JP2007216339A - 電動式釘打機 - Google Patents

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英之 谷本
Toshihito Sakaba
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裕幸 尾田
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貴士 上田
Yoshihiro Nakano
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Abstract

【課題】小型・軽量化を実現しつつ、低反動でエネルギー効率の高い電動式釘打機を提供すること。
【解決手段】ハウジング2と、該ハウジング2に内蔵されたモータ8と、該モータ8によって回転駆動されるフライホイール9と、該フライホイール9の回転力で釘を打ち込むブレード18Bを有する駆動子18と、前記フライホイール9の回転力を前記駆動子18に選択的に伝達可能なクラッチ機構を備えた電動式釘打ち機1において、前記駆動子18を加速するトルクを15〜35N・mに設定する。尚、駆動子18を加速するトルクとしては21〜35N・mが望ましく、更に好ましくは27〜35N・mに設定すべきである。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータによって駆動されて回転するフライホイールの回転力で釘を打ち込む電動式釘打機に関するものある。
従来、釘打機としては、コンプレッサから供給される圧縮空気を動力源とする気圧式釘打機が広く使用されている。この気圧式釘打機では、圧縮空気を供給するためコンプレッサが必須であるため、例えば1階から2階へと移動しながら釘打機を使用する場合には、コンプレッサも釘打機と共に移動させる必要があるために移動性に劣っていた。又、コンプレッサの設置場所も確保する必要があるが、作業現場にコンプレッサを据え置くことができる平坦な場所が必ずしもあるとは限らず、その作業場所にも制約があった。
そこで、上記気圧式釘打機の弱点である作業場所の制約と移動性の悪さを補う釘打機として、電力を動力としてソレノイドコイルを駆動して主駆動源とする電動式釘打機が提案され、既に実用に供されている。このソレノイドコイルを使用した電動式釘打機では、ソレノイドの電気効率が5〜20%と低いため、必要な打込力を確保するためには本体全体が大きくなる。具体的には、ソレノイドコイルを使用した電動式釘打機の重量は、同じ釘を打ち込むのに使用する気圧式釘打機の重量の約3倍程度となっていた。このため、電動式釘打機を手に持って長時間作業することは非常に困難であった。
ソレノイドを用いた電動式釘打機の電気効率を改善するために、電力によってフライホイールを駆動し、該フライホイールに蓄積される回転の運動エネルギーを利用して釘を打ち込む釘打機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このフライホイールの運動エネルギーを利用して釘を打ち込む電動式釘打機では、電気効率が50〜70%と高く、フライホイールの回転数を上げれば釘の打ち込みに掛かる打込エネルギーを増加させることができるため、同じ釘を打ち込むのに使用する気圧式釘打機に対して1.5倍程度の重量増に留めることができる。
特開平8−197455号公報
しかしながら、小さな製品反動でエネルギー効率良く釘を打ち込むためには、被打込材に釘が接触するまでに、釘を打込む駆動子の加速を終えておく必要がある。特許文献1に記載された釘打機は、ソレノイドと複数のカム及びボールを有する複雑な機構を備えているために大型化が避けられず、フライホイールの利点である小型化を実現することができない。又、構成部品の増加に伴って故障の可能性も増える。尚、特許文献1には、低反動でエネルギー効率良く釘を打ち込むために駆動子を加速するに必要なトルクの適正値については記載されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、小型・軽量化を実現しつつ、低反動でエネルギー効率の高い電動式釘打機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ハウジングと、該ハウジングに内蔵されたモータと、該モータによって回転駆動されるフライホイールと、該フライホイールの回転力で釘を打ち込むブレードを有する駆動子と、前記フライホイールの回転力を前記駆動子に選択的に伝達可能なクラッチ機構を備えた電動式釘打ち機において、前記駆動子を加速するトルクを15〜35N・mに設定したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記クラッチ機構は、前記フライホイールに一体に形成された駆動回転軸と、該駆動回転軸に隣接して同軸的に配置された従動回転軸と、前記フライホイールの回転力を前記駆動回転軸から前記従動回転軸に伝達可能なコイルスプリングを含んで構成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記駆動子を加速するトルクを21〜35N・mに設定したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記駆動子を加速するトルクを27〜35N・mに設定したことを特徴とする。
電動式釘打機においては、打込み深さは、駆動子の加速トルクが約15N・mに向って大きくなるに従って著しく大きくなり、製品反動量は逆に双曲線的に低減していく。又、駆動子の加速トルクが約35N・mに向って大きくなるに従って打込み深さは漸増し、製品反動量は漸減していく。そして、駆動子の加速トルクを約15N・mを超えて大きくしても、打込深さと製品反動量の変化は共に小さい。駆動子の加速トルクを必要以上に大きくし過ぎると、大きな本体強度が必要になり、製品の大型化や重量増を招いて性能低下に繋がる。
以上の結果、低反動でエネルギー効率の高い電動式釘打機を得るためには、駆動子の加速トルクとしては15〜35N・m、より好ましくは21〜35N・m、最も好ましくは27〜35N・mに設定することが望ましことが実験的に確認された。
従って、本発明によれば、小型・軽量化を実現しつつ、低反動でエネルギー効率の高い電動式釘打機を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る電動式釘打機の破断側面図、図2は同電動式釘打機の破断平面図、図3は同電動式釘打機の駆動部(クラッチOFF状態)の平断面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は同電動式釘打機の駆動部(クラッチON状態)の平断面図、図6は図5のB−B線断面図、図7はコイルスプリングの側面図、図8は同コイルスプリングの正面図、図9はフランジの破断側面図、図10はフランジに挿入されたコイルスプリングを示す破断側面図である。
図1及び図2に示す電動式釘打機1は、外殻部材あるハウジング2と、該ハウジング2から略直角に延びるハンドル3と、該ハンドル3の端部に着脱可能に装着された電池4と、ハウジング2の打込側である先端側に設けられたノーズ6と、該ノーズ6とハウジング2に跨がって設けられたマガジン7を主要な構成要素としている。
ハウジング2内には、駆動源であるモータ8と、前後方向(図1の左方を前方とする)に往復直線移動する駆動子18と、該駆動子18を後端へと付勢する駆動子戻りバネ19等が組み込まれている。ここで、駆動子18は、ハウジング2内の不図示のレールに案内されてハウジング2の先端側と後端側との間で移動可能に配置されている。そして、この駆動子18の先端側にはブレード18Bが取り付けられており、このブレード18Bは、駆動子18が先端側に移動した状態でノーズ6内に画成された不図示の通路位置まで延びている。又、駆動子18のハンドル3側の端面(図1において下面)にはラック18Aが刻設されている。
更に、前記駆動子戻りバネ19は、ハウジング2内の後端側に設けられており、その一端は駆動子18に取り付けられ、駆動子18を後端側へ付勢している。
ところで、把持部分であるハンドル3は、ハウジング2の側面を基端部としてハウジング2表面から延出しており、その基端部には駆動子18の駆動を制御するトリガ5が設けられている。又、前記電池4は、ハンドル3の反ハウジング2側端部に設けられており、ハンドル3内に配索された不図示の配線を経てモータ8に電力を供給する。
又、前記ノーズ6には、ブレード18Bが挿通可能な不図示の通路が形成されており、該ノーズ6の先端部分にはプッシュレバー6Aが設けられている。尚、このプッシュレバー6Aが不図示の被打込材に接触して押され、トリガ5が操作されたときに当該電動式釘打機1が釘を打ち込むことができるよう構成されている。
前記マガジン7は、前述のようにノーズ6とハウジング2の先端部分に跨って設けられており、その内部には不図示の釘が束状に複数本収容されている。このマガジン7は、ノーズ6の不図示の通路内に釘を供給するものであって、駆動子18が先端側に移動した際には、ノーズ6の不図示の通路内にある釘は、ブレード18Bによってノーズ6の先端より押し出されて被打込材に打ち込まれる。尚、ノーズ6の不図示の通路の距離を釘の長さよりも長く設定することによって、釘が被打込材と接触するまでに駆動子18を加速するための助走区間が設けられている。
以下、ハウジング2内でモータ8の出力を駆動子18に伝達するための駆動機構の詳細について説明する。
図2に示すように、ハウジング2内には、先端側に配置された第1壁2Aと、該第1壁2Aの後端側に配置された第2壁2Bと、該第2壁2Bと先端側から後端側に向かう方向(先後端方向)に対して直交する方向に並んで配置された第3壁2Cとが突設されている。
ここで、上記第1壁2Aにはモータ8が横置きで固定されており、該モータ8の回転軸8Aは横向き(駆動子18の移動方向に対して直交する方向)に配置されている。そして、回転軸8Aにはギヤ8Bが同心的に固定されており、回転軸8A及びギヤ8Bは時計方向に回転する。
又、図3に示すように、前記第2壁2Bには、ベアリング17Aを介して従動回転軸12が回転可能に支持されている。この従動回転軸12は、略筒状に成形され、その軸が回転軸8Aの軸と平行になるよう配されている。そして、この従動回転軸12は、ベアリング12Aを介して第3壁2Cによっても回転可能に支持されている。このように従動回転軸12は2箇所で支持されるため、これに急激に力が加えられた状態でも安定して回転することができる。尚、第3壁2Cは後述のソレノイド13も支持している。
従動回転軸12の外周のベアリング12Aとベアリング17Aの間の部分にはピニオンギヤ12Cが設けられており、このピニオンギヤ12Cは、駆動子18に形成された前記ラック18A(図1参照)に噛合しており、これらのピニオンギヤ12Cとラック18Aは駆動子送り機構を構成している。
又、図3に示すように、従動回転軸12には略環状の従動回転軸支持部17が嵌着されており、この従動回転軸支持部17を介して従動回転軸12がベアリング17Aによって支持されている。従動回転軸支持部17には軸方向に延出する延出部17Bが形成されており、該従動回転支持部17が従動回転軸12に嵌合した状態で、延出部17Bと従動回転軸12との間には溝17aが形成されている。
そして、従動回転軸12の延出部17Bと対向する位置には、従動回転軸12の内外を貫通する3つの孔12aが穿設されており(図4参照)、各孔12a内にはボール16がそれぞれ径方向に移動可能に設けられている。従って、ボール16は、後述のソレノイド駆動部14の伸縮方向及び従動回転軸12の周方向への移動が規制され、従動回転軸12の径方向への移動のみが許容されている。
又、従動回転軸12の一端側であって、且つ、第3壁2Cで囲まれた領域内にはソレノイド13が配置されている。このソレノイド13からはソレノイド駆動部14が従動回転軸12内の空間に向けて延出し、ソレノイド13に通電されるとソレノイド駆動部14が伸長する。そして、従動回転軸12内の空間のソレノイド駆動部14が伸縮する方向においてソレノイド駆動部14の端部と従動回転軸12との間には、ソレノイド戻りバネ14Aが縮装されており、このソレノイド戻りバネ14Aはソレノイド駆動部14を縮む方向に付勢している。
更に、ソレノイド駆動部14の端部には、略円柱状の付勢部15が設けられており、この付勢部15は、円柱形状の軸方向を回転軸として回転可能となっている。ここで、付勢部15の外周には軸方向に延びる溝が形成されており、この溝には、第1付勢面となる斜面を有する押圧部15Aと受け部15Bが設けられている。押圧部15Aの斜面は、ソレノイド13側に近づくほど中心軸から離れるように形成されている。尚、付勢部15の最外径は、従動回転軸12内の空間の内径よりも僅かに小さく設定されている。
そして、押圧部15Aと受け部15B及び従動回転軸12の内部空間の内周面との間には隙間15aが形成されており、この隙間15aにおける受け部15B表面から従動回転軸12の内部空間の内周面までの距離と従動回転軸12の孔12a付近の肉厚との和がボール16の直径と略等しくなるよう受け部15Bが形成されている。尚、付勢部15とボール16とでクラッチ機構が構成されている。
ソレノイド駆動部14の駆動量は、該ソレノイド駆動部14が最も縮んでいる状態(動力遮断位置)で受け部15B表面が孔12aと対向する位置にあり、ソレノイド駆動部14が最も伸長している状態(動力接続位置)で押圧部15Aが孔12aと対向する位置にあるように調整されている。従って、ボール16は、ソレノイド駆動部14が縮んでいる状態で受け部15B表面と当接しており、この状態ではボール16の一部が孔12aから従動回転軸12の外周面より突出することはない(図3及び図4参照)。
又、ソレノイド駆動部14が伸長している状態では、ボール16は押圧部15Aと当接する(図6参照)。この状態では、従動回転軸12の外周面よりボール16の一部が突出している(図5及び図6参照)。尚、電動式釘打機1の本体の傾きによっては、ボール16が重力によって孔12aから突出することがあるが、ボール16は押圧部15Aにより支持されていないため、付勢力は殆ど無く、後述のコイルスプリング11が付勢されることはない。
更に、図3に示すように、従動回転軸12の他端側であって孔12aより端部側にはスプリング着座部12Bが形成されており、このスプリング着座部12Bの最端部であってギヤ8Bと先後端方向において並列する位置には支持軸12Dが設けられている。そして、この支持軸12Dには、ベアリング9Aを介してフライホイール9が回転可能に設けられている。ここで、従動回転軸12は、ハウジング2の一部である第2壁2Bと第3壁2Cに対して回転可能に支持されているため、該従動回転軸12の一部である支持軸12Dにベアリング9Aを介して回転可能に設けられたフライホイール9は、従動回転軸12に対して自由に回転可能であるとともに、ハウジング2に対して回転可能に支持された状態になっている。尚、支持軸12Dの端部には、ベアリング9Aの脱落防止のための止め輪9Bが取り付けられている。
又、フライホイール9の外周には歯部が設けられており、この歯部は前記ギヤ8Bに噛合しており、ギヤ8Bが時計方向に回転することによってフライホイール9は反時計方向に回転する。そして、フライホイール9の従動回転軸12と同軸な位置には駆動回転軸10が一体に形成されている。
図7〜図10に示すように、コイルスプリング11の他端側11Bにはフランジ11Dが設けられている。このフランジ11Dは略環状の部材であり、その円周上の一部には切欠き11Eが形成されている。そして、このフランジ11Dとコイルスプリング11とは、フランジ11Dの内部にコイルスプリング11の他端側11Bが同軸的に挿入されるとともに、切欠き11C内にコイルスプリング11の他端側11Bの鋼線の先端である突出部11Cが挿入されている。従って、フランジ11Dとコイルスプリング11とは、コイルスプリング11の回転方向に関して一体に回転することができる。
図3に示すように、コイルスプリング11は、その一端側11Aが駆動回転軸10に固定されており、従動回転軸12のスプリング着座部12Bがコイルスプリング11内に挿入されている。又、ベアリング17Aに隣接してベアリング20が並設されており、コイルスプリング11の他端側11Bに設けられたフランジ11Dがベアリング20によって回転可能に支持されている。
ここで、コイルスプリング11が自由状態にあるときには、該コイルスプリング11の内径は、フライホイール9の駆動回転軸10の最大外径と略等しく設定されている。又、従動回転軸12のスプリング着座部12Bの外径は駆動回転軸10の最大外径よりも小さいため、モータ8に通電されていない状態では、コイルスプリング11と従動回転軸12とは非連結状態にある。
図4に示すように、従動回転軸12に形成された孔12aに挿入されたボール16がスプリング着座部12Bの表面より突出していない場合には、フランジ11Dは溝17a内を自在に回転することができる。
次に、以上の構成を有する電動式釘打機1によって釘を打ち込む動作について説明する。
先ず、作業者がトリガ5を引くとともに、プッシュレバー6Aを被打込材に押し当てるか、或はプッシュレバー6Aを被打込材に押し当てた後にトリガ5を引くと、電池4を電源としてモータ8が駆動される。すると、モータ8の回転軸8Aの回転は、ギヤ8Bからフライホイール9へと伝達され、該フライホイール9とその駆動回転軸10及びコイルスプリング11が所定の速度で回転駆動される。フライホイール9が回転駆動されると、その角速度が増し、該フライホイール9に回転エネルギーが蓄積される。このとき、コイルスプリング11は、図3及び図5に示すように、従動回転軸12に対して離間しているため、従動回転軸12が回転することはない。従って、この状態では、コイルスプリング11と従動回転軸12との間に摩耗は発生しない。
而して、モータ8が回転を開始してから所定時間が経過し、フライホイール9に駆動子18を駆動するに必要な回転エネルギーが蓄積されると、不図示の駆動回路が作動してソレノイド13に通電され、ソレノイド駆動部14がソレノイド戻りバネ14Aの付勢力に抗して伸長する。このとき、隙間15a内で、ボール16の付勢部15と接する面が受け部15B表面から押圧部15Aに変わる。押圧部15Aは斜面で構成されているとともに、ボール16はソレノイド駆動部14の伸縮方向には移動できないため、ソレノイド駆動部14が伸長することによって、ボール16は、押圧部15Aにより従動回転軸12の径方向外方に移動し、図5及び図6に示すように、従動回転軸12の表面より突出する。
図5及び図6に示すように、押圧部15Aによって3個のボール16がそれぞれスプリング着座部12Bの表面より突出した場合には、3個のボール16によってフランジ11Dが径方向外方に押し広げられるため(押圧)、ボール16とフランジ11Dとの間に摩擦力が生じることになる。その結果、図5に示すように、コイルスプリング11の内径が縮小され、コイルスプリング11と従動回転軸12との間の摩擦力が増加し、数十ミリ秒後には、コイルスプリング11が従動回転軸12に締結されて従動回転軸12はコイルスプリング11及び駆動回転軸10と一緒に回転することになる。
又、付勢部15は、ソレノイド駆動部14に回転可能に設けられるとともに、従動回転軸12とボール16を介して連結されるため、従動回転軸12と共に回転する。ここで、従動回転軸12には駆動子18のラック18Aと噛合するピニオンギヤ12Cが形成されているため、従動回転軸12が回転すると、駆動子18がハウジング2の先端側に移動する。
従動回転軸12が回転駆動される場合には、モータ8の出力のみならずフライホイール9に蓄積されていた回転エネルギーも従動回転軸12に伝達されるため、該従動回転軸12は、コイルスプリング11と連結された状態で急激に高速回転することになる。(尚、打込み動作中にモータ8への電力供給を止めても良い。)従動回転軸12の急激な高速回転に応じて駆動子18もハウジング2の先端側に急激に移動し、駆動子18の先端側に取り付けられたブレード18Bによって不図示の釘が被打込材に打ち込まれる。尚、電動式釘打機1の本体の傾きによっては、ボール16が重力によって孔12aから突出することがあるが、ボール16は押圧部15Aによって支持されていないため、付勢力は殆ど無く、フランジ11Dが付勢されることはない。
そして、打込完了時にはソレノイド13への通電も終了し、ソレノイド駆動部14は、ソレノイド戻りバネ14Aの付勢力により縮む方向へと移動する。付勢部15も同様に移動するため、ボール16は受け部15Bの表面に着座し、フランジ11Dとボール16間の押圧力が無くなる。すると、コイルスプリング11の他端側11Bは、ボール16と従動回転支持部17の延出部17Bとの間での狭持及びボール16の付勢による従動回転軸12への当接から開放される。すると、コイルスプリング11は、スプリング着座部12Bを締め付けていた箇所が緩んで打込動作が開始される前の内径に戻り、コイルスプリング11と従動回転軸12との連結が解除される。
釘を被打込材に打ち込んだ後に従動回転軸12のコイルスプリング11との連結が解除されると、駆動子18には、これを先端側へと付勢する力が作用しなくなるため、駆動子18は、これに接続された駆動子戻りバネ19により後端側へと引き戻されて釘を打ち込む前の状態に戻る。
このような構成を採用した場合、フランジ11Dには、コイルスプリング11を構成する鋼線より剛性が高くて高硬度の素材を用いることができる。従って、コイルスプリング11とスプリング着座部12Bとを接触させることと比較して、フランジ11Dとスプリング着座部12Bとを接触させる方がより大きな摩擦力を発生させることができるとともに、フランジ11Dの摩耗も低く抑えることができる。この結果、フランジ11Dとスプリング着座部12Bとの間の摩擦力に抗する滑りが発生しにくくなり、ソレノイド駆動部14を駆動してからコイルスプリング31と従動回転軸12とが締結状態になるまでの時間を短縮することができる。
又、以上のような構成を採った場合、フランジ11Dの素材を高硬度の素材とすることができるとともに、ボール16を3個用いているため、摩擦力を個々のボール16に分散することができ、フランジ11Dの摩耗を更に低減することができる。
更に、3個のボール16でフランジ11Dを均等に径方向外方へと付勢して摩擦力を発生させるとともに、フランジ11Dはベアリング20で回転可能に支持されているため、ボール16でフランジ11Dを付勢したときにも、フランジ11Dを含むコイルスプリング11の回転の中心軸の従動回転軸12の回転の中心軸に対するズレが抑制される。従って、回転軸ズレに起因する異常振動等の発生が抑制され、打込動作の安定化が図られる。
尚、本発明は、その適用が以上の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以上の実施の形態では、コイルスプリングは駆動回転軸に固定されて従動回転軸とは動力的に連結又は切断される構成を採用したが、これに限らず従動回転軸にコイルスプリングを固定し、駆動回転軸と動力的に連結又は切断可能としても良い。この場合は駆動回転軸側にソレノイド駆動部や付勢部を配置することにより、実施の形態と同様に釘を打ち込むことが可能となる。又、フランジを径方向外方へ付勢する手段としてはボールではなく、他形状の部品を用いても実施の形態と同様に釘を打込むことが可能となる。
次に、駆動子18を加速するピニオンギヤ12Cのトルクと釘打込み深さ及び製品反動量との関係を図11に基づいて説明する。尚、図11は本発明に係る電動釘打機の駆動子加速トルクと釘打込深さ及び製品反動量との関係を示す図である。
一般に電動式釘打機は、モータやフライホイールを有することから気圧式(圧縮空気)釘打機と比較して1.5倍ほど製品質量が大きい。又、釘の長さが長くなるほど打込衝撃に耐え得る強度を備える必要があるために製品が重くなる。そのため、手持ちタイプの電動式釘打機としては、一般的に釘長さ約30mm〜約65mmまで対応するのが限界である。
又、製品の大きさや強度を考慮すると、駆動子18の質量は30〜150g、駆動子18を加速するピニオンギヤ12Cの平均半径は15〜40mm、ノーズ6の不図示の通路内に設けられた駆動子18を加速するための助走距離は10mm〜40mm、駆動子18を加速するために必要なフライホイール9の回転エネルギーは20〜120Jとなっている。
尚、助走距離が長く、短い釘の場合は回転エネルギーが小さくても良く、助走距離が短く、釘が長い場合は回転エネルバーは大きくなる。ここで、助走距離とは、ノーズ6内にセットされた釘と被打込材及びブレード18Bの先端との間の距離の和を言う。
上記範囲内の電動式釘打機1において、駆動子18を加速するトルクに対する釘打込深さと製品反動の一例を図11で示す。
図11の横軸は駆動子18の加速トルク、縦軸は釘打込深さと製品反動である。図11に示すように、打込深さは、駆動子の加速トルクが約15N・mに向って大きくなるに従って著しく大きくなり、製品反動は逆に双曲線的に低減していく。又、駆動子の加速トルクが約35N・mに向って大きくなるに従って打込み深さは漸増し、製品反動は漸減していく。そして、駆動子の加速トルクを約15N・mを超えて大きくしても、打込深さと製品反動の変化は共に小さい。駆動子加速トルクを必要以上に大きくし過ぎると、大きな本体強度が必要になり、製品の大型化や重量増を招いて性能低下に繋がる。
従って、低反動でエネルギー効率の高い電動式釘打機を得るためには、15〜35N・m、より好ましくは21〜35N・m、最も好ましくは27〜35N・mのトルクで駆動子を加速することが望ましい。
尚、図11において、釘打込深さが100%とは、釘をその全長分だけ被打込材に打ち込んだ状態を示す。同図中、釘打込深さが100%を超えているのは、駆動子18が不図示のダンパに衝突した際に該駆動子18がダンパを圧縮しているため、釘をその全長以上に被打込材に打ち込んでいる状態(釘が被打込材にめり込んでいる状態)を示す。
ところで、図11は釘長さ60mm、直径1.8mm、フライホイールの回転エネルギーが約120Jのカーブを示している。又、釘長さ30mm、直径1.8mm、フライホイールの回転エネルギーが約55Jの場合及び釘長さ30mm、直径0.6mm、フライホイールの回転エネルギーが約20Jの場合も、駆動子加速トルクに対する釘打込深さと製品反動の特性は図11に示すカーブとほぼ同一のカーブを描く。尚、上記した回転エネルギーとは、各釘を被打込材に完全に打ち込むために必要なフライホイールの回転エネルギーである。
ここで、加速トルクTは、プランジャ(駆動子18)を加速する回転体(ピニオンギヤ12C)の角加速度を実測することによって次式により簡単に計算することができる。
T=J×(dω/dt)
J:プランジャのイナーシャ
dω/dt:プランジャを加速する回転体の角加速度(実施の形態ではピニオンギヤの各加速度)
本発明に係る電動式釘打機の破断側面図である。 本発明に係る電動式釘打機の破断平面図である。 同電動式釘打機の駆動部(クラッチOFF状態)の平断面図である。 図3のA−A線断面図である。 本発明に係る電動式釘打機の駆動部(クラッチON状態)の平断面図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明に係る電動式釘打機のコイルスプリングの側面図である。 本発明に係る電動式釘打機のコイルスプリングの正面図である。 本発明に係る電動式釘打機のフランジの破断側面図である。 本発明に係る電動式釘打機のフランジとコイルスプリングを示す破断側面図である。 本発明に係る電動式釘打機の駆動子加速トルクと釘打込深さ及び製品反動との関係を示す図である。
符号の説明
1 電動式釘打機
2 ハウジング
2A 第1壁
2B 第2壁
2C 第3壁
3 ハンドル
4 電池
5 トリガ
6 ノーズ
6A プッシュレバー
7 マガジン
8 モータ
8A 回転軸
8B ギヤ
9 フライホイール
9A ベアリング
9B 止め輪
10 駆動回転軸
11 コイルスプリング
11A コイルスプリングの一端側
11B コイルスプリングの他端側
11C 突出部
11D フランジ
11E 切欠き
12 従動回転軸
12A ベアリング
12B スプリング着座部
12C ピニオンギヤ
12D 支持軸
12a 孔
13 ソレノイド
14 ソレノイド駆動部
14A バネ
15 付勢部
15A 押圧部
15B 受け部
15a 隙間
16 ボール
17 従動回転軸支持部
17A ベアリング
17B 延出部
17a 溝
18 駆動子
18A ラック
18B ブレード
19 駆動子戻りバネ
20 ベアリング

Claims (4)

  1. ハウジングと、該ハウジングに内蔵されたモータと、該モータによって回転駆動されるフライホイールと、該フライホイールの回転力で釘を打ち込むブレードを有する駆動子と、前記フライホイールの回転力を前記駆動子に選択的に伝達可能なクラッチ機構を備えた電動式釘打ち機において、
    前記駆動子を加速するトルクを15〜35N・mに設定したことを特徴とする電動式釘打機。
  2. 前記クラッチ機構は、前記フライホイールに一体に形成された駆動回転軸と、該駆動回転軸に隣接して同軸的に配置された従動回転軸と、前記フライホイールの回転力を前記駆動回転軸から前記従動回転軸に伝達可能なコイルスプリングを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の電動式釘打機。
  3. 前記駆動子を加速するトルクを21〜35N・mに設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の電動式釘打ち機。
  4. 前記駆動子を加速するトルクを27〜35N・mに設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の電動式釘打ち機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101486180B (zh) * 2008-01-15 2010-12-08 日立工机株式会社 紧固件打入工具
TWI385059B (zh) * 2010-04-27 2013-02-11 Basso Ind Corp Floating impulse unit of electric nail gun
TWI385058B (zh) * 2010-04-26 2013-02-11 Basso Ind Corp Electric nail gun drive device

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