JP2007217567A - 光拡散性樹脂組成物と光拡散性部材 - Google Patents

光拡散性樹脂組成物と光拡散性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】
高い光拡散性と全光線透過率を有し、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れ、更に溶融加工時や使用時の変色を抑えた、光拡散性樹脂組成物、及びこれを用いた光拡散性部材を提供する。
【解決手段】
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、脂環式ポリエステル樹脂(B)、及び微粒子(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)(D)からなる光拡散性樹脂組成物であって、微粒子(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)(D)の重量平均径が0.7〜30μm、その含有量が芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対して0.05〜20重量部で、更に特定のリン系化合物からなる群よる選ばれる少なくとも一種以上のリン系化合物(E)を、樹脂成分(C)100重量部に対して0.001〜1重量部含むことを特徴とする、光拡散性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は光拡散性樹脂組成物、及びこれを成形してなる光拡散性部材に関する。詳しくは、高い光拡散性と全光線透過率を有し、同時に機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れ、更に溶融加工時や使用時の変色を抑えた、光拡散性樹脂組成物、及びそれを用いた光拡散性部材に関する。具体的には、各種照明用カバー、照明看板、光透過型スクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置等の光拡散シート等において、優れた効果を奏する、光拡散性樹脂組成物及び光拡散性部材に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れた熱可塑性樹脂として幅広い用途があり、さらに、無機ガラスに比べて軽量で、生産性にも優れていることから、各種照明カバー、照明看板、光透過型スクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置等の光拡散シートに使用されている。
ポリカーボネート樹脂に光拡散性を付与するためには、ガラス、シリカ、水酸化アルミニウム等の無機化合物フィラーの添加も提案されているが、機械的強度の低下、全光線透過率や耐候性の低下、成形加工時や高温での使用時の変色の問題などがあり、実用性に乏しかった。特に最近では、各種表示装置の大型化・薄肉化が進み、且つ、テレビ用途ではより高い輝度が求められているため、材料に対してはより高い流動性および高い透過率が強く求められている。
一方で、最終製品の小型・薄型化に伴い、光拡散板にも複雑且つ微細な形状が要求されつつある。これに対しては、光拡散板を形成する樹脂の流動性を向上する必要がある。例えばポリカーボネート樹脂の流動性を向上させる手段として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリルニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)などとのポリマーアロイ化が提案・実用化されており、更に、ポリカーボネート樹脂の耐薬品性を改良させる手段として、ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂に代表される熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂などとのポリマーアロイ化が提案・実用化されている。しかしながら、これらのポリマーアロイは、いずれも不透明となるために、透明性が必要とされる光拡散板等へは使用が困難であった。
上記問題点を解決する手段として、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)樹脂(以下、PCC樹脂と略記することがある。)からなる透明なポリマーアロイが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。そしてこれらには、触媒奪活剤の使用により、得られるポリマーの着色防止が示され、この触媒奪活剤として、酸性リン酸塩、1以上の酸性水素を有するホスファイト、9族や10族金属の、リン酸塩や、リンのオキソ酸、及び酸性ピロリン酸金属塩等が例示されている。
しかしこの透明樹脂においても、その透明性や色相において必ずしも満足できるものではなかった。特に触媒失活剤を配合すると、耐湿熱性や滞留熱安定性が悪化するので、これらの改善が強く求められていた。そしてまた、透明性、色相、耐衝撃性、耐湿熱性、滞留熱安定性のバランスに優れたものが求められていた。また、薄肉成形品や大型成形品を得るためには、成形温度を高くして成形する必要があり、高温で成形した際の耐衝撃性や滞留熱安定性の改善が課題であった。
一方、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂からなるポリマーブレンドの着色防止
や熱安定性改良のために、特定の有機ホスファイト化合物を配合した樹脂組成物(例えば特許文献3参照。)や特定のホスフェート化合物を配合した樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)が開示されている。しかしこれらの樹脂組成物は、テレフタル酸を主成分とする芳香族ポリエステルが対象であり、脂環式ポリエステルに関しては具体的に記載されておらず、具体的に例示されている樹脂組成物は不透明なものである。更にホスファイト化合物やホスフェート化合物の配合による樹脂組成物の透明性向上については、示唆すらされていない。
そして特許文献3、4に記載の技術は、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂のエステル交換反応による熱分解を、ホスファイト化合物やホスフェート化合物により改良するものであって、特定のリン系安定剤の併用による透明性、色相、耐衝撃性、耐湿熱性、滞留熱安定性のバランス改善については、示唆すら無かった。
またポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、リン酸エステル金属塩からなる耐衝撃性に優れた樹脂組成物(例えば特許文献5参照。)や、熱可塑性ポリエステル樹脂、有機リン酸エステル金属塩を含有する結晶化速度の改善された樹脂組成物(例えば特許文献6参照。)等も開示されているが、芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステル樹脂との樹脂組成物における、透明性、色相、耐衝撃性、耐湿熱性、滞留熱安定性のバランスについては示唆すら無かった。
更に、芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環族ポリエステル樹脂からなる色精度が良好な位相差フィルムが提案されており(例えば特許文献7参照。)、モノ−及びジ−ステアリルアシッドホスフェートを含有させることでカラー表示・色精度が良好になることが記載され、リン系安定剤を含有されてもよいことが記載されている。しかし特定のホスフェート化合物を含有させることにより色相を改良することを開示しているに過ぎず、透明性、色相、耐衝撃性、耐湿熱性、滞留熱安定性、耐光性のバランス改良については記載も示唆も無かった。
一方、透明性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性に優れた樹脂組成物としては、脂環族ポリエステルとポリカーボネートを含む樹脂組成物からなるハウジング材(例えば特許文献8参照。)や、電気、電子部品(例えば特許文献9参照。)などが提案されている。そしてこの様な樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズなどの無機化合物を配合してもよいことも記載されている。しかしこれらの樹脂組成物は、未だ溶融加工時の熱安定性が低く、また黄変が大きいので、光拡散性部材としての使用は困難であり、この様な用途への適応については、記載も示唆もなかった。
また、延性や、耐薬品性、及びメルトフロー特性の改善された樹脂組成物として、ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂からなる透明/半透明成形用組成物も提案されている(例えば特許文献10参照)。しかしこのポリカーボネート樹脂組成物では、溶融加工時の熱安定性が低く黄変が大きいので、光拡散性部材としての使用が困難であった。
更には、任意成分としてABS等のエラストマーを添加し、ヘイズの低減や光線透過率を向上することが記載されているが、光拡散性は不十分であった。また、これらの樹脂組成物には、例えば低温耐衝撃性向上を目的として、透明なエラストマー成分が添加されている例も記載されてはいるが、このエラストマー成分の平均粒径が、一般的に100nm程度と極めて微少であるために、やはり十分な光拡散性が得られないという問題があった。
特表2002−517538号公報 特開2003−176401号公報 特開平3−97752号公報 特開昭63−265949号公報 特表2004−509174号公報 特開平11−35807号公報 特開2005−165085号公報 特開2003−110252号公報 特開2003−113252号公報 特表2004−514011号公報
本発明の目的は、高い光拡散性と全光線透過率を有し、同時に機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れ、更に溶融加工時や使用時の変色をも抑えた、光拡散性樹脂組成物、及びこれを成形してなる光拡散性部材を提供することにある。
本発明者は上記問題を解決するため鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂に、特定の脂環式ポリエステル樹脂と光拡散剤、及び特定のリン系化合物を含有させた樹脂組成物が、高い光拡散性と全光線透過率を有し、同時に機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れ、更に溶融加工時や使用時の変色を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、脂環式ポリエステル樹脂(B)、及び微粒子(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)(D)からなる光拡散性樹脂組成物であって、微粒子(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)(D)の重量平均径が0.7〜30μmであり、その含有量が、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対して0.05〜20重量部であり、更に、一般式(I)〜(VI)で表されるリン系化合物からなる群よる選ばれる少なくとも一種以上のリン系化合物(E)を、樹脂成分(C)100重量部に対して0.001〜1重量部含むことを特徴とする、光拡散性樹脂組成物。
O=P(OH)(OR)3−n ・・・(I)
(一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2007217567
(一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(IV)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
Figure 2007217567
(一般式(V)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の光拡散性樹脂組成物は、高い光拡散性と全光線透過率を有し、同時に機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れ、更に溶融加工時や使用時の変色が抑制されている。この様な優れた特性を有する本発明の光拡散性樹脂組成物は、照明カバー、照明看板、透過形のスクリーン、信号機レンズ及びレンズカバー、各種ディスプレイ、液晶表示
装置の光拡散シート、導光板などの光拡散性部材として、幅広く使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]芳香族ポリカーボネート樹脂(A);
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の任意の方法によって製造されたものを用いることが出来る。具体的には例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。
原料として使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性
の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらカーボネート前駆体もまた1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。
これら多官能性芳香族化合物中でも、特に1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することができ、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%であることが好ましく、中でも0.1〜2モル%であることが好ましい。
界面重合法による反応は、反応に不活性な有機溶媒とアルカリ水溶液の存在下で、通常、pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物、ならびに必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)および芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止の為の酸化防止剤を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカーボネートを得る。分子量調節剤の添加は、ホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。なお、反応温度は例えば0〜40℃で、反応時間は例えば数分(例えば10分)〜数時間(例えば6時間)である。
ここで、反応に不活性な有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。またアルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して50〜0.5モルであることが好ましく、中でも30〜1モルであることが好ましい。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類:トリメチルベンジル
アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
溶融エステル交換法による反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が例示される。炭酸ジエステルは、好ましくはジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートであり、より好ましくはジフェニルカーボネートである。
一般的に、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率を調整したり、反応時の減圧度を調整したりすることにより、所望の分子量および末端ヒドロキシル基量を有するポリカーボネートを得ることができる。より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も挙げられる。この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類等が挙げられる。末端ヒドロキシル基量は、製品ポリカーボネートの熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす。用途にもよるが、実用的な物性を持たせるためには、1000ppm以下であることが好ましく、中でも700ppm以下であることが好ましい。
また、エステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂(A)では、末端ヒドロキシル基量が100ppm以上であることが好ましい。このような末端ヒドロキシル基量とすることにより、分子量の低下を抑制でき、色調もより良好なものとすることができる。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いるのが好ましく、1.01〜1.30モルの量で用いるのがより好ましい。
エステル交換法により芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を製造する際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意であり、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また補助的に塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。上記原料を用いたエステル交換反応としては、100〜320℃の温度で反応を行い、最終的には2mmHg以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行う方法が挙げられる。
溶融重縮合は、バッチ式、または連続式の何れの方法でも行うことが出来るが、本発明の樹脂組成物の安定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。エステル交換法ポリカーボネート中の触媒の失活剤としては、該触媒を中和する化合物、例えば、イオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。このような触媒を中和する化合物は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して、好ましくは0.5〜10当量、中でも1〜5当量の範囲で添加することが好ましい。さらに加えて、このような触媒を中和する化合物は、ポリカーボネートに対して、好ましくは1〜100ppm、中でも1〜20ppmの範囲で添加することが好ましい。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]が10000〜50000であることが好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の、この粘度平均分子量を10000以上とすることで、機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を、50000以下とすることにより、流動性の低下をより改善できる傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。
粘度平均分子量は、中でも12000〜40000とすることが好ましく、特に14000〜30000であることが好ましい。本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)としては、異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。もちろん、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ここで粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−40.83、から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2007217567
また本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)には、本発明の光拡散性樹脂組成物の流動性向上や、これを用いた成形品の外観向上を図るために、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有することが好ましい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、好ましくは1500〜9500であり、中でも2000〜9000であることが好ましい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーを使用する際には、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)に於いて、30重量%以下とすることが好ましい。
さらに、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、(A)の80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下である。
[2]脂環式ポリエステル樹脂(B);
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と、ジオール成分とを反応させて得られるポリエステル樹脂である。中でも本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、ジカルボン酸成分を原料とすることに起因し、ジカルボン酸エステルを原料とする場合とは異なりアルキルエステル末端が少ないものであることが好ましく、ポリエステルの総末端に対するアルキルエステル末端の割合が5モル%以下、好ましくは1モル%以下の脂環式ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分と、必要に応じて他の少量の成分とを、エステル化またはエステル交換反応させ、次いで、重縮合反応させてなるものである。ジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とする。またジオール成分は、脂環式ジオールを主成分とする。ここで「主成分」とは、例えば、ジカルボン酸成分またはジオール成分に対し、それぞれ、80モル%以上を占めることをいうものとする。
脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂環式構造にカルボキシル基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではない。具体的には例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、およびそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数6〜12の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、更には1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、特に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の様な脂環式ジカルボン酸は、エステル形成性誘導体に比べて入手しやすく、安価であるので好ましい。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いる場合、そのトランス体とシス体との比率は、80/20〜100/0であることが好ましく、中でも85/15〜100/0、更には、90/10〜100/0、特に95/5〜100/0であることが好ましい。この比率を上述の範囲とすることで、得られる脂環式ポリエステル樹脂の耐熱性が向上する傾向にある。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)のジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体を、全ジカルボン酸成分に対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものである。その他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。具体的には、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸およびドデカジカルボン酸、ならびにこれらの炭素数1〜4のアルキルエステル若しくはハロゲン化物等が挙げられる。
脂環式ジオール成分としては、脂環式構造に水酸基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではないが、5員環または6員環に水酸基が2つ結合した脂環式ジオールであることが好ましい。脂環式ジオールとして、5員環または6員環の脂環式ジオールを用いることにより、得られるポリエステル樹脂の耐熱性を高くすることができる。
この様な脂環式ジオールとしては例えば、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ、[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール;等が挙げられる。これらの中でも、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特に1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
1,4−シクロヘキサンジメタノールは、メチロール基がパラ位にあるので反応性が高く、高重合度でガラス転移温度の高いポリエステル樹脂が得られるので好ましい。1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率は、60/40〜100/0
であることが好ましい。
本発明に用いる脂肪族ポリエステル樹脂(B)を製造するに際して用いるジオール成分としては、上記の様な脂環式ジオールを、全ジオール成分に対して80モル%以上、中でも90モル%以上含有するものであることが好ましい。その他のジオール成分としては、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等が挙げられる。脂環式ジオールが80モル%未満では、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性、透明性、さらに耐熱性等が低下することがある。
具体的なその他のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;キシリレングリコール、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、および、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の、芳香族ジオール類;等が挙げられる。
さらに、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、前記ジオール成分および前記ジカルボン酸成分以外の少量の共重合成分を含んでいてもよい。このような共重合成分としては、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分等が用いられてもよい。これらの成分は、B成分の10モル%以下であることが好ましい。
本発明において、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応またはエステル交換反応における使用比率としては、ジオール成分の合計量が、ジカルボン酸成分の合計量に対し、モル比で1〜2倍とすることが好ましい。特にジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの高沸点のものを主成分とする場合には、モル比で1〜1.2倍とすることが好ましい。
本発明においては、エステル化またはエステル交換反応および重縮合反応における充分な反応速度を得るために触媒を用いるのが好ましい。このような触媒としては、通常エステル化またはエステル交換反応に用いられる触媒であれば特に限定されず、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物およびスズ化合物等が挙げられる。これらの中でもチタン化合物は、エステル化またはエステル交換反応と続いて行われる重縮合反応の両反応において活性が高いことから好ましい。
このようなチタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートや、これらの有機チタネートの加水分解物等が挙げられる。これらは1種類でも、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また必要に応じてマグネシウム化合物やリン化合物などと組み合わせてもよい。触媒の使用量は生成する脂環式ポリエステル樹脂(B)に対して1〜2000ppmであることが好ましく、中でも10〜1000ppm、更には50〜1000ppm、特に100〜1000ppmであることが好ましい。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応(又はエステル交換反応)は、通
常、反応温度を150℃〜230℃、好ましくは180℃〜220℃で行い、反応時間を10分〜10時間、中でも30分〜5時間とすることが好ましい。反応後反応液は、通常、攪拌機、留出管および減圧付加装置を備えた重縮合槽に移送されるが、エステル化反応槽に減圧付加装置を備えて、一槽でエステル化反応と重縮合反応を行ってもよい。
エステル化終了後、反応液に必要に応じて重縮合触媒などを添加し徐々に反応槽内を減圧にしつつ重縮合反応を行えばよい。重合触媒を添加する場合、その量は、エステル化反応またはエステル交換反応触媒との合計で、通常生成するポリエステルに対して合計で50〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppmである。重縮合は、エステル化反応終了温度〜300℃以下、好ましくは265℃以下で、通常10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間行えばよい。温度が高すぎると、重合反応中に熱分解が起こるためか、重合反応が進まない傾向がある。槽内圧力は常圧から最終的に1KPa以下となる圧力であり、中でも0.5KPa以下とすることが好ましい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の固有粘度は、適宜選択して決定すればよいが、通常、0.4〜1.5dl/g、中でも0.5〜1.3dl/g、更には0.6〜1.5dl/g、特に0.7〜1.4dl/gであることが好ましい。固有粘度を0.4dl/g以上とすることにより、機械的強度がより向上し、1.5dl/g以下とすることにより、流動性がより向上し、成形性が向上するので好ましい。更に、得られた脂環式ポリエステル樹脂(B)は、必要に応じて固相重合を行い、より固有粘度の高いものとしてもよい。ここで固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒として、ウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定することにより求められる値である。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の末端カルボン酸濃度は、70μeq/g以下であることが好ましく、中でも40μeq/g以下、更には30μeq/g以下、特に10μeq/g以下であることが好ましい。末端カルボン酸濃度を70μeq/g以下とすることにより、本発明の樹脂組成物の耐湿熱性がより向上する傾向にあるので好ましい。
尚、末端酸価のコントロールは、後述の製造において、例えば、原料である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールの使用割合のコントロールにより、或いは、ジオール原料としてアルキレンジオール、特に炭素数2〜10のアルキレンジオールを併用することにより、行うことができる。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の末端酸価を40μeq/gとするためには、例えば90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるジオール成分とを用いる場合に、ジカルボン酸成分1モルに対するジオール成分の割合を、1.02〜1.2モル、好ましくは1.02〜1.1モルとすればよい。
例えば、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、80〜99.5モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、0.5〜20モル%が炭素数2〜10であるアルキレンジオールを用いる場合に、ジカルボン酸成分1モルに対してジオール成分を1.02〜1.2モル、より好ましくは1.02〜1.1モル使用する方法等が挙げられる。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の融点は、例えば、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とし、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ポリエステル樹脂の場合、好ましくは2
00〜250℃、中でも210〜230℃、特に215〜230℃であることが好ましい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)においては、そのYellowness
Index(YI)が目視にても黄色着色を認識できる程高すぎると、当然、本発明の光拡散性樹脂組成物に使用した場合、透過した映像が黄色くなり、元の映像を再現できない。よって一般的にYIは、18以下、中でも15以下であることが好ましい。又、YIの下限は通常−5程度である。
また本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、光透過性が低すぎると、具体的には、厚さ2mmの成形板とした際の光線透過率が低すぎると、光拡散性部材とした際に十分光線が透過されず、画面が暗くなる場合があるので、光線透過率は通常87%以上、中でも87.5%以上、更には88%以上であることが好ましい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の原料である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸としては、波長340nmでの光線透過率が大きいことが、得られる脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率の点から好ましい。この光線透過率が低すぎると、得られる脂環式ポリエステル樹脂のYI値が増加し、又脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率も低くなる傾向がある。具体的には、この光線透過率として、以下の方法により測定した光線透過率(以下、T−340と略記することがある)が、85%以上、中でも87%以上であることが好ましい。
このT−340は、分光光電光度計を用いて、2規定の水酸化カリウム溶液を光路長10mmの石英セルに入れてゼロ補正をした後、2規定の水酸化カリウム溶液50mlに対して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸5.0gの割合で溶解した液を、光路長10mmの石英セルに入れ、該液について測定した波長340nmでの光線透過率である。
尚、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の原料において、トランス体が90モル%以上である原料1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を製造する方法としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のシス体、又はシス体とトランス体との混合物の熱異性化法が挙げられる。シス体とトランス体との水などへの溶解度差を利用した公知の晶析法では、得られる1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340が低く、得られる脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率が不十分となる。従って、トランス体の割合が90モル%以上で、T−340が85%以上の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが好ましいとの観点から、熱異性化法が好ましい。
上記熱異性化は、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸との混合物、またはシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を、不活性雰囲気下で、180℃以上でトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点未満の温度域にて加熱処理することにより行うことができる。なお、本発明でいうトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点は、実際の異性化反応の条件下でのトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点をいう。
熱異性化反応圧力は、減圧、常圧又は加圧下のいずれで行うこともできるが、操作の簡便性から考えると通常1.3〜950kPaである。更に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340を85%以上とするためには、シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物、又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を加熱処理する際の不活性雰囲気を、反応系中の気相の酸素濃度4000ppm以下、好ましくは2000ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下と調整することが好ましい。系中の酸素濃度が4000ppmより高いと、T−340が85%未満になりやすい。
熱異性化により生成したトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を効率的に取得するには、前記温度域に保持しながら溶融したシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸中にトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を析出させて取出す方法がある。
尚、熱異性化法での原料となる、シス体及びトランス体の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物を得る方法は、従来公知の任意の方法により得ればよい。例えば、テレフタル酸を溶媒、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化する方法や、テレフタル酸ナトリウムを水、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化した後に、酸析する方法が挙げられる。
更に、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、ペレット状とした後に、必要に応じて固相重合を行い、更に高い固有粘度のものとしたものを用いてもよい。本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、ジオール単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるものが、ポリエステル樹脂の耐熱性の点で好ましい。 又、ジオール単位の80モル%以上99.5モル%以下が1,4−シクロヘキサンジメタノール単位であり、0.5モル%以上20モル%以下が炭素数2〜10のアルキレンジオール単位であるものが好ましく、中でも1,4−シクロヘキサンジメタノール単位が90モル%以上99.5モル%以下であり、炭素数2〜10のアルキレンジオール単位が0.5モル%以上10モル%以下であるものが、耐加水分解性が高いので好ましい。
[3]樹脂成分(C);
本発明に用いる樹脂成分(C)は、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる。芳香族ポリカーボネート樹脂が30重量部未満では、荷重撓み温度や剛性が低く、99重量部を越えると流動性や耐候性の改良効果が小さい。
[4]微粒子(D)
本発明に用いる(D)成分の微粒子(但し、メソポーラス無機フィラーを除く。)は、重量平均径が0.7〜30μmであれば、メソポーラス無機フィラー以外の、従来公知の任意のものを使用できる。本発明に用いる微粒子(D)の重量平均径が0.7μm未満だと光拡散性が低く、光源が透けて見える場合があり、逆に30μmを超えると成形体表面のぎらつきが目立ち、視認性が低下することがある。
また、本発明に用いる微粒子(D)においては、樹脂成分(C)との屈折率の差の絶対値を、比較的小さくすることが好ましい。但し小さすぎると光拡散性が低くなる場合があり、逆に大きすぎても光線透過率が低下することがあるので、通常、0.01以上、0.2以下であることが好ましい。
更に、本発明の光拡散性樹脂組成物が優れた光拡散性、全光線透過率、溶融加工時や使用時の耐変色を有するためには、本発明に用いる微粒子(D)は、有機光拡散性微粒子であることが好ましく、具体的には例えば、アクリル系及びシリコーン系の光拡散性微粒子であることが好ましい。
アクリル系光拡散性微粒子としては、例えば、アクリル系モノマー単独又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合比を変化させ、架橋剤を用いて懸濁重合法等で重合した微粒子が挙げられる。アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合比を100:0〜1:99の範囲から選択することで、得られる重合体の屈折率を1.493〜1.590の範囲とすることができる。
通常、スチレン系モノマーの共重合比が高くなりすぎると、耐光性が低下し、使用中に黄色味を帯びやすくなり、逆にアクリル系モノマーの共重合比が高くなりすぎても、微粒子と樹脂成分(C)との屈折率の差が大きくなり、光拡散性部材とした際に「ぎらつき」が目立ち、視認性が低下する場合がある。よって本発明に用いる微粒子(D)としてアクリル−スチレン系共重合体微粒子を用いる場合には、樹脂成分(C)を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と脂環式ポリエステル樹脂(B)の配合率に応じて、アクリル−スチレン系共重合体微粒子の屈折率も調整することが好ましい。
上記アクリル系モノマーとしては、たとえば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリレート系モノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリレート系モノマーやアクリルアミド等が挙げられ、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。またこれらモノマーの重合または共重合に際しては、これらを主成分として、必要に応じて他のモノマーを共重合してもよい。架橋剤としては、一般的にエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、1、6−ヘキサンジオール、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート等、従来公知の任意の多官能性モノマーを用いることができる。
本発明に用いる微粒子(D)として、シリコーン系の光拡散性微粒子を用いる際には、例えば、屈折率が1.45〜1.46であるシリコーン樹脂微粒子が好ましい。市販のシリコーン系光拡散性微粒子としては、例えば、東芝シリコーン社製トスパールシリーズ、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 トレフィルシリーズ、信越化学工業社製 シリコーンパウダーが挙げられる。
本発明における微粒子(D)の含有量は、樹脂成分(C)100重量部に対して、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。この微粒子(D)の含有量が0.05重量部未満では光拡散性が低く、光拡散性部材の肉厚が厚くても光源が透けてしまい、逆に20重量部を超えると、光拡散性部材の肉厚が薄くても全光線透過率の低下や、更には機械的強度や耐熱性が低下する。
また本発明の光拡散性樹脂組成物における微粒子(D)の含有量は、これを成形してなる光拡散性部材の肉厚に応じて調整することが好ましい。具体的には例えば、光拡散性部材の肉厚が0.1〜2mmの場合には、微粒子(D)の含有量を樹脂成分(C)100重量部に対して1〜20重とすることが好ましい。また光拡散性部材の肉厚が2mmを超えて5mm以下の場合には、具体的にはアクリル−スチレン系共重合体微粒子を用い、樹脂成分(C)100重量部に対する含有量を0.05〜5重量部とすることが好ましい。
[5]リン系化合物(E);
本発明は、上述した(A)、(B)及び(D)に、更にリン系化合物(E)を含有することを特長とする。本発明に用いるリン系化合物(E)は、以下の一般式(I)〜(VI)で表されるリン系化合物からなる群よる選ばれる、少なくとも一種以上のものである。具体的には、一般式(I)で表されるリン酸エステル類(E1)、一般式(II)で表される亜リン酸エステル類(E2)、及び、一般式(III)〜(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩類(E3)が挙げられる。以下、これらについて説明する。
O=P(OH)(OR)3−n ・・・(I)
(一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2007217567
(一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(IV)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
Figure 2007217567
(一般式(V)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ
同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
リン酸エステル類(E1);
本発明に用いるリン系化合物(E)として用いるリン酸エステル類(E1)は、下記一般式(I)で表されるものである。
O=P(OH)(OR)3−n ・・・(I)
(一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
一般式(I)において、Rはアルキル基またはアリール基を示し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。具体的には、炭素数1〜30程度のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル基等が挙げられる。
中でも本発明に用いるリン酸エステル類(E1)としては、中でも透明性や色相の観点から、下記一般式(I’)で表されるリン酸エステルであることが好ましい。
O=P(OH)n’(OR)3−n’ ・・・(I’)
(式中、Rは炭素数2〜25のアルキル基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nは、1及び/又は2の整数を示す。)
この際、一般式(I’)のRで示されるアルキル基としては、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等の各アルキル基が好ましい。
亜リン酸エステル(E2)
本発明に用いるリン系化合物(E)である、亜リン酸エステル類(E2)は、下記一般式(II)で表される亜リン酸エステル類である。
Figure 2007217567
(一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(II)で表される亜リン酸エステル(E2)としては、具体的には例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビスノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中でも、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、特に透明性、色相、滞留熱安定性の点から、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
有機リン酸エステル金属塩(E3);
本発明に用いるリン系化合物(E)である、有機リン酸エステル金属塩類(E3)は、下記一般式(III)〜(VI)で表される、有機リン酸エステル金属塩類である。
Figure 2007217567
(一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(IV)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
Figure 2007217567
(一般式(V)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
Figure 2007217567
(一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上述した一般式(III)〜(VI)において、R〜R14はアルキル基またはアリール基であり、具体的には、炭素数1〜30程度のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル基等が挙げられる。中でも透明性や色相の観点から、R〜R14は炭素数2〜25、中でも10〜20、特に12〜20のアルキル基が好ましく、具体的にはオクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等の各アルキル基が挙げられる。
また一般式(III)〜(VI)におけるMは、透明性、色相、熱安定性の観点から、2価の金属の場合には亜鉛であることが好ましく、また3価の金属となる場合にはアルミニウムであることが好ましい。
本発明に用いる有機リン酸エステル金属塩類(E3)は、上記一般式(III)〜(VI)で表されるものの中から選ばれ、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも透明性、色相、滞留熱安定性から、一般式(III)及び一般式(IV)の混合物が好ましく、一般式(III)、(IV)中におけるR〜Rは上述したアルキル基における好ましいものであることが好ましい。
中でも、本発明に用いる、特に好ましい有機リン酸エステル金属塩類(E3)としては、モノ及びジステアリルアシッドホスフェートホスフェート亜鉛塩の混合物や、モノ及びジステアリルアシッドホスフェートホスフェートアルミニウム塩の混合物が挙げられる。これらは例えば、堺化学工業製の、LBT−1830やLBT−1813として市販されている。
本発明におけるリン系化合物(E)の含有量は、樹脂成分(C)100重量部に対して0.001〜1重量部である。中でも、樹脂成分(C)100重量部に対し、(E2)を0.003〜0.3重量部と(E3)を0.003〜0.3重量部併用することが好ましい。リン系化合物の含有量が0.001重量部未満では、透明性、色相、滞留熱安定性の改良効果が小さく、逆に1重量部を越えると、色相や滞留熱安定性が低下する。
本発明の光拡散性樹脂組成物には、さらに耐候性を改良するため、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。中でも紫外線吸収剤としては、優れた耐光性と色相および高い光線透過率を両立させるために、マロン酸エステル類化合物や、シアノアクリレート類化合物、ベンゾオキサジン類化合物、ヒンダードベンゾエート類化合物を用いることが好ましい。
さらに、溶融加工時の変色を抑え、優れた耐光変色性と高い光線透過率を同時に満たす点で、マロン酸エステル類化合物やシアノアクリレート類化合物を用いることが特に好ましい。マロン酸エステル類化合物としては例えば、2−(1−アリールアルキリデン)マ
ロン酸エステル類が挙げられ、具体的にはPR−25、B−CAP(いずれもクラリアントジャパン社製)等が挙げられる。
シアノアクリレート類化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられ、中でもエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートが好ましい。具体的には、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしては、Uvinul3030、Uvinul3035、Uvinul3039(いずれもB.A.S.F.社製)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしてはSEESORB501(シプロ化成社製)、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしては、SEESORB 502(シプロ化成社製)等が挙げられる。
またヒンダードベンゾエート類化合物としては3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッド、n−ヘキサデシルエステル等が挙げられ、具体的にはUV−2908(サイテック・インダストリーズ社製)等が挙げられる。本発明に用いる紫外線吸収剤としては、特に最長吸収波長が300nm以上であり、紫外線吸収効果が高いマロン酸エステル類等が好ましい。
本発明に用いる紫外線吸収剤の含有量は、樹脂成分(C)100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。紫外線吸収剤の配合率が0.05重量部未満では改良効果が小さく、5重量部を超えても合してもそれ以上の効果は得られず、モールドデボジットが発生する場合がある。
また本発明の光拡散性樹脂組成物は、成形品の明度を向上するために、蛍光染料を含有することが好ましい。蛍光染料としては、具体的には例えば、白色系もしくは青色系の蛍光染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを強める機能がある。成形品の黄色味を消すという点では、機能がブルーイング剤と類似しているが、ブルーイング剤は単に成形品の黄色光を除去するのに対して、蛍光増白剤は波長400nm未満の紫外線を吸収し、そのエネルギーを波長400nm以上の可視光線、特に青紫色の光線に変えて放射する点で異なる。
本発明に用いる白色系又は青色系の蛍光染料としては、従来公知の任意のものを使用できる。中でも耐熱性や揮発ガスの観点から高分子量のものが好ましく、例えば、スチルベンベンゾオキサゾール系、フェニルアリルトリアゾリルクマリン系の蛍光増白剤が挙げられる。
上記蛍光染料の含有量は適宜選択して決定すればよいが、蛍光染料の含有率が少なすぎると、成形品の黄色味を消し、明るさを強めるという機能、および紫外線を吸収し可視部の青紫色に放射する機能が十分に発揮されず、逆に多すぎても、添加量の増加に見合う効果の増加が期待できない。よって通常、樹脂成分(C)100重量部に対し、0.00001〜1重量部であることが好ましい。
本発明の光拡散性樹脂組成物には、必要に応じて例えば、離型剤、帯電防止剤、着色剤、流動性改良剤、難燃剤、凝集防止剤等を更に含有していてもよい。
本発明の光拡散性樹脂組成物の製造方法は任意であり、従来公知の任意の混合及び混練方法により得ることが出来る。例えば、従来公知の任意の熱可塑性樹脂に適用される方法、具体的にはリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリユー押出機、多軸スクリュー押出機等を用いて、原料を混合、混練すればよい。混練の温度条件は通常、260〜300℃である。
本発明の光拡散性部材は、先述した本発明の光拡散性樹脂組成物を、従来公知の任意の、一般的な熱可塑性樹脂の成形方法により得ることが出来る。具体的には例えば、生産性の点からペレット状樹脂組成物からの射出成形、射出圧縮成形、押出成形により製造することが好ましい。更に押出成形されたシート状成形品からの真空成形、圧空成形等により目的の成形体とすることもできる。
本発明の光拡散性樹脂組成物から成形される光拡散性部材としては、液晶表示装置の導光板、拡散板、反射板、保護フィルム、位相差フィルム、および、照明カバー、照明看板、透過形のスクリーン、各種ディスプレイなどが挙げられ、中でも液晶表示装置用の光学部材として、好適に用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例、及び比較例に用いた原料を表1に示す。尚、実施例、及び比較例に用いた樹脂の製造方法や、各実施例、比較例における樹脂組成物の評価方法は、以下の通りである。
Figure 2007217567
(1)脂環式ポリエステル樹脂の製造方法
攪拌機、留出管、加熱装置、圧力計、温度計および減圧装置を装備し、容量が100リットルのステンレス製反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体:シス体の比率が96:4)101.5重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体の比率が69:31)87重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。
反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を30分間で150℃に昇温し、さらに150℃から200℃まで1時間をかけて昇温した。次いで、200℃の温度で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧しながら重縮合反応を行った。反応機内圧力を絶対圧力0.1kPa、反応温度を250℃として4.5時間維持し、重縮合反応を終了した。重縮合反応終了後、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化した。固有粘度は、0.841dl/gであった。
<固有粘度の測定方法>
試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒約25mLに、濃度が1.00g/dLとなるように溶解させた後、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(中央理化社製「2CH型DJ504」)にて、濃度が1.00×10−2g/dLの試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、下式により算出した。
IV=((1+4KHηsp0.5−1)/(2KHC)
ここで、ηsp=η/η−1 であり、ηは試料溶液の落下秒数、ηは溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33とし、試料の溶解条件は、試料がプレポリマーの場合は110℃で30分間とした。
(2)粘度平均分子量(Mv): ウベローデ粘度計を用いて塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より求めた。
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
(3)色相(YI)評価:
射出成形機(日本製鋼所社製「J50」)により、300℃の温度で成形したプレート(90mm×50mm×3mm)について上記の各測定を行った。測定には分光式色彩計(日本電色工業社製「SE−2000型」)を使用した。
(4)アイゾット衝撃強度:
射出成形機(名機製作所社製M150)により、300℃で成形した64mm×12.4mm×3.2mmの試験片を用い、ASTM D−256に準拠し測定した。測定はノッチ付きで行った。
(5)全光線透過率およびヘイズ:
濁度計(日本電色工業社製NDH−2000型)により(3)で成形した試験片の全光線透過率およびヘイズを測定した。
(6)拡散率:
MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY社製のGP−5 GONIOPHOTOMETERを用い、測定条件を入射光0°、あおり角0°、受光範囲0°〜90°、光束絞り2.0、受光絞り3.0、の測定条件で(3)で成形した試験片の輝度を測定し、以下の式により拡散率(%)を求めた。
拡散率(%)={(20°の輝度+70°の輝度)/(5°の輝度)×2}×100
(実施例1〜10及び比較例1〜8)
表2、3に示す割合で各原料をブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得、得られたペレットを120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、前記の条件で評価用成形品を成形した。そして、前述した方法により評価を行い、その結果を表2及び表3に示した。
Figure 2007217567
Figure 2007217567

Claims (5)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、脂環式ポリエステル樹脂(B)、及び微粒子(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)(D)からなる光拡散性樹脂組成物であって、微粒子(但しメソポーラス無機フィラーを除く。)(D)の重量平均径が0.7〜30μmであり、その含有量が、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対して0.05〜20重量部であり、更に、一般式(I)〜(VI)で表されるリン系化合物からなる群よる選ばれる少なくとも一種以上のリン系化合物(E)を、樹脂成分(C)100重量部に対して0.001〜1重量部含むことを特徴とする、光拡散性樹脂組成物。
    O=P(OH)(OR)3−n ・・・(I)
    (一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2007217567
    (一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2007217567
    (一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
    Figure 2007217567
    (一般式(IV)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
    Figure 2007217567
    (一般式(V)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
    Figure 2007217567
    (一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 脂環式ポリエステル樹脂(B)が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を主成分とする脂環式ジカルボン酸単位と1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ジオール単位とからなることを特徴とする請求項1記載の光拡散性樹脂組成物。
  3. 樹脂成分(C)100重量部に対して、一般式(II)で表されるリン系化合物を0.003〜0.3重量部、及び一般式(III)及び/又は一般式(IV)で示されるリン系化合物を0.003〜0.3重量部含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物。
  4. リン系化合物(E)として一般式(III)及び一般式(IV)で表されるリン系化合物を含み、一般式(III)及び(IV)におけるR〜Rが、炭素数2〜25のアルキル基を示すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の光拡散性樹脂組成物を成形してなる光拡散性部材。

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