JP2007218941A - 静電潜像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】感光体におけるフィルミング、固着やキズを抑制し、ブレードクリーニング性に優れ、特に接触帯電方式における汚染による帯電性能の悪化を抑制し、様々な環境下や耐久時においてもカブリなどの問題が発生しない帯電性が良好なトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー核に、個数平均粒径が5〜20nmで疎水化度が50以上の疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmで疎水化度が50以上の疎水性チタニアまたはシリカから選択される微粒子Bと、個数平均粒径が0.02〜2.0μmの範囲にある、シリカ(SiO2
とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cとが添加混合されることにより得られたトナーにより上記課題を解消する。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用のトナーに関し、特にフルカラー複写機やフルカラーレーザービームプリンター等のフルカラー画像形成装置に用いる静電潜像現像用トナー等に関する。
近年、環境にやさしく小型で安価なパーソナルユースの複写機やレーザープリンターのニーズが高まっている。このような環境対応、小型化、低価格化の要求に対して最近ではコロナ放電器を利用しないで接触帯電手段を利用することが検討されている。具体的には帯電部材である導電性ローラに電圧を印加しながら、ローラを感光体の如き被帯電体に接触させ、被帯電体表面を所定の電位に帯電させるものである。このような接触帯電手段を用いればコロナ放電器と比較してユニットの簡素化や小型化、低電圧化がはかれ、オゾン発生量も減少することが可能である。
一方、接触帯電装置では、帯電部材に直流電圧、もしくは、直流電圧に交流電圧を重畳したものを印加して用いている。この際、帯電部材と感光体ドラムの接触部分周辺では、粒子径が小さく、重量の軽い残留トナー粒子の異常な帯電や飛翔運動の反復が繰り返される。この為帯電部材や感光体ドラム表面への残留トナーの静電吸着や埋め込みが行われ易い状況に在り、接触帯電手段は、従来のコロナ放電器による非接触帯電手段を用いる場合と非常に異なり、その帯電性能が経時変化しやすいという欠点を有している。
また、同様の市場ニーズにより、最近ではカラー複写機、カラーレーザープリンタの定着機構として、オイルレス定着装置を用いたものが急速に普及してきている。
カラー出力機の定着機構をオイルレスとすることにより、定着器の簡素化が図られ、また、消耗品としてオイルを消費しないためランニングコストの低減にも有効である。
このようなオイルレスカラー画像定着装置で使用されるトナーは離型機能向上をはかりつつ、かつ好ましいカラー画像を得るために光沢性を有さなければならないが、一般にこの離型機能と画像光沢の両立は困難であり、相反する特性項目となっている。
この相反する特性に対して、近年様々なトナー処方・製造設計の試みがなされており、粉砕法トナーにおいては樹脂およびワックス(離型剤)の材料設計やワックスドメインの分散技術により、相反特性の両立を図ろうとする試みが盛んである。また、重合法トナーや湿式造粒法トナーにおいては粉砕法トナーと比して、その製造原理から比較的ワックス含有量を増量させることが可能であり、また一部工法では、ワックスの存在位置を制御することも可能であることから、オイルレス定着により適したトナー工法として近年、工法開発や処方開発が非常に盛んに行われている。
しかし、一般に粉砕法トナーであれ、重合法トナーであれ、ワックスを高充填したトナーでは、表面のワックスが遊離し、定着以外のプロセスで画像ノイズ要因となる弊害を起こしやすい。特に、遊離ワックスが現像部での現像剤担持体や潜像担持体へフィルミングすると、帯電不良などの弊害が発生し、カブリなどの画像ノイズを発生させたり、更には潜像担持体へフィルミングしたワックスが接触帯電部材に移行して部材の帯電能力が低下し潜像担持体の帯電不良を引き起こすという副次弊害をも発生させてしまう。
更に重合法トナーの場合、一般に水系中で造粒されて製造されることから、製造時に添加される界面活性剤などの影響により、トナー母粒子の帯電性能が粉砕法トナーに比して
劣り、更にカブリなどの画像ノイズが悪化しやすい
また、上述のようにワックスを高充填したトナーは、粉砕法で製造された場合、ワックスの分散が困難であるため、ワックス分散粒径の分布が広くなりやすく、また遊離ワックスなども発生しやすいことからトナーの組成が不均一になりやすく、結果としてトナーの帯電分布がブロードになり、帯電不良トナーによるカブリなどのノイズの問題が顕著となる。
更にこのようなワックスの分散に起因する問題として、トナー粉体の凝集性の悪化を招き、結果として転写性が悪化し、文字や細線の中抜けなどの問題が発生する。
このようなオイルレス定着用カラートナーの部材へのフィルミングを抑制する手段として、フィルミングの原因物質であるワックスや他のトナー添加剤の遊離を抑えるようなトナー母粒子の処方設計はもとより、フィルミング物質を除去する為の研磨物質のトナー粒子表面への外部添加や、フィルミング物質が部材に付着しにくくするための潤滑物質の外部添加などの方策が検討されている。
フィルミング物質を除去するための研磨剤として、従来から数百ナノメートルの硬質無機微粒子を添加する方法が開示されており、例えば特許文献1では、研磨剤として酸化セリウムを添加することにより効果的にフィルミング物質を除去できるとの記載がある。また、特許文献2では、200〜800nmの粒径範囲にあるチタン酸ストロンチウム粒子を添加することにより効果的にフィルミング物質を除去できるとの記載がある。
しかし、これらの手段ではクリーニングブレードを有する感光体へのフィルミング物質を除去する効果は高いものの、一般に規制ブレードやクリーニングブレードなどの摩擦部材を有さない接触帯電ローラなどの部材では、むしろ添加した研磨剤が接触帯電部材へ移行してしまい、その帯電性能が著しく劣化してしまうという課題がある。すなわち、公知の研磨性物質は、接触帯電方式における帯電部材に対して、汚染性が悪いという課題がある。
一方、フィルミング物質を付着しにくくする潤滑剤としては、一般に金属石鹸を添加する方法が広く知られているが、この手段では、確かに潤滑効果による感光体上のフィルミング抑制には高い効果を示すものの、トナーのチャージアップなど帯電性が大きく変化し、帯電の安定性が悪化するという課題がある。
一方、特許文献3に記載の珪酸マグネシウム質鉱物類(アタパルジャイト、セピオライト等)は、クリーニング時のフィルミングには効果的であるものの、含水率が高く、通常使用環境においても帯電不良が発生しやすく、地汚れ、トナー漏れ、トナー飛散等、帯電不良に起因する問題が発生しやすい。
同様に特許文献4、5、6に記載のシリコーンオイルで処理した珪酸マグネシウムを使用した場合はシリコーンオイルによるトナー流動性の悪化、帯電上昇等を引き起こし、現像器での搬送不良、濃度低下を引き起こす。また、実施例に記載されているような粒径の珪酸マグネシウムは粒径が2μm以上である為、現像器内で脱離が生じやすく、現像部材、潜像担持体等にキズが生じ、画像に悪影響がでる。
特許文献7に記載のトナーにおいて、珪酸微粉体を珪酸マグネシウムとし、被覆率60〜100%のトナーを作成するとの記載があるが、負帯電トナーとして使用すると逆帯電トナーが生じやすく地汚れを引き起こしやすい。珪酸マグネシウムは、電気陰性度の関係(非特許文献1)が示す通り強プラス帯電となりやすいMgOの部分の影響によりプラスに帯電しやすいからである。
特許文献8に記載のトナーのように、チタン酸微粉体を使用した場合、フィルミングに
対しては優れた効果を発揮するものの、この材料自体が低抵抗である為、帯電のリークが大きく、地汚れ、トナー漏れ、トナー飛散を生じ易い。また、帯電部材へ移行した場合の帯電部材の帯電付与性能が大きく悪化するという課題がある。
特許文献9に記載のトナーのように、チタニアを使用した場合もまたこの材料が低抵抗、高誘電率材料である為、添加量調整が困難で、多量に添加すると帯電のリークが大きくトナー全体の帯電低下を引き起こし、また、少量であると帯電上昇を引き起こす。これによりどちらの場合も地汚れ、トナー漏れ、トナー飛散を生じ易い。
以上のように、ワックス高充填フルカラートナーにおいては、フィルミングと帯電性、部材汚染性は相反する特性となっているのが実情である。
特許第2656230号公報 特許第3407545号公報 特開2002−31913号公報 特開平3−294864号公報 特開平4−214568号公報 特開平5−165257号公報 特開平11−95480号公報 特開平11−184239号公報 特開2003−186240号公報 日本画像学会誌 第39巻 第3号 P.259
本発明は、上述した問題を解決した静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、感光体におけるフィルミング、固着やキズを抑制し、ブレードクリーニング性に優れた静電潜像現像用トナーを提供する。
接触帯電方式における帯電部材に対する、トナー成分の移行(汚染)による帯電性能の悪化を抑制し、安定した帯電性能が得られるトナーを提供する。
離型剤を多量に含有し、粉体凝集性が悪いオイルレス定着用フルカラートナーの凝集性を改善し、転写中抜けなどの問題が生じない転写性の良好なトナーを提供する。
離型剤を多量に含有し、帯電性が悪い(帯電分布がブロードな)オイルレス定着用フルカラートナーの帯電性を改善し、様々な環境下や耐久時においてもカブリなどの問題が発生しない帯電性が良好なトナーを提供する。
更に帯電性が悪化しやすい湿式造粒法トナーにおいて同様に帯電性が良好なトナーを提供する。
上記課題を解消した画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
上記課題は、下記本発明の構成(請求項1〜18)により解消されることを見出した。(1)少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー母粒子に、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmの疎水性チタニア及び/またはシリカから選択される微粒子Bと、平均一次粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cが外添処理されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
(2)少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー母粒子に、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmの疎水性チタニア及び/またはシリカから選択される微粒子Bと、個数平均粒径が0.02〜
2.0μmの範囲にある、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cが外添処理されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
(3)少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー母粒子に、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmの疎水性チタニア及び/またはシリカから選択される微粒子Bと、平均一次粒径が0.01〜0.5μm、前記一次粒子が凝集して形成する平均二次粒径が0.02〜2.0μmの範囲にある、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cが外添処理されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
(4)前記微粒子A及び前記微粒子Bが疎水性であり、該疎水化度が50〜90であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(5)前記微粒子Aと前記微粒子Bの合計の添加量が前記トナー母粒子に対して2〜5重量%であり、前記複合酸化物粒子Cの添加量が前記トナー母粒子に対して0.3〜5重量%であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(6)前記微粒子Aと微粒子Bの重量比が1:9〜7:3であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(7)前記複合酸化物粒子Cがマグネシア(MgO)/シリカ(SiO)のモル比率が0.8〜2.2の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(8)前記複合酸化物粒子CがX線回折により、フォルステライト、エンスタタイト、ステアタイトのいずれかに同定される材料であり、トナー中に単独または複数種類を含有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(9)前記複合酸化物粒子Cは、平均一次粒径が0.02〜0.15μmであることを特徴とする前記(1)又は(3)に記載の静電潜像現像用トナー。
(10)前記複合酸化物粒子Cは、平均二次粒径が0.1〜2.0μmであることを特徴とする前記(3)に記載の静電潜像現像用トナー。
(11)前記複合酸化物粒子CがMg(OH)2粉末またはMgO粉末と、平均一次粒径10μm以下のSiO粉末とを焼結して得られたものであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(12)前記トナー母粒子が体積平均径4〜9μmの範囲であり、非磁性1成分現像方式に用いられることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(13)前記トナー母粒子が体積平均径4〜9μmの範囲であり、2成分現像方式に用いられることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(14)前記トナー母粒子が少なくとも離型剤を3.5〜10重量%含有し、粉砕法で製造されてなるオイルレス定着用フルカラー画像形成用トナーであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(15)前記トナー母粒子が少なくとも離型剤を5〜12重量%含有し、湿式中で造粒されて製造されてなるオイルレス定着用フルカラー画像形成用トナーであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
(16)少なくとも、回動可能な像担持体と、前記像担持体に接触配置され、当該像担持体を所定の電位に帯電する帯電工程と、回動するトナー搬送部材とトナーを該搬送部材に供給するトナー供給部材とからなる現像工程と、を有する画像形成方法であって、該トナ
ーが前記(1)〜(15)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
(17)感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成させ、該トナー像を転写材に転写させることにより画像を形成する画像形成装置に用いられ、同装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、感光体と、前記感光体に当接して感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体上に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、前記トナー像を記録材に転写させる転写手段と、前記転写材にトナー像が転写された後に前記感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1つの手段と、前記感光体上に形成された前記静電潜像にトナーにより現像してトナー像が形成される現像手段とが一体に支持され、該トナーは、前記(1)〜(15)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(18)感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成させ、該トナー像を転写材に転写させることにより画像を形成する画像形成装置において、該トナーが前記(1)〜(15)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
本発明のトナーはトナー粒子中に特定の無機粒子A,B及びCを外添してなる。
「外添」とはトナー母粒子の表面(外部)に存在させるべく、予め得たトナー母粒子に添加することをいう。
本発明は、トナー母粒子(トナー粒子)に外添混合する微粒子Aおよび微粒子Bとして特定個数平均粒径を有し且つ特定の疎水化度を有するものを特定の添加量で使用するとともに、さらに特定の個数平均粒径を有する無機微粒子(複合酸化物粒子C)を併用することにより、上述した問題を解決するものである。
本発明において微粒子Aとしては、1次粒子の個数平均粒径が5〜20nm、好ましくは7〜15nmで、疎水化度が50以上、好ましくは55〜90の疎水性シリカ微粒子を使用する。このようなシリカ微粒子の使用により、トナーの流動性を向上させて階調再現性を向上させるとともにクリーニングブレードの感光体に対する潤滑性を付与することができる。平均粒径が20nmより大きくなるとトナーの流動性向上の効果やクリーニングブレードの潤滑性向上の効果が不十分になる。また、平均粒径が5nmより小さくなると、トナー粒子への埋め込みが生じ易く耐刷時の粉体特性変化が大きくなったり、環境安定性が低下したりする。疎水化度が50より低いと高温高湿環境下で画像の白地部にカブリが生じる。
微粒子Bとしては1次粒子の個数平均粒径が20〜100nm、好ましくは25〜80nmで、疎水化度が50以上、好ましくは55〜90の疎水性シリカ及び/またはチタニアから選択される微粒子を使用する。このような微粒子を使用することにより、フルカラー画像形成方法における転写工程、特に中間転写ベルトを用いる場合の2次転写での白抜けの問題を防止し、また耐熱保管性を向上させることができる。平均粒径が100nmより大きくなると、トナーに対する被覆率が小さくなるため環境安定性、耐熱保管性および白抜け防止効果の低下が生じ、20nmより小さいと耐刷使用時の現像装置内における攪拌ストレスが原因となって微粒子Bがトナー粒子に埋め込まれ易くなり、その結果現像剤の凝集抑制効果が低下してベタ画像中に白抜けが発生し易くなる。本発明の微粒子Bとしては上記規定範囲を満たすものであればシリカを用いてもチタニアを用いてもよく、特に2成分現像方式における低温低湿環境でのチャージアップによる画像濃度低下などを抑制する上でチタニアを用いるのが効果的である。また、帯電レベル、帯電環境変動の調整の為に上記規定範囲のシリカ、チタニアを適宜併用してもよい。
チタニア微粒子としては、アナターゼ型チタニア、ルチル型チタニア、アモルファスチタニア等が使用可能である。
シリカ微粒子Aおよびシリカ及び/又はチタニアから選択される微粒子Bの総添加量は、トナー母粒子に対して2〜5重量%、好ましくは2〜3.5重量%である。添加量が2重量%より少ないと白抜け防止効果が不十分になり、5重量%を越えると遊離外添剤による帯電部材や潜像担持体へのフィルミング(汚染)が発生しやすくなる。微粒子Aと微粒子Bの添加重量比はそれぞれの粒径等によって変化するため一概には言えないが、1:9〜7:3、好ましくは2:8〜6:4の割合で使用することが望ましい。この範囲より微粒子Aが多い場合、転写中抜け改善効果が得られにくくなり望ましくなく、この範囲より微粒子Bが多い場合、トナーの流動性低下が顕著となり、1成分現像方式では現像ローラ上への薄層形成不良が発生しやすく好ましくない。
シリカ微粒子Aおよび微粒子Bは疎水化剤により表面処理されている。このような疎水化剤としてはシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコンオイル、シリコンワニス等が使用可能である。シランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能であり、シリコ−ンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。
上記疎水化剤によってシリカやチタニアの母材を表面処理するには、例えば疎水化剤を溶剤で希釈し、母材に上記希釈液を加えて混合し、この混合物を加熱・乾燥した後解砕する乾式法、母材を水系中に分散してスラリー状にした上で疎水化剤を添加混合し、これを加熱・乾燥した後解砕する湿式法等により行うことができる。特にチタニアに対しては疎水化剤の表面処理の均一性、チタニア粒子の凝集防止性等の観点から水系中で疎水化処理を行うことが好ましい。
本発明における疎水化度はメタノールウエッタビリティ法により測定されたものである。まず、試料を分散した水中にメタノールを滴下し、試料を全て湿潤するのに要したメタノール重量を測定する。この時の水とメタノール中におけるメタノール重量を百分率で表したものを疎水化度とした。
本発明のトナーにおいては、上記微粒子Aおよび微粒子Bに加えて、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる個数平均粒径が0.02〜2.0μm、好ましくは0.02以上2.0μm未満の範囲にある複合酸化物粒子Cが添加混合されている。Cにおける個数平均粒径とは、一次粒子が単分散している場合の一次粒子径、又は、粒子間が凝集している場合は凝集した粒子(二次粒子等)の粒子径をいう。
この複合酸化物粒子Cの成分組成は一般に珪酸マグネシウムと呼ばれる材料であり、この材料は前記の従来技術のところでも記載しているとおり公知の材料である。しかし、本発明の複合酸化物は以下のような特徴を有しており、明らかに従来公知の珪酸マグネシウムとは異なるものである。
まず、本発明のマグネシア(MgO)とシリカ(SiO)の複合酸化物において、MgO/SiOのモル比が0.8〜2.2の範囲にあることが望ましく、更に好ましくは1.0〜2.0の範囲にあることが望ましい。
このような複合モル比率の範囲にある材料として、モル比0.8〜1.2、更には0.
9〜1.1の場合、ステアタイト、エンスタタイトと呼ばれる材料が該当し、モル比1.8〜2.2、更には1.9〜2.1の場合、フォルステライトと呼ばれる材料が該当し、いずれもX線回折による分析により同定可能である。複合酸化物粒子Cとしては上記規定範囲を満たすものであれば、例えばステアタイト、フォルステライトなどの混合物を使用することも可能である。
一般にフォルステライトやステアタイト、エンスタタイトと呼ばれるMgO・SiO系複合酸化物は高熱膨張性などアルミナと類似した性質を持ち、高周波領域における誘電体特性や高温における絶縁抵抗にも優れるという特徴を有する材料であり、古くから電子部品用等のセラミックスとして利用されている。
しかしながら、従来のMgO・SiO系複合酸化物粉末は、平均一次粒径が小さいものでも0.2μmを超え、平均二次粒径も2〜3μm以上であるため、電子写真用トナーに添加した場合、トナー表面への分散性が悪くトナーの帯電性に悪影響を及ぼしたり、粒径が大きい為に感光体に傷をつけるなどの問題があり、トナーへの適用には問題があった。
本発明の複合酸化物粒子Cはこのような従来のMgO・SiO系複合酸化物粉末(珪酸マグネシウム粒子)をトナーに適用した場合の課題を解消可能な粒子である。
すなわち本発明の複合酸化物粒子Cは、従来のMgO・SiO系複合酸化物粉末と比較して明らかに小さい粒度分布を有するものであり、平均一次粒径が0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.15μmの範囲にある微粒子がブドウの房状の焼結凝集体(二次粒子)を形成しており、更に平均二次粒径が0.02〜2.0μm、更に好ましくは0.1〜2.0μmであることを特徴とする。
このような粒径範囲に調整されたMgO・SiO系複合酸化物を用いることにより上記の従来の珪酸マグネシウムの課題であるトナー表面への分散性の問題、部材へのキズの問題を解消することが可能となった。
このような粒度分布を有する複合酸化物粒子CはMg(OH)粉末またはMgO粉末と、平均一次粒径10μm以下のSiO粉末とを混合して焼結することにより得られるものであり、上記のとおりX線回折による分析でフォルステライト、エンスタタイト、ステアタイトに同定されるものが好適であり、更にこのように製造された材料は未反応のMgO、Mg(OH)、SiOの単体物質を含まないものが好ましい。(詳細は特開2
003−327470;チタン工業材料基本特許を参照)
このような複合酸化物粒子Cを併用することにより、以下の優れた特性を有するものである。
第1にワックスや外添剤を多量に含有するフルカラートナーの帯電部材や感光体へのフィルミング(汚染)を解消することができる。これは、このような複合酸化物粒子Cが上述の2次粒子を含有するため、ブレードクリーニングの際にトナーから遊離した複合酸化物粒子Cがブレードニップ部でせき止め層を形成し、ブレードニップ部ですり抜ける遊離ワックスや微粒子Aや微粒子Bの量を低減させる機能を有するためであると考えられる。複合酸化物粒子Cの個数平均粒径が0.02μmより小さいとフィルミング防止の効果が不十分となり、2.0μmより大きくなると繰り返し画像形成を行った場合に、ブレードクリーニング時に、あるいはフルカラー画像形成装置等では転写ドラムや中間転写ベルトによる押圧転写時に感光体に傷が着いたりし易くなる。
第2に接触帯電方式における帯電ローラなどの帯電部材に対する移行がほとんどなく、また仮に移行した場合においても複合酸化物粒子Cの電気特性(高抵抗・低誘電率)から帯電ローラの電気抵抗を余り変化させることがなく、結果として帯電ローラの性能を劣化させにくいという優れた特性を有している。
第3に本発明の複合酸化物粒子Cはマグネシウムを含有する為、帯電極性がプラス性を
有しやすく、また上述の比較的大きな2次粒子を有する為、1成分現像で用いる場合は現像時にトナーから剥れたときにトナー粒子の負帯電性を補う副次効果を有し、2成分現像ではキャリアへ本粒子が移行することによりキャリアの正帯電性を補う副次効果を有し、結果として離型剤を多量に含有し、帯電性が悪い(帯電分布がブロードな)オイルレス定着用フルカラートナーの帯電性を改善するものである。更に重合トナーなど水系湿式中で造粒することにより得られる帯電性が劣るトナーではより効果的に用いることが可能である。
本発明の複合酸化物粒子Cはトナー粒子に対して0.3〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%添加する。添加量が0.3重量%より少ないとフィルミング防止の効果が不十分となり、5重量%より多いとトナーの荷電性への影響が大きくなるため好ましくない。
なお、複合酸化物粒子Cは上記の疎水化剤やアミノカップリング剤、アミノシリコーンオイル等で表面処理されていてもよいし、処理されていなくてもよい。
上記粒径範囲を有する複合酸化物粒子Cの基体材料(表面処理される前の基体)の比表面積は5〜50m/g、好ましくは5〜40m/gであることが望ましい。
以上のような無機粒子が外添されるトナー母粒子は少なくとも結着樹脂、離型剤および着色剤からなっている。
トナー母粒子を構成する結着樹脂としては電子写真および静電印刷等の分野で公知の樹脂が使用でき、例えば、スチレン系樹脂;アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂;スチレンアクリル系共重合樹脂;ポリエステル系樹脂;シリコン系樹脂;オレフィン系樹脂;アミド系樹脂;あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられる。
特に、オイルレス定着用フルカラートナーに用いる場合には、定着分離性と好ましい画像光沢性の観点から高分子弾性体樹脂成分(第1結着樹脂)とシャープメルト低分子樹脂成分(第2結着樹脂)を併用して用いるのが好ましい。
第1結着樹脂および第2結着樹脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知の結着樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC[環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製))]等であってよいが、オイルレス定着の観点から、第1結着樹脂および第2結着樹脂はいずれもポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
本発明において好ましく使用されるポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
また、本発明においてはポリエステル系樹脂として、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られた樹脂(以下、単に「ビニル系ポリエステル樹脂」という)も好適に使用可能である。なお、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとは、換言すれば縮重合反応およびラジカル重合反応の両反応に使用し得るモノマーである。即ち縮重合反応し得るカルボキシ基とラジカル重合反応し得るビニル基を有するモノマーであり、例えばフマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の原料モノマーとしては上述した多価アルコール成分および多価カルボン酸成分が挙げられる。またビニル系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレンまたはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよ
びビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際の重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
第1結着樹脂および第2結着樹脂としては上記のような各種ポリエステル系樹脂が好ましく使用されるが、中でも、オイルレス定着用トナーとしての分離性および耐オフセット性をさらに向上させる観点から、以下に示す第1結着樹脂および第2結着樹脂を使用することがより好ましい。
より好ましい第1結着樹脂は、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂である。
より好ましい第2結着樹脂はビニル系ポリエステル樹脂、特にポリエステル樹脂の原料モノマーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸およびコハク酸を用い、ビニル系樹脂の原料モノマーとしてスチレンおよびブチルアクリレートを用い、両反応性モノマーとしてフマル酸を用いて得られたビニル系ポリエステル樹脂である。
本発明においてはオイルレスカラー定着に必要なワックスをより増量させる為に、上記結着樹脂に予めワックスを内添することが好ましい。この場合、第1結着樹脂、第2結着樹脂のいずれに内添してもよいが、粉砕法トナーでは混練時のシェアがかかりやすいという観点から第1結着樹脂に内添することが好ましい。第1結着樹脂にワックスを予め内添するには、第1結着樹脂を合成する際に、第1結着樹脂を合成するためのモノマー中にワックスを添加した状態で第1結着樹脂の合成を行えば良い。例えば、第1結着樹脂としてのポリエステル系樹脂を構成する酸モノマーおよびアルコールモノマーに炭化水素系ワックスを添加した状態で縮重合反応を行えば良い。第1結着樹脂がビニル系ポリエステル樹脂の場合には、ポリエステル樹脂の原料モノマーに炭化水素系ワックスを添加した状態で、当該モノマーを撹拌および加熱しながら、これにビニル系樹脂の原料モノマーを滴下して重縮合反応およびラジカル重合反応を行えばよい。
トナー粒子中における第1結着樹脂(内添ワックス重量を含む)と第2結着樹脂の含有割合は重量比で20/80〜45/55、好ましくは30/70〜40/60である。第1結着樹脂が少なすぎると分離性、耐高温オフセット性が低下して問題となる。第1結着樹脂が多すぎると光沢性、耐熱保管性が低下する。
より好ましくは上記のような重量比で使用された第1結着樹脂と第2結着樹脂からなる結着樹脂の軟化点は100〜125℃、特に105〜125℃である
本発明において使用可能な離型剤(ワックス)としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス等を挙げることができる。オイルレス定着用フルカラートナーに用いる場合、融点が60〜100℃、好ましくは70〜90℃のものが好適に使用することができ、例えば脂肪酸エステル、低分子量ポリエチレン、カルナバワックス、低融点パラフィン等を挙げることができる。特に好ましいワックスは極性が低く、離型効果が高い低融点パラフィンである。特にオイルレス定着用カラートナーでは離型剤を必須成分として用いる必要がある。ワックスの軟化点が60℃より低い場合は高温オフセット性向上の効果が低下し、100℃よ
り高い場合には結着樹脂中への分散が不十分となり感光体に対するフィルミングが発生しやすくなる。また、トナーへの添加量としては粉砕法トナーにおいては3.5〜10wt%、好ましくは4〜8wt%の範囲で含有させることが好ましい。3.5wt%を下回ると離型効果が発揮されず、10wt%を上回ると溶融混練時のワックス分散不良により遊離ワックスが発生しやすく、フィルミングの問題が発生しやすくなり好ましくない。一方、湿式造粒法によるトナーにおいてはカプセル化など、ワックスのトナー中への配置制御が比較的容易であり、粉砕法トナーに対してワックスの分散不良や遊離ワックス発生に対する余裕度があるためワックス添加量を5〜12wt%まで増量させることが可能である。
本発明に用いる着色剤としては、公知の顔料及び染料を使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・レッド269、C.I.ピグメント・レッド150、C.I.ピグメント・レッド146、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。着色剤をカラートナーに用いる場合、当該着色剤をマスターバッチ処理、あるいはフラッシング処理により予め結着樹脂中に着色剤を高分散させたものを使用することが好ましい。着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して2〜15重量部が好ましい。
またトナー母粒子には必要に応じて荷電制御剤等の添加剤を配合することも可能である。負帯電トナー用荷電制御剤としては、例えば、クロム錯塩型アゾ染料S−32、33、34、35、37、38、40(オリエント化学工業社製)、アイゼンスピロンブラックTRH、BHH(保土谷化学社製)、カヤセットブラックT−22、004(日本化薬社製)、銅フタロシアニン系染料S−39(オリエント化学工業社製)、クロム錯塩E−81、82(オリエント化学工業社製)、亜鉛錯塩E−84(オリエント化学工業社製)、アルミニウム錯塩E−86(オリエント化学工業社製)、ベンジル酸誘導体からなるホウ素錯塩LR−147(日本カーリット社製)さらに、カリックスアレン系化合物等が使用できる。更にフルカラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、ベンジル酸誘導体からなる有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。上記サリチル酸金属錯体としては例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報等に記載のものが、カリックスアレーン系化合物としては例えば特開平2−201378号公報等に記載のものが、有機ホウ素化合物としては例えば特開平2−221967号公報に記載のものが、有機ホウ素化合物としては例えば特開平3−1162号公報に記載のものが使用可能である。
トナー母粒子の製法としては、公知の製法を用いることができ、例えば、乾式での粉砕法、湿式での乳化重合、懸濁重合、溶解懸濁(乳化造粒)法などが挙げられる。一般的に粉砕法の場合は不定形粒子、湿式法の場合は球形粒子を得ることができ、画像形成プロセスに適したトナー製法を用いれば良い。トナー母粒子の粒径は画質の観点から小粒径のものが好ましく、体積平均粒径4μmから10μm程度のものを好適に用いることができる
。特に本発明においては、体積平均径4〜9μmのトナー母粒子を用いることが好ましい。
<<粉砕トナー>>
粉砕法によってトナーを製造する場合は、従来公知の手段に従い、結着樹脂及びワックス(結着樹脂中に内添される場合も含む)、着色剤のトナー成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
<<乳化重合会合トナー>>
乳化重合会合法によってトナーを製造する場合は、少なくともワックスをビニル系モノマーに溶解あるいは分散し、ミニエマルジョン重合などの方法により、ビニル系樹脂分散体中にワックスを内添し、ワックスを内添したビニル系樹脂分散体、顔料分散体などとともに会合、融着しトナースラリーを得たのち、公知の方法に従い洗浄・濾過により回収し、乾燥することにより単離できる。
本製法では、形状制御性が高く、ジャガイモ状から真球状までの範囲で比較的自由に形状をコントロールすることが可能であるが、水系中で多量の界面活性剤や凝集剤などの添加剤を加えて造粒する手法である為、著しく帯電性が劣るという課題がある。
<<溶解懸濁(伸張)法>>
ポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、造粒させて得られるトナー製造方法であるが、近年、更にトナーの分子量制御、構造制御性を高めた溶解懸濁伸張法が特開2004−139003号公報で提案されている。この製法はプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応および/または架橋反応により形成された粒子を得る方法である。
この製法によれば、乳化重合法や懸濁重合法では使用することが不可能であったポリエステル樹脂を用いることが出来、特に定着特性に優れたフルカラートナーを製造することが可能である。また、ウレタン/ウレア結合によるプレポリマーの伸張反応により、高分子側の分子量制御が容易であり、オイルレス定着用フルカラートナーの製造に適している。
しかしながら、本製法ではプレポリマーの伸張にウレタン/ウレア結合を用いている為、1成分現像法で用いるには負帯電性が低く、カブリなどの画像ノイズが発生しやすいという課題がある。
以上によって得られたトナー母粒子に本発明の無機粒子を外添処理する方法としては、ヘンシェルミキサーなどの混合機により乾式混合する方法が好ましい。更に処理後、異物除去の観点から目開き100μm以下の篩いを通すことが好ましい。
本発明のトナーは上記トナー母粒子に前記の無機粒子A,B,Cを外添し、混合することにより得られる。本発明における無機粒子の添加量は、上記規定範囲になるよう調整して添加することが望ましい。
本発明のトナーは、公知の電子写真方式のトナーとして、モノクロ、カラー、1成分、2成分を問わず用いることが可能であるが上記の特徴より特に接触帯電方式、ブレードクリーニング方式、オイルレス定着方式を有するフルカラー画像形成方法に用いるのが適している。
<画像形成方法の構成>
本発明を適用することができる現像器構成の一例を示す。なお、この構成は一例でありこれに限定されるものではない。
現像ローラには、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに表面にはトナーと逆
の極性に帯電しやすい材料から成る表面コート層が設けられる。弾性ゴム層は、層規制部材との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止するために、JIS−Aで60度以下の硬度に設定される。表面粗さはRaで0.3〜2.0μmに設定され、必要量のトナーが表面に保持される。また現像ローラには感光体との間に電界を形成させるための現像バイアスが印加されるので、弾性ゴム層は103〜1010Ωの抵抗値に設定される。現像ロ
ーラは時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーを層規制部材および感光体との対向位置へと搬送する。
層規制部材は供給ローラと現像ローラの当接位置よりも低い位置に設けられる。層規制部材は、SUSやリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ表面に10〜40N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧下を通過したトナーを薄層化するとともに摩擦帯電によって電荷を付与する。さらに層規制部材には摩擦帯電を補助するために、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の規制バイアスが印加される。
現像ローラの表面を構成するゴム弾性体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、これらの2種以上のブレンド物などが挙げられる。これらの中でも、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴムとのブレンドゴムが好ましく用いられる。
本発明で用いる現像ローラは、例えば、導電性シャフトの外周にゴム弾性体を被覆することにより製造される。導電性シャフトは、例えば、ステンレスなどの金属で構成される。
<静電潜像保持体における帯電工程の構成>
図1に示すように、本発明の帯電工程に使用される帯電部材としては、芯金(3)、この芯金(3)上に導電層(5)、そしてこの導電層(5)を被覆する表面層(6)を備え、全体として円筒状に形成されたものである。電源(7)によって芯金(3)に印加された電圧は、導電層(5)、表面層(6)を介して潜像担持体(1)に印加され、潜像担持体(1)表面を帯電するようになっている。
帯電部材(2)の芯金(3)は、潜像担持体(1)の長手方向に沿って(潜像担持体(1)の軸と平行に)配置されており、帯電部材(2)全体は、潜像担持体(1)に対して所定の押圧力で押し付けられている。これによって、潜像担持体(1)表面の一部と帯電部材(2)表面の一部とが双方の長手方向に沿って接触し、所定幅の接触ニップを形成している。潜像担持体(1)は、図示しない駆動手段によって回転駆動され、これに伴って帯電部材(2)は従動回転するように構成されている。
なお図1では、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段は省略されている。
電源(7)による潜像担持体(1)の帯電は、上述の接触ニップの近傍を介して行われる。接触ニップを介して、帯電部材(2)表面と潜像担持体(1)表面の被帯電領域(帯電部材(2)の長さに相当)とは万遍なく接触し、これによって、潜像担持体(1)表面の被帯電領域は一様となる。
帯電部材(2)の導電層(5)は非金属(この例では導電性加硫ゴム)であり、潜像担持体(1)との当接状態を安定させるために、低硬度の材料を好ましく用いることができる。例えば、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール等の樹脂やヒドリン系、EPDM、NBR等のゴムが用いられる。導電性の材料としては、カーボンブラックやグラファイト、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
また、表面層(6)は、中抵抗(102〜1010Ω)の抵抗値を有する材料(この例で
は、アセチレンブラック含有のポリウレタン−シリコンアクリルポリマー)が用いられる。
例えば樹脂としては、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、シリコン、テフロン(登録商標)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリテオフェン、ポリカーボネート、ポリビニル等を用いることができるが、水との接触角を高めるためにフッ素系の樹脂を用いることが好ましい。
フッ素系の樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等が挙げられる。
さらに、中抵抗に調整する目的で、カーボンブラックやグラファイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄等の導電性材料を適宜添加させてもよい。
図2は、本発明の画像形成方式の一例を示す透視図である。この画像形成方式においては、像担持体(感光体:11)は矢印方向に下方から上方へ回転する。現像装置(12)の搬送部材(現像ローラ:13)は、像担持体(感光体:11)に接触あるいは0.1〜0.3mm程度のギャップを保持し、矢印のように駆動される。
搬送部材(現像ローラ:13)の材質は、アルミ、ステンレス等の金属導電体にサンドブラスト処理で表面を適度な粗さを保持したものから構成される。搬送部材(現像ローラ:13)の周囲には供給部材(トナー供給ローラ:14)、板バネ材にゴム板(ウレタンゴム、シリコンゴム等)を貼り付け、もしくはSUS等の金属材質の規制ブレード(トナー層厚規制ブレード)(15)が配置される。
また、供給部材(トナー供給ローラ:14)へのトナー供給のため、トナー送りシャフト(16)がトナーを保持する保持室(17)に回転自在に配設される。
以下に本発明で用いるトナー及び構成材料の分析方法について述べる。
<<無機粒子の粒径>>
本発明の無機粒子の個数平均粒径はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所社製)により測定される。無機粒子を界面活性剤が加えられた水系媒体中で予め超音波分散し、得られた試料を本測定機にて測定する。
<<無機粒子の比表面積>>
本発明の無機粒子のBET比表面積はQUANTACHROME社製比表面積計オートソープ1を使用し、BET多点法により求める。
<<無機粒子の分散粒径>>
本発明におけるトナー表面上での無機粒子の分散粒径は、SEM観察画像により算出した。具体的には2万倍の倍率でトナー1粒を視野内に収めた観察を複数回行い、トナー表面500個分の無機粒子の分散粒径(凝集粒子径)と個数頻度をヒストグラムに表し、個数中位径として算出する。なお、この算出には市販の画像処理装置(例えばルーゼックス(ニレコ社製))を用いて解析することによっても可能である。
また、本発明の実施例では本発明の無機粒子以外の外添剤と併用する為、無機粒子に表面処理した金属石鹸の中心金属元素をEPMAによりマッピングし、そのマッピングされた画像から本発明の無機粒子の分散粒径を算出した。
<<トナー軟化点(以下、T1/2とも記す)>>
T1/2および流出終了温度は、島津製作所製フローテスタCFT−500Dによって測定される値であり、押出し口の直径は0.5mm、深さ1mm、昇温は3℃/minで行った。
また、試料にかかる荷重は30kgfに設定した。
<<ガラス転移点、ワックス融点>>
示差走査型熱量計(DSC)は、セイコーインスツル社製のDSC6200を用い、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定した。本解析により樹脂およびトナーのガラス転移点、ワックスの
融点を算出する。
<<酸価の測定>>
酸価の測定方法は、JIS K−0070に準じて行われた。具体的な操作手順は以下のとおりである。
(1)300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1:v/v)の混合液150mlを加え溶解する。
(2)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。 (3)この時のKOH溶液の使用量をSmlとし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をBmlとする。
(4)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
<<トナー粒子径>>
トナー粒子の粒径の測定は、コールターカウンター法により行われる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーIIやコールターマルチサイザーIII(い
ずれもコールター社製)があげられる。以下、測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分として2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
<<トナー円形度>>
形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.960以上のトナーが適正な濃度の再現性を有し高精細な画像を形成するのに有効である事が判明した。より好ましくは、平均円形度が0.980〜1.000である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測した値である。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
以上説明したように、潜像保持体に対し、接触して帯電を行なう工程において、本発明に係る潜像潜像現像用トナーは、上記の如き構成をとることにより、良好な帯電性を示し、帯電部材表面や感光ドラム表面への固着やキズ発生が極めて起こりにくくなり、本発明に係る接触帯電工程のマッチングが極めて良く、帯電工程の能力を充分発揮させ、常に良好な画像形成を行なわせるトナーを提供することができた。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に詳細に説明する。ただし、本発明は以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量部を表わす。
◎複合酸化物粒子Cの製造
Mg(OH)2粉末のスラリーとSiO2粉末(平均一次粒径0.02μm)をMgO:SiO(モル比)で2:1となる様に秤量し、MgO濃度71.5g/L、SiO2
度53.3g/Lで150Lのスラリーとし、サンドグラインダーミルにて、メディアに0.8mmφのアルミナシリカ系ビーズを用い、メディア充填率80%、送液速度4.0L/min、スラリーパス回数3パスの条件で湿式粉砕を行った。スラリーをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、電気炉にて大気中で1100℃で30分焼成を行った。
その後、焼成品を300g/Lとなるようにスラリー化して、50Lをサンドグラインダーミルにて、メディアに0.8mmφのアルミナシリカ系ビーズを用い、メディア充填率80%、送液速度5.6L/min、スラリーパス回数2パスの条件で湿式粉砕を行った。スラリーをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、サンドミルにて粉砕し、粒子C−1を得た。以上のようにして得られた粉末を、X線回折により同定したところ、フォルステライトの単一相であった。また、平均一次粒径は0.10μm、比表面積は18.9m/g、平均二次粒径は0.39μmであった。
上記工程の焼成温度を1200℃で行った以外はC−1と同様に作成し、粒子C−2を得た。以上のようにして得られた粉末を、X線回折により同定したところ、フォルステライトの単一相であった。また、平均一次粒径は0.15μm、比表面積は10.5m/g、平均二次粒径は1.7μmであった。
MgO:SiO(モル比)で1:1となる様に秤量し、MgO濃度35.8g/L、SiO濃度53.3g/Lで150Lのスラリーとしたこと以外は同様に作成し、粒子C−3を得た。以上のようにして得られた粉末を、X線回折により同定したところ、エンスタタイトの単一相であった。また、平均一次粒径は0.09μm、比表面積は20.5m/g、平均二次粒径は0.40μmであった。
◎粉砕法トナー粒子の調製
≪第1結着樹脂H1の作成≫
ビニル系モノマーとして、
スチレン 600g
アクリル酸ブチル 110g
アクリル酸 30g
重合開始剤としてジクミルパーオキサイド 30g
を滴下ロートに入れた。
ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1230g
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 290g
イソドデセニル無水コハク酸 250g
テレフタル酸 310g
無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸 180g
エステル化触媒としてジブチル錫オキシド 7g
を、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、第1結着樹脂H1を得た。
得られた第1結着樹脂H1の軟化点(T1/2)は130℃であった。
≪第2結着樹脂L1の作成≫
第2結着樹脂L1に関しても、ビニル系モノマー、ワックスを添加しないこと以外は第1結着樹脂H1と同様の方法で、以下の単量体を仕込みポリエステル樹脂を合成した。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1650g
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 660g
イソドデセニル無水コハク酸 190g
テレフタル酸 750g
無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸 190g
エステル化触媒としてジブチル錫オキシド 0.3g
このようにして得られた第2結着樹脂L1は軟化点(T1/2)が113℃であった。
<トナー母粒子(粉砕法)の作成>
第1結着樹脂H1 30部
第2結着樹脂L1 70部
パラフィンワックス、融点73.3℃ 5部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料) 2.5部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち加圧ニーダーにて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約7.0μmのシアン色の母体トナー(イ)を得た。
トナー(イ)の酸価を測定したところ、22.4KOHmg/gであり、またT1/2は120℃、円形度は0.922であった。
◎乳化重合法トナー粒子の調製
<シアン着色剤分散液>
顔料C.I.ピグメントブルー15:3 50重量部
ドデシル硫酸ナトリウム 10重量部
イオン交換水 200重量部
上記をサンドグラインダーミルで分散させ、体積平均粒子径(D50)が170nmのシアン着色剤分散液を得た。
<ラテックスの調製>
(ラテックス1Lの調製)
(分散媒)
ドデシル硫酸ナトリウム 4.05g
イオン交換水 2500g
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、上記分散媒を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
スチレン 612g
n−ブチルアクリレート 156g
メタクリル酸 32g
n−オクチルメルカプタン 13g
この活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)9.62gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、上記の単量体溶液を90分かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1L)」とする。乾燥したラテックス(1L)のT1/2は124℃であった。
(ラテックス1HMLの調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
(分散媒1)
ドデシル硫酸ナトリウム 4.05g
イオン交換水 2500.00g
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000m1のセパラブルフラスコに、上記分散媒1を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
スチレン 568.00g
n−ブチルアクリレート 164.00g
メタクリル酸 68.00g
n−オクチルメルカプタン 16.51g
この活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)9.62gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、上記の単量体溶液を90分かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。ラテックス(1H)の重量平均粒径は68nmであった。
(2)中間層の形成(第二段重合)
(単量体溶液2)
スチレン 123.81g
n−ブチルアクリレート 39.51g
メタクリル酸 12.29g
n−オクチルメルカプタン 0.72g
パラフィンワックス 75.0g
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、上記の単量体溶液2を仕込み、80℃に加熱し溶解させて単量体溶液を調製した。
(分散媒2)
1021(OCHCH)OSONa 0.60g
イオン交換水 2700.00g
一方、上記分散媒2を98℃に加熱し、この分散媒に、核粒子の分散媒である前記ラテックス(1H)を固形分換算で32g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、単量体溶液2を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(過硫酸カリウム)6.12gをイオン交換水250m1に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(ラテックス(1H)粒子の表面が被膜された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
(3)外層の形成(第三段重合)
(単量体溶液3)
スチレン 350g
n―ブチルアクリレート 95g
メタクリル酸 5g
n−オクチルメルカプタン 6.1g
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)8.8gをイオン交換水350mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、82℃の温度条件下に、単量体溶液3を一時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重
合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(ラテックス(1H)からなる中心部と、第二段重合樹脂からなる中間層と、第三段重合樹脂からなる外層とを有し、前記第二段重合樹脂層にワックスが含有されている複合樹脂の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。ラテックス(1HML)に仕込んだワックスW1の量は、単量体に対して12.5質量%であり、また乾燥したラテックス(1HML)のT1/2を測定したところ131℃であった。
<乳化重合法トナー粒子の調製>
ラテックス(1L)を240.0g(固形分換算)と、ラテックス(1HML)を180.0g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、上記シアン着色剤分散液150gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物65.0gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に92℃まで昇温し、凝集粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて凝集粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が6.6μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度94℃にて加熱撹拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた(熟成工程)。その状態で、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」にて融着粒子の形状を測定し、形状係数が0.952になった時点で30℃まで冷却し、撹拌を停止した。生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、トナー(ロ)を得た。トナー(ロ)の個数平均粒径と形状係数を再度測定したところ、それぞれ6.5μm、0.954であった。
また、トナーの酸価を測定したところ、25.1KOHmg/gであり、定荷重押出し形細管式レオメータによるT1/2は127℃であった。
◎溶解懸濁伸張法トナー粒子の調製
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
(水相の調整)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を
入れ、常圧・230℃で7時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量230 0、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧・230℃で7時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応させて[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応させ、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
(マスターバッチ(MB)の合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
(乳化→脱溶剤)
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
(洗浄→乾燥)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数1
2,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩いトナー母体粒子(ハ)を得た。トナー(ハ)の軟化点は108℃であった。
<実施例及び比較例のトナーの製造>
表1に示される外添剤と共に、表2に示すように各外添剤と無機粒子を上記トナー母粒子に添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、振動フルイ機にてふるいをかけ各トナーを得た。
Figure 2007218941

Figure 2007218941
<評価>
各実施例および比較例で得られた現像剤を各評価項目について以下の方法に従って評価した。
<現像ノイズ>
各トナーを接触帯電ローラ方式、非磁性1成分現像方式を採用するタンデムフルカラープリンタIPSiO CX−3000(リコー社製)にセットし、印字率が15%の画像チャートを用いて8000枚連続印字したときの帯電不良による画像地汚れ、現像ローラーのフィルミング、スジなどの発生状況を評価した。
◎:地汚れ、フィルミング、スジ、薄層形成不良は発生していなかった。
○:地汚れ、フィルミング、スジ、薄層形成不良のいずれかが若干発生していたが、実用上問題ないレベルであった。
△:地汚れ、フィルミング、スジ、薄層形成不良のいずれかがが発生しており、実用上問題となるレベルであった。
×:地汚れ、フィルミング、スジ、薄層形成不良のいずれかが多数発生していた。
<クリーニング性>
上記評価と同様の評価を行い、8000枚印字後の感光体上のクリーニングの拭き残しの発生状況を評価した。
○:クリーニング不良による拭き残しは発生していなかった。
×:クリーニング不良による拭き残しが発生していた。
<感光体ノイズ>
上記評価と同様の評価を行い、8000枚印字後の感光体上のフィルミング、スジの発生状況を評価した。
○:感光体表面にフィルミング、スジは発生していなかった。
×:感光体表面にフィルミング、スジが発生していた。
<帯電ローラノイズ>
上記評価と同様の評価を行い、8000枚印字後の接触帯電ローラのフィルミングの発生状況を評価した。
○:帯電ローラ表面にフィルミング、感光体帯電不良は発生していなかった。
×:帯電ローラ表面にフィルミング、感光体帯電不良が発生していた。
<転写中抜け>
上記評価と同様の評価を行い、8000枚印字後の細線画像を出力し、転写中抜けの発生状況を評価した。
○:転写中抜けは実用上問題のないレベルであった。
×:転写中抜けが発生し、実用上問題となるレベルであった。
以上の評価結果を各現像剤の外添剤条件とともに以下の表に示す。
Figure 2007218941
帯電部材の構成の説明図である。 本発明の画像形成方式説明図である。
符号の説明
1 潜像担持体
2 帯電部材
3 芯金
5 導電層
6 表面層
7 電源
11 感光体
12 現像装置
13 現像ローラ
14 トナー供給ローラ
15 規制ブレード
16 トナー送りシャフト
17 保持室

Claims (18)

  1. 少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー母粒子に、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmの疎水性チタニア及び/またはシリカから選択される微粒子Bと、平均一次粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cが外添されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー母粒子に、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmの疎水性チタニア及び/またはシリカから選択される微粒子Bと、個数平均粒径が0.02〜2.0μmの範囲にある、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cが外添されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  3. 少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂を含有してなるトナー母粒子に、個数平均粒径が5〜20nmの疎水性シリカ微粒子Aと、個数平均粒径が20〜100nmの疎水性チタニア及び/またはシリカから選択される微粒子Bと、平均一次粒径が0.01〜0.5μm、前記一次粒子が凝集して形成される平均二次粒径が0.02〜2.0μmの範囲にある、シリカ(SiO)とマグネシア(MgO)からなる複合酸化物粒子Cが外添されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  4. 前記微粒子A及び前記微粒子Bが疎水性であり、該疎水化度が50〜90であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記微粒子Aと前記微粒子Bの合計の添加量が前記トナー母粒子に対して2〜5重量%であり、前記複合酸化物粒子Cの添加量が前記トナー母粒子に対して0.3〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 前記微粒子Aと前記微粒子Bの重量比が1:9〜7:3であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  7. 前記複合酸化物粒子Cがマグネシア(MgO)/シリカ(SiO)のモル比率が0.8〜2.2の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  8. 前記複合酸化物粒子CがX線回折により、フォルステライト、エンスタタイト、ステアタイトのいずれかに同定される材料であり、トナー中に単独または複数種類を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  9. 前記複合酸化物粒子Cの平均一次粒径が0.02〜0.15μmであることを特徴とする請求項1又は3に記載の静電潜像現像用トナー。
  10. 前記複合酸化物粒子Cの平均二次粒径が0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項3に記載の静電潜像現像用トナー。
  11. 前記複合酸化物粒子CがMg(OH)粉末またはMgO粉末と、平均一次粒径10.0μm以下のSiO粉末とを焼結して得られたものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  12. 前記トナー母粒子が体積平均径4〜9μmの範囲であり、非磁性1成分現像方式に用いら
    れることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  13. 前記トナー母粒子が体積平均径4〜9μmの範囲であり、2成分現像方式に用いられることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  14. 前記トナー母粒子が少なくとも離型剤を3.5〜10重量%含有し、粉砕法で製造されてなるオイルレス定着用フルカラー画像形成用トナーであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  15. 前記トナー母粒子が少なくとも離型剤を5〜12重量%含有し、湿式中で造粒されて製造されてなるオイルレス定着用フルカラー画像形成用トナーであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  16. 少なくとも、回動可能な像担持体と、前記像担持体に接触配置され、当該像担持体を所定の電位に帯電する帯電工程と、回動するトナー搬送部材とトナーを該搬送部材に供給するトナー供給部材とからなる現像工程と、を有する画像形成方法であって、該トナーが請求項1〜15のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  17. 感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成させ、該トナー像を転写材に転写させることにより画像を形成する画像形成装置に用いられ、同装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、感光体と、前記感光体に当接して感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体上に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、前記トナー像を記録材に転写させる転写手段と、前記転写材にトナー像が転写された後に前記感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1つの手段と、前記感光体上に形成された前記静電潜像にトナーを現像してトナー像が形成される現像手段とが一体に支持され、該トナーは、請求項1〜15のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成させ、該トナー像を転写材に転写させることにより画像を形成する画像形成装置において、該トナーが請求項1〜15のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。

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