JP2007217951A - 壁材、壁構造及び壁面施工方法 - Google Patents

壁材、壁構造及び壁面施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の壁材を配列・固定した下地上に単一面の仕上げ塗膜を形成する壁面施工において、製作が容易で目地処理機能を持ち、仕上げ塗膜との接着性にも優れた壁材を提供する。
【解決手段】断熱性の基板の表面に、不織布からなり表裏面にアクリル樹脂エマルションを塗布した介装シ−トを貼着させ、この介装シ−トにおける隣接する2辺は基板から張出して重ね代部を形成しており、好ましくは重ね代部の裏面には粘着性塗料を塗布していない絶縁部を設け、更には重ね代部に複数個の穴を設けた壁材。この壁材を用いる壁面施工。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の壁材を配列・固定して下地を形成し、下地の表面に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成して大壁に仕上げるために用いられる壁材及び壁面施工に関する。
より具体的には、本発明は、例えば断熱性のパネル板等である基板に介装シ−トを貼着した壁材と、この壁材を複数(多数)配列・固定した下地上に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成した壁構造と、このような壁構造の壁面の施工方法とに関する。
従来の壁面施工用の壁材として、例えば図9(a)に示す表装材を挙げることができる。この表装材は、表面に化粧を施した板材100の隣接する2辺に裏面段部101が形成されるとともに、残りの2辺に前記裏面段部101と凹凸の嵌合関係で対応する表面段部102が形成されていた。そして、この表装材を室内外の壁面、床面、または天井面等に貼り着けるには、図9(b)に示すように、隣接する表装材の裏面段部101と表面段部102とが嵌合されて、各表装材が壁面等に固定されていた。
次に、本件出願の出願人は、下記の特許文献1において、不織布等の基材部に合成樹脂等よりなる化粧材部を重ね合わせた表装材を提案している。
特公平7−59841号公報 一方、複数の壁材を隣合わせに配列・固定した場合の壁材間の目地を処理する手段として、各種の目地処理テープが用いられている。目地処理テープは壁材間の目地部に貼着けられるものであり、その後に壁材の表面の塗装等により壁面の仕上げが行われる。このような目地処理テープとしては、網状のものやクラフト紙等の紙を用いたものがある。
特開平10−317630号公報 上記の特許文献2には、網状の目地処理テープの一例である目地処理用掩蔽テープが開示されている。この目地処理用掩蔽テープは、網状のテープの下面側の中央にテープ幅より狭い掩蔽フィルムなどを接着剤で平行状態で貼着し、その掩蔽フィルムの下面側には接着剤層を有するものであり、コストが安価で、使用が容易な目地処理用掩蔽テープが提供される、としている。
特開2000−356019号公報 次に上記の特許文献3には、クラフト紙を用いた目地処理テープの一例が開示されている。この目地処理テープを用いると、建築仕上用壁材に色違いやひび割れ等を生じることがなく、壁材を綺麗に仕上げることができる、としている。
実開昭57−162352号公報 叉、上記の特許文献4には、目地部を浮かして貼るタイプの目地処理テープが開示されている。壁材などの建材の目地部は動く場合がある。即ち、壁面施工の完了後において、種々の原因により目地部が僅かに移動したり変形したりする。特許文献4に開示された目地処理テープでは、目地部が動いた場合にも、テープ部分が浮いた状態であるため余裕が保て、化粧仕上面に亀裂が入ったり、段差を生じたりすると言う不具合を防ぐことができる、としている。
しかし、図9に示す従来の表装材においては板材の端部に段部101、102を切削加工する必要があり、その製作に手間がかかる。
次に、特許文献1に開示された表装材は全体として可撓性を有するため、壁面の下地が連続した平滑面でない場合は、その壁面に表装材を凹凸なく整然と貼り着けるのが難しい 。
一方、目地処理テープに関しては、特許文献2に開示された目地処理用掩蔽テープでは、テープとそのテープの表面に仕上げられる塗材又は塗料などの仕上げ材との付着性が弱く、目地部の動きにより仕上げ材が剥がれる場合がある。叉、特許文献3に開示された目地処理テープでは、仕上げ材の乾燥過程での短期的な仕上げ材のひび割れを防止することができるが、長期的な目地部の動きによる仕上げ材のひび割れを防止できない場合がある 。
更に、特許文献4に開示された目地部を浮かして貼るタイプの目地処理テープでは、予め粘着加工されたテープ中央部に一定幅の紙を貼りつける点や、パテを埋め込み不粘着部分を形成する点等においてかなりの手間を要するし、その不粘着部に厚みを付けることになって、壁板(壁材)間に段差を生じたようになる場合がある。
そこで本発明は、複数の壁材を配列・固定して形成した下地の表面に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成して大壁に仕上げる壁面施工において、(イ)優れた目地処理機能を併せ持ち、しかも製作の容易な壁材を提供する、(ロ)壁材を配列・固定する下地が平坦面でなくても、仕上げ塗膜の表面に凹凸が生じない、(ハ)下地と仕上げ塗膜との接着性が優れる、(ニ)目地部の動きによる仕上げ塗膜の亀裂、段差等の発生を有効に防止できる、等の有利な効果を達成することを、解決すべき技術的課題とする。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための第1発明の構成は、連続した単一面の塗膜で仕上げる壁構造における仕上げ塗膜の下地形成用の壁材であって、基板とその表面に貼着した介装シ−トからなり、前記介装シ−トにおける隣接する2辺が基板から張出して重ね代部を形成している、壁材である。
なお、介装シ−トは基板より少し大きく形成し、両者を重ねた場合に隣接する2辺で介装シ−トが張出して重ね代部を形成するようにしても良いし、介装シ−トを基板と同じ大きさとし、基板に対して介装シ−トを少しズラせて重ねることにより介装シ−トの隣接する2辺が基板から張出して重ね代部を形成するようにしても良い。
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための第2発明の構成は、前記第1発明に係る介装シ−トが網状体、編物、織布又は不織布からなる、壁材である。
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る介装シ−トの表面には仕上げ塗膜を形成する塗材に対して親和性の塗料を塗布した塗料層が形成されている、壁材である。
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る介装シ−トと基板とは接着剤によって固定され、かつ、介装シ−トの重ね代部の裏面には粘着加工が施されている、壁材である。
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための第5発明の構成は、前記第3発明又は第4発明に係る介装シ−トの重ね代部の裏面の粘着加工部に剥離シート又は剥離テープを被覆した、壁材である 。
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための第6発明の構成は、前記第4発明又は第5発明に係る重ね代部の裏面には、重ね代部が基板から張出す基端線に沿って、粘着加工が施されていない絶縁部を一定の幅で設けた、壁材である。
(改良発明1の構成)
上記課題を解決するための改良発明1の構成は、前記第1発明〜第6発明のいずれかに係る重ね代部には複数個の穴を設け、併せて、下記(イ)又は(ロ)のように構成した、壁材である。
(イ)介装シ−トが基板と同じ平面サイズであり、これを重ね代部の張出し分だけ対角線方向にズラして基板上に貼着している。
(ロ)介装シ−トが、基板よりも重ね代部の張出し分だけ大きい平面サイズであり、介装シ−トにおける重ね代部側の2辺と対向する他の2辺部分(重ね部)においては、他の壁材の重ね代部が重ねられた場合にその複数個の穴がそれぞれ位置する部位に、複数個の穴を設けている。
(改良発明2の構成)
上記課題を解決するための改良発明2の構成は、前記改良発明1に係る重ね代部の複数個の穴が、重ね代部に前記絶縁部を設けた場合には、その絶縁部を避けて形成されている、壁材である。
(第7発明の構成)
上記課題を解決するための第7発明の構成は、第1発明〜第6発明あるいは改良発明1、同2のいずれかに係る壁材を複数、隣合わせに配列・固定して形成した下地の表面に、連続した単一面の仕上げ塗膜を形成した壁構造であって、
(1)各壁材の介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部がそれぞれ隣合う壁材の端部表面を覆い、重ね代部裏面の粘着性塗料が隣合う壁材の介装シート表面の塗料層に接着されており、
(2)隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせている場合には、重ね代部の裏面に前記絶縁部を設けて、この絶縁部が目地部上に位置しており、
(3)下地の表面を形成する各介装シ−ト表面の塗料層と仕上げ塗膜が積層している、壁構造である。
(改良発明3の構成)
上記課題を解決するための改良発明3の構成は、前記第7発明に係る仕上げ塗膜の厚みが介装シ−トの厚みの1.5倍以上である、壁構造である。
(第8発明の構成)
上記課題を解決するための第8発明の構成は、第1発明〜第6発明あるいは改良発明1、同2のいずれかに記載の壁材を複数、隣合わせに配列・固定して下地を形成した後、下地の表面全体に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成する方法であって、
(a)複数の壁材を配列・固定させるに当たり、介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部をそれぞれ隣合う壁材の端部表面に重ね、重ね代部の粘着性塗料を隣合う壁材の介装シート表面の塗料層に接着させ、
(b)仕上げ塗膜を形成するに当たり、下地の表面全体に介装シ−トの厚みより厚く仕上げ用塗材を塗布し、介装シ−ト表面の塗料層と接着させつつ仕上げ塗膜を形成する、壁面施工方法である。
(改良発明4の構成)
上記課題を解決するための改良発明4の構成は、前記第8発明に係る壁面施工方法において、隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせる場合に、重ね代部の裏面に前記絶縁部を設けた壁材を用い、この絶縁部が目地部上に位置するように壁材を配列させる、壁面施工方法である。
(改良発明5の構成)
上記課題を解決するための改良発明5の構成は、前記前記第8発明又は改良発明4に係る壁面施工方法において、介装シートの重ね代部と重ね部に前記複数個の穴を設けた壁材を用いる場合に、重ね代部の複数個の穴と、隣合う壁材の介装シートにおける重ね部の複数個の穴とが、ほぼ同軸に重なるように壁材を配列させる、壁面施工方法である。
(第1発明の効果)
第1発明の壁材は基板の表面に介装シ−トを貼着させると言う簡単な構成からなるので、前記した従来技術に係る表装材のように板材の端部に段部を切削加工する必要がなく、簡易に製作することができる。
叉、基板における隣接する2辺の端縁からは介装シ−トが張出して重ね代部を形成しているので、この重ね代部が従来の目地処理テープと比較して遜色のない優れた目地処理機能を発揮する。
更に、壁材の固定に使用される皿ビス等の頭部の出っ張りを介装シ−トにより吸収できるので、配列・固定された複数の壁材により構成される下地の全体を、同一平面を形成するように配置できる。
(第2発明の効果)
介装シ−トの材質や種類は限定されないが、例えば、網状体(メッシュのものも含む)、編物、織布又は不織布からなる介装シ−トを好ましく例示することができる。
(第3発明の効果)
第3発明の壁材においては、介装シ−トの表面に仕上げ塗膜の塗材に対して親和性の塗料を塗布した塗料層が形成されているので、下地と仕上げ塗膜との付着性が優れる。叉、そのため仕上げ材に割れ等の発生がなく、目地部の動きによる仕上げ材のひび割れの発生を少なくすることができる。
また、 壁材を対象とする壁面に施工後、プライマー処理などの下地処理を行うことなく、仕上げ塗膜を形成することができる。
(第4発明の効果)
第4発明の壁材においては、介装シ−トと基板とは接着剤や粘着剤によって固定され、かつ、介装シ−トの重ね代部の裏面には粘着加工を施しているので、壁面の施工において、重ね代部の裏面の粘着部を隣り合う基材上に接着させることにより、下地の連続した平面性が確保される。
(第5発明の効果)
介装シ−トの重ね代部裏面の粘着加工部に剥離シート又は剥離テープを被覆しておくと、粘着加工部が使用時に到るまで他の器物に無用に粘着する恐れがなく、取扱いに便利である。
(第6発明の効果)
第6発明のように、粘着加工を施していない絶縁部を基端線に沿って一定の幅で設けると、目地部が動いた場合でも、その動きが絶縁部内で起こり絶縁部に吸収されるため、仕上げ塗膜のひび割れ等が起こり難い。
(改良発明1の効果)
改良発明1のように構成すると、壁面施工の際に仕上げ塗膜用の塗材の一部が穴を通じて壁材の基板に接着する。その結果、下地と仕上げ塗膜の付着強度が一層向上し、仕上げを行った後の目地部の強度が向上し、仕上げ塗膜におけるひび割れ等の発生や剥落を防止することができる。
隣合わせに壁材を配列した場合において、改良発明1の(イ)の場合には、基板と同じ平面サイズの介装シ−トを対角線方向にズラして基板上に貼着しているため、一方の壁材の重ね代部に設けた複数個の穴の裏側には、隣合う壁材の基板が露出しており、これに対して仕上げ塗膜用の塗材の一部が接着する。
隣合わせに壁材を配列した場合において、改良発明1の(ロ)の場合には、一方の壁材の重ね代部に設けた複数個の穴と、隣合う壁材の重ね部に設けた複数個の穴とがほば同軸に重なるので、これらの穴を通過した仕上げ塗膜用の塗材の一部が基板に接着する。
(改良発明2の効果)
改良発明2によれば、重ね代部に設けた複数個の穴が絶縁部を避けて形成されているので、上記した改良発明1の効果が一層有効に発揮される。
(第7発明の効果)
第7発明に係る壁構造は、第1発明ないし第6発明あるいは改良発明1、同2のいずれかに係る複数の壁材を隣合わせに配列・固定して形成した下地の表面に、連続した単一面の仕上げ塗膜を形成して、大壁に仕上げたものである。
そして、隣合わせに配列・固定された各壁材の間においては、一方の壁材の介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部が隣合う壁材の端部表面を覆い、接着されている。そのため、重ね代部が従来の目地処理テープと比較して遜色のない優れた目地処理機能を発揮するので、仕上げ塗膜の表面に凹凸が生じない。
叉、隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせている場合には、重ね代部の裏面に絶縁部を設けた壁材を用いて、この絶縁部を目地部上に位置させているので、目地部の動き(壁材固定位置又は目地部の変動)が絶縁部によって吸収され、仕上げ用塗膜における亀裂その他の外観的不具合の発生が防止されると言う効果を生じる。
次に、重ね代部に複数個の穴を設けた場合には、前記したように、仕上げ塗膜の塗材の一部が、重ね代部の穴を通過して、あるいは重ね代部の穴と重ね部の穴とを通過して基板に接着しているので、下地と仕上げ塗膜との付着強度の向上、仕上げ後の目地部強度の向上、仕上げ塗膜のひび割れ、剥落の防止等の効果を得ることができる。
更に、下地を構成する壁材に貼着した介装シートには仕上げ塗膜に対して親和性の塗料により塗料層が形成されているので、下地となる壁材と仕上げ塗膜との付着性が優れる。
(改良発明3の効果)
改良発明3のように、仕上げ用塗膜の厚みを介装シ−トの厚みの1.5倍以上とすることにより、壁面を均一に仕上げることができ、仕上げられた壁面において下地の目地を一層良好に隠して壁面を一枚の大壁となった壁面として見せることができる。更に、壁板の動きが発生した場合であっても仕上げ材にひび割れが生じる恐れが少ない。
(第8発明の効果)
第8発明の壁面施工方法においては、第1発明ないし第6発明あるいは改良発明1、同2のいずれかに係る複数の壁材を隣合わせに配列・固定して形成した下地の表面全体に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成することにより、大壁に仕上げる。
そして、複数の壁材を配列・固定させるに当たり、剥離シートや剥離テープを剥がしながら、介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部をそれぞれ隣合う壁材の端部表面に重ね、重ね代部の粘着加工部を隣合う壁材の介装シート表面の塗料層に接着させるので、施工が極めて簡単である。
更に、仕上げ塗膜を形成するに当たり下地の表面全体に介装シ−トの厚みより厚く仕上げ用塗材を塗布し、介装シ−ト表面の塗料層と接着させつつ仕上げ塗膜を形成するので、表面に凹凸がなく下地の目地部も良好に隠された大壁の壁面を仕上げることができる。叉、下地と仕上げ塗膜の付着性が良好で、施工の完了後における目地部の動きによる仕上げ塗膜の亀裂、段差等の発生を有効に防止できる。
(改良発明4の効果)
改良発明4によれば、隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせる場合において、重ね代部の裏面に前記絶縁部を設けた壁材を用い、この絶縁部が目地部上に位置するように壁材を配列させるので、前記したように目地部の動きが絶縁部によって吸収され、仕上げ用塗膜における亀裂その他の外観的不具合の発生が防止される。
(改良発明5の効果)
改良発明5によれば、介装シートの重ね代部と重ね部に複数個の穴を設けた壁材を用いる場合において、重ね代部の穴と、隣合う壁材の介装シートの重ね部の穴とがほぼ重なるように壁材を配列させるので、前記したように下地と仕上げ塗膜が強く接着し、仕上げ後の目地部強度の向上、仕上げ塗膜のひび割れや剥落の防止等の効果が得られる。
次に、本発明の実施形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔壁材〕
本発明の壁材は、単一面の塗膜で仕上げる大壁の壁構造における仕上げ用塗膜の下地を形成する壁材であって、基板とその表面に貼着された介装シ−トとからなる。介装シ−トは、基板における隣接する2辺の端縁(基端線)から張出して重ね代部を形成している。
基板と介装シ−トとは、一般的には4辺形あるいは方形の平面形状に形成されることが好ましいが、このような形状には限定されないし、施工部位によっては任意の異なる形状とされ得る。基板と介装シ−トとは同じ平面サイズであっても良いし、異なる平面サイズであっても良い。基板と介装シ−トが同じ平面サイズである場合には、介装シ−トを基板に対して対角線方向に重ね代部の張出し分だけズラして貼着することができる。基板と介装シ−トが異なる平面サイズである場合としては、例えば、介装シ−トが重ね代部の分だけ基板より大きい場合を例示できる。この場合、基板と介装シ−トとは、重ね代部が張出した2辺に対向する(対角線方向の)2辺において、端縁部が一致する。
介装シ−トは、その隣接する2辺が基板から張出して重ね代部を形成するが、壁面における壁材の使用部位によっては重ね代部の張出しが不要な場合もある。例えば、壁面の端部又は角部に使用され、隣合う壁材が存在しないような使用部位においては、その方向へ張出す重ね代部は不要であって、例えば使用時に重ね代部を切落として用いることができる。
これらの壁材は、建築物の柱、梁、胴縁等に対して、互いに隣り合う状態に配列・固定され、壁面の下地を構成する。その固定には、例えば、釘、ネジ、ボルトや固定用の金物等の固定具が用いられる。又、接着剤により固定される場合もある。このような接着剤に用いられる素材としては、樹脂系の素材ではエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性シリコン樹脂が例示され、セメント系の素材では結合剤にポルトランドセメントと合成樹脂エマルション及び骨材としての珪砂を配合したものが例示される。
また、これら金物等の固定具と接着剤を併用することもあり、好ましく用いられる。これらを併用することにより、接着剤が十分に接着するまでの間の壁材の剥がれなどを少なくすることができる。
壁材を配列・固定する場合には、隣り合う壁材同士の間隔を無くした目地幅のない状態で固定する場合と、一定の目地幅を設けて固定する場合とがあり、壁材の種類等により異なる。一定の目地幅を設ける場合、壁材としては、介装シ−トの重ね代部に後述する絶縁部を設けたものを利用することが、好ましい。
〔基板〕
基板は、限定はされないが、例えば、断熱効果の高く、比較的軽量である発泡塩化ビニル、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン、発泡イソシアヌレート、シラスボード、ALC等が好ましく例示される。他にも、建築物の内外壁に用いられる合板、単板、木質繊維板、石膏ボード、GRC板、スレート板、窯業系サイディング、押出し成形セメント板等も例示される。
壁材を柱、梁、胴縁等に対して金物等で固定する場合では、基板の強度があるALC,合板,単板,木質繊維板,石膏ボード,GRC板,スレート板,窯業系サイディング,押出し成形セメント板等が好ましく用いられる。
これは、 壁材を金物等で固定するため、壁材自体の強度が必要となることや胴縁等に直接固定することなので、壁面に中空部が形成されることが多く、そのため壁材自体の強度が必要となるためである。
この壁材を既存の壁面に対して接着剤などで固定する場合では、基板の重量が比較的軽く、合成樹脂を主成分とした発泡体が好ましく用いられる。この合成樹脂を主成分とした発泡体は、前記記載の発泡塩化ビニル、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン、発泡イソシアヌレート等がある。
これらを用いることで、建築物に掛かる重量が少なくなる。又、発泡体を用いることで、既存壁面の不陸をその発泡体が吸収することになり、仕上げ面を平滑に仕上げることができる。これら発泡体の中でも比較的燃え難い発泡イソシアヌレートが好ましく用いられることがある。
〔介装シ−ト〕
介装シ−トの構成材料は限定されないが、好ましくは、網状体(網状に形成されたもの)、編物、織布又は不織布が利用される。網状に形成されたものとしては、糸・縄・針金等を方形・菱形に目を透かして編んで作ったものの他、合成樹脂を成形して作成したものがある。編物・織物は糸を編んだもの・織ったものである。不織布としては、繊維を合成 樹脂その他の接着剤で接合したり(ケミカルボンド)、熱によって接合したり(サーマルボンド)、刺のある針で刺し絡めたり(ニードルパンチ)、高圧細水流で繊維を絡めたり(スパンレース)、又は編むような操作を加えたり(ステッチボンド)して布状にしたものが例示される。あるいは、原料樹脂チップを押出機に入れて加熱溶融し、細孔から押出して繊維を形成させながらシートにする(スパンボンド)ものや、湿式不織布のように数ミリメートル程度の長さの繊維を水に懸濁し、金網で抄くことによりシートを作成し、接着剤又は熱を用いて接合したものも例示される。
特に不織布は、織布に比べ方向による強度の違いが少ないため、介装シ−トも強度に異方性のない安定した強度を持つ。叉、不織布は型くずれが少なく、糸のほつれが無く、寸法安定性が良いため、介装シ−トの重ね代部による目地部の処理が行い易い。
その他にも、不織布はプラスチックフィルム等と異なり、引張り強度があって伸び難く、更に網状のものを含む織布の場合と異なり、穴を空けた場合に、その穴からの糸のほつれがない。更に、厚みに斑が少ないため、より薄く仕上げを行うことができる。
この不織布には、ポリエステル、レーヨン、ビニロン、アクリル繊維など一般的な繊維により形成された不織布を用いることができる。これらのうち、ポリエステル繊維により形成された不織布を用いることが好ましい。ポリエステル繊維の不織布は、他の繊維の不織布に比べ、水分に対する影響が少なく、寸法安定性に優れたものであるため、目地処理が行い易く、処理された目地の耐水性を向上させることができる。
介装シ−トに用いられる不織布の重量は、単位面積あたり20g/m〜100g/mの範囲のものが好ましい。20g/mより軽いものでは強度が小さく、目地の動きにより亀裂を起こし、仕上げ材にひび割れを起こすことがある。100g/mより重いものは繊維の量が多くなり、目地部に負荷をかけることがある。また、介装シ−トの厚みを増し、これを覆う仕上げ材を多く使うことになる。
介装シ−トの表面には、仕上げ塗膜の塗材に対して親和性の塗料が全面に塗布されている。介装シ−トの裏面にも、同様の親和性の塗料を全面に塗布しても良い。介装シ−トの裏面における基板との接合部分は接着剤,粘着剤等により基板と一体化される。又、介装シ−トにおける重ね代部の裏面には粘着加工部が形成されている。粘着加工部は、使用時に到るまでは、剥離テープで被覆しておくことが好ましい。
上記の親和性塗料としては、その主成分に各種アクリル酸エステル共重合物、スチレン・アクリル酸エステル共重合物、ベオバアクリル酸エステル共重合物、SBRラテックス、ウレタン、エポキシ樹脂等を組成とする一般的に塗料用の樹脂と言われるものが挙げられ、仕上げ用塗料や接着剤,粘着剤などとの付着性の良いものが、選択して用いられる。
上記の介装シ−トと基板との接合に用いる接着剤の主成分には、アクリルゴム、非加硫ブチルゴム、シリコ−ンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリビニルエ−テル以外に、ポリエチレン系、ポリエステル系、エチレン酢酸ビニル系、アクリル系の樹脂が好適であり、他にも、エチレン以外のポリオレフィン系(例えば、ポリプロピレン)、ポリアミド系、ポリウレタン系、合成ゴム系の樹脂があり、これらの混合物、共重合物でも良い。
上記の重ね代部の裏面の粘着加工部は、粘着テープを貼り付けたり,粘着性の塗料を塗布することにより形成される。これに用いる粘着テープ,粘着性塗料には、主成分に再生ゴム、エチレン−酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルを組成とするものが用いられる。これらの中でも製造効率の面から、粘着テープを用いることが多い。
また、この粘着加工部には、使用時に到るまで剥離テープで被覆しておくことが行われることが多い。これは、使用時までの間に粘着加工部に埃や塵の付着を防ぎ、接着力の低下を少なくするために行われる。
叉、介装シ−トに用いられる塗料の色調は、特に制限は無いが、仕上げ塗膜と、同色のもの、同系色のもの、又は仕上げ塗膜の色調より薄い色調のものの場合、仕上げを行った後に介装シ−トが透けることが少なくなる。又、全く異なった色調の場合では、仕上げに用いられる塗料の塗り残しが容易に分かり、均一な仕上げ塗膜を形成することができる。介装シ−トへの塗料の塗布方法としては、スプレーを用いた塗装、ナイフコーター、ロールコーター等を用いた塗装方法など、一般的な塗布方法を行うことができる。
介装シ−トに塗料を塗装することにより、介装シ−トの強度が増し、寸法安定性が向上する。
特に好ましくは、重ね代部の裏面における粘着加工部と基板との間には、粘着加工が施されていない絶縁部が、基板の端縁(基端線)に沿って、一定の幅で設けられている。このような絶縁部は、壁材を配列・固定した際の目地部上に位置させることにより、目地部が動いた際にこの動きを吸収して、仕上げ塗膜における亀裂や段部の発生を防止する機能を果たす。絶縁部の幅は目地幅以上であることが好ましい。目地幅以上の間隔が確保させることにより、目地部の目地を絶縁することができ、目地での動きに十分対応することができ、仕上げ材のひび割れをより一層起こり難くすることができる。
〔介装シ−トに設ける穴〕
重ね代部には、基端線方向に沿って複数個の穴を設けることができる。この場合においては、前記した理由から、併せて下記の(イ)又は(ロ)のように構成することが好ましい。
(イ)介装シ−トが基板と同じ平面サイズであり、これを重ね代部の張出し分だけ対角線方向にズラして基板上に貼着する。
(ロ)介装シ−トが、基板よりも重ね代部の張出し分だけ大きい平面サイズであり、介装シ−トにおける重ね代部側の2辺と対向する他の2辺部分(重ね部)においては、他の壁材の重ね代部が重ねられた場合にその複数個の穴がそれぞれ位置する部位に、複数個の穴を設ける。
これらの穴の形状は限定されず、円形であっても良いが、楕円形、四角形、三角等の多角形その他の形状であっても良い。穴を開ける加工作業の容易さからは、円形のものが好ましい。
〔壁構造〕
本発明の壁構造は、上記した壁材を複数、隣合わせに配列・固定して塗膜の下地を形成すると共に、その上に単一面の仕上げ用塗膜を形成した壁構造である。この壁構造においては、壁材の介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部が、それぞれ隣合わせの基板との間の目地部を跨いで、隣合わせの壁材に接着されている。叉、各介装シ−トの表面に形成された親和性の塗料からなる塗料層が仕上げ用塗膜に対して接着されている。そして、好ましくは仕上げ用塗膜が介装シ−トの厚みよりも厚く、より好ましくは仕上げ用塗膜の厚みが介装シ−トの厚みの1.5倍以上である。
これ以上の厚みがあれは、重ね代部の段差も分かりにくく、均一な仕上げ塗膜を形成することができる。又、平均塗膜が介装シ−トの厚みの1.5倍以上であり、凹凸状の塗膜を形成することがより好ましく、この凹凸状により、より重ね代部の段差を分かり難くすることができる。
この壁構造において、隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせる場合には、重ね代部の裏面に絶縁部を設けた壁材を用い、この絶縁部が目地部上に位置するように壁材を配列させることにより、目地部において発生し得る変動が絶縁部によって吸収され、仕上げ用塗膜における亀裂その他の外観的不具合の発生に到らない。屋外等の防水性を必要とする場所に構成される壁構造においては、目地にパテ、シーリング材等を充填することにより対応することが好ましい
更に、介装シートの重ね代部に複数個の穴を設ける場合において、前記第7発明の(イ)又は(ロ)のように構成された壁材を用いることにより、仕上げ用塗膜の塗材の一部が直接に基板に接着し、下地と仕上げ用塗膜との接合強度が特に良好である。
〔壁面施工方法〕
本発明の壁面施工方法は、上記した壁材を複数、隣合わせに配列・固定して下地を形成した後、下地の表面全体に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成して、大壁に仕上げる方法である。
この壁面施工方法においては、複数の壁材を配列・固定させるに当たり、介装シートの重ね代部の裏面に被覆させた剥離テープを剥がしながら、介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部をそれぞれ隣合う壁材の端部表面に重ね、重ね代部の粘着加工部を隣合う壁材の介装シート表面の塗料層に接着させる。
叉、仕上げ塗膜を形成するに当たり、下地の表面全体に介装シ−トの厚みより厚く仕上げ用塗材を塗布し、介装シ−ト表面の塗料層と接着させつつ仕上げ塗膜を形成する。仕上げ用塗材を介装シ−トの厚みの1.5倍以上の厚みに塗布することが、より好ましい。仕上げ塗膜を形成させる塗装方法としては、スプレー、塗装用ローラー、鏝などの一般的な塗装器具を用いて行うことができる。
更に、隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせる場合においては、重ね代部の裏面に前記絶縁部を設けた壁材を用い、この絶縁部が目地部上に位置するように壁材を配列させることが好ましい。
叉、介装シートの重ね代部と重ね部に複数個の穴を設けた壁材を用いる場合においては、重ね代部の複数個の穴と、隣合う壁材の介装シートにおける重ね部の複数個の穴とが、ほぼ同軸に重なるように壁材を配列させることが好ましい。
次に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されない。以下の実施例においては、図示の便宜上、各部材における厚みが実際とは異なっている。
(実施例1)
図1に示すように、壁材1は、方形のパネル板である基板2の表面に、基板2よりやや平面寸法の大きい方形の介装シ−ト3を貼着させたものである。基板2と介装シ−ト3とは、隣接する2辺(図1の上側辺と右側辺)の端縁を一致させて重ねられており、従って介装シ−ト3における他の隣接する2辺(図1の下側辺と左側辺)は基板2から張出して、それぞれ重ね代部4を形成している。
基板2は、断熱性材料であるスチレンフォームからなっている。一方、介装シ−ト3は、図1のX−X線に沿う壁材1の部分断面図である図2より明らかなように、不織布5の表面/裏面の全面に親和性塗料7を塗布したものである。又、基板2と介装シ−ト3との接合部分は接着剤9によって固定的に接着され、介装シ−ト3における重ね代部4の裏面には粘着性塗料を塗布した粘着加工部6が形成されている。粘着加工部6の粘着性塗料と親和性塗料7とは、いずれもアクリル樹脂エマルションからなる。介装シ−ト3の表面の親和性塗料7と、重ね代部4の裏面の粘着加工部6とは露出しているが、これらは通常、壁材1の使用時に到るまで、容易に剥離できるシート状あるいはテープ状の材料(図示省略)によって被覆されている。
(実施例2)
本実施例に係る壁材21では、図3に示すように、基板22の表面に貼着させた介装シ−ト23の重ね代部24の裏面において、粘着加工を施していない絶縁部27を一定の幅Yで設けている。この絶縁部27は、壁材21を目地部に一定の幅を持たせて隣合わせに配列・固定する際に、その目地部上に位置させるもので、幅Yは目地部の幅より少し大きく設定することが好ましい。
本実施例における他の点の構成は、実施例1と同様である。
(実施例3)
本実施例に係る壁材31では、図4に示すように、基板32の表面に貼着させた介装シ−ト33の重ね代部34には、複数個の穴37を設けている。そして、介装シ−ト33における重ね代部34側の2辺と対向する他の2辺である重ね部38においては、上記の複数個の穴37と対応する部位に(即ち、他の壁材31の重ね代部34が重ねられた場合に、その複数個の穴37がそれぞれ位置する部位に)、複数個の穴39を設けている。
本実施例における他の点の構成は実施例1と同様であり、かつ、本実施例でも、その介装シ−ト33の重ね代部34の裏面において、実施例2と同様に、粘着加工を施していない性塗料を塗布していない絶縁部を一定の幅で設けることができる。
(実施例4)
本実施例に係る壁材41では、図5に示すように、基板42の表面に貼着させた介装シ−ト43が基板42とほぼ同じ平面サイズである。この介装シ−ト43を重ね代部44の張出し分だけ対角線方向にズラした状態で、基板上42に貼着させている。従って、基板42の表面の内、重ね代部44側の2辺と対向する他の2辺の部分である非貼着部45には介装シ−ト43が貼着されていない。そして、介装シ−ト43の重ね代部44には、複数個の穴46を設けている。
本実施例における他の点の構成は実施例1と同様であり、かつ、本実施例でも、その介装シ−ト43の重ね代部44の裏面において、実施例2と同様に、粘着加工を施していない絶縁部を一定の幅で設けることができる。
(実施例5)
以下に、本発明の壁材を用いた壁面施工方法、及びこの方法により形成される壁構造の一例を説明する。
この壁面施工方法では、図6に示すように、胴縁51に対して、一定の間隔の目地部52を設けながら、上記いずれかの実施例に係る複数の壁材aを隣合わせに配列して順次に固定して行く。目地部52にはパテ、シーリング材等の目地材を充填する。図6においては詳細な図示を省略するが、壁材aを配列・固定して構成された下地の表面全体が介装シ−トbで覆われており、その上に、連続した単一面の仕上げ塗膜cを形成して、大壁に仕上げる。
下地が構成された状態の壁面の一部を、図7に平面図として示す。複数の方形の壁材aが、目地部52を介在させながら、一定のパターンで隣合わせに配列・固定されている。そして、図7の左下端に示した壁材aについて述べれば、壁材aの介装シートbにおける隣接する2辺の重ね代部dが、目地部52を跨いで、隣合う壁材aの表面に接着されている。
(実施例6)
次に、実施例5における壁材aとして実施例2〜実施例4に係る各壁材を用いた場合における目地部52の詳細な構成を説明する。以下に説明する図8(a)〜図8(c)においては、介装シ−トの表/裏面に塗布した親和性塗料の図示を省略している。
実施例2に係る壁材(図3に示す壁材21)を用いた場合、図8(a)に示すように、介装シ−ト23の重ね代部24における絶縁部27が、目地部52上に位置する。絶縁部27には、粘着加工が施されていないので、この部分は目地部52の動きに追従せずに、その動きを吸収する。その結果、目地部52が動いても、仕上げ塗膜cにおける亀裂や段差の発生等を防止できる。
実施例3に係る壁材(図4に示す壁材31)を用いた場合、図8(b)に示すように、介装シ−ト33の重ね代部34に設けた複数個の穴37が、隣合う壁材31の介装シ−ト33における重ね部38に設けた複数個の穴39とほぼ同軸上に重なる。その結果、仕上げ塗膜cの塗材を塗布した際に、塗材の一部がこれらの穴38、39を通過して基板32に直接に接着するので、下地と仕上げ塗膜cとの接着が一層強化される。
実施例4に係る壁材(図5に示す壁材41)を用いた場合、図8(c)に示すように、介装シ−ト43の重ね代部44が、隣合う壁材41において介装シ−ト43が貼着されていない非貼着部45に(即ち、基板42に対して直接に)接着される。その結果、仕上げ塗膜cの塗材を塗布した際に、塗材の一部が重ね代部44の複数個の穴46を通過して基板42に直接に接着するので、下地と仕上げ塗膜cとの接着が一層強化される。
本発明によって、複数の壁材を配列・固定した下地上に単一面の仕上げ塗膜を形成する壁面施工において、製作が容易で目地処理機能を持ち、仕上げ塗膜との接着性にも優れた壁材と、この壁材を用いた簡易で仕上げの優れた壁構造及び壁面施工方法が提供される。
実施例1に係る壁材の斜視図である。
図1のX−X線に沿う部分断面図である。
実施例2に係る壁材の部分断面図である。
実施例3に係る壁材の斜視図である。
実施例4に係る壁材の斜視図である。
実施例5に係る壁面施工方法を示す断面図である。
実施例5に係る壁面施工方法を示す平面図である。
実施例6に係る目地部の詳細な構成を説明する断面図である。
従来技術に係る壁材を示す図である。
符号の説明
1,21,31,41 壁材
2,22,32,42 基板
3,23,33,43 介装シ−ト
4,24.34,44 重ね代部
5 不織布
6,26 粘着加工部
7 親和性塗料
9 接着剤
27 絶縁部
37 穴
38 重ね部
39 穴
45 非貼着部
46 穴
51 胴縁
52 目地部
a 壁材
b 介装シ−ト
c 仕上げ塗膜
d 重ね代部




Claims (8)

  1. 連続した単一面の塗膜で仕上げる壁構造における仕上げ塗膜の下地形成用の壁材であって、基板とその表面に貼着した介装シ−トからなり、前記介装シ−トにおける隣接する2辺が基板から張出して重ね代部を形成していることを特徴とする壁材。
  2. 前記介装シ−トが網状体、編物、織布又は不織布からなることを特徴とする請求項1に記載の壁材。
  3. 前記介装シ−トの表面には仕上げ塗膜を形成する塗材に対して親和性の塗料を塗布した塗料層が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁材。
  4. 前記介装シ−トと基板とは接着剤によって固定され、かつ、介装シ−トの重ね代部の裏面には粘着加工が施されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の壁材。
  5. 前記介装シ−トの重ね代部の裏面の粘着加工部に剥離シート又は剥離テープを被覆したことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の壁材。
  6. 前記重ね代部の裏面には、重ね代部が基板から張出す基端線に沿って、粘着加工が施されていない絶縁部を一定の幅で設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の壁材。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の壁材を複数、隣合わせに配列・固定して形成した下地の表面に、連続した単一面の仕上げ塗膜を形成した壁構造であって、
    (1)各壁材の介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部がそれぞれ隣合う壁材の端部表面を覆い、重ね代部裏面の粘着加工部が隣合う壁材の介装シート表面の塗料層に接着されており、
    (2)隣合う壁材間の目地部に一定の幅を持たせている場合には、重ね代部の裏面に前記絶縁部を設けて、この絶縁部が目地部上に位置しており、
    (3)下地の表面を形成する各介装シ−ト表面の塗料層と仕上げ塗膜が積層している、ことを特徴とする壁構造。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の壁材を複数、隣合わせに配列・固定して下地を形成した後、下地の表面全体に連続した単一面の仕上げ塗膜を形成する方法であって、
    (a)複数の壁材を配列・固定させるに当たり、介装シートにおける隣接する2辺の重ね代部をそれぞれ隣合う壁材の端部表面に重ね、重ね代部の粘着加工部を隣合う壁材の介装シート表面の塗料層に接着させ、
    (b)仕上げ塗膜を形成するに当たり、下地の表面全体に介装シ−トの厚みより厚く仕上げ用塗材を塗布し、介装シ−ト表面の塗料層と接着させつつ仕上げ塗膜を形成する、ことを特徴とする壁面施工方法。

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