JP2007216592A - ガスバリア性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、密着強度や塗膜強度に優れ、高湿度条件化での酸素バリア性に優れ、金属探知機の使用が可能であり、紙として廃棄可能なガスバリア積層体を提供することである。
【解決手段】紙支持体上に水溶性高分子と無機層状化合物を含む第1ガスバリア層と第2ガスバリア層を順次設けたガスバリア性積層体において、第1ガスバリア層の水溶性高分子と無機層状化合物の質量比が75/25〜50/50であり、かつ、第2ガスバリア層中の水溶性高分子と無機層状化合物の質量比が95/5〜75/25であるガスバリア性積層体である。前記第1ガスバリア層の塗工量が0.1g/m〜3g/m、かつ第2ガスバリア層の塗工量が0.1g/m〜3g/mであり、第1ガスバリア層と第2ガスバリア層の塗工量の合計が0.5g/m〜5g/mであるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品類を包装する包装用素材であり、特に酸素と反応して酸化や劣化を引き起こす可能性のある内容物を包装するための包装材料であり、なおかつ、金属探知機が使用でき、使用後に紙として分別処理可能な包装材料を提供するものである。
一般に、食品は酸素と接触すると、食品に含まれる油ような成分が酸素と反応(酸化)して、食品の味が変わったり変色を引き起こす。そのため、多くの食品包装はガスバリア性(特に酸素バリア性)を有する包装材料で包装されている。
従来、このような包装材料として、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)にPVDCやPVA層を設けたガスバリアフィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやナイロンフィルム上にシリカやアルミナの無機酸化物層あるいはアルミニウムの金属層を設けたガスバリアフィルム、紙基材とアルミ箔あるいは紙基材と前記ガスバリアフィルムを貼合したガスバリア性積層体がある。紙を基材として使用したガスバリア性積層体は、優れた印刷適性、適度な剛度、高級感などといった特徴があり、包装材料として幅広く使用されている。
しかし、アルミ箔やアルミ蒸着層を有するフィルムと紙基材を貼合すると、金属を含むため、食品包装後の異物検査のための金属探知機が使用できないといった問題がある。また、金属を含むため紙として焼却処理できず、また、古紙としても再利用できない。一方で、PVAやPVDC、あるいは無機酸化物などのガスバリア層を有するフィルムを使用するとコストが高くなるばかりか、フィルムと紙の積層体は包装適正や加工適性に劣る場合が多い。紙基材のガスバリア性積層体のほとんどはアルミ箔と紙基材の積層体が使用されているのが現状である。
一方、紙基材表面にガスバリア層を形成する技術が従来から提案されている。特許文献1にはポリビニルアルコールと無機層状化合物を紙基材上に設ける方法が提案されている。しかし、この技術では、密着強度や塗膜強度が十分でなく実際の包装としては使用できない。
特許文献2〜4にも同様な技術が提案されているが密着強度や塗膜強度に関してはいまだ不十分である。
特開平11−129381号公報 特開平11−309817号公報 特開2001−214396号公報
本発明の目的は、密着強度や塗膜強度に優れ、高湿度条件化での酸素バリア性に優れ、金属探知機の使用が可能であり、紙として廃棄可能なガスバリア性積層体を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために以下の方法をとる。
(1)紙支持体上に水溶性高分子と無機層状化合物を含む第1ガスバリア層と第2ガスバリア層を順次設けたガスバリア性積層体において、第1ガスバリア層中の水溶性高分子と無機層状化合物の質量比が75/25〜50/50であり、かつ、第2ガスバリア層中の水溶性高分子と無機層状化合物の質量比が95/5〜75/25であることを特徴とするガスバリア性積層体である。
(2)第1ガスバリア層の塗工量が0.1g/m〜3g/m、かつ第2ガスバリア層の塗工量が0.1g/m〜3g/mであり、第1ガスバリア層と第2ガスバリア層の塗工量の合計が0.5g/m〜5g/mである(1)に記載のガスバリア性積層体である。
(3)水溶性高分子がポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体である(1)または(2)に記載のガスバリア性積層体である。
(4)水溶性高分子がポリビニルアルコールであり、かつ、平均重合度が300〜2000であり、ケン化度が80%〜99%である(1)または(2)に記載のガスバリア性積層体である。
本発明により、高湿度条件下での酸素透過度に優れ、ガスバリア層の密着強度および塗膜強度に優れ、かつ、金属探知機を使用でき、紙として廃棄可能なガスバリア性積層体を提供することが可能となった。
以下に本発明について詳細に説明する。
ポリビニルアルコールのような水溶性高分子とモンモリロナイトのような膨潤性無機層状化合物を混合した水性塗料を紙支持体上に塗工してバリア層を形成すると、無機層状化合物の曲路効果により、バリア性が大幅に向上する。
しかし、高いバリア性を発揮するためには、無機層状化合物の配合量を増やさなければならないが、無機層状化合物がある一定量以上になると、バリア層の密着強度や塗膜強度が大幅に低下することを本発明者らは見出した。ここでいう、バリア層の密着強度とは、バリア層とシーラントを積層した時の、バリア層とシーラントの密着強度をいう。密着強度が弱いと、包装後のヒートシール強度が弱くなり、ひどい時には二重袋になる。また、塗膜強度とは、バリア層の表面強度のことであり、塗膜強度が弱いと、バリア層製造時やガスバリア性積層体に印刷やシーラントとの積層加工工程で、ロール汚れが発生する。
そこで、本発明者らは、ポリビニルアルコールの平均重合度を上げて塗膜強度を高めようとした。平均重合度を2000以上に上げると塗膜強度は少し強くなるが、塗料の粘度が上昇し、塗工機で製造するには、塗料を希釈する必要があり、生産性が大幅に低下する。また、ホウ酸やグリオキザールなどの架橋剤を使用すると、塗膜強度は確かに強くなるが、塗料のポットライフの問題が発生する。
さらに、本発明者らが鋭意検討したところ、紙基材表面に第1ガスバリア層の水溶性高分子と無機層状化合物の質量比が75/25〜50/50となるように第1ガスバリア層を形成し、次に第1ガスバリア層上に、第2ガスバリア層中の水溶性高分子と無機層状化合物の質量比が95/5〜75/25である第2ガスバリア層を形成することで大幅に塗膜強度を向上することを見出した。
本発明のガスバリア性積層体における支持体に用いられる紙は、植物由来のパルプを主成分とするものであれば特に制限はないが、上質紙、中質紙、微塗工紙、塗工紙、片艶紙、晒または未晒クラフト紙(酸性紙又は中性紙)、段ボール用、建材用、白ボール用、チップボール用などに用いられる板紙または白板紙などを挙げることができる。
本発明の第1および第2のガスバリア層に使用できる水溶性高分子は、単量体質量当りの水素結合性基又はイオン性基の質量百分率が20〜60%の割合を満足する水溶性高分子であることが好ましい。更に好ましい例としては、水溶性高分子の単量体質量当りの水素結合性基又はイオン性基の質量百分率が30〜50%の割合を満足するものが挙げられる。前記水素結合性基としては水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、などが挙げられ、前記イオン性基としてはカルボキシレート基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム基、ホスホニウム基などが挙げられる。水溶性高分子の水素結合性基又はイオン性基のうち、更に好ましいものとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、アンモニウム基、などが挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール分率が41モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、セルロースなどのような多糖類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリベンゼンスルホン酸、ポリベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレンイミン若しくはポリアリルアミン若しくはこれらのアンモニウム塩ポリビニルチオールまたはポリグリセリン、などが挙げられる。
水溶性高分子の更に好ましいものとしては、ポリビニルアルコールまたはエチレン―ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールとは、主としてビニルアルコールをモノマー単位として有するポリマーである。このような「ポリビニルアルコール」としては、例えば、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解ないしエステル交換(ケン化)して得られる重合体(正確にはビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体となったもの)や、トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニル重合体、ピバリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニルエーテル重合体、トリメチルシリルビニルエーテル重合体等をケン化して得られるポリマーが挙げられる。
ポリビニルアルコールにおけるケン化度は、モル百分率で70%以上かつ99.9%以下が好ましく、80%以上かつ99%以下が更に好ましい。また、平均重合度は100以上3000以下が好ましく、特に、300以上2000以下が好ましい。ケン化度が70%未満だと酸素バリア性が低下し、99.9%を超えると無機層状化合物とポリビニルアルコールの混和性が低下し好ましくない。重合度が100未満になると塗膜強度が低下し、重合度が3000を超えると塗工適性が低下し好ましくない。
また、ポリビニルアルコールの水酸基の一部が、シラノール基(−Si(OH))、アミノ基、カルボキシル基、アセトアセチル基などの官能基で置換されたり、このような官能基を有するモノマーを共重合させて変性されたものでもかまわない。
前記多糖類としては、種々の単糖類の縮重合によって生体系で合成される生体高分子または前記生体高分子をもとに化学処理して合成される化合物等が含まれ、例えば、セルロース及びヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、などを挙げることができる。
また、多糖類として、澱粉も使用できる。澱粉としては、馬鈴薯、甘薯もしくはタピオカ等から得られる地下澱粉または米、麦もしくはトウモロコシ等から得られる地上澱粉を挙げることができる。これらの澱粉をそのまま糊化して使用してもかまわないが、これらの澱粉を、酵素、熱、酢酸エステル化、リン酸エステル化、カルボキシエーテル化、ヒドロキシエーテル化、カチオン化等により変性したものを、1種類または2種類以上組み合わせた澱粉を使用した方が、粘度や塗工適性の面で好ましい。特に、トウモロコシ澱粉を酵素または酸により変性したものが好適に使用される。
本発明で使用できる無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物または粘土系鉱物等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質である。ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
前記「カルコゲン化物」とは、IV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)及び/又はVI族(Mo,W)元素のジカルコゲン化物であって、式MX(Mは上記元素、Xはカルコゲン(S,Se,Te)を示す。)で表わされるものをいう。
前記粘土系鉱物としては、カオリナイト族、アンチゴライト族等の2層構造タイプの粘土系鉱物またはスメクタイト族、バーミキュライト族またはマイカ族等の3層構造タイプの粘土系鉱物を挙げることができる。より具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライトまたは緑泥石等を挙げることができる。特に、モンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトまたはスチブンサイトなどのスメクタイト族の粘土系鉱物が好ましい。
ここで、2層構造タイプの粘土系鉱物とは、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にして構成される八面体層を有してなる粘土系鉱物をいい、3層構造タイプの粘土系鉱物とは、シリカの四面体層に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にして構成される八面体層を両側から挟んでなる構造を有する粘土系鉱物をいう。
粘土系鉱物の市販品としては、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(天然モンモリロナイト、クニミネ工業製)、スメクトン(水熱反応法合成スメクタイト、クニミネ工業社製)、ビーガム(商標:バンダービルト社製)、ラポナイト(商標:ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts、NTO−5(熔融法、ナトリウム四珪素雲母、商標:トピー工業製)、ベンゲル(商標:豊順洋行社製)またはソマシフME−100(固相反応法合成マイカ、商標:コープケミカル)等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明で使用できる無機層状化合物として、前記粘土系鉱物以外にも、例えば、前記粘土系鉱物をシランカップリング剤で表面処理した加工処理品または合成マイカ、合成スメクタイト等の様に、化学処理により得られる合成品を挙げることができ、本発明においては、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
例えば、合成スメクタイトとしては、式Na0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.09.0〜10.6(OH及び/又はF)1.5〜2.5で示されるものが挙げられる。合成スメクタイトや合成マイカの製造方法としては、水熱反応法(特開平6−345419号公報)、固相反応法または熔融法(特開平5−270815号公報参照)を用いることができ、特に、内燃式溶融法が好ましい。
前記合成スメクタイトの具体例としては、ナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF))、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF))、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH))などを挙げることができ、また、前記合成マイカの具体例としては、フッ素金雲母(KMgAlSi10F)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si10)、ナトリウム四ケイ素雲母(NaMg2.5Si10)、ナトリウムテニオライト(NaMgLiSi10)、リチウムテニオライト(LiMgLiSi10)などを挙げることができる。
本発明で使用する無機層状化合物としては、水中で容易に膨潤、壁開及び分散する性質を有する膨潤性無機層状化合物を用いることができる。膨潤性無機層状化合物としては、クニピア(膨潤力:65mL/2g以上)、スメクトン(膨潤力:60mL/2g以上)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(膨潤力:30mL/2g以上)、ME−100(商標:コープケミカル社製、膨潤力:20mL/2g以上)及びベンゲル(膨潤力:38mL/2g以上)等を挙げることができる。
膨潤性無機層状化合物の陽イオン交換容量は、膨潤性無機層状化合物100g当り、30〜300meq、より好ましくは50〜250meq、特に好ましくは60〜200meqである。陽イオン交換容量が30meq/100g未満だと含窒素化合物との効果が小さくなりガスバリア性に優れない。また、300meq/100gを越えて大きいと塗料が凝集しやすくなり好ましくない。前記陽イオン交換容量の測定は一般にアルコール洗浄法(Schollenberger法あるいはその改良法、和田光史(1981)粘土科学21,160-163参照)を用いることができる。
前記膨潤性無機層状化合物のアスペクト比は、50〜5000であるのが好ましい。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での平均粒子径(レーザー回折法で測定。堀場製作所LA−910.屈折率1.3、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みを表す。 膨潤性無機層状化合物の平均粒子径は、0.1μm〜100μmが好ましく、とりわけ0.5μm〜50μmが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満になるとアスペクト比が小さくなる上、ガスバリア層中でガスバリア層表面に対して平行に並びにくくなり、ガスバリア効果が不十分になる。平均粒子径が100μmを越えて大きくなるとガスバリア層表面から膨潤性無機層状化合物が突き出てしまい好ましくない。
これら膨潤性無機層状化合物の中でも、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライト、ナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイト、天然スメクタイト(モンモリロナイト)が好ましい。これらの中でも、粒子径、アスペクト比、結晶性の面からから熔融合成法で製造されたナトリウム四珪素雲母(トピー工業製、DMA350)やタルクにフッ化ケイ素をインターカレートし約800℃で焼成して得られる膨潤性フッ素マイカが特に好ましい。
また、本発明で使用する無機層状化合物は水、あるいは溶剤中で分散された状態での平均粒子径が20nm〜100μmの間にあるものが好適であり、好ましくは0.1μm〜50μm、より好ましくは1μm〜30μmである。平均粒子径が20nm未満であると、アスペクト比が小さくなりガスバリア性向上効果が小さい。一方100μmを越えるとガスバリア層表面から顔料が突き出し、外観不良やガスバリア性低下を招き好ましくない。
本発明のガスバリア性積層体における無機層状化合物の含有量は、水溶性高分子100質量部に対して、10質量部以上150質量部以下であるのが好ましく、特に、20質量部以上120質量部以下であるのが好ましい。 無機層状化合物の含有量が10質量部未満の場合、高湿度条件下におけるガスバリア性が不十分となり、150質量部を超えると、密着強度および塗膜強度が大幅に低下する。
本発明のガスバリア性積層体は、溶媒、前記水溶性高分子、前記無機層状化合物を混合、攪拌してなるガスバリア塗料を、前記紙支持体に塗工することにより形成される。また、ガスバリア塗料には、適宜、合成樹脂、カチオン化合物、消泡剤、濡れ剤、染料、色合い調整剤、増粘剤などを添加することも可能である。
前記溶媒、合成樹脂、カチオン化合物、消泡剤、濡れ剤、染料、色合い調整剤、増粘剤などの添加量は、所望に応じて変更可能である。本発明においては、特に、前記水溶性高分子および前記無機層状化合物の質量比が、第1ガスバリア層で75/25〜50/50、第2ガスバリア層で95/5〜75/25となるように、ガスバリア塗料を調製するのがよい。水溶性高分子および無機層状化合物の質量比が、前記範囲内であれば、大幅に塗膜強度を向上させることができる。
前記溶媒としては、本発明の目的を達する限りにおいて、特に制限はなく、水またはエタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンまたはトルエンなどの有機溶媒を用いることができる。
前記カチオン化合物としては、カチオン基、カチオン基と成りうる官能基を有する化合物(以下、「カチオン性化合物」という。)または1分子内にアニオン基およびカチオン基を同時に有する化合物(以下、「両性化合物」という。)を用いることができる。また、カチオン性化合物としては、特開平9−291499号公報に記載の含窒素化合物も使用できる。
本発明のガスバリア性積層体においては、第1ガスバリア層と第2ガスバリア層とが、この順で紙支持体上に形成されてなることを特徴とする。
前記ガスバリア塗料を紙支持体に塗工する際に使用する塗工装置としては、特に限定はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ゲートロールコーターを用いることができる。なかでも、ガスバリア層形成にはブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーターなどの塗工装置が、塗工表面をスクレイプするコーターが無機層状化合物の配向を促すという点で好ましい。
ここで、本発明においては、第1ガスバリア層の塗工量が、乾燥重量で0.1g/m以上3.0g/m以下であり、第2ガスバリア層の塗工量が、乾燥重量で0.1g/m以上3g/m以下であって、かつ、第1ガスバリア層と第2ガスバリア層の塗工量の合計が0.5g/m以上5g/m以下になるように前記塗工装置で紙支持体上に形成されるのがよい。前記第1ガスバリア層の塗工量が3.0g/mより超えて大きいと塗膜強度が大幅に低下してしまい、0.1g/m未満だと酸素バリア性が不十分となる。一方、前記第2ガスバリア層の塗工量が3.0g/mを超えて大きいと塗膜強度が低下し、0.1g/m未満だと塗膜強度が不十分となり、酸素バリア性も低下する。
また、第1ガスバリア層と第2ガスバリア層の塗工量の合計が0.5g/m以上5g/m以下が好ましいことも見出した。0.5g/m未満だと酸素バリア性が低下したり、塗膜強度が低下する。5g/mを超えると密着強度や塗膜強度が低下して好ましくない。
本発明において、ガスバリア層の塗膜強度を改良する目的で水素結合性基用架橋剤を用いることができる。
水素結合性基用架橋剤としては特に限定されないが、例えば、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、メラミン系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、イソシアネート系カップリング剤、銅化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、コロイダルシリカなどが挙げられ、より好ましくは、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物が挙げられる。
ジルコニウム化合物の具体例としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどの鉱酸のジルコニウム塩、蟻酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウムなどの有機酸のジルコニウム塩、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、蓚酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム錯塩、などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を限定するものではない。また、特に断らない限り実施例中の部は質量部を示す。
<実施例1>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)60部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を33.3部、水6.7部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度350cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)64部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を26.7部、水9.3部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.3、粘度200cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例2>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度500cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度100cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例3>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)41.3部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を56.3部、水2.4部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度700cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)72部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を13部、水15部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度100cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例4>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)56部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を40部、水4部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度400cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)60部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を33.3部、水6.7部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度300cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例5>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)56部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を40部、水4部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度400cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)76部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を6.7部、水17.3部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.1、粘度50cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例6>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度500cps)を、固形分で2.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度100cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で0.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例7>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度500cps)を、固形分で0.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度100cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で2.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例8>
坪量64g/mの上質紙(王子製紙製:OA共用紙 PPC用紙)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度500cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度100cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例9>
坪量50g/mの片艶紙(王子製紙製:TプリントS50)の艶面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度500cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度100cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例10>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA120、ケン化度98%、重合度2000)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度1500cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA120、ケン化度98%、重合度2000)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度500cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<実施例11>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA405、ケン化度80%、重合度500)52部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を46.7部、水1.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度900cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA405、ケン化度80%、重合度500)68部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を20部、水12部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度200cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<比較例1>
ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)56部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を40部、水4部を加え、攪拌して得られたガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.5)を、固形分で4.0g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥してガスバリア性積層体を形成した。
<比較例2>
ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)64部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を27部、水9部を加え、攪拌して得られたガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4)を、固形分で4.0g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<比較例3>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)56部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を40部、水4部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度400cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)56部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を40部、水4部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度300cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<比較例4>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)56部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を40部、水4部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.4、粘度400cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成した。
次に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)78.4部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を2.7部、水18.9部を加え、攪拌して得られた第二のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.1、粘度40cps)を、第1ガスバリア層上に固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第2ガスバリア層を形成してガスバリア性積層体を得た。
<比較例5>
坪量84g/mの塗工紙(王子製紙製:品名OKトップコート、顔料層/紙支持体/顔料層、顔料層の塗工量は片面15g/m)の片面に、ポリビニルアルコールの水溶液(固形分10%、PVA:クラレ製、PVA105、ケン化度98%、重合度500)31.5部に、無機層状化合物の水分散液(トピー工業製、NTO−5、固形分6%、ナトリウム四珪酸雲母)を64.2部、水4.3部を加え、攪拌して得られた第一のガスバリア性塗料(固形分8%、pH7.6、粘度3200cps)を、固形分で1.5g/mになるように、メイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機で120℃で1分間乾燥して第1ガスバリア層を形成しようとしたが、バー筋が激しくピンホールが発生したため、形成できなかった。
<試験方法>
1)酸素透過度
実施例及び比較例1〜2で製造したガスバリア性積層体のガスバリア層上にポリエチレン(日本ポリケム製、LC522、低密度ポリエチレン、MFR3.5g/10min)を厚さ20μmになるように溶融押出ラミしたサンプルを、JIS−K−7126 B法(等圧法)でポリエチレンラミ側を酸素検出器側(窒素側)にして、酸素側も窒素側も23℃90%RH条件で測定した(酸素透過度測定装置:OX−TRAN100型、MOCON社製)。
酸素透過度はサンプルをセットした後、24時間後の値を酸素透過度とした。
なお、より高度なガスバリア性を要求される用途に用いるには、酸素透過度は10cc/m・24hr以下であることがより好ましい。
2)密着強度
ガスバリア積層体のガスバリア層表面にクロステープ(巾3cm、長さ10cm)を貼り、ゴムローラーで10往復させ圧着させた後、クロステープを手で勢いよく剥がした。密着強度の評価は以下のように行った。
◎:ガスバリア層が100%材破
○:ガスバリア層の一部が材破
△:ガスバリア層は材破しないが抵抗感がある。
×:抵抗感なく剥がれる。
(3)塗膜強度
厚さ200μの黒画用紙を重量500gの立方体の底面(大きさが50mm×50mm)に貼り付け、黒画用紙面とガスバリア積層体面が接するように擦った。擦った後の塗膜強度は黒画用紙にガスバリア層がどれくらい転移したかで以下のように評価した。
◎:30往復以上擦ってもで黒画用紙が白くならない。
○:20往復以上で黒画用紙が白くなる
△:5往復以上で黒画用紙が白くなる
×:5往復未満で黒画用紙が白くなる
Figure 2007216592
本発明のガスバリア性積層体は、ガスバリア性を有することから、食品の酸化防止に効果的であるので、惣菜、肉加工品、水産加工品、菓子類等の食品用容器として利用できる。

Claims (4)

  1. 紙支持体上に水溶性高分子および無機層状化合物を含む第1ガスバリア層と第2ガスバリア層とを、この順で設けたガスバリア性積層体において、第1ガスバリア層中の水溶性高分子と無機層状化合物との質量比が75/25〜50/50であり、かつ、第2ガスバリア層中の水溶性高分子と無機層状化合物との質量比が95/5〜75/25であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. 第1ガスバリア層の塗工量が0.1g/m〜3g/m、かつ第2ガスバリア層の塗工量が0.1g/m〜3g/mであり、第1ガスバリア層と第2ガスバリア層との塗工量の合計が0.5g/m〜5g/mである前記請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  3. 水溶性高分子がポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体である前記請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。
  4. 水溶性高分子がポリビニルアルコールであり、かつ、平均重合度が300〜2000であり、ケン化度が80%〜99%であることを特徴とする前記請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。

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