JP2007216892A - 車両用ルームランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】光源の設置スペースが少なく、コンパクト化された車両用ルームランプを提供することを目的とする。
【解決手段】集光された光を放出する光源と、
前記光源の光放出側に設けられる調光層であって、印加電圧によって光拡散性が制御される調光層と、
前記調光層上に配置される光透過性カバーと、
を備える、車両用ルームランプ。
【選択図】図2

Description

本発明は車両用ルームランプに関する。詳しくはスポットライトの機能をあわせもったルームランプの改良に関する。
従来、夜間等に車両室内を照明することを目的として、車両室内の天井にルームランプが設置されている。ルームランプとは別に、乗員の手元などを照明する目的でマップランプ等の照明装置も設置されている。例えば、特許文献1には、マップランプとルームランプを一体的に構成した例が開示されている。
特開2003−175765号公報
従来の例では、ルームランプとマップランプは別の光源が使用されている。そのため、ルームランプ用光源とマップランプ用光源にそれぞれ設置スペースが必要となっていた。これにより、装置が大型化していた。
そこで、本発明では、光源の設置スペースが少なく、コンパクト化された車両用ルームランプを提供することを課題とする。
本発明は以上の課題を達成するために、以下に示す車両用ルームランプを提供する。即ち、
集光された光を放出する光源と、
前記光源の光放出側に設けられる調光層であって、印加電圧によって光拡散性が制御される調光層と、
前記調光層上に配置される光透過性カバーと、
を備える、車両用ルームランプである。
本発明の車両用ルームランプでは、光源の光が、調光層と光透過性カバーを介して車両室内に放出される。調光層は印加電圧により光拡散性が制御されるため、光拡散性の高い状態(高拡散状態)と、光拡散性の低い状態(低拡散状態)とすることができる。調光層を高拡散状態としたとき、光源の光は調光層により積極的に拡散された後、光透過性カバーを経て、外部放射される。このようにして得られる光は車両室内の広い範囲を照明するため、ルームランプの光として好ましい。一方、調光層を低拡散状態としたとき、光源の光は調光層により積極的には拡散されず、集光された状態を維持したまま外部放射される。このような光は狭い領域を照明するため、マップランプの光として好ましい。
以上のように、本発明の車両用ルームランプでは一つの光源で2種類の光を生成できる。これにより、ルームランプ用光源とマップランプ用光源とを個別に設ける必要が無く、結果として光源の設置スペースが少なくて済み、コンパクト化された車両用ルームランプとなる。
本発明の車両用ルームランプは光源、調光層及び光透過性カバーを備える。以下に各構成要素について詳細に説明する。
(光源)
本発明の光源として、集光された光を放出する光源が使用される。光源の種類は特に限定されないが、LEDランプを使用することが好ましい。LEDランプは小型で、振動や衝撃に強く、寿命が長いなどの利点を有する。例えば、砲弾型LEDランプを使用することが好ましい。砲弾型LEDランプでは封止部材によって、その指向性を制御することができる。使用するLEDランプの発光色は特に限定されず、白色、アンバー色、青色、緑色など所望の発光色を採用することができる。尚、光源として複数個のLEDランプを使用してもよい。複数個のLEDランプを使用する場合には、異なる発光色のLEDランプを併用することにしても良い。なお、バルブ等に集光レンズを組み合わせて光源を構成しても良い。
(調光層)
本発明では印加電圧によって光拡散性(光透過率)が制御される調光層が使用される。このような調光層として、いわゆるエレクトロクロミックガラスや液晶方式の調光シート(又は調光ガラス)を用いることができる。中でも応答性などの面から液晶方式の調光シート(又は調光ガラス)を採用することが好ましい。これらを本発明の調光層に使用すれば、調光層の光拡散性を瞬時に変化させることができる。この調光層によれば、調光層から放出される2種類の光の切り替えを瞬時に行うことができる。即ち、ルームランプとマップランプとが瞬時に切り替わり、使い勝手が向上する。液晶方式の調光シートは、液晶層を一対の透明電極で挟んだ構成からなり(調光ガラスは各透明電極膜の外側にガラスの配した構造を有する)、無通電時には光拡散性の高い状態(高拡散状態)であり、通電させると光拡散性の低い状態(低拡散状態)になる。本発明では特に以下の調光シートを使用することが好ましい。即ち、高拡散状態において、以下の数式(数1)により規定されるヘイズ率が、70〜99.9、好ましくは80〜99.9、更に好ましくは85〜99.9の範囲にあり、低拡散状態においてヘイズ率が、0.5〜30、好ましくは0.5〜15、更に好ましくは0.5〜10の範囲にある調光シートを使用することが好ましい。
(数1)
ヘイズ率(%)=(拡散光量)/(全透過光量)×100
このような調光シートとしてウムフィルム(登録商標、日本板硝子ウムプロダクツ株式会社製)を用いることができる。印加電圧を徐変させることにより調光層の光拡散性を徐変させることもできる。こうすれば、ルームランプとマップランプとの切り替えを瞬時に行うのではなく、なだらかに変化させることにより、高級感を醸し出すことができる。なお、車両室内に設置することを考慮すると、調光層は、12V又は24Vの電圧を印加すると高拡散状態から低拡散状態へ変化するものであることが好ましい。
(光透過性カバー)
光透過性カバーは調光層の上に配置される。即ち全体をみると、光源、調光層、光透過性カバーの順に配置される。光透過性カバーによって調光層が保護されることになる。調光層を透過した光源の光は光透過性カバーを透過して車両室内へ放出される。
光透過性カバーの材質は良好な光透過性が発揮される限り特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂、ガラス等の無機材料で光透過性カバーを形成することができる。光透過性カバーの調光層側の面又は調光層側と反対側の面に光拡散処理を施しても良い。但し、光源の光軸近傍となる領域には光拡散処理を施さない。このようにすれば、調光層が高拡散状態のとき、調光層により拡散された光源の光の一部は、光透過性カバーの光拡散処理が施された領域によって光透過性カバー内において更に拡散される。これにより、放出光はその輝度ムラが低減され、ルームランプの光として好適に利用される。その一方で、調光層が低拡散状態のときには、光源の光は調光層を透過し、光透過性カバーの光拡散処理が施されていない領域を通って車両室内へ放出されることとなる。これにより、光源の光は指向性の高い状態で車両室内へ放出され、マップランプの光として好適に利用される。光拡散処理の種類は特に限定されない。カッティング、シボなどの公知の表面処理により光拡散処理を施しても良い。
無色透明の光透過性カバーの他、着色した光透過性カバーを使用することもできる。例えば、顔料などの着色材を含有させた光透過性カバーを使用してもよい。または光透過性カバーの光源側の面又は車両室内側の面に色変換層を設けてもよい。このようにすれば、光源を本来の色と異なる色の光を放出させることが可能となる。色変換層は、例えば、蛍光材や透光性インクの塗布、有色の透光性テープの貼付、有色の透光性樹脂層の形成などにより形成することができる。
本発明の一態様では、光源と調光層の間に光透過性の層を備える。このように光透過性の層と光透過性カバーによって調光層を挟み込むことにより、調光層が固定・保護される。また、調光層が高拡散状態のとき、調光層により拡散された光の内、光源側に進行する光の一部を光透過性の層により透過性カバー側に反射する。これにより光の利用効率が向上する。また、調光層により拡散された光の内、光源側に進行する光の一部を光透過性の層内へ導入し、光透過性の層内を導光させて透過性カバー側へ取り出す。これによっても光の利用効率が向上する。光透過性の層の材質は良好な光透過性が発揮される限り特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂、ガラス等の無機材料で光透過性の層を形成することができる。光透過性の層の材質は光透過性カバーの材質と同一のものを採用しても良い。光透過性カバーと同様に光透過性の層内に顔料などの着色材を含有させてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
本発明の実施例である車両用ルームランプ1を備える車両10の斜視図を図1に示す。車両用ルームランプ1の構成を示す分解斜視図を図2に示す。図3に車両用ルームランプ1の正面図を示す。
図1に示すように車両用ルームランプ1は車両10の室内天井のフロントガラス側中央部に設置される。図2に示すように、車両用ルームランプ1は光源11、12、クリア樹脂板13、ウムシート14、カバー15及び枠16を備える。光源11、12の光放出側に配置されるクリア樹脂板13とカバー15は、ウムシート14を挟持して固定している。光源11、12は砲弾型白色LEDランプであって、指向性の高い白色光を放出する。光源11は、その光軸111上に運転席の座部112が位置するように運転席側を向いて配置される。一方、光源12はその光軸121上に助手席の座部(図示せず)が位置するように助手席側を向いて配置される。クリア樹脂板13は無色透明のアクリル製である。クリア樹脂板13の形状は平板状である。ウムシート14は液晶方式の調光シートである。ウムシート14の形状は平面視でクリア樹脂板13よりも若干小さい。ウムシート14の左右端部には電極141が接続されている。無通電状態では、ウムシート14のヘイズ率は約90であり、ウムシート14は高拡散状態となる。ウムシート14へ12Vの電圧を印加すると、ウムシート14のヘイズ率は約10となり、ウムシート14は低拡散状態となる。
カバー15は無色透明のアクリル樹脂製である。カバー15の形状は、ウムシート14よりも若干大きい板状であって、カバー15の光源11、12側の面(上面151)は平面であるが、車両室内側の面(意匠面152)は縁部から中央部に向かって厚みが斬増しており、凸レンズ状となっている。枠16には開口部161が設けられている。この開口部161を介してカバー15の意匠面が車両室内に露出する。尚、枠16にはスイッチ17が設けられている(図3を参照)。
次に車両用ルームランプ1の使用態様を説明する。まず、スイッチ17がOFF位置のときは、光源11、12及びウムシート14は無通電状態である。スイッチ17をR位置にすると、光源11、12へのみ電力が供給され、ウムシート14は無通電状態のままである。即ち、ウムシート14は、高拡散状態となっている。従って、光源11、12の光は、高拡散状態のウムシート14により拡散される。拡散された光はカバー15を介して車両室内へ放出される。この光は車両室内の広い領域を照射するルームランプの光となる。一方、スイッチ17をM位置にすると、光源11、12及びウムシート14へ電力が供給される。電圧が印加されたウムシート14は低拡散状態となる。従って、光源11、12の光は、ウムシート14により積極的には拡散されずにカバー15を介して車両室内へ放出される。即ち、光源11、12の光は高い指向性を維持した状態で車両室内へ放出される。この光は運転席座席又は助手席座席の狭い領域を照射するマップランプの光となる。以上のように、光源11、12はウムシート14の拡散性を切り替えることにより、ルームランプの光とマップランプの光を生成する。従って、ルームランプ用光源とマップランプ用光源を個別に使用せずに済み、車両用ルームランプ1はコンパクト化されることになる。
また、スイッチ17がOFF位置のときは、ウムシート14は高拡散状態である。このとき、車両室内側からは、高拡散状態のウムシート14がカバー15を介して視認される。即ち、高拡散状態のウムシート14が曇ったように観察される。これにより、ウムシート14の背後に配置される光源11、12は視認されないことになり、車両用ルームランプ1の意匠性が向上する。なお、スイッチ17がOFF位置のとき、ウムシート14を通電状態としてもよい。このようにすれば、OFFの状態で光源11、12を積極的に視認させることができる。
車両用ルームランプ1では上面151に光拡散処理が施されていないカバー15を使用したが、カバー15の代わりに、上面151の所定の領域に光拡散処理が施されたカバー25を使用してもよい。図4にカバー25の斜視図を示す。カバー25の上面の内、光源11、12の光軸近傍領域(符号25aで示す領域)を除く領域25bに光拡散処理としてカッティングが施されている。このようなカバー25では、ウムシート14が高拡散状態のときには、カバー25内において調光層により拡散された光の拡散が促進される。これにより、放出光の輝度ムラが低減され、ルームランプの光として好適に利用される。一方、ウムシート14が低拡散状態のときには、ウムシート14を透過した光源11、12の光はカバー25の意匠面のカッティングが施されていない領域25aを通って車両室内へ放出されることになる。これにより、光源11、12の光は指向性の高い状態で車両室内へ放出され、マップランプの光として好適に利用される。
本発明の他の実施例である車両用ルームランプ100を備える車両500の斜視図を図5に示す。図6に車両用ルームランプ100の分解斜視図を示す。図7に車両用ルームランプ100の正面図を示す。尚、車両用ルームランプ1と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
車両500は4個の車両用ルームランプ100を備える。車両用ルームランプ100は車両室内天井の、運転席右側、助手席左側、右後部座席右側、及び左後部座席左側の合計4箇所にそれぞれ一つ配置される。図6に示すように、車両用ルームランプ100は、光源110、クリア樹脂板120、ウムシート130、カバー140及び枠150を備える。車両用ルームランプ1と同様に、クリア樹脂板120とカバー140はウムシート130を挟持して固定している。図7に示すように、カバー140の下方にスイッチ170が設置される。スイッチ170により、光源110及びウムシート130への通電状態が制御される。これにより車両用ルームランプ1と同様に、ルームランプの光とマップランプの光が光源110から生成される。よって車両用ルームランプ100を4個備える車両500においても、車両10と同様に、ルームランプ用光源とマップランプ用光源を個別に使用せずに済み、光源設置スペースが少なくなり、車両用ルームランプ100はコンパクト化されることになる。
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明の車両用ルームランプは、様々な車両室内の照明用途にその利用が図られる。
本発明の実施例である車両用ルームランプ1を備える車両10の斜視図である。 車両用ルームランプ1の構成を示す分解斜視図である。 車両用ルームランプ1の正面図である。 カバー25の斜視図である。 本発明の他の実施例である車両用ルームランプ100を備える車両500の斜視図である。 車両用ルームランプ100の分解斜視図である。 車両用ルームランプ100の正面図である。
符号の説明
1 100 車両用ルームランプ
11 12 110 光源
13 120 クリア樹脂板
14 130 ウムシート
15 25 140 カバー
16 150 枠
17 170 スイッチ

Claims (4)

  1. 集光された光を放出する光源と、
    前記光源の光放出側に設けられる調光層であって、印加電圧によって光拡散性が制御される調光層と、
    前記調光層上に配置される光透過性カバーと、
    を備える、車両用ルームランプ。
  2. 前記調光層が、液晶方式の調光ガラス又は調光シートであることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ルームランプ。
  3. 前記光源がLEDランプであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用ルームランプ。
  4. 前記調光層が、ヘイズ率が70〜99.9である第1状態と、ヘイズ率が0.5〜30である第2状態と、になることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ルームランプ。
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