JP2007215853A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】より効果的にユーザの覚醒度合を維持しあるいは高めることができる車両用シートを提供すること。
【解決手段】本発明に係る車両用シート1は、ユーザを緩衝自在に支持する袋体2を備えた車両用シートであって、
車両室内の空気に通じる背面側開口部3と、車両用シート1の座面3a、4aに通じる座面側開口部5と、背面側開口部3と座面側開口部5とを連通する連通手段6と、座面側開口部5に連通手段6を介して車両室内の空気を供給するあるいは座面側開口部5から連通手段6を介して車両室内の空気を吸引する給排手段8、9、10、11とを備えるとともに、連通手段6を袋体2に座面側から背面側に通ずる筒部を設けることにより形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、乗用車、トラック、バス等の車両に用いて好適な車両用シートに関する。
ユーザが車両を運転中に、道路環境が物理的、視覚的に単調となること、あるいは、渋滞等の発生により、当該ユーザの覚醒度合が低下する場合がある。このような場合に、ユーザの覚醒度合を維持しあるいは高めるために、ユーザに送風を行って刺激を与えることが考えられる。このような目的でのユーザへの送風に供しうる構造として、特許文献1において、ユーザの背中あるいは大腿部に対して空調装置の排気を送風する車両用シートの構造が提案されている。
特開2005−143981号公報
しかしながら、特許文献1に開示された車両用シートにおいては、ユーザの背中あるいは大腿部への送風のために空気を供給するにあたり、軟質材よりなる配管を埋設しているため、例えば車両用シートの座部の車両後方等の、ユーザの自重により荷重が集中する部分において、当該配管が押しつぶされ、車両用シートの座面および背もたれ面のうち所望の部分に所望の風量の送風つまりは空気の供給を行うことができず、当該ユーザの覚醒度合を維持し高める効果が薄れてしまうという問題が生じた。
そこで本発明は、上記問題に鑑み、より効果的にユーザの覚醒度合を維持しあるいは高めることができる車両用シートを提供することを主たる目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明に係る車両用シートは、
ユーザを緩衝自在に支持する袋体を備えた車両用シートであって、
車両室内の空気に通じる背面側開口部と、前記車両用シートの座面に通じる座面側開口部と、前記背面側開口部と前記座面側開口部とを連通する連通手段と、前記座面側開口部に前記連通手段を介して車両室内の空気を供給するあるいは前記座面側開口部から前記連通手段を介して車両室内の空気を吸引する給排手段とを備えるとともに、当該連通手段を前記袋体に座面側から背面側に通ずる筒部を設けることにより形成することを特徴とする。ここで座面とは車両用シートの座部および背もたれ部の着座したユーザ側の面を指す。
ここで、前記筒部を座面に対して垂直な方向に延在させることが好ましい。なお、背面側とは座面と反対側を指す。
また、前記給排手段の一部を構成する導入エクステンションを設けるとともに、当該導入エクステンションを前記車両用シートの座部の後端部あるいは背もたれ部の下端部に設けることが好ましい。
さらに、前記給排手段を前記車両用シートの座部の後端部あるいは背もたれ部の下端部に接続して設けることが好ましい。
ここで、前記空気を常温の空気とすることが好ましい。
さらに、前記座面側開口部を、前記車両用シートの座面の全体にわたって複数個設けることが好ましい。
さらに、前記袋体を分割タイプとしてもよい。
あるいは、前記給排手段の一部を構成するファンを設けるとともに、前記袋体の背面側に当該ファンを設けてもよい。
本発明によれば、車両用シートの座面および背もたれ面のうち所望の部分に所望の風量の送風を行い、当該ユーザの覚醒度合をより効果的に維持し高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による車両用シートの一実施例を示す模式図であり、図2は本発明による車両用シートの一実施例の一部を分解して示す模式図である。図3は本発明による車両用シートの一実施例の一部を斜め後方から視て示す模式図である。図4は本発明による車両用シートの後述する導入エクステンションを示す模式図である。図5は本発明による車両用シートのシートパッドに設けられる導風通路の形態を示す模式図である。さらに、図6は本発明による車両用シートの袋体としてのエアーバッグを示す模式図である。
図1および図2に示すように、本実施例の車両用シート1は、ユーザを緩衝自在に支持する袋体としてのエアーバッグ2を備えた車両用シートであって、車両室内の空気に通じる背面側開口部3と、車両用シートの座部4の座面4aの全体にわたって通じる複数の座面側開口部5と、背面側開口部3と座面側開口部5とを連通する連通手段としての複数条の導風路6と、背面側開口部3から座面側開口部5に導風路6を介して車両室内の常温の空気を供給する給排手段としての、シートパッド7に前後方向に延在する溝部16を設けて形成された風導部分8と、ほぼ台形筒状の導入エクステンション9、外部配管10、ファン11を備え、さらにエアーバッグ2内の空気圧を調整するコンプレッサー12を備え、コンプレッサー12とエアーバッグ2とは付加外部配管13により接続されている。
図2に示すようにエアーバッグ2の座面側にはシート表皮15が積層して設けられ、エアーバッグ2の背面側にはシートパッド7が積層して設けられ、シートパッド7の背面側にはパッドキャリア15が積層して設けられる。エアーバッグ2には導風路6が座面に垂直な方向に延在させて設けられ、シートパッド7の座面側には前後方向に延びる風導部分8が設けられ、風導部分8の後端部は導入エクステンション9に接続される。
ここでエアーバッグ2の構造を、図3を用いて説明する。図3(a)はエアーバッグ2を上方つまりは座面側から視て示す模式図であり、図3(b)は図3(a)のAA断面を示す模式断面図であり、図3(c)は図3(a)のBB断面を示す模式断面図であり、図3(d)は図3(a)のエアーバッグ2を座面に平行な平面内の断面で示す模式断面図である。
エアーバッグ2は例えば合成繊維部材よりなり、座面側と背面側および側面側の部分を形成する表皮部2gと導風路6を形成する座面に垂直な方向に延びる複数の円筒状の筒部2hにより構成され、表皮部2gと円筒状の筒部2hとは相互に液密に接合あるいは一体形成される。図3(b)に示す断面内においては、表皮部2gにより四つの空間2kが画成され、空間2h内にはコンプレッサー12により加圧された例えば空気等が充填される。前述したように表皮部2gと円筒状の筒部2hとは液密に接合あるいは一体成形されてエアーバッグ2をなしているので、空間2h内の加圧された空気とエアーバッグ2の外側の空気とが通流することはない。当該四つの空間2hの間には、円筒状の筒部2hにより三つの導風路6が画成される。図3(c)に示す断面内では、表皮部2gにより空間2hが画成され、空間2h内にはコンプレッサー12により加圧された空気が充填される。図3(d)に示す断面内では、最外周側に四角形状の表皮部2gが設けられ、その内側に前後方向に六つ、左右方向に三つの円筒状の筒部2hが設けられ、合計18個の導風路6が形成される。なお袋体は上述したエアーバック2に限られず、液体を充填して弾性を持たせるものでもよい。
ここで、図2に示すように、風導部分8を形成する溝部16が設けられるシートパッド7の形態を、図4を用いて説明する。
図4(a)はシートパッド7を後方側つまりは導入エクステンション9側から視て示す模式斜視図であり、図4(b)はシートパッド7を座面側から視て示す模式図であり、図4(c)は図4(b)のAA断面を示す模式図である。このように、溝部16はシートパッド7の座面側に、エアーバッグ2に形成される円筒状の筒部2hに対応する位置に3条、前後方向に延在させて設けられる。
導入エクステンション9は図5に示すように座部3の後端部に設けられ、図6に示すように、上底面側および下底面側が開口したほぼ台形筒状に形成される。図4中9aは上底面側の開口部を、9bは下底面側の開口部を示す。ここでは上底面側の開口部9aは円筒形状に形成されている。この導入エクステンション9は図1に示すように、座部3の後端部および背もたれ部4の下端部にそれぞれに設けられ、面積の大きい側の下底面側の開口部9bが風導部分8の後端部に接続され、面積の小さい側の上底面側の開口部9aが外部配管10に接続される。
なお、座面4aは、例えば本革、合成皮革、天然繊維あるいは合成繊維等のシート表皮15により構成され、導風路6に対応する複数の箇所に円孔状の座面側開口部5が穿設される。
また、シートパッド7は車両用シートの形を作るために、射出成形により例えば発泡スチロール等の軟質の素材により構成されるものであり、パッドキャリア15は車両用シート全体を支持するために、鉄やアルミ等の金属あるいは合成樹脂等の硬質の素材により構成されるものである。なお、ここでは図示を省略するが以上述べたような、連通手段および給排手段と同様の構成を図1に示す車両用シート1の背もたれ部17にも設ける。
このように構成される車両用シート1において、ユーザの覚醒度合が低下している場合に、ファン11を順方向に動作させると、車両室内の空気は外部配管10、導入エクステンション9、風導部分8および導風路6を通じて、座面側開口部5に供給されて、図7に示すようにユーザCの背中および太股裏側に供給されて送風され、ユーザに刺激を与えて、覚醒度合を維持するあるいは高めることができる。あるいはファン11を逆方向に動作させて、座面側開口部5から車両室内の空気を吸引して、ユーザに負圧を与えることにより覚醒度合を維持するあるいは高めることもできる。
このように形成された車両用シートにおいて、ユーザが着座することにより荷重が作用した場合に、荷重はエアーバッグ2の弾性により支持されるため、エアーバッグ2に設けた導風路6の断面形状は、エアーバッグ2が変形して、その変形に伴って変形するものの、依然として導風路6は、給排手段を構成するファン11の動作により、背面側開口部3から座面側開口部5に空気を供給するために必要な断面積を確保することができるため、導風路6が潰れて、座面のいずれの箇所の座面側開口部5に空気が供給できなくなることを防止することができる。このため、所望の部分に所望の風量の送風を行いユーザに刺激を与えて、ユーザの覚醒度合をより効果的に維持し高めることができる。また、導風路6をエアーバッグ2の座面側から背面側に延在させて設けることにより、ユーザの着座による荷重の方向と導風路6の延在方向を一致させることができるので、荷重が作用しても導風路6が変形して断面積が減少することをさらに効果的に防止することができる。なお、シートパッド7に設けた風導部分8は、シートパッドが硬質であることによりもとより潰れる心配はない。
上述したように、座面側開口部5を座面全体にわたって設けることにより、より効果的にユーザの覚醒度合を維持し高めることができる。これは、人間の送風に対する温度識別感覚は、当該送風を受ける体表面の面積が大きくなるほど大きくなることを利用したものである。これは面積効果と呼ばれるもので、例えば、人間は体表面1平方センチメートルでは1.0℃の温度差しか識別できないが、体表面全体では0.01℃の温度差を識別できる。また、供給する空気量、つまり送風量は40m/min以上であることが好ましい。
また、常温の空気を送風することによっても、より効果的にユーザの覚醒度合を維持し高めることができる。これは、人間の送風に対する温度識別感覚は、常温(例えば24〜30℃では0.1〜1.0℃の差を識別できる)においてほかの温度域よりも高くなることを利用するためである。このため、ここでは図示しないが、本実施例におけるファン11は車両の空調装置の排出口から所定の距離だけ離隔した位置に設ける。
また、上記のように導入エクステンション9を車両用シート1の座部4の後端部あるいは背もたれ部17の下端部に設けて給排手段を構成する外部配管10を座部4の後端部あるいは背もたれ部17の下端部に接続することにより、例えば、座部4の前端部から背もたれ部17の上端部まで導風路6を一気通貫に設けるあるいは背もたれ部17の上端部から座部4の前端部まで導風路6を一気通貫に設けることに比べて、ファン11から座面側開口部に至る経路長を短くし、かつ均一にすることができるので、それぞれの座面側開口部5により均一に空気を供給するあるいは座面側開口部5から均一に空気を吸引することができる。
図8は本発明による車両用シートの他の実施例を示す模式図であり、図9は図8に示した本発明による車両用シートのAA断面を示す模式図である。
図1および図2に示した本発明による車両用シートに用いられるエアーバッグ2は、導風路6を前後方向に六つ等間隔に並べ、左右方向に三つ等間隔に並べて、合計18個設けていたが、ここでは前後方向に六つ等間隔に並べ、左右方向に六つ等間隔に並べて合計36個設けている。
ここでも、図8に示すように、風導部分8がシートパッド7の座面側に前後方向に6条溝部16を形成することにより設けられ、ほぼ台形筒状の導入エクステンション9の下底面側の9bがシートパッド7の後方つまりは風導部分8の後端部に接続されるとともに、当該導入エクステンション9の上底面側の開口部9aが外部配管10に接続され、外部配管10がファン11に接続される。さらにエアーバッグ2内の空気圧を調整するコンプレッサー12が、付加外部配管13を介してエアーバッグ2に接続されている。
さらに、図9に示すように、エアーバッグ2は合成繊維素材により風船状に形成されるものであり、エアーバッグ2に座面に垂直な方向に延在する導風路6が設けられる。なお、座面4aは、例えば本革、合成皮革、天然繊維あるいは合成繊維等のシート表皮15により構成され、導風路6に対応する複数の箇所に円孔状の座面側開口部5が穿設される。同様に、シートパッド7は車両用シートの形を作るために、射出成形により例えば発泡スチロール等の軟質の素材により構成されるものであり、前述した風導部分8が前後方向に延びる溝状に形成される。パッドキャリア15は車両用シート全体を支持するために、鉄やアルミ等の金属あるいは合成樹脂等の硬質の素材により構成されるものである。
このように構成される車両用シート1において、ユーザの覚醒度合が低下している場合に、ファン11を順方向に動作させると、車両室内の空気は外部配管10、導入エクステンション9、風導部分8、導風路6を介して、座面側開口部5に図9中矢印で示すように供給される。
図10は本発明による車両用シートの他の実施例を示す模式図であり、図11は図10に示した本発明による車両用シートのAA断面を示す模式図である。
ここでも、風導部分8がシートパッド7の座面側に前後方向に6条導風路6に対応する位置に設けられ、ほぼ台形筒状の導入エクステンション9の下底面側の9bがシートパッド7の後方に接続されるとともに、当該導入エクステンション9の上底面側の開口部9aが外部配管10に接続され、外部配管10がファン11に接続される。さらにエアーバッグ2内の空気圧を調整するコンプレッサー12が、付加外部配管13を介してエアーバッグ2に接続されている。
さらに、図11に示すように、エアーバッグ2は合成繊維素材により風船状に形成されるものであり、エアーバッグ2に座面に垂直な方向に延在する導風路6が設けられる。なお、座面4aは、例えば本革、合成皮革、天然繊維あるいは合成繊維等のシート表皮15により構成され、導風路6に対応する複数の箇所に円孔状の座面側開口部5が穿設される。同様に、シートパッド7は車両用シート1の形を作るために、射出成形により例えば発泡スチロール等の軟質の素材により構成されるものであり、パッドキャリア15は車両用シート全体を支持するために、鉄やアルミ等の金属あるいは合成樹脂等の硬質の素材により構成されるものである。
加えて、図10および図11に示すように、ユーザが着座した場合の圧力分布を測定するために、圧力センサ18をそれぞれの導風路6の右後方に設け、当該圧力センサ18の出力信号を元に、圧力分布を求めてユーザの疲労度を推定する疲労度推定器としてのECU19を設け、当該ECU19が求めた疲労度を元に、ユーザの覚醒度合を検出して、覚醒度合が低下した場合には、ファン11のオンオフおよび正転あるいは逆転を制御する演算装置としてのECU20を設ける。これらのECU19およびECU20が制御手段を構成する。なお、疲労度を推定するに当たっては、例えばユーザは疲労すると臀部を浮かせる傾向にあるので、座面後方の圧力が小さくなることによりユーザの疲労を推定することができる。
このように構成される車両用シートにおいて、ユーザの疲労度が増している場合に、ファン11を順方向に動作させると、車両室内の空気は外部配管10、導入エクステンション9、風導部分8および導風路6を介して座面側開口部5に図11中矢印で示すように供給され、疲労度の増加に起因するユーザの覚醒度合の低下を防止することもできる。
上述したことに加えて、本実施例は以下の測定項目を元にファン11を制御して、ユーザの覚醒度合を維持するあるいは高めることもできる。図12は本発明による車両用シートの制御内容を示すフローチャートである。
すなわち、疲労度推定とともに、ユーザの眠気をCCDカメラ等の撮像手段により顔の向きや視線を撮像して所定の処理を行うことにより推定する、あるいは、連続運転時間を車両内のいずれかのECU(電子制御ユニット)が測定することにより、それをファンの制御に反映する。
S1において連続運転時間を判定し、あるいはS2において眠気を推定して、それらが運転に支障するレベルであるとS3において判定されると、あるいは、S4において疲労度が推定され、当該疲労度によりユーザが疲労しているとS5において判定されると、S6においてエアーバッグ2内部の圧力等のパラメータが設定され、それに応じてコンプレッサー12を動作させ、S7において送風の刺激のパラメータが決定され、それに応じてファン11のオンオフあるいは回転数、正転、逆転等が決定される。さらにS8において送風アクチュエータであるファン11への動作指令がなされ、S9において座面側開口部5への送風あるいは座面側開口部5からの吸引が行われる。
さらに本発明による車両用シートの実施例は以下のような形態とすることができる。
図13は本発明による車両用シートの他の実施例を背面側から視て示す模式図であり、図14は図13に示した本発明による車両用シートのAA断面を示す模式図である。
ここでは、図13に示すように、エアーバッグ2には導風路6が形成され、ほぼ台形筒状の導入エクステンション21の下底面側の開口部がエアーバッグ2の下面(背面)全体を覆うように導風路6に直接接続されるとともに、当該導入エクステンション21の上底面側の開口部がファン11に直接接続される。さらにエアーバッグ2内の空気圧を調整するコンプレッサー12が、付加外部配管13を介してエアーバッグ2に接続されている。つまり給排手段の一部を構成するファン11を設けるとともに、袋体としてのエアーバッグ2の背面側にファン11を設ける。
また、図14に示すように、エアーバッグ2は合成繊維素材により風船状に形成されるものであり、エアーバッグ2に導風路6が設けられる。なお、座面4aは、例えば本革、合成皮革、天然繊維あるいは合成繊維等のシート表皮15により構成され、導風路6に該当する複数の箇所に円孔状の座面側開口部5が穿設される。同様に、シートパッド7は車両用シートの形を作るために、射出成形により例えば発泡スチロール等の軟質の素材により構成されるものであり、パッドキャリア15は車両用シート全体を支持するために、鉄やアルミ等の金属あるいは合成樹脂等の硬質の素材により構成されるものである。
この構成によれば、上述したようにユーザの覚醒度合を維持し高めることができるほか、それと同時にエアーバッグ2の弾性をファン11の動作によって送風あるいは吸引により可変自在に制御して、車両用シート1のクッション性能を制御することができる。
加えて本発明による車両用シート1の実施例は以下のような形態とすることができる。
図15は本発明による車両用シート1の他の実施例を示す模式図であり、図16は図15に示した本発明による車両用シートのAA断面を示す模式図である。
ここでも、風導部分8がシートパッド7の座面側に前後方向に6条、導風路6に対応する位置に設けられ、ほぼ台形筒状の導入エクステンション9の下底面側の開口部9bがシートパッド7の後端部に接続されるとともに、当該導入エクステンション9の上底面側の開口部9aが外部配管10に接続され、外部配管10がファン11に接続される。さらにエアーバッグ2を分割タイプとして、前後方向に6枚重なりあうように形成される平板状のエアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fが設けられ、当該エアーバッグ内の空気圧を調整するコンプレッサー12が、付加外部配管13を介してそれぞれのエアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fに接続されている。
さらに、図16に示すように、エアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fは合成繊維素材により風船状に形成されるものであり、エアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fに座面に垂直な方向に延在する導風路6が設けられる。なお、座面4aは、例えば本革、合成皮革、天然繊維あるいは合成繊維等のシート表皮15により構成され、導風路6に該当する複数の箇所に円孔状の座面側開口部5が穿設される。同様に、シートパッド7は車両用シートの形を作るために、射出成形により例えば発泡スチロール等の軟質の素材により構成されるものであり、パッドキャリア15は車両用シート全体を支持するために、鉄やアルミ等の金属あるいは合成樹脂等の硬質の素材により構成されるものである。なおここでは図示しないが、付加外部配管12の途中には適宜電磁弁を設けて連通および遮断を自在なものとすることが好ましく、これによれば、エアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fのうち所望のエアーバッグをコンプレッサー12に対して選択的に連通させることができる。
この構成によれば、上述したようにユーザの覚醒度合を維持し高めることができるほか、それと同時にエアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fの弾性をエアーバッグ2a、2b、2c、2d、2e、2fごとに可変自在に制御して、車両用シートのクッション性能を制御することができる。
図17は本発明による車両用シート1のエアーバッグ2の他の実施の形態を示す模式図である。
上述した実施例の車両用シート1においては、風導部分8をシートパッド7の座面側に前後方向に延びる溝部16を設けることにより構成したが、風導部分8をエアーバッグ2の背面側に設けて、前述した導入エクステンション9を風導部分8の後端部に接続することも可能である。
図17(a)はエアーバッグ2を斜めから視て示す模式図であり、図17(b)はエアーバッグ2を上方つまりは座面側から視て示す模式図であり、図17(c)は図17(b)のAA断面を示す模式断面図であり、図17d(c)は図17b(a)のBB断面を示す模式断面図である。
ここでも、エアーバッグ2は例えば合成繊維部材よりなり、座面側と背面側および側面側の部分を形成する表皮部2gと導風路6を形成する座面に垂直な方向に延びる複数の円筒状の筒部2hと、風導部分8を形成する溝部2kにより構成され、表皮部2gと円筒状の筒部2hおよび溝部2kとは相互に液密に接合あるいは一体形成される。図17(c)に示す断面内においては、表皮部2gにより四つの空間2mが画成され、空間2m内にはコンプレッサー12により加圧された例えば空気等が充填される。前述したように表皮部2gと円筒状の筒部2hとは液密に接合あるいは一体成形されてエアーバッグ2をなしているので、空間2m内の加圧された空気とエアーバッグ2の外側の空気とが通流することはない。当該四つの空間2mの間には、円筒状の筒部2hにより三つの導風路6が画成される。図17(d)に示す断面内では、表皮部2gおよび溝部2kにより空間2mが画成され、空間2m内にはコンプレッサー12により加圧された空気が充填される。
以上本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
本発明は、車両用シートに関するものであり、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用可能なものである。
本発明による車両用シートの一実施例を斜め上方から見て示す模式図である。 本発明による車両用シートの一実施例の一部を分解して示す模式図である。 本発明による車両用シートのエアーバッグを示す模式図である。 本発明による車両用シートの一実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの一実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートのシートパッドを示す模式図である。 本発明による車両用シートの一実施例の作用を示す模式図である。 本発明による車両用シートの一実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの一実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの制御内容を示すフローチャートである。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。 本発明による車両用シートの他の実施例の一部を示す模式図である。
符号の説明
1 車両用シート
2 エアーバッグ
3 背面側開口部
4 座部
5 座面側開口部
6 導風路
7 シートパッド
8 風導部分
9 導入エクステンション
10 外部配管
11 ファン
12 コンプレッサー
13 付加外部配管
14 シート表皮
15 パッドキャリア
16 溝部
17 背もたれ部
18 圧力センサ
19 ECU(疲労度推定器)
20 ECU(演算装置)
21 導入エクステンション

Claims (8)

  1. ユーザを緩衝自在に支持する袋体を備えた車両用シートであって、
    車両室内の空気に通じる背面側開口部と、前記車両用シートの座面に通じる座面側開口部と、前記背面側開口部と前記座面側開口部とを連通する連通手段と、前記座面側開口部に前記連通手段を介して車両室内の空気を供給するあるいは前記座面側開口部から前記連通手段を介して車両室内の空気を吸引する給排手段とを備えるとともに、当該連通手段を前記袋体に座面側から背面側に通ずる筒部を設けることにより形成することを特徴とする車両用シート。
  2. 前記筒部を座面に対して垂直な方向に延在させることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記給排手段をユーザの覚醒度合が低下した場合に動作させる制御手段を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
  4. 前記給排手段の一部を構成する導入エクステンションを設けるとともに、当該導入エクステンションを前記車両用シートの座部の後端部あるいは背もたれ部の下端部に設けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の車両用シート。
  5. 前記空気を常温の空気とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の車両用シート。
  6. 前記座面側開口部を、前記車両用シートの座面の全体にわたって複数個設けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の車両用シート。
  7. 前記袋体を分割タイプとすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の車両用シート。
  8. 前記給排手段の一部を構成するファンを設けるとともに、前記袋体の背面側に当該ファンを設けることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の車両用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010142646A (ja) * 2008-12-21 2010-07-01 Wet Automotive Syst Ag 通気装置
CN102951052A (zh) * 2011-08-19 2013-03-06 W.E.T.汽车系统股份公司 通风装置、空调装置、座椅和运输工具

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