体によってその機能を実現する。
(ドッキングシミュレーション装置の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置の機能的構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置の機能的構成を示すブロック図である。図5において、ドッキングシミュレーション装置500は、リガンドDB400と、タンパク質DB501と、選定部503と、標的タンパク質抽出部502と、第1のドッキングシミュレーション実行部504と、インデュースフィット実行部505と、第2のドッキングシミュレーション実行部506と、決定部507と、出力部508と、から構成されている。
まず、タンパク質DB501は、図2に示したタンパク質の3次元構造データを記憶する。このタンパク質DB501は、具体的には、たとえば、図1に示したROM102,RAM103,HD105などの記録媒体によってその機能を実現する。
また、標的タンパク質抽出部502は、タンパク質DB501の中から標的となるタンパク質(標的タンパク質)の3次元構造データを抽出する。標的タンパク質抽出部502は、たとえば、ユーザの操作入力により選ばれたタンパク質を標的タンパク質として、その3次元構造データを抽出する。
また、選定部503は、リガンドの3次元構造データの集合(リガンドDB400)の中から、全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定する。リガンドの総数nは膨大であるため、全リガンドL1〜Lnを対象にして標的タンパク質に対しドッキングシミュレーションを実行すると、計算期間が長期化する。
そのため、選定部503により、全リガンドL1〜Lnの中から代表的なリガンド(代表リガンド)を選定することで、代表リガンドに対してのみ、インデュースフィット(インデュースフィット実行部505による処理)を考慮したドッキングシミュレーション(第1のドッキングシミュレーション実行部504による処理)を実行する。これにより、インデュースフィットを考慮したドッキングシミュレーション期間の短縮化を図ることができる。
すなわち、選定部503は、インデュースフィットを考慮したドッキングシミュレーションの対象となるリガンドLiを、全リガンドL1〜Lnを網羅しつつも特定のリガンドに絞り込む。このため選定部503は、全リガンドL1〜Lnの3次元構造データをリガンドLiの大きさに関する複数のグループG1〜GKに分類して、複数のグループG1〜GKの中から全リガンドL1〜Lnを代表する代表リガンドLRk(k=1〜K)の3次元構造データをそれぞれ選定する。なお、リガンドLiの大きさに関するグループ分けとしては、たとえば、リガンドLiの大きさ(体積)により大中小の3つのグループG1〜G3に分けることが考えられる。
また、選定部503は、リガンド抽出部511と、3次元図形データ算出部512と、体積算出部513と、代表リガンド選定部514と、を有する。リガンド抽出部511は、リガンドDB400から順次リガンドLiの3次元構造データLSiを抽出する。3次元図形データ算出部512は、抽出されたリガンドLiの3次元構造データLSiに基づいて、リガンドLiの3次元図形データを算出する。
3次元図形データ算出部512は、体積算出部513によりリガンドLiの体積Viの算出のために必要な計算処理である。リガンドLiの総数nは膨大であるため、リガンドLiの正確な体積の算出には時間がかかる。そこで、3次元図形データ算出部512では、具体的には、リガンドLiを構成する原子Aijの3次元位置データに基づいて、リガンドの3次元形状を簡略化した3次元図形データを算出する。たとえば、リガンドLiの3次元形状が複雑であっても、計算処理がし易い多面体や球体などの3次元図形に置き換えることで、リガンドLiの3次元形状を簡略化することができる。
また、体積算出部513は、抽出されたリガンドLiの3次元構造データLSiに基づいて、リガンドLiの体積Viを算出する。具体的には、3次元図形データ算出部512によって算出された3次元図形データを用いてリガンドLiの3次元形状を簡略化した3次元図形の体積Viを算出する。リガンドLiの3次元図形データが単純な3次元図形(多面体や球体)をあらわす場合、体積計算の高速化を図ることができる。また、多面体としては、6面体が計算を単純化するため好ましく、特に直方体であれば計算処理の高速化を実現することができる。
ここで、3次元図形データおよび体積の算出例について説明する。図6は、3次元図形データおよび体積の算出例を示す説明図である。図6において、(a)は3次元構造データLSiにより模式的にあらわしたリガンドLiである。ここでは、リガンドLiを構成する原子数mをm=4とする。したがって、リガンドLiは原子Ai1〜Ai4を有する分子である。
(b)に、リガンドLiの各原子間距離d1〜d6を示す。(c)に示すように、この原子間距離d1〜d6のうち最長の原子間距離d1を規定する2つの原子Ai1,Ai4を結ぶ軸を、リガンドLiの長軸Laxiとする。この場合、長軸Laxiの両端の原子Ai1,Ai4を長軸2原子と称す。
つぎに、(d)に示すように、長軸Laxiの一方の原子Ai1が、XYZ座標系の原点Oでかつ長軸LaxiがZ軸上に位置するように、リガンドLiを回転移動させる。このあと、(e)に示すように、回転移動後の原子Ai1〜Ai4の3次元座標データにより、3次元図形データを算出する。
3次元図形を直方体Riにする場合、回転移動後の原子Ai1〜Ai4の3次元座標データのうち、X座標値の最大値および最小値により、直方体RiのX軸方向の幅を特定する。同様に、回転移動後の原子Ai1〜Ai4の3次元座標データのうち、Y座標値の最大値および最小値により、直方体RiのY軸方向の幅を特定する。同様に、Z軸上の他方の原子Ai4のZ座標値により、直方体RiのZ軸方向の幅を特定する。
このX軸方向の幅(X幅)、Y軸方向の幅(Y幅)、およびZ軸方向の幅(Z幅)が3次元図形データとなる。そして、体積算出部513により、X幅、Y幅、およびZ幅を乗算することで、直方体Riで簡略化されたリガンドLiの体積Viを算出することができる。
また、代表リガンド選定部514は、体積算出部513によって算出された各リガンドLiの体積Viに基づいて、複数の代表リガンドLRk(k=1〜K(K>1):Kは代表リガンドの総数)を選定する。具体的には、たとえば、各リガンドLiの体積Viに応じて、複数のグループG1〜GKに分類する。そして、分類されたグループGkの中からそれぞれ代表リガンドLRkを選定する。
図7は、代表リガンドLRkの選定手法を示す説明図である。図7において、リガンドLiは、体積Viの大きい順に上からソートされている。すなわち、図7ではリガンドL50の体積V50が最大で、リガンドL73の体積L73が最小である。ここで、体積順にソートされた状態で、n個のリガンドL1〜nをK(図7ではK=3)個のグループG1〜GKに分割する。すなわち、グループG1〜G3は、それぞれ体積の大中小のグループをあらわすこととなる。
そして、分割されたグループGk(k=1〜K)のうち中央のリガンド(グループG1ではリガンドL21、グループG2ではリガンドL147、グループG3ではリガンドL25)をそれぞれ代表リガンドLRkとして選定する。すなわち、グループG1から選定された代表リガンドLR1は相対的に体積が大きいリガンドの代表であり、グループG2から選定された代表リガンドLR2は相対的に体積が中程度のリガンドの代表であり、グループG3から選定された代表リガンドLR3は相対的に体積が小さいリガンドの代表である。
なお、ここでは、各グループGkから選定されるリガンドは、グループGk内の体積の中央値のリガンドとしたが、各グループGk内において同一順位のリガンドであれば中央値に限らず、最大体積のリガンドでもよく、また最小体積のリガンドでもよい。
また、図5において、第1のドッキングシミュレーション実行部504は、標的タンパク質抽出部502によって抽出された標的タンパク質の3次元構造データのうち活性部位の3次元構造データに、K個の代表リガンドLR1〜LRKの3次元構造データをドッキングさせる。
この第1のドッキングシミュレーション処理は、上述した特許文献1〜4や非特許文献1,2に開示されている公知のドッキングシミュレーションと同様である。この第1のドッキングシミュレーション処理では、ドッキング結果として、標的タンパク質の活性部位と各代表リガンドとの複合体の3次元構造データを出力する。
また、インデュースフィット実行部505は、第1のドッキングシミュレーション実行部504が実行された結果得られる標的タンパク質の活性部位と各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行する。このインデュースフィット処理も、上述した非特許文献1,2に開示されている公知のインデュースフィットと同様である。
また、第2のドッキングシミュレーション実行部506は、インデュースフィット実行部505が実行された結果得られる、代表リガンドLRkごとの標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、リガンドLiの3次元構造データLSiとのドッキングシミュレーションを実行する。
この第2のドッキングシミュレーション処理は、上述した特許文献1〜4や非特許文献1,2に開示されている公知のドッキングシミュレーションと同様である。この第2のドッキングシミュレーション処理では、ドッキング結果として、代表リガンドLRkごとの標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、リガンドLiの3次元構造データLSiとのドッキングスコアを出力する。ドッキングスコアは、結合自由エネルギーであらわされる。
図8は、インデュースフィットを考慮したドッキングシミュレーションを示す説明図である。図8において、(a)は、標的タンパク質の活性部位Tの3次元構造データを示している。(a)において、活性部位Tの表面Sには、アミノ酸残基A〜Eが存在する。このアミノ酸残基A〜Eの3次元構造データが、標的タンパク質の活性部位Tの3次元構造データである。また、代表リガンドLRkは原子a〜cから構成されている。この原子a〜cの3次元構造データが、代表リガンドLRkの3次元構造データとなる。
(b)は、第1のドッキングシミュレーション実行部504による活性部位TとリガンドLRkとのドッキング状態を示している。このドッキングシミュレーションにより、アミノ酸残基Aと原子aとが結合しており、アミノ酸残基Bと原子bとが結合しており、アミノ酸残基Dと原子cとが結合している。これにより、標的タンパク質の活性部位Tと各代表リガンドLRkとの複合体の3次元構造データが形成される。
(c)は、(b)に示したドッキング状態からインデュースフィットを実行した状態を示している。代表リガンドLRkが活性部位Tにドッキングすることにより、活性部位Tkに変化する。また、(c)では、アミノ酸残基C,D,Eの3次元位置座標が変化している。
これにより、(c)に示したインデュースフィット処理による変更後の活性部位Tkの3次元構造データが代表リガンドLRkと同数(K)得られる。すなわち、代表リガンドLRKが3個(K=3)である場合、インデュースフィット処理による変更後の活性部位T1〜TKの3次元構造データが得られる。
図9は、第2のドッキングシミュレーション処理によって得られるドッキングスコアを示す説明図である。図9において、ドッキングスコアSkは、変形後の活性部位Tkの3次元構造データと各リガンドLiとをドッキングしたときのドッキングスコアSk1〜Sknを有する。すなわち、ドッキングスコアSkは、n個のドッキングスコアを持つため、変形後の活性部位T1〜TKから得られる全ドッキングスコア数はn×K個である。
また、図5において、決定部507は、第2のドッキングシミュレーション実行部506が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定する。
具体的には、たとえば、図9に示した全ドッキングスコアの中から、最上位のドッキングスコアSbが得られたリガンドLbを、標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドに決定する。より具体的には、ドッキングスコアは結合自由エネルギーとして算出される負の値である。したがって、図9に示した全ドッキングスコア中、最小となるドッキングスコアが最上位のドッキングスコアとなる。
また、出力部508は、決定部507によって決定された決定結果を出力する。具体的には、たとえば、図1に示したプリンタ113やディスプレイ108に決定結果となる最上位のドッキングスコアSbが得られたリガンドLbの情報(リガンド名、構成原子、3次元画像など)を決定結果として出力する。
なお、上述した標的タンパク質抽出部502、選定部503(内部の機能的構成も含む)、第1のドッキングシミュレーション実行部504、インデュースフィット実行部505、第2のドッキングシミュレーション実行部506、決定部507、および出力部508は、具体的には、たとえば、図1に示したROM102,RAM103,HD105などの記録媒体に記録されているプログラムを、CPU101に実行させることによって、またはI/F109によって、その機能を実現する。
(ドッキングシミュレーション処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置500のドッキングシミュレーション処理手順について説明する。図10は、この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置500のドッキングシミュレーション処理手順を示すフローチャートである。
図10において、まず、選定部503による代表リガンド選定処理を実行する(ステップS1001)。つぎに、標的タンパク質の3次元構造データが受け付けられるまで待ち受ける(ステップS1002:No)。そして、受け付けられた場合(ステップS:1002:Yes)、ステップS1003に移行する。このステップS1002の処理は、標的タンパク質抽出部502により実行される。
つぎに、ステップS1003において、第1のドッキングシミュレーション実行部504により、第1のドッキングシミュレーション処理を実行する(ステップS1003)。このあと、インデュースフィット実行部505により、インデュースフィット処理を実行し(ステップS1004)、さらにそのあと、第2のドッキングシミュレーション実行部506により、第2のドッキングシミュレーション処理を実行する(ステップS1005)。
そして、決定部507により、第2のドッキングシミュレーション処理によって得られたドッキングスコアS1〜SKから標的タンパク質に相応しいドッキングスコアSbが得られたリガンドLbを決定する(ステップS1006)。このあと、出力部508により、決定結果を出力する(ステップS1007)。
(代表リガンド選定処理手順)
つぎに、図10に示した代表リガンド選定処理(ステップS1001)について説明する。図11は、図10に示した代表リガンド選定処理手順を示すフローチャートである。図11において、i=1とし(ステップS1101)、リガンド抽出部511により、リガンドDB400からリガンドLiの3次元構造データLSiを抽出する(ステップS1102)。
つぎに、体積算出部513により、リガンドLiの体積算出処理を実行する(ステップS1103)。そして、i>nか否かを判断する(ステップS1004)。i>nでない場合(ステップS1004:No)、未抽出のリガンドが存在するため、iをインクリメントして(ステップS1105)、ステップS1102に戻る。
一方、i>nである場合(ステップS1104:Yes)、図7に示したように、代表リガンド選定部514により、代表リガンドLR1〜LRKを選定する(ステップS1106)。この代表リガンド選定処理によれば、インデュースフィットの対象となるリガンド数を、抑制することができる。特に、リガンドL1〜Lnを体積の大きさによりグループ分けして、グループを代表するリガンドを選定することにより、全リガンドL1〜Lnを網羅することができる。
(体積算出処理)
つぎに、図11に示した体積算出処理(ステップS1103)について説明する。図12は、図11に示した体積算出処理手順を示すフローチャートである。図12において、リガンドLiの原子数mを検出する(ステップS1201)。つぎに、m≧2であるか否かを判断する(ステップS1202)。m≧2でない場合(ステップS1202:No)、原子をXYZ座標系の原点Oに設定する(ステップS1203)。そして、ステップS1208に移行する。
一方、m≧2である場合(ステップS1202:Yes)、図6の(c)に示したように、長軸2原子を探索し(ステップS1204)、図6の(d)に示したように、リガンドLiの3次元構造データLSiを移動/回転させる(ステップS1205)。そして、移動/回転後の全原子の座標値を算出する(ステップS1206)。
そして、全原子の座標値のうち、X座標値の最大値/最小値、Y座標値の最大値/最小値を特定し(ステップS1207)、リガンドLiの3次元形状を簡略化した直方体のX軸方向の幅(X幅)、Y軸方向の幅(Y幅)、Z軸方向の幅(Z幅)を算出する(ステップS1208)。具体的には、たとえば、下記式(1)〜(3)により算出する。
X幅=Xmax−Xmin+1.4・・・(1)
Y幅=Ymax−Ymin+1.4・・・(2)
Z幅=d+1.4・・・・・・・・(3)
XmaxはリガンドLiの全原子のX座標値の中の最大値、XminはリガンドLiの全原子のX座標値の中の最小値、YmaxはリガンドLiの全原子のY座標値の中の最大値、YminはリガンドLiの全原子のY座標値の中の最小値、dは長軸2原子間距離である。なお、式(1)〜(3)の「1.4」は、X幅〜Z幅の値が0にならないようにするための値であり、正の値(特に1以上)であればよい。そして、算出されたX幅〜Z幅を乗算することにより、リガンドLiの3次元形状を簡略化した直方体の体積Viを算出する(ステップS1209)。これにより、リガンドLiの体積Viを代表リガンドLRkの選別の指標とすることができる。
(第1のドッキングシミュレーション実行処理手順)
つぎに、図10に示した第1のドッキングシミュレーション実行処理(ステップS1003)について説明する。図13は、図10に示した第1のドッキングシミュレーション実行処理手順を示すフローチャートである。図13において、k=1とし(ステップS1301)、標的タンパク質の活性部位Tの3次元構造データに、代表リガンドLRkの3次元構造データをドッキングさせる(ステップS1302)。
つぎに、ドッキングにより、標的タンパク質の活性部位Tと代表リガンドLRkとの複合体の3次元構造データを算出する(ステップS1303)。そして、k>K(K=代表リガンドの総数)か否かを判断する(ステップS1304)。k>Kでない場合(ステップS1304:No)、kをインクリメントして(ステップS1305)、ステップS1302に戻る。一方、k>Kである場合(ステップS1304:Yes)、ステップS1004に移行する。
(インデュースフィット処理)
つぎに、図10に示したインデュースフィット実行処理(ステップS1003)について説明する。図14は、図10に示したインデュースフィット実行処理手順を示すフローチャートである。図13において、k=1とし(ステップS1401)、標的タンパク質の活性部位Tと代表リガンドLRkとの複合体の3次元構造データをインデュースフィットする(ステップS1402)。これにより、図8の(b),(c)に示したように、活性部位Tが活性部位Tkに変形し、これに伴い、活性部位Tの原子の3次元座標も変化する。
そして、この変形後の活性部位Tkの3次元構造データを算出する(ステップS1403)。そして、k>Kか否かを判断する(ステップS1404)。k>Kでない場合(ステップS1404:No)、kをインクリメントして(ステップS1405)、ステップS1402に戻る。一方、k>Kである場合(ステップS1404:Yes)、ステップS1005に移行する。
(第2のドッキングシミュレーション実行処理手順)
つぎに、図10に示した第2のドッキングシミュレーション実行処理(ステップS1005)について説明する。図15は、図10に示した第2のドッキングシミュレーション実行処理手順を示すフローチャートである。図15において、k=1とし(ステップS1501)、i=1とする(ステップS1502)。つぎに、標的タンパク質の変形後の活性部位Tkの3次元構造データに、代表リガンドLRkの3次元構造データをドッキングさせる(ステップS1503)。
つぎに、ドッキングにより、図9に示したようなドッキングスコアSkiを算出する(ステップS1504)。そして、i>n(nはリガンドの総数)か否かを判断する(ステップS1505)。i>nでない場合(ステップS1505:No)、ドッキングしていないリガンドが存在するため、iをインクリメントして(ステップS1506)、ステップS1503に戻る。
一方、i>nである場合(ステップS1505:Yes)、k>Kか否かを判断する(ステップS1507)。k>Kでない場合(ステップS1507:No)、kをインクリメントして(ステップS1508)、ステップS1502に戻る。一方、k>Kである場合(ステップS1507:Yes)、ステップS1006に移行する。
このように、この発明の実施の形態によれば、ある程度計算精度を落とした状態においても、従来よりも高精度のドッキングスコアを得ることができる。これにより、薬物活性があるにも関わらずドッキングスコアが下位に位置するリガンドの救い上げが可能となる。
以上説明したように、この発明のドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法によれば、ドッキングシミュレーションの計算精度を低く抑えつつもドッキングシミュレーション結果の高精度化を図ることにより、新薬開発期間の短縮化および新薬の原価低減を図ることができるという効果を奏する。またこれにより、開発費用の削減や、動物実験の削減も図ることができる。
なお、本実施の形態で説明したドッキングシミュレーション方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上のように、本発明にかかるドッキングシミュレーションプログラム、該プログラムを記録した記録媒体、ドッキングシミュレーション装置、およびドッキングシミュレーション方法は、任意のタンパク質の活性部位にリガンド(薬剤候補化合物)をドッキングさせて結合親和性を図るドッキングシミュレーションに有用である。
(付記1)リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定させる選定工程と、
前記選定工程によって選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行させる第1のドッキングシミュレーション実行工程と、
前記第1のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られる前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行させるインデュースフィット実行工程と、
前記インデュースフィット実行工程が実行された結果得られる、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行させる第2のドッキングシミュレーション実行工程と、
前記第2のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定させる決定工程と、
前記決定工程によって決定された決定結果を出力させる出力工程と、
をコンピュータに実行させるドッキングシミュレーションプログラム。
(付記2)前記選定工程は、
前記リガンドの3次元構造データの集合を前記リガンドの大きさに関する複数のグループに分類して、当該複数のグループの中から前記全リガンドを代表する代表リガンドの3次元構造データをそれぞれ選定させることを特徴とする付記1に記載のドッキングシミュレーションプログラム。
(付記3)前記選定工程は、
前記リガンドごとに、当該リガンドの3次元構造データに基づいて、前記リガンドの体積を算出させる体積算出工程と、
前記体積算出工程によって算出された前記各リガンドの体積に基づいて、前記複数の代表リガンドを選定させる代表リガンド選定工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1または2に記載のドッキングシミュレーションプログラム。
(付記4)前記リガンドごとに、当該リガンドを構成する原子の3次元位置データに基づいて、前記リガンドの3次元形状を簡略化した3次元図形データを算出させる3次元図形データ算出工程を前記コンピュータに実行させ、
前記体積算出工程は、
前記3次元図形データ算出工程によって算出された前記各リガンドの3次元図形データに基づいて、前記各リガンドの体積を算出させることを特徴とする付記3に記載のドッキングシミュレーションプログラム。
(付記5)前記3次元図形データは6面体の3次元図形データであることを特徴とする付記4に記載のドッキングシミュレーションプログラム。
(付記6)付記1〜付記5のいずれか一つに記載のドッキングシミュレーションプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
(付記7)リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第1のドッキングシミュレーション実行手段と、
前記第1のドッキングシミュレーション実行手段が実行された結果得られる前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行するインデュースフィット実行手段と、
前記インデュースフィット実行手段が実行された結果得られる、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第2のドッキングシミュレーション実行手段と、
前記第2のドッキングシミュレーション実行手段が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするドッキングシミュレーション装置。
(付記8)リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定する選定工程と、
前記選定工程によって選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第1のドッキングシミュレーション実行工程と、
前記第1のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られる前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行するインデュースフィット実行工程と、
前記インデュースフィット実行工程が実行された結果得られる、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第2のドッキングシミュレーション実行工程と、
前記第2のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とするドッキングシミュレーション方法。
この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 タンパク質の3次元構造データを示す説明図である。 タンパク質の3次元電子画像を示す説明図である。 リガンドDBの記憶内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置の機能的構成を示すブロック図である。 3次元図形データおよび体積の算出例を示す説明図である。 代表リガンドの選定手法を示す説明図である。 インデュースフィットを考慮したドッキングシミュレーションを示す説明図である。 第2のドッキングシミュレーション処理によって得られるドッキングスコアを示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかるドッキングシミュレーション装置のドッキングシミュレーション処理手順を示すフローチャートである。 図10に示した代表リガンド選定処理手順を示すフローチャートである。 図11に示した体積算出処理手順を示すフローチャートである。 図10に示した第1のドッキングシミュレーション実行処理手順を示すフローチャートである。 図10に示したインデュースフィット実行処理手順を示すフローチャートである。 図10に示した第2のドッキングシミュレーション実行処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
400 リガンドDB
500 ドッキングシミュレーション装置
501 タンパク質DB
502 標的タンパク質抽出部
503 選定部
504 第1のドッキングシミュレーション実行部
505 インデュースフィット実行部
506 第2のドッキングシミュレーション実行部
507 決定部
508 出力部
511 リガンド抽出部
512 3次元図形データ算出部
513 体積算出部
514 代表リガンド選定部
Li リガンド
LRk 代表リガンド

Claims (5)

  1. リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定させる選定工程と、
    前記選定工程によって選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行させる第1のドッキングシミュレーション実行工程と、
    前記第1のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られる前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行させるインデュースフィット実行工程と、
    前記インデュースフィット実行工程が実行された結果得られる、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行させる第2のドッキングシミュレーション実行工程と、
    前記第2のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定させる決定工程と、
    前記決定工程によって決定された決定結果を出力させる出力工程と、
    をコンピュータに実行させるドッキングシミュレーションプログラム。
  2. 前記選定工程は、
    前記リガンドの3次元構造データの集合を前記リガンドの大きさに関する複数のグループに分類して、当該複数のグループの中から前記全リガンドを代表する代表リガンドの3次元構造データをそれぞれ選定させることを特徴とする請求項1に記載のドッキングシミュレーションプログラム。
  3. 請求項1または2に記載のドッキングシミュレーションプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
  4. リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定する選定手段と、
    前記選定手段によって選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第1のドッキングシミュレーション実行手段と、
    前記第1のドッキングシミュレーション実行手段が実行された結果得られる前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行するインデュースフィット実行手段と、
    前記インデュースフィット実行手段が実行された結果得られる、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第2のドッキングシミュレーション実行手段と、
    前記第2のドッキングシミュレーション実行手段が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とするドッキングシミュレーション装置。
  5. リガンドの3次元構造データの集合の中から、前記全リガンドを代表する複数の代表リガンドの3次元構造データを選定する選定工程と、
    前記選定工程によって選定された各代表リガンドの活性部位の3次元構造データと標的タンパク質の3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第1のドッキングシミュレーション実行工程と、
    前記第1のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られる前記標的タンパク質の活性部位と前記各代表リガンドとの複合体の3次元構造データについて、インデュースフィットを実行するインデュースフィット実行工程と、
    前記インデュースフィット実行工程が実行された結果得られる、前記代表リガンドごとの前記標的タンパク質の活性部位の変形後の3次元構造データと、前記リガンドの3次元構造データとのドッキングシミュレーションを実行する第2のドッキングシミュレーション実行工程と、
    前記第2のドッキングシミュレーション実行工程が実行された結果得られるドッキングスコアに基づいて、前記標的タンパク質の活性部位に相応しいリガンドを決定する決定工程と、
    前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
    を含んだことを特徴とするドッキングシミュレーション方法。

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