JP2007218845A - 透過x線測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の種類が既知である元素及び/又は化合物から成る被測定物中の、各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は含有量及び密度を短時間で且つ正確に求める。
【解決手段】X線2を被測定物3に透過させ透過X線をエネルギー弁別可能な検出器4で検出し、その検出信号により所定のエネルギーにおける実測X線強度を求めてデータ処理部6に与える。被測定物3の含有元素の吸収端波長が利用できる場合、吸収端前後の波長における質量吸収係数から求まる理論的な透過X線強度比と実測の透過X線強度比等を既知とし、元素の厚さを未知の値とする連立方程式を解くことで定量する。吸収端波長が利用できない場合には直接X線の測定結果も利用し、複数の波長における質量吸収係数から求まる理論的な透過X線と直接X線との強度比、及び実測の透過X線と直接X線との強度比を既知とし、各元素及び/又は各化合物の厚さを未知の値とする連立方程式を解くことで定量する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定物に含まれる複数の元素及び/又は化合物の含有量及び密度、又は厚さを測定するための透過X線測定方法に関する。
透過X線を利用した非破壊検査装置や医療用撮影装置が従来より知られている。例えば特許文献1に記載の非破壊検査装置は、基材上又は基材の内部に設けたこの基材とは異なる材料から成る被測定物の厚みを測定する装置であり、被測定物に照射するX線をそのスペクトル全体におけるピークがその被測定物の元素の吸収端近傍の波長になるように設定し、その吸収端近傍波長における透過X線の強度に基づいて被測定物の厚みを算出するようにしている。より詳しく述べると、吸収端の高エネルギー(短波長)側近傍と該吸収端の低エネルギー(長波長)側近傍とにおける基材及び被測定物透過後のX線強度をそれぞれ測定し、それら強度値、吸収端の高エネルギー側近傍における被測定物の線吸収係数、及び吸収端の低エネルギー側近傍における被測定物の線吸収係数から被測定物の厚さを導出している。
上記従来の透過X線測定方法は基本的に被測定物が既知の1種類の成分(元素)から成ることを前提としている。そのため、例えば配管内や密閉容器内に付着した特定重金属の厚さの測定など特定の目的には有用であるが、被測定物が複数の元素や化合物の混合物であるような場合には適用できない。なお、上記特許文献1には被測定物が合金である場合に、その合金中の特定元素の含有率を求める方法も開示されているが、この方法では、或る特定元素の含有率しか求めることができず他の元素についての含有率は求まらない。また、該方法では物質の単位長さ当たりのX線の減衰割合を表す線吸収係数を用いた式を利用しているため、特定元素以外の元素の密度への影響が考慮されておらず、特定元素の含有率についてもその算出精度が低いものとなってしまう。
ところで、透過X線測定装置において試料の或る一箇所だけでなく二次元的な測定を行いたいという要求は強い。従来、二次元測定を行う透過X線分析装置では、透過X線を検出するためにX線写真フィルム、半導体二次元検出器、イメージングプレートなどが利用されているが、こうした検出器では検出される透過X線のエネルギーを弁別することはできないため、被測定物中の物質の密度の大小が信号強度の濃淡として二次元的に表現されるだけである。そのため、こうした装置では、被測定物中の元素の厚みや含有量などを測定することはできない。
医療用の透過X線測定の一部では、被測定物にX線を照射するX線管の管電圧を高低の二段階に変えて二回の測定を実行し、その二回の測定により得られた撮影画像をデータ処理することによりに人体の骨塩(骨の中のミネラル成分)を定量することが行われている。しかしながら、これは複数の元素の混合物の含有量を求めるものであり、元素毎に分離した含有量の測定は行えない。
一方、透過X線顕微鏡では、従来、二つの方法で以て透過X線による二次元画像が取得されている。その一つは、点状光源からのX線を被測定物に照射してその透過X線を二次元検出器で検出する方法である。通常、入射X線として、シンクロトロン放射光(SR光)からフレネルゾーンプレートなどを用いて単色化及び集光を行ったものを用いる。この場合、被測定物に含まれる元素の吸収端に近いエネルギーを持つX線を選択することにより、その元素による透過画像の濃淡を強調することが行われる。しかしながら、この方法でも、被測定物に含まれる各元素の厚さや含有量は得られない。
他の一つの方法は、細い平行光に近いX線束を被測定物に照射して透過したX線を検出し、被測定物を入射X線に垂直な面内で逐次走査して二次元状の透過X線像を取得する方法である。通常、エネルギー弁別のできない検出器を用いるため、被測定物が単一の元素のみで構成されている場合を除き、各元素の厚さや含有量などの情報を得ることはできない。一部では、SR光によるX線を入射X線とし、透過X線の検出に波長分散型検出器によるエネルギー弁別を行い、被測定物に含まれる元素の吸収端近傍のX線強度分布を正確に測定することにより、その元素の化学的結合状態の解析(XAFS)が行われている。しかしながら、この場合、被測定物に含まれる各元素の厚さや含有量の二次元分布を求めるためには、被測定物を入射X線に垂直な面内で走査する必要があり、測定に長い時間を要するとともに、その測定の間の入射X線の安定度が十分でないと測定精度が低下するという問題がある。
特開平11−287643号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的は、被測定物が種類が既知である複数の元素及び/又は化合物から構成される場合に、各元素及び/又は各化合物の厚さや含有量及び密度を短時間で且つ正確に測定することができる透過X線測定方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、被測定物が種類が既知である複数の元素及び/又は化合物から構成される場合に、各元素の厚さや含有量及び密度の二次元分布を短時間で且つ正確に測定することができる透過X線測定方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る透過X線測定方法は、所定の波長範囲のX線を被測定物に照射するX線照射手段と、前記被測定物を透過した透過X線を検出するためのエネルギー弁別可能なX線検出器と、該X線検出器による検出信号に基づき透過X線のエネルギーを弁別してX線強度データを求める信号処理回路と、を具備する透過X線測定装置を用い、含有元素及び/又は含有化合物の種類が既知である若しくは推定可能である被測定物の各元素及び/又は各化合物の、厚さ、又は含有量と密度、を測定する透過X線測定方法であって、
所定のエネルギーにおける、実測の透過X線強度比と、被測定物に含まれる全ての元素及び/又は化合物の質量吸収係数と、厚さ、又は重量比と密度で表した理論的透過X線強度比とから成る方程式を、被測定物に含まれる、厚さ又は含有率が未知な元素及び/又は化合物の総数と同数以上立てて連立方程式とし、
前記所定のエネルギーにおけるX線強度比を前記透過X線測定装置により実測し、
該実測により得られた値を前記連立方程式に代入して該連立方程式を解き、解として各元素及び/又は各化合物の、厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めることを特徴としている。
この発明に係る透過X線測定方法の一態様として、前記X線照射手段と前記X線検出器との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において被測定物に含まれる全ての元素及び/又は全ての化合物中の元素が吸収端を持つ場合、各元素の吸収端を挟んだ両側のエネルギーにおける透過X線の実測値の比を前記X線強度比とした連立方程式を用い、被測定物を透過して来た透過X線を前記X線検出器で検出し、それにより得られるX線強度データから前記実測強度比を算出してこれを前記各方程式に適用して、その連立方程式を解くことにより各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めるものとすることができる。
吸収端は元素に固有のものであるため、或る元素が吸収端を持つ場合、その吸収端よりも僅かに高いエネルギー側と僅かに低いエネルギー側とにおいて透過X線の強度は大きく相違するのに対し、同じエネルギーに対し被測定物を透過しない直接X線の強度はほぼ同じであるとみなせ、これを利用して算出精度が相対的に高い連立方程式を立てることができる。これによれば、透過X線の測定のみを実施すればよいため被測定物を透過しない直接X線の測定が不要であって、そのための測定時間や検出器が不要になる。
この発明に係る透過X線測定方法の別の態様として、被測定物に含まれる、厚さ又は含有率が未知な元素及び/又は化合物の総数と同数以上の所定のエネルギーにおいて被測定物を透過した透過X線の強度と同エネルギーにおいて被測定物を透過しない直接X線の強度との比を前記X線強度比とした連立方程式を用い、被測定物を透過して来た透過X線と透過しない直接X線をそれぞれ別に前記X線検出器で検出し、それにより得られるX線強度データから前記実測強度比を算出してこれを前記各方程式に適用して、その連立方程式を解くことにより各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めるものとすることができる。
この場合には、複数のエネルギー(波長)において直接X線の強度と透過X線の強度とを測定する必要があり、各波長における直接X線と透過X線との強度比の相違を利用して、各元素及び/又は各化合物の含有量と密度、又は厚さ、を計算している。そのため、直接X線測定のための測定時間や検出器が別途必要になるものの、吸収端を利用しないので定量可能な元素に殆ど制約がなくなる。
但し、吸収端を利用した場合のほうが算出精度が高いため、被測定物中に両元素、つまりX線照射手段とX線検出器との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において吸収端を持つ元素と吸収端を持たない元素とが混在している場合には、その元素毎に適用し得る方程式を選んで、そうした方程式を併せた連立方程式を立てるとよい。
即ち、前記X線照射手段と前記X線検出器との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において吸収端を持つ元素については、吸収端を挟んだ両側のエネルギーにおける透過X線の実測値の比を前記X線強度比とした方程式を用いる一方、該エネルギー範囲において吸収端を持たない元素については、所定のエネルギーにおいて被測定物を透過した透過X線の強度と同エネルギーにおいて被測定物を透過しない直接X線の強度との比を前記X線強度比とした方程式を用い、それらを併せた、被測定物に含まれる、厚さ又は含有率が未知な元素及び/又は化合物の総数と同数以上の連立方程式を立ててこの解を求めることにより各元素及び/又は各の厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めるとよい。
また、本発明に係る透過測定方法は二次元測定に容易に拡張することができる。即ち、前記X線照射手段は所定の波長範囲の発散X線又は平行束X線を被測定物に照射するものであり、前記X線検出器は前記被測定物を透過した透過X線を検出するためのエネルギー弁別可能な微小X線検出素子が二次元状に配置されたものであり、前記信号処理回路は、該X線検出器による検出信号に基づき各微小検出素子毎に透過X線のエネルギーを弁別してX線強度データを求めるものであって、被測定物の各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は含有量と密度、の二次元分布情報を測定するものとすることができる。
ここで、発散X線とは点状又はそれに相当する形状のX線照射手段から所定の立体角を以てX線が拡がるように放出される場合をいい、平行束X線とは面状又はそれに相当する形状のX線照射手段からX線が略平行に放出されて殆ど拡がることがない場合をいう。
本発明に係る透過X線測定方法によれば、被測定物に含まれる複数の元素及び/又は化合物の種類が既知であるか或いは高い確度で推定可能であれば、各元素及び/又は各化合物の含有量及び密度、又は厚さ、を高い精度で以て且つ同時に得ることができる。したがって、被測定物の含有元素や含有化合物の定量分析が効率良く正確に行えるようになり、非破壊検査や医療用など広範な分野に有用である。
また、特に本発明に係る二次元の透過X線測定方法によれば、被測定物に照射するX線を二次元的に走査して順次透過X線を検出する必要もないので、この点でも測定時間は短くて済み、そうした短時間の測定でも、被測定物を構成する元素及び/又は化合物の含有量及び密度、又は厚さ、の二次元分布情報を高い精度で以て得ることができる。
本発明に係る透過X線測定方法の一実施例について図面を参照して説明する。図1は本実施例による透過X線測定を行うための透過X線測定装置の全体構成図である。
図1において、X線管等のX線源1から出射されたX線2は被測定物3に照射され、被測定物3中を透過した透過X線がX線検出器4に入射する。X線源1は単一波長ではなく所定の波長範囲(換言すると所定のエネルギー範囲)のX線、つまり複数波長のX線を出射可能なものであり、X線検出器4はこの波長範囲に対応した検出が可能なものである。
X線検出器4では入射したX線の波長つまりエネルギーに応じた電気信号が発生し、この検出信号は検出信号処理部5に入力され、まずプリアンプ(前置増幅器)51により増幅される。このときの信号は図1中に示すように階段状の電圧パルス信号となる。この信号の階段の各段の高さが被測定物3に含まれる各元素のエネルギーに対応している。この電圧パルス信号は波形整形回路を含む比例増幅器52に入力され、上記各階段の高さに応じた波高を持つ適当な形状のパルスに成形される。
マルチチャンネルアナライザ53は入力されたパルス信号の波高値に応じて各パルスをエネルギー毎に弁別した後に、弁別された各パルスをそれぞれ計数する。このマルチチャンネルアナライザ53の弁別対象のエネルギーは制御部8により設定され、任意のエネルギーの透過X線のX線強度を対応した値をデータ処理部6に出力する。そして、データ処理部6はこのX線強度値の実測データに対し後述するような演算処理を実行することで、被測定物3に含まれる各元素及び/又は各化合物の厚さや含有量及び密度を算出し、その結果を表示部7に表示する。
次に、上記構成の透過X線測定装置を用いて、被測定物3に含まれる各種元素及び/又は各種元素の含有量及び密度や厚さを得るための方法について述べる。ここでは、被測定物3が種類が既知である複数の元素、具体的には5種の元素a、b、c、d、eを含んでいるものとする。周知のように、一般に各種の元素はX線に対してそれぞれ固有の吸収端を持つ。上述のようにX線源1は所定波長範囲のX線を出射可能であるが、その波長範囲は限られているため、いま測定対象としている5種の元素a〜eの吸収端波長が照射X線の波長範囲に含まれる場合とそうでない場合とがあり得る。そこで、この両者を分けて考え、前者を第1の測定モード、後者を第2の測定モードと呼ぶ。
[1]第1の測定モード:元素a、b、…、eの吸収端波長が照射X線の波長範囲及びX線検出器の検出可能波長範囲に含まれる場合
図2は1種の元素aについての透過X線のスペクトルの一例を示す図である。この図のように、吸収端波長λaに対応したエネルギーEaの前後で透過X線強度は急激に変化する。一方、吸収端波長は元素に固有のものであるため、元素a以外の他の元素b、c、d、eは同一エネルギーEaにおいて吸収端を持たない。したがって、元素aの吸収端波長λaの前後、つまり吸収端波長λaよりも少しだけ長波長側の波長λa+及び吸収端波長よりも少しだけ短波長側の波長λa-における元素b、c、d、eの透過X線強度の変化は小さい。また、直接X線の強度も殆ど変化しない。
従来より、こうした吸収端前後の透過X線強度の急激な変化を利用してその元素の定量を行う方法が提案されている(例えばカリティ著 、「X線回折要論」、アグネ承風社発行、 p427-p431参照)。この提案の方法では、実測により求めた透過X線のスペクトルにおいて吸収端波長よりも長波長側のカーブと短波長側のカーブとをそれぞれ外挿することにより、長波長側と短波長側との吸収端波長上での仮想的なX線強度をそれぞれ算出する。そして、この実測に基づいた長波長側の仮想的なX線強度と短波長側の仮想的なX線強度との強度比、及び、試料の質量吸収係数を考慮した理論的な値から試料中での元素aの重量比や厚さを推算するようにしている。特許文献1による透過X線測定方法の基本的にはこの方法を踏襲したものである。
しかしながら、上記のような方法では、透過X線の検出信号をエネルギー毎に分離する際のエネルギー分解能が十分に高くないと吸収端波長前後での透過X線スペクトルカーブに対し十分な精度の外挿を行うことができず、元素の重量比や厚さの計算に大きな狂いが生じる可能性がある。また、上述したように被測定物に多数の元素が含まれる場合に一度に全ての元素の厚さや含有量及び密度を算出することはできず、しかも正確性に問題がある。
そこで、本実施例による透過X線測定方法では、透過X線スペクトルのカーブの外挿を行って急激な強度変化前後の透過X線強度の吸収端波長上での換算値を用いる代わりに、実際に求めた透過X線強度値をそのまま利用する一方、上記換算により無視していた他の元素の影響も考慮した計算式を用い、各元素について同様の計算式を立ててこれらを連立方程式として解いて複数の元素の含有量や厚さを並行して算出できるようにしている。
即ち、被測定物に含まれる各元素a、b、…、eのそれぞれについて、吸収端波長のエネルギーよりも少し高いエネルギーにおける透過X線強度と少し低いエネルギーにおける透過X線強度とを実測により求める。例えば元素aに関して言えば、図2に示すように、吸収端波長のエネルギーEaよりも少し高いエネルギーEahの透過X線強度IEahと少し低いエネルギーEalの透過X線強度IEalとを求める。その元素の吸収端波長の前後の波長(エネルギー)におけるX線強度の比IEah/IEalと、その元素の線吸収係数ではなく質量吸収係数を用いて計算できる理論上の透過X線の強度比、さらには共存する他の元素の上記吸収端波長前後における質量吸収係数を用いて計算できる理論上の透過X線の強度比と、から次のような連立方程式を立てることができる。なお、ここでは吸収端波長の前後の波長に対する直接X線のX線強度は殆ど変化せず等しいものとみなしている。
[A]各元素の厚さを求めたい場合
各元素a、b、…、eの厚さを求めたい場合には次のような連立方程式を用いる。
ln(IEah/IEal)={(μ/ρ)aEal−(μ/ρ)aEah}・ρaa+{(μ/ρ)bEal−(μ/ρ)bEah}・ρbb+…+{(μ/ρ)eEal−(μ/ρ)eEah}・ρee …(1)
ln(IEbh/IEbl)={(μ/ρ)aEbl−(μ/ρ)aEbh}・ρaa+{(μ/ρ)bEbl−(μ/ρ)bEbh}・ρbb+…+{(μ/ρ)eEbl−(μ/ρ)eEbh}・ρee …(2)
………
ln(IEeh/IEel)={(μ/ρ)aEel−(μ/ρ)aEeh}・ρaa+{(μ/ρ)bEel−(μ/ρ)bEeh}・ρbb+…+{(μ/ρ)eEel−(μ/ρ)eEeh}・ρee …(3)
ここで、
Eah:元素aの吸収端波長のエネルギーよりも少し高いエネルギーの透過X線強度
Ebh:元素bの吸収端波長のエネルギーよりも少し高いエネルギーの透過X線強度
Eeh:元素eの吸収端波長のエネルギーよりも少し高いエネルギーの透過X線強度
Eal:元素aの吸収端波長のエネルギーよりも少し低いエネルギーの透過X線強度
Ebl:元素bの吸収端波長のエネルギーよりも少し低いエネルギーの透過X線強度
Eel:元素eの吸収端波長のエネルギーよりも少し低いエネルギーの透過X線強度
(μ/ρ)aEal:エネルギーEalにおける元素aの質量吸収係数
(μ/ρ)aEah:エネルギーEahにおける元素aの質量吸収係数
(μ/ρ)bEal:エネルギーEalにおける元素bの質量吸収係数
(μ/ρ)bEah:エネルギーEahにおける元素bの質量吸収係数
(μ/ρ)eEal:エネルギーEalにおける元素eの質量吸収係数
(μ/ρ)eEah:エネルギーEahにおける元素eの質量吸収係数
(μ/ρ)aEbl:エネルギーEblにおける元素aの質量吸収係数
(μ/ρ)aEbh:エネルギーEbhにおける元素aの質量吸収係数
(μ/ρ)bEbl:エネルギーEblにおける元素bの質量吸収係数
(μ/ρ)bEbh:エネルギーEbhにおける元素bの質量吸収係数
(μ/ρ)eEbl:エネルギーEblにおける元素eの質量吸収係数
(μ/ρ)eEbh:エネルギーEbhにおける元素eの質量吸収係数
ρa:元素aの密度
ρb:元素bの密度
ρe:元素eの密度
a:元素aの厚さ
b:元素bの厚さ
e:元素eの厚さ
[B]元素の重量比を求めたい場合
各元素a、b、…、eの含有量や全体の密度を算出するために重量比を求めたい場合には次のような連立方程式を用いる。
ln(IEah/IEal)=[{(μ/ρ)aEal−(μ/ρ)aEah}・wa+{(μ/ρ)bEal−(μ/ρ)bEah}・wb+…+{(μ/ρ)eEal−(μ/ρ)eEah}・we]・ρmm …(4)
ln(IEbh/IEbl)=[{(μ/ρ)aEbl−(μ/ρ)aEbh}・wa+{(μ/ρ)bEbl−(μ/ρ)bEbh}・wb+…+{(μ/ρ)eEbl−(μ/ρ)eEbh}・we]・ρmm …(5)
………
ln(IEeh/IEel)=[{(μ/ρ)aEel−(μ/ρ)aEeh}・wa+{(μ/ρ)bEel−(μ/ρ)bEeh}・wb+…+{(μ/ρ)eEel−(μ/ρ)eEeh}・we]・ρmm …(6)
ここで、上記[A]で記載した以外のパラメータについて、
a:元素aの重量比
b:元素bの重量比
e:元素eの重量比
ρm:混合物(又は化合物)全体の密度
m:混合物(又は化合物)全体の厚さ
であり、且つ全ての含有元素の重量比の和は1、つまり
a+wb+…+we=1
である。
[C]元素だけでなく種類が既知である化合物が含まれている場合
いま、被測定物中に種類が既知である化合物、例えば元素aの代わりに化合物aが含まれている場合について考える。ここでいう種類が既知であるとは、その化合物aの構成元素の全ての含有量比及び密度が既知であるということである。この場合、化合物aとその他の含有元素b、c、d、eの厚さ、又は含有量と全体の密度、を同時に定量するためには、例えば化合物aの構成元素がa1、a2、a3であり、それら構成元素の重量wa1、wa2、wa3が既知の場合、前述の各式(1)〜(6)において、(μ/ρ)aの代わりに、
(μ/ρ)a=(μ/ρ)wa1+(μ/ρ)wa2+(μ/ρ)wa3
を代入し、その化合物aの密度ρa、厚さta、重量比waは元素aをそのまま化合物aと読み代える式を立てればよい。但し、
(μ/ρ)a:化合物aの質量吸収係数
(μ/ρ)wa1:構成元素a1の質量吸収係数
(μ/ρ)wa2:構成元素a2の質量吸収係数
(μ/ρ)wa3:構成元素a3の質量吸収係数
a1+wa2+wa3=1
である。また、前述の元素aの吸収端を利用した式の代わりに、この化合物aに対応する方程式として、化合物aに含まれる全ての元素がa1、a2、a3の吸収端に対応する方程式を立てる必要はなく、そのうちのいずれか1つの元素、例えば元素a1についてのみ吸収端の両側のエネルギーを利用した方程式を立てれば十分である。したがって、X線源1とX線検出器4との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において、吸収端を持つ元素を1つだけ選べばよい。この場合、例えば(1)式は、
ln(IEah/IEal)=[{(μ/ρ)a1Ea1l・wa1+(μ/ρ)a2Ea1l・wa2+(μ/ρ)a3Ea1l・wa3}−{(μ/ρ)a1Ea1h・wa1+(μ/ρ)a2Ea1h・wa2+(μ/ρ)a3Ea1h・wa3}]・ρaa+[(μ/ρ)bEal−(μ/ρ)bEah]・ρbb+…+[(μ/ρ)eEal−(μ/ρ)eEah]・ρee
と変形する。また(2)式、(3)式も同様に変形する。一方(4)式は、
ln(IEah/IEal)=〈[{(μ/ρ)a1Ea1l・wa1+(μ/ρ)a2Ea1l・wa2+(μ/ρ)a3Ea1l・wa3}−{(μ/ρ)a1Ea1h・wa1+(μ/ρ)a2Ea1h・wa2+(μ/ρ)a3Ea1h・wa3}]・wa+{(μ/ρ)bEal−(μ/ρ)bEah}・wb+…+{(μ/ρ)eEal−(μ/ρ)eEah}・we〉・ρmm
と変形する。また(5)式、(6)式も同様に変形する。
上記連立方程式におけるパラメータの中で、元素a、b、…、e(又は構成元素a1、a2、a3)について各エネルギーにおける質量吸収係数は既知であり、例えば予めデータベース化して又はテーブル化してメモリ装置に格納しておくことができる。また、元素a、b、…、e(又はいずれかの構成元素a1、a2、a3)の吸収端波長前後の実測による透過X線強度比IEah/IEal、IEbh/IEbl、…、IEeh/IEel等は上述したように実際の測定により得ることができるから既知であるとみなせる。また、元素の重量比を求めたい場合に用いる連立方程式での混合物(又は化合物)全体の厚さtmは、予め別途実測を行うなどにより既知とすることができる。したがって、それら既知の値以外の、各元素及び/又は化合物の厚さ(ta、tb、…、te)や重量比(wa、wb、…、we)及び全体の密度(ρm)などの未知の値は、こうした既知の値を上記連立方程式に代入してこれを解くことにより求めることができる。
上記透過X線測定装置における第1の測定モードでは、上述したように被測定物3に対してX線2を照射してそれに対する透過X線をX線検出器4で検出し、その検出信号により求まる、所定のエネルギーにおけるX線強度を元にデータ処理部6において上記のような連立方程式を解く演算を実行することにより、被測定物3に含まれる各種元素及び/又は化合物の含有量(重量比)及び密度、又は厚さを導出することができる。そして、その算出結果を表示部7に表示することにより測定者に提供する。
[2]第2の測定モード:元素a、b、…、eの吸収端波長が照射X線の波長範囲又はX線検出器の検出可能波長範囲に含まれない場合
この場合には、上述したように吸収端波長前後の透過X線強度の極端な差を利用することができない。そこで、透過X線の実測強度のみでは定量解析を行うことができず、直接X線の実測強度も利用する。即ち、図1において、透過X線測定の前又は後に同じX線検出器4で直接X線が検出できるように被測定物3を移動した状態で直接X線を測定するか、或いは、X線源1からのX線が被測定物3を透過せずに直接入射する位置に別のエネルギー弁別可能なX線検出器4’を設置しておき、透過X線をX線検出器4で測定するのと並行して直接X線をX線検出器4’で測定する。
図3は透過X線と直接X線のスペクトルの一例を示す図である。この図のように、被測定物3を透過する際にX線は全般的に吸収を受けるため、透過X線強度は直接X線強度よりも低くなる。被測定物3に含まれる元素の種類が複数である場合、つまり被測定物3が複数の元素の混合物や化合物である場合には、X線の吸収はそれら複数の元素によるそれぞれの吸収が合算されたものとなる。そこで、相異なるエネルギー(図3ではE1、E2)においてそれぞれ直接X線の強度(図3ではI0E1、I0E2)と透過X線の強度(図3ではIE1、IE2)とを実測すれば、各エネルギーにおける透過X線強度と直接X線強度の比(例えばI0E1/IE1)、及び、各元素の質量吸収係数を用いて計算できる理論上の透過X線強度と直接X線強度との比、から次のような連立方程式を立てることができる。X線強度を求めるべきエネルギー値の数は被測定物に含まれる元素の種類と同数以上とする。また、精度を上げるためには複数のエネルギー値はあまり近接していないほうがよい。
[A]元素の厚さを求めたい場合
各元素a、b、…、eの厚さを求めたい場合には次のような連立方程式を用いる。
ln(I0E1/IE1)=(μ/ρ)aEl・ρaa+(μ/ρ)bE1・ρbb+…+(μ/ρ)eE1・ρee …(7)
ln(I0E2/IE2)=(μ/ρ)aE2・ρaa+(μ/ρ)bE2・ρbb+…+(μ/ρ)eE2・ρee …(8)
………
ln(I0En/IEn)=(μ/ρ)aEn・ρaa+(μ/ρ)bEn・ρbb+…+(μ/ρ)eEn・ρee …(9)
ここで、
0E1:エネルギーE1における直接X線強度
0E2:エネルギーE2における直接X線強度
0En:エネルギーEn(nは被測定物に含まれる元素の種類と同数以上の値)における直接X線強度
E1:エネルギーE1における透過X線強度
E2:エネルギーE2における透過X線強度
En:エネルギーEnにおける透過X線強度
(μ/ρ)aEl:元素aのエネルギーE1における質量吸収係数
(μ/ρ)bE1:元素bのエネルギーE1における質量吸収係数
(μ/ρ)eE1:元素eのエネルギーE1における質量吸収係数
(μ/ρ)aE2:元素aのエネルギーE2における質量吸収係数
(μ/ρ)bE2:元素bのエネルギーE2における質量吸収係数
(μ/ρ)eE2:元素eのエネルギーE2における質量吸収係数
[B]元素の重量比を求めたい場合
ln(I0E1/IEl)={(μ/ρ)aE1・wa+(μ/ρ)bE1・wb+…+(μ/ρ)eE1・we]・ρmm …(10)
ln(I0E2/IE2)={(μ/ρ)aE2・wa+(μ/ρ)bE2・wb+…+(μ/ρ)eE2・we]・ρmm …(11)
………
ln(I0En/IEn)={(μ/ρ)aEn・wa+(μ/ρ)bEn・wb+…+(μ/ρ)eEn・we]・ρmm …(12)
であり、且つ全ての含有元素の重量比の和は1、つまり
a+wb+…+we=1
である。
[C]元素だけでなく種類が既知である化合物が含まれている場合
いま、被測定物中に種類が既知である化合物、例えば元素aの代わりに化合物aが含まれている場合を考える。ここでいう種類が既知であるとは、その化合物aの構成元素の全ての含有量比及び密度が既知であるということである。この場合、化合物aとその他の含有元素b、c、d、eの厚さ、又は含有量と全体の密度、を同時に定量するためには、例えば化合物aの構成元素がa1、a2、a3であり、それら構成元素の重量wa1、wa2、wa3が既知の場合、前述の各式(7)〜(12)において、(μ/ρ)aの代わりに、
(μ/ρ)a=(μ/ρ)wa1+(μ/ρ)wa2+(μ/ρ)wa3
を代入し、その化合物aの密度ρa、厚さta、重量比waは元素aをそのまま化合物aと読み代える式を立てる。但し、(μ/ρ)a、(μ/ρ)wa1、(μ/ρ)wa2、(μ/ρ)wa3は前述の定義であり、
a1+wa2+wa3=1
である。また、前述の元素aの代わりにこの化合物aに対応する方程式の変形を行えばよく、化合物aに含まれる全ての元素a1、a2、a3の種類に対応した数、即ち、3つの方程式を立てる必要はなく、エネルギーと方程式の数は変わらない。この場合、例えば(7)式は、
ln(I0E1/IE1)={(μ/ρ)a1E1・wa1+(μ/ρ)a2E1・wa2+(μ/ρ)a3E1・wa3}・ρaa+(μ/ρ)bE1・ρbb+…+(μ/ρ)eE1・ρee
と変形する。また(8)式、(9)式も同様に変形する。一方、(10)式は、
ln(I0E1/IEl)=[{(μ/ρ)a1E1・wa1+(μ/ρ)a2E1・wa2+(μ/ρ)a3E1・wa3}・wa+(μ/ρ)bE1・wb+…+(μ/ρ)eE1・we]・ρmm
と変形する。また(11)式、(12)式も同様に変形する。
前述したように上記連立方程式におけるパラメータの中で、各種の元素(又は構成元素)の各エネルギーでの質量吸収係数などは既知であり、例えば予めデータベース化して又はテーブル化してメモリ装置に格納しておくことができる。また、各エネルギーにおける直接X線強度及び透過X線強度は上述したように実際の測定により得ることができるから既知であるとみなせる。また、元素の重量比を求めたい場合に用いる連立方程式での混合物(又は化合物)全体の厚さtmは、予め別途実測を行うなどにより既知とすることができる。したがって、各元素及び/又は各化合物の厚さや重量比、密度などの未知の値は、こうした既知の値を上記連立方程式に代入してこれを解くことにより求めることができる。
上記透過X線測定装置における第2の測定モードでは、上述したように被測定物3に対してX線2を照射してそれに対する透過X線をX線検出器4で検出するとともに被測定物3を透過しない直接X線をX線検出器4又はX線検出器4’で一斉に検出し、検出信号により求まる、所定のエネルギーにおけるX線強度を元にデータ処理部6において上記のような連立方程式を解く演算を実行することにより、被測定物3に含まれる各種元素及び/又は各種化合物の含有量及び密度や厚さを導出することができる。そして、X線検出器4で得られた検出信号に対応してそれぞれ上記のような定量解析を実行することで、被測定物に含まれる各元素及び/又は各化合物の含有量及び密度や厚さを求め、表示部7に表示することにより測定者に提供する。
上述したように本実施例の透過X線測定装置では、第1又は第2のいずれかの測定モードを用いて被測定物3に含まれる各種元素の含有量及び密度や厚さを求めることができる。元素の吸収端波長が照射X線の波長範囲に含まれない場合や元素の吸収端波長がX線検出器4の検出可能波長範囲に含まれない場合には第2の測定モードを選択せざるをえないが、第1の測定モードでの測定が可能な場合でも第2の測定モードで測定することはできる。したがって、いずれの測定モードを選択するのかは測定者が決めるようにしておくとよい。但し、第2の測定モードのほうが第1の測定モードよりも適用範囲は広いものの、一般的には第1の測定モードのほうが高い精度が得られる。したがって、第1の測定モードによる測定が可能である場合には、第1の測定モードを実行したほうがよい。即ち、第1の測定モードで測定可能な波長範囲、つまり元素や化合物の種類は予め既知であるから、そうした元素や化合物の含有量及び密度や厚さの定量を行う際には自動的に第1の測定モードを選択し、それに適合しない元素や化合物の含有量及び密度や厚さの定量を行う際には自動的に第2の測定モードを選択するようにするとよい。
また、被測定物3に含まれる複数の元素の中で、使用可能なX線の波長範囲に吸収端を持つ元素と持たない元素とが混在する場合には、吸収端を持つ元素についてはより精度の高い第1の測定モードでの方程式を立て、吸収端を持たない元素については第2の測定モードでの方程式を立て、これらを併せて、被測定物に含まれる、厚さ又は含有率が未知な元素及び/又は化合物の総数と同数以上の方程式から成る連立方程式として、これを解くことで未知の値である各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は含有量及び密度を求めることができる。例えば、電子デバイスで、Si基板上にAlとCuの薄膜が形成されている場合、大気中ではCuの吸収端測定は容易であるが、SiとAlの吸収端測定は困難である。このような場合に、Cuについては第1の測定モードを適用する一方、SiとAlとについてはそれぞれ第2の測定モードを適用することで、全元素について第2の測定モードを適用する場合に比べて厚さ又は含有量及び密度の算出の精度を高めることができる。
なお、上述のように第1、第2の測定モードのいずれでも原則としては被測定物3に含まれる元素及び/又は化合物の種類が既知であることを前提としている。即ち、被測定物の製造原料の元素や化合物が既知である(例えばその情報が製造者等から提供されている)場合や、他の何らかの方法により定性分析は終了していて、その既知の元素及び/又は化合物について定量分析を実行したい場合に、本発明の透過X線測定方法を適用する。全ての含有元素及び/又は化合物を把握する方法は特に問わないが、蛍光X線分析や質量分析などを利用することができる。また、含有元素や化合物が確定的に分からない場合でも、含有元素や化合物を推測して上記方法を適用することもできる。この場合、含まれると推測した元素や化合物が実際には被測定物に含まれない場合には、含有量又は厚さがゼロに近い値が導出されるから実用上問題はない。一方、実際には被測定物に含まれる元素や化合物が推測元素や化合物として挙げられていない場合には、それによる誤差が生じる。したがって、被測定物に実際に含まれる元素や化合物は必ず計算対象として挙げておく必要があり、被測定物に含まれない元素や化合物を計算対象として挙げてしまっても問題がない、ということになる。
また、第2の測定モードでは透過X線だけでなく直接X線も測定するが、図3で明らかなように直接X線は途中で殆ど吸収を受けないため強度が大きい。そのため、同じX線検出器4で直接X線も測定する場合には、直接X線が入射したときにX線検出器4での検出信号の飽和が生じないようにX線源1での出射強度を決めてしまうと、透過X線を検出する際のS/Nが悪くなるおそれがある。そこで、直接X線測定時には透過X線測定時よりもX線源1からの出射X線の強度を例えば1/Nに落とすようにし、その代わりにX線検出器4で得られた検出信号をN倍することで全体としてのダイナミックレンジを確保するようにしてもよい。同様に、透過X線をX線検出器4で測定すると同時に別のX線検出器4’で直接X線を測定する場合には、X線検出器4’の前に、強度が例えば1/Nになるようなアパーチャ等のX線減衰手段を設けることで検出強度を落とすようにし、その代わりにX線検出器4’で得られた検出信号をN倍することで全体のダイナミックレンジを確保するようにしてもよい。
図1の実施例は、X線の通過方向に対する或る1つの領域のみにおいて、被測定物3の1次元的な各元素及び/又は化合物の含有量及び密度、又は厚さを測定するものであり、もし、被測定物3についての二次元的な情報を得るためには、例えば被測定物3を挟むX線源1とX線検出器4とを組として被測定物3の延展方向(図1では紙面に直交する面内)で移動させ、その移動毎に同様の測定を繰り返す必要がある。これに対し、より簡便に短時間で測定を行うための透過X線測定装置を図4を参照して説明する。
図4は本発明の他の実施例による透過X線測定装置の概略構成図である。図1に示した装置と同じ又は相当する構成要素には同一符号を付してある。この実施例の透過X線測定装置では、X線管等の微小点焦点X線源11から出射して拡がりつつ進む発散X線12が被測定物13に照射され、被測定物13中を透過した透過X線が平面状の検出面を有する二次元X線検出器14に入射する。二次元X線検出器14は所定の波長範囲のX線を直接的に検出可能な微小X線検出素子を縦横の二次元状に多数配置したものであり、例えば直接X線検出型のCCD素子を用いたCCD検出器などを利用することができる。また、微小点焦点X線源11は上記X線源1と同様に単一波長ではなく所定の波長範囲のX線、つまり複数波長のX線を出射可能なものである。
二次元X線検出器14において、透過X線が入射した各微小X線検出素子ではそのX線の波長つまりエネルギーに応じた電気信号が発生する。つまり、二次元X線検出器14の検出面上の異なる位置の微小X線検出素子で生成された検出信号は被測定物13の異なる位置に存在する各元素の情報を含む。したがって、ここでは検出信号処理部5は二次元X線検出器14の各微小X線検出素子毎に受光した透過X線の強度に対応した値をデータ処理部6に与える。そして、データ処理部6はこの実測値データに対しそれぞれ演算処理を実行することで、被測定物3に含まれる各元素及び/又は各化合物の厚さや含有量及び密度を微小X線検出素子の位置に対応した微小領域毎に算出し、これを二次元X線元検出器14の検出面の全て(実際には検出信号が得られた範囲のみでよい)について求めて二次元分布情報を作成して表示部7に表示する。
二次元X線検出器14の各微小X線検出素子毎に得られる検出信号を元にして得られる実測値データの処理による、被測定物13の各元素及び/又は各化合物の厚さ又は、含有量及び密度の算出方法は既に述べた通りである。なお、この場合、第2の測定モードの直接X線の測定については、被測定物を移動して測定することやX線検出器を別途設ける必要はなく、二次元X線検出器の多数のX線検出素子の中で、X線源からのX線が被測定物を透過することなく直接到達する部分にあるX線検出素子の検出信号を利用することができる。
なお、図4を見れば明らかなように、被測定物13を透過したX線は二次元X線検出器14の検出面に到達するまでにさらに拡がるため、この検出面には拡大されたX線像が投影されることになる。したがって、定量結果を二次元分布表示する場合にはこうしたサイズの拡大を考慮する必要がある。
また照射X線は発散光束であるため、厳密に言えば、たとえ被測定物13の厚さが均一であったとしても、発散X線12の入射位置によってその透過X線にとっての厚さは変わってくる。つまり、被測定物13の周辺部にゆくほど透過X線にとってのみかけ上の厚さは大きくなる。そこで、前述のように元素及び/又は化合物の含有量及び密度や厚さを計算する際に、こうした位置の相違によるみかけ上の厚さの相違を軽減するような補正処理を行ってもよい。
また、二次元分布測定を行うためにX線照射系の構成を図5に示すように変更してもよい。この変形例では、X線源21は面状であって発散光束でなく平行束X線22を出射する。したがって、二次元X線検出器14の検出面には被測定物13のX線像が実物大で投影される。この場合には、被測定物13が均一厚さであるときに、X線の入射位置に拘わらず透過X線にとっての厚さも同一になる。即ち、上記実施例のような見かけ上の厚さの相違が生じないので、そうした厚さの相違を補正しなくても高い精度で以て各元素及び/又は各化合物の厚さや含有量を求めることができる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
本発明の一実施例である透過X線測定装置の要部の構成図。 本実施例の透過X線測定装置において元素及び/又は化合物の含有量及び密度や厚さを算出する方法を説明するためのエネルギースペクトル図。 本実施例の透過X線測定装置において元素及び/又は化合物の含有量及び密度や厚さを算出する方法を説明するためのエネルギースペクトル図。 本発明の一実施例である二次元分布測定が可能な透過X線測定装置の要部の構成図。 他の実施例による二次元分布測定が可能な透過X線測定装置のX線照射系の概略構成図。
符号の説明
1、11、21…X線源
2…X線
12…発散X線
22…平行束X線
3、13…被測定物
4、4’…X線検出器
14…二次元X線検出器
5…検出信号処理部
51…プリアンプ
52…比例増幅器
53…マルチチャンネルアナライザ
6…データ処理部
7…表示部
8…制御部

Claims (6)

  1. 所定の波長範囲のX線を被測定物に照射するX線照射手段と、前記被測定物を透過した透過X線を検出するためのエネルギー弁別可能なX線検出器と、該X線検出器による検出信号に基づき透過X線のエネルギーを弁別してX線強度データを求める信号処理回路と、を具備する透過X線測定装置を用い、含有元素及び/又は含有化合物の種類が既知である若しくは推定可能である被測定物の各元素及び/又は各化合物の、厚さ、又は含有量と密度、を測定する透過X線測定方法であって、
    所定のエネルギーにおける、実測の透過X線強度比と、被測定物に含まれる全ての元素及び/又は化合物の質量吸収係数と、厚さ、又は重量比と密度で表した理論的透過X線強度比とから成る方程式を、被測定物に含まれる、厚さ又は含有率が未知な元素及び/又は化合物の総数と同数以上立てて連立方程式とし、
    前記所定のエネルギーにおけるX線強度比を前記透過X線測定装置により実測し、
    該実測により得られた値を前記連立方程式に代入して該連立方程式を解き、解として各元素及び/又は各化合物の、厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めることを特徴とする透過X線測定方法。
  2. 前記X線照射手段と前記X線検出器との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において被測定物に含まれる全ての元素及び/又は全ての化合物中の元素が吸収端を持つ場合、各元素の吸収端を挟んだ両側のエネルギーにおける透過X線の実測値の比を前記X線強度比とした連立方程式を用い、被測定物を透過して来た透過X線を前記X線検出器で検出し、それにより得られるX線強度データから前記実測強度比を算出してこれを前記各方程式に適用して、その連立方程式を解くことにより各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めることを特徴とする請求項1に記載の透過X線測定方法。
  3. 被測定物に含まれる、厚さ又は含有率が未知な元素及び/又は化合物の総数と同数以上の所定のエネルギーにおいて被測定物を透過した透過X線の強度と同エネルギーにおいて被測定物を透過しない直接X線の強度との比を前記X線強度比とした連立方程式を用い、被測定物を透過して来た透過X線と透過しない直接X線をそれぞれ別に前記X線検出器で検出し、それにより得られるX線強度データから前記実測強度比を算出してこれを前記各方程式に適用して、その連立方程式を解くことにより各元素及び又は各化合物の厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めることを特徴とする請求項1に記載の透過X線測定方法。
  4. 前記X線照射手段と前記X線検出器との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において被測定物に含まれる全ての元素が吸収端を持たない場合に前記測定方法を適用することを特徴とする請求項3に記載の透過X線測定方法。
  5. 前記X線照射手段と前記X線検出器との組み合わせで測定可能なエネルギー範囲において吸収端を持つ元素については、吸収端を挟んだ両側のエネルギーにおける透過X線の実測値の比を前記X線強度比とした方程式を用いる一方、該エネルギー範囲において吸収端を持たない元素については、所定のエネルギーにおいて被測定物を透過した透過X線の強度と同エネルギーにおいて被測定物を透過しない直接X線の強度との比を前記X線強度比とした方程式を用い、それらを併せた連立方程式を立ててこの解を求めることにより各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は重量比と全体の密度、を求めることを特徴とする請求項1に記載の透過X線測定方法。
  6. 前記X線照射手段は所定の波長範囲の発散X線又は平行束X線を被測定物に照射するものであり、前記X線検出器は前記被測定物を透過した透過X線を検出するためのエネルギー弁別可能な微小X線検出素子が二次元状に配置されたものであり、前記信号処理回路は、該X線検出器による検出信号に基づき各微小検出素子毎に透過X線のエネルギーを弁別してX線強度データを求めるものであって、被測定物の各元素及び/又は各化合物の厚さ、又は重量比と密度の二次元分布情報を測定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透過X線測定方法。

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